1: 2020/03/18(水) 22:48:05.66 ID:hYSrEqF10
2: 2020/03/18(水) 22:50:44.26 ID:hYSrEqF10
「プロデューサーさん!恋しましょう!」
「部外者は帰って。」
「ひどい!それに私、部外者じゃないですよ。卒業生じゃないですかあ。」
「それでもあんまり気軽に事務所まで来ないでほしいんだけど...。で、なんて?」
「プロデューサーさんが彼女と別れたと聞いたので来ました。」
「誰に聞いたの...。」
「志保ちゃんから聞きました。」
「北沢ぁ...!酔った勢いで話すんじゃなかった...。」
「部外者は帰って。」
「ひどい!それに私、部外者じゃないですよ。卒業生じゃないですかあ。」
「それでもあんまり気軽に事務所まで来ないでほしいんだけど...。で、なんて?」
「プロデューサーさんが彼女と別れたと聞いたので来ました。」
「誰に聞いたの...。」
「志保ちゃんから聞きました。」
「北沢ぁ...!酔った勢いで話すんじゃなかった...。」
3: 2020/03/18(水) 22:51:31.39 ID:hYSrEqF10
「それで傷心のプロデューサーさんを慰めようと思いまして。」
「いらん。」
「私、今悩んでることがあるんです...。聞いて、くれませんか...?」
「そういう演技はもう効かん。」
「えーいいじゃないですか。お酒飲みましょうよー。」
「昔はこんな娘じゃなかったのに。いつの間にこんな図々しくなった...?」
「プロデューサーさんのせいですね。」
「はあ、なんかもうどうでもいいわ...。仕事終わった後でいいならね。」
「やった!じゃあ待ってますね!」
「はいはい。はあ...押しに弱いな、自分。」
「いらん。」
「私、今悩んでることがあるんです...。聞いて、くれませんか...?」
「そういう演技はもう効かん。」
「えーいいじゃないですか。お酒飲みましょうよー。」
「昔はこんな娘じゃなかったのに。いつの間にこんな図々しくなった...?」
「プロデューサーさんのせいですね。」
「はあ、なんかもうどうでもいいわ...。仕事終わった後でいいならね。」
「やった!じゃあ待ってますね!」
「はいはい。はあ...押しに弱いな、自分。」
4: 2020/03/18(水) 22:52:03.39 ID:hYSrEqF10
「注文はどうする?」
「私はホワイトリリーで!」
「じゃあ、こっちはブルームーンで。」
「では、プロデューサーさん、今日もお疲れ様です。乾杯。」
「乾杯。...百合子は最近はどうなの?」
「仕事ですか?...順調です。」
「順調じゃなさそうだね。人気エッセイストの七尾先生も筆が進まないことがあるのか。」
「逆です。書きすぎてしまって編集者さんによく怒られてまして。」
「...なるほどね。」
「私はホワイトリリーで!」
「じゃあ、こっちはブルームーンで。」
「では、プロデューサーさん、今日もお疲れ様です。乾杯。」
「乾杯。...百合子は最近はどうなの?」
「仕事ですか?...順調です。」
「順調じゃなさそうだね。人気エッセイストの七尾先生も筆が進まないことがあるのか。」
「逆です。書きすぎてしまって編集者さんによく怒られてまして。」
「...なるほどね。」
5: 2020/03/18(水) 22:52:32.05 ID:hYSrEqF10
「プロデューサーさんは...最近のシアターはどうですか?」
「まあ昔も今も変わらないよ。ドタバタの毎日。百合子も今日顔出して見てどうだった?」
「七尾先輩って言われるのがすごく気持ちよかったです。」
「あ、そう。」
「で、桃子ちゃんに冷たい目で邪魔するなら帰ってって言われました。」
「何やってんの。」
「プロデューサーさんってモテるの?ってみんなに聞いてたら怒られました。」
「ホント何やってんの百合子。」
「気になるじゃないですかー。みんなキラキラな目でカッコいい!とか大人の魅力!とか言ってましたし。ホントは私からも色々語りたかったんですけど...桃子ちゃんに止められました。」
「ナイス桃子。」
「まあ昔も今も変わらないよ。ドタバタの毎日。百合子も今日顔出して見てどうだった?」
「七尾先輩って言われるのがすごく気持ちよかったです。」
「あ、そう。」
「で、桃子ちゃんに冷たい目で邪魔するなら帰ってって言われました。」
「何やってんの。」
「プロデューサーさんってモテるの?ってみんなに聞いてたら怒られました。」
「ホント何やってんの百合子。」
「気になるじゃないですかー。みんなキラキラな目でカッコいい!とか大人の魅力!とか言ってましたし。ホントは私からも色々語りたかったんですけど...桃子ちゃんに止められました。」
「ナイス桃子。」
6: 2020/03/18(水) 22:52:59.43 ID:hYSrEqF10
「で、志保になんて言われたか知らないけど、慰めに来たって?」
「はい。志保ちゃんに傷心の今がチャンスだと言われました。」
「ノーチャンスだよ。今回別れたのもそんなに引き摺ってたりしないし。」
「...別れた原因って聞いてもいいですか?」
「まあよくあると言えばよくあるすれ違いだね。」
「すれ違い、ですか。」
「こんな仕事やってると逢う時間も少なくなるし。家に一人で待っているのは...てね。」
「...なるほど。」
「はい。志保ちゃんに傷心の今がチャンスだと言われました。」
「ノーチャンスだよ。今回別れたのもそんなに引き摺ってたりしないし。」
「...別れた原因って聞いてもいいですか?」
「まあよくあると言えばよくあるすれ違いだね。」
「すれ違い、ですか。」
「こんな仕事やってると逢う時間も少なくなるし。家に一人で待っているのは...てね。」
「...なるほど。」
7: 2020/03/18(水) 22:53:39.41 ID:hYSrEqF10
「まあ仕方ない。正直、別れて解放された。って思った部分もあったし。」
「でも寂しくないですか?」
「...寂しい、か。そう...」
「夜とか。」
「おい七尾。」
「今ならこんなピチピチの娘の部屋が空いてますよ!?」
「百合子が仕事で書いてるのって工口小説とかじゃないよね?大丈夫?」
「そういう妄想のは趣味でしか...ゲフンゲフン。ホントに無いですから。はい。」
「見つけたら燃やすわ。」
「でも寂しくないですか?」
「...寂しい、か。そう...」
「夜とか。」
「おい七尾。」
「今ならこんなピチピチの娘の部屋が空いてますよ!?」
「百合子が仕事で書いてるのって工口小説とかじゃないよね?大丈夫?」
「そういう妄想のは趣味でしか...ゲフンゲフン。ホントに無いですから。はい。」
「見つけたら燃やすわ。」
8: 2020/03/18(水) 22:54:21.99 ID:hYSrEqF10
「大丈夫ですって...。それで...プロデューサーさんは今、フリーなんですよね?」
「そうだね。」
「ここにも一人、フリーな娘がいるんですけど。...どうです?」
「...懲りないね。何回目の告白だっけ?」
「...4回目、ですね。」
「じゃあ今回の返事もわかるでしょ。」
「......。」
「......。」
「私は、ずっとPさんのことが好きです。Pさんは私のこと、どう思ってますか?」
「そうだね。」
「ここにも一人、フリーな娘がいるんですけど。...どうです?」
「...懲りないね。何回目の告白だっけ?」
「...4回目、ですね。」
「じゃあ今回の返事もわかるでしょ。」
「......。」
「......。」
「私は、ずっとPさんのことが好きです。Pさんは私のこと、どう思ってますか?」
9: 2020/03/18(水) 22:54:58.27 ID:hYSrEqF10
「...百合子のことは好きだよ。大事に思ってる。」
「じゃあ、なんでダメなんですか?」
「...アイドルとプロデューサー。」
「もう私はアイドルじゃないです。」
「...年の差。」
「私も24です。20代の8歳差なんて芸能界じゃよくあるじゃないですか。」
「...さっき言ったでしょ?家に帰らないこともあるし。」
「私はずっと家にいるので大丈夫です。家事もします。」
「じゃあ、なんでダメなんですか?」
「...アイドルとプロデューサー。」
「もう私はアイドルじゃないです。」
「...年の差。」
「私も24です。20代の8歳差なんて芸能界じゃよくあるじゃないですか。」
「...さっき言ったでしょ?家に帰らないこともあるし。」
「私はずっと家にいるので大丈夫です。家事もします。」
10: 2020/03/18(水) 22:55:25.26 ID:hYSrEqF10
「でも...。」
「他に断る理由があるんですか?」
「やっぱり駄目だよ百合子。」
「......。」
「だって...。」
「私たち、女同士でしょ?」
「他に断る理由があるんですか?」
「やっぱり駄目だよ百合子。」
「......。」
「だって...。」
「私たち、女同士でしょ?」
11: 2020/03/18(水) 22:58:08.60 ID:hYSrEqF10
「そんなこと、私にとっては何の障害にもならないです!」
「百合子は、普通の男の人と幸せになった方がいいよ。」
「私は男の人とか女の人じゃなくて、Pさんが好きなんです。」
「...ごめん。女性と恋人になりたいって思うなんて、私の影響だよね。」
「違います。知ってますか?女性同士ってのも本の世界では珍しくないんですよ?」
「百合子は思い込んだら一直線ね。まさか10年も続くとは...。」
「そうですね。止めたければ一度付き合って、それから私を諦めさせてください。」
「付き合ってから諦めさせてって...。面白いこと言うね。」
「百合子は、普通の男の人と幸せになった方がいいよ。」
「私は男の人とか女の人じゃなくて、Pさんが好きなんです。」
「...ごめん。女性と恋人になりたいって思うなんて、私の影響だよね。」
「違います。知ってますか?女性同士ってのも本の世界では珍しくないんですよ?」
「百合子は思い込んだら一直線ね。まさか10年も続くとは...。」
「そうですね。止めたければ一度付き合って、それから私を諦めさせてください。」
「付き合ってから諦めさせてって...。面白いこと言うね。」
12: 2020/03/18(水) 22:58:53.54 ID:hYSrEqF10
「付き合ってから分かることってあるじゃないですか。...私、夜のPさんを知りませんし、ついていけないかも。」
「なんの妄想をしてるんだ。」
「大丈夫です。予習はバッチリです。」
「本当に何でこんな娘になったんだろうね。」
「Pさんのせいですよ。」
「...いいよ。負けたわ。頑張って百合子を諦めさせることにするよ。」
「はい、Pさん。...よろしくお願いしますね。諦めないですけど」
「こちらこそ、よろしく彼女さん。...本当に押しに弱いわ。私。」
「なんの妄想をしてるんだ。」
「大丈夫です。予習はバッチリです。」
「本当に何でこんな娘になったんだろうね。」
「Pさんのせいですよ。」
「...いいよ。負けたわ。頑張って百合子を諦めさせることにするよ。」
「はい、Pさん。...よろしくお願いしますね。諦めないですけど」
「こちらこそ、よろしく彼女さん。...本当に押しに弱いわ。私。」
13: 2020/03/18(水) 22:59:53.42 ID:hYSrEqF10
「Pさん。おはようございます。」
「おはよう百合子。」
「どうですか気分は?あ、コーヒー飲みます?」
「飲む。...私の方が百合子についていけないかもしれないわ。」
「何か言いました?」
「何にも。百合子の部屋は本が多いなって。...ん?この薄い本は何だろ。」
「コーヒー出来ましたよ。って、あっ、それは...!?」
「これは...!」
「おはよう百合子。」
「どうですか気分は?あ、コーヒー飲みます?」
「飲む。...私の方が百合子についていけないかもしれないわ。」
「何か言いました?」
「何にも。百合子の部屋は本が多いなって。...ん?この薄い本は何だろ。」
「コーヒー出来ましたよ。って、あっ、それは...!?」
「これは...!」
14: 2020/03/18(水) 23:00:55.07 ID:hYSrEqF10
『禁断の劇場!~女性Pとアイドルの情事~ 著:百合騎士』
「よし、燃やすかな。」
「あ~やめて!やめてください!もう書きませんから~!」
15: 2020/03/18(水) 23:01:32.57 ID:hYSrEqF10
終わり。
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