1: 2014/05/27(火) 22:09:34.33 ID:F/sBch7h0

――とある世界、とある国に、

それはそれは綺麗なお姫様がいました。

そのお姫様は不思議な力を持っていました。

夢の世界を覗きこめる、不思議な力を……。



※みじかい。あと、ヘレンさんのステマやめました。
2: 2014/05/27(火) 22:10:26.88 ID:F/sBch7h0

お姫様は夢の世界の出来事をいつも楽しそうに見ていました。

でも、今日はその姿が見当たりません。

お姫様は覗いていた夢の世界に閉じこめられてしまったのです。

お城の中は大騒ぎになりました。


3: 2014/05/27(火) 22:11:03.21 ID:F/sBch7h0

王様は夢の世界にむかって呼びかけました。

お姫様を返してくれと。

夢の世界から返事がありました。

お姫様は帰りたくないといっていると。


4: 2014/05/27(火) 22:11:37.10 ID:F/sBch7h0

お姫様は自分から夢の世界に飛びこんだのです。

自分の意思でその世界にいることを決めたのです。


5: 2014/05/27(火) 22:12:33.69 ID:F/sBch7h0

夢の世界は、時の止まった世界

ずっとその世界にいると、お姫様がどうなってしまうかわかりません。

王様は困ってしまいました。


6: 2014/05/27(火) 22:13:23.06 ID:F/sBch7h0

しばらくして、お姫様は『色』を失いました。

灰色になってしまったお姫様

それでもお姫様は夢の世界の中から出ようとはしませんでした。


7: 2014/05/27(火) 22:14:08.50 ID:F/sBch7h0

ある日、そんなお姫様の前に不思議な男があらわれました。

その男はいいました。


ここに君の未来はあるのかい?

ここに君の『色』はあるのかい?

元の世界をもう一度見てごらん。


8: 2014/05/27(火) 22:16:39.98 ID:F/sBch7h0

最初、お姫様はその声を無視していました。

でも、その男は何度も何度も繰り返し呼びかけつづけたのです。

お姫様は仕方無く元の世界を覗きこんでみました。

……そこには『色』鮮やかな世界が広がっていました。

お姫様は目を奪われました。

『色』を失ったお姫様は『色』に憧れたのです。

しかし『色』を失った人間は、『色』のある元の世界には戻れません。


9: 2014/05/27(火) 22:17:29.81 ID:F/sBch7h0

男はいいました。


望むのなら、君に『色』をあげよう。

君が鮮やかに輝ける『色』を。

そして、君を元の世界に送りだそう。


男の正体は、世界を旅して『色』を与える魔法使いだったのです。


10: 2014/05/27(火) 22:18:15.27 ID:F/sBch7h0

魔法使いは続けていいました。


でも、気をつけてほしい。

君にあげる『色』は一時的なもの

近いうちに失われるだろう。

だから、その前に自分の『色』を見つけるんだ。

輝く努力を続けるんだ。

君はそれができるかい?


お姫様はうなずきました。

輝くことを心に決めて、お姫様は元の世界へと飛びたったのです。


11: 2014/05/27(火) 22:19:27.76 ID:F/sBch7h0

――その後、お姫様は自分の『色』を取りもどしました。

そして、前よりもずっとずっと輝けるようになったのです。


――夢の世界とは、本の中の世界のこと

本の中の世界から飛びだしたお姫様は、今も輝いています。


――

加蓮「おしまい」

仁奈「仁奈もお姫様の気持ちになりてーですよ」

泰葉「『色』……ですか……」

加蓮「泰葉も気になる?」

泰葉「はい。……仁奈ちゃん、このノートどこから持ってきたの?」

風香「あ、それ私のノートです」

加蓮「風香のだったんだ」

風香「はい。文香さんに小説の書き方を教えているうちに、ちょっとこういうものも書きたくなって……」


12: 2014/05/27(火) 22:20:28.43 ID:F/sBch7h0
――

そもそものはじまり


文香「あの……小説の書き方……教えてもらえませんか?」

風香「え……わ、私がですか!?」

文香「はい……ご迷惑でなければ……」

風香「め、迷惑だなんてそんな……ご、ごめんなさいっ!」ペコペコ

文香「いえ……こちらこそ……突然頼んでしまって……」ペコペコ

風香「あれ?……私達、謝ってばかりですね……」


13: 2014/05/27(火) 22:21:13.44 ID:F/sBch7h0

興味


文香「書きたいものが特にあるというわけでは……。ただ、自分で表現をしてみたくて……」

風香「それなら興味あることを書いてみたらどうですか?」

文香「興味……あること……」ジー

風香「 (机の下を見てる……?) 」


14: 2014/05/27(火) 22:22:05.45 ID:F/sBch7h0

机の下


輝子「フ……フヒ……?」

文香「あの……キノコのこと……教えてもらえませんか?」

輝子「……」

文香「……」

輝子「ヒィヤッハー!!!!」

文香「!」ガンッ

輝子「ご、ごめん……テ、テンションあがりすぎた……ちょ、ちょっとまってて……」

文香「あう……」アタマイタイ

輝子「こ、これ……氷枕……」

文香「あ……ありがとうございます」


15: 2014/05/27(火) 22:23:03.54 ID:F/sBch7h0

キノコ


文香「キノコのことを……絵本のように書こうと思います」

風香「うん、かわいらしいお話になると思います」

文香「……擬人化されたキノコを食べようとする菲菲さん……これも一種のカニバリズムでしょうか……?」

風香「ま、まって!文香さん!絵本っぽくするんですよねっ!?」


16: 2014/05/27(火) 22:24:05.90 ID:F/sBch7h0

再び机の下


輝子「フ……フヒ……?」

文香「あの……キノコちゃんのこと……書いてみました」

輝子「……」

文香「……」

輝子「ヒィヤッハー!!!!」ガンッ

文香「!」ガンッ

輝子「あうぅぅ……」アタマイタイ

文香「あう……」アタマイタイ

風香「あ、あの、氷枕、二つ持ってきました」


17: 2014/05/27(火) 22:25:17.13 ID:F/sBch7h0

気持ち


風香「このお話は……」

文香「はい……私自身の今の思いを書き残しておきたくて……」

風香「……今度、文香さんに沙織さんを紹介しますねっ!」

文香「沙織さん……?奥山さんのことですか?」

風香「はいっ!きっと仲良くなれますよ!」

――

風香「ということがあったんです」

泰葉「そうですか。文香さんが……」

仁奈「仁奈も文香おねーさんのお話、読ませてもらったことあるですよ!」

加蓮「そうなの?どんな話だった?」

キノコの気持ちになるですよ!

キノコの気持ち?



その時、机の下では

文香「 (……恥ずかしくて……ここから出られません) 」


つづかないよ……フヒヒ……え?ふ、文香さんと一緒に、ず、ずっといましたけど……


18: 2014/05/27(火) 22:26:08.22 ID:F/sBch7h0

おしまいです。

お姫様のお話といえば風香さんだと思います (※あくまで個人の感想です)


過去に書いたもの

【モバマス】わたしはキノコ

【モバマス】ブサイクなボクと、カワイイボク

【モバマス】アヤカシ 第一話『病弱な少女と思い出のキグルミ』

(アヤカシにレスくれた方、レスできなくてごめんなさい。つづきはかきます)


以上になります。ありがとうございました。


19: 2014/05/27(火) 22:34:53.75 ID:p5sCiFpT0
おつー

引用元: 【モバマス】いろをなくしたおひめさま