1: 2012/08/03(金) 00:01:03.49 ID:OmupaXtDO
ほのぼの


2: 2012/08/03(金) 00:02:08.37 ID:OmupaXtDO

梓「はぁ~外冷えるな、今日は。マフラー巻いて来て正解だ」

梓「ぬくい家で勉強したかったけど、今日はお父さんのバンド仲間が遊びに来るって言うからしかたないね」

梓「音楽の話を聞かせてもらいたくなって勉強に集中できないのがなー。むったんについつい手伸ばしちゃうし」

梓「図書館は暖房効いてるといいな」

梓「あれ? あそこにいるのって」


幼女「おいしい! ありがとーすみれおねえちゃん!」

菫「バイバーイ!」

梓「菫!」

菫「ヒャイっ?!」

菫「あ、あずさ先輩!? こんにちは~…」

梓「ゴメン驚かせた?」

菫「いえ、その、驚いたというかびっくりしたというかっ」

梓「意味同じだし」

菫「それもそうですねアハハ…」

梓(スッゴイ挙動不審なんだけど……)

3: 2012/08/03(金) 00:03:49.65 ID:OmupaXtDO

梓「さっきの娘はどうしたの?」

菫「あ、あの娘はたまたま、道に迷ってたところをたまたま出会っただけで、決して変なことはしてません!」

梓「そんな意味で私言ってないよ!?」

菫「ですよね~…」

梓(もしかして私ってそういう妄想をしやすい人だと思われてたりするのか……)ズーン

菫「せんぱい?」

梓「あぁ…別になにも」

梓「でもそっかー。だから菫は道案内してあげてたんだ? エライ!」

菫「はいそんなところです。ちょうど家のお使いで通る道だったので、ついて来てもらいました」

菫「梓先輩は塾ですか? 手荷物が通学かばんだけのようですけど」

梓「ううん図書館。勉強しに行くのは合ってるよ」

菫「大変ですね受験……応援してます」

梓「ありがとう」

梓「にしても寒くない? 最近わたし寒気がひどくて、今日みたいに冷え込む日が続いて風邪引かないと良いな」

梓「受験期に風邪でノックアウトしてたら時間もったいないし。菫も、風邪引かないようにね」

菫「はい。実はお嬢様ほどではないけど、私も風邪には強い方なのでたぶん大丈夫です!」フンス!

梓(そういや皆でさわ子先生から風邪もらったときになぜかムギ先輩だけ無事だったな)

4: 2012/08/03(金) 00:05:10.52 ID:OmupaXtDO

菫「あのー…」

梓「あっゴメンそろそろお別れしよっか? 寒い中立ち話もなんだし、また明日部活の時間に話そ」

菫「その部活のことで……せっかくなので今聞きたいことがあって」

梓「?」

菫「ずっと先輩方に迷惑かけてる気がしていて……。学園祭を終えて受験勉強してる先輩達の傍らで私、ドラムをバシバシ叩いてますし、個人授業まで…」

菫「先輩達の時間を奪ってる感じを抱いてしまいます」

梓「あー、それ私も通った道だ」

菫「えっ…?」

梓「菫が心配することじゃないってこと! 部室を使わせてもらってるのは引退した私達三人だし。個人授業だって私達が勝手にやりたくてやってることだし。菫のドラムは良いBGMになる」

梓「それにこれでも私、N女の判定Bだし! 成績のことならぜんぜん気にしなくていいから」

梓「だから私達に変に気遣わないでじゃんじゃん叩いて。ね?」

菫「あ、ありがとうございます!」

梓「じゃそういうことでサヨナラ~」

菫「あっお礼に飴ちゃん差し上げます! 手出してください!」

梓「なんで飴!?」

5: 2012/08/03(金) 00:05:47.34 ID:OmupaXtDO

つぎのひ!



梓「昨日は先輩らしいこと言えたからか、気分が凄く良いな~。純のいつもの悪態だってそこのけそこのけよ」

梓「その純は今日お兄さんと、憂は家族と用事があるらしいし、部室で一人で勉強するくらいなら帰ろうかと思ったけど」

梓「昨日菫にあんなこと言い切ったばかりだし、可愛い後輩の面倒をみようじゃないの」フンス!

梓「こんにちはー……て菫だけ?」

さわ子「失礼ね! わたしも居るわよ!」

梓「すいません背景と同化してて気づかなかったです」

菫「直ちゃんは学校を欠席してます。風邪を引いた弟達の面倒をみるってメールで」

さわ子「すみれちゃんお茶はやく~」

菫「はいただいま」

梓(はぁ…唯先輩、将来教師になりたいって言ってたからな……こんな人にならないように、これからも言い聞かせないと……)

6: 2012/08/03(金) 00:06:57.81 ID:OmupaXtDO

梓(ん? お茶といえば、去年のこの時期はたしか……)

梓(丁度良いや。先輩らしさをさらに磨くチャンス)

梓「スミレ! 今日は私がお茶入れるよ!」

菫「えっえぇ?」

さわ子「なら丁度良いわ梓ちゃん。去年ノリノリで着てくれたミニスカフリルメイド服がまだここに~」

梓「着ませんからね?」ピキッ

梓「フッフッフッ。実は去年ムギ先輩にギター教えるお礼にと、お茶の入れ方を教わっていたんですよ!」

さわ子「あらそうだったの(料理オンチな梓ちゃんでも、ムギちゃんの加護があれば毒味は要らないか)」

菫「いいなー…お嬢様…手とり足とり……はぅ」

梓(あれ…反応薄い……)

7: 2012/08/03(金) 00:07:44.81 ID:OmupaXtDO

さわ子「味薄っ」

梓「えっウソ!?」

梓「そんな……うわっ苦い…。ムギ先輩の教えを忘れてる!?」

菫(茶葉の蒸らしが足りてないんだ……。これをうちの旦那様に出したらまず無事じゃいられない……この間、長い家訓を十回も斉唱させられたしッ…)

梓「うぅ…ごめんねすみれ。先輩らしいとこを菫に見せたかったのに。私にはお茶は無理なのかな…」

さわ子(見えっ張りなのかと思うと途端に素直になるんだから)クスクス

菫「わ、わたしはわるくないと思いますよセンパイ!」

梓「…へ?」

菫「すこし失敗しちゃっただけでだいたい合ってるはずです! 梓センパイの入れ方を見てたら、なんだか小さなお嬢様を見てるような気がしました!」

菫「だいじょうぶ! もう一度やりましょうセンパイ! こんどは私も付いてますから!」

菫「…梓先輩さえよかったら、ですけど」ハワワッ

梓「…うん! 私やるよ! 教えてスミレ!」

菫「ハ、ハイ!」

さわ子「傍から見てると、失敗を落ち込む後輩と慰める先輩ね。背丈的に」

梓「……今屈辱的なこと言われた気がする」ギロッ

さわ子「や、やあねー身長なんか関係ないに決まってるじゃない」

8: 2012/08/03(金) 00:08:35.35 ID:OmupaXtDO

さわ子(後輩に良いとこを見せたくて空振りしちゃう梓ちゃんはもう見慣れてるけど)

さわ子(後輩に励まされる梓ちゃんはレアよね~。学園祭のときの菫ちゃんは良かった)

さわ子(直ちゃんはすこし梓ちゃんをいじる側に変わったか)クスクスッ

さわ子(まあ、いいのよ。そうやって旧若葉ガールズ内の友情が深まっていくのを、そして梓ちゃんたちの卒業をこの目で見届けてれば)

さわ子(そして来年もまた……――)

さわ子(ハハハッ。さてさて、私らしくないこと考えてないで)

さわ子(己の欲に従いましょうか)キヒヒヒッ


菫 < まずこういうことは形から入りましょう! メイド服に着替えてください先輩!

梓 < そこまでやるの…?


さわ子「ヘイユー! 服のことならあたしに任せなさいア・タ・シ・に!!」

梓「呼んでないし絶対にあの際どいメイド服は着ませんからね!?」

さわ子「いいじゃないのケチィー」

菫「ふ、ふつうのでいいですから。ね、先輩?」

梓「…菫がそこまで言うなら……着替えは倉庫でするから。誰かさんの目が届かないように」

さわ子「先生相手に酷い言い様ねぇ」

菫(やった!)

9: 2012/08/03(金) 00:10:13.02 ID:OmupaXtDO

数十分後。



さわ子「うん美味しい、合格ね」

梓「ほんとうですか!?」

菫「おめでとうございますセンパイ!」

梓「やったーできた!!」

梓「…ハッ」

梓「あーコホン、なんとか様になるくらいには出来る気がするわ」

さわ子「もっと喜んだらどうなのー」ニヤニヤニヤ

梓「黙っててくださいッ」キッ

梓「ありがとう菫。おかげで助かったよ」

菫「いえいえ、わたしは頑張る梓先輩にすこし助言しただけですよ」

梓「次こそは一発で成功させてみせるから、楽しみにしてて!」

菫「はい、お待ちしてます♪」ナデナデ

梓「んなっ撫で…!?」

菫「あ、すいません。つい」

梓「…………」

菫「あの…怒ってます…?」

梓「うわ~~~ん!! わたしはセンパイなのー!!」ギューッ

菫「ほわぁ!?!?///」

さわ子「抱きつくのも先輩の仕事?」

さわ子「つくづく唯ちゃんの影響受けてるわね梓ちゃんは……、てあら? ムギちゃんからメール?」

ムギ『スイマセン(キラキラ)部室の様子を一枚(笑顔)写メしてもらえませんか(お犬様)(サクランボ)(はーと)』

さわ子(やっぱりこの娘エスパーなんじゃないかしら…)タイミング ヨスギ


さわ子 < それにこんなに絵文字使う娘だったかしらムギちゃん……まさに今時の若い娘って感じぃ~?

11: 2012/08/03(金) 00:12:52.29 ID:OmupaXtDO
その深夜、直宅。



菫「ねえねえ、直ちゃんの弟くん一人くれない? 四人もいるし♪」

直「だーめっ。誘拐は犯罪」

菫「ざんねんだなー。琴吹家流のもてなすし優しくするのに。飴ちゃんあげたら付いてきたりして」

直「せいぜい看病だけにして。感謝してるから」

直「ホント意外。菫が初めて家に来てくれた時に気づくべきだったのかもしれないけど」

直「菫に幼児(体型)趣味があるなんて」ジトーッ

菫「だ、だめ?」アセアセ

直「ダメとは言ってない」

直「ただ梓先輩に知られないようにしときなよ。あの人、自分の身体にコンプレックス持ってるっぽいし(けいおん部員でいちばん貧相だし)」

菫「かわいいよね~そういうところド・ストライク!! 悔しそうに見上げてくるのがも~~~~!!!」ゴロゴロゴロゴロ

直「静かに。近所迷惑」

12: 2012/08/03(金) 00:13:21.05 ID:OmupaXtDO

菫「こ、断っとくけど、梓先輩の良いトコは小さいだけじゃないからね。背伸びするトコとかいじけるトコとか怒ってるときとか」

直「うん全くフォローになってない」

菫「なんといってもアレ! 年上もイイってことを身体で教えてくれたこと!」

直「その表現はイロイロ危ないからやめなさい」

菫「そうそう、先輩が一年生の頃は今よりもっと怒ってたんだって」

直「ふーん。じゃ今は丸くなった方なんだ」

菫「うんうん。とくにね、梓先輩にとって初めての文化祭は大失敗だったらしくて。憂先輩のお姉さんにそうとうキレてたそうでね」

直「ふしぎ、この話の流れで聞くと怒る梓先輩がぜんぜん恐くない」

菫「でしょ?」

直「冗談」

直「そういえば昔の梓先輩のことあまり知らないかも。その話誰に聞いたの? 梓先輩じゃないだろうし」

菫「ふふふふっ、それがね、なんと! 憂先輩のお姉さん!」

直「へー」

13: 2012/08/03(金) 00:14:00.27 ID:OmupaXtDO

直「いつ知り合ったの?」

菫「たまたま憂先輩の携帯で話す機会があってね。スッゴイ面白い人だよ」

菫「なにかのご縁だからってことでメルアドまで交換しちゃって~♪ 最近は毎日あずにゃんトークしてるんだ~」

直「すみれ・・・」

菫「はっ、あずさセンパイについてトォクするとこもあるってだけ///」

直「わたしの知ってる菫はどこに消えたんだろう」

菫「ほらほら! 見てこの受信メール! 憂先輩のお姉さんだからやっぱりただ者じゃないオーラを感じる!!」

直「うわあ…宛名が師匠…うわあ本気だこの子……」

菫「そしてほらこの写真! さっき話した学園祭で演奏する浴衣にゃん!」

直「お姉さんと大層気が合うようでヨカッタッスネ……」

菫「あとついでに送ってもらった着ぐるみにゃん(とその先輩達)」

直「イッツソーシュール…って恐い!?」


おしまい!!!

14: 2012/08/03(金) 00:29:36.73 ID:w6Isfp19o
京阪電気鉄道スレときいて

19: 2012/08/05(日) 04:38:56.11 ID:Pttg2qtpo
けいはん!ってなんだったんだ

引用元: 菫「けいはん!」