ミディアムをメディアムとか言ったりな！

俺「サ店に行くゼ！」

女友達「サ店ってなに？」

俺「おそらく喫サ店のことだゼ！」

女友達「スタバとかじゃダメなの？」

俺「コーヒーはあるのか…だゼ？」

女友達「当たり前じゃん」

俺「じゃあサ店に行くゼ！」




ぶっちゃけコーヒー出るならどこだってサ店だよな？

店員「お飲み物はどうなさいますか？」

俺「メニューが多すぎるゼ！」

女友達「あたしストロベリークリームフラペチーノで」

店員「かしこまりました」

俺「ならば俺もそれにするゼ！　もちろんブ☆ラ☆ッ☆クだゼ！」

店員「…」




ちょっと格好つけただけなのに店員の顔ヤバすぎだったわ

ｶﾜ(・∀・)ｲｲ!!

俺「サ店に行くゼ！」

先生「授業中にどこに行く気だ」

俺「せんせぃ…先公は黙ってろだゼ！」ﾄﾞﾝ

先生「先生に向かってなんて口のきき方を！　耳引っ張りの刑だ！」

俺「いたたたたたた体罰は禁止だゼ！」




男なら一回ぐらい先生のこと先公って言いたくなるよな！

俺「サ店に行くゼ！」

母親「アンタあたしの財布から金盗んだでしょ」

俺「高校生ならこれぐらい普通なんだゼ！」

母親「ふざけんな！」

俺「それから化粧ポーチには生☆たまごをぶちまけたゼ！」

母親「ああああああああああああ」




反抗期なんて来なかったし全然親のこと気にしてなかったけど
全力で反抗したけど普通だよな？

俺「サ店に行くゼ！」

店員「今日もブラックですか？」

俺「水☆で頼むゼ！」

店員「は？」



喫茶店に行きすぎてお金がなくなったりもしたんだぜ！

俺「サ店に行くゼ！」

友達「もしかしてお前って毎回同じ服着て喫茶店行ってる？」

俺「そ、そんなことないゼ！」

友達「いつも全身黒づくめでしょ？」

俺「完璧に読まれてるゼ！」

友達「服がないならアクセサリーは？　もっと腕とかにシルバー巻くとかよ！」

俺「その手があったゼ！」




鎖はなかったから腕に家にあるだけ数珠を付けたけど
お前らも似たような経験あるっしょ？

俺「サ店に行くゼ！」

女友達「あたしも行きたいから乗せっててよ」

俺「2人乗りはポリ公に捕まるゼ！」

女友達「ケーサツにビビるとかダサっ」

俺「この俺を挑発とは面白いゼ☆乗ってけだゼ！」

女友達「つーか荷台まっすぐとかウケる。曲げなよ」ｸﾞｲｸﾞｲ

俺「荷台曲げるとかすごいゼー！カッコいいゼー！」




みんなも自転車の荷台は曲げたよな？

もっと腕にシルバー巻くとかSA☆

俺「サ店に行くゼ！」

先生「今日提出の宿題出してないから帰っちゃダメだぞ」

俺「勉強するぐらいならサ店でブラック飲んだほうがマシだゼ！」

先生「お前実はコーヒーブラックで飲むのつらいだろ」

俺「そ、そんなことないゼ！」




人前じゃブラックで通してたけど、一人のときは
角砂糖３つとフレッシュ2つは入れてたな
お前らもこういう見栄を張ってた時期があったろ？

俺「サ店に行くゼ！」

女友達「毎回ブラック頼んでんの？」

俺「男がブラック以外飲むなんてありえないゼ！」

店員「お飲み物はどうなさいます？」

俺「いつもので頼むゼ！」

女友達「いつものとかメッチャかっこいい注文じゃん」

俺「常連だから当然だゼ！」

店員「はい、いつもどおりブレンドで砂糖３つとフレッシュ2つですね」

俺「……」

女友達「ふーん」




今思うとあの店員はワザとやったんだろうなと思う

俺「サ店に行くゼ！」

母親「たまには自分でいれたら？」

俺「それはいいアイディアだゼ！」

母親「じゃあブルックスコーヒーに頼んでFセット注文しておいて」

俺「もしもしFセット頼むゼ！」

オペレーター「Fセットですね。ではお名前住所の確認しますね」

俺「了解だゼ！」

オペレーター「片岡ポンキチ様ですね？」

俺「は？」

オペレーター「片岡ポンキチ様ですよね？」



あとから母親に聞いたら、
名前登録のときに犬が欲しくなってこの名前でうっかり登録してしまったらしい
ちなみに今でもこの名前でコーヒーを頼んでいる

俺「サ店に行くゼ！」

友達「喫茶店行きまくってるけどお前って金あんの？」

俺「そろそろなくなりそうだゼ！」

友達「バイトでもしろよ」

俺「学校にバレたら高速で校則に拘束されるゼ！」

友達「そんなことでビビってんの？」

俺「この俺がビビるわけないゼ☆ここで働きたいゼ！」

店員「え？　うちで働きたいんですか？」




高校2年の夏、俺がサ店の客から店員に変わった瞬間だった

俺「サ店に行くゼ！」

店員「あっちの席のお客さんから注文聞いてきて」

俺「わかったゼ！」

おじいちゃん1「アメリカンね」

おじいちゃん2「俺も同じでアメリカン」

おじいちゃん3「じゃあ同じくアメリカン」

おじいちゃん4「ワシ、ドイツ！」

俺「意味がわからないゼ！」




あとで話を聞いていた店員さんに解説してもらって
はじめて意味がわかりました

俺「サ店に行くゼ！」

母親「なんだかんだきちんとバイト行っててえらいじゃん」

俺「バイトで稼いだ金で盗んだ1000円を返すゼ！」

母親「ほほう、きちんと覚えてたし許してやるか」

俺「2日後の母さんの誕生日プレゼントも兼ねてるんだゼ！」

母親「ふざけんな！」




結局1000円＋お菓子の詰め合わせをプレゼントしました

俺「サ店に行くゼ！」

店員「最悪のタイミングで来ちゃったね」

俺「バイトの時間に普通に来ただけなんだゼ？」

店員「こっそり勝手口開けてごらん」

俺「よくわからないけだチェックするんだゼ！」

マスター「だからそこはママが悪いんだろ！？」

奥さん「パパこそ朝から変なミスばかりしてたじゃない！」

俺「……」



世の中の夫婦ゲンカでは、パパとママって単語が出てくるということを知った俺だった
でもちょっといいなと思ったわ

俺「サ店に行くゼ！」

店員「あのさあ、バンダナ毎回同じのを使ってるけど洗ってる？」

俺「めんどくさくて洗濯なんてしてないゼ！」

店員「汚い。今日は店にあるバンダナを使って」

俺「わかったゼ！」

店員「あー、でも片岡君って無駄に顔と頭デカイから入るかなあ」

俺「……」




ブサイクとか言われるより頭と顔がデカイって言われるほうがわりと傷つくことを知った瞬間だった

片岡くん頭でかいのか

店員「片岡君には前から伝えたいことがあったんだよね」

俺「言いたいことがあるなら聞くんだゼ？」

店員「その喋り方はやめたほうがいいよ」

俺「……はい」



こうして俺はもとの喋り方を取り戻した

このバイトは高三の終わりまで続けたけど
いろいろといい経験になりました
他にもエピソードがあった気がするけどもう遅いから寝ます
また別の機会があれば、ってことで



おわりだゼ！

おやすみだゼ！

おうまたな片岡

おつだゼ