1: 21/12/19(日)22:50:14 ID:mQ9q
こちら【SS冬祭Pドル21】参加SSです。
ここでしか読めないSSもありますし、よければ足を運んでみてください。
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2: 21/12/19(日)22:51:04 ID:mQ9q
北上麗花『私、一度もタヌキに化かされたことないんですよね』
麗花『夜に行かないとダメなのかな~。今度一緒にどうですか?』
……
P「来てしまった……思った以上に暗いな」
3: 21/12/19(日)22:51:51 ID:mQ9q
麗花「ほらほら、プロデューサーさん、カブトムシのメスがいますよ!」
P「タヌキ探してるんだよな? どうして木を見てるんだよ」
麗花「わかりませんよ。もしかしたら、この木に化けているかもしれません」
P「……うん、そうかもな」
麗花「あっ、タヌキだ!」
P「ええっ本当に?」
4: 21/12/19(日)22:52:51 ID:mQ9q
麗花「ほら、あっちの方で目がぎょろぎょろって光ってますよね」
P「ああ、そういう……あれか?」
麗花「そうですよ。さぁ、化け放題の出血大サービスですよ~。ほらほら~」
P「……タヌキに伝わるかな?」
麗花「あ、逃げた。待て待て~!」ガサガサッ
P「ちょっ、麗花、走ると危ないって!」
5: 21/12/19(日)22:53:32 ID:mQ9q
P「暗い……もっと本格的な懐中電灯持ってくるんだった……」ガサガサ
P「しかし、なかなかの獣道だな……麗花~!」ガサガサ
麗花「プロデューサーさーん! 早く早く!」
P「方向は合ってるな……今行く!」ガサガサ
6: 21/12/19(日)22:54:10 ID:mQ9q
P「おっ、ちょっと開けたかな」
麗花「プロデューサーさん、こっちこっち! 大発見ですよ!」
P「化けタヌキを見つけたのか?」
麗花「違いますよ。ほら、これです!」
P「これって……暗くてよく見えないけど……」
7: 21/12/19(日)22:55:30 ID:mQ9q
P「温泉?」
麗花「そうそう、天然の温泉ですよ! ロコちゃんだとナチュラルホットスプリングです!」
8: 21/12/19(日)22:56:08 ID:mQ9q
P「こんな所に……触った感じだと温度もちょうど良いくらいだな」
麗花「それじゃあ入りましょう!」
P「そうだな。足湯でもして……って麗花!?」
麗花「どうしたんですか?」
P「服脱ぎ始めてない?」
9: 21/12/19(日)22:56:53 ID:mQ9q
麗花「だって温泉ですよ! 一緒に入りましょう!」
P「いやいや、落ち着け。バスタオルも持ってきてないし」
麗花「体を拭くだけなら、このハンドタオルで充分ですよ」
P「いや、そうじゃなくて」
麗花「あ、プロデューサーさん、ちょっとあっち向いておいてください。じゃないと、エOチデューサーさんって呼んじゃいますよ」
P「お、おう……って、麗花が入るんなら俺は遠慮しとくよ」
10: 21/12/19(日)22:57:39 ID:mQ9q
麗花「ええ~つまんないですよ。暗くてほとんど見えないから、一緒に入っても大丈夫ですって」
P「いや、流石にやめておく」
麗花「とうっ」ザップーン
P「いや、本当に入っちゃったの!?」
麗花「気持ちいいですよ。プロデューサーさんも早く早く~」
11: 21/12/19(日)22:58:48 ID:mQ9q
P「俺は入らないからな」
麗花「むむむ~、つれないデューサーさんですね」
P「何とでも言え」
麗花「それじゃあ、こう!」ガシッ
P「ちょっ、なんでズボンつかむの?」
麗花「入らないなら、このまま引っ張って、引きずり落としちゃいますよ♪」
P「怖っ! それはやめて!」
12: 21/12/19(日)22:59:35 ID:mQ9q
麗花「あ、私は今、服着てないので、こっち向いても引きずり落とします」
P「絶対見ないようにしてるけど! これ危ないって」
麗花「さぁ、約束をしてください。カウントダウン~、5、4」
P「わかった! 入るから!」
麗花「そうですよ。最初から素直デューサーさんになってくださいよ~」
P「ふぅ……入るのは入るけど、いくつか条件がある」
13: 21/12/19(日)23:00:29 ID:mQ9q
麗花「カウントダウン再開~3、2」
P「待てって! とりあえず麗花にはなるべく離れてもらって、その間に俺が入って、お互い背を向ける、それでオーケー?」
麗花「なるほど、そうですよね。プロデューサーさんも私も恥ずかしいですもんね。それならオーケーです」
P「……それじゃあ、手を放して」
麗花「はーい、それじゃあ、いってきまーす」バシャバシャ
14: 21/12/19(日)23:00:58 ID:mQ9q
P「」ヌギヌギ
P「」チャポン
P「……入ったぞ」
麗花「はーい。それじゃあ、近づきますね~」
15: 21/12/19(日)23:01:45 ID:mQ9q
P「本当、奇跡の湯加減だな」
麗花「そうですね~。ポカポカになれそうです」
P「化けタヌキを探すはずが、温泉につかれるなんてな」
麗花「あ、それは諦めてませんよ。きっと、今もどこかで誰かが化かされてますから」
P「……そうか」
麗花「でも、ちょっと休憩です。すごく気持ちいいんですもん」
P「……そうだな」
16: 21/12/19(日)23:02:26 ID:mQ9q
麗花「はふぅ~……」
P「……」
麗花「ねぇ、プロデューサーさん」
P「ん?」
麗花「こっち、向いちゃいます?」
17: 21/12/19(日)23:03:11 ID:mQ9q
P「はい? 何言ってるの?」
麗花「暗いから恥ずかしくないですよ」
P「いや、流石にダメだ……って、麗花、こっち向いてる? 声がさっきと違ってこっちに向かって聞こえてきて」
麗花「それぇっ!」ムニュ
P「ちょちょっと! 麗花何やってるんだ!?」
18: 21/12/19(日)23:03:53 ID:mQ9q
麗花「あー、これは恥ずかしいですね。恥ずかしいかさんになっちゃいますね」
P「耳元でしゃべらないで! なんか詩花っぽいし! ってかそれなら抱きつくのもやめて!」
麗花「でも信頼してます。マジメデューサーさんはアイドルに手を出しませんよね?」
P「それはそうだけどさ! 何で急にこんなことを」
19: 21/12/19(日)23:04:36 ID:mQ9q
麗花「プロデューサーさん、いつもありがとうございます」
P「え?」
麗花「こんな普通じゃない私を、みんなの輪の中に入れてくれて」
P「……」
麗花「小さい頃から、変わった子だねとか、不思議ちゃんだって言われ続けて、私って変なのかって、ずっと思ってました」
P「……」
20: 21/12/19(日)23:05:20 ID:mQ9q
麗花「今日だってそうです。茜ちゃんに言ったら、タヌキに化かされないのが普通で、それを探すのは普通じゃないって、言われちゃいました」
P「……それはそうかもな」
麗花「でも、プロデューサーさんは、なんやかんやで着いてきてくれました。断ることも出来たはずなのに」
P「……」
麗花「こんな私を受け入れてくれて、本当に嬉しいです。ありがとうございます」
21: 21/12/19(日)23:06:32 ID:mQ9q
P「……こちらこそありがとう、だよ」
麗花「え?」
P「たしかに、不思議なところはある。最初は意思疎通できるか不安だったし、未だに麗花の意図がわからないこともある」
麗花「……」
P「でもな、スペックが高くて、ポジティブで……そういう不思議な所も含めて、本当に魅力的なんだ」
麗花「……」
22: 21/12/19(日)23:07:09 ID:mQ9q
P「これでアイドルとして売れなかったら俺のせいだ、って思うくらいな」
麗花「……」
P「俺を信頼してくれて、プロデュースを任せてくれて、俺の方こそ本当に感謝してるよ」
麗花「……なんだか、照れちゃいますね」
P「……そうだな」
23: 21/12/19(日)23:07:49 ID:mQ9q
麗花「……さて、私は上がりますから、このまま回れ右しましょう」
P「お、おう」
麗花「エンエンクルリ~クルリ~よ……それじゃあ、私が合図するまでこっち見ないでくださいね」
P「ああ」
24: 21/12/19(日)23:08:32 ID:mQ9q
……
P「……」
麗花「……」
P「……」
麗花「あ、タヌキ!」
P「え?」
25: 21/12/19(日)23:09:08 ID:mQ9q
麗花「待て待て~」ガサガサ
P「ちょっ麗花?」
P「……」
P「……」
P「もう振り向いていいよな?」
26: 21/12/19(日)23:09:46 ID:mQ9q
P「……」
P「5、4、3、2、1」
P「……0」
P「……」チラッ
P「よし、それじゃあ、俺も上がろう」
……
27: 21/12/19(日)23:10:26 ID:mQ9q
P「……たしかこっちだったはず」ガサガサ
P「これで遭難になったら地獄だな……」ガサガサ
P「麗花も心配だし……早く合流しないと」
P「おーい、麗花! いたら返事してくれ!」
麗花「やっほー!」ガサガサ
P「おわっ」
28: 21/12/19(日)23:11:22 ID:mQ9q
麗花「隣の茂みから呼ばれて飛び出ました麗花さんです!」
P「近くにいたなら声かけてくれよ」
麗花「てっきり私がいるって、プロデューサーさんはわかってると思ってました」
P「……そうか」
麗花「それにしても、迷子デューサーさん、どこ行ってたんですか?」
29: 21/12/19(日)23:11:56 ID:mQ9q
P「麗花を探してたんだよ。温泉から出てから、タヌキを」
麗花「え? え?」
P「ん? どうした?」
麗花「温泉って何ですか?」
P「……え?」
30: 21/12/19(日)23:12:43 ID:mQ9q
P「麗花が見つけてくれた天然の温泉だよ」
麗花「私、温泉なんて知りませんよ?」
P「え?」
麗花「あ、もしかして、その私、タヌキじゃないですか?」
P「はい?」
麗花「プロデューサーさんはタヌキに化かされたんですね!」
P「いや、流石にそうじゃない……はず」
31: 21/12/19(日)23:13:29 ID:mQ9q
麗花「いいなぁ~。化けタヌキにも会って、温泉にも入るなんて、うらやまデューサーさんですよ」
P「そうなの、か……?」
麗花「それで、どうだったんですか?」
P「え?」
麗花「タヌキの私、どんなことをしたんですか?」
32: 21/12/19(日)23:14:54 ID:mQ9q
P「……い、言えない」
麗花「言ってくださいよ~」
P「無理、無理だ」
麗花「ずーるーい、ずるデューサーさん、教えてくださいよ~」
P「無理だって」
麗花「もーぉ、いじわる~」
33: 21/12/19(日)23:15:37 ID:mQ9q
麗花「なんて、ね」
P「……え?」
34: 21/12/19(日)23:16:11 ID:mQ9q
P「麗花?」
麗花「さぁ、まだまだこれからですよ!」
P「……お、おう」
おわり
引用元: 北上麗花「夜の温泉で二人」
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