1:◆ZDnQS3y4DE 2018/11/26(月)00:00:42 ID:aW6
今日はカワイイボクのカワイイ誕生日!

今ボクはプロデューサーさんに呼び出されて事務所の最寄り駅で待機してます。

普段からカワイイボクですが今日は更に気合を入れておめかしして出てきました。

きっとプロデューサーさんもカワイイって褒めてくれるはずです!



……まあ、あの人のことですからきっとドッキリで

そのまま何かのロケに連れてかれるんでしょうが、

そのくらい予想ができる程度にはあの人は前科があります。
アイドルマスター シンデレラガールズ ビジュアルファンブック
4: 2018/11/26(月)00:28:08 ID:aW6
ボクがスタッフさんたちと遭遇した時のリアクションを考査していると

後ろから急に声をかけられました。

まゆ「……幸子ちゃん?」

声をかけてきたのは同じ事務所の同僚でした。なにか嫌な予感がします。

幸子「まゆさん?どうしてここに?」

ボクがそう返事をすると同時にボクのスマホにメッセージが入りました

P :すまん、まゆの相手してくれ

幸子「…………うわぁ……。」

5: 2018/11/26(月)00:28:52 ID:aW6
まゆ「……いえ、幸子ちゃんがここにいた時点である程度はそんな気がしてました、してましたが……」

すごく気合の入ったおしゃれをしたまゆさんはその場でうずくまってしまいました。

どうやらプロデューサーさんとデートの約束をしていたそうです。

プロデューサーさんは普段からよくボクにまゆさんを押し付けますが、

事前に準備をしてまゆさんとの約束をすっぽかすなんてことはいままでありませんでした。

ボクは彼に怒りや呆れを通り越してその人間性に恐怖を覚えます。

幸子「まゆさん、ボク、見たい映画があるんですが、つきあってもらえませんか?」

それなら、ボクがまゆさんを楽しませましょう、

ボクのほうがプロデューサーなんかよりもまゆさんのことを理解しています。

ボクの次にカワイイまゆさんをこんなひどい扱いをするプロデューサーさんにもう遠慮なんかしません。

6: 2018/11/26(月)00:29:33 ID:aW6
まゆ「あの……なぜこの映画を?」

映画を見終わったあと、まゆさんがボクにたずねました。

大体予想どおりの反応で少し嬉しくなります。

幸子「まゆさんこの映画、気になってたでしょ?」

まゆ「はい、ですが、幸子ちゃんに話しましたっけ?」

幸子「いいえ、でも前情報見てまゆさんなら見たがるかなと。」

実際にはまゆさんが雑誌を読んでるときにめくるのが遅くなったページを確認して、

まゆさんのスケジュールと公開日から初見であることを確認しただけなんですが。

まゆ「はい、前から気になってたのでちょっとびっくりしちゃいました。」

まゆさんの嬉しそうな反応をみて確かな手ごたえを感じました。

幸子「お昼時も過ぎましたしご飯行きましょうか。」

今日のデートはまゆさんを存分に楽しませることができそうです。

7: 2018/11/26(月)00:30:26 ID:aW6
入ったお店は個室の座敷席のお蕎麦屋さん、本格的な十割そばを食べられるお店なのですが、

それ以上においしい和風のデザートを出すことで有名だったりします。

ボクとまゆさんはお蕎麦をいただいた後、デザートにそれぞれ金時と抹茶のパフェを注文しました。

まゆ「幸子ちゃんはこのお店に何度か来たことがあるんですか?」

幸子「はい、以前一度だけ。」

実際にはこういう日のためにチェックして下見していたお店の一つだったりします。

もちろんこのお店のもまゆさんが気にしてたのは把握済み。

こちらは加蓮さんと談笑してた時に反応がよかったのを横で聞いていました。

8: 2018/11/26(月)00:31:04 ID:aW6
幸子「こっちの金時のほうもおいしいですよ?」

ボクはまゆさんに小豆餡とバニラのアイスを乗せた匙を差し出します。

まゆ「え、幸子ちゃん、ここお店ですよ?」

幸子「いいじゃないですか、こういう時のための個室なんですから。」

まゆ「そ、それじゃあ遠慮なく…。」

女の子同士なのに意識してくれてるのがうれしくて、少しイタズラをしたくなりました。

まゆさんがくわえた匙でパフェをすくって口に含みます。

幸子「これで間接キスですね。」

まゆさんがカーっと赤くなるのがわかりました。

ふだん振り回されることが多い立場なのでこういうのは新鮮だったりします。

ボクは机に手をついて乗り出しまゆさんの頬にてを当てます。

幸子「間接キスでこれだと、直接キスしたらどうなっちゃうんでしょうか。」

まゆ「ちょ、ちょっと待って幸子ちゃん!」

ぎゅっと目をつぶったまゆさんの顔を堪能してボクは引っ込みます。

幸子「……冗談ですよ。」

まゆ「……幸子ちゃんひどいです。」

幸子「まゆさんカワイイ。」

まゆ「……もう。」

そう返すまゆさんが満更でもなさそうなのを見てボクは満足しました。

9: 2018/11/26(月)00:32:20 ID:aW6
そのあと僕たちは近場で東京観光を楽しみました。

案外東京で働いてても東京の観光地を見ることなんてほとんどなかったりします。

こちらもまゆさんが気になっていた場所をチョイスしています。

まゆ「幸子ちゃん、もしかしてプロデューサーさんとグルだったりしません?」

幸子「いいえ、どうしてですか?」

まゆ「即興にしてはあまりにもまゆの好みの場所ばかりだったので、事前に準備してたんじゃないですか?」

幸子「確かに準備はしてました。でも全部ボクが自分で集めた情報でセッティングした場所です。」

幸子「もちろん今日はプロデューサーさんのドタキャンが原因ですので予約が必要な場所は外していますが、案外即興でもこれくらいのエスコートはできるんですよ。」

まゆ「でもまゆは今日回った場所のことを誰かに話した覚えはありませんよ、この水族館なんてまゆだって忘れていたんですよ?」

幸子「まゆさんのマネをしたんです。相手の一挙一動に注意を払っていれば、自ずと相手が何を求めているのかもわかっているものですね。」

幸子「ここもまゆさんと奏さんが話してるのを覚えてたんです。」

普通ならこんなことをされたらドン引きするでしょう。

ですがボクはまゆさんが純粋なアプローチとしてこのような行動をとっているのを知ってます。

なら、同じことをすれば、きっとまゆさんは喜んでくれる。そう確信していました。

10: 2018/11/26(月)00:33:17 ID:aW6
まゆ「幸子ちゃんはずっとまゆのこと見てくれてたんですね。」

幸子「ええ、ずっと見ていますよ。あなたはボクの次にカワイイですからね。」

さて、もう夕方です。11月の5時なんて既にお日様が沈み切って街燈がなければ真っ暗な時間帯です。

未成年の二人歩きにはあまり向いてないでしょう。

幸子「そろそろ帰りましょうか。大人のデートには早すぎますが子供のデートにはちょうどいい時間でしょう。」

まゆ「幸子ちゃん、良ければ最後に幸子ちゃんが行きたい場所に連れてってもらえませんか?」

幸子「ボクがいきたいところですか?」

まゆ「幸子ちゃんはまゆの好きなこと行きたいところを知っているのにまゆが幸子ちゃんが行きたいところがわからないのは寂しいです。」

そういうことなら、と、ボクはスマホで当日予約ができるのかを検索します。

帰りが遅くなりますが、その時はプロデューサーさんに迎えに来させればいいし、最悪タクシーで帰ったってかまいませんし。

14: 2019/03/07(木)19:18:36 ID:yhZ
幸子「ここのステーキが以前から気になってたんですよ。」

いまボクたちがいるのはホテルの展望レストラン。ぼくはおしゃれなコース料理に舌鼓を打ちながら、

借りてきた猫みたいなぎこちない動きでステーキを口に運ぶまゆさんを楽しんでます。

まゆ「幸子ちゃん……あの、大丈夫なんですか?」

幸子「たまにはいいでしょう?全部ボクのおごりですからご心配なく。」

まゆ「まゆはこういうところに来たことがなくて……。」

15: 2019/03/07(木)19:19:25 ID:yhZ
幸子「ボクだってここに来るのは初めてですよ。でもデートの締めくくりには定番じゃないですか。」

まゆ「定番……ですか?」

幸子「ちょっと古臭いかもしれませんがね。」

できれば窓際の夜景の見える席がよかったんですが、まあ、及第点じゃないでしょうか。

まゆ「少し意外です。幸子ちゃんは定番とか嫌いそうなイメージでしたから。」

幸子「ボクは定番を大事にするほうですよ、いうなれば様式美ですからね。」

幸子「こういうごっこ遊びみたいなデートならやはりドラマみたいな夜景の見えるレストランは外せないでしょう。」

まゆ「君の瞳に乾杯ってやつですか?」

幸子「古典ですがね。」

16: 2019/03/07(木)19:20:44 ID:yhZ
幸子「それに今日のボクはプロデューサーさんの代わりですからね。あまりボクの個性を出しても無粋なだけですから。」

今日一日まゆさんと歩きましたが本来はボクではなくプロデューサーさんがここにいるはずなんです。

それならあまりボクがしゃしゃり出るべきではないでしょう。

できる限り個性を排してまゆさんの脳内保管の妨げにならないように、

それが今日のボクの役目です。ぼくはバラドルだけじゃなくて女優でもあるんですから。

まゆ「そんなことありませんよ……。」

幸子「気を使わなくたって大丈夫ですよ。今日はプロデューサーさんに任されているわけですし、ボクも演技の勉強になりましたから。」

17: 2019/03/07(木)19:21:39 ID:yhZ
まゆ「……ここまでしといて突き放すことないじゃないですか。」

うつむいてしまったまゆさんを見てボクは少し動揺してしまいます。

幸子「突き放すなんて、ボクはただまゆさんが変なこと気にしないで楽しめるように……。」

まゆ「もういいです。幸子ちゃん、もしこのデートが定番でできているなら、まだ続きがありますよね。」

まゆ「幸子ちゃん、まゆ、今夜は帰りたくありません。」

18: 2019/03/07(木)19:22:00 ID:yhZ
目を覚ますとまゆさんの寝顔が目に入りました、緩んだ口元からよだれを垂らして、ホントに安心しきってるのをみてそれが愛おしくて、

ボクはまゆさんの頭をなでながらベットサイドの壁に埋め込まれた時計を見ると4桁の7セグは2時過ぎを表示していました。

ボクはまゆさんを起こさないように乱雑に脱ぎ捨てられた服に手を伸ばし。スマートホンを取り出して、

電話帳の仕事の欄から、番号を選んで電話をかけました。

幸子「……プロデューサーさん、助けてください。」

20: 2019/03/12(火)22:20:32 ID:U60
P 「いずれあるとはおもったが、まさか自分とこのアイドル同士をホテルに迎えに行くことになるなんてなぁ。」

幸子「いかがわしい言い方しないでくださいよ。」

輝子「でもいかがわしいことしてたんだろ?」

まゆ「はい!」

幸子「そんなに元気に答えないでくださいよ。」

菜々「ほんとに心配したんですよ!いつまでたっても戻ってこないですし連絡つかないし。」

美鈴「ほんとだよ、まさか主役不在の誕生会になるなんておもってなかったぞ。」

小梅「うん……え、スコート役が裏切るなんて……。」

まゆ「だって、あれだけグイグイ来られちゃったらチャンスだと思うじゃないですか。」

P 「わかる、幸子といると子宮が下りてくる。」

美鈴「気持ちワル!オマエ男だろうが!」

P 「オトコだっていつまでもオトメなんだ、幸子の子なら野球チームできるまで産めるぞ。」

まゆ「ならまゆはサッカーチーム作ります。」

幸子「どっちも無理ですよ。」

21: 2019/03/12(火)22:21:09 ID:U60

乃々「そもそも自分の誕生日に呼び出されたら誕生会の準備があるとおもいません?」

幸子「去年の誕生日、ボクは国際線のエコノミーシートでほぼ初対面の通訳さんに祝ってもらいました。」

乃々「……すみませんでした。」

P 「だからって俺がデートドタキャンしてお前に押し付けるなんておかしいとおもわなかったか?」

菜々「え?」

美鈴「え?」

小梅「え?」

乃々「え?」

輝子「それはひょっとしてギャグで言ってるのか?」

P 「えぇ……。」

22: 2019/03/12(火)22:21:41 ID:U60
美鈴「でも、いきなりであれだけのデートプラン組めるもんか?」

P 「いや幸子なら余裕だろ。」

輝子「まあ、幸子ならやるだろうな。」

菜々「幸子ちゃんですからねぇ。」

幸子「計画的だったらレストランの席外したりしませんし部屋だってスイートルーム用意してますよ。」

美鈴「わかった、幸子はノーギルティだ。でもなんでケータイ切ってたんだ?」

幸子「?、デート中に相手の電話鳴ったら萎えるでしょ?」

美鈴「いや、イケメンの常識で語られてもなあ。」

23: 2019/03/12(火)22:22:28 ID:U60
菜々「でも、気を付けてくださいよ?あなた達テレビにも出てるアイドルなんですから。どこにマスコミの目があるかわかったもんじゃないですよ?」

P 「いや、問題なかろう。女の子どうしだしラブホテルとかじゃなくて駅前のグランドホテルだし。」

菜々「でも、今のご時世火のないところにも煙が立つんですよ?邪推の種なんてアウトにきまってるじゃないですか。」

P 「中高生の女の子ふたりだぞ?んなもん文春砲につっこんだってだれも相手にしないよ。」

輝子「元カノとしてはやっぱり納得いかないか?」

菜々「そ、そんなこと!」

まゆ「……は?」

幸子「……。」

輝子「……フヒヒ…」

24: 2019/03/12(火)22:22:50 ID:U60
まゆ「幸子ちゃんどういうことですか?」

菜々「いや、あの、付き合ってたってわけじゃなくってですね!何度か遊びに行ったりお泊りしたりしただけでしてね!」

P 「まゆ、円満の秘訣は詮索しないことだぞ。」

幸子「オチが思いつかないからって唐突に修羅場らないでくださいよ!」

25: 2019/03/12(火)22:23:54 ID:U60
以上になります

もう期間が限定されるネタは書かない

引用元: まゆ「幸子ちゃんに攻略されちゃいます」