2: 2013/04/01(月) 20:37:52.07 ID:wz+CbGHA0
P「3月も昨日で終わりかぁ。早いもんだなー」

渋谷凛「そうだね。今日は気をつけないと。特に未央と加蓮が何を言ってくるか…」

P「ん? 何でだ?」

凛「何でって…今日は4月1日だよ?」

P「…あー、そういえば今日はエイプリルフールか」

凛「!」ティンッ

P「俺も騙されないようにしないといかんな」

凛「…あのさ。プロデューサー」

P「おいおい、何か悪い顔してるぞ凛。さっそく嘘を思いついたか?」

凛「ふふ。そうだね」

3: 2013/04/01(月) 20:40:06.48 ID:wz+CbGHA0
凛「初めて会った時の事、覚えてる?」

P「ああ、もちろん覚えてるぞ。『あんたが私のプロデューサー?』って言ってたな」

凛「あの時『悪くない』って言ったけど、ホントは『ちょっと無いな』って思ってたんだ」

P「…」



P「(´;ω;)」ブワッ

凛「!?」

P「」ズシャアアァァァ…

凛(泣きながら膝から崩れ落ちた!?)

4: 2013/04/01(月) 20:42:10.52 ID:wz+CbGHA0
P「お…うぐぅおおお…!! ふぐうぅぅぅう…!! おおお……おああぁ…!」

凛「プロデューサー!? エイプリルフール! 嘘!! 嘘だから!」

P「う、嘘…? 本当にか……?」

凛「本当に嘘だから! むしろ『けっこういいな』って思ってたから!」

P「うう…うぐぅ…」

5: 2013/04/01(月) 20:44:52.83 ID:wz+CbGHA0
凛「そんなに泣く事ないでしょ…。嘘だって分かってたんだしさ…」

P「だって…お前…! 凛にそんなことカミングアウトされたら、そら泣くに決まってるだろ…!」

凛「お、大袈裟だよプロデューサー」

P「なら、ならもしもだぞ? 仮にな?」

凛「うん」

P「正直最初の挨拶で、『不良っぽい娘だなー。援○とかしてそう』って思ってた」

凛「…」

P「って俺が言ったら…」

凛「(´;ω;)」ブワッ

P「!?」

7: 2013/04/01(月) 20:49:08.00 ID:wz+CbGHA0
凛「うわぁぁぁん…! うあぁぁぁ…!!」

P「凛!? 今日はエイプリルフールだろ!? 仮にだ! もしもの話だ!!」

凛「ぐすっ…本当…? さっきのは嘘…?」

P「当たり前だろ!? 一目見た時から凛がステージで輝いてる未来がありありと見えてたよ!」

凛「ひっぐ…ぐす…」

P「よーしよし…落ち着け落ち着けー」ナデナデ

8: 2013/04/01(月) 20:51:41.81 ID:wz+CbGHA0
凛「ひどいよ…今のは酷すぎるよプロデューサー…」

P「ああ…ごめんな…。まさかそんなにショック受けるとは思わなくてさ…」ナデナデ

凛「私そんなことしたことないもん…。したくもないよ…」

P「うん、そうだな。俺だって絶対にさせないよ」

凛「プロデューサー…」

P「でも、さっきの俺も同じくらいショックだったんだよ」

凛「うん…ごめんね…」

10: 2013/04/01(月) 20:53:11.79 ID:wz+CbGHA0
P「いくらエイプリルフールでも言っていい嘘と悪い噓があるな…」

凛「そうだね…。どのくらいまでの嘘なら傷つけないで済むのかな?」

P「うーん。ちょっといくつか試してみようか」

凛「何気なく言っちゃって、泣かせちゃったりしたら困るもんね」

P「そうだな」

11: 2013/04/01(月) 20:55:15.02 ID:wz+CbGHA0
凛「じゃあ早速、何かある?」

P「いきなり言われてもパッとは思いつかんなぁ…」

凛「まぁ、そうだよね。私も何か考えてみようかな…」

P「うーむ…」

凛「あ、思いついたよ」

P「お、早いな。どんなだ?」

凛「こないだ、番組のディレクターさんにセクハラされたんだけど…」

P「…」

P「(#@盆@)」グワッ!

凛「!?」

12: 2013/04/01(月) 20:57:15.16 ID:wz+CbGHA0
P「どこのディレクターだっ!!? ぶっ○してやる!!!」

凛「お、落ち着いてプロデューサー!」

P「俺の可愛い凛に手ェ出しやがった野郎は生かしちゃおけねぇ!!」

凛「噓! 噓だから! セクハラなんてされてないよ!」

P「…本当に噓なのか? 実は触られたけど相談できなかったとかじゃないよな?」

凛「大丈夫だよ…今までお世話になった人は皆良い人ばっかりだったよ」

13: 2013/04/01(月) 20:59:11.95 ID:wz+CbGHA0
P「凛…? 今みたいな噓もアウトだ。めっちゃ心配するから」

凛「ごめんね…そんなに怒ってくれると思わなくて…」

P「怒るに決まってるだろ! …もし本当に何かされたら、すぐに言ってくれよ?」

凛「うん、分かった」

P「ちひろさんもいるし、人一人くらいすぐレアメダルにしてやるからさ」

凛「怖いこと言わないでよ…」

P「噓じゃないぞ」

15: 2013/04/01(月) 21:01:18.07 ID:wz+CbGHA0
凛「それはひとまず置いといて、話を元に戻そっか」

P「そうだな。…あ、俺も1個噓を思いついたぞ」

凛「どんなの?」

P「俺、実は働きすぎで体壊しちゃってて、あと半月で氏ぬんだ」

凛「…」

凛「(´;Д;)」ブワワッ

P「!!?」

17: 2013/04/01(月) 21:03:18.01 ID:wz+CbGHA0

凛「うわぁぁぁぁ…! やだよぉ…プロデューサー…! 氏んじゃやだぁ…!!」

P「噓! 凛!! 噓だから!!」

凛「噓…? 氏んじゃわないんだよね…?」

P「当たり前だ! こないだの定期健診でも健康すぎてむしろ医者に引かれたから!」

凛「ぐすっ…」

18: 2013/04/01(月) 21:05:10.45 ID:wz+CbGHA0
凛「そういう縁起でもない噓は絶対ダメだよ、プロデューサー…」

P「ごめんなー…」

凛「プロデューサーだって、加蓮が病気で氏んじゃうって言い出したら悲しいでしょ…?」

P「…」

P「(´;Д;)」ブワワッ

凛「泣かないでね? 分かったでしょ?」

P「おおお…たしかにキツい…すまんかった……」

19: 2013/04/01(月) 21:07:08.66 ID:wz+CbGHA0
凛「もう会えなくなるなんて、冗談でも言っちゃダメだよ…」

P「ううう…悪かった…」

凛「移籍とか、事務所辞めるとかも無しだからね…?」

P「ああ…もう絶対に言わない…」

凛「私も言わないからさ…」

P「皆と永遠にお別れとか…考えるだけで涙が出る…」

凛「ちょっと…! そういう事言わないでってば…!」グス…

P「すまん…」

20: 2013/04/01(月) 21:09:18.99 ID:wz+CbGHA0
凛「中々ちょうどいい嘘って思いつかないものだね…」

P「そうだなー。加減がどうにも分からん」

凛「うーん…あ、じゃあこんなのはどうかな?」

P「おう、どんと来い。今度は取り乱したりしないぞー」

凛「バレンタインにチョコ渡したよね?」

P「ああ、貰ったな」

凛「あれ卯月と未央にジャンケンで負けた罰ゲームだったんだ」

P「…」

P「(つД;)」ウワァァァン

凛「!!?」

22: 2013/04/01(月) 21:11:10.70 ID:wz+CbGHA0
P「うわああぁあっぁぁぁぁぁ……っ!…っ!!……うおおおあぁぁぁぁ…!!!」

凛「プロデューサー!? プロデューサー!!」

P「うおおおぉぉぉ…!! ぐっ…うぐぅぅぅ……!! うおぇっ」

凛「噓だから! 罰ゲームなんかじゃないよ! あれは私のホントの気持ちだから!」

P「うううぉぉぉ……うう…」

凛「プロデューサー!」

23: 2013/04/01(月) 21:13:07.70 ID:wz+CbGHA0
P「ショックで胃の中のもの全部戻しそうになった…」

凛「今までで1番の取り乱しようだったね…」

P「あの時の俺の喜びが全部勘違い…それどころかイヤイヤ渡してたとか言われたら…そら…ううう…」

凛「…そ、そんなに嬉しかったんだ…?///」

P「あったり前だろ! しかも凛から貰ったってのが何よりデカい!!」

凛「///」

24: 2013/04/01(月) 21:15:07.78 ID:wz+CbGHA0
P「というかさっきから俺のハートをブレイクしすぎだろ…。クリティカルヒットの嵐だぞ…」

凛「言っとくけどプロデューサーだって酷いこと言ってるからね…?」

P「ああ…。そうだったな…。すまん…」

凛「!」ティンッ

凛「ねぇ、このままだと2人共傷つくだけだしさ。ちょっと方向を変えてみない?」

P「どういうことだ?」

凛「お互いにじゃなくて、事務所の皆に向かって噓を考えるの」

P「なるほど。2人で一緒に共通の噓をつくってわけか」

26: 2013/04/01(月) 21:18:25.16 ID:wz+CbGHA0
P「でも一緒の噓ってのも思いつかんなー」

凛「…じゃ、じゃあさ…」

P「ん?」

凛「『私とプロデューサーは付き合ってるんだ』って言うのは、どうかな」

P「おいおい…。何言ってるんだ」

凛「ダ、ダメだったかな?」

P「いやいやだって、それは嘘じゃないだろ?」

29: 2013/04/01(月) 21:21:06.25 ID:wz+CbGHA0
P「え、それともアレなの? 恋人だと思ってたのは俺だけってこと?」ガクガク

凛「ち、違うよ! そんなわけないよ!」

P「そ、そうか。よかった…。もしそれが嘘だったら今すぐ窓から飛び降りてたところだ…」

凛「私だって…。プロデューサーの事、大好きだよ。この気持ちは、噓なんかじゃない」

P「凛…! 俺も、凛の事を愛してるからな! 噓じゃないぞ!」

31: 2013/04/01(月) 21:23:07.36 ID:wz+CbGHA0
凛「…噓って事にして、皆の反応を確かめておきたかったんだけど…」ゴニョゴニョ

P「何だって?」

凛「な、何でもないよ!」

P「そうか? なんにせよ、エイプリルフールの話はもうやめようか」

凛「そうだね。悲しみしか生まれなさそうだし」

32: 2013/04/01(月) 21:24:43.38 ID:wz+CbGHA0
P「じゃあ今日はこれからどうする?」

凛「うーん…。そうだ。今日はずっと家にいようよ」

P「え? せっかく2人のオフが重なったのに、出かけたりしないでいいのか?」

凛「プロデューサーは久しぶりのオフでしょ? いつも疲れてるだろうし、ゆっくり休んでほしいから」

P「そっか…。ありがとうな。凛」

凛「それに、出かけなければ他の人に嘘つかれる事も無いし」

P「なるほど、それもそうだな。じゃあ今日はこのまま俺の家にいようか」

凛「うん。一緒にゆっくりしよ? プロデューサー…」


おわり

33: 2013/04/01(月) 21:26:25.78 ID:wz+CbGHA0
本スレでとあるレスを見て続きを考えたのが始まりでした

読んで頂き、ありがとうございました

引用元: モバP「言っていい嘘と悪い噓があるな…」