1: 2016/04/04(月) 12:38:02.58 ID:ZlI/2Rqk0
※胸糞注意


戸部「なあなあ、ちょっと遊びに行かね?」

三浦「戸部さ、あーしら受験生なわけだし」

戸部「まあ、そうなんだけどさ。ほら、気分転換みたいな」

三浦「あのね…」


海老名「でも、気分転換は必要だと思うよ」

戸部「さすが海老名さんっ、わかってる~」

三浦「海老名も…戸部が調子に乗るから…」

海老名「でもさ…今の結衣には、そういうのも必要かも」

三浦「あ…そっか…そうかもね」

2: 2016/04/04(月) 12:43:13.45 ID:ZlI/2Rqk0
戸部「わかってんじゃん、結衣も誘ってさ!」

三浦「あんたは、結衣のことは二の次でしょ」


戸部「そんなことないって、大切な友達じゃんかっ!…あと隼人君は…どうかな」

海老名「どうだろ?やっぱり彼女優先になるんじゃないかな?」

三浦「彼女…」

戸部「あ…これ禁句だわ…」


---------------------------------------


奉仕部


雪乃「暑いわね」

八幡「夏だからな…」

雪乃「今日も由比ヶ浜さんは来ないの?」

八幡「ま、休むって言ってたからな」

雪乃「そう…なにかあったのかしら?」

八幡「さあな」

3: 2016/04/04(月) 12:46:38.74 ID:ZlI/2Rqk0
八幡(まあ、予想はついてるが…)

雪乃「比企谷くん、おかわりはいる?」

八幡「そうだな…」


雪乃「じゃあ、代わりのを淹れるわね」

八幡「サンキュ」


コンコン

八幡「ん?誰だ?」

ガラガラ


葉山「すまない、お邪魔しても大丈夫かな?」

雪乃「葉山くん…」

八幡「葉山…」

4: 2016/04/04(月) 12:52:32.87 ID:ZlI/2Rqk0
雪乃「時間まで、教室で待ってるはずでしょう?」

葉山「それは悪かったよ、時間を持て余しちゃってさ」

雪乃「まったく…」


八幡「…」

八幡「ゴミ袋いっぱいになりそうだな、俺が捨ててくる」

雪乃「あ、いいわよこんなの。私の役目だもの」

八幡「気にすんな、大した手間でもないしな」

雪乃「ごめんなさい」


スタスタ


雪乃「まったく、変な空気になってしまったわね」

葉山「悪かったよ、座ってもいいかな?」

雪乃「ええ、勝手に椅子は持ってきて」

葉山「わかった」

5: 2016/04/04(月) 12:55:36.23 ID:ZlI/2Rqk0
葉山「…」

雪乃「どうかしたの?」

葉山「いや、改めて感じるんだよ、君と恋人になったんだなって」

雪乃「…母さんたちが決めたことでしょ、婚約だなんて」

葉山「それでもいいさ、時間はたっぷりあるんだし」

雪乃「…」

葉山「しかし、ここもすっかり勉強部屋って感じだね」


雪乃「そうね、依頼なんてあまり来ないから仕方ないわ」

6: 2016/04/04(月) 13:01:39.47 ID:ZlI/2Rqk0
葉山「……雪乃ちゃん」スッ

雪乃「…えっ?な、なにをする気…?」

葉山「こういう場所もいいものだね」


雪乃「だ、だめ…こんなところで…っ!」

葉山「こんなところじゃないならいいのかい?結構エOチだね、雪乃ちゃんは」

雪乃「揚げ足をとらないで…だっ…だめよ…!」

雪乃「比企谷くんに見つかったら…っ!」


葉山「大丈夫だよ、ゴミ捨てに行ったならすぐには帰って来ないし」

葉山「ほら、力を抜いて」


雪乃「だ、ダメ…スカートに手を入れないで…っ!」

葉山「今日は白か、いいね。君にとても合う色だと思うよ」

7: 2016/04/04(月) 13:08:18.51 ID:ZlI/2Rqk0
スタスタ

八幡(あの二人が付き合いだしてどのくらい経ったか…)

八幡(既に婚約してた間柄だとは思ってなかったが…それよりも付き合いだしたのは驚いた…)


八幡(将来結婚の約束があるのなら、どの道同じなんだが)

八幡(それ以来…俺はこの心のわだかまりから解放されてない)

八幡(これって嫉妬か?寂しさとか…そのた諸々)

八幡「俺って、こんな人間だっけ?奉仕部に長く居すぎたな」


八幡「そういや、それからしばらくして、由比ヶ浜も元気なくしたよな」

八幡(それから、奉仕部には顔を見せなくなった)

8: 2016/04/04(月) 13:11:23.58 ID:ZlI/2Rqk0
八幡「由比ヶ浜…どうしたんだろうな」

八幡「…雪ノ下、そういえば今葉山と二人きりか?」

八幡「……」


タタタタタ

八幡(くそ…なに急いでるんだよ、俺は…!)


ガラガラ

八幡「はあ…はあ…」


葉山「比企谷、早くないか?」

雪乃「息が切れてるわよ?大丈夫?」


八幡「……あれ…?」

9: 2016/04/04(月) 13:17:15.58 ID:ZlI/2Rqk0
雪乃「どうかしたの?」

葉山「比企谷?」


八幡「いや…」

八幡(俺の思い過ごしだったか?…まあ、いくらなんでもこんなところで…)

八幡「…!」


雪乃「比企谷くん?」

八幡(雪ノ下の服が乱れてる…スカートもめくれてる…)

八幡(必氏で直した跡か…てことはこいつら、ついさっきまで…)


葉山「どうかしたか、比企谷?」

八幡「いや、なんでもねぇよ」

葉山「そうか?」

八幡「それより、どうするんだ?このまま居座るのかよ、お前」

10: 2016/04/04(月) 13:21:16.89 ID:ZlI/2Rqk0
葉山「そうだな…せっかく来たんだし、3人で勉強しないかい?少しだけでも」

八幡「…」

八幡(少しは自重しろよ…こいつは)


葉山「雪乃ちゃんはどうだい?」

雪乃「私は別に構わないけれど…比企谷くんはどうかしら?」

八幡(ここで断っても、大人げないか…)

八幡「わかったよ」

葉山「ありがとう、比企谷」

八幡(白々しい奴…)

12: 2016/04/04(月) 13:24:59.94 ID:ZlI/2Rqk0
雪乃「さすがにこの3人での勉強となると捗るわね」

葉山「確かに、皆成績がいいからね」

雪乃「理系がピンチの人もいるけれど」

八幡「うっせ」


雪乃「二人とも、お茶のおかわりはいるかしら?」

葉山「ああ、もらえるかな?」

八幡「俺も」

八幡(…なんか…)

雪乃「はい、葉山くん」

葉山「ありがとう、雪乃ちゃん」


八幡(妙な疎外感がある…)

雪乃「はい、比企谷くんも」

八幡「おう」

八幡(別に、見る限り雪ノ下の態度は平等だが…)

18: 2016/04/04(月) 13:50:19.76 ID:ZlI/2Rqk0
八幡(雪ノ下の視線、表情、しぐさ…それらが葉山にわずかに向かってる気がして…)

八幡(駄目だ…くそ)


雪乃「どうかしたの、比企谷くん?具合が悪そうよ」

八幡「そんなことねぇけど…」

葉山「無理はしないようにね」

八幡「んじゃ、お言葉に甘えて今日は帰ろうかね」

八幡(これ以上は居づらいしな)

葉山「それなら…俺達も切り上げようか」

雪乃「そうね、そうしましょう」


八幡(葉山、お前が決めんな)

19: 2016/04/04(月) 13:53:03.39 ID:ZlI/2Rqk0
-------------------------


八幡「それじゃ、俺はこっちだから」

葉山「ああ、またね」

雪乃「さよなら、また明日」


八幡「……」スタスタスタスタ

八幡(あいつらはショッピングモールに寄って行くみたいだな…)




八幡「ただいま」

小町「おかえり~、お風呂沸いてるよ~」

八幡「おう、入るわ早速」

20: 2016/04/04(月) 14:00:12.97 ID:ZlI/2Rqk0
ザバーーーン

八幡「…ふう」

八幡「…あいつら、買い物とかした後…晩めし食べて…それから」


八幡「ホテルか…」

八幡「時間的には…今頃、買い物か晩飯くらいか?」

八幡「風呂でなにしてんの、俺…」

--------------------------------------


その頃…ウナギの店


雪乃「ねえ、葉山くん…」

葉山「なんだい?雪乃ちゃん」

雪乃「まだ学生の身でこんな高い物…」

葉山「まあ一つ5000円だね。なかなか奮発したよ、でも君との食事だし、たまにいいだろ」

雪乃「……」

葉山「どうかな?味は」

雪乃「さすがにおいしいわね」

葉山「俺は、後でもっとおいしい物を頂くけどね」

雪乃「えっ?」

葉山「いや、なんでもないよ」

24: 2016/04/04(月) 14:09:14.51 ID:ZlI/2Rqk0


小町「おに~~ちゃ~~んっ、お風呂長すぎるよっ!」

八幡「はっ!…長くつかり過ぎた…うえ…ふらふらする…」


小町「もう、どうしたのよお兄ちゃん…大丈夫?」

八幡「お、おう…大丈夫だ…問題ない」

小町「全然大丈夫には見えないけど」


八幡「とにかく悪かった…部屋戻るな」

小町「大丈夫かな…」


バタン

八幡「はあ…くそう…なんなんだよ」

26: 2016/04/04(月) 14:21:06.18 ID:ZlI/2Rqk0
八幡「…今頃、ホテルとか行ってたりして…」

八幡「いや、バレたらヤバいぞ?いくらなんでも行ってないだろ…」

八幡(つっても、もうやることはやってるよな…とっくに)

八幡(あの葉山がしないとも思えんし)

八幡(それにしても…壁を貫通して…)


八幡(葉山に抱きしめられて、尻撫でられて喘いでる、パンツ一枚の雪ノ下が鮮明に思い浮かぶのは何故だ?)


27: 2016/04/04(月) 14:26:38.81 ID:ZlI/2Rqk0
葉山「さっき食べたうな重が、前菜にしか思えないよ雪乃ちゃん」

葉山「それくらい、君は綺麗だ」

雪乃「は、隼人…くん…っ」


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次の日


結衣「……今日もいい天気」

結衣「でも…あたしの中はあんまりいい天気じゃないかな」

三浦「結衣、おはよ」

結衣「優美子…おはよ」

三浦「おはよ…やっぱ元気ないね」

結衣「あ…うん、まあ」

28: 2016/04/04(月) 14:31:46.80 ID:ZlI/2Rqk0
三浦「最近はさ、奉仕部にも通ってないんでしょ?」

結衣「うん…そうだね」

三浦「…理由とかさ、聞いてもいい?予想はできるけどさ」


結衣「優美子…」

三浦「親友が元気ないって絶対嫌だし、あーしができることなら…助けたいし」

結衣「うん…ありがとう」

------------------------------------------

ガヤガヤ

八幡「由比ヶ浜…もう行ったか」

八幡「今はあいつとは顔合わせづらいな…」

八幡「ていうか、昨日はすごい妄想してしまった…」

八幡「あれ、おかずにしたくらいだしな…さすがにヤバいな」

八幡「現実に起こってたら笑えるが…」

32: 2016/04/04(月) 15:01:35.17 ID:ZlI/2Rqk0
相模「あれ?比企谷じゃん」

八幡「相模…」

相模「氏にそうな顔してどうしたの?」

八幡「なんでもねぇよ」

相模「なんでもないんならさ、ちょっと付き合わない?おもしろい話聞かせてあげる」

八幡「なんだよ、話ならここでできるだろ?」


相模「それもそっか、あんたさ奉仕部の二人から愛想つかされたって言われてるよ」

八幡「はあ?意味わかんねぇ」

相模「なんていうか、葉山君と雪ノ下さん付き合ってるみたいだし、結衣ちゃんは避けてるみたいだし」

八幡「…」

相模「それだけ見たら、キモイあんたを二人が遠ざけてるように見えるんじゃない?」

八幡「…そうかよ」

33: 2016/04/04(月) 15:05:06.97 ID:ZlI/2Rqk0
相模「あれ、なんも言い返さないの?まあ、無理だしね?図星つかれて氏にそう?」

八幡(こいつは性根心底悪いな…)

相模「あははは、うち、あんたのそういう表情見たかったんだ~」

八幡「お前…俺を卑下するのはいいけど…」

相模「え?なによ?」

八幡「それをしたからって、お前が過去に失態をした事実は消えないぞ?」

相模「…っ!…なによ、比企谷のくせに…!」

八幡(こいつ煽り耐性ないな、全く進歩してない…アホだ)


スタスタ

相模「あ、ちょっと、待ちなさいよ…!」

51: 2016/04/05(火) 15:34:10.22 ID:MAvxRYEh0
昼休み

三浦「ヒキオがね」

結衣「うん…ゆきのんが隼人くんと付き合ってさ」

三浦「うん」

結衣「それから…ヒッキー変わっちゃった」

三浦「見た感じあんま変わってないけど」

結衣「ヒッキーは感情あんまり表に出さないし」

結衣「でも…ヒッキーはずっとゆきのんのこと気にしてるし…」

結衣「すっと…」

三浦「…」

結衣「あたしなんて入り込むスペースなくなっちゃった…たははっ」

52: 2016/04/05(火) 15:37:50.22 ID:MAvxRYEh0
三浦「あいつ…」

結衣「あ、でもヒッキーが悪いんじゃないよ?」

三浦「いや、あいつが悪いっての。ただの逆恨みでしょ」

結衣「ち、ちがうよ…」

三浦「なにが違うの?」

結衣「ゆきのんも…奉仕部では普通だけど…もう、隼人くんの物だし…ヒッキー辛いと思うよ」

三浦「あの二人って婚約してたんでしょ?許嫁だっけ」

結衣「うん…みたいだね」

三浦「どの道入り込む隙間なんてないじゃん」

結衣「…」

三浦「雪ノ下さんのこと忘れられないあいつが悪いんだっての」

53: 2016/04/05(火) 15:42:48.28 ID:MAvxRYEh0
結衣「…」

三浦「結衣はさ、それで奉仕部に行かなくなったんだ?」

結衣「うん…居づらくなって…」

三浦「ま、それでいいんじゃない?」

結衣「優美子?」

三浦「辛いのに行く必要ないって、あんたの精神衛生上にもよくないし」

結衣「で、でもさ…」

三浦「ヒキオが雪ノ下さん見てる以上仕方ないでしょ?もう忘れた方がいいと思うけど」

結衣「そんなこと…」

三浦「結衣だっていままで奉仕部に行ってないじゃん」

結衣「それは…そうだけど…」

三浦「よし、気分転換に今日はごはん行くしっ!」

結衣「え、どうしたの急に?」

三浦「いいでしょ?」


結衣「うん…いいけどさ」

54: 2016/04/05(火) 15:47:51.38 ID:MAvxRYEh0
ガラ

八幡(あ…由比ヶ浜と三浦…帰って来たか)


戸部「あれ、どこ行ってたん?」

三浦「ん~?ちょっとね」

葉山「結衣、大丈夫かい?」

結衣「あ、うん。全然大丈夫だよ~」


八幡「リア充共の会話…こんなに反吐が出るもんか…?」

八幡「いや…葉山が入ってるからか…」


葉山「…」チラ

八幡「…あいつ…なんだよ、あの勝ち誇ったような表情は…!」

55: 2016/04/05(火) 16:00:55.48 ID:MAvxRYEh0
ドンっ

「ちょっと、邪魔なんだけど?」


八幡「えっ…あ、ごめん」


モブ「…?なにあいつ…?」

モブB「さあ…?」


八幡「………」


------------------------------------

放課後 奉仕部


雪乃「ん…あぁ…!…こんなところ見られたら…あぁ…っ」

葉山「見せつけてやってもいいんだけど」


雪乃「いや…だ、だめよ隼人くん…それは…っ!」

葉山「比企谷を椅子にでも縛り付けて、目の前で君を抱くなんて考えると…」

葉山「彼はどんな気持ちになるのかな?」

雪乃「そ、そんなの駄目…絶対にだめよぉ…あ、あんっ…!あぁ…!」

葉山「そんなに否定されたら嫉妬しちゃうじゃないか」

56: 2016/04/05(火) 16:04:59.43 ID:MAvxRYEh0
八幡「気づいたら、教室に葉山がいなかった…まさかとは思うが…」

ガラガラ

八幡「…」

葉山「やあ、比企谷」

雪乃「……あら、遅かったわね」

八幡「今日もいんのかよ」

葉山「ダメだったかな?」

八幡「俺が決めることじゃないからな」

雪乃「…」

八幡(服をあわてて直した跡があるな…昨日よりも乱れてないか?)

八幡(こいつら、どんなことしてんだよ…)


葉山「どうかしたかい、比企谷?」

八幡「いや…なんでもねぇよ。自習始めるか」

雪乃「そうね、始めようかしら」

57: 2016/04/05(火) 16:09:05.21 ID:MAvxRYEh0
カリカリ

雪乃「…」

葉山「…」

八幡「……」

雪乃「そういえば」

八幡「なんだ?」

雪乃「あなたは成績上がってるようね」

八幡「ま、そりゃあな」

葉山「すごいじゃないか、比企谷」

八幡「…」

雪乃「葉山くんも上がってるでしょう?」

葉山「そうだったかな?そんなでもないけどね」

雪乃「あの成績からさらに上げてくるなんて、さすがね」

八幡「…」

59: 2016/04/05(火) 16:23:16.91 ID:MAvxRYEh0
葉山「はは、ありがとう雪乃ちゃん」

雪乃「いえ」

八幡(二人の何気ない会話を聞いてるのが…辛い)

葉山「そういえば、昨日のうな重だけど」

雪乃「どうしたの、急に?」

葉山「いや、おいしかったねっていう話だけど」

雪乃「そうね、久しぶりにおいしいウナギだったわ」

八幡「ウナギね」

葉山「比企谷も行ってみたらどうだ?5000円するが」

八幡「高すぎるっての」

八幡(昨日そんな所行ったのかよ…しかも多分その後は…)

八幡(なんだ、この見せつけられてる感…公開処刑か?)

61: 2016/04/05(火) 16:29:47.73 ID:MAvxRYEh0
八幡「……」

葉山「大丈夫か比企谷、本当に?顔色が悪いぞ?」

雪乃「……」

八幡「大丈夫だ、なんでもない」

-----------------------------------------


八幡「それじゃあ、またな」

葉山「ああ、またね」

雪乃「さようなら…」

カラカラ


葉山「う~ん、あれは感づいてるね。さすが比企谷」

雪乃「あなた…わざとやってるんでしょう?いい加減にして」

葉山「だって、雪乃ちゃんは渡したくないからね」

雪乃「信じられない…あなた変態ね」

葉山「はは、じゃあ今夜は厳しく責めようかな?」

雪乃「ば、ばか…」

64: 2016/04/05(火) 16:51:16.10 ID:MAvxRYEh0


八幡「……はあ」

小町「…お兄ちゃん…元気ないねっ」

八幡「たまには俺も悩むんだよ」

小町「去年もそんなことあったけど…それよりひどい感じ」


小町「なんか心底落ち込んでるって感じだよ?」

八幡「…」

小町「なにかあったの?」

八幡「なにもない」

小町「お兄ちゃん…」

八幡「お前には関係ないことだよ」

小町「やめてよ、そういうこと言うの…奉仕部が関係してるの?」

八幡「……」

小町「お兄ちゃん……なにも言ってくれないんだ…」

65: 2016/04/05(火) 16:57:40.63 ID:MAvxRYEh0
八幡「お前には関係ないって言っただろ」

小町「…お兄ちゃん…わかった、もう聞かない」

バタン


八幡「…地獄だ」

八幡「雪ノ下…いまごろ葉山と…」

八幡(なんか挿入直前の葉山の姿が思い浮かぶな…四つん這いの雪ノ下と…)

八幡「なんだよ、この妄想力…」


雪乃「は、隼人…っ!」

葉山「ほら、雪乃ちゃん。おねだりするんだ」

雪乃「き、来て…隼人くん…」

66: 2016/04/05(火) 17:06:41.58 ID:MAvxRYEh0
教室


三浦「結衣っ、聞いてよ、昨日さ~」

結衣「え~そんなことあったんだ…!」

葉山「そういえばこんなことも…」


戸部「それダメじゃん~」

海老名「あははははっ」



八幡「…今日も楽しそうだな、由比ヶ浜」

八幡「元気になったみたいだし、よかったか」

八幡(1か月前とは大違いだな、安心していいのかわからんが)

八幡(葉山と雪ノ下もうまく付き合ってるみたいだ…)

八幡(この前、奉仕部で喘ぎ声が聞こえたが…あれは雪ノ下の声だな…)

八幡「…はあ、葉山もまだ奉仕部には来てるしな…」

八幡「…地獄だ」

八幡(そう…今は地獄だ…MAXコーヒーでも薄められない程…)

67: 2016/04/05(火) 17:14:44.29 ID:MAvxRYEh0
八幡(まだ恋愛もしてない10代のガキが何言ってるんだって?いいんだよ、ガキなんだから)

八幡(それ以上の経験をしてないんだから、これに必氏になるのは当たり前だろ?)

八幡(俺は雪ノ下を好きだったんだな…最近思い浮かべるのは、スカートから覗く白い下着)


八幡(奉仕部でも何回か見たことあるが…そのたびにドキッとしたな)

八幡(でも今では…葉山も思い浮かべるから悲しくなる)

八幡(キモイ発想だって?幻想の中に夢身過ぎだって言いたいのか?)

八幡(自分でもそう思ってたよ…自分が当時者になるまではな…)

八幡(対岸の火事なら、人間は冷静なもんだ)


------------------------------------------------

生徒会室

八幡「一色、ここに段ボール置いとくぞ」

いろは「すいません、ありがとうございます先輩っ」

八幡「なんか最近礼儀正しいな、お前」

いろは「あはは、先輩に手伝ってもらってますし」

いろは「わたしもいつまでも子供じゃないですよ」

八幡「そうか」

八幡(まあ、確かにそうだな)

コンコン

いろは「は~い」

八幡「ん?」

68: 2016/04/05(火) 17:18:40.69 ID:MAvxRYEh0
いろは「あ、ごめん。もうすぐで終わるから、もう少し待ってて」

八幡「なんだ、知り合いか?」


いろは「はい、まあ…」

八幡「ん?」

いろは「その……彼氏です」

八幡「…普通に言えばいいだろ」

いろは「ちょっと恥ずかしいじゃないですか、やっぱり」

八幡「そういうもんか?」

いろは「そういうもんですよ~」

八幡「同じ歳の奴か?」

いろは「はい」

八幡「そっか、よかったな」

いろは「ありがとうございますっ」

八幡「……」

八幡(微妙なところで変わって行く…地獄は終わるところを知らない)

69: 2016/04/05(火) 17:23:30.69 ID:MAvxRYEh0
八幡(あれから…さらに一か月…か)


結衣「あははっ、ありがとう~」

三浦「結衣、よかったじゃん~うまくいくといいねっ」

海老名「おめでとうっ」


八幡(風の噂で、由比ヶ浜に彼氏ができたと聞いた)

八幡(あいつならわかるけど…2か月前は俺とのことで落ち込んでたから…)

八幡(こういう展開は予想してなかった…)

八幡(どうも、三浦も参加の合コンで知り合ったらしい)

八幡(あの仲間想いの三浦がOKしたくらいだから、いい奴なんだろう)

八幡(奉仕部の仲間としては…うれしい…か?)

八幡(地獄は続いてる…先が見えない)

71: 2016/04/05(火) 17:27:51.37 ID:MAvxRYEh0
戸塚「由比ヶ浜さん、彼氏できたみたいだね」

八幡「そうだな、いいことだ」

戸塚「僕は八幡と付き合うのかなって思ってたけど…」


八幡「まさか…冗談にもなってない」

戸塚「あはは、ところでさ…」

八幡「なんだ?」

戸塚「葉山くんが奉仕部に行ってる?最近」

八幡「ああ、そうだな。最近は俺と雪ノ下と葉山で受験勉強してるぞ」

戸塚「そっか、縄跳びとかもしてるの?」

八幡「ん?どういう意味だ?」

戸塚「縄跳びをこの前持って入ってたからさ」

八幡「んん?」

72: 2016/04/05(火) 17:32:43.06 ID:MAvxRYEh0
----------------------------

三浦「ヒキオさ、今いい?」

八幡「なんだ?」


三浦「ちょっとだけ話があるんだけど」

八幡「…」

スタスタ


三浦「あのさ…」

八幡「だから、なんだ?」

三浦「結衣に彼氏できたの知ってるよね?」

八幡「ああ、噂くらいだけどな」

三浦「その噂は事実だから」

八幡「だからなんだ、いいことじゃねぇか」

三浦「それなら、もう結衣に構わないでね」

八幡「なんだよ、俺がそんなことすると思ってるのか?」

三浦「あんた、今寂しいんじゃないかって思ってたから」

八幡「…」

八幡(寂しい…か)

八幡(地獄…そう感じるのもそれがあるからだろうな)

73: 2016/04/05(火) 17:40:43.72 ID:MAvxRYEh0
三浦「あんたと違っていい奴と付き合ってるから結衣は」

八幡「そうかよ」

三浦「いまさら、近づいてくんなよ、わかった?」

八幡「…わかった」

三浦「警告はしたから、それじゃ」


八幡「……」

三浦「あんたには世話になった部分もあるよね、あの時はありがと。じゃ」

スタスタ

八幡「なんなんだよ…一言で片づけるな…」


--------------------------------------------


スタスタ

戸塚「それじゃあ、部活がんばってね」

八幡「おう、勉強だけどな」

戸塚「あはは、それじゃ」

八幡「……女子と帰るのか、確か戸塚にも彼女ができたとか…」


八幡「奉仕部に行くか…」

八幡(由比ヶ浜に彼氏、一色にも彼氏か…)

八幡(戸塚にも彼女がいるみたいだしな…なんだよそれ)

74: 2016/04/05(火) 17:46:05.15 ID:MAvxRYEh0
八幡(俺はつながりを求めてた…でも、離れて行ってる…確実に)

八幡(川なんとかさんとはそもそも関係性薄いうえに、最近は話してすらない)

八幡(あとは、材木座くらいか…?)


八幡(そして葉山と雪ノ下…)

八幡(俺が好きになった女性を奪った葉山…俺の心が荒むことになった元凶)

八幡(あいつさえいなかったら…くそっ)

八幡(最近は小町すらも心が離れた気がする…)

八幡(地獄は深い穴を開けてる)


ガラガラ


葉山「やあ、比企谷」

雪乃「こ、こんにちは、比企谷くん…」

75: 2016/04/05(火) 17:50:10.47 ID:MAvxRYEh0
八幡「おう、相変わらず早いな」

葉山「はははっ」

雪乃「そ、そうかしら…」

八幡(もう、あんまり隠す気はないか…しかし)

八幡(縄跳びというのが気になるな)

雪乃「それより、お茶でも淹れようかしら?」

八幡「お茶か…もらえるか?」

雪乃「え、ええ…」

葉山「……」


コト

雪乃「ど、どうぞ…」

八幡「ああ…サンキュ」

八幡(なんだか雪ノ下の態度がおかしいな…よそよそしいというか…)

八幡(なにかに恐れてるみたいだ…)

葉山「……」

76: 2016/04/05(火) 17:54:33.49 ID:MAvxRYEh0
八幡(逆に葉山は勝ち誇ってるような…なんだ?)ズズ


雪乃「…」

葉山「…」

八幡「お前ら、さっきから俺を見てなにがしたいんだ…?」

葉山「ああ、なんでもないよ。ところで身体は大丈夫かい?」

八幡「身体…そりゃ…とくには…」

雪乃「本当に?」

八幡「ああ…ちょっと…ねむいかな…」

葉山「それはいけないな、しっかり寝た方がいいよ」

八幡「なに言ってやがる…こ、これはおかしいぞ…あ、あれ…」


------------------------------------------

79: 2016/04/05(火) 18:03:57.23 ID:MAvxRYEh0
八幡「…ん…?」

葉山「やあ、比企谷気分はどうだい?」

八幡「葉山…これはどういうことだ?」

葉山「奉仕部なんだが…平気かい?」

八幡「質問に答えろよ…なんで俺は椅子の上で縛られてるんだ?縄跳びで」


葉山「ああ、状況把握が早くて助かるよ、説明しなくて済むからね」

八幡「説明しろよ…」

雪乃「比企谷くん…」

八幡「雪ノ下…」


葉山「大体わかるだろ?これから雪乃ちゃんを抱くんだよ、君の目の前で」

八幡「…!お前…!」

雪乃「は、葉山くん…やっぱり駄目よ…こんなの…っ!」

葉山「何言ってるんだい、いまさら」

83: 2016/04/05(火) 18:09:15.97 ID:MAvxRYEh0
雪乃「ひ、比企谷くんの目の前でするなんて…そんな…!」

雪乃「それに…学校で、そんなこと…!」

葉山「もう既に何度もしてるし、夜まで待ったんだから、大丈夫だよ」

雪乃「で、でも…」


八幡(まさか…こんな展開でくるとは…!こいつ本当に葉山隼人か?良く似た別人じゃないのかっ?)

八幡(俺の好きだった人を目の前で抱くとか…!)

葉山「それに隼人くんだろ?雪乃ちゃん」

雪乃「隼人くん…」

葉山「お仕置きだね、雪乃ちゃん。スカートをめくるんだ」

雪乃「え?」

葉山「聞こえなかったかい?スカートをめくって比企谷に見せつけるんだ、パンツを」


雪乃「は、隼人くん…!そんな…!」

85: 2016/04/05(火) 18:14:16.44 ID:MAvxRYEh0
葉山「ほら、早くするんだ」

雪乃「……!!」


八幡「雪ノ下…」

雪乃「比企谷くん…」

八幡「葉山…お前、なんでこんなこと…!」

葉山「今、お前はどんな気分かな?辛い毎日送ってるかい?」

八幡「知るかよ…」

葉山「日々を無意味に過ごしてきた…努力をしてこなかったお前にはお似合いの立場だよ」

八幡「何を言ってる…?」

葉山「雪乃ちゃんや結衣、いろはと知り合いになる時点で既におかしかったのさ」

葉山「今の状態が本来のおまえだろ?」

八幡「お、おまえは…」

葉山「元に戻してやるだけさ、感謝してほしいものだ」

90: 2016/04/05(火) 18:20:10.18 ID:MAvxRYEh0
八幡「お前は違うって言うのか…?」

葉山「俺はお前と違って毎日努力の積み重ねだったさ」

葉山「それがあるから、子供ともコミュニケーションがとれるし、学校でもモテるんだ」

八幡「去年の山でのことか…」

葉山「お前はあんな方法でしか解決できない…決定的な違いだ、邪道なんだよお前は」

雪乃「葉山くん…言い過ぎよ…」

八幡「お前は…雪ノ下の過去の確執を解決できてないんだろ…?」

葉山「!」

八幡「今も…許嫁の立場利用してるだけだろ…お前らしいよな…」

八幡「一人じゃなにもできない…」

葉山「はは、言うじゃないか。なら、そこで見てるといいよ」

93: 2016/04/05(火) 18:27:14.26 ID:MAvxRYEh0
雪乃「は、隼人くん…もう、許して…っ」

葉山「いいから、君はスカートをめくり上げるんだ」



雪乃「…」スッ


八幡「ゆ、雪ノ下…!」

雪乃「……」フイ


葉山「どうだい、比企谷?白だね白、こんな状況で動けなくても嫌でも勃つんじゃないか?」

八幡「くっ…は、葉山…!」

葉山「ははははっ、よく目に焼き付けておくんだ、これから白いパンツが似合わない程、だらしない雪乃ちゃんにするからさ」

雪乃「は、隼人くん…い、いや…だ、ダメよ…っ!」

葉山「いただきますっ」

雪乃「あ、あぁぁ…だ、だめぇぇ……」


八幡「…雪ノ下…」




95: 2016/04/05(火) 18:37:08.43 ID:MAvxRYEh0
八幡(地獄の大穴に落とされた…これはあまりにも…)

八幡(身動きがとれない状況で…雪ノ下の喘ぎ声が大きくなっていくのがわかる…)

八幡(これが本来の俺の位置…葉山の位置ははるか天上だ…)


八幡(今回のこの事態もあいつなら乗り切れるだろう…だから実行した。俺との決定的な差を知らしめる為に…)

八幡(俺はいつの間にか、分不相応な地位に甘んじていた…そこから元の位置に行くのを嫌がっていた…)

八幡(だから…これは地獄じゃない…普通のことだ…抵抗したから、お仕置きされてるだけ…)

八幡(雪ノ下も今、仕置きをされてるみたいだ…アナルがどうとか…)

八幡(もういい…疲れた…さっきの睡眠薬の影響で寝れるだろう…)


八幡(きっと目が覚めれば、小町が起こしてくれるだろう…今日は日曜日だ…)

八幡(そうだよ…これはきっと悪い夢だ…)

97: 2016/04/05(火) 18:40:55.31 ID:MAvxRYEh0
----------------------------------------

それから、しばらくして…


小町「ごめんなさい、結衣さん…せっかく来ていただいたのに…」

結衣「あ、ううん。大丈夫だよ…それじゃ、ヒッキーによろしくねっ」

小町「はいっ」


小町「お兄ちゃん…こんなことになってたなんて…」

コンコン


小町「お兄ちゃん…結衣さんが来てくれたのに…」

小町「また、閉じこもってるの…?」

小町「…小町、もう行くね。学校行かなきゃ」

102: 2016/04/05(火) 18:48:12.21 ID:MAvxRYEh0
小町「…」スタスタ

「おはよー」

「ういっすー」

小町「あ、おはよう~」

小町「……」

小町(結衣さんに彼氏ができたみたい…一緒にいたあの人がそうなのかな?制服は違ったけど)

小町(雪乃さんも彼氏を持って…他にも、お兄ちゃんの周りの人が少しずついなくなった…)

小町「大丈夫だよ…お兄ちゃんが引きこもりになっても…小町はお兄ちゃんの味方だからっ!」


?「よう、小町」

小町「あ、おはよう~、今日もいい天気だねっ」

?「そうだよな、今日いい天気だし、帰りどっか寄って行かないかっ?」

小町「うん、いいね。そうしよっかっ!」

?「今夜は…よし、今夜こそは…」

小町「えっ?どうしたの?」

?「いや、なんでもないって」

105: 2016/04/05(火) 18:52:23.58 ID:MAvxRYEh0
大志「比企谷さん…はあ…」

川崎「どうしたの、大志?」

大志「いや、なんでもないよ」


川崎「そう?なんか浮かない感じ」

大志「知り合いで、最近彼氏できた人がいるんだけどさ」

川崎「ああ、そういうの興味ないけど」

大志「あんまり良い噂聞く彼氏じゃなくてさ…」

川崎「へえ…それで?」

大志「それで…彼女の身が危険かもっていう噂が…」

川崎「その彼女って…美人?」

大志「うん、まあ」

川崎「じゃないと、そんな噂流れないだろうしね」

大志「比企谷さん…大丈夫だといいけど…」

108: 2016/04/05(火) 18:56:37.60 ID:MAvxRYEh0
三浦「結衣さ」

結衣「なに?優美子」

三浦「ヒキオの所に行ったって?」

結衣「あ…うん」

三浦「もうやめときなって言ったじゃん、彼氏にも失礼でしょ」

結衣「…それは…そうかもしれないけど…」

三浦「あの彼氏は良い人だから、表には出さないけど、絶対嫌だと思うよ」

結衣「う、うん…気を付ける…」

三浦「気をつけな、勝手に引きこもってるだけなんだし、あいつ」

結衣「優美子…それはひどいよ」

三浦「失恋くらいでさ…!あーしだって失恋したってのっ、バカじゃないの?甘え過ぎ」

海老名「うわ…きつい…さすが優美子」

111: 2016/04/05(火) 19:02:17.33 ID:MAvxRYEh0
戸部「ヒキタニ君のことはいいからさ~、毎日勉強ばっかできついわ…マジで」

葉山「おいおい戸部…学生の本分は勉強だぞ?」

戸部「いやいや、彼女いる人のセリフじゃないよそれは…」

葉山「まあ、いるけどね」

戸部「毎日、イチャイチャしてるんじゃん?ここでは言えないこととかしてるっしょ?」


葉山「やめてくれ…あと、結衣だって彼氏いるじゃないか」

三浦「この前、楽しそうに街歩いてたしね」

結衣「ちょっと、優美子…!」


戸部「マジで?うわ…俺も彼女ほしいな~」チラ

海老名「んっ?なにかな?」チラ

戸部「いえ、なんでもないっす…」

葉山「はははははっ」

114: 2016/04/05(火) 19:05:36.43 ID:MAvxRYEh0
ガヤガヤ

相模「比企谷が引きこもり…うわ、お似合いっ」

相模「雪ノ下さんや、結衣ちゃんにも捨てられるし…おそしろっ!」


戸塚「…八幡…」

戸塚「でも、八幡がいなくなってもいつもと空気があんまり変わらないね…」

「お~い、戸塚~呼んでる子がいるよ~」

戸塚「あ、は~いっ」

「彼女?年下っぽけど…やるじゃんっ」

戸塚「や、やめてよ…そうだけどさ…」

「ヒュ~ヒュ~」

戸塚「も、もう…!」

120: 2016/04/05(火) 19:11:38.07 ID:MAvxRYEh0
いろは「はあ…毎日仕事大変だな…なんか嫌になってきた…」

いろは「元々先輩に押し付けられた仕事だし…先輩がいないなら…」


いろは「正直、彼氏との時間もっととりたいし…」


コンコン

いろは「あ、来たかな?は~いっ」

-------------------------------------------------------




八幡「一人…か…本当に一人だな…」

八幡「…飯でも作るか…」

ジュウジュウ

八幡「…あの衝撃的な事件から…何日だ?」

八幡「あれから、廃人同然に生活してる…何曜日わからん…」

八幡「あれは、夢だったのか…?」

八幡「ま、いいか…なんでも…」

125: 2016/04/05(火) 19:17:28.91 ID:MAvxRYEh0
八幡(これが俺の現状だ…)

八幡(はは…専業主夫みたいだ…いや、ただの引きこもりです、はい)


八幡「マジでこれからどうするか…学校行くか?」

八幡「いや、それは…俺の居場所はあそこにはない…」

ふにゃ~ご…

八幡「おう、カマクラ…元気かよ」

八幡(こいつがいたな、そういえば…)

八幡「俺の味方は…小町だけか?あと、辛うじてこいつ…」

八幡「なんか犬でも飼うか?世話はできると思うが…高いか」


八幡「やべぇ…どんどん逃げの方向に行ってるよ…」

八幡「出席日数もあるし…とりあえず高校は卒業しないとな…」

八幡「そのあと大学行かせてもらって…なんか悪いな…こんな俺を」

八幡「…あれ?俺、今ちょっとだけ前向きに考えられてないか?」

128: 2016/04/05(火) 19:22:35.47 ID:MAvxRYEh0
八幡「びっくりするくらいどん底を見せつけられて…」

八幡「なんか逆にスッキリした俺がいる」

八幡「少し考え方変えるか…この際」


八幡「端的に言うと、俺は失恋した。それが相当な美少女で俺には高嶺の花だった」

八幡「まあ、それだけ。本当にそれだけ…」

八幡「由比ヶ浜とも確執できたし…あの時行動してれば…今頃は付き合えてたかもな」

八幡「ま、それはいいといて…俺のガラスのハートをなんとかしないとな…」


八幡「で、葉山は酷過ぎると…雪ノ下にあんなことして…長続きするのか?」

八幡「…」

157: 2016/04/06(水) 16:35:25.25 ID:c7hAM83K0
八幡「…何日も経ってるしな…支えてくれてる小町にも悪いし」

八幡「戸塚だって、来てくれたわけだし…学校に顔だけでも出してみるか」


--------------------------------------------

その夜

小町「ただいま~」

八幡「おかえり、小町」

小町「あ、お兄ちゃん…えっと、その…元気?」

八幡「元気ではないな」

小町「あはは、やっぱり…お母さんも心配してたよ」

八幡「おう、わかってる」

小町「…」

八幡「どうなるかわからんけど、明日学校行ってみる」

小町「お兄ちゃん…!うん、それがいいよっ!」

八幡「…ああ」

158: 2016/04/06(水) 16:49:18.32 ID:c7hAM83K0
次の日

八幡「すげぇ緊張するな…こんな緊張するのは初めてだ」スタスタ

八幡(あの日のことを次第に思い出してきた…)


八幡(あの日、俺の目の前で雪ノ下が葉山に抱かれた日…)

八幡(俺は睡眠薬の影響で気づいたら、縄は解かれてた)


八幡(そこには誰もいなくなってたが…)

八幡(葉山がどれだけ濃厚に、雪ノ下を責めていたのかはおぼろげに覚えてる…)

八幡(…白い下着が似合わなくなるほど…か。確かにあの時の雪ノ下は…気が狂ったかのように乱れてた)

八幡(思い出しただけでも…どうしようもない辛さが込み上げてくる…それと同じくらい興奮もする…)

八幡(なんだよ、これ?この変な葛藤は…?)

159: 2016/04/06(水) 16:53:53.37 ID:c7hAM83K0
八幡「校門まで来たが…別段変わった印象もないか」

八幡「…教室まで行くのが怖いな…登校拒否とか…」


平塚「比企谷」

八幡「…先生」

平塚「来る気になったんだな?」

八幡「…ええ、部活もあるじゃないですか」

八幡「雪ノ下だけだと、可愛そうですし」

平塚「…君は優しいな」

八幡「今ってどうなってます?教室とか?」

平塚「…変わらない、何も変わってないよ比企谷」


八幡「部活は?」

平塚「…知らない方がいいこともある」

八幡「…先生、それどういう意味ですか?」

160: 2016/04/06(水) 16:59:40.68 ID:c7hAM83K0
平塚「…特に変わってはいないよ、以前も葉山と雪ノ下は勉強していただろう?」

八幡「ああ、葉山が入ってきてましたね。由比ヶ浜が来なくなって…」

平塚「表面上はそれと変化はないが…」

八幡「はあ?」

平塚「葉山がお前を追い出したということになってる」

八幡「どういう意味ですか?それは…!」

平塚「そういう噂が出ているよ、雪ノ下から比企谷を守ったっていう風にな」

八幡「葉山…」


平塚「すまない比企谷…私もそれはさすがに信じてはいないよ」

平塚「しかし、こういう噂は収束が難しいというのは君ならわかるだろう?」

八幡「……そうですね、一旦広まったら尾ひれがつきますからね」

平塚「ああ…とにかく、君は教室に行くんだ。気を強く持ってな」

八幡「……」

八幡(…平塚先生が…頼りなく感じたのは初めてかもな…)

161: 2016/04/06(水) 17:04:56.02 ID:c7hAM83K0
教室

ガラガラ


八幡「…」

八幡「視線がすごいな…」


戸部「あれ、ヒキタニ君じゃね?来たんだ…」

三浦「相手にすんなっての、戸部」

海老名「…」

戸部「あはは、悪い悪い」


葉山「やあ、比企谷…けっこう長く休んでいたよね?体調不良かい?」

八幡「…うるせぇよ、葉山…」

葉山「はは、なんだかつれないな」

戸部「ヒキタニ君、来て早々それはないわ~」

八幡「……」

戸部「視線合わせないでくんねぇかな?犯罪者の臭いが移るべ」

八幡「犯罪?おい、俺は休んでただけでなにも悪いことは…」

162: 2016/04/06(水) 17:09:59.60 ID:c7hAM83K0
戸部「なに言ってんだよ、奉仕部で工口イ目線で結衣たち見てたって噂立ってるし」

八幡「なに言ってんだ?」

三浦「やめろっての、戸部。でも、ヒキオもさ」

八幡「なんだよ?」

三浦「仲間だと思われるから、どっか行ってくんない?悪いけど」

海老名「うわ…きつい…」

八幡「病み上がりで帰ってきた奴に、会って早々言うセリフか?」

三浦「失恋で、雪ノ下さんに酷いことしようとしてたんでしょ?隼人がそう言ってるし」

八幡「そんなわけ…!」

葉山「いや、優美子。それは色々と誤解があるよ、彼は諦めてなさそうだって言いたかったんだ」

葉山「まあ、俺にはなにか起こすんじゃないかって雰囲気はあったけどさ」

三浦「ほら」

八幡(なんだこれ…なんだ…?)

163: 2016/04/06(水) 17:15:39.47 ID:c7hAM83K0
戸部「うわ…ヒキタニそれは駄目だわ…怖すぎるわ…」

戸部「俺だったら、殴ってるところだわ、マジで。隼人くん寛容過ぎ」

八幡「違う…失恋はそうだが…そんなこと考えてない…」


戸部「お前のなに信用しろっての?そんな寝起きみたいな、酷い顔してさ。顔洗ってんの?」

八幡「……!」


三浦「もういいから戸部、行くし」

戸部「OK~」

海老名「あ、優美子っ」

葉山「それじゃあ、君も大変だけど気をつけてな。日々の努力を怠ったヒキタニ君」スタスタ


八幡「…う…あぁ…」

相模「うわ…比企谷…コワっ!」

八幡「相模…」

相模「こっち見ないでよ、じゃあ」スタスタ

八幡「……」

八幡(俺は…俺は…)

164: 2016/04/06(水) 17:19:03.66 ID:c7hAM83K0
結衣「あれ、ヒッキーが来てる?」

三浦「あ~優美子、やめときなって」

結衣「え?ど、どうして…?」


三浦「いいから」

結衣「そんな…」

海老名「ヒキタニ君心配なのはわかるけど、今はやめた方がいいかな~」


八幡「…」

戸塚「八幡、おはよ」

八幡「ああ…おはよう」

戸塚「えっとさ…元気だった?体調とか大丈夫?」

八幡「大丈夫だ」

戸塚「大丈夫そうには見えないけど…」

八幡「一人にしてくれないか?」

戸塚「え…?うん、わかった。またね八幡」

169: 2016/04/06(水) 17:23:35.64 ID:c7hAM83K0
昼休み


八幡「…」フラフラ

八幡(違う…なにも変わらない…ここは違う、夢だ)


雪乃「あ…!」

八幡「雪ノ下…」


雪乃「ひ、久しぶりね、比企谷くん…」

八幡「…ああ…あの時以来だな」

雪乃「…」

八幡「あれから、曜日の感覚がなくなってるよ」


雪乃「そう…それは大変ね…本当に…」

八幡「そうやって同情してる振りか…?」

雪乃「え…?そんなことは…」

八幡「誰のせいでこんなことになったと思ってる…!?お前が…お前らが…あんなことしたから…!」

173: 2016/04/06(水) 17:32:12.71 ID:c7hAM83K0
雪乃「そ、それは…本当に申し訳なかったと思ってるわ…!…でも、私も無理やり…」

八幡「なに言ってる?スカートめくったのは自分でだろ?葉山と俺を天秤に掛けて、葉山を選んだだけだろ?」

雪乃「…あ、あれも無理やり…!」

八幡「その割には随分感じてたんじゃないのか?雪ノ下…お前、もう葉山のこと完全に受け入れてるな?」

雪乃「そ、それは…」


モブ「なんだなんだ?なんかヤバくないか?」

モブ「あれって比企谷とかいう…去年の文化祭でも問題になった」

モブ「雪ノ下さんに絡んでるの?やだ…」


八幡(周りが気にしてる…でも止まらない…)

八幡「嫌悪感持ってるのは嘘だったのか?嫌いじゃなかったのか?」

雪乃「う、嘘じゃないわ…本当よ…」

八幡「婚約の話で変わったか?身体のつながりでうやむやになってしまったのかっ!?」

雪乃「ひ、比企谷くん…うぐっ…」グスグス


八幡「なんとか言えよ…俺と葉山と3人で勉強してた時…お前は一人の俺を憐れんでたんだろ…?」


178: 2016/04/06(水) 17:39:36.93 ID:c7hAM83K0
葉山「比企谷…」

八幡「葉山…」

葉山「これ以上、彼女を罵るのは俺が許さないぞ」

八幡「葉山…どの口がそんなこと言うんだ…?お前が…俺を…貶めたくせに」

葉山「今の現状では意味がないことくらい、君にもわかるだろ?ほら」


八幡「…」キョロキョロ


モブ「うわ…こっち見た…コワい…」

モブ「葉山くん、やっちゃえ~ボコボコにしてやれ~」

モブ「あいつって、引きこもってた奴なんだろ?そんな奴と卒業一緒とか嫌だわ…」

八幡「……」

葉山「これが、君の現状だ。わかっただろ?」

八幡「…」

スタスタ


葉山「行ったか…殴りかかってくれても面白そうだったけど」

葉山「そうすれば、正当防衛で思い切りやれたのに」

葉山「大丈夫かい雪乃ちゃん?ほらハンカチ」

雪乃「…ありがとう…」

180: 2016/04/06(水) 17:45:45.03 ID:c7hAM83K0
八幡「俺はなにしてるんだ…こんなことして…雪ノ下にあんなこと…あいつも被害者なのに」

八幡「…地獄だな」


川崎「ねえ、あんたさ」

八幡「川崎か…」

川崎「名前覚えてるし」

八幡「なんだよ、なにか用か?」

川崎「別に何も用なんかないけど、ていうか今のあんたなんか興味ないし」

八幡「そうかよ…んじゃ消えるよ」

川崎「引きこもってさ…変わったよね、あんたって」

八幡「お前に俺のなにがわかるんだ?そもそも交流なんて皆無だろ」

川崎「それもそうだったね」


八幡「じゃあな」スタスタ

183: 2016/04/06(水) 17:51:20.97 ID:c7hAM83K0
放課後

スタスタ

進路指導室


平塚「じゃあ、一応大学進学ということでいいのかな?」

八幡「はい、一応ですけどね」

平塚「まあ、君の成績なら問題なさそうだが…比企谷、今の君は心の方か」

八幡「そうかもしれないですね」

平塚「私に話せないようなことなら、心療内科に行くというのもいいかもな」

八幡「俺、鬱なんすか?」

平塚「心の問題は鬱だけじゃないだろ?」

八幡「抵抗あるんですけど…」

平塚「そうだが、専門家に話すのもいいかもしれないぞ。もちろん私でも構わないが」

平塚「今時、心療内科に通ってる人なんて珍しくないしな」

八幡「そうかもしれませんけど…考えときます」

平塚「ああ」

八幡「じゃあ、これで失礼します」


ガラガラ

184: 2016/04/06(水) 17:55:23.90 ID:c7hAM83K0
スタスタ


八幡「はあ…重いな…」

戸部「あ、いたいた。ヒキタニ君~」

八幡「戸部…なんか用か?」

戸部「いや、お前なんかに用ないんだけどさ、おもしろいもの見せようと思って」

八幡「それが用事あるってことだろ?」

大岡「どうでもいいけど、ついて来いって。お前、妹いたよな?」

八幡「?いたけど…」


戸部「おもしろいからさ~」

大岡「こっちだ」

八幡「…なんだ?」

188: 2016/04/06(水) 18:01:50.15 ID:c7hAM83K0
?「んじゃ帰る?小町」

小町「うん、帰ろうか」

?「飯でも食べて行こうぜ~、もう受験とかしばらくないし~」

小町「いいけど…」

?「?都合悪いか?」

小町「ううん、なんでもないよ」

?「じゃあ、出発」


戸部「ほらほら、見てみ?あれ」

八幡「小町…嘘だろ?」

戸部「あれ、部活の後輩なんだけど、付き合ってるって言ってたし」

八幡「…そうかよ、だからなんだ?」

大岡「無理スンナよ、妹取られたとか思ってそうじゃん」

戸部「うわ…キモイ奴らしい発想!」


194: 2016/04/06(水) 18:07:53.09 ID:c7hAM83K0
八幡「………」

戸部「俺の妹は、俺の元を一生離れないんだ~、とかさ」


「あはははははははっ!」


八幡「…小町」

戸部「でも、やっぱ可愛いよね?同じ兄弟とは思えねぇ」

大岡「橋の下で拾われてきたんじゃね?お前さ」

戸部「うっわ、それ古いわ、時代を感じるわ~」


八幡「……」

戸部「なんとか言えよ、ヒキタニ君っ!」バン

八幡「…」

戸部「うわ…ヒキタニ菌がついた…消毒してもとれないよなこれ…!」

大岡「イカ臭いな」

戸部「ちょっと下ネタじゃん~、やってそうだけどさ毎日」

「あはははははっ」

200: 2016/04/06(水) 18:15:13.46 ID:c7hAM83K0
大岡「そもそもヒキタニ菌がついたって…20年前のネタじゃねぇの?」

戸部「そうかね~でも、そういうので虐められてる奴いるでしょ絶対」

大岡「かもな」


八幡「…これだけか?俺、もう帰るぞ」

戸部「あ、そうそうヒキタニ君さ。あのサッカー部部員だけど…」

八幡「なんだよ?」

戸部「イケメンだけど、結構手癖悪いらしいんだよね?だからさ…」

八幡「…」

戸部「もしかしたら、妹犯されてるかもよ?」

大岡「あの小柄な体格から、どんな声出すのかって考えると興奮するなっ」

戸部「うわ、変態だし…それ」

大岡「いや、そっちだっていけるクチじゃね?」

戸部「かもね~」


「あははははははっ」

204: 2016/04/06(水) 18:21:12.34 ID:c7hAM83K0
八幡「俺は…」

大岡「ん?なんだよ?」

八幡「正直暗いし…努力も怠ってきたし…」

八幡「俺を悪く言うのはいいが…」


戸部「えっ?なんだって?」

八幡「妹を悪くいうのだけは許さん…」

戸部「……おいおい」

八幡「あいつは…俺なんかを支える為に…努力してんだよ…」

戸部「……あっそ、で?なにかそれから派生すんの?」


八幡「帰る」スタスタ


戸部「なんだよ、結局帰るんじゃん~」

大岡「あはははっ、面白いな、明日も来いよっ」

207: 2016/04/06(水) 18:26:42.24 ID:c7hAM83K0
その夜 家

小町「お兄ちゃん?今日はどうだった?」

八幡「ああ、今日ね」

小町「ごめんね?朝から一緒じゃなくて」

八幡「気にすんなよ…俺の面倒まで見なくていいぞ」

小町「そういうわけにはいかないよ」

八幡「本当によくできた妹だ、お前は」

小町「えへへ、どういたしまして」

八幡「俺は…こんな引きこもりになったが…お前には恥じない男にはなるぞ」

小町「…お兄ちゃん?」


八幡「お前は俺が守るからな、小町」

210: 2016/04/06(水) 18:32:28.01 ID:c7hAM83K0
次の日


戸部「今日、来るかな~?」

大岡「来ないだろ?妹も奪われてましただと」

戸部「俺は来る方に1000円ね」

大岡「じゃあ、俺は来ない方に1000円」


三浦「なんの話してんの?」

戸部「いや、なんでもないって優美子」

三浦「…?」


三浦「ところでさ」

戸部「ん?なに?」

三浦「ヒキオの机だけど」

戸部「うん?」

三浦「なんかやたら落書きされてんだけど、あれ誰なん?」

戸部「さあ…俺に聞かれても困るし」

212: 2016/04/06(水) 18:37:33.28 ID:c7hAM83K0
三浦「あんた早く来てたでしょ?今日さ」

戸部「ま、そうだけど…誰かな…?」


三浦(いや、あんたしかいないでしょ…あんたが一番早かったんだから…)

結衣「やっはろ~、みんな~!」

三浦「あ、おはよう」

海老名「おはよ、結衣」

結衣「うん、おはよう~、ねえ」

三浦「ん?なに?」

結衣「ヒッキー、まだ来てないかな?」

三浦「まだみたいだけど」

結衣「そっか…」

215: 2016/04/06(水) 18:43:06.19 ID:c7hAM83K0
葉山「ふむ、彼は今日は来るのかな?」

戸部「来るんじゃね?来ないと楽しくないし」

葉山「ん?そうかい?俺はもう、彼のことはどうでもいいけどね」

葉山「雪乃ちゃんのことで忙しいし、あんまりやり過ぎるのもね」


戸部「じゃあ、俺が貰おうかな~、最近ストレス貯まっててさ」

大岡「ああ、勉強の発散しないと駄目だよな」

葉山「……彼も大変だな。いくら無努力の末路とはいえ…」


結衣「ヒッキー大丈夫だよね…」

三浦「あんたはもう関係ないんだし、今の彼氏に集中しな」

三浦「じゃないと捨てられるよ?うまくいってるんでしょ?」

結衣「うん、そうだね。ひどいことしないしっ」

三浦「大学進学まで清い交際しようってのが凄いと思うし」

216: 2016/04/06(水) 18:46:36.94 ID:c7hAM83K0
海老名「ええっ…それって男にとっては拷問なんじゃ」

三浦「しかも結衣みたいなバインバインが相手だしね」

結衣「ちょ、ちょっと…セクハラで訴えるよ?」

結衣「彼のこと悪く言わないで…」

三浦「彼だって、すっかりラブラブだし~うらやまし~」

結衣「も、もう…」


ガラガラ

八幡「…」


結衣「あっ……」


八幡「……」


戸部「やった、来たしっ!1000円~」

大岡「ちっ、ほら」

戸部「サンキュー」

222: 2016/04/06(水) 18:51:41.49 ID:c7hAM83K0
八幡「視線が痛い…ん?」


八幡「落書きかよ…また、古典的だな…」


八幡(なんか中学の頃を思い出す…いや、あの頃の方がマシか)

八幡(なんか、折本が天使に見えるぞ…)

八幡(はあ…小町を守るとは言ったはいいが…出だしからこれかよ…)

八幡(地獄の日々とは…こういうのから始まるんだよな…)


戸部「どうかね?なんか思ってそう?ヒキタニくん」

大岡「落ち込んでるっぽい雰囲気だけどな」


葉山「ふう、比企谷も大変だ本当に、俺が言えることでもないが」

八幡「自業自得とはいえ…ヒキタニの今後を思うと同情するね」



230: 2016/04/06(水) 18:57:38.40 ID:c7hAM83K0
生徒会室


いろは「先輩、手伝ってもらって大丈夫なんですか?病み上がりですよね?」

八幡「ま、問題ねぇよ。身体動かしてる方が忘れられる」

いろは「なにをですか?」

八幡「いろいろ」

いろは「はあ…」

八幡「そういえば、彼氏とはうまく行ってんの?」

いろは「あれ?気になります?」

八幡「まあな」

いろは「あれ、素直さんですね…うまくいってると思いますよ?」

八幡「そっか、よかったな」


いろは「どうしたんですか?先輩、元気ないですよね?」

八幡「色々あり過ぎてね、最近は本当に」

232: 2016/04/06(水) 19:03:07.78 ID:c7hAM83K0
いろは「それで、わたしのところに来たんですか?」

八幡「なんとなく、年下って理由だけで、お前のことが気になった」

いろは「はあ…」


八幡「妹がいるからだな」

いろは「先輩…口説いてます?」

八幡「あのな…まあ、彼氏と仲良くしてくれよ」

いろは「先輩に言われるまでもないですけど…わかりました」


ガラガラ


八幡「さて…机の落書きは…戸部だろうな、あと大岡か」

八幡「葉山を認めるつもりじゃ断じてないが…あいつはこんなみみっちいことはしない…」

八幡「なんせ睡眠薬使って、俺を縛って雪ノ下を抱く奴だからな…格が違う」

八幡「奉仕部はまだ使ってるのか…だったら…」

233: 2016/04/06(水) 19:08:11.00 ID:c7hAM83K0
八幡「机の落書きは…最悪筆跡鑑定でもできるしね」

八幡「奉仕部にカメラだな…わ~おっ、古典的」

八幡「ま、これが一番無難だろう」


八幡「よくよく考えたら、普通に警察駆け込めば終わると思うが…」

八幡「それは、学校的にも俺としてもリスクがでかいしな」

八幡「証拠固めからだな」


放課後

八幡「今日も葉山は奉仕部か…」

八幡(あとは、盛ってくれれば…いけるなっ)

八幡「さて、あとは……ん?」

戸部「お~い、ヒキタニくんっ!」

大岡「探したぜ」

八幡「なんだよ…今度は」

236: 2016/04/06(水) 19:12:02.26 ID:c7hAM83K0
戸部「た、大変だぜ…部室でさっ」

大岡「そそ、部室で…」


八幡「はあ、部室ってサッカー部か…?それがなんだよ?」

戸部「く、口では言えないようなことが…」

大岡「現在進行形で起こってまして…」

八幡「…サッカー部…まさか…」

戸部「妹さんがね…」


八幡「小町…!」


タタタタタ


戸部「あ、ヒキタニくんっ!」

大岡「うわ、予想以上の反応っ、あいつどんだけシスコンなんだよっ」

238: 2016/04/06(水) 19:19:58.30 ID:c7hAM83K0
サッカー部の部室


八幡「…小町っ!…」


戸部「ヒキタニくん、静かにね?あんまり騒ぎになるとまずいっしょ?」

八幡「くそっ…なんでこんなっ」

戸部「あ、でもあんま近づかないでね?ヒキタニ菌移りそうだし」

八幡「しね」

大岡「お前、あとでボコボコなっ、部活の後輩の血の気の多いの何人か連れてくるわ」

八幡「……」

戸部「おおっ、それはストレス発散になりそう」


小町「や、いやぁあぁぁ…こ、こんなの…!」

?「へへ、ここなら誰にも邪魔されないって」

小町「あぁぁ…ぁ…だめ…だめ…」

?「ガード固かったけど、付き合って結構経つしようやくって感じだ」

小町「や、やだ…こんな強引なんて…わ、別れる…!」


241: 2016/04/06(水) 19:26:36.32 ID:c7hAM83K0
小町「い、いやぁぁ…!お、おにいちゃん…!」

?「へへ、そういえば兄貴いたっけ?なんか暗い変なやつなんだろ?」

小町「ああぁぁぁ…」

?「そんな奴に頼ったって無駄だっての、そうらっ」


ドゴン ドゴン


?「うおっ!な、なんだ…!」

八幡「小町…小町…!」ドゴンドゴン

戸部「ちょ、ドア壊れるっての…!やめろよっ!」

大岡「おい…向こう連れていくぞっ!」


八幡「ちょ、おい…離せ…お前ら…!」

戸部「もう、無駄だって…綺麗な妹なんて幻想だから」

大岡「とにかく、お前はさっきの悪口の清算な?」

八幡「な、なんだと…氏ねよ…お前ら…クズが…!」


小町「え…お、お兄ちゃん…?」

?「なんかビックリしたな…速攻終わらせるか」

小町「え…?い、いやぁぁぁぁ!」

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243: 2016/04/06(水) 19:32:09.27 ID:c7hAM83K0
戸部「やっぱ人間サンドバックて楽しいな~」

大岡「俺初めてだわ、こんなことしたの」

戸部「俺だってそうだよ、いい子ちゃんだったし俺」

大岡「俺も似たようなもん」

戸部「やっぱり、ストレス発散はああいう悪の元凶みたいな奴にでしょ」


大岡「犯罪者には何してもいいみたいな心理だな」

戸部「まあ、危険だけどさ~」


後輩「えっと、じゃあ俺らこれで」

後輩「失礼します」

戸部「悪いな~なんか人殴るなんて嫌な思いさせて」

後輩「いえいえ、あいつなら喜んでさせてもらいますっ」

後輩「いろはすにも付きまとってるらしいですから」

戸部「そういえばそうだっけ~」

247: 2016/04/06(水) 19:35:35.67 ID:c7hAM83K0
八幡「…小町…」

八幡「……ここまで、殴るか…?」

八幡「痛すぎる……俺ってそんな悪者になってるのか?」


八幡「違う…それよりも…小町…小町…」


ズルズル


ジャーーーー


八幡「冷たい…くそ…」


部室


八幡「だ、誰もいねぇ…当たり前か…くそ…」

八幡「か、帰ってみるか…」


スタスタ


八幡「小町…!」

265: 2016/04/06(水) 19:58:55.80 ID:DW3jxr+eO


八幡「小町❗」

小町「あ…お兄ちゃん…」

八幡「平気…なのか?へ、平気か…?」

小町「…やっぱりお兄ちゃんいたんだ…あのとき…」

八幡「お、おう…それで…まさか…」


小町「あはは…お兄ちゃん、酷い顔してるよ?あはは…」

八幡「お前もだろ…?」


小町「大丈夫だよ、私は…彼氏だし、もう違うけど…」

267: 2016/04/06(水) 20:04:27.35 ID:DW3jxr+eO
八幡「お前…私って」


小町「いつまでも、子供じゃいられないよ、あはは」

八幡「…」

八幡(気丈に振る舞ってるのが…痛々しい)

八幡「小町…俺は…」

小町「復讐とか考えないでよ?お兄ちゃん、また傷ついちゃうし…」

八幡「……」

小町「…私は、大丈夫だから」

八幡(この日を境に、小町は一人称を変えた)

274: 2016/04/06(水) 20:12:11.09 ID:DW3jxr+eO
八幡(それからは地獄の日々の続きだ…)

八幡(俺は戸部の虐めに耐え抜くことで自我を確立していた)

八幡(サンドバックにされた恐怖から訴えるのはできずにいた…)

八幡(また、カメラは消えていた…なぜかはわからない)

八幡(小町は…一人称を変えた日から…進んでない)

そして…年が開けた

280: 2016/04/06(水) 20:18:45.57 ID:DW3jxr+eO
八幡「え?葉山が…停学?」

戸塚「うん、雪ノ下も…」

八幡「なんでだ?」


戸塚「わからないよ…でも平塚先生が言ってた」


八幡「…」

八幡(カメラ、行方不明になってたな…)

八幡(そこには葉山と雪ノ下の絡みが映ってるとなれば)


八幡(俺が見ないように配慮…いや考え過ぎか)

戸塚「三浦さんのグループも大騒ぎだよ?」

八幡「だろうな、葉山が消えたんなら…」

八幡「…」

284: 2016/04/06(水) 20:24:46.75 ID:DW3jxr+eO
戸部「どういうわけ?隼人くんが?」

三浦「さあ、わかんないけど…」

結衣「無期限らしいよね」


三浦「あんたらもバチ当たるかもよ」

戸部「え」

大岡「えっ」

八幡「復讐の努力を開始するか」

八幡「少し噂も下火になったし、今が好機だ」

八幡(卒業まであと少し…地獄の日々は解消するか?)

八幡「俺の努力次第なんだよな?葉山」


おわり

285: 2016/04/06(水) 20:25:58.95 ID:DW3jxr+eO
ありがとうございました❗

291: 2016/04/06(水) 20:27:58.18 ID:xIDHaYIA0
ここからだろ

引用元: 八幡「地獄のような日々だ」