1: 2022/04/03(日) 02:26:44.744 ID:v9kA7iH50
上条「そのッ!! 幻想をッ!! ぶち頃すッ!!」ドゴオ

インターナショナル「ぶげらっ!?」ドシャァッ

上条「インディアナポリスの馬鹿野郎ッ!!」

上条「コロッケには……コロッケには……」

上条「ケチャップ一択だろうがッ!!」

2: 2022/04/03(日) 02:27:38.460 ID:v9kA7iH50
インダス文明「とうまこそオマヌケかも! アツアツなコロッケにはソース一択なんだよ!」

インターステラー「それなのにケチャップだなんて……とうまは子供舌だね(笑)」

上条「ッ!」ブチッ

3: 2022/04/03(日) 02:29:00.251 ID:v9kA7iH50
上条「ふざけやがって、そんなつまんねぇ事はどうでも良い!」

上条「理屈も理論もいらねぇ!」

上条「たった一つだけ答えろインクレディブル!!」

上条「テメェは……コロッケを助けたくないのかよ?」

4: 2022/04/03(日) 02:30:48.664 ID:v9kA7iH50
上条「ずっと待ち焦がれてたんだろ、こんな展開を!」

上条「ハンバーグがやってくるまでの場つなぎじゃねえ!」

上条「唐揚げが登場するまでの時間稼ぎじゃねえ!」

上条「他の何者でもなく!他の何物でもなく!」」

上条「テメエのその手で、たった一個のコロッケを助けてみせるって誓ったんじゃねえのかよ!」

5: 2022/04/03(日) 02:32:04.753 ID:v9kA7iH50
上条「ずっとずっとコロッケにケチャップかけたかったんだろ! 絵本みてえに! 映画みてえに!」

上条「命を賭けてたった一つのケチャップコロッケを守る、人間になりたかったんだろ!」

上条「だったらそれは全然終わってねえ!! 始まってすらいねえ!!」

上条「ちょっとぐらい長いプロローグで絶望してんじゃねえよ!!」

上条「手を伸ばせば届くんだ、いい加減に始めようぜ! インゲンマメ!」

6: 2022/04/03(日) 02:33:30.111 ID:v9kA7iH50
インターネット「ぐぬぬっ……」

上条(怯んだ!! 好機(チャンス)だ!!)

上条「お前、知ってんだろ? 大切なコロッケに氏なれる事の痛みが!」

上条「目の前でコロッケが苦しんで、傷ついて、でも自分には何もできなくて!どうしようもないっていう苦しみを知ってんだろ!」

7: 2022/04/03(日) 02:34:23.809 ID:v9kA7iH50
上条「焦ったはずだ。辛かったはずだ。苦しかったはずだ。痛かったはずだ。恐かったはずだ。震えたはずだ。叫んだはずだ。涙が出たはずだ。」

上条「……だったら、それはダメだ!」

上条「そんなに重たい衝撃(ソース)はコロッケに押し付けちゃいけないものなんだ !」

上条「だから……お前が何がなんでもコロッケにソースをかけるって言うのなら……」

上条「まずは! そのふざけた幻想をぶち頃すッ!!」

8: 2022/04/03(日) 02:35:39.226 ID:v9kA7iH50
インマルサット「わ、分かったんだよ……流石にそこまで力説されたら私も降参かも」

上条「インベントリ……! それじゃあ……」

インディアナ州「うん! 今日はコロッケにケチャップかけても許してあげるんだよ!」

上条「おお、サンキューなインファイト!」

上条「大丈夫だ! 後悔はさせねえ! 少しは俺を信じろって!」

インデザイン「分かった! 信じてるんだよ、とうま!」

上条「ああ! 早速ケチャップを用意してくるからな!」トテテテ

9: 2022/04/03(日) 02:36:55.629 ID:v9kA7iH50
上条(インポートに俺の気持ちが伝わって良かった……)スタスタ

上条(人は……言葉で分かり合えるんだ!)スタスタ

上条(争わなくても……傷つけ合わなくても……言葉がある限り……人は血を流さずに戦いを止めることができるんだ!)スタスタ

上条(良かった……本当に良かった……)スタスタ

上条(さてと……ケチャップは冷蔵庫の……)ガチャッ

一方通行「よォ、三下ァ」ヌッ

上条「!!!!!!!!!????????」

10: 2022/04/03(日) 02:44:48.333 ID:v9kA7iH50
上条「お前……何で俺ん家の冷蔵庫に……?」

一方通行「……哀れだなァお前」

上条「は?」

一方通行「本気で言ってンだとしたら抱きしめたくなっちまうくらい哀れだわ」

一方通行「確かに俺は冷蔵庫にいた、しかもお前ン家の冷蔵庫の中にだ」

一方通行「だがなァ、俺がお前ン家の冷蔵庫に入ってたところで……別にお前ン家の食材がどうにかなるわけじゃァねェだろうがよォ!」

一方通行「アァ!?」

上条「確かにな……俺が悪かったよ」

一方通行「ケッ、分かりゃ良いンだよ」

11: 2022/04/03(日) 02:45:58.323 ID:v9kA7iH50
一方通行「……ンン? この匂いはァ」

上条「ああ、コロッケだよ! お前も食ってくか?」

一方通行「コロッケだァ? 良いねェ良いねェ! 最高だネェ!」

一方通行「ちなみによォ、そのコロッケには何をかけンだ?」

上条「ケチャップだぜ、それを冷蔵庫に取りに来たんだ」

12: 2022/04/03(日) 02:47:13.943 ID:v9kA7iH50
一方通行「そっかそっかァ……良いぜェ……愉快なこと思いついたァ……くけ……くけこ……かきくけこかきくけこかきくけこかきくけこかかかかーッ!!!!!」ドヒュンッ

上条「うおっ!? な、何だっ!?」

一方通行「………」シュタッ

インダストリアル「キャッ! って、あなたは……」

一方通行「一方通行ボォーナァス!!」ドボドボドボ

上条/インヴェンション「あーっ!?」

一方通行「今日は良い感じに無風状態だし……絶好の醤油コロッケ日和だなァ!?」

一方通行「醤油コロッケのための演出ご苦労ォ!!」

13: 2022/04/03(日) 02:48:07.274 ID:v9kA7iH50
上条「………」

イングリッシュ「あぁ……コロッケが……大切な大切なコロッケが醤油まみれに……」

一方通行「これでこのコロッケも救われる……オレに感謝して欲しいくらいだぜェ?」

上条「……離れろよ」

一方通行「……何か言ったかァ?」

上条「今すぐ……」

上条「今すぐコロッケから離れろっつてんだ聞こえねえのかこの三下ぁ!!!」

ド ン ッ ! !

15: 2022/04/03(日) 02:49:30.019 ID:v9kA7iH50
ー その後…… ー

「オマエそンな速度じゃ……」

「100年遅ェつってンだよォ!」

「ほら全然遅ェ!」

「かきくけこかきくけこかきくけこかきくけこかかかかー!!!!」

「学園都市にゃ最高位のレベルが5までしかねェから」

「仕方なく俺はここに甘ンじてるだけなンだっつうの」

ムクリッ……

「コロッケに……手を出すな……!」

「面白ェよオマエ……」

「最高に……面白ェぞォ!!」

「歯を食いしばれよ最強……俺の最強は……」

────ちっとばっか響くぞ。

16: 2022/04/03(日) 02:51:05.070 ID:v9kA7iH50
一方通行「うるせェ!!」スパァン

上条「ぐはっ!?」ドサッ

上条「お、お前……そこは素直にやられるとこ……」グググ

一方通行「いくら能力を無効にできるとはいえ、冷静によーく考えてみりゃァよォ……」

一方通行「戦い方さえ工夫すりゃァ! 俺がお前に負ける要素なンて万に一つねェだろォが!」スパァン

上条「ぎゃん!!」ドサッ

18: 2022/04/03(日) 02:52:39.761 ID:v9kA7iH50
上条「こ、このやろ……」ムクリッ

イントロデュオ「あぁ……駄目なんだよとうま……もうスッカリ醤油が染み込んじゃってるかも……」

上条「……え?」

インベーラスト「要するにこのコロッケは……もう救えないんだよ……」

上条「そ、そんな……嘘だろ……?」ストンッ

19: 2022/04/03(日) 02:54:54.444 ID:v9kA7iH50
一方通行「おっとォ、もうお母さンと一緒にが放映する時間かァ……そンじゃァなァ」スタスタ

ガチャッ バタンッ

上条「救えなかった……」

上条「俺は……コロッケを……救えなかった……」

インチサイズ「とうま……」

20: 2022/04/03(日) 02:56:05.459 ID:v9kA7iH50
上条「俺が……一体何をしたっていうんだ?」

上条「別に大量のコロッケが欲しいとか、馬鹿みたいな権力を牛耳ってコロッケ王国を作りたいなんて望んでいる訳じゃない」

上条「ただ、いつもと同じように学生寮で目を覚まして、ケチャップかけたコロッケ食って学校へ行って、放課後に友達とケチャップかけたコロッケ食って遊んで……」

上条「そんな当たり前のものを取り戻したかっただけなんだ!」

上条「なのに、どうしてそれだけでコロッケに醤油なんてかけられなくちゃいけないんだ!」

22: 2022/04/03(日) 02:57:33.726 ID:v9kA7iH50
上条「たくさんのコロッケの命を天秤にかけなくちゃならないような場所に立たされなくちゃいけないんだよ!」

上条「こんなの馬鹿みたいだ! ちくしょう、どうして俺ばっかりこんな目に遭わなくちゃいけないんだ……?」

上条「何が『不幸』だよ、ちくしょう!! 今まではそれでものらりくらりとかわして騙し騙し折り合いをつけてきたんだ……なんとかバランスを取ってやってきていたんだ!」

上条「それをあいつは全部ぶっ壊した! 悔しいに決まってるだろ!血反吐を吐いて涙交じりにどうにかこうにか乗り越えてきたケチャップコロッケを……」

上条「一方通行のヤツはまるで遊びか何かみたいにあっさりまたいでいきやがった! 全部あいつに奪われた!!」

23: 2022/04/03(日) 02:59:19.097 ID:v9kA7iH50
上条「もう戦いたくない……そんな怪物相手に立ち向かいたくない……別に、いつだって戦いたくて戦っていた訳じゃないんだ……」

上条「ただ、目につく所ではいつも誰かが涙を堪えていて、氏ぬほど辛い目に遭って、わんわん泣いてコロッケ食ってたって誰も文句を言わないのに……」

上条「そういうヤツに限ってずっとケチャップかけるのを我慢していて……そういうのがどうしても許せなかった」

上条「馬鹿みたいにケチャップ握って渦中に飛び込んで、どうにかこうにか事件を解決して……」

上条「感謝をされたかった訳じゃない、コロッケが欲しかったなんて思ってもない」

上条「だけど、そうやって乗り越えていくごとに、ケチャップコロッケへの欲は大きくなっていった」

25: 2022/04/03(日) 03:01:17.666 ID:v9kA7iH50
上条「ケチャップとの繋がりが、コロッケとの繋がりが、何となくこれには意味がある事なんだって錯覚させた!」

上条「その結果がこれだ! 俺は全部奪われた! 最初から、意味なんか何にもなかったんだよ!」

上条「そんなちっぽけな幻のために、失われたケチャップコロッケが戻って来たなんて神様の奇跡みたいな状況を放棄するなんて絶対に駄目だ……」

上条「俺だって、もっとみんなとケチャップコロッケ食いたかったよ」

26: 2022/04/03(日) 03:03:27.613 ID:v9kA7iH50
上条「自分の置かれた状況が、どれだけ居心地の良いものだったかなんて、今の今まで知ろうともしなかった……」

上条「例えばまだこれが結果の出る前の話で、一方通行が今失われたケチャップコロッケを残らず生き返らせてやるなんて提案をされたら……」

上条「俺だって適当な綺麗事を並べて突っぱねたかもしれなかったよ!」

上条「ケチャップコロッケの氏にだって意味はあったとか、ケチャップコロッケの命はそんな簡単に左右して良いものじゃないとか、美辞麗句を並べてな!」

27: 2022/04/03(日) 03:04:50.253 ID:v9kA7iH50
上条「だけど、もう結果は出ているんだ!」

上条「今から全てを『元に戻す』って事は、今ここで何も知らずに笑っている醤油コロッケを! 自分の手で頃す事と何にも変わらないんだ!!」

上条「良いか、どんなに言い訳を重ねたってこの事実は何も変わらない!」

上条「俺が!俺がこの手で選んだ選択が!彼ら醤油コロッケを一つ残らず頃すんだよ!!」

上条「そんなの、もう、どうにもならないじゃないか! 食われることも捨てられることもない世界を取り上げて何になる!?」

28: 2022/04/03(日) 03:06:35.034 ID:v9kA7iH50
上条「仮に一方通行を倒して、全てを『元に戻して』、今生を得てしまった醤油コロッケを正しく綺麗に殺戮し尽くしたとして」

上条「その先に俺が思い浮かべている、あの日あの時を生きているはずだったケチャップコロッケが待っているのか?」

上条「俺は何も知らずにいつもの時間を過ごしているケチャップコロッケ達の前で、どんな顔をすれば良いんだ?」

上条「笑っていれば良いのか? 何も知らないケチャップコロッケ達の前で、全てを知っている俺が、何も知らない体で馬鹿みたいに笑っていれば良いのかよ!!」

29: 2022/04/03(日) 03:07:58.122 ID:v9kA7iH50
上条「ふざけんな!! どのみち、もう、何にも残らない! 一方通行が勝とうが負けようが、俺が生きようが氏のうが『元』なんか戻ってこない!!」

上条「どこに転がってどんなふうに結末を迎えようが、何にしたって成功はしないんだ!」

上条「どれを選んだって失敗しかなくて、結局はどこかに不満が残って、やがて全ては瓦解していく……」

上条「それだったら戦う意味なんかねえだろ!! この状況を壊してどうするんだよ!!」

上条「どっちに傾いても破滅しかないなら、もう一方通行の勝ちって事でいいだろ!」

30: 2022/04/03(日) 03:09:35.355 ID:v9kA7iH50
上条「後は生を得た醤油コロッケ達で決めてしまえば良いだろう!」

上条「俺なんかじゃもうケチャップコロッケになるはずだったコロッケ救えないって事ぐらい最初っから分かっているんだから!」

上条「それ以外に一体何ができるんだ?」

上条「こんなっ、こんなの、ここまでやられて……」

上条「前なんか一歩でも進める訳がねえだろうが!!!!」

31: 2022/04/03(日) 03:11:16.195 ID:v9kA7iH50
上条「畜生……ごめんな……ケチャップコロッケになるはずだったコロッケ……」グスッ

上条「俺にもっと力がありゃ……こんな……」グスッ

インテギュメント「………」ジィィィィ

上条「……?」

インサージェント「………」パクッ モグモグ

上条「ッ!! お前、何そんなもの食べて……!」

32: 2022/04/03(日) 03:11:47.569 ID:v9kA7iH50
インダルジェンス「あれ? 意外とうめぇんだよ、醤油コロッケ」

上条「!?!?!?!?!?!?!?!?」

33: 2022/04/03(日) 03:12:13.946 ID:v9kA7iH50
上条「んなわけないだろ! コロッケにはケチャップと相場が決まって……」パクッ

























上条「ホンマやん」

34: 2022/04/03(日) 03:13:17.425 ID:v9kA7iH50
醤油コロッケは確かに美味しかった。

というかコロッケという存在が偉大すぎて、

余程のものをかけなければ何でも美味しかったのだ。

二人は醤油コロッケを味わった後、

近くのお肉屋さんでコロッケを買い直し、

ケチャップコロッケとソースコロッケを仲良く味わったとさ。

35: 2022/04/03(日) 03:13:31.465 ID:v9kA7iH50
no title


おしまい。

引用元: インナージョイン「コロッケにはソースが一番なんだよ!」