1: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/07/23(木) 19:28:31.73 ID:w1ocpKNk0
あらすじ
女優はカーテンコールに答えるものよ、誰も隣にいなかったとしても。


IMCG第9話

前話
木場真奈美「IMCG・ワタシハヘイキ」


2: 2015/07/23(木) 19:29:35.03 ID:w1ocpKNk0


某劇場

古澤頼子「リーフレットをいただけますか」

古澤頼子
IMCGのオペレーター。今日は演劇鑑賞のため外出。

頼子「ドリンクは、はい、ミネラルウォーターを一つ」

頼子「手荷物検査を……これは無線です。すみません、音はしませんので持ち込みをお願いします」

頼子「ありがとうございます」

頼子「主演の女性知りませんね。芸名なのでしょうか」

序 了

3: 2015/07/23(木) 19:33:34.59 ID:w1ocpKNk0
OPテーマ

METAL DIVER

歌 多田李衣菜・ライラ・涼宮星花・冴島清美



IMCG・女子寮

槙原志保「晶葉ちゃんのお部屋、お掃除終わり、っと!」

槙原志保
女子寮の寮母さん。いつも甘い香りがする。

志保「お仕事の机も綺麗にしてないでしょうね。今度掃除に行きましょうか♪」

西島櫂「ただいま」

西島櫂
シュリンク6、ドルフィンのパイロット。最近髪が傷まなくなった。

志保「櫂さん、お帰りなさーい!」

櫂「あ、志保さん。お掃除中?」

志保「はい♪櫂さんのお部屋もお掃除しましょうか?」

櫂「ありがと。でも、大丈夫」

志保「お疲れみたいですね。私も休憩にします。お茶でもいかがです?」

櫂「うん……」

志保「櫂さん?」

櫂「ごめん、ちょっと、眩暈……」

志保「櫂さん、櫂さーん!?」

4: 2015/07/23(木) 19:35:37.34 ID:w1ocpKNk0


IMCG女子寮・櫂の自室

志保「熱はないみたいですねー。お水をどうぞ」

櫂「うん、ありがと。それにしても……」

志保「なんですか?」

櫂「やっぱり力持ちだよね、志保さん。あたし、お姫様抱っことか初めてされた」

志保「もー、心配して損しました!」

池袋晶葉「櫂、無事か?」

池袋晶葉
IMCGの技術主任。ドルフィンの改修と新システム導入のため奮闘中。

志保「晶葉ちゃん、無事ですよ」

晶葉「案の定、疲労がたまるんだな。櫂、頭痛はするか?」

櫂「ちょっとだけ」

晶葉「ちょっとじゃないだろう。無理はするな、いいな?」

櫂「うん」

晶葉「はぁ……志保、お願いしていいか?櫂に異常があったら教えてくれ」

志保「はい。無理はダメですよ?」

櫂「あたし、信頼されてないなぁ」

晶葉「頑張り屋なのは知ってる」

志保「だから、ですよ」

晶葉「そうやって、倒れた人間を見るのは、もう終わりにしたい」

櫂「……ん?」

晶葉「ゆっくり焦らずに行こうじゃないか。櫂の代わりなんていない」

志保「ゆっくり休んでくださいね。晶葉ちゃんも、無理しないでくださいね」

晶葉「もちろんだ!志保、夕ご飯が出来たらすぐに呼んでくれ!私は戻る」

志保「はい♪」

櫂「頑張ってね、晶葉ちゃん」

6: 2015/07/23(木) 19:41:22.23 ID:w1ocpKNk0


IMCG・警備室

伊集院惠「亜季ちゃん、さっきの電話はなんだったの?」

大和亜季「女子寮の志保殿からであります。櫂殿が軽い眩暈を覚えたそうであります」

伊集院惠
IMCGの警備室に努めている警察官。普段の仕事は職場の警備。

大和亜季
IMCGに出向中の警察官。最近、惠と打ち解けてきた。

惠「あら、大丈夫なの?」

亜季「はい。櫂殿はタフでありますから」

木場真奈美「警備室直通だったのか、あの固定電話」

木場真奈美
IMCGの職員。ウルフごと過去を振り切った。

亜季「志保殿は小さなことでも連絡をくれるであります」

惠「草むしりに駆り出されたりもしたわ」

真奈美「仲良くやってるじゃないか」

亜季「最近、ようやく溶け込んだ気がするであります」

惠「そうね、私も慣れたわ」

真奈美「苦労をかけると思う」

惠「誰が?」

真奈美「私達もIMCも、だ」

惠「ええ、わかってる」

7: 2015/07/23(木) 19:42:12.90 ID:w1ocpKNk0
真奈美「もう少しさ。やれることをやろうじゃないか」

惠「ええ」

亜季「質問であります」

真奈美「言ってみてくれ」

亜季「苦労をかける、意味はなんでありますか?」

真奈美「IMCは強化傾向だ。昔からそうだがな」

惠「ええ。ディアーが出撃するようなIMCの頻度は上がってるの」

亜季「ふむ……では、もう一つ」

惠「なに?」

亜季「終わりが見えてるような口ぶりでありますが……どうしてでありますか?」

真奈美「どうして、って」

惠「そう思った方がいいと思うだけよ」

亜季「そうでありますか……?」

真奈美「いずれにせよ、IMCの数は多くはない」

惠「何日も出現がないことはざら。増殖してるなら、もっと頻度が増えてもいいと思うの」

亜季「ふむ。確かに、そう考えることもできるでありますな」

ピッピ……

惠「あら、アラーム。誤報かしらね。亜季ちゃん、念のため見に行きましょう」

亜季「了解であります。木場殿、それでは」

真奈美「ああ。頑張ってくれ」

8: 2015/07/23(木) 19:44:10.13 ID:w1ocpKNk0


IMCG・事務室前

亜季「結局、誤報でありましたな」

惠「ドックの警報機は調子が悪いわね……仕方がないけど」

亜季「ひび割れていたであります。何をやっていることやら……」

梅木音葉「失礼します……」パタン

梅木音葉
シュリンク5、ディアーのパイロット。事務室から出てきた。

亜季「音葉殿、お疲れ様であります」

音葉「……こんにちは」

惠「事務室に用事?」

音葉「ええ……父からの電話を取り次いでいただきました」

亜季「父からの電話、でありますか。どうし……」

惠「亜季ちゃん」

音葉「あの……」

惠「なにかしら?」

音葉「櫂さん……大丈夫でしょうか」

惠「大丈夫よ。心配なら、見に行ったら?」

音葉「そうします……お疲れ様でした」

惠「お疲れ様」

亜季「……」

惠「……」

亜季「音葉殿、携帯電話は持ってるでありますな?」

惠「ええ……色々とあるのよ」

亜季「今度、話を聞いてみるでありますか」

惠「ああ見えて、話をするのは好きだと思うわ。話相手になってあげて」

亜季「同じ寮でありますし、機会を設けるであります。音葉殿はお酒は飲めるでありますか?」

惠「未成年よ」

9: 2015/07/23(木) 19:46:22.42 ID:w1ocpKNk0
亜季「えっ、そうなのでありますか?」

惠「大人っぽいものね」

亜季「いえ……IMCGに既に数年単位で所属しておりますので、てっきり」

惠「……私も詳しいことは知らないの」

亜季「ミステリアスでありますな、というより」

惠「というより?」

亜季「隠し事が多いでありますな、IMCGは」

惠「そうね……」

ガチャ

松山久美子「あら、こんな所で何を話してるの?」

松山久美子
事務室の美人なお姉さん。IMCGが接収される際に、数多くのゼットテクニカ社員が嘆き悲しんだ。

亜季「不思議な所だな、という話をしていたであります」

惠「そっちこそ、メモ帳なんて持ってどうしたの?」

久美子「そうだ。レナさんの所に行かないと」

亜季「司令官殿の所でありますか?」

久美子「取材の申し込みなのよね。行ってくるわ」

惠「行ってらっしゃい」

亜季「取材も落ち着いたと思ったでありますが」

惠「IMCについてはかなり情報を公開したのにね」

亜季「シュリンクについても前から情報公開はしてるであります」

惠「この時期に、何かしらね」

亜季「わからないでありますな」

惠「私達も態度を気をつけないとね。せめて、市民は不安に思わせたくない」

亜季「……そうでありますな」

惠「そろそろ定時ね。技官さん達が帰る時間だし、警備室に戻りましょ」

10: 2015/07/23(木) 19:48:19.73 ID:w1ocpKNk0


IMCG女子寮・櫂の自室

コンコン

櫂「はーい」

志保「櫂さーん、調子はどうですか?」

櫂「大丈夫。どうしたの、ご飯?」

志保「お腹空いてます?まだですよ」

櫂「じゃあ、なに?」

志保「お客さんです。正門にいるそうですよー」

櫂「誰?」

志保「仙崎さんです。お知り合いですか?」

櫂「知ってる。でも、急だな、いや、あの人ならしかねないかも」

志保「呼びますか?」

櫂「いや、今日はやめとく。連絡してから来て、って伝えてくれる?」

志保「はーい。そうだ、櫂さん」

櫂「なに?」

志保「すぐにご飯の準備をしますから、待っててくださいね♪」

11: 2015/07/23(木) 19:49:34.08 ID:w1ocpKNk0


IMCG・オペレーションルーム

兵藤レナ「清良ちゃん、どう思う?」

兵藤レナ
IMCGの責任者。ショーは集中を逸らしてくれる味方とのこと。

柳清良「断る理由はないかと」

柳清良
レナ付きの職員。ドキュメンタリーを見るのが趣味。

レナ「まー、そうなんだけどね」

浜川愛結奈「名前、なんて言ったかしら?」

浜川愛結奈
IMCGのオペレーター。発声はハッキリとお腹から。

清良「柊志乃さんね」

レナ「前に報道関係者を集めた時にいた、記者の上司らしいわ」

井村雪菜「でもぉ、どうして、今頃なんですかぁ?」

井村雪菜
IMCGのオペレーター。真奈美に誘われ、IMCGで働くようになった。

清良「さぁ?」

レナ「理由はわからないわね。何か掴んだのかしら?」

愛結奈「ふーん」

雪菜「何を見てるんですかぁ?」

愛結奈「記事一覧を見たんだけど」

レナ「あら、どんな記者なの?」

雪菜「あらぁ、これは」

愛結奈「この人はグルメライターなの?」

清良「見事にお酒の話ばっかりね……」

レナ「そんな人が何か、私に言いたいことがあるのかしら?」

愛結奈「レナもお酒には一家言あるものね」

12: 2015/07/23(木) 19:50:14.79 ID:w1ocpKNk0
レナ「それは冗談として」

雪菜「取材、受けるんですかぁ?」

レナ「物は試しよ。清良ちゃん」

清良「はい」

レナ「予定組んでくれない?少し先でもいいわ」

清良「わかりました」

レナ「二人もよろしくね」

愛結奈「ええ」

レナ「ところで……頼子ちゃんは?」

雪菜「今日はお出かけですよぉ」

愛結奈「演劇を見に行くとかなんとか」

雪菜「ミュージカルとか言ってましたぁ」

レナ「そういえば、許可したわ」

清良「司令……」

レナ「そんな責める目で見ないで。皆も休みたい時は休みなさい。絶対に休めない時があるんだから」

愛結奈「わかってるわ」

13: 2015/07/23(木) 19:52:22.30 ID:w1ocpKNk0


IMCG女子寮・食堂

高峯のあ「いただきます……」

高峯のあ
IMCGの技術職員。特殊な食生活はしていない。

櫂「ねぇ、のあさん」

のあ「仕事の話はしないわ……休みなさい」

志保「そうですよー」

のあ「大丈夫よ……変わりはないわ」

櫂「わかった。でも、もう頭痛もしてないからさ」

のあ「ええ……念のためよ」

志保「晶葉ちゃんはどうしました?」

のあ「すぐに来るでしょう……」

晶葉「ただいま!」

のあ「ほら……ね」

櫂「やる気だね、晶葉ちゃん」

晶葉「もちろん。シュリンクに対して私は全力だ。今は特に」

志保「ご飯をどうぞ。ゆっくり噛んで食べてくださいね♪」

晶葉「ああ!脳を活性化しないとな、いただきます!」

櫂「ごめんね、あたしのせいで進まなくて」

のあ「気にしなくていいわ……」

晶葉「応急処置は出来てるんだ」

櫂「出撃は出来るんだよね」

晶葉「ああ、だが、私は前と同じではダメだと思ってる」

14: 2015/07/23(木) 19:53:07.63 ID:w1ocpKNk0
のあ「それは……共通認識」

志保「どうしてですか?」

晶葉「IMCはこれからもっと強くなるぞ」

のあ「そうじゃないわ……単純にパイロットに着いて行けてないのよ」

櫂「そう?」

晶葉「わかってないか」

のあ「シュリンクの海上訓練とか可能かしら……」

櫂「海?」

晶葉「レナに掛け合ってみよう。泳いでみれば、櫂もわかるさ」

のあ「システムのテストにも……良いわ」

櫂「シュリンクで泳ぐの?」

志保「海水浴、良いですね!お弁当作ります♪」

晶葉「まずはこちらの準備だ」

のあ「ええ……ごちそうさま。晶葉、先に行ってるわ」

晶葉「ああ、すぐに追いつく」

15: 2015/07/23(木) 19:54:37.18 ID:w1ocpKNk0


IMCG・警備室

亜季「惠殿」

惠「どうしたの?」

亜季「時間でありますよ」

惠「あら、もうそんな時間?」

亜季「ええ。待機任務も解除であります」

惠「大人しく帰るわね。後はよろしくね、亜季ちゃん」

亜季「了解であります」

惠「お疲れ様」

亜季「お疲れ様であります!」

亜季「……一人になったでありますな」

亜季「電話でもするでありますか」プルルルル……

亜季「八神殿、大和であります」

亜季「いつもの時間にかけなおすであります。それでは」

亜季「SP志望の、優秀な警官がどうしてこんな所にいるんでありますか」

亜季「なーんて、聞けるわけないであります」

ビービー!

亜季「残念、帰れないようでありますな」

惠「亜季ちゃん!」

亜季「わかっております!行くでありますよ!」

ピンポンパンポーン……

愛結奈『全員集合!IMC出現場所に残された人物多数、急ぎなさい!』

惠「オペレーションルームまで走ってくるわ。車の準備をお願い」

亜季「了解であります!その他機材も準備するであります!」

惠「任せたわ!」

亜季「……電話は後でありますな」

16: 2015/07/23(木) 19:55:53.21 ID:w1ocpKNk0


IMCG・ドック

一ノ瀬志希「はいは~い!ドルフィン立ち上げるよ~」

一ノ瀬志希
IMCGの技術職員。突然謎のシステムを作り、技官達を困惑させる。

櫂「到着!」

晶葉「デッキを出せ!」

のあ「頼むわ……櫂」

櫂「IMCの情報は!?」

志希「収集中~。大型だから、ディアーが出れるかも」

櫂「ホント?」

晶葉「テレビ映像だが」

篠原礼『IMCが出現いたしました。現場付近の方は落ち着いて避難してください』

篠原礼
ローカルテレビ局のアナウンサー。前任者が転職したため、役職を引き継いだ。

櫂「なんだろ、派手だね……孔雀?」

のあ「外見に意味があるとは思えない……大切なものは」

櫂「その形を作る、感情」

晶葉「行くぞ、櫂!負けないことを証明してくれ!」

17: 2015/07/23(木) 20:05:06.40 ID:w1ocpKNk0
10

IMCG・オペレーションルーム

レナ「頼子ちゃんと連絡は」

愛結奈「まだ、取れないわ」

レナ「仕方がないわね、真奈美さん」

真奈美「了解。今日はオペレーター代理だ」

雪菜「IMC浮上を開始しましたぁ」

愛結奈「大型で、浮遊型、あんまり良い予感はしないわね」

真奈美「ドルフィン、パイロット搭乗準備は終わりだ」

レナ「櫂ちゃん、搭乗を」

櫂『はいっ!』

清良「司令、外出届を見つけてきました」

レナ「頼子ちゃんの外出先は……やっぱりね」

雪菜「IMC、劇場上空で静止しましたぁ」

レナ「頼子ちゃん、IMCが出現した劇場にいるわね」

愛結奈「運が悪いわね」

真奈美「いや、こちらとしては幸運だ」

雪菜「頼子さん、応答してください」

レナ「惠ちゃん、警戒区域はいつもより広げて」

惠『了解です。避難を急ぎますが』

亜季『劇場内はどうするでありますか?』

レナ「頼子ちゃんと連絡がつけばいいけど……」

愛結奈「通信はしてるわね。後は出てくれれば」

18: 2015/07/23(木) 20:05:44.66 ID:w1ocpKNk0
真奈美「無事だといいが」

頼子『古澤です。聞こえてますか』

雪菜「頼子ちゃん!無事ですかぁ!?」

頼子『周囲の安全を確認しました。劇場内はひとまずは落ち着いています』

レナ「頼もしい。それで、コアは誰かわかる?」

頼子『休演中に楽屋側からIMCが出現しました。これから調べます』

真奈美「大丈夫か?」

愛結奈「危険じゃない?」

頼子『わかっています。出来る限りで』

レナ「無理はしないこと。IMCには近づきすぎないで」

頼子『了解しました。今から楽屋へと向かいます』

雪菜「IMC、羽根を展開してます!」

愛結奈「地上へと羽根を降ろしてる、のかしら」

真奈美「羽根が地上まで到達、建物と地面に突き刺さったな」

雪菜「これは、ドームみたいですねぇ……」

清良「劇場から出てきて、劇場を作るIMCね」

レナ「頼子ちゃん」

頼子『逃げられない、ということですか』

レナ「そういうこと。劇場の警備員と連携を取って。取り残された人が動かないように」

頼子『わかりました』

愛結奈「劇場側に攻撃は?」

頼子『ありません。怪我人は出現時のものだけです』

真奈美「警戒レベルが上がった。ディアー出撃許可も時間の問題だな」

雪菜「IMCは依然、形状を変化させていますぅ」

レナ「シュリンク両機出撃準備」

19: 2015/07/23(木) 20:11:03.83 ID:w1ocpKNk0
11

某劇場・通路

頼子「警察です。安心してください」

真奈美『頼子君、状況は?』

頼子「関係者の無事を確認しています。リストを頂きました」

真奈美『コアの特定はできるか?』

頼子「もう少しだけ待ってください。こちら、ですか?」

愛結奈『どうしたの?』

頼子「楽屋の扉を開けます。せーの。もう一回やってください」

真奈美『うまく行ったか?』

頼子「安普請でした。これは、映像を送ります」

雪菜『頼子ちゃんから動画が送られてきましたぁ。画面に映します』

頼子「ここからIMCが展開したようですね。コアは見られません」

愛結奈『柱、みたいね』

頼子「コアは、上でしょうか」

真奈美『楽屋と言ったな』

頼子「はい。コアの人物を特定」

雪菜『誰ですかぁ?』

頼子「芸名はヘレン。今日の主役です」

愛結奈『頼子ちゃん、知ってる?』

頼子「今日初めて見ました。堂々としたお芝居でしたよ」

雪菜『こちらで調べますねぇ』

頼子「色々な意味で主役になってしまいました」

真奈美『関係者に聞き取りを進めてくれ』

頼子「オペレーター代行をお願いします」

真奈美『任せてくれ』

頼子「ふふっ、楽しみになってきました」

20: 2015/07/23(木) 20:14:57.42 ID:w1ocpKNk0
12

IMCG・オペレーションルーム

清良「……」

レナ「不穏なこと言ったわね、頼子ちゃん」

愛結奈「職場変える?」

雪菜「困りますぅ」

レナ「変えないわよ」

真奈美「ドルフィン、注水完了だ」

愛結奈「接続開始」

レナ「新システムは?」

櫂『まだ……ふー……』

雪菜「接続完了、数値安定!」

真奈美「ドルフィンの数値は安定」

雪菜「エレベーター稼働ですぅ」

愛結奈「ハッチオープン」

レナ「オーケー、ドルフィン出撃!」

櫂『ドルフィン、行きますっ!』

21: 2015/07/23(木) 20:16:40.86 ID:w1ocpKNk0
13

某劇場周辺

櫂「うわっ、派手だなー」

雪菜『出撃前よりも大きく広くなってますねぇ』

櫂「避難は?」

惠『IMCのカーテンより外側は大丈夫よ』

亜季『ただ、内側は……』

櫂「了解。内側の様子はどうなの?」

頼子『IMCに攻撃されているようなことはありませんが、そうですね……』

愛結奈『なんなの?』

頼子『内側は音がこもります。光の加減も不気味です』

櫂「ふーん。本当に、劇場みたいな?」

頼子『そうですね。そうと見る余裕があれば』

真奈美『頼子君に余裕がありそうだ。安心したよ』

櫂「接続できる?」

雪菜『厳しいですねぇ』

愛結奈『コアは上ね』

櫂「ふーむ。この、カーテンを登るしかないか」

真奈美『登れそうか?』

櫂「少し、やってみる。せーのっ!」

愛結奈『ドルフィン、助走をつけてカーテンを登り始めたわ』

櫂「あっ、やっぱダメ」

真奈美『助走をつけても普通に上り坂とはいかないな』

雪菜『ドルフィン、無事に着地しましたぁ』

22: 2015/07/23(木) 20:17:28.90 ID:w1ocpKNk0
櫂「突起とかないかな、ビルに登ってもまだ足らないし……」

頼子『天井部分が動いています、何か来ますよ』

櫂「カーテンから何か落ちてきた!」

愛結奈『スピード上昇!受け止めるのは危険だわ!』

櫂「了解!」

真奈美『ドルフィン、射出された物体を回避!』

雪菜『なんでしょう、あれ?』

櫂「なんか、テープみたいな、うおっとと!」

愛結奈『戻って行ったわ』

レナ『ふむ……頼子ちゃん、内側に何かあった?』

頼子『音がしています』

レナ『内側に危害は』

頼子『ありません』

レナ『なら、良いわね。櫂ちゃん』

櫂「はい」

レナ『攻撃して、反撃されなさい』

23: 2015/07/23(木) 20:18:45.84 ID:w1ocpKNk0
14

IMCG・オペレーションルーム

櫂『今度はこっち!?』

雪菜「鳥ですかねぇ」

真奈美「ふーむ。のあ」

のあ「わかるでしょう……」

真奈美「確かにな、私ではこの動きは出来ん」

雪菜「IMCの上部が開きました!」

愛結奈「ドルフィンのセンサーがキャッチ!来るわよ!」

晶葉「櫂、かがめ!」

櫂『うわっ!』

レナ「衝撃波?」

愛結奈「周波数的には音波みたいね」

惠『耳鳴りが……周辺の建物のガラスが割れています』

レナ「真奈美さん」

真奈美「警戒レベル上昇、つまり」

愛結奈「シュリンク5、ディアーの出撃に許可が出たわ」

レナ「音葉ちゃん」

音葉『ええ……』

愛結奈「ディアー既に接続完了」

雪菜「ハッチオープン、ロック解除しましたぁ」

志希「兵装フルオープン、センサー全部オン~」

音葉『ディアー……出れます』

レナ「ディアー出撃!」

24: 2015/07/23(木) 20:19:46.24 ID:w1ocpKNk0
15

IMCG・オペレーションルーム

礼『シュリンク5号機の出現が確認されました。IMCGの発表によりますと、劇場での氏者は確認されていません』

レナ「頼子ちゃんがいてくれて助かったわ。この情報がないと、好きにすら出来ない」

雪菜「さっきから音は出てますけどぉ」

愛結奈「攻撃と言えるようなものはないわね」

音葉『ディアー……到着しました』

雪菜「接続できますぅ」

櫂『音葉ちゃん、ディアーにドルフィン乗せられる?』

晶葉「その機能はあるが、リスクはある」

レナ「ええ。櫂ちゃんは周辺の警戒を」

櫂『うん』

レナ「音葉ちゃん、いいわね?」

雪菜「資料をお送りしますねぇ、お願いしますっ!」

音葉『ええ……』

レナ「ディアー、フェイズ1移行!」

25: 2015/07/23(木) 20:20:49.51 ID:w1ocpKNk0
16

カーテンの閉じた舞台上

音葉「……」

ヘレン「ここあなたが立っていい場所ではなくてよ」

ヘレン
頼子が見に行った演劇の主役女優。自信にあふれた態度で舞台に立っていたという。

音葉「久しぶりです……」

ヘレン「あなたに会ったことはないわ」

音葉「舞台……ですよ」

ワアアア……

音葉「カーテンコールに……答えないのですか」

ヘレン「これが本当の舞台なら、私は応えるわ」

音葉「……」

ヘレン「上を向いて、気丈に。当然でしょう?」

音葉「本当でないこと……わかっているんですね」

ヘレン「バカにしないでちょうだい。私はヘレンよ、本物くらいわかってるわ」

音葉「なら……この場所がどこかわかっていますか」

ヘレン「ええ、良いコンセプトじゃない」

音葉「……良いコンセプト」

ヘレン「私の思いに乗って、あれは広がるのでしょう」

音葉「最高の表現方法……だと」

ヘレン「そういうこと。私を表現するのに、平凡なレベルの装置は役に立たないでしょう」

音葉「そういう考えも……あるのですか」

ヘレン「さぁ、見なさい!私は、ここにいるわ!」

26: 2015/07/23(木) 20:22:56.68 ID:w1ocpKNk0
17

某劇場周辺

櫂「なんか、凄いのはわかるけど」

愛結奈『頼子あたりが見てくれればわかるのよね』

雪菜『外からの写真を送ってみますねぇ』

頼子『ありがとうございます。見ました』

櫂「感想は?」

頼子『纏まりはありませんが、パワーは感じますね』

櫂「そういうものなの?」

頼子『感じたままで良いんですよ』

櫂「なんか、凄く大きくて派手くらいしか感じないなー」

頼子『もっと見れば、ハイコンテキストな部分が加われば、違うものに見えるかもしれません』

雪菜『フェイズ1進行してませんね』

愛結奈『戸惑ってるのかしら』

櫂「ねぇ、頼子ちゃん」

頼子『なんでしょう』

櫂「これは、作品って言える?」

頼子『なるほど、そういう見方もありますね。IMCが内面を表現していると』

愛結奈『なるほど。それじゃ、これが示す感情は?』

櫂「表現に対する、何か」

頼子『ふむ……』

櫂「感情があるならもっと直接的な形状になってると思う」

雪菜『そうじゃなくて、作品のように見えるのは』

櫂「その行為に対するものだと思うんだ」

27: 2015/07/23(木) 20:23:57.37 ID:w1ocpKNk0
18

カーテンの閉じた舞台上

音葉「……」

ヘレン「あなたには高尚だったかしら?」

音葉「私には……わかりません」

ヘレン「そうね。私のレベルについてこれる人間は少ないわ」

音葉「……」

ヘレン「私は孤高。誰もついてこなくても、この未踏の地を歩いて行くわ」

音葉「……」

ヘレン「それで良いわ」

音葉「……わかりました」

ヘレン「よろしい。ここから……」

音葉「未踏の地を歩いてみせます……ここは劇場ですから」

ヘレン「カーテンを開けた、のね」

音葉「閉めていては……見せられません」

ヘレン「そう、貴方も世界レベルなのね」

音葉「きっと……そうだったのかもしれませんね」

ヘレン「全てを見せて。私についてきなさい!」

28: 2015/07/23(木) 20:25:00.88 ID:w1ocpKNk0
19

IMCG・オペレーションルーム

レナ「IMCが動いてるわね」

真奈美「ふーむ、音葉君は何をしてるんだ?」

晶葉「志希、何か音を拾ってないか?」

志希「ディアーのセンサー見れるー?」

愛結奈「ええ。さっきから拾ってるわね」

のあ「……音楽かしら」

雪菜「何とも言えませんけど、旋律はあるみたいですねぇ」

愛結奈「人の耳だと少し聞くのは厳しいかしら」

櫂『その音って、どこから?』

雪菜「えーっと……」

志希「IMCからだねー。ディアーからはいつも通り音葉ちゃんが歌ってるのが聞こえるよー」

櫂『IMCが歌ってるんだ。それも表現?』

レナ「かもしれないわね」

愛結奈「IMCが変形。どんどんエキセントリックな形になっていくわね」

頼子『凄い前衛的ですね。面白いです』

真奈美「……面白いのはいいが」

櫂『フェイズ1進行してる?』

雪菜「数値上は、進んでますね」

頼子『作品は完成したら、離れていくものですから』

櫂『じゃあ、完成に近づいてるの、これ?』

真奈美「どうなんだろうな」

愛結奈「音葉ちゃんは中で何をしてるのかしらね」

志希「中でも歌ってるとか~」

晶葉「脳波を見る限り、あながち嘘じゃなさそうだ」

櫂『音葉ちゃんは信じるとして、フェイズ2どうしようかな』

レナ「大きさからして、ディアー中心のミッションよ。成功してから考えましょう」

29: 2015/07/23(木) 20:29:39.41 ID:w1ocpKNk0
20

カーテンの開いた舞台上

音葉「……」

ヘレン「見せてもらったわ」

音葉「私も……です」

ヘレン「やるわね。名前を聞いていいかしら?」

音葉「梅木音葉と……申します」

ヘレン「ミスタアンドミスウメキの娘だったのね」

音葉「……ええ」

ヘレン「ヘレンよ。知ってるわね」

音葉「はい……今日初めて」

ヘレン「遅れてるわ。今日知れたことを幸運に思いなさい」

音葉「いいえ……そうは思いません」

ヘレン「後悔するわ」

音葉「しません……凡百な才能のことなど覚えてはいられませんから」

ヘレン「言うわね」

音葉「IMCに頼った……哀れな才能など」

ヘレン「……」

音葉「悔しいですか……?」

ヘレン「いいえ。わかったわ」

30: 2015/07/23(木) 20:30:32.06 ID:w1ocpKNk0
パーン!

音葉「劇場が……壊れましたね」

ヘレン「梅木音葉、見せてもらったわ。あの虹を越えていきなさい!」

音葉「……どういう意味でしょうか」

ヘレン「止まっている相手を追い越しても意味がないでしょう?私はそこも越えていく!」

音葉「……そうですね」

ヘレン「だから、ここから出しなさい!私の舞台が待ってるわ!」

音葉「……」

ヘレン「どうしたのかしら、梅木音葉」

音葉「ちょっと呆気にとられただけです……行きましょう」

31: 2015/07/23(木) 20:32:49.49 ID:w1ocpKNk0
21

IMCG・オペレーションルーム

真奈美「コアとIMCの分離を確認したぞ!」

愛結奈「フェイズ1、成功!」

雪菜「接続解除ですぅ!音葉さんっ!」

音葉『戻りました……』

雪菜「どうやって、説得したんですかぁ?」

音葉『私は何もしてません……彼女が思い出しただけです』

レナ「コアの摘出を急ぎましょう」

愛結奈「コアは浮遊体の上面付近ね。色々とゴテゴテとした装飾が載っちゃってるけど」

櫂『パキン……?』

音葉『聞こえました……』

頼子『カーテンが折れました。IMCが落ちてきます』

真奈美「映像は!?」

愛結奈「櫂ちゃん、視線向けて!」

櫂『わっ、壊れてきてるよっ!』

頼子『膨らみ過ぎましたか。コアと分離して、自重を支えられなくなったようです』

レナ「頼子ちゃん、建物の内部に避難!誰も外に出さないで!」

頼子『落ちたら大きな被害が出ますよ』

32: 2015/07/23(木) 20:34:36.14 ID:w1ocpKNk0
レナ「落とすわけないでしょう!櫂ちゃん、音葉ちゃん!」

櫂『もちろんっ!』

音葉『ええ……ディアー発進』

頼子『ふふっ。お任せしますね。私は中へ』

レナ「音葉ちゃん、ディアーで支えられる!?」

志希「出来るかな~」

音葉「出来ます……アントラーとフォーンビットの利用許可を」

レナ「許可」

櫂『あたしは!?』

レナ「コアの摘出を急いで!」

櫂『了解っ!』

愛結奈「音葉ちゃん、カーテンの一部を破壊していいわ!」

櫂『それって、早く落ちてくるってこと?』

真奈美「そういうことになるな」

愛結奈「黙って見てるわけにもいかないでしょう」

頼子『櫂さん、劇場ですが、玄関付近は厚いコンクリート製です』

櫂『そこで支えろって!?』

レナ「ご名答」

33: 2015/07/23(木) 20:36:02.55 ID:w1ocpKNk0
晶葉「ディアー、アントラーセット。加速開始だ!」

音葉『行きます……』

櫂『あー、もうっ!』

真奈美「ドルフィン、IMCのカーテンの隙間を抜けて内部へ入った」

雪菜「ディアー、カーテンの一部を壊しましたぁ!」

愛結奈「落下速度上昇!」

櫂『到着!』

レナ「落下までどのくらいかしら?」

音葉『到着しました……支えます』

雪菜「落下スピード低下!」

愛結奈「でも、止まってない!」

志希「兵装てんかーい」

音葉『アントラー……射出準備』

櫂『せーのっ!』

真奈美「ドルフィンが支えた!止まったか!?」

晶葉「ディアーの出力あげられるかっ!?」

愛結奈「出力上昇!」

音葉『……まだですね』

志希「急げ~」

晶葉「アントラー、セットだ!」

音葉『行きます……アントラー発射』

愛結奈「発射!」

34: 2015/07/23(木) 20:36:56.42 ID:w1ocpKNk0
雪菜「アントラー、地面に刺さりましたっ!」

愛結奈「チェーン安定したわ」

晶葉「支えられてるな」

志希「出力も安定~。ばっちし」

真奈美「姿勢が安定したぞ、櫂君!」

櫂『行きますっ!音葉ちゃん、踏むよ!』

音葉『どうぞ……』

愛結奈「フォーンビット稼働」

櫂『おりゃああああ!』

雪菜「ドルフィン、IMCの端をつかみましたっ!」

櫂『よいしょっと!』

真奈美「お見事」

愛結奈「ドルフィン、IMC上部に搭乗!」

音葉『さぁ行きなさい……小鹿達……』

雪菜「フォーンビット展開しましたぁ!」

櫂『コアは、あそこか!目立つ!』

音葉「つなぎましょう……終わらせましょう」

真奈美「ドルフィン、コアに接近!」

レナ「さぁ、思いっきりやっちゃいなさい!」

雪菜「ドルフィン、IMCの装飾を破壊しながら突進してますっ!」

愛結奈「電磁ネット展開!」

35: 2015/07/23(木) 20:38:15.49 ID:w1ocpKNk0
音葉『ラ、ラ、ラ……』

志希「主砲動かすよ~。エネルギー充填」

愛結奈「エネルギー充填開始!」

音葉『ラ、ラララ……』

櫂『いち!にの、さん!』

真奈美「コア露出!」

愛結奈「エネルギー充填50%」

櫂『よしっ、ってコア回りも派手だなぁ』

雪菜「コア摘出完了しましたぁ!」

レナ「フェイズ1完全完了!フェイズ2移行!」

櫂『脱出しますっ!』

真奈美「電磁ネットに落ちた方がいいのか?」

愛結奈「オススメはしないわ」

晶葉「一部ネットを開くか?音葉、頼む」

音葉『はい……どうぞ』

雪菜「少し狭いですねぇ。櫂さん、大丈夫ですか?」

櫂『飛び込みは得意な方だから、大丈夫!いっくよー!』

真奈美「ドルフィン、着地成功!」

櫂『離脱しますっ!』

36: 2015/07/23(木) 20:40:20.33 ID:w1ocpKNk0
愛結奈「電磁ネット再展開!」

雪菜「エネルギー充填完了ですぅ!」

志希「発射おーらい」

音葉『ラ、ラ、ラ……』

愛結奈「電磁ネットによる地上への飛散防止対策終わり!」

真奈美「磁場誘導路、というものがスタンバイ出来た」

雪菜「ディアー、発射体勢完成ですぅ!」

音葉『許可を……』

レナ「許可、一撃で仕留めなさい」

音葉『カウントダウン……開始』

雪菜「5、4、3、2、1!」

愛結奈「電磁砲ファイア!」

37: 2015/07/23(木) 20:41:58.98 ID:w1ocpKNk0
22

IMCG・オペレーションルーム

音葉『うまく……出来ましたか』

レナ「ええ。さすが」

音葉『……ありがとうございます』

雪菜「電磁ネットで残骸のほとんどを受け止めましたぁ!」

愛結奈「周辺への被害はほとんどないわ」

真奈美「後始末だ。櫂君、カーテンの残りを撤去しよう」

櫂『了解!コアは惠さん達に預けたから!』

レナ「ありがとう。頼子ちゃん、聞こえる?」

頼子『はい』

レナ「ありがとう、助かったわ」

頼子『私は何もしていませんよ』

愛結奈「謙遜はいいのよ」

雪菜「信じてくれましたか?」

頼子『もちろんですよ』

レナ「シュリンクはIMCのカーテンを撤去次第帰還して」

清良「劇場には救護と警察を」

レナ「頼子ちゃんは惠ちゃんにでも声かけて、帰還して」

頼子『それには及びません』

愛結奈「どうして?」

頼子『もう一仕事ありますから』

雪菜「仕事ですかぁ?」

頼子『再演を保障してもらわないといけませんから。それでは、失礼します』

愛結奈「まったく」

レナ「彼女らしいわ」

雪菜「警戒を解除しますねぇ」

レナ「フェイズ2完了!お疲れさま!」

38: 2015/07/23(木) 20:45:29.59 ID:w1ocpKNk0
23

IMCG女子寮・食堂

惠「……疲れた」

亜季「……同感であります」

櫂「お疲れだね……」

頼子「志保さん、お味噌汁をもう一杯ください」

志保「はーい。お二人は何があったんですか?」

櫂「今回のIMC、大変だった?」

惠「いいえ、いつも通りかしら」

亜季「会話するのは疲れたであります……」

櫂「そうなの?」

音葉「……」スースー

真奈美「音葉君もお疲れか」

川島瑞樹『みんなー!お待たせー☆』

川島瑞樹
理由あって、アイドル!アイドルミズキの魅力で皆をメロメロにしちゃうぞ☆

櫂「あっ、川島さんだ。凄いノースリーブ……」

真奈美「芸能活動にシフトするかもとは思ってたが」

志保「可愛いですね」

惠「そんな気はしてたけど、こんな人だったのね……まぁ、もっと凄い人もいるから……」

瑞樹『ラブリーミズキ☆』

志保「頼子さん、どうぞー」

頼子「ありがとうございます」

櫂「そんなにヘレンさんってキャラクター強かったの?」

39: 2015/07/23(木) 20:46:40.80 ID:w1ocpKNk0
惠「そうね、アクが強かったわ」

亜季「元気そうで良かったであります、そう思い込むであります」

櫂「詳しくは全然わからないけど……音葉ちゃん、良く説得したね」

頼子「アメリカで舞台経験もありますよ、彼女」

惠「へぇ……」

頼子「未知なる場所を求めて、日本に来たらしいです。ここでしか到達できない何かがあると」

亜季「日本語も完璧でありました……凄い人物だったのでありますなぁ」

頼子「きっと寂しかったんですよ」

櫂「寂しい?」

頼子「誰も隣にいないのは、寂しいですよ」

音葉「……」スースー

頼子「その寂しさも、勘違いですけど」

40: 2015/07/23(木) 20:47:40.67 ID:w1ocpKNk0
真奈美「今日は饒舌だな」

頼子「再演のチケットを無料で手に入れましたので」

志保「いいですね♪」

頼子「ふふっ。余裕が出来たら、見に行きましょうね」

惠「ええ……あれだけ話されたなら見せてもらいましょう」

亜季「そうでありますな」

櫂「面白いの?」

真奈美「さぁな。見てから感想は言うものだ」

頼子「ええ、まだ見ぬ世界を見ることは楽しいですよ。きっと」

音葉「……」スースー

EDテーマ

アイの証明
歌 西島櫂・梅木音葉


製作 テレビ〇日

41: 2015/07/23(木) 20:48:53.06 ID:w1ocpKNk0
オマケ

CoP「……」

PaP「どうした、そんな難しい顔して」

CuP「領収書ですか、それ?」

CoP「見ればわかりますよ……」

PaP「うわっ、凄い金額だな」

CuP「もしかして、今回の製作費ですか?」

CoP「そうですよ……参った。まさかCGとジオラマ二段構えなんて……」

PaP「微妙にちょっと高い金額で済んでるのが嫌な所だな」

CoP「なんとも言えないです……最後に爆破しちゃうし」

CuP「ははは……」

PaP「いいじゃん、ヘレン伝説は一回きりだぞ」

CoP「既に一回じゃないですけどね……」

CuP「……」

PaP「……」

おしまい

42: 2015/07/23(木) 20:54:22.67 ID:w1ocpKNk0
あとがき

ケイト、キャシー、ナターリアの話がすぐに思い浮かんだけど、
あえてヘレンにしてみた。

次回は、
衛藤美紗希「IMCG・秋桜」
です。

それでは。

43: 2015/07/23(木) 21:03:57.79 ID:MhphaKXM0
乙です

やはりヘレンはヘレンだったwwwwww

引用元: ヘレン「IMCG・カーテンコール」