1: 2009/12/17(木) 04:32:48.78 ID:/FHUM5y/0
憂「お姉ちゃん、早く起きないと遅刻だよ~」

唯「ふわ~い……」




憂「ほら、パン焼けたよ。バターとジャム塗ってあげるね」

唯「ありがとう、憂」

『……それでは続いてのニュースです。
 今朝早く琵琶湖に魚の氏骸が多数打ち上げられているのを地元の市民が発見。
 警察に通報しました。
 地元の市民によれば最近琵琶湖周辺で謎の生物の目撃例が多発しているとのことで
 警察では関連を調べています』

唯「・・・・・」

憂「なんだか、怖いニュースだね」

唯「う、うん。本当に怖いね……」

憂「お姉ちゃんもうこんな時間だよ。悠長にテレビなんて見てる暇は……」

唯「うわ!本当だ!急がないと!!」

4: 2009/12/17(木) 04:35:27.24 ID:/FHUM5y/0
──放課後

律「ムギ~。お茶おかわり~」

紬「はい♪」

澪「なぁ律、そろそろ練習しないか?」

梓「そうです!いくらなんでも弛みすぎです!!」

律「いいじゃん、ちょっとくらい~」

澪「ちょっとじゃないから問題なんだ」

紬「まぁまぁ、もう一杯だけ、ね?」

梓「ムギ先輩は甘すぎます~」

5: 2009/12/17(木) 04:37:41.70 ID:/FHUM5y/0
律「そう言えばさ、今朝のニュース見たか?」

澪「あの琵琶湖での魚の氏骸騒ぎのことか?」

律「そうそう、謎の生物の目撃例も多数あるんだってさ」

紬「怖いわね」

律「きっと謎の巨大生物が魚を食い散らかしてるんだぜ」

梓「そんなオカルトじみた話信じられませんよ。ねぇ唯先輩」

唯「えっ? あ、うん、そ、そうだね……」

梓「どうしたんですか唯先輩?具合でも悪いんですか?」

唯「大丈夫だよ、あずにゃん」

梓「そうですか?」

律「あ、もしかして唯ったら謎の生物が怖いんじゃ……」

唯「そんな事ないよ!絶対安全なんだから!!」

澪「唯?」

唯「あ、いや……な、なんでもないから」

7: 2009/12/17(木) 04:40:59.77 ID:/FHUM5y/0
  コンコン ガチャ

和「唯、ちょっといいかしら?」

唯「あ……和ちゃん」

澪「何か用か? まさか!! 律がまた何かしでかしたとか……」

律「わ、私何もしてないよ……ね?」

和「大丈夫よ。ちょっと唯に用があるだけだから」

律「ほっ……」

和「なんでここに来たか、あんたにはもう解ってるわよね?」

唯「……うん」

和「さぁ、いらっしゃい。話を聞いてあげる」

8: 2009/12/17(木) 04:42:12.37 ID:/FHUM5y/0
紬「どういう事?」

和「悪いけど、ちょっと唯借りていくわよ」

梓「唯先輩、いったい何したんですか?」

唯「ごめんねみんな、ちょっと行ってくるから」

   バタン

澪「……行っちゃった」

律「何なんだ?いったい?」

10: 2009/12/17(木) 04:45:14.22 ID:/FHUM5y/0
和「まさかとは思うけど唯、やっぱりアレを……」

唯「……うん。ごめんね和ちゃん」

和「私に謝ったってしかたないわよ」

唯「でも、私……」

和「気持ちは分からないでもないけどね、でもアレは危険よ」

唯「大丈夫だよ。私ちゃんと躾たんだから」

和「ペットじゃないのよ。それに何かあってからじゃ遅いんだから」

唯「何かって?」

和「言いたくないけど……人を襲ったり……とか」

唯「!?」

唯「そんな事絶対しないんだから!!」

11: 2009/12/17(木) 04:46:32.91 ID:/FHUM5y/0
和「とにかく、見つかったら絶対にあの子殺されちゃうわよ」

唯「嫌だ!! 和ちゃん、なんとかならない?」

和「また、隠して飼うくらいしか……」

唯「……それは、無理だよ」

和「まさか、あれ以上大きくなってるとか……?」

唯「もうとっくに、私なんかよりも何倍も大きいよ」

和「そんな!? なんてこと……」

唯「とりあえず、今夜琵琶湖に行ってみる」

和「私も一緒に行くわ」

13: 2009/12/17(木) 04:49:48.10 ID:/FHUM5y/0
──琵琶湖・夜

和「唯はしょっちゅう会いに来てるわけ?」

唯「中学までは部活も何もやってなかったから空いた時間があれば来てたけど
  軽音部に入ってからはあんまり……」

和「……無責任にも程があるわ」

唯「でも、可愛い子には旅させろって言うし」

和「その結果が、こんな騒動になってるんじゃない」

唯「ううぅ……」

和「とにかく周りには人の気配もないし、早く呼んじゃいなさい」

唯「分かったよ和ちゃん。出てこ~い、ザリ太!うんたん♪」

和「やっぱり、カスタネットで呼び寄せるのね」

唯「うんたん♪うんたん♪」

15: 2009/12/17(木) 04:52:48.62 ID:/FHUM5y/0
謎の生物「ちゃぷん」

唯「あはっ♪ザリ太、久しぶり。でもなんだか体がボロボロだね……。そろそろ脱皮なのかな?」

和「本当に大きくなったわね。昔はせいぜい2、30センチくらいだったのに
  水面から頭しか出てないから詳しくは分からないけど3、4メートルはあるんじゃないの」

唯「ザリ太は人を襲ったりしないよね」

ザリ太「コクコク」

和「相変わらず人の言葉を理解するのね」

ザリ太「じ~」

和「わ、私のこと見てるわよ」

唯「ザリ太が和ちゃん久しぶり、って言ってるよ」

和「あんた、やっぱり理解できるの?」

唯「なんとなくだけどね」

17: 2009/12/17(木) 04:55:41.90 ID:/FHUM5y/0
和「確かに、そう言われればそんな気もしないでもないわね」

和「久しぶりね、ザリ太。あんた見ないうちに大きくなっちゃったのね」

ザリ太「コクコク」

和「なんと言うか、これじゃ情も移っちゃうのも分かるわ」

唯「でしょ」

和「でも、見つかっちゃったらどうなるか分かるわよね」

唯「ウルトラ警備隊とかが来ちゃってやっつけられちゃう!」

和「そんなものいないけど、良くても今後の研究のために利用されることは間違いないわね」

唯「じゃあ悪かったら?」

和「その場で殺されちゃうでしょうね」

唯「……だよね」

和「この子の前で言うのも悪いけど、普通の人がザリ太を見たら間違いなく危険なものだって認識するでしょうね」

和「ましてや人の意思が通じるなんて考えもつかないでしょうし」

唯「私が説明してみんなに分かってもらうよ」

和「私たちは昔っから知ってるからいいけど、いきなりそんなこと言われても信じるわけないわ」

19: 2009/12/17(木) 04:57:47.27 ID:/FHUM5y/0
唯「じゃあ、どうすれば……」

ザリ太「しゅん……」

唯「ザリ太……」

和「……ムギに話してみるのもいいかもね」

唯「えっ?」

和「こう言っちゃなんだけど、ここはやっぱりお金持ちの手を借りるしかないわ」

和「なんとか説明すれば手厚く保護なりなんなりしてもらえるかも」

和「まぁ、こっちの都合ばかりだからそんなにうまくいくとは思えないけど、何もしないよりましだと思うわ」

唯「うん。分かった。明日ムギちゃんに話してみるよ」

唯「じゃあ、また今度ねザリ太」

ザリ太「コクコク」

  ちゃぷん ついーーー……

唯「バイバ~イ」

和「ホント、手懐けちゃってるわね」

20: 2009/12/17(木) 05:00:27.69 ID:/FHUM5y/0
──翌日

紬「ごめんなさい、よく話が分からないんだけど……」

唯「だからね、ザリ太が大きくなりすぎて、このままじゃウルトラマンに退治されちゃうかもしれないの」

紬「???」

唯「ウルトラマンじゃなくても、ゴジラvsザリ太とかになっちゃうかも。ほら南海の大決闘みたいな」

紬「ち、ちょっと唯ちゃん待って。私には何がなんだか……」

唯「えっとね、詳しく説明すると南海の大決闘っていうのはゴジラとエビラとモスラが出てきてね……」

和「唯!詳しく説明する方向を間違えてるわよ!!」

紬「和ちゃん、助けて!」

和「ごめんなさい、唯に説明させた私が悪かったわ」

唯「でね、ゴジラが鼻をこすって加山雄三の真似をするんだけどそれがまた可愛くってさ~」

和「唯、少し黙っててもらえるかしら」

21: 2009/12/17(木) 05:03:08.03 ID:/FHUM5y/0
───
───────
──────────────

紬「ザリガニが巨大化!?」

和「信じられないとは思うんだけど事実なの」

和「前に唯がザリガニを夢中になって捕まえて、ウチの湯船いっぱいにした話したじゃない?」

和「その中に他のザリガニとくらべて2倍くらいの大きさのやつがいたの」

和「しかもやたらと人懐っこくてね、唯と二人で飼うことにしたのよ」

和「そしたら、みるみるうちに大きくなっちゃって」

紬「・・・・・」

和「そうよね、信じられないわよね」

22: 2009/12/17(木) 05:04:48.14 ID:/FHUM5y/0
紬「いえ……信じるわ」

和「えっ!?」

紬「その……エビラだったかしら。私にも見せてくれない?」

和「ザリ太だけど……本当に信じてくれるの?」

紬「ええ、保護の件もお父様にお願いしてみるわ」

和(物分りがよすぎないかしら……)

紬「じゃあさっそく、今夜にでも会いにいきましょうか」

和「え、ええ。そうね。唯よかったわね」

唯「でもゴジラが人間の味方するの私はあんまり好きじゃないんだよね~
  だって、それじゃゴジラが生まれた悲しみが……うんたらかんたら」

和「唯。そろそろ帰ってらっしゃい」

23: 2009/12/17(木) 05:06:39.70 ID:/FHUM5y/0
──琵琶湖

唯「あ、ザリ太もう来てる」

和「呼ぶ前に来るなんて、あんた達テレパシーでもしてるんじゃない?」

謎の生物「・・・・・」ちゃぷちゃぷ

紬「!?」

和「ビックリした?」

紬「え、ええ。まさかこれほど大きいとは思ってなかったから……」

紬「危なくないのかしら」

和「大丈夫よ。とっても懐いてるの」

24: 2009/12/17(木) 05:07:59.31 ID:/FHUM5y/0





律「なんか昼間からこそこそしてると思って尾行してきたけど」

梓「夜にこんな人気の無い所に来るなんて怪しいですね」

澪「ち、ちょっと。もうこんな事やめようよ」

律「そんな事言って澪も結局ここまでついてきたじゃん!」

澪「だけどさ~……」

梓「いったい何をしてるんでしょう?」

26: 2009/12/17(木) 05:09:46.82 ID:/FHUM5y/0
唯「ザリ太はね、とっても優しい心の持ち主なんだよ」

謎の生物「ざば~~~っ」

一同「!!?」

唯「だ、ダメだよザリ太!隠れてなきゃ!」

   \ヒエ~~~~/

和「誰かいるの!?」


律「おい澪、しっかりしろ!」

梓「な、なんですか……アレ……」

唯「りっちゃん!?」

律「あ、あはは……バレちゃったか」

28: 2009/12/17(木) 05:11:47.86 ID:/FHUM5y/0
梓「唯先輩、これはいったい?」

和「あんた達、後をつけてくるだなんて趣味悪いわよ」

律「いや、こんなもん隠してる方が趣味悪ぃだろ!」

紬「唯ちゃん! 早く隠れるように言って!!」

唯「う、うん!ザリ太、良い子だから早く水の中に隠れよう、ね?」

謎の生物「ぐわっ!!」

唯「ザリ太? ハサミを大きく振り上げてどうしたの?」

和「!?  唯!!危ない!!」

唯「ひっ!?」

「お姉ちゃん!!」

29: 2009/12/17(木) 05:12:50.75 ID:/FHUM5y/0

憂「これでもくらえっ!!」

30: 2009/12/17(木) 05:14:41.52 ID:/FHUM5y/0
謎の生物「!?」カキンカキン

憂「くっ……!! 拳銃じゃまったく歯が立たない」

唯「う、憂っ!!」

憂「そいつが怯んでるうちに早く逃げて!!」

唯「あ、足が動かないの」ガクガク

謎の生物「うがーっ!!」

梓「また唯先輩に向かってハサミをっ!?」

和「唯っ!!」

憂「くっ!?」がしっ

紬「憂ちゃんが!?」

律「ハサミを受け止めた!!」

憂「の、和さん、早くお姉ちゃんを……」グググ……

和「わ、分かったわ!!」

31: 2009/12/17(木) 05:16:54.96 ID:/FHUM5y/0
憂「お姉ちゃんを傷つけようとする奴はっ……!!」メリッメリ

謎の生物「!?」

憂「私が許さないんだからっ!!!」ブン!!

梓「憂がぶん投げた!!」

  ザッパーーーーン!!!

憂「お姉ちゃん!大丈夫!?」

和「大丈夫よ。ケガはなさそう」

憂「よかった……」

紬「憂ちゃんの方こそ大丈夫なの!?」

憂「はい、私は全然平気です」

律(くっ、ツッコミ所満載だがツッコミ役の澪が気を失っている今、ここをツッコミきれる自信が私にはないっ!!)

33: 2009/12/17(木) 05:18:36.19 ID:/FHUM5y/0
「おまわりさ~ん!こっちです!」

憂「!?」

和「まずいわね……」

紬「斉藤っ!!」

斉藤「ここに」シュタッ

紬「周辺一帯に情報封鎖を」

斉藤「御意」シュタッ

紬「ここは私に任せて、みんなは家に帰っていて」

律「い、いいのか?」

紬「ええ、明日詳しい説明をします」

和(やっぱり、この子何か知ってるんだわ)

澪「う、う~ん」

律「おお!澪、気がついたのか?」

澪「え、エビラは赤イ竹一味が操っていて島民を苦しめているんだ……」

律「ごめん澪、何言ってるんだか全ッ然理解できないっ!」

36: 2009/12/17(木) 05:22:26.24 ID:/FHUM5y/0
──琴吹家

紬「────と、言うわけです。お父様」

紬父「そうか……やはり、まだ存在していたか……」

紬「お父様、どうにかならないでしょうか?」

紬父「明日、琴吹研のチームで捕獲を試みよう」

紬「はい。お願いいたします」

紬父「紬、明日も学校だろう。今日はもうおやすみ」

紬「……はい。お休みなさいませ。お父様」

紬父「ああ」


  ピッ  Prrrrrrrr

紬父「……私だ。至急、対巨大甲殻類特別私設武装隊の準備を」

紬父「捕獲など考えるな。必ず殲滅だ」

39: 2009/12/17(木) 05:25:03.33 ID:/FHUM5y/0
──翌日・放課後

律「なぁ、ムギ昨日のこと詳しく説明してくれるんだろ?」

紬「ええ、和ちゃんがきたらね」

梓「私、いまだに信じられません」

澪「私は、気を失っていたから……」

律「でも、あの化物は見ただろ」

澪「うん。正直思い出したくもないな……」

梓「憂にもあんな力があったなんて」

憂「お姉ちゃんを助けなきゃって思ったから、きっと火事場の馬鹿力ってやつだね」

梓「そ、そう?」

40: 2009/12/17(木) 05:27:34.34 ID:/FHUM5y/0
和「ごめんなさい。生徒会の方が長引いちゃって」

律「よし!これで唯を除く全員が集まったわけだ」

澪「憂ちゃん、唯の様子は……」

憂「はい……お姉ちゃん、やっぱり相当ショックだったみたいで……」

憂「でも、放課後に紬さんからザリ太に関する話があるからって言ったら
  その時には一緒に話を聞きたいって言ってたので……」

紬「じゃあ、唯ちゃんが来る前にこれだけは言っとかないとね」

紬「今日、ザリ太の捕獲作戦があります」

紬「これは琴吹が総力を上げて成功させます。させますが……」

澪「もし、失敗したら……」

和「やっぱりザリ太を頃すのね」

紬「……ええ。人を襲ったんですもの。今日のうちに処分されると思うわ」

和「アレは……ザリ太はいったい何なの?」

紬「十数年前に琴吹グループの研究チームが人工的に生み出した生物なの」

「な、なんだってーーーー!?」

41: 2009/12/17(木) 05:29:52.64 ID:/FHUM5y/0
────────────
──────
───

唯「ちょっと遅れちゃったかな……」

 ボソボソ……

唯「やっぱり、もう部室から重い空気の話し声が聞こえてくる」


「やっぱりザリ太を頃すのね」

「……ええ。人を襲ったんですもの。今日のうちに処分されると思うわ」


唯「!?」

唯(そ、そんな……)

唯(こうしちゃいられないっ!!)ダッ

43: 2009/12/17(木) 05:33:05.24 ID:/FHUM5y/0
紬「甲殻類の成長を促す実験のためにまずは手に入りやすいザリガニの遺伝子で実験をした」

紬「でもある日、必要以上に知能が発達してしまったザリガニが逃げ出してしまった」

紬「きっとそのザリガニが唯ちゃんが捕まえたザリ太だと思うの」

紬「琴吹は総力をあげて探したんだけどまさか唯ちゃんが捕まえていたなんてね」

梓「なぜそんな実験をしてたんですか?」

紬「琴吹グループは多岐に渡って事業を展開しているの。化学分野から製造業、外食産業や旅館経営まで」

澪「こう改めて聞くと、すごい友人を持ったものだと実感するな」

律「ああ、別荘をいくつも持ってるわけだ」

紬「ところでみんなは道頓堀にある、かに道楽は知ってる?」

梓「と~れと~れ、ピ~チピ~チ蟹料理~♪ ですよね」

律「ああ。たしかキダ・タロー作曲の」

澪「浪花のモーツァルトだよな」

和「あの大っきな動くカニの看板は有名よね」

紬「……もし、あれが本当に生きてるって言ったら」

「ゴクリ……」

44: 2009/12/17(木) 05:36:55.72 ID:/FHUM5y/0
律「またまた、ムギったら冗談きついぜ……ははは……」

紬「………」

澪「どうやら本当のようだな……」

律「マジかよ……」

梓「でもそれが本当なら昨日のザリガニの件も納得いきますね」

和「なんてものを創りだしてしまったの、琴吹グループは……!!」

憂「でも、かに道楽のカニは急に暴れだしたりしませんよね?」

律「そ、そうだ。アレはうねうね動いてるだけで昨日のザリガニみたいに人に危害を加えたりしない」

澪「まさか、かに道楽のカニも暴れる可能性があるなんてことは……!?」

紬「それはありえないわ」

45: 2009/12/17(木) 05:39:22.93 ID:/FHUM5y/0
和「確かに……今まで、ザリ太が暴れたことなんて私の記憶の中では昨日が初めてよ」

憂「つまり……原因不明、ということですか?」

紬「ええ。だから新たに人を襲わないように処分する必要があるの」

律「なんだか、かわいそうだな……」

紬「確かにそうかもしれないわ。かといって何もしない訳にもいかない」

澪「それは分かるよ、ムギ」

和「私が……あの時もっと唯にきつく言ってれば……」

澪「どういうことなんだ和?」

47: 2009/12/17(木) 05:41:48.85 ID:/FHUM5y/0
和「本当はザリ太はもっと小さいときに氏んでたはずなのよ」

紬「詳しく聞かせてくれない?和ちゃん」

和「ええ。あれはまだ私たちが小学生低学年のころ……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

幼唯「ほら、和ちゃん見て見て。うんたん♪」

ザリ太「カタカタ♪」

幼和「わ~、ハサミで唯ちゃんのカスタネットのマネしてるね」

幼唯「えへへ~。すごいでしょう!」

幼唯「でも、ザリ太なんだか動くの辛そうなんだ」

幼和「前に比べて大きくなってきたからダイエットの必要があるかもね」

ザリ太「ガタガタ……バキン!!」

幼唯「ザリ太の足が折れちゃった!!」

幼和「きっと自重に耐えられなくなったんだよ」

幼唯「???」

48: 2009/12/17(木) 05:44:50.30 ID:/FHUM5y/0
幼和「あのね唯ちゃん、こんなに大きくなるザリガニなんていないんだよ」

幼和「だからね、きっと変な実験で生まれたザリガニだと思うの」

幼唯「実験……?」

幼唯「はっ!?」

幼唯「失敗したら爆発して髪の毛がボサボサになるやつだ!!」

幼和「うん、そう……かな」

幼唯「た、大変だ……」

幼和「だから、このままだったらザリ太もう氏んじゃうかも……」

幼唯「イヤだ!!」

幼唯「和ちゃんなんとかして!!」

幼和「水の中なら負担も減って大丈夫になるかも……」

幼唯「この水槽じゃダメなの?」

幼和「う~ん……やっぱりもっと大きな所じゃないといけないのかな」

幼唯「池!!公園にあるよ!!」

49: 2009/12/17(木) 05:47:57.91 ID:/FHUM5y/0
幼和「だめだよ唯ちゃん。すぐに見つかって大人が持っていっちゃうよ」

幼和「ナウシカが隠してたオームみたいに大人が持っていっちゃうよ」

幼唯「!?」

幼唯「ダメ!!」

幼和「でも私達にはどうすることもできないよ……」

幼唯「もっと大きな池だったら見つからない?」

幼和「う~ん……琵琶湖とか?」

幼唯「琵琶湖知ってる!! 海!!」

幼和「海じゃないよ唯ちゃん」

幼和「あっちにある川と琵琶湖が繋がってるんだって」

幼唯「じゃあザリ太は琵琶湖に隠そう」

幼和「唯ちゃん、生態系を崩しちゃいけないんだよ」

幼唯「せいたいけい?」

51: 2009/12/17(木) 05:51:43.41 ID:/FHUM5y/0
幼和「そう、ザリ太は普通の生き物じゃないから絶対だめだよ」

幼唯「……でもザリ太氏んじゃう」

幼和「かわいそうだけど……」

ザリ太「カタ……カタ♪」ギ…ギ…ギ…

幼唯「ザリ太気にするなって言ってる……」

幼和「唯ちゃん分かるの!?」

幼唯「……そんな気がする」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

和「次の日、唯の家にいったら庭の一部が盛り上がってて花が添えられていたの」

和「それで私、ああ、ザリ太氏んじゃったんだって」

和「さすがに泣いちゃったわ、でも今にして思えば唯がなんだか普段とは違うように感じたのよね」

和「その時はザリ太の氏に動揺してたからかなって思ってたけど」

和「まさか、その時のお墓がダミーだったなんて思いもしなかったわ」

和「きっとこっそり川にザリ太を放しに行ったのね」

53: 2009/12/17(木) 05:55:51.02 ID:/FHUM5y/0
紬「……そんな事が」

澪「なんだか……いい話だな」ずびずばっ

律「澪ほらテッシュ」

澪「ちーん」

梓「唯先輩、その頃から優しかったんですね」

澪「ザリ太もきっと苦労して琵琶湖までいったんだろうな」うるうる

和「私はザリ太とはそれっきりだったけど、唯は琵琶湖までたま~に行ってたみたいね」

律「でも、唯にそんな気配はなかったけどな」

和「あの子軽音部に入ってからはこっちが楽しくて忘れてたんじゃないかしら」

澪「なんだそれは!私の涙を返せっ!!」

梓「唯先輩らしいといえば、らしいですね」

54: 2009/12/17(木) 05:57:33.01 ID:/FHUM5y/0
律「忘れられてたから、凶暴化したのかな?」

和「それはないわ。おとついニュースになった後に会いに行ったらとても懐いていたもの」

憂「一日で何かが変わってお姉ちゃんを襲った……と、言うことですか?」

紬「なんにせよ自然で育ったザリ太は解らないことだらけで、どんな推論もあてにできない」

紬「ただ唯ちゃんを襲ったことだけは事実なのよ」

梓「そう……ですね。もし憂が来てくれなかったらと思うと感動もへったくれもないですしね」

和「きっと唯もザリ太を自然に放した結果こうなったことは理解してると思うわ」

56: 2009/12/17(木) 06:01:13.18 ID:/FHUM5y/0
律「ところでもう最終下校時刻だな」

澪「結局唯は来ず、か……」

和「ザリ太の捕獲作戦はいつ始まるの?」

紬「ザリ太が現れ次第に……」

和「ザリガニは夜行性だから、今夜ということになりそうね」

紬「ええ」

憂「でも大きな騒ぎになりませんか?」

紬「大丈夫よ。完璧な情報統制を敷くし、表向きは特撮映画の撮影で通してるから」

57: 2009/12/17(木) 06:02:45.25 ID:/FHUM5y/0
律「なぁムギ。それ私たちも見学に行ってもいいかな?」

澪「おいおい、遊びじゃないんだぞ」

紬「じゃあ、みんなで行きましょう」

澪「いいのかよっ!?」

梓「ピクニック気分ですね」

紬「違うの、せめてザリ太の生きた証をみんなの記憶に焼き付けてほしいの」

律「一気に重い空気になってしまった……」

和「でも唯には見せたくないわ……」

憂「私はお姉ちゃんと家で待ってます」

和「そうね……憂、そうしてもらえるかしら」

和「あの子、下手したらザリ太を守るために飛び出していくかもしれないものね」

紬「じゃあ、琵琶湖まで行きましょう」

58: 2009/12/17(木) 06:05:08.20 ID:/FHUM5y/0
──平沢家

憂「お姉ちゃん、ただいま~」

「・・・・・」

憂「まだ寝てるのかな……」


憂「お姉ちゃん、入るよ~」

  ガチャ

憂「!?」

憂「お姉ちゃんがいない!?」

憂「……まさか」

59: 2009/12/17(木) 06:11:22.80 ID:/FHUM5y/0
──琵琶湖

律「スゲー!マジで特撮映画の撮影現場みたいだ!!」

澪「いたるところにサーチライトがある……」

和「いったいどうやって捕獲するっていうの?」

紬「巨大ザリガニ専用のスルメを餌に特製の大きな釣竿で釣り上げて
  そのままヘリで専用プールまで運ぶ予定よ」

梓「結構力技なんですね……」

紬「でもね、いくら巨大化したからってザリガニの本能には逆らえないはずよ」

律澪(なんだか失敗する予感がするな……)

61: 2009/12/17(木) 06:13:03.84 ID:/FHUM5y/0
和「ムギ、きっとそれじゃダメだと思うわ!!」

紬「!?」

律(さ、さすが和だ)

澪(私たちが指摘できないことを平然とやってくれる)

梓(そこにシビれる、あこがr)

和「唯がザリ太を捕まえた時は煮干だったのよ!!」

紬「な、なんですって!?」

律澪梓(そっちかいっ!!!!)

62: 2009/12/17(木) 06:20:53.50 ID:/FHUM5y/0
「ターゲットが現れました!!」

「よし、攻撃開始」

 ズガガガガガガガガガガガ……!!

澪「な、なんか思いっきり銃とか撃ってるぞ」

和「捕獲優先じゃなかったの!? 話が違うわよ!!」

紬「わ、私にも何がなんだか……」

斉藤「お嬢様失礼したします」

紬「斉藤!!これはどういうこと!!」

斉藤「……あの巨大ザリガニは即刻処分しろとの旦那様からの命令でございます」

紬「お父様が!?」

斉藤「はい……」

紬「なんで?どうしてお父様が……!?」

63: 2009/12/17(木) 06:25:02.55 ID:/FHUM5y/0
斉藤「紬お嬢様。アレは唯様が飼われていたザリ太ではないのです」

紬「!?  斉藤! 詳しく説明しなさい!!」

斉藤「アレが研究され生み出された目的をご存知ですか」

紬「生きた巨大蟹看板の開発のためじゃないの?」

斉藤「それは表向きでございます。
   本当は琴吹研のある研究員が軍事利用のために極秘に研究していたものなのです」

紬「そんな……戦争のため……ですって……!」

斉藤「もちろん、旦那様はその計画を破棄なさりました。
   それを自分の能力を評価されなかったと逆恨みした研究員が
   自分の研究資料を持ち出し
   今の今まで某国の協力を得て地下に潜みながら研究を続けていたのです」

斉藤「旦那様はもし兵器としての巨大ザリガニがこの世に現れてしまったときのために
   それ専用の特殊部隊を結成なさったりもされていたのです」

65: 2009/12/17(木) 06:27:55.17 ID:/FHUM5y/0
斉藤「しかしつい最近、琴吹家の諜報部がその研究員のアジトを突き止め捕らえました」

斉藤「その裏切り者の研究員の話によると、創り出したあの巨大ザリガニ
   ヤツはザリーガーと言っておりましたが
   今まで4体を実験のため、この琵琶湖に放したらしいのですが
   なぜか帰って来なかったと申すのです」

和「まさか、ザリ太がそのザリーガーを!?」

斉藤「恐らくは……。ザリ太が研究所から逃げ出したのも、
   その発達しすぎた知性で自分が軍事兵器になることを察したからでしょう。
   そうはなるまいと、他の普通のザリガニ達と一緒に一生を過ごそうと決めた」

斉藤「しかし、目の前に煮干を釣り下げられ思わず掴んでしまい唯様に飼われることになった」

斉藤「ザリガニの悲しいサガにございます」

67: 2009/12/17(木) 06:29:58.34 ID:/FHUM5y/0
斉藤「ですが、唯様に愛情たっぷりに育てられたザリ太はいつの間にか
   自分が兵器として生み出された事を忘れる」

斉藤「そして、琵琶湖に放されたザリ太は自分と同じ境遇の仲間と接触した」

斉藤「その仲間は最初から兵器としての役割を植え付けられていた」

斉藤「凶暴なザリーガーがもし市街地へ上がれば唯様も危険に曝される恐れがある」

斉藤「そう考えたザリ太は戦うことを決心したのでしょう」

和「そう言えば、2日前にザリ太に会ったとき、唯がザリ太の体はボロボロだって言ってたわ」

斉藤「戦いの傷……だったのかもしれません……」




律「急に物語が収束に向かいだしたな……」

澪「ああ。いきなり秘密が明るみに出すぎてついていけないぞ」

梓「もう私たちは話に参加する必要はないっぽいですね」

69: 2009/12/17(木) 06:35:29.84 ID:/FHUM5y/0
紬「そんな事があったなんて……。お父様からは何も聞いてないわ……」

斉藤「旦那様はお嬢様にいらぬ心配をかけまいとしたこのなのです」

斉藤「どうか、そのあたりを汲んでくださるようお願いいたします」

紬「……ッ!!」

和「今暴れているのはザリ太じゃないって言ってましたけど」

斉藤「捕えた研究員が最強の5体目を琵琶湖に放ったと言っておりました」

斉藤「今までのデータを参考に創り上げた最強のザリーガーを、と」

紬「そのザリーガーにザリ太は敗れた……」

斉藤「恐らくは……」

70: 2009/12/17(木) 06:41:31.17 ID:/FHUM5y/0
和「昨日、唯を襲ったのはザリ太じゃなくてザリーガーだったっていう訳ですね」

斉藤「はい」

和「じゃあ、ザリ太はもう……」

斉藤「ザリガニは共食いの習性がございます」

紬「斉藤。それ以上は言わなくてもいいわ」

和「そんな……」

71: 2009/12/17(木) 06:46:07.29 ID:/FHUM5y/0
律「なぁムギ。ところであっちの方なんだけど……」

紬「えっ?」

「ダメだ!!武器が全然効かないっ!!」

「隊長!!ヤツの進行を止められません!!」

「メーデーメーデー!」

澪「なんかヤバくないか……?」

紬「なんてこと……!?」

73: 2009/12/17(木) 06:54:13.02 ID:/FHUM5y/0
  ヴィーン…ヴィーン…

梓「あ、憂からだ」

梓「……もしもし」

憂『あのね! お姉ちゃんがいないの!』

梓「えっ!?」

憂『私が帰ったら家にいなかったの! もしかしたらそっちに行っちゃってるかも』

梓「唯先輩がこっちに!?」

憂『うん! 私も今そっちに向かってるからもしお姉ちゃんがいたら……』

梓「分かった。唯先輩を捕まえとけばいいんだね!」

唯「ザリ太をいじめないでーーーー!!!!」ダーッシュ

梓「って言ってるそばからっ!?」

憂『……くっ!!』

75: 2009/12/17(木) 06:56:50.03 ID:/FHUM5y/0
「隊長。一般人が入り込んでしまいました!!」

「撃ち方やめっ!!」

唯「ザリ太ダメだよ、みんなに迷惑かけちゃ!」

紬「ダメよ唯ちゃん、それはザリ太じゃないのっ!!」

唯「へっ!?」

唯「じ~~~~~~~っ」

唯「本当だ!!ザリ太じゃないっ!!」

律澪梓「分かるんだっ!?」

ザリーガー「ぐわっ!!」

和「唯っ! 逃げて!!」

76: 2009/12/17(木) 06:58:54.63 ID:/FHUM5y/0
憂「お姉ちゃん!! でも距離が遠すぎる……!!」シュタタタタタ

憂「でも……この足が壊れてもっ!!」

憂「好き好き大好きお姉ちゃん大好きジャ~~~ンプ!!」びゅん!!


ザリーガー「ぐおぉぉぉぉぉ!!」

唯「きゃーーーー!!」

和「唯っ!!」

  グァシャッ!!

77: 2009/12/17(木) 07:01:34.10 ID:/FHUM5y/0
唯「………!!」

ザリ太「ぐぐぐ……!!」

唯「ザリ太っ!!」

「巨大ザリガニもう一体現れました!!」

紬「生きてた……の」

澪「でも見るからにもう虫の息って感じだぞ」

律「唯を守るために来たんだ!!」

梓「あんな体じゃ戦えるわけありません!!」

79: 2009/12/17(木) 07:05:33.62 ID:/FHUM5y/0
憂「いえ、ザリ太がお姉ちゃんを想う気持ちはこの私にすら匹敵すると思います」

憂「だから、ザリ太はきっと負けません!!」

梓「憂!?いつの間に!? そして何を言い出すの!?」

和「そうね……正しい心を持ったザリ太が邪悪なザリーガーに負けるわけないわ」

律「和まで!?」

紬「立って……立つのよ!ザリ太っ!!」

澪「律、梓。ここではこれが正解なんだよ。きっと」

80: 2009/12/17(木) 07:08:38.70 ID:/FHUM5y/0
唯「ザリ太、私を助けるために?」

ザリ太「コクコク」

唯「でも、もうボロボロだよ!!」

ザリーガー「ぐをををををっ!!!」

ザリ太「!?」グギギギギギ

唯「ザリ太!ダメっ! それ以上やったら氏んじゃうよ!!」

81: 2009/12/17(木) 07:12:20.84 ID:/FHUM5y/0
憂「ザリ太が最期の力を振り絞って立ち上がった!」

和「次の一撃で決まるわね……!!」

紬「ええ。どういう結果になっても私たちは見届けなければならないっ!」

ザリ太「くわっ!!」

ザリーガー「ぐおお!!」

  グワシャッ!!!

83: 2009/12/17(木) 07:13:50.67 ID:/FHUM5y/0
憂「お互いのハサミがっ!?」

和「お互いの体をっ!?」

紬「貫いたっ!?」

律「これは最後まで立っていた方の勝ち……だな」

澪「律?」

梓「ザリ太……あの体で……見事と言う他ありません」

澪「梓までっ!? わ、私だって……」

84: 2009/12/17(木) 07:19:49.01 ID:/FHUM5y/0
ザリ太「………」

ザリーガー「………」フラッ

ザリーガー「ドッシーーーン!!」

澪「やった!ザリ太の勝ちだ。ザリ太の唯に対する気持ちが勝たせたんだっ!!」

紬「いえ、澪ちゃん、よく見て」

澪「へっ?」

ザリ太「……フラッ……ドッシーーン!!」

和「相打ち……ね」

憂「ザリ太……貴方のことは忘れないわ」

律「澪、戦いは最後まで解らないんだ」

梓「そうです、その心の緩みが己の氏を招く事だってあります」

澪「くそっ……。なんなんだこいつらは……」


和「ザリ太はその身を挺して私達を守ってくれたのね……」キラリ

88: 2009/12/17(木) 07:25:14.81 ID:/FHUM5y/0
唯「ザリ太氏なないで!!」

ザリ太「ギ…ギ…ギ…」ヒョイ

唯「カスタネット……?」

唯「ザリ太、私があげたカスタネットずっとお腹で抱えて持ってくれてたの?」

ザリ太「コクコク」

唯「また私と一緒にカスタネット叩きたいの?」

ザリ太「コクコク」

唯「……分かった。いくよ」

89: 2009/12/17(木) 07:26:44.92 ID:/FHUM5y/0
唯「うんたん♪」

ザリ太「カタ♪カタ♪」

唯「うんたん♪」

ザリ太「カタ♪……カタ♪」

唯「うんたん♪」

ザリ太「……カタ♪」

唯「うんたん♪」

ザリ太「…………」

90: 2009/12/17(木) 07:29:03.91 ID:/FHUM5y/0
唯「……たん」

ザリ太「・・・・・」

唯「たん」

唯「たん」

唯「たん」

 ・
 ・
 ・

ザリ太「・・・・・」


その後もお姉ちゃんはずっとカスタネットを鳴らし続けました

でも、ザリ太のハサミはそのリズムを刻むことはありませんでした……

94: 2009/12/17(木) 07:32:14.47 ID:/FHUM5y/0
そして、月日は流れ半年後───









そこにはなんと軽音部の部室で元気にハサミをカチカチ鳴らすザリ太の姿がっ!!

ザリ太「もう、あんな無茶なことはしないよ」

 おしまい

96: 2009/12/17(木) 07:36:23.58 ID:oeUBTwStO
え?…

101: 2009/12/17(木) 07:56:15.58 ID:j/5mZJoKO
ザリガニ意外とおいしいよ乙

104: 2009/12/17(木) 08:24:48.54 ID:npdW0hBv0
ひっどいオチだなwwwwwwwww

105: 2009/12/17(木) 08:45:46.74 ID:8pjf3UHfO
面白かったけど、最後世界まる見えオチかよっwwwwww

引用元: 唯「ザリガニ!!」