1: 2011/07/26(火) 23:52:32.51 ID:TvQkvUPw0
朝!

唯「も~!遅刻する~!」ガサガサ

律「唯~、いい加減先行っちゃうぞ?澪もやる事有るってさっさと行っちゃったし」ハァ

唯「ちょっと待ってよりっちゃん!あれ?ケータイ何処~?」

晶「お前ら、まだ出てないのか?間に合わなくねぇか?」

唯「あ!晶ちゃんおはよう!もう、何で起こしてくれないの!?」プンプン

晶「はぁ!?だから私はお前の保護者じゃねぇっつってんだろ!」

唯「だって授業有るじゃん!」

晶「だから今日は私は2コマ目からだって昨日の晩言ったろ?」

唯「え~」ブー

2: 2011/07/26(火) 23:53:47.75 ID:TvQkvUPw0

晶「え~もブーも有るか。目覚ましはどうしたんだよ?」

唯「目覚まし時計なんかが私を起こせる訳無いじゃん!」モー

晶「お前もう寝てろ。起きるな」

唯「やっぱり晶ちゃんも同じ授業受けようよ~」

晶「お断りだ。っていうか今更変えれるか。ほれ、さっさと準備する!ケータイは机の上に置いてあんだろ!」パンパン

唯「え?あ、ホントだ!よし、準備オッケー!」フンス

律「唯、走るぞ!」

唯「うん!急ぐよりっちゃん!遅刻しちゃうよ!」

律「誰の所為だ誰の!」

ダダダダダダ……

晶「はぁ……本当、毎日飽きないなぁアイツら」

紬「楽しいでしょ?」

晶「お?よう」

紬「おはよう晶ちゃん」

晶「朝から煩くて迷惑なだけだ。アイツ、人に甘え過ぎだろ」

紬「そこが良いところなのよ」

晶「良いところ~?」


3: 2011/07/26(火) 23:54:41.63 ID:TvQkvUPw0

紬「だって、可愛いじゃない」

晶「わっかんねぇ。取り敢えず早い所なんとかしてくれ、このままじゃずっと付き纏われそうだ」

紬「あらあら、それも良いと思うけど」

晶「良くねぇよ」

紬「そう?残念」

晶「で、お前は今日は授業は?」

紬「私も2コマ目からなの。折角だし一緒に学校行かない?」

晶「そうだな。じゃあ先ずは飯食うか」

紬「そうね、食堂行きましょう」

* * *


4: 2011/07/26(火) 23:55:21.47 ID:TvQkvUPw0

晶「あれ?お前そんなネックレスしてたっけ?」モグモグ

紬「コレ?可愛いでしょ」

晶「あぁ。似合ってる」パクパク

紬「ありがと。皆からのプレゼントなの」

晶「へぇ~」モグモグ

紬「ほら、この間みんな忙しいみたいって話したじゃない?」

晶「あ~……あぁ」

紬「あの時みんなバイトしててね、そのお金でコレをプレゼントしてくれたの」

晶「ん?プレゼントって誕生日とか?」

紬「ううん、日頃の感謝の気持ちだって」

晶「へぇ、そりゃ良かったな」

紬「うん!大事な宝物よ」

晶「……あ~、あの時は悪かったな」

紬「へ?」

晶「そんな事してくれる友達を、冗談でも馬鹿にして悪かった」

紬「え、あ~」

5: 2011/07/26(火) 23:56:00.04 ID:TvQkvUPw0

晶「あの後菖に本気で怒られてさ……確かに酷い事言った、ごめん」フカブカ

紬「そんな頭下げないで。良いよ、あの時手打ちにさせてもらったし」

晶「されたけどさ、文字通りバチンと」

紬「アレでいいよ」

晶「そうか?でもなぁ、お前の事もアイツらの事も馬鹿にした訳だし、アレだけじゃ私の気が済まないというか~」

紬「ん~……じゃあ」

晶「じゃあ?」

紬「今日晩御飯奢って?」

晶「晩飯を?何処の?」

紬「うん。晶ちゃんのオススメでいいわ」

晶「ん~……分かった」

紬「じゃあそれで!私奢ってもらうって初めてなの」

晶「は?そんなの持ちつ持たれつだろ」パクパク

紬「ん~、多分それは」

菖「お!晶、ムギちゃんおっはよ~!」

晶「おう」モグモグ

菖「珍しい組み合わせだね。二人も2コマ目から?」


6: 2011/07/26(火) 23:56:30.95 ID:TvQkvUPw0

紬「うん。おはよう菖ちゃん。それとありがとうね」

菖「うん?私なんかしたかな?」ストン

晶「今日私がコイツに晩飯奢って、仲直りだ」

菖「あぁ、ちゃんと謝ったんだね。偉い偉い」ナデナデ

晶「撫でるな」グイッ

紬「晶ちゃん達、仲良いよね」

晶「まぁ、なんだかんだ長い事やってるしな」

菖「だね~。もう長年連れ添った夫婦みたいなもんよ!」ダキッ

晶「やめろ気持ち悪い」バッ

紬「あらあらまぁまぁ、良いじゃない」

晶「良かねぇよ、勘弁してくれ」ハァ

菖「恥ずかしがっちゃってもう」

晶「コレが恥ずかしがってる様に見えるってお前どうゆう目してんの?」

菖「こうゆう目~」ジー

紬「私はこうゆう目~」ジー

晶「はいはい」モグモグ

菖「無視すんな!」ズドム

晶「ブグッ!?……お前、口に物入れてる時にどつくな!」


7: 2011/07/26(火) 23:56:58.95 ID:TvQkvUPw0

菖「ほら!無視するからムギちゃん泣きそう!」ビシッ

紬「え?え~っと……私、悲しい!」ヨヨヨ

晶「付き合わなくて良いぞ、面倒だから」モグモグ

菖「晶ヒドイ!」ガーン

紬「アハハ、良いコンビね」

菖「そりゃ夫婦ですから」

晶「ていうかさ、二人ともさっさと食わないと遅刻すんぞ?」モグモグ

紬「へ?あぁ、もうこんな時間。急がないと」パクパク

菖「うわ!急がなきゃ」モグモグ

* * *

夕方!

晶「ゴメン、待たせた」

紬「全然。私もさっきここ来た所だから」ネー

菖「うん。一緒に来た所だもんね」ネー

晶「何でお前まで居るんだよ」

菖「え~良いじゃん。奢ってよ」

晶「お前に奢る義理は無い」

菖「え~。じゃあムギちゃん奢って!」ダキッ


8: 2011/07/26(火) 23:58:04.72 ID:TvQkvUPw0

晶「止めろ」ガシッ

菖「冗談だって」テヘッ

晶「次コイツを財布扱いしようとしたら誰だろうと私が許さないからな」ギロリ

菖「だから冗談だって。晶怒りすぎ」

紬「晶ちゃん……カッコイイ」ホワー

菖「っていうか最初にそんな事言ったの晶じゃん」

晶「私にだって良心の呵責ってのがあんだよ。それにここまでさせたのはお前だろ」

菖「それもそだね。まぁ良いか、ムギちゃん可愛いから守ってあげないとね」

晶「そうゆうこった。じゃあまぁ、行くぞ」

紬「う、うん。何処行くの?」

晶「あ~……金銭的にファミレスでお願いしたいんだけど、良いか?」

紬「ファミレス!?是非お願いしたいわ!」ガシッ

晶「お、おぅ」

菖「わ~い!じゃあ私ハンバーグ!」ビシッ

晶「お前は自腹だからな」

菖「分かってるってば」ポンポン

* * *

9: 2011/07/26(火) 23:58:47.84 ID:TvQkvUPw0

ファミレス!

晶「デミグラスソースのオムライス」

紬「え~っと……じゃあこのカルボナーラで!」

菖「ハンバーグとエビフライのコレのセットをライスとコーンスープで~」

店員「ドリンクバーはセットの一点のみでよろしいですか?」

晶「あ~、じゃあ後二つ。パスタだけで良いのか?」

紬「え?う~ん、まぁ」

菖「遠慮しなくて良いよ?どうせムギちゃんの分は晶持ちなんだし」

紬「う~ん……取り敢えずそれで良いかな」

晶「……あとフライドポテトも一つ。まぁ有りゃつまむだろ」

店員「かしこまりました。ではドリンクバーはあちらにございますのでどうぞ」スタスタ

菖「にしても、オムライス~?」

晶「良いだろ別に。今日はそうゆう気分なんだ」ガタ

菖「あ、私メロンソーダ」ビッ

晶「あいよ。で?」

紬「じゃあ私も一緒に」ガタ

晶「良いよ、座ってなって」

紬「えっと、じゃあオレンジジュースで」ストン


12: 2011/07/26(火) 23:59:35.69 ID:TvQkvUPw0

晶「了解」スタスタ

紬「行っちゃった……」

菖「にしても、晶も大人になったな~」

紬「そうなの?」

菖「うん。見た目怖いし中身もああじゃない?人当たり悪くってさ」

紬「まぁ……確かに」

菖「高校の時とかもバンド活動の為にバイトするじゃない?大概上司か客と喧嘩してクビだもん」

紬「アハハ……」

晶「お待たせ。あ?なんだよ人の顔見て」

菖「今から晶のバイト武勇伝を披露しようかと」

晶「止めろ。はい、オレンジジュース」スッ

紬「ありがと」

晶「はい、メロンソーダ」

菖「ん。ん?何か薄くない?」

晶「別に。ちょっと連打しただけ」

菖「それじゃ炭酸水じゃん!」

晶「まぁ、そうとも言うな」ケラケラ

菖「も~子供みたいな事して!いいもん、自分で入れてくるから」ガタ スタスタ

13: 2011/07/27(水) 00:00:32.62 ID:fk2rFVIP0

晶「お前が私を使うのは十年早えよ」ヒラヒラ

紬「連打すると炭酸水になるんだ……」

晶「そっちは普通だから大丈夫だぞ」

紬「うん」

晶「バイトといえば、何するか決まったのか?」

紬「う~ん、まだ決まってないの」

晶「高校ん時にバイトは?」

紬「一応家の系列の喫茶店で体験はしたんだけど」

晶「接客か……まぁ向いてそうだわな」

菖「ただいま!ほら晶!奥行って奥!」ビシビシ

晶「痛ぇよ!はいはい」ズリズリ

菖「もう!」ストン

紬「菖ちゃん……それ何?」

菖「ん?メロンソーダとコーラとカルピスソーダを1:1:1で割ってみた」

晶「うわ、どっちがガキだよ……ったく、大学生にもなって」

菖「ドリンクバーだから出来る味だよね」チュー

紬「……私もやってみようかしら」

晶「止めとけ。はしたない」

14: 2011/07/27(水) 00:01:13.18 ID:fk2rFVIP0

菖「うん!美味い!」テーレッテレー

店員「お待たせいたしました」カチャカチャ

菖「あ、ども~」

店員「以上でお揃いでしょうか?」

紬「はい。ありがとうございます」

店員「では、ごゆっくりどうぞ」スタスタ

菖「いっただっきま~す」パン

紬「いただきます」パン

晶「……熱っ」パクパク

菖「『いただきます』は!」ドスッ

晶「うぐふっ!?おい、朝にも言ったろ!」

菖「手を合わせてください」パン

晶「あん?黙って食えって」

菖「合わせました!」パン

紬「合わせました~」パン

晶「……ちっ……」パン

菖「いただきます!」

紬「いただきます!」

15: 2011/07/27(水) 00:02:25.23 ID:fk2rFVIP0

晶「……いただきます」

菖「よろしい」パクパク

晶「めんどくせぇ……もうお前帰れよ」パクパク

紬「まぁまぁ」

菖「で、バイトの話だったっけ?」

晶「は?あぁ、そういえばそんな話してたな」

菖「私達も何かしないとねぇ。今は無職だし」パクパク

晶「学生だけどな」モグモグ

紬「二人は今までどんなバイトしたの?」

晶「ん~、色々だな」

菖「そうだね。コンビニ、ファーストフード、ライブハウスのスタッフ、年賀状配達、着ぐるみ着て客寄せ、カラオケの受付、夏フェスの物販、後何やったっけ」

晶「え~っと……あ、夏休みの短期でお歳暮の仕分けとか」

菖「あ~!晶がおばちゃんぶん殴ってクビになったアレか!」

晶「そんな言い方するなって」

菖「だって事実じゃん」

紬「ぶん殴った?」

菖「そうそう。その仕事場のお偉いさんのおばちゃんと言い争いになって最終的に晶がガツン!って」


16: 2011/07/27(水) 00:03:32.90 ID:fk2rFVIP0

晶「アレは私達の残業代を反故にしようとした向こうが悪い」

菖「ファーストフードでは客に手ぇ上げたしね」

晶「幸を強引にナンパしてた男を追いだしただけだ」ヒョイパク

菖「夏フェスの物販でもどっかで問題起こしてなかった?」モグモグ

晶「アレはあの女共が割り込みしやがったから注意しただけ」パクパク

紬「……晶ちゃんって良い子なのね」

晶「良い子とか言うな、ムズムズする」モグモグ

菖「解決方法が滅茶苦茶だけどね」

晶「だから最近は気をつけてるだろ、ちゃんと」

菖「もう晶には接客業はさせらんないよ」モグモグ

晶「前から言ってるけど、別に三人同じバイトする必要ねぇじゃん」モグモグ

菖「だって晶一人働かせてる方が心配だもん」

晶「お前は保護者かっての」パクパク

紬「でも皆で一緒の方が楽しいよね」

菖「楽しいよ~」

晶「そうでもねぇぞ」

菖「又そんな事言って!」ズビシッ

晶「ぐっ!?……だから食事中は手ぇ出すなって朝から何べんも言ってんだろ!」ギリギリ

17: 2011/07/27(水) 00:04:24.61 ID:fk2rFVIP0

菖「Oh!アイアンクロー!?あ痛たたたたた!」ギリギリ

紬「まぁ……」ポー

菖「痛い痛い痛い!ってムギちゃんどうしたのいたたたた!」ギリギリ

晶「あ?どした、ぼーっとして」ギリギリ

紬「え?あぁ、いえ、ちょっと見惚れてただけで」

晶「はぁ?」パッ

紬「愛の形は人それぞれよね」ウンウン

晶「止めて気持ち悪い」ゾゾゾ

菖「ムギちゃんってやっぱり面白いよね」

晶「何か違くないか?」

菖「まぁほらほら。ムギちゃんも早く食べないとパスタ延びちゃうよ」

紬「あ、うん」チュルチュル

* * *

帰り道!

菖「あ~!お腹いっぱい!」ポンポン

紬「晶ちゃん、御馳走様」

晶「あいよ」

菖「あ、そうだ!」

18: 2011/07/27(水) 00:05:14.66 ID:fk2rFVIP0

晶「ん?どうした?」

菖「ちょっとコンビニ寄ってくから先帰ってて」

紬「だったら一緒に行くよ?」

菖「良いの良いの。大した用でも無いし」

晶「んじゃ先帰るか」

紬「う、うん」

菖「じゃ、又後で~」タタタタ

晶「気をつけろよ~」

紬「良いのかな?」

晶「良いの良いの。先帰っとこうぜ」

紬「うん」

晶「私もバイト探さないとなぁ~」テクテク

紬「皆で一緒にやろうよ」テクテク

晶「さっきも言ったけど友達同士でやっても良い事ばっかりじゃないぞ?」

紬「そう?楽しそうじゃない」

晶「バイトったって仕事なんだから、仲良しこよしを持ち込んで良い場所じゃないんだって」

紬「あ。そっかぁ……」ムー


19: 2011/07/27(水) 00:06:15.25 ID:fk2rFVIP0

晶「自分たちが楽しければ良いってのは、仕事する考えじゃねえんだよ」

紬「そうだよね……」

晶「それにお前とか澪ならまだしも、律と唯と一緒に働くのは気苦労が増えそうだ」

紬「りっちゃん達だってしっかりしてるわよ?」

晶「律はまぁ……知らないけど、唯は先ず一人で起きれる様になってからだろ」

紬「う~ん……かも」

晶「アハハ、否定してやれよ」

紬「え?あ……唯ちゃんだってやる時はやるんだから!」

晶「そうかい。期待してるよ」

紬「あ、信用してない~」ブー

晶「まぁお前程、アイツらと仲良くないからな」

紬「これから仲良くなろうよ。みんな良い子だから」

晶「気が向いたらな」

紬「皆でご飯食べに行ったりしたら楽しいだろうな~」

晶「ご飯と言えば、今日アレで満足だったか?」

紬「うん!凄く美味しかった!」

晶「大袈裟だなぁ。お嬢様なんだからもっと良い物食ってんじゃねぇの?」


20: 2011/07/27(水) 00:07:52.20 ID:fk2rFVIP0

紬「あ、それは偏見よ晶ちゃん。私だってファーストフードとか駄菓子とか好きだもん」

晶「そりゃまたえらく庶民的な」

紬「それに良い物だからって美味しいっていうのは違うでしょ?」

晶「まぁ……B級グルメなんてのも有るしな」

紬「B級?」

晶「細かくはわかんねぇけど、ただ単に『安くて美味い』料理の事だよ」

紬「へぇ~……そんなのが有るのね」

晶「……興味有るなら今度行ってみるか?」

紬「近くにお店有るの?」

晶「いや、分かんねぇけど調べりゃ有んだろ、見つけとくよ」

紬「ホント!?嬉しい!」ダキッ

晶「ちょっ!?抱きつくなって!」

紬「あぁ、ごめんなさい」

晶「唯もだけどさ、お前も何でそう軽々しく抱き付くかな」

紬「愛情表現よ。唯ちゃんのだって」

晶「迷惑だ。唯だってこっちの事お構いなしじゃねぇか、いつも」

紬「……私の事は」

晶「ん?」


21: 2011/07/27(水) 00:09:05.70 ID:fk2rFVIP0

紬「ううん、何でもない。じゃあお店探してくれるお礼に、その時は私が奢るね?」

晶「は?別にそんな大した事じゃねぇし良いよ」

紬「良いの。折角だもん」

晶「折角って……そういえば朝もそんな事言ってたな。初めてとか」

紬「うん。友達に奢ってもらったのって今日が初めて」

晶「今までは奢ってばっかりだったか?」

紬「もう!だからそんな子達じゃ無いって言ったじゃない」プンプン

晶「いや、アイツらじゃなくてだな。他のクラスメイトとか中学の時とか」

紬「小・中はお嬢様学校だったし、一緒に買い食いしたりする様な友達は居なかったの」

晶「あ~」

紬「高校のクラスの友達も、そんな風に私を見る人は居なかったわ」

晶「……良い奴らじゃねぇか」

紬「えぇ、良い子達ばっかりだった。でも」

晶「でも?」

紬「晶ちゃんが言った事も、関係有るんだと思う」

晶「私が言った事って」

紬「うん。皆私と損得勘定で付き合ってるんじゃ無いけど、だからこそそうゆう話を出さなかったんじゃないかなって」

22: 2011/07/27(水) 00:10:02.65 ID:fk2rFVIP0

晶「あ~、財布って話か。まぁそうゆう優しさってのも有るんだろうな」

紬「そう。私も憧れてたんだけど、私からそんな話持ち出すのも……ねぇ?」

晶「そりゃそうだ。相手がそう思ってくれてるなら尚更失礼だろ」

紬「だからこんな話するのも晶ちゃんが初めて」

晶「そりゃ光栄だ。……光栄か?」

紬「何となく、晶ちゃんならこういう話しても良いと思って」

晶「まぁ、かまわねぇけど」

紬「ありがとうね」

晶「お前が良いならそれで良いんじゃね?」

紬「またお前って……」ムー

晶「何だよその顔。でもまぁ」

紬「うん?」

晶「私からすりゃ奢るだの何だのより、それの方が断然羨ましいけどな」

紬「それって、このネックレス?」

晶「おう。お前は周りに恵まれてるって事だよ」

紬「あ、また~」ブー

晶「あん?だから何だよその顔さっきから」

紬「晶ちゃんずっと私の事」

23: 2011/07/27(水) 00:10:47.27 ID:fk2rFVIP0

唯「む~ぎちゃ~ん!」ダキッ

紬「きゃっ!?あ、唯ちゃんにりっちゃんも」

律「よっす」

唯「ただいまおかえり~」スリスリ

紬「唯ちゃんも、ただいまおかえり~」ナデナデ

唯「晶ちゃんも!」ガバッ

晶「抱きつくな!」ガシッ

律「珍しいコンビで帰ってきたな」

唯「そうだね~」グググ

晶「んな事ねぇって。あぁもう離れろ!」バッ

唯「んもう!晶ちゃんのいけずぅ」クネクネ

紬「あれ?澪ちゃんは?」

律「幸と色々お喋りするからって先に帰ってるみたい」

紬「そうなんだ」

律「ところで晶さん?」キリッ

晶「あ?」

律「ウチの紬ちゃんをワルの道に走らせるは止めていただきたいザマス!」クイッ

唯「そうザマス!こんな時間まで引っ張り回して!」クイッ

24: 2011/07/27(水) 00:11:43.58 ID:fk2rFVIP0

晶「こんな時間ってお前らも今帰りだろが。別に飯奢っただけだし」

律「ご飯!?二人で!?ランデブー!?どうゆう事ザマスか!?」

唯「奢り!?え、私の分は?」

晶「お前はどっちかっていうと私に奢れ。てか何だよそのキャラ」ハァ

律「あなた、ウチの紬ちゃんの何なんなん!?」グワッ

晶「え?最後なんて?」

唯「何なんなんなんなん!?」グワッ

晶「何なんだよお前ら」

紬「アハハ……」

晶「コイツの何って、友達に決まってんだろ?なぁムギ」

紬「うん。……え?」

晶「え?って、違った?」

紬「ううん、違わないけど、私の事をなんて?」

晶「は?ムギはムギだろ?それとも琴吹って呼んだ方が良いか?」

紬「いえ!全然!喜んで!」

晶「そっか。ほれ、門限近いんだしさっさと帰るぞ」パンパン

唯「は~い」

律「よ~し、みんな!寮まで競争だ!」ダッ

25: 2011/07/27(水) 00:13:38.93 ID:fk2rFVIP0

唯「あ!待ってよりっちゃ~ん!」ダッ

紬「きゃ~……ってアレ?晶ちゃん行かないの?」

晶「ガキの遊びに付き合う気はねぇよ」

紬「じゃあ私も晶ちゃんと一緒に帰ろ」

晶「歩いても間に合うだろうしな」

紬「これからもよろしくね?晶ちゃん」

晶「ん?おぉ、よろしくな」

紬「もう……そこは『よろしくな、ムギ』でしょ?」

晶「は?そこ気にする所か?」

紬「だって晶ちゃんさっきまでずっと私の事『お前』呼ばわりだったんだもん。もっと呼んでほしい」ムー

晶「呼んでほしいって……別に良いじゃねぇか」ヤレヤレ

紬「ちょっと寂しかった~」ブー

晶「お前しかいないからお前って呼んでる訳だし」

紬「でもぉ」

晶「他人の呼び方なんざTPOだっつうの。必要が有れば名前で呼ぶさ」

紬「……本当?」ウルウル

晶「どれだけ寂しがってんだよお前は」


26: 2011/07/27(水) 00:14:27.27 ID:fk2rFVIP0

紬「あ、また」

晶「はぁ……これが私なんだから仕方ないだろ?」

紬「……」シュン

晶「……あぁもう!分かったよ善処するよ。ほら、帰るぞムギ!」テクテク

紬「約束ね?」テクテク

晶「はいはい」テクテク

紬「生返事しない!」ビシッ

晶「痛ぇ!?……ちったぁ力加減しろ!バカムギ!」ゴツン

紬「あ痛~!……エヘヘ」ヒリヒリ

晶「……何でそんな嬉しそうなんだよ」

紬「晶ちゃんがスキンシップ取ってくれたのが嬉しくて……」

晶「はぁ?ほんと、つくづくお嬢様らしくねぇな」

紬「それほどでも~」テレテレ

晶「褒めてねぇ。ほれ、さっさと帰るぞ?ムギ」

紬「うん!」

END


29: 2011/07/27(水) 00:29:24.60 ID:qdMGLfgpo

実際にここまで仲良くなるにはまだまだ時間がかかりそうかな

引用元: 紬「新しいお友達」