澪「でも昨日は辛そうだったし一人で大丈夫かな？」

律「まあ大丈夫だろ。大学生だぜ」

澪「そうだな」

律「……」

澪「……」

紬「……」

律「大丈夫だよなあ！？」

澪「あ、ああ！」

紬「え、ええっ！」

晶「……」

菖「晶ーそろそろ講義始まっちゃうよー？」

＊

菖「はぁー講義長かったぁー」

菖「お昼どうしよっか？」

晶「あー、私午後の講義無いから寮に戻るわ」

菖「えーお昼一緒に……ﾆﾔｧそっかわかったー」

晶「……なんだよ？」

菖「いやいや何でも。幸には私から言っておくよ」

晶「悪いな」

菖「いえいえ」

晶「それじゃ」

菖「唯によろしくねー！」

晶「は、はぁっ！？」

晶「……」

晶「べ、別に心配してるわけじゃ……」

晶「いや、ある意味隣の部屋で事故起こされるのは困るし……ボヤ騒ぎとか」

晶「あいつメシとか作れないだろうし」

晶「……」

ｺﾝｺﾝ

晶「唯？」

晶「……寝てるのか？」

晶「でも音がする……まさかほんとにボヤ騒ぎなんてことに！」

晶「唯っ！」

ｶﾞﾁｬｯ！

唯「くあーまたクリア出来なかった！」ﾋﾟｺﾋﾟｺ

晶「……」

唯「よーし次こそは」ﾋﾟｺﾋﾟｺ

晶「……何してんの？」

唯「おりゃああ！」ﾋﾟｺﾋﾟｺﾋﾟｺﾋﾟｺ

晶「こらああああああああああ！！！」

唯「ひやあああああああ！？」

晶「なんでゲームしてんだよ！！」

唯「えっあっ、晶ちゃんかぁーびっくりさせないでよもー」

晶「お前風邪ひいてるんだろうが！　何エキサイトしてるんだよ！」

唯「いやー暇でつい。でも熱なら下がったから大丈夫だよ！」

晶「そういう問題じゃねー！　大人しくしてろ」

唯「ええー……でも暇――」ぐぎゅるるるる

唯「お腹空いたー」

晶「こいつ……」

唯「ところでどうして私の部屋に？」

晶「え、いや、ボヤ騒ぎとか起こされると迷惑だし」

唯「……晶ちゃん」

晶「あ？」

唯「私の事心配して来てくれたんだねっ！？」

晶「違う！　今日は午前中の講義しかとってないから」

唯「だから私のところに！？　おまけに手に持っていらっしゃるそれは食材では！？」

晶「帰るわ」

唯「あっあっ待ってー！」

唯「そ、そう！　私お昼どうしようかなって悩んでたんだよっ！」

唯「ほら私こんな身体だし」

晶「思いっきりゲームしてたろうが」

唯「こんな身体じゃボヤ騒ぎになっちゃう……げほげほ！」

晶「……」

唯「おねがいしますっ」

晶「……はぁー。言っとくけどお粥とりんごしかないからな」

唯「ありがとうございますっ」

唯「やったー晶ちゃんのごはんだぁ～」

晶「だからお粥とりんごしか……」

唯「それがいいんだよ～」

晶「変な奴だな」

唯「だって寮に入ってから友達に料理作ってもらうの初めてなんだもん！」

唯「すっごく嬉しいよ」

晶「あぅ……」

唯「えへー」

晶「……よく平然とそういう事が言えるな」

唯「えっ何々ー？」

晶「なんでもねーよ！　キッチン借りてくるから大人しく待ってろ！」

＊

晶「……」ｶﾞﾁｬ

晶「……」ﾄﾞｼｬ

唯「ねえ晶ちゃん、まだー？」

晶「なんで食堂に来るんだよ」

唯「お腹空いちゃって……」ぐぎゅうううううううううう

晶「も、もうすぐだから大人しく待ってろ」ｸﾞﾁｬ

唯「結構待ってる気がするんだけど」

晶「……」

唯「手伝おうか？」

晶「病人は大人しく寝てろ」

唯「まあまあそんなこと言わずに」

晶「うわっバカこっちくんな！」

キッチン「ｸﾞﾁｬｰ」

唯「……晶ちゃんてあんまり料理しないの？」

晶「しねーよ、悪かったな」

唯「それで、お粥とりんごは？　あ、お粥はもう出来てるね」

晶「まだ作りかけだけど……」

唯「……うん、お米が全くふやけてないね」

晶「……」

唯「りんごは……痩せちゃったね」

晶「皮剥いてたらそうなったんだよ」

唯「……」

晶「……」

唯「一緒につくろっか」

ｸﾞﾂｸﾞﾂ

唯「……へへ」

晶「わ、笑いたきゃ笑えばいいだろー！」

唯「え？　違う違う。なんか嬉しくって」

晶「は？」

唯「それにこーやって一緒に料理作るの楽しいよねっ」

晶「私計量カップで水汲んだだけだぞ」

唯「あとりんご剥いたじゃーん」

晶「実がすくねーけどな」

唯「それでも楽しいのっ」

晶「ところでお粥にウィンナーって本当に必要か？」

唯「ええー必要だよー」

晶「卵はいいとしてウィンナーは仕分けて問題ないよな？」

唯「ていうか晶ちゃんが買って来たんじゃーん」

晶「いや、一応……やっぱウィンナーの予算削減しときゃよかった」

唯「さてと、盛り付けしてー……完成！」

晶「まさか唯でも料理が出来るなんて……」

唯「あ、ひどーい。それより早く食べようよーお腹ペコペコだよ」

晶「んじゃ、いただきます」

唯「いただきまーす」

晶「モグモグ」

唯「……お粥どうかなっ？」

晶「……思ったよりいける」

唯「でしょー？」

晶「見た目はともかく目玉焼きとウィンナーとお粥って合うんだな」

唯「へへー。晶ちゃんの切ったりんごも美味しいよ！」

晶「嬉しくねー」

唯「ごちそうさまー」

晶「ごちそうさま」

唯「はぁー美味しかった！」

晶「そうだな」

唯「食堂のおばちゃんが作ってくれるご飯もいいけどたまには自分たちで作るのもいいかもね！」

晶「ほとんど唯が作ったけどな」

唯「晶ちゃん、また一緒に作ろうよー絶対楽しいよー」

晶「もう作らねー」

唯「えーっ！　私が作り方教えてあげるからぁ！」

唯「お粥くらい作れないとこの先やっていけないよ？」

晶「ぐ……」

唯「だからこの後私の部屋に来ない？」

晶「お前もう元気じゃねーか」

唯「……だって暇なんだもん」

晶「……」

唯「ね？　お願ぁい」

晶「しょうがねーな」

唯「やったー！」

唯「なんか元気出て来た」

唯「そっか、私こういうご飯が食べたかったんだ」

晶「どんなだよ」

唯「なんていうか憂が作ってくれるみたいなご飯！」

唯「あ、憂っていうのは私の妹だよ」

晶「ああ……唯の兄弟はみんなしっかりしそうだな」

唯「そうそうしっかり者なんだよー」

唯「晶ちゃんは弟とかいそうだよね」

晶「なんでだよ」

唯「プロレスごっことかしてそう」

晶「それはねーよ」

唯「健介！　かかってこいおらー」

＊

唯「……っていう訳で晶ちゃんとお話ししてたの！」

晶「ばっ……！　一々説明すんな！」

律「なんだー私達サークル寄ってもよかったかもな」ﾆﾔﾆﾔ

紬「そうねー」ﾆｺﾆｺ

澪「晶って意外と優しいんだな……」

晶「意外とってなんだよ！　ていうか私はただ事故が心配で……！」

律「そんなに照れなくても～」

晶「照れてねーっ！！　ていうかお前らサークル行けよ！」

＊

唯「んにゃ……」

唯「ふあぁ～あ……」

唯「……」

唯「うし、治った！」

ｺﾝｺﾝ　ｶﾞﾁｬ

紬「唯ちゃん調子どう？」

唯「あっムギちゃーんもうばっちりだよ！」

紬「よかったぁ」

唯「お腹もペコペコっす！」

紬「もう少ししたらみんなで食堂いこっか」

唯「うん！」

律「……ふむ、やっぱり朝はご飯だよな」

唯「パンもいいけどねー」

律「遅刻しそうな時走りながら食えるからか？」

唯「そうそう！」

澪「それはどうなんだ」

唯「あと風邪引いた時はお粥に限るね！　晶ちゃんと作ったお粥は憂とは違う味なんだけど、何となく家庭の味だったよ！」

澪「今朝はやけに元気だな」

菖「あ、唯おはよう。風邪治ったの？」

唯「もうばっちり！」

菖「よかった～」

幸「うん」

唯「ご心配をおかけしやした。……あれ、晶ちゃんは？」

菖「あ～晶なら今日は来ないよ」

唯「えっ……あっ！！　もしや！」ﾀﾞｯ

菖「今日は……って行っちゃった」

ｶﾞﾁｬｯﾊﾞｰｰﾝ！

唯「晶ちゃん大丈夫！？」

晶「んわあーーっ！？」

晶「なっ、朝からなんだよっ！！」

唯「晶ちゃんごめんねっ！」

晶「はっ？」

唯「私が風邪移しちゃって……」

晶「……は？　風邪引いてねーけど」

唯「あれ？　でも寝てたよね」

晶「今日は午前中に講義取ってねーからゆっくり寝てたんだよ」

唯「あらー」

晶「……」

唯「すみませんでした」

唯「てっきり私が風邪移しちゃったと思って」

晶「……大丈夫だから」

唯「よかった～」

晶「よくねーよ、眠いんだけど」

唯「それとね、昨日の事なんだけど」

晶「聞けよ」

唯「晶ちゃんが作ってくれたご飯食べたから元気出たんだよ！」

晶「だ、だから私は対して役には……」

唯「いいのいいのっ！　すっごく嬉しかったんだから」

晶「うぁ……」

唯「ありがとね、晶ちゃん」

晶「あ、う……いや、そそそれより大学行かなくていいのか！？」

唯「へ？　あーーっ！？　もうこんな時間！　私なんにも準備してなかった！」

唯「じゃ、じゃあ私大学行ってくるねー！」

晶「はいはいいってらっしゃい」

ｶﾞﾁｬ

晶「……」

晶「……ふふっ」

菖・幸「ﾆﾔﾆﾔ」

晶「だぁーーーー！？」

晶「お前らも早く大学行けよっ！！」

菖・幸「いってきまーす！」

晶「……」

晶「はあー疲れた」

晶「寝よ」

晶「……」

晶「……」

晶「変な奴」

晶「……ふふ」



END