1: 2012/07/21(土) 15:26:49.67 ID:AReK8ATW0
いつものように部室に集まってお茶をしていたら

律「放課後新選組!!」

一同「えっ?」

梓「いきなり何を言い出すんですか?」

律「いやぁ~。新選組って名前もなんかカッコいいなぁと思ってさ」

澪「またくだらないことを」

唯「でも、確かにカッコいいね。

梓「どこがですか!!」

唯「だって、語呂がいいじゃん」

唯「あずにゃんは沖田総司かな?」

紬「唯ちゃん、それはダメ!!」

唯「えっ?だって私たちの中で一番年下だし、演奏も上手いし」

紬「でも、沖田総司は労咳で早く氏んじゃうのよ?」

紬「梓ちゃんがかわいそうじゃない」

唯「そっかぁ~、そうだね。あずにゃんは氏んだらだめだよね。」

澪(ちょっとピントがずれてるけど、これで一段落っと)

紬「かわりに私が配役を考えてあげる!!」

澪「えっ?」

紬「唯ちゃんは…そうねぇ~」

紬「芹沢鴨!!」

唯「それ誰なの?」

紬「新選組はね、最初の頃は局長が3人いたのよ。その3人で一番偉かったのが芹沢鴨なのよ」

紬「それに鴨よ鴨!!かわいいじゃない!!」

唯「鴨かぁ。なんとなくかわいいから私は鴨でいいや」

紬「律ちゃんは新見錦ね。」

律「はぁ?だれだそれ?」

紬「芹沢鴨と一緒で最初の局長の一人だった人で、鴨ちゃんの友達ってところかしら」

紬「それに律ちゃんには部長として『錦』が入っている方が箔がつくじゃない!!」

律「そっか、やっぱり部長は見栄えも大事だもんな!!じゃあうちは錦で決定!!」

澪「おい、ムギ!!」

紬「あっ、澪ちゃんごめんなさい…」



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2: 2012/07/21(土) 15:28:09.97 ID:AReK8ATW0
紬「でも澪ちゃんはちょっと難しいわねぇ~」

澪「だからムギ!!」

紬「澪ちゃんは、文武に秀でてて、眉目秀麗と言われてた伊東甲子太郎!!」

紬「うん!!ぴったり!!」

澪「いや役柄じゃなくってさ」

紬「私はっと…」

紬「結成時からの幹部だけどあまり目立たなかった山南敬助かな?」

唯「これであずにゃん以外は決まったね。」

律「さすがはムギだな。近藤勇とか土方歳三じゃないところがなんとなく日本史ができそうって感じがするし。」

唯「これで入試で日本史を選択したらばっちりだね!!」

澪「そうじゃなくってさ…」

律「なんだよ~澪は文武に秀でてるからって」

唯「そうそう。せっかくムギちゃんが考えてくれたんだから、いいじゃん」

澪「みんな、本当に良いのか?」

唯・律「なんで?」

澪「ムギが今言ったのは全員、仲間割れで殺された人たちだぞ!!」

唯・律「えっ?」

澪「だよな?ムギ!!」キッ

紬「えへへばれた?」ペロッ

紬「私は新選組って血なまぐさいから嫌いなの~、でも澪ちゃんなら気づくかな?と思って」

紬「みんな、ごめんなさい。でも新選組はやめましょ!!」

律「そういうことなら新選組はなしだな」

唯「そうだね、私たちは仲良しだもんね」

紬「うふふっ。さて話も終わった事だし…」

唯「ちょっと待ったぁ!!」

唯「放課後海援隊!!」

梓「あ~」

梓「いつものパターンですね…」ハァ

澪「ああっ、いつものパターンだ」

澪「で、唯!!だれがどういう役なんだ?」

唯「えっ?えっと、律ちゃんが坂本竜馬で…」

唯「澪ちゃんは…サカモトリョウマで…」

唯「ムギちゃんは…サカモトリョウマで…」

唯「あずにゃんは…サカモトリョウマ…」

澪「唯!!坂本竜馬以外を知らないんだろ?」

唯「えへへ…ばれた?」

梓「もういい加減に練習しましょうよ。」

律「そうだなぁ~。今の唯でオチが付いたようだしな」


3: 2012/07/21(土) 15:39:34.52 ID:AReK8ATW0
翌日の口火は唯だった

唯「放課後十字軍!!」

梓「あ~、まだ続くんですか…」ハァ

紬「唯ちゃん。十字軍の幹部はみんな火あぶりの刑で氏ぬのよ。」

唯「え~!!」

唯「暑いのやだよぉ~」

澪「暑い程度じゃすまないぞ!!」

律「そうだな"暑~い"じゃなくて"熱いよ~"って感じかな?」

唯「じゃあ十字軍は無し」

梓「十字軍の話はいいですから、今年の活動計画を考えましょうよ!」

律「そうだなぁ~」

律「取りあえず、備品でも買いに行くか」

唯「さんせーい。」

梓「やっぱり、今年もこのパターンなんですね」

澪「あぁ、このパターンだ」マッタク

梓「ところで、律先輩も唯先輩も進路はどうするんですか?」

梓「一応確認しますが3年生ですよね?」

梓「受験勉強も大事でしょうけど、もうすぐ中間試験ですよ。」

梓「私と一緒に卒業どころか、私が先に卒業してもいいんですか?」

唯「『あずにゃーんせんぱーい』てのも良いかな?」

律「でも梓が先輩だと毎日練習ばっかりになりそうだぞ」

唯「え~。それは嫌だよ」

梓「じゃあ、練習も勉強も真面目にやってくださいよ!!」

律・唯「へ~い」

4: 2012/07/21(土) 15:53:54.93 ID:AReK8ATW0
翌日はカオスそのものだった

唯「放課後古今和歌集!!」

律「放課後新古今和歌集!!」

唯「放課後梁塵秘抄!!」

梓「あの~これって…」

澪「見ての通りだ!!」

梓「見ての通りですか?」

澪「そう」

紬「梓ちゃんが悪いのよ?」

梓「私がですか?」

紬「だって、『真面目に勉強してください』って昨日言ったじゃない。」

澪「そしたら律がメールしてきてさぁ『古文の勉強ついでに、どれだけ古い書物の名前を覚えられるか競争しよう』って」

紬「私も澪ちゃんも、ちょっとはやる気を出したんだって喜んだんだけど…」

梓「予想外ですね」

澪「ああ。予想外というか…もうなんか…」

紬「第3次接近遭遇って感じよねぇ~」

紬「でも、梓ちゃんは平安時代後期からだけど、私と澪ちゃんは『放課後古事記』『放課後日本書紀』から聞いてたのよ。」

澪「もう突っ込む気もなくなったから、ムギと傍観することにしたんだ。」

紬「最初はすぐ終わると思ったんだけどね。鎌倉時代に入ってもよどみなく続いてるの。」

梓「じゃあ、見ているしかないですね。」

澪「あぁ」ハァ、紬「えぇ」ハァ

5: 2012/07/21(土) 16:07:55.76 ID:AReK8ATW0
律「放課後方丈記」

唯「放課後徒然草」

律「放課後大鏡」

唯「放課後今鏡」

律「放課後水鏡」

唯「放課後増鏡」



梓「だいこんみずましがでましたね。」

澪「でたな」

紬「でたね」

梓「あ~あ、今日も練習どころの話じゃなかったなぁ~」

澪「でも、今日は意外と有意義だったよ。なぁムギ?」

紬「えぇ、私たちも勉強になったし」ウフフ

澪「さてと」

澪「おーい、律ぅ、唯ぃ」

紬「下校時間だから帰りましょう~。」

梓(私はこの4人の先輩たちを『ちょっと変わった人たち』と思ってたけど…ちょっとどころでは済まないのかもしれない…)

…下校途中…

律「唯もなかなかやるなぁ~」

唯「律ちゃんもね!!」

律「お互い頑張ればできるってことだよ。なぁ澪・ムギ?」

澪「まぁな」

紬「ゲーム感覚で覚えるのは、律ちゃんと唯ちゃんには向いているのよ。」

梓「そうかもしれないですね。お二人とも桜高に入学できたくらいだから元はしっかりしてるんだと思いますよ。」

澪「ゲーム感覚じゃなくても勉強してくれたら、律の一夜限りの家庭教師からも解放されるのになぁ~」

紬「でも、そうなったら寂しいんじゃないの?」

澪「…」

6: 2012/07/21(土) 16:32:47.38 ID:AReK8ATW0
いつまで続くんだろう…

唯(身振り1)

律(身振り2)

唯(身振り3)

律(身振り4)



梓「もう私…軽音部やめます…」

梓「もうついていけません…」

梓「ウッウッウッ」涙

澪「あっ梓!!これにはわけがあるんだ。」

紬「そうなの、それにこの原因は私にあるの…だからちょっと我慢して聞いて」

紬「ねっ?お願い!!」

梓「ハイ…」

澪「昨日の事を覚えてるか?」

梓「ハイ!!延々と古い書物名を言い続けてましたね。」

澪「今日は室町時代に差し掛かったんだよ。」

紬「室町時代に差し掛かると避けて通れない名前がでてくるのよ。」

梓「観阿弥世阿弥?ですか?」

澪「そう…中学生でも知ってるような名前で、梓は2年だから今年は日本史ならうだろうからわかると思うけど」

紬「高校の授業だとちょっとだけ踏み込んだ内容になるのよね。」

澪「それに昨日の続きが絡んで世阿弥の『花伝書』がでたんだよ。」



唯「放課後風姿花伝!!」

律「ストーップ!!風姿花伝と言えば?」

唯「風姿花伝と言えば?うーん」



唯「秘すれば花!!」

律「ピンポーン!!」

唯「でも、どういう意味なの?」

律「そ、それは…」

紬「大事なことは黙っておくことなのよ。でも、それじゃ伝えられないから所作振舞で伝えるの!!」

唯「へ~そうなんだぁ」

唯「律ちゃん!!」

唯「ここからは喋らずに意思疎通をしようよ!!」

律「よしきた!!伝わらなかったらアイスおごり!!」



7: 2012/07/21(土) 16:43:47.74 ID:AReK8ATW0
梓「あの~ムギ先輩?」

梓「秘すれば花ってそんな簡単な意味じゃないですよね?」

紬「もちろん!!でも、唯ちゃんと律ちゃんの『秘すれば花』があれなのよ」

紬「だから今日は私が悪いの…」

紬「梓ちゃん!!ごめんなさい!!」ペコリッ

梓(ムギ先輩に頭を下げられて許せない人なんかいないよ~)

梓「そういうことですか…」

梓「じゃあ、今日は私もお茶しながら傍観しておきます。」



澪「不思議なもんだなあ~」

紬「だね~」

梓「ですよね~」

澪「あの一見でたらめな動きだけど、いつもの律と唯そのものだから会話が聞こえてきそう。」

紬「私には

 律『唯がタルトを作ったら(指で輪を作って)せいぜい500円玉くらいのもんだろ?』
 唯『何を!!私が作ったら(大きな輪を作って)大きなお盆くらいのものを作るよ!!』

 て会話をしているように見えるわ。」

梓「ムギ先輩。それは落語も餅屋問答ですよね?」

紬「ウフフッ」

紬「でもそんな感じがしない?」

澪「まぁ言葉がない分、解釈もいろいろあるってこと」

梓「そう考えると、結構楽しいですね。」

紬「律ちゃんと唯ちゃんだから楽しいのよ。澪ちゃんと梓ちゃんだと緊張感しか伝わらなさそうだし。」

梓「そりゃあ…私は一応後輩ですから遠慮がでますし…」

8: 2012/07/21(土) 16:56:52.54 ID:AReK8ATW0
紬「梓ちゃんらしいなぁ」カワイイッ

紬「でも、無言だから遠慮のフリをして罵詈雑言を浴びせるってのもあり」

梓「そっ!!そんなことできるわけないじゃないですか!!」

澪「でも言葉がない分、誤解も受けるだろうけど、伝えたいことが動作だけで正確に伝えられたら凄いよなぁ~」

梓「そうですねぇ~。言葉の壁がない分、本質の部分で世界中の人と共感できるかも知れませんね。」

梓「そういえば、ジョン・レノンが歌舞伎か文楽を見て言葉がわからなくても感動して泣いたって話を聞いたことがあります。」

澪「目の前の二人を見て感動する人はだれもいないけど…人形の動きだけの芸能って世界中にあるから…」

紬「原点よね!!」

梓(説得力がありそうだけど、二人とも無茶苦茶な言ってるして…)

コンコン(ドアをノックする音)

紬「あっ、ハーイ!!開いてますからどうぞぉ~」

9: 2012/07/21(土) 17:09:04.72 ID:AReK8ATW0
和「お邪魔します。」

…相変わらず奇妙な動作をする律と唯を見て…

和「何してるの?あの二人」

澪「あ~あれ?いつもの事の延長だよ」

和「あっそ、じゃあいいわ」

紬「和ちゃんがこの時期に来るのは珍しいわね?」

澪「なんか不始末があったのか?」

和「今日は軽音部の話じゃなくて、クラスの方の話なのよ。」

澪「へ?クラスの話?」

紬「私達、クラスでなんか悪い事でもしたの?」

和「そうじゃなくて、学園祭のクラスの催し物の事よ」

紬・澪「学園祭?」

和「3年生って優先的にコーラスとか劇とかができるじゃない?」

和「もしコーラスに決まったら軽音部に指導してもらおうかな?って思って」

澪「なーんだ」

紬「良かったぁ~」

澪「そんなことはお安い御用だよ。」

紬「コーラスだけじゃなく、劇とかでも協力するわ!!」

和「ありがとう。それを聞いて安心したわ。」

和「正直、私たちのクラスは運動系が多いから学園祭での催し物って不安だったんだけど、最後なんだからみんなの思い出にしたいのよ。」

和「体育祭は信代や姫子達にお願いしているから、学園祭は引っ張ってね。」

澪・紬「了解!!」

梓(…あっ?先輩達っていいなぁ~。私も来年は憂や純と一緒のクラスになって同じようなこと言われたいなぁ…)

10: 2012/07/21(土) 17:26:21.73 ID:AReK8ATW0
律「えっ?和が来てたの?」

梓「気が付かなかったんですか?」

唯「いやぁ~、律ちゃんがタルトが小さいって文句を言ってくるからさぁ~」

唯「大きさでケチをつけられたら負けられないでしょ!!」

梓(ムギ先輩!!想像どおりでしたね)笑

澪「でも私達にできることとしてはコーラスの指導程度かな?」

律「まぁ、まだ先のことだし、決まってから考えればいいんじゃない?」

唯「そうそう」

唯「でさぁ?」

唯「私たちの『秘すれば花』ってどうだった?」

梓「えっ?」

律「名演技だっただろ?」

梓「そ、それは…」

紬「良かったわよ!!まるで手に取るようにタルトの大きさ争いがわかったもの!!」

梓「そ、そうです!!そうです!!律先輩は欲張り過ぎで、唯先輩はもっとコストを意識するべきです!!」

唯「そっかぁ~、私がお菓子屋さんには向かないのかな?」

唯「お菓子は食べる方が良いよね!!」

律「そうそうお菓子は食べるものであって、売るものじゃない!!」

澪「でも、今の二人を見てて思ったんだけどさぁ、日本には本当にいろいろな演技があるんだなぁ~って思ったよ。」

梓「落語は一人芝居ですね。」

律「能は仮面劇だし。」

澪「狂言は喜劇だし。」

紬「歌舞伎なんか、男性が女性役をやっているのに全然気持ち悪くないし。」

紬「逆に、女性よりも女性らしい人もたくさんいるし。」

唯「そう考えると、日本ならコーラスなんかよりも劇の方が圧倒的に歴史があるってこと?」

紬「そうねぇ。今の合唱は明治以降だし。」

律「でも歴史のある芸能って男性だけじゃないか?」

律「たとえば能にしても歌舞伎にしても舞台にあがれるのは男性だけだし…」

澪「でも歌舞伎の始まりは『出雲の阿国』って女性だろ?」

律「だとしても、実際には歌舞伎では男性しかいないじゃん!!」

11: 2012/07/21(土) 17:40:42.22 ID:AReK8ATW0
唯「おいしいところは男性が持っていくって事?」

澪「うーん…どうなんだろ?」

澪「やっぱり女性ってさぁ、出産で中断が発生するから仕方ないところがあるんじゃないかな?」

唯「え~!!それって差別じゃないの?」

澪「差別かどうかなんてわからないよ。だって私は結婚もしたいし、子供も欲しいし、子供を育てるって大変だと思うし…」

律「男性も出産すべし!!」

梓「そんな無茶苦茶な!!」

紬「あら?そんなことはないわよ。」

紬「今の幹細胞技術を応用すれば男性も妊娠出産できるようになるのよ!!」

澪「それって冗談?それとも本気?」

紬「もちろん後者よ。琴吹コンツェルンのとある研究所を訪れたら、子供を産むオスのマウスがたくさんいるわよ。」

律「それは見たくない!!」

澪「右に同じ」

唯「私も同じ」

梓「私も」

紬「ねぇ~。女の子の特権を男の子に取られたら悔しいじゃない!!」

紬「でも、市場的には結構需要があるんで研究してるんだって」

紬「ともあれ、話を戻しましょ!!」

紬「歌舞伎が凄いのは男性しか舞台にあがらないことなの。」

紬「世界で唯一じゃないかしら?琴吹家が呼ぶ海外のVIPは大抵『歌舞伎』を観てみたいっていうそうよ」

澪「でも歌舞伎って日本人でもそうそう観ないんじゃないか?」

梓「私は観た事ありません。」

律「同じく」

唯「同じく」

澪「私も…同じく」

12: 2012/07/21(土) 17:56:40.93 ID:AReK8ATW0
紬「じゃあ。一度観る?招待してあげる。」

澪「でも、服装とかいろいろと格式があるんじゃないのか?」

紬「高校生なら高校生で観ればいいのよ。ちょっと座席は舞台から離れるけど制服で大丈夫よ。」

律・唯「決定!!」

梓「私もいいですか?」

紬「もちろん!!」

…観劇後…

唯「なんだろね?」

律「うん。なんだったんだろ。」

梓「正直、予備知識がなかったらさっぱりでした。」

澪「そうだな、でも流れはきれいだったよな。」

唯「それに女優さんが綺麗だった!!」

梓「あの~歌舞伎は全員男ですよ。」

唯「え~!!あれだけ綺麗なのに男性なの?」

澪「女性よりも女性らしいってところが凄いなぁ~」

一同「うーん」

唯「でもさぁ」

唯「感動したよね?」

唯「話はよくわからなかったけど感動したよね?」

律「そうそう!!なんでかわからないんだけど感動したした!!」

澪「大げさな動きなのに、心情が細かく描かれてるって私は感じたよ。」

梓「たぶん、女性役の人が男性だからこそ、私たちが気が付かないことを演技で表現してたんじゃないでしょうか?」

澪「歌舞伎かぁ~」

唯「放課後曽根崎心中!!」

梓「もうそのパターンは良いです。」


13: 2012/07/21(土) 18:08:18.32 ID:AReK8ATW0
唯「歌舞伎って良かったよね~」

律「うん!!もう放課後○○○は卒業して放課後団十郎にしようぜ!!」

梓「それはちょっと…」

澪「でも、感動したよな。ムギに感謝だよ。」

紬「そこまで喜んでもらったら光栄だわ。」

紬「でも、この前観た歌舞伎は元々人間ですらない人形で上演したものなのよ。」

紬「人形ですら評判になったんだから人間が演じたらってことから始まったようなの。」

唯「でもさぁ~」

唯「男の人しか舞台に居ないのに、なんでそれを感じなかったんだろ?」

唯「なんか男の人の方が得な気がして悔しいよ…」

紬「唯ちゃん!!」

紬「確かに歌舞伎はそうだけど、女性だけの特権も今の日本にはあるわよ。」

澪「それって、あれか?」

紬「そう!!あれあれっ!!」

梓「宝塚?」

紬「正解!!」

紬「歌舞伎ほどの伝統はないけど、宝塚歌劇は女性だけの舞台!!」

唯「聞いたことはあるけど、観たことはないや」

紬「歌舞伎ほどの格式はないけど、熱狂度で言えば宝塚の方が凄いんじゃないかな?」

梓(…実は私…塚ファンなんだ…)

紬「今度は宝塚を観てみない?」

梓「はいっ!!」

14: 2012/07/21(土) 18:31:24.63 ID:AReK8ATW0
…観劇後…

梓(ムギ先輩ありがとうございます!!、眼福そのものでした)

唯「ねぇねぇ、本当に女性だけなの?」

紬「えぇそうよ!!」

律「歌舞伎と違って話もわかりやすかったし、ウチらにはちょうどいいって感じだったな?」

澪「そうだな…それに男役の人の色気って凄かったなぁ~」

紬「女性が演じる男性って、魔性そのものよね?」

紬「澪ちゃんにはそれがあると思うわ。」

梓「そうです。澪先輩にはあります!!」

紬「あと8センチ背が高ければ、澪ちゃんは宝塚の大スターよ!!」

澪(…真っ赤に照れて…)

…実は HTT 以外にも招待されていた人が…

和「今日はムギに感謝しないとね!!」

憂「そうだね。和ちゃんと宝塚を観るのはずーっと夢だったんだから!!」

和「でも、不思議よねえ塚ファンが身近に二人も居るのに唯は無関心だったんだから…」

憂「でも、おねぇちゃんはそれでいいのよ。「ちょっと憧れの男役」っぽいおねーちゃんが私の大好きなおねーちゃんだし」

和「うふふ、憂らしいわね。」

和「でも、これで悩み事が1つ減ったかな?」

憂「和ちゃんなにか悩んでたの?」

和「うーん…深刻じゃないけど学園祭の催し物の事。」

和「コーラスか劇がって悩んでたけど、やっぱり劇にするわ!!」

憂「宝塚みたいな劇?」

和「だって女子高だもん」

憂「だったら澪さんが男役のトップになって欲しいなぁ~」

和「それは当然でしょ。」

憂「でも娘役は…」

和「残念ながら唯はなれないわね」

憂「だよね~」

憂「澪さんの相手は紬さんか律さん!!」

憂「和ちゃんもいいけど、和ちゃんはまとめ役だもんね。」

和「そうなのよ。でも私も男役トップを演じたい気持ちはあるわよ!!」

憂「わかってるよ。でも無理なんだよね。」

憂「無理が通るなら、娘役は絶対に私だよ!!おねぇちゃんにも譲らない!!」

和「うふふっ!!わかってるわよ。私の相手は唯じゃなくて憂!!」

憂「わぁい!!」

憂「でも澪さんの相手って難しいね。」

和「そうなのよ。幼馴染も含めて律が良いんだけど。」

和「見た目のバランスだと…」

憂「紬さんですよね?」

15: 2012/07/21(土) 18:40:44.42 ID:AReK8ATW0
和「でもムギは絶対にフロントには立たないのよ。」

憂「紬さんらしいですよね。」

和「まぁ、私の政治力ってところかしら…」

憂「和ちゃんなら、みんな納得できるところに落ち着くんじゃない?」

和「そうねぇ。」

和「とりあえずムギを裏方に回せば万事うまくいくんじゃないかな?」

憂「紬さんは別格としても、律さんよりも綺麗な人もいるけど…大丈夫?」

和「憂の言うとおりだけど、みんな運動系クラブなんで、体育祭で頑張ってもらうから大丈夫!!」

憂「そっか!!さすが和ちゃんだね。」


16: 2012/07/21(土) 18:42:57.21 ID:AReK8ATW0
…数か月後…

和「ではロミオ役は秋山澪さんに決定です。」

律「おーい。澪!!頑張れよ」

和「で、ジュリエット役は田井中律さんに決定」



世の中、なにがどう作用するなんてだれもわかりません。

終わり

引用元: 放課後○○○!!