実波「わー！ どれもおいしそー！
何から食べようかなー」

藍里「こ、こんな高級店もうにどと来られないかもしれない……」

未夕「何言ってるんですかー、わたし達がアイドルとして成功すればいつでも食べられるようになりますよー」

菜々美「て言うか別にそこまで高級ってわけでも無くない？ この位なら誕生日に連れてって貰えるでしょ」

夏夜「あー、出ましたお金持ち発言」

菜々美「え？ みんなこういうお店来ないの？」

夏夜「来ないわよ！」

真夢「でも、みんなと一緒に食べるっていいよね」

佳乃「うん、まゆしぃの言う通り
今日はアイドルの祭典の打ち上げ、みんなに楽しみましょう！」

実波「さんせーい！」

未夕「あれ？ でも今の発言からすると……」

未夕「もしかしてまゆしぃもこういうお店来たことあるんですか？」

真夢「えっ……うーんと…… まぁね……」

菜々美「ちょっと！ じゃあ何でフォローしてくんなかったの！？」

藍里「あははっ」

真夢「藍里？」

藍里「なんか、やっぱりみんなといるとたのしいね……」

藍里「わたし……みんなといれてよかった……」

「……」

夏夜「って、焼肉食う前に何しんみりさせてんのよ」

藍里「あっ、ごめん……」

実波「じゃあ早速頼んじゃいましょー」

未夕「ちょっと待ってください、あれって……」

菜々美「あぁっ！？」

「1-IClub！？」

夏夜「何でアンタ達ここに居んのよ」

志保「それはこっちのセリフよ」

愛「アイドルの祭典の打ち上げに来たんだよ、まゆしぃ」

真夢「それじゃあ私たちと一緒だね」

麻衣「ねぇ、折角だしご一緒してもいいかしら？」

志保「はぁ！？ なんでコイツらと一緒に食べなきゃいけないのよ！」

菜野花「まぁまぁ、なんだかんだ言ったってしほっちもまゆしぃと昔話したいって思ってるんでしょ？」

志保「だ、誰がそんなこと！」

萌歌「えー、もうわたしお腹空いた～、何でもいいから早く食べましょー」

愛「じゃあ決まりだね！ 一緒に食べよっ！」

真夢「うん！」

麻衣「決まりね」

志保「うー……」


未夕「1-Iと一緒にご飯食べられるなんて感激ですー！」

玲奈「うーん、そんなかなー？ 私たちだって結構普通の女の子だよ？」

未夕(20才で『女の子』……？)

ティナ「ねぇアナタ」

夏夜「え、私ですか……？」

ティナ「そうアナタ
ステージ見ててずっとスタイルいいな、って思ってたんだけど体型維持のために何かしてるの？」

夏夜「い、いやー……別に……」

ティナ「えー、じゃあそれって天然モノのカラダってこと！？」

夏夜「えぇ……まぁ……」

ティナ「うんうん、そのボディ大切にした方がいいよー」

夏夜「なんだコイツ……馴れ馴れしいな……」

菜野花「あー、でも私たち1-Iと貴女たちWUGが一緒にいると何か企画やってるみたいだよねー」

実波「確かにー、何か対決でもしますかー？」

志保(対決？)

菜野花「あー、いいねー 焼肉食べた皿数とか？」

実波「おー、それならわたし達負けませんよー」

菜野花「私たちだって自信あるわよ？」

志保(……)

志保「まいまい、今ビデオカメラ持ってる？」

麻衣「え？ まぁハンディカムなら持ってるけど」

志保「じゃあ今から緊急ストリーミング番組始めるわよ」

麻衣「え？」

志保「ちょっと佳乃さん」

佳乃「え、なんですか……？」

志保「今から1-IとWUGで配信番組やらない？」

佳乃「え？ でもそういうのって権利とかが」

志保「まぁそう言うのはわたし達に任せておいて」

佳乃「はぁ……」

志保「多分この時間でも視聴数5万は行くと思うし、WUGの宣伝にもなるから悪い話では無いと思うの」

麻衣(グイグイ行くなぁ……)

佳乃「ぐ、具体的に何をするんですか……？」

志保「グループ対抗で焼肉対決をするのよ」

佳乃「焼肉対決……？」

志保「そう、わたし達両方とも7人いるでしょ？ 多く焼肉を食べられた方が勝ちよ」

佳乃「まぁ……それなら……」

志保「やったぁ！ それなら早速、まいまい！ カメラ回して」

麻衣「はーい」

麻衣(ほんと、対決出来るなら何でもいいのかな……)

志保「始まりました！ 緊急企画『1-IClub vs

佳乃 Wake Up,Girls、焼肉の王女様決定戦！』」

萌歌「いぇーい！」

実波「どんとぱふぱふ～」

未夕「あれ？ これ撮ってますか？」

未夕「全世界のみな様こんばんは、超絶天使系ヘタレアイドル岡本未夕でーす」

実波「いぇーい！」

萌歌「あっ！ じゃあわたしも、みんなお待たせ！ 1-IClub未来のエース鈴木萌歌でーす！」

実波「いぇーい！」

愛「ねぇまゆしぃ」

藍里「ねぇ真夢」

愛、藍里「わたし達もカメラ映りに行こう？」

愛、藍里「えっ？」

真夢「あっ、うん……そうだね……」

愛「私とまゆしぃの共演は普段見られないんだからファンのみんなは期待してるはずよ！」

藍里「この対決は1-IvsWUGなんだからグループが違うあなたといっしょにうつるのはおかしいです」

愛、藍里「む～！」

真夢「あ、あははは」

？？「対決？ 面白そうじゃん」

菜野花「あぁっ！ あなたは！？」

菜々美「なんでここに居るんですか……」

「早坂さん！」

早坂「やっほー」

夏夜「で、アンタは何しに来たの……」

ティナ(あ、あの早坂さんにあんな態度がとれるなんて……夏夜さんカッコいい……)

早坂「いやー、1-IとWUGの対決って聞いてねー」

早坂「でもさー、ただ肉食ってるだけじゃつまんなくない？」

佳乃「確かに……」

早坂「だから特別ルール」

早坂「5皿ごとにテーブルの中で誰か一人に僕の考えた『愛$怒厘苦』を飲んでもらいまーす」

麻衣(『アイドルドリンク』？ なんじゃそりゃ)

早坂「そんで、勝ったチームの焼肉代はボクが奢りまーす」

真夢「あっ、私たちは元々丹下社長が奢ってくれる予定だったので

丹下「アンタ達！ この勝負氏ぬ気で勝ちに行くのよ！」

(えぇ…………)

愛「わたし達も頑張ろう！」

菜野花「そうだね！」

志保「『頑張る』？」

志保「そんなの当たり前よ！ いい？ これは勝負なのよ、わたし達は全力でアイツらをぶっ潰すの！」

白木「その通りです」

1-I「白木さん！？」

白木「どんな下らない対決でも勝負は勝負、貴方たち1-Iに決して負けは許されません」

1-I「はい！」

早坂「そんじゃ、オープニング愛$怒厘苦『アッシドハニー』だ」

萌歌「ん、何コレ？ 飲んでいいの？」

玲奈「こら、早坂さんの話ちゃんと聞きなさい」

萌歌「喉乾いたのになぁ～」

早坂「これは一杯でおよそ1か月分のビタミンCが摂れるんだ」

菜々美「『1か月分』って……」

萌歌「飲んじゃえ」

早坂「あらゆる柑橘系エキスを濃縮した結果PH2,5の酸性になっちゃったけどねー」

佳乃(PH2,5……！？)

萌歌「おんぎょぅああああああああああ」

麻衣「萌歌！？」

萌歌「今度からは……真面目になります……」

鈴木萌歌、リタイア

玲奈「萌歌があのドリンクを飲んだ瞬間、凄い顔をしてのたうち回りながら店の外に飛んで行っちゃった……」

早坂「あらら、話を最後まで聞かないから……」

藍里「……」

佳乃「……」

実波「……」

菜々美「……」

未夕「……」

夏夜「……」

怒厘苦「ﾄﾞｰﾝ」

真夢「……どうする、これ？」

早坂「ん？ どうしたの、それ飲まないと焼肉食べられないよ？」

早坂「ほら、もう1-Iは肉焼き始めてるよ～？」

夏夜「あぁもうわかってるわよ！」

実波「あーもう！ 焼肉早く食べたい、わたし飲む！」

菜々美「あぁダメっ！ みにゃみが居ないとわたし達勝てない！ わたしが代わりに飲むー！」

実波「えっ」

菜々美「ごくっ」

実波「な、ななみん……？」

菜々美「……あれ？」

菜々美「なーんだ結構だいじょ、うるべぼぶららぁぁぁぁぁぁぁ」

実波「ななみーん！」

菜々美「みんな……がんばって……」

久海菜々美、リタイア

佳乃「ななみんも店の外まで飛んで行った……」

麻衣「え、えっと……1-I、WUG両チーム1人リタイアです……」

麻衣(て言うかどっちも酷い顔してたけど……あれ完全にアイドルNGでしょ……)

佳乃「みんな！ 肉を焼こう！」

夏夜「切り替え早っ！」

志保(向こうも肉を焼き始めた……早く食べないと……)

志保「みんな！ とっとと食べて次のドリンク行くわよ！」

「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁぁ！」

志保「え？」

菜野花「その肉！ まだ全然！ 焼けて無いっ！」

菜野花「それ端の方に肉置いたら上手く焼けないでしょぉぉぉぉぉぉ！」

玲奈(あっ、ナノカスって焼肉奉行だったんだ……)

志保「はぁ！？ 今はそんなこと言ってる場合じゃ無いでしょ！」

志保「わたし達は今まで何のために頑張ってきたの？ 肉を焼いて、食べるためでしょ！」

麻衣(いや、違うと思う……)

菜野花「うるさぁーい！ 私の目の黒いうちはこの焼肉のセンターは、私だぁぁぁぁぁぁ！」

愛(『焼肉のセンター』って何……)

菜野花「ティナぁぁぁぁぁぁ！ こっそり食おうとするんじゃねぇぇぇぇぇぇぇ！」

ティナ「……」

佳乃「何か向こうモメてる……チャンスよ！」

未夕「ナノカスにあんな一面があったなんて意外です～」

藍里「あ、これ焼けてるよ」

実波「う～、やっと食べられる～」

未夕「それじゃ、張り切っていつものどうぞ」


実波「うんめぇにゃ～」


真夢「よし、私たちも食べよ」

夏夜「え、もう網の上にお肉無いけど！？」

佳乃「あれ？ いつの間に！？」

実波「うんめぇにゃ～」

実波「うんめぇにゃ～」

実波「うんめぇにゃ～」

夏夜「ちょっと！ 私たちのまで食べないでよ！」

実波「うんめぇにゃ～」

未夕「話聞く気無さそうですね……」

佳乃「でも取り敢えず5皿食べ終わったわ」

早坂「はいそれじゃあ二つ目の愛$怒厘苦『アイロンバロン』」

藍里(今度のは見た目からして……)

早坂「これは女性に大切な鉄分を何とたっぷり1年分補給出来るスグレ物だ」

佳乃「て言うかそう言う栄養素って継続的に摂らないと意味無い

未夕「えー！ 1年分ですかー！？」

早坂「そうだよ」

未夕「ハイハーイ！ わたし飲みますー」

未夕「いやー、これで貧血に悩まされることも無くなりますねー」

佳乃「いや、だから継続的に……」

未夕「ふぉっとんどぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあっ！」

夏夜「まさかみゆ、これが酷い味だって忘れてた……？」

未夕「いち……ねん……ぶん……」

岡本未夕、リタイア

志保(向こうはもう6皿目に入ってる……)

志保(対してこっちは)

菜野花「そうじゃない！ 肉汁がぁっ！」

志保(ナノカスのせいで相当遅れてる、このままじゃ負ける……)

ティナ「ふー、やっと5皿食べ終わったよ」

早坂「はい、そんじゃ『アイロンバロン』」

志保「よしめぐ、これナノカスに飲ませて」

愛「えっ！？ でもこれ……」

志保「の ま せ て」

愛「はいぃ……」

志保「どうせ誰か飲んで脱落しちゃうならナノカスを脱落させましょう」

麻衣(しほっちが冷酷過ぎて恐い……)

菜野花「ふー、やっと肉焼き終わったわね」

愛「ナノカス、飲み物」

菜野花「ありがと、ごくっ

志保(ふっ、これでナノカスはリタイアね)

菜野花「それじゃあ次のお肉行きましょう！」

志保(怒厘苦が効かない……だと……)

早坂「あっれー？ ボクの作ったクソマズドリンクを飲んで平気なの？」

玲奈「今『クソマズドリンク』って言いましたよね」

早坂「あ……」

早坂「ボクの作った『愛$怒厘苦』を飲んでも平気なんて……相沢菜野花には計り知れないアイドルの才能があるのかもしれない……」

玲奈「……」

菜野花「そこぉ！ いちいち裏確認しない！ 正確に15秒計って裏返せ！」

玲奈(あれのどこがアイドルだ)

実波「うんめぇにゃ～」

実波「うんめぇにゃ～」

夏夜「ふっ、このペースなら私たちの勝ちは決まったようなものね、私全然食べられて無いけど 」

実波「うんめぇにゃ～」

実波「う……」

実波「うんめぇにゃ～」

佳乃(みにゃみのペースが落ちてる……？)

佳乃「みにゃみどうしたの？」

実波「うん……あのね……」

実波「お腹いっぱいになったわけじゃ無いんだけどね」

実波「うんめぇにゃ～」

実波「顎が痛いの……」

真夢「顎？」

実波「うん……だからペース落ちちゃう……」

実波「うんめぇにゃ～」

実波「みんなゴメン！」

藍里「きにすることないよ」

実波「あいちゃん……」

藍里「みにゃみばっかりに頼っていられないもんねわたしたちもがんばるよ」

実波「あいちゃん……」

実波「うんめぇにゃ～」

夏夜(人と話してる最中でも食うんかい)

佳乃「そうよ！ 私たちは一つのチーム！」

佳乃「誰か一人が辛い時は他の6人が助ける！ 私たちは7人揃ってWake Up,Girlsよ！」

実波「よっぴー……」

夏夜(今5人しか居ないけど……)

藍里「これで10皿たべおわったね」

夏夜「次のクソマズドリンクは何？」

早坂「はーい次の怒厘苦はこちら『SaToЯitrick』」

早坂「大量のDHAとタバスコ、唐辛子、山椒が脳を刺激し、まるで生まれ変わったかのような頭脳を手に入れることが出来るのさ」

夏夜「いよいよ効能も胡散臭くなってきたわね」

実波「わたし、飲みます！」

真夢「みにゃみ！？」

実波「わたし……さっきはみんなに助けてもらったから、だから今度はわたしが！ ごくっ」

藍里「みにゃみー」

実波「う……」

実波「うんめぇにゃ～」

麻衣(大丈夫な人、あっちにも居た……)

麻衣(両方のチームに愛$怒厘苦を無効化することの出来る人物が現れ、消耗戦になるかと思われた勝負であったが、
意外にも状況は次の愛$怒厘苦により転換する)


早坂「はい、それじゃ次の愛$怒厘苦、『超健康ヘルシーX』」

夏夜「ついに名前まで適当になったわね」

実波「それじゃ飲むね」

藍里「おねがいみにゃみ」

早坂「これは健康になりそうな素材を沢山入れてみた怒厘苦だ」

夏夜「ホント適当ね」

実波「うっ、」

真夢「みにゃみっ！？」

実波「うがががががががぎょぐぬげぼぅごぅっふぉぉぉぉぉ」

佳乃「嘘っ！ みにゃみには効かないハズなのに！？」

真夢「それだけ凄い飲み物だったんだね……」

実波「『うんめぇにゃ～』に……著作権を……」

片山実波、リタイア

志保(向こうが崩れた！)

志保「みんな！ 今のうちよ！」

早坂「はい、じゃあ『超健康ヘルシーX』」

志保「よしめぐ！」

愛「はい……」

菜野花「ごくっ」

菜野花「はい！ じゃあ次の皿行くよ！」

志保「嘘…… これも効かないの……？」

愛「待って！ ナノカスの様子が変だよ！」

志保「なっ……」

ティナ「トングを持ったまま……気絶している……」

玲奈「意識を失って尚、焼肉奉行として君臨すると言うの……？」

相沢菜野花、リタイア


麻衣(WUGチームは最大の主力を、1-Iチームは最大のネックを失ったことによりパワーバランスは逆転し、
あっという間に1-Iはリードを奪った)

志保「やった！ これで真夢に勝てる！」

ティナ「カルビおいしー」

愛「そうだねー」

玲奈(ナノカスが居なくなるとただのお食事会ね……)


藍里「ど、どうしようこのままじゃ負けちゃう」

佳乃「くっ……」

夏夜「なんかこの負け方凄い納得いかないんだけど……」

真夢「みんな、諦めちゃダメだよ！」


志保「よし！ これで25皿完食よ！ さぁ次のクソマズドリンク来なさい！」

早坂「次はこれでーす」

麻衣「？ なんでマスクしてるんですか」

早坂「次の奴は気化するタイプだからねー」

玲奈「は？」

早坂「今は密封してるからいいけどこのラップ剥がしたら、あっという間に拡散するよ」

愛「え、」

早坂「オープーン」

ティナ「え、え、ちょっと待ってぇー！」

麻衣(早坂さんがラップを剥がした瞬間毒々しいガスが店を包んだ)

ティナ「どろどろどろおぱぁぁぁぁ」
玲奈「やられるるるるるほっぽみぇぇ」

小早川ティナ、鈴木玲奈、リタイア


夏夜「ちょっと何よアレ！」

志保「あれじゃ細菌兵器じゃない！」

佳乃「みんな！ お店の外に！」

早坂「あ、ちなみにこのガスは可燃性で」

藍里「あ、コンロに引火した」

志保「……酷い目にあったわ」

真夢「そうだね……」

真夢「でもさ」

志保「何よ」

真夢「今日は楽しかったよ」

志保「はぁ？」

真夢「みんなで全力を尽くして、その後は仲良く食事出来て」

志保「……」

真夢「まるで昔に戻ったみたい」

真夢「がむしゃらに頑張って、失敗していっぱい泣いて、その後は反省会」

志保「……そんな昔のことなんて忘れたわ」

真夢「志保が忘れても私は忘れないよ」

志保「……」

真夢「ねぇ、また一緒にご飯食べよ？ 私たち、また昔みたいに仲良くなれるよね？」

志保「……考えておくわ」

これでおしまい。
こんな話を思いつくなんて許斐先生は天才だと思う。

レスをくれた方、読んでくれた方ありがとうございます。HTML化依頼してきます。