1: 2017/06/23(金) 22:39:32.39 ID:WUXyJIQ00
【事務所】


姫川友紀「スポーツ欄スポーツ欄っと…」

友紀「さてさて…昨日のキャッツの大勝利は、どんな記事になってるのかなぁ♪」


ガチャ


龍崎薫「おっはようございまー!」

友紀「…おっ、薫ちゃん!おはよう!」

薫「友紀ちゃんだ!おはようございまー!」

アイドルマスター\THE IDOLM@STER シンデレラガールズ U149 アクリルスタンド 龍崎薫

2: 2017/06/23(金) 22:40:27.91 ID:WUXyJIQ00
友紀「今日も元気だね~。さすがは、我らがひまわりエースだ!」

薫「えへへ!大きいこえであいさつしようねって、ママといつも言ってるんだ!」

友紀「うんうん、元気なのは良いことだよ!」

薫「友紀ちゃんも元気いっぱい!はなまるだね!」

友紀「おぉっ、嬉しいなぁ。ありがと!」

薫「へへー」

3: 2017/06/23(金) 22:42:15.34 ID:WUXyJIQ00
薫「友紀ちゃん、なにしてたのー?」

友紀「あたし?あたしは…事務所のお留守番!」

薫「おるすばん?」

友紀「うん。暇だったから、遊びに来たんだよね」

薫「あそびに!」

友紀「今日のレッスンは夕方からなんだけど…家に居てもやることなくってさー」

薫「うんうん」

友紀「テレビつけてぼーっとしてるだけなのもなんか嫌だから、事務所に来てみたんだけど」


4: 2017/06/23(金) 22:43:06.25 ID:WUXyJIQ00
友紀「…でもやっぱりやることないから、とりあえず新聞読んでた」

薫「しんぶん!?すごーい!オトナだー!」

友紀「でしょー?へへへ」

薫「かおるね、まだしんぶん読めないや…」

友紀「ふんふむ」

薫「わからない漢字がたっくさんあるんだぁ」

友紀「あー…難しい漢字、多いよねぇ。わかるわかる」


5: 2017/06/23(金) 22:44:00.55 ID:WUXyJIQ00
薫「たとえばね…これ、なんて読むの?」

友紀「んー?どれどれ」


[頭部氏球]


友紀「これはね、"とうぶしきゅう"。頭にボールがぶつかっちゃうことだよ」

薫「おぉー!じゃあ…この字は?」


[あわや乱闘!]


友紀「"らんとう"だね。まぁ…喧嘩することかな」

薫「すごーい!友紀ちゃん、学校の先生みたい!」

友紀「どやぁ!」

6: 2017/06/23(金) 22:44:28.67 ID:WUXyJIQ00
薫「かおるも友紀ちゃんみたいに、しんぶん読めるようになるかなぁ…」

友紀「なれるなれる!国語のお勉強、頑張ろうね!」

薫「…はーい!」

友紀「学校でいっぱい勉強して…あれ?」

薫「?」

友紀「…うん?勉強?」

7: 2017/06/23(金) 22:46:15.48 ID:WUXyJIQ00
友紀「そういえば、今日って平日だよね?学校は…?」

薫「あっ、そうだ!えっとね、今日ね!かおるの学校、"かいこーきねんび"なんだって!」

友紀「あぁ~、なるほど…開校記念日」

薫「だから、お休みなの!」

友紀「あったなぁ、そんなイベント…」

薫「それでね。せんせぇいるかなぁって思って、あそびに来たんだ!」

友紀「なるほど!じゃあ、あたしと同じだね!」

薫「おんなじー!」

8: 2017/06/23(金) 22:46:57.06 ID:WUXyJIQ00
友紀「…でも、残念だけど。プロデューサー、今いないんだよ」

薫「え?」

友紀「イベントの打ち合せあるからって、さっき出掛けちゃったの」

薫「えぇー!」

友紀「ちひろさんも用事で今日は出張だし…『丁度良いや、留守番頼むぞユッキ』なんて言ってね」

薫「…そっかぁ」

9: 2017/06/23(金) 22:48:16.70 ID:WUXyJIQ00
友紀「『もし電話きた時は、午後には戻るから、後で折り返しますって伝えといて』とか言い残してさぁー」

薫「…」

友紀「折角あたしが会いに来てやったってのに、酷くない?」

薫「せんせぇ、いないんだぁ」

友紀「…っとと。こんなこと、薫ちゃんに言っても仕方ないか…」

10: 2017/06/23(金) 22:49:09.24 ID:WUXyJIQ00
友紀「なんかごめんね?」

薫「…ううん。友紀ちゃんいたから、かおるはへいきだよ?」

友紀「薫ちゃん…!」

薫「かおる、せんせぇ来るまで待ってる!」

友紀「…よし、一緒に待ってよっか!」

薫「うん!」

11: 2017/06/23(金) 22:49:51.41 ID:WUXyJIQ00

グーー


友紀「…?」

薫「あー!友紀ちゃん、おなかなったでしょー?」

友紀「いや、あたしじゃ…」


友紀「…」


12: 2017/06/23(金) 22:50:33.66 ID:WUXyJIQ00
友紀「…あ、あはは。そうそう、お腹空いちゃってさ」

薫「朝ごはん食べてないの?」

友紀「んー…朝は、パンだけだったなぁ」

薫「だめだよ!ごはんはちゃんと食べなきゃ!」

友紀「…薫ちゃん。大人になるとね、今日は食べなくて良いや、っていう朝もあってさ…」

薫「食べなきゃだめー!」

友紀「は、はい…ごめんなさい…」

13: 2017/06/23(金) 22:51:36.23 ID:WUXyJIQ00
薫「あっ!じゃあ、かおるがお昼ごはん、作ってあげる!」

友紀「へ?薫ちゃんが?」

薫「うん!かおる、お料理じょうずなんだ!」

友紀「う、うん…それは、知ってるけど」

薫「ママのお手伝いもしてるんだよ?」

14: 2017/06/23(金) 22:52:43.45 ID:WUXyJIQ00
友紀「いやぁ…あたしはコンビニとかで良いよ…」

薫「でも、ちゃんと食べなきゃ…」

友紀「気持ちは嬉しいけどね?」

薫「…だめ?」

友紀「うーん…ほら、料理って、火とか使うんでしょ?危なくないかなぁ…」

薫「…そっかぁ。火は1人で使っちゃダメよ、って…ママにも言われてるんだった…」

友紀「んー…」


15: 2017/06/23(金) 22:53:39.61 ID:WUXyJIQ00
薫「からあげ教えてもらったのに…」ショボーン

友紀「…唐揚げ」ピク

薫「せんせぇとか友紀ちゃんにも、いつか作ってあげたかったんだけどなぁ…」ショボボ

友紀「…」


友紀「……」

友紀「………」

友紀「唐揚げ……」

友紀「………………」ムムム


16: 2017/06/23(金) 22:54:53.89 ID:WUXyJIQ00
友紀「…よし!薫ちゃん!」

薫「?」

友紀「お腹空いたから、ご飯作ってくれる?」

薫「…良いの?」

友紀「うん。あたしも見てるからさ!保護者がいるから、まぁ大丈夫でしょ」

薫「やったぁ!」

友紀「どうせならいっぱい作って、プロデューサーとかみんなにも食べてもらお?」

薫「わぁ…!かおる、ごはん作りまー!」

17: 2017/06/23(金) 22:56:01.93 ID:WUXyJIQ00
友紀「今10時半ぐらいでしょ?」

薫「うんっ」

友紀「お話しながらゆっくり作れば、お昼には丁度良いんじゃないかな」

薫「え?ゆっくりって、どのくらい?」

友紀「んっと…1時間とか?」

薫「そんなにかからないよ?」

友紀「あれっ」

薫「それに、てきぱきやらなきゃ冷めちゃう!おいしくないよぉ」

18: 2017/06/23(金) 22:57:52.69 ID:WUXyJIQ00
友紀「…あれ?もしかして、あたしより相当料理上手だったりする…?」

薫「ママに"あいさいべんとう"教えてもらってるもん!とくいだよ!」

友紀「…じゃあ、今日は薫ちゃんが先生だね!」

薫「!かおる、料理の先生?」

友紀「うん!しっかり教えてね、せんせ!」

薫「わーい!かおるがせんせぇだ!」

友紀「ふふ」

19: 2017/06/23(金) 22:58:46.63 ID:WUXyJIQ00
友紀「…さて、」

薫「さて?」

友紀「んー、どうせならみんなで作りたいなぁ、って」

薫「みんな?」

友紀「ちょっと待っててね…」

薫「?友紀ちゃん、せんせぇの机、どうかしたの?」

友紀「良いから良いから♪」ゴソゴソ

20: 2017/06/23(金) 22:59:27.95 ID:WUXyJIQ00

友紀「よいしょっと」スポン

「フヒャ?!?!」

薫「わぁ!?」


21: 2017/06/23(金) 23:00:22.41 ID:WUXyJIQ00

薫「ビックリしたぁ…!輝子ちゃんだ!」

星輝子「ゃ、やぁ…どうも…」プラーン

友紀「輝子ちゃん、一本釣り打法!ってね」

薫「せんせぇの机から、輝子ちゃんが生えてきたの!?」

輝子「ち、ちが…生えてるのは、キノコだけだヨ…」

23: 2017/06/23(金) 23:01:34.05 ID:WUXyJIQ00
薫「輝子ちゃんいたの、かおるわからなかったー!」

輝子「あ、はい…。実は、いました…フヒ…」

友紀「あたしが来た時から、もう机の下に居たよね」

輝子「き、気づかれてた…」

友紀「キノコノコーって時々聞こえてくるからさ。あぁ、居るんだなーって!」

輝子「ぁうぅ…口からも、漏れてたのか…。は、恥ずかしい……」

24: 2017/06/23(金) 23:02:33.46 ID:WUXyJIQ00
薫「輝子ちゃんも、かいこーきねんび?」

輝子「ぁ…いや、私は違うぞ…」

友紀「…言われてみれば確かに。学校休み?」

輝子「あの…午後から、お仕事で…。準備の都合もあって…今日は、欠席なんだ…」

薫「そうなんだ!」

輝子「家でやることも済んだから…机の下のマイフレンズたちの、お世話をしようと思って…」

友紀「じゃあ、あたしたちとお同じだねっ!」

薫「おんなじー!」

輝子「そう、か…?フ、フフ…そうだな…仲間、だ…フヒ」

25: 2017/06/23(金) 23:03:18.06 ID:WUXyJIQ00
友紀「ご飯のことも、聞いてた?」

輝子「あ…うん。聞こえてた…けど」

友紀「じゃあ話が早い!」

薫「いっしょにお料理しまー!」


輝子「いや…わ、私は、いいよ…」

薫「えぇー!」

友紀「ありゃ」


26: 2017/06/23(金) 23:04:40.63 ID:WUXyJIQ00
薫「…輝子ちゃん、お料理きらいなの?」

輝子「き、嫌い、とかではない、けど…」

友紀「けど?」

輝子「その…みんなで、台所とか…ちょ、調理実習を、思い出して…うぅ…」

薫「ちょーりじっしゅー?」

友紀「あー…」

輝子「ひとり、余ったからって…よく知らない子たちのグループに入れられて…」


輝子「エプロンとか…三角巾とか、褒め合うんだ…あいつらは…」

輝子「『カワイー!』なんてな…フヒ…」

薫「う、うん…」


27: 2017/06/23(金) 23:05:47.91 ID:WUXyJIQ00
輝子「なのに…私には、ノータッチ…フフ…知ってた…」

輝子「それで、いざ始まっても…やっぱり、やることが、ないんだ…。みんな、他の子がやっちゃうから…」

輝子「『卵割っといてー』とか、些細なことしか頼まれない…!レシピを決めてた時、私はそこに、いなかったから…!」

輝子「私は、ただ、数合わせなだけの…食べて、皿を拭くダケの子……」


輝子「…卵?…フ、フフフ…」

輝子「フ…、フ……」

友紀「(あ、やばい)」



輝子「フ ザ け ん なァ!!!」バーン


28: 2017/06/23(金) 23:06:43.97 ID:WUXyJIQ00
薫「うわー!ばくはつしたー!」

輝子「なぁにが卵割ってだ!てめえらの頭をカチ割ってやろうかぁ!!アァ!?」

輝子「いっつもそうだ!日陰者だからって、触れず近寄らず微妙な扱いしやがってェ!!」

輝子「人並みに料理だってできるんだよォ!!指示さえあれば良いモノを!」

輝子「欲しいのは卵じゃねえ!キノコだ!!キノコを寄越しやがれェー!!!」

輝子「ヒィーーやっ」



友紀「はーい輝子ちゃんストップ~」ユサユサ

輝子「ハァぅううぅぅ…」グワングワン

薫「おさまった!すごーい!」

29: 2017/06/23(金) 23:07:23.14 ID:WUXyJIQ00
――


輝子「す、すまん…取り乱した…」

薫「輝子ちゃんも、お料理できるんだね!」

輝子「う…うん、まぁ、キノコの調理なら、だいたいは…」

友紀「なら、手伝ってくれる?」

輝子「い、いや…そんな、大したことは、できないんだ、ぞ…?」

薫「かおる、輝子ちゃんの料理も食べたーい!」

友紀「あたしもー!」

輝子「でも…」

30: 2017/06/23(金) 23:09:00.67 ID:WUXyJIQ00

グー


輝子「あぅ」

薫「あ!輝子ちゃんも、おなかなったね♪」

輝子「…うぅ、恥ずかしい、な…」

友紀「お腹、空いてるんでしょ」

輝子「う、うん…。トモダチのお世話をしてたら…自分が食べるの、忘れてて…」

友紀「あー、分かる分かる。ご飯中、キャッツの試合に見入っててうっかり冷めちゃうとか、あたしもよくあるなぁ」

31: 2017/06/23(金) 23:10:12.13 ID:WUXyJIQ00
薫「もー!2人とも、ちゃんとごはん食べなきゃだめだよー!」

友紀「はーい」

輝子「…い、いや…私はともかく、友紀さんは…」

薫「友紀ちゃんもさっきおなかなってたんだよ?全くもー!」

輝子「いや、だから…さっきのも、わた……ウゥ!」

友紀「まぁまぁ、良いから良いから♪」ユッサユッサ

輝子「…お、ぉふ…振らないで…」


32: 2017/06/23(金) 23:11:11.14 ID:WUXyJIQ00
薫「こうなったら、輝子ちゃんにもおなかいっぱい食べさせなきゃ!」

友紀「だって。どうする?」

輝子「私は…」

薫「ごはん食べなきゃだめだよー!」グイグイ

輝子「わ、分かった、よ…食べる…食べるから、服を引っ張らないでくれ…」

薫「はーい♪」

輝子「ご馳走に、なります…ハイ…」

友紀「ふふ、そうこなくっちゃ!」


33: 2017/06/23(金) 23:11:59.63 ID:WUXyJIQ00
輝子「なんか、ごめん…友紀さん…」

友紀「ん?何が?」

輝子「だって…」

友紀「?」

輝子「…いや。やっぱり、何でもない、よ…」

友紀「うん!」

輝子「…あ、それと…」

友紀「なに?」


輝子「そ、そろそろ…降ろして、ほしい…なんて…」

友紀「あぁっ、ごめんね!」ストン


34: 2017/06/23(金) 23:13:13.74 ID:WUXyJIQ00
輝子「フヒ…高かった…」

薫「友紀ちゃん、ちからもちだねー!」

友紀「へへっ。まぁ、これくらいはね!」

輝子「ひゃ、142センチに…あの目線は、キク、ラゲ…。なんちゃって…」

友紀「輝子ちゃん軽いんだもんなぁ。もっと食べなきゃダメだよ?」

輝子「ぁ、あぅ…、スルー…」

友紀「という訳でさ。お昼ご飯、一緒に食べよう!」

薫「お料理しまー!」

輝子「ぉ、おおー…」


――




35: 2017/06/23(金) 23:14:00.94 ID:WUXyJIQ00
【事務所・台所】


友紀「包丁よし!」

薫「まないたよーし!」

輝子「ガスは…あ、ちゃんと火は点くな…よし…」

友紀「よーし、やるぞー!」

薫「れいぞうこ、あっけまー!」


36: 2017/06/23(金) 23:14:36.39 ID:WUXyJIQ00

ガチャ


 
玉ねぎ「やぁ」 ポツン


37: 2017/06/23(金) 23:15:29.85 ID:WUXyJIQ00
友紀「…」

輝子「…」

薫「からっぽだ!」

友紀「玉ねぎしか入ってない、だと…」

輝子「…お前も、ボッチだったのか…うぅ…」グスン

薫「輝子ちゃんが、たまねぎ切ってないのにないてるよー!?」

38: 2017/06/23(金) 23:16:22.43 ID:WUXyJIQ00
【近所のスーパー】


友紀「あたし、最初野球ボールかと思っちゃった!」

輝子「いや…それはちょっと、わからない、な…」

友紀「でも考えてみればさ。事務所の冷蔵庫に、いっつも食材が揃ってることの方がおかしいんだよね」

輝子「…い、言われてみれば、確かに…」

薫「おっかいもの!おっかいものー♪」

友紀「さ、ちゃっちゃと済ませるぞー!」

輝子「事務所空っぽのままは…流石にマズいもんな…うん…」


39: 2017/06/23(金) 23:17:33.16 ID:WUXyJIQ00
薫「お肉!」


友紀「唐揚げといえば、やっぱりももかなぁ」

輝子「最近は…ムネ肉も流行り、らしいぞ…」

薫「どうちがうの?」

輝子「ムネだと…ちょっとヘルシー、らしい…」

友紀「美味しければ、どっちでも良いと思うけどね!」


40: 2017/06/23(金) 23:18:59.25 ID:WUXyJIQ00
薫「おやさい!」


友紀「と言っても、キャベツの千切りぐらいだよね」

輝子「買うのはキャベツだけ…キャベツ畑の、キャベツ茸…なんちゃって」

薫「あっ!かおる、プチトマトも食べたい!」

友紀「よっしゃあ!薫ちゃん、ゴー!」

薫「わーい!さがしてくる!」タタタ

輝子「ぁゎわ…ちょっ、待って…」

友紀「あっはは!元気だねー」


友紀「…おっ、パセリだ」

友紀「……」

41: 2017/06/23(金) 23:20:06.91 ID:WUXyJIQ00
薫「きのこ!」


輝子「おぉ…!キノコが、たくさん…!素晴らしい…ブラボーだ…!」

友紀「さぁ輝子ちゃん、何にする?」

輝子「あ、うん、そうだな…。唐揚げの横に添えるなら…うーん…」

薫「きのこいため?」

輝子「焼くのも、良いけど…あくまで、唐揚げがメイン…主張しすぎない、キノコ…キノコ…」

友紀「つまり…?」

輝子「シンプルに…みそ汁とか、どうかな…?なめことか…フヒヒ」

友紀「おぉー!」

薫「なめこのおみそしる!かおる、好きー!」


42: 2017/06/23(金) 23:22:03.05 ID:WUXyJIQ00
薫「のみもの!」


薫「オレンジジュースも買っていいかなぁ?」

友紀「どんどん入れちゃえ!」

輝子「わ、私は…普通に、お茶で…」

友紀「あたしは…」チラ


友紀「あ!これ、CMでやってた新商品かぁ…」

友紀「唐揚げにビール…飲みたいなぁ…」

友紀「…い、いやいや!今日は薫ちゃんも輝子ちゃんもいるし…」

友紀「何より事務所だし…」

友紀「……」



友紀「い、1本だけ…」


――




43: 2017/06/23(金) 23:24:35.42 ID:WUXyJIQ00
【再び事務所】

輝子「うぅ…日差しの下…キツい…」

薫「ただいまー!」

友紀「おかえりー」

輝子「オカエリー! …フヒ…今のは、袋の中のナメコくん…ナメナメ」

薫「いっぱい買ったね!」

友紀「うん!持つの手伝ってくれてありがとね、薫ちゃん、輝子ちゃん」

薫「おもくないからへいきだよっ♪」

輝子「私の袋も、全然…」


44: 2017/06/23(金) 23:25:24.56 ID:WUXyJIQ00
輝子「友紀さん…やっぱり、腕力あるよな…」

友紀「んー…あたし、力強いんだろうなぁ」

薫「ちからもち!」

友紀「前にもね、幸子ちゃんに撫で方が乱暴だーって言われたことあってさ」

輝子「ぁ、いや…そんなつもりじゃ、ないんだけど…」

薫「背もおっきいからねー!」

友紀「けっこう運動してたし…マネージャーの仕事で、重いものもよく運んでたし。まぁ、こんなもんだよ!あははは!」

45: 2017/06/23(金) 23:26:34.44 ID:WUXyJIQ00
友紀「さ、プロデューサーが帰ってくる前に、作っちゃうぞー!」

薫「がんばりまー!」

輝子「う、うん…」

友紀「よろしくお願いします、薫せんせ!」

薫「うん!」



友紀「あっ。言っとくけど、料理シーンもダイジェストでお送りするからね!」

輝子「…?どこ向いて、喋ってるんだ…?」

薫「お手々をあらいましょー♪」


46: 2017/06/23(金) 23:27:23.13 ID:WUXyJIQ00
――


輝子「みそ汁…作るのは、良いんだけど…」

友紀「どうかしたの?」

輝子「私…豆腐、切るの…苦手なんだ…」グシャ

輝子「ぁ…」

薫「かおる、おとうふ切ったことないなー」

輝子「やって、みる…か?」

友紀「猫の手…いいや、ねこっぴーの手だよっ、薫ちゃん!」

薫「そーっと、そーっと…」


薫「…あっ」グシャ

友紀「アウトー!」


47: 2017/06/23(金) 23:28:35.31 ID:WUXyJIQ00
――


薫「おっけー、ってやってみて!」

輝子「?…こう、か…?」オッキュー

友紀「おっ!チェンジアップ投げるの?」

薫「ちぇん…?じゃなくて、これくらいの大きさで、お肉を切るんだよ!」

輝子「おぉ…なるほど…」

薫「ひとくちサイズ!」


48: 2017/06/23(金) 23:30:06.57 ID:WUXyJIQ00
――


輝子「卵…」

友紀「前にね、卵でキャッチボールしようとしたら…プロデューサーに怒られちゃってさ」

輝子「たまご…タマゴ……ウゥッ!」グシャリ

友紀「げっ」

輝子「…ハッ…やって、しまった…」

薫「輝子ちゃーん!にぎりつぶしちゃだめだよぉ!」

友紀「布巾布巾…」


49: 2017/06/23(金) 23:31:10.02 ID:WUXyJIQ00
――


友紀「こういう粉見てると、ロージンバッグ思い出すなぁ…」

薫「ろーじん?おじいさん?」

輝子「あぁ…指に粉つけてる、アレか…?」

友紀「うん。パフパフしてると、右手が粉まみれになっちゃってさー」

薫「こんなかんじ?」

友紀「あはは、そうそう!薫ちゃんの指も、真っ白だね!」

50: 2017/06/23(金) 23:32:37.14 ID:WUXyJIQ00
――


薫「油のおんどはね、おはしを入れるとわかるんだよ!」

輝子「へぇ…」

薫「ママがね、『唐揚げする時は、箸がシュワシュワするまで温めるのよ』、って言ってた!」

友紀「んー…危ないから、それあたしがやるね」

薫「はーい」

友紀「…おぉっ、ホントにしゅわしゅわしてるー!すごーい!」

薫「でしょ~?」

輝子「ゆ、友紀さん…箸じゃなくて、お肉、揚げなきゃ……!」

51: 2017/06/23(金) 23:33:35.32 ID:WUXyJIQ00
――


輝子「…い、一回、油から出すのか…」

薫「"にどあげ"っていうんだって!これもママが言ってたの!」

友紀「2度上げ?」


友紀「…あっ、2段モーションのことか!なるほどっ」

輝子「いや…多分、違うと思う…ぞ」

薫「5ふんぐらい冷ましてあげると、おいしくなるんだって!」

友紀「ほへー…技巧派なんだなぁ、薫ちゃんのママさん…」


52: 2017/06/23(金) 23:34:37.95 ID:WUXyJIQ00

輝子「…」

薫「…」

友紀「…」


友紀「待ってる間、ちょっと暇だね…」

輝子「う、うん…」

53: 2017/06/23(金) 23:35:45.65 ID:WUXyJIQ00
友紀「…あ!そうだそうだ!」

薫「?どうしたの、友紀ちゃん」

友紀「うん、ちょっとね!輝子ちゃん、火の方よろしく!」

輝子「フヒャ?…あ、おぅ…良いけど…。玉ねぎと包丁持って、何するんだ…?」

友紀「へっへっへー、まぁまぁ♪」

薫「んー?」


54: 2017/06/23(金) 23:36:37.13 ID:WUXyJIQ00
――


友紀「盛り付けて、っと…」

薫「できたー!」

輝子「おぉ…やったな…。美味そう、だ…」

薫「トマトとパセリで、からふるー!」

輝子「パセリなんて…いつの間に、買ってたんだ…?」

友紀「定食とかでも、よく乗ってるじゃん?あれ思い出したんだ!」

55: 2017/06/23(金) 23:37:15.43 ID:WUXyJIQ00
輝子「後は…親友が帰ってくるのを、待つだけ…」グー


輝子「…ぁぅ」

友紀「あはは、お腹空いたよねぇ」

薫「かおるも、ちょっとおなかすいた…」グー


薫「…おなかなっちゃった…」

輝子「面目ない…」

友紀「んー、先に食べちゃおっか!」

56: 2017/06/23(金) 23:38:12.90 ID:WUXyJIQ00
薫「でも…」

友紀「大丈夫だって、お昼には戻るって言ってたし!」

輝子「あぁ…私も、問題ないと、思う…ぞ」

薫「そうなの?」

輝子「今日の…午後の収録、スタジオまで送ってくれる予定だったから…」

友紀「そうだったんだ!」

輝子「お昼も…ついでにどこかに寄って食べよう、って話だったんだ…元々…」


57: 2017/06/23(金) 23:38:59.60 ID:WUXyJIQ00
輝子「だから、もうすぐ来ると思う…ぞ」

薫「そっかぁ!」

友紀「食べ過ぎてなくなったりしなきゃ、平気平気!食べよ?」

薫「わーい!」


輝子「…あっ」

友紀「え?なに?」

輝子「みそ汁盛ったら…お茶碗が、足りなくなった…」

薫「あ」

友紀「えぇ…」


58: 2017/06/23(金) 23:39:49.51 ID:WUXyJIQ00
友紀「…おにぎりにしよう!」

薫「おにぎり!」

友紀「うん!」

輝子「なるほど…」

薫「かおる、おにぎりも作りまー!」


――




59: 2017/06/23(金) 23:41:37.05 ID:WUXyJIQ00
薫「できたー!」

輝子「いっぱい、作ったな…フフ」

薫「かおるのおにぎり、ちっちゃいからすぐわかるね!」

輝子「薫ちゃんは…手が、まだ小さいからね…。カワイイ、おにぎりだな…」

薫「輝子ちゃんのは、まるだったり、しかくだったり、いろいろだね!」

輝子「ぅ、うん…おにぎり、初めてだったから…ぶきっちょで、すぐ分かる…」

薫「輝子ちゃんのおにぎりも、"こせーてき"でかわいいよ?」

輝子「うぅ…照れる、な…」

薫「かわいー♪」


60: 2017/06/23(金) 23:42:55.63 ID:WUXyJIQ00
友紀「…おっ!ちょっと見ない間に、いっぱいできてる!」

薫「あ、友紀ちゃん!もうごはん、のこってないよ?」

友紀「うんうん。たくさんあったのに、あっという間だねぇ」

輝子「友紀さんのおにぎりは、綺麗だな…さ、さすがは、マネージャー…」

薫「うん!ママがにぎったみたい!」

友紀「へへっ!おにぎりには、自信あるんだ!」

薫「でも、今までなにしてたの?」

友紀「それはね…」


61: 2017/06/23(金) 23:43:47.62 ID:WUXyJIQ00
友紀「じゃーんっ」

輝子「…おぉ?」

薫「ゆでたまごと…」

輝子「玉ねぎの、みじん切り…?いつの間に…」

友紀「ふっふっふ。玉ねぎは水分取って、卵も細かく刻んで~…」

薫「いっしょにしちゃうの?」

友紀「うん!」


輝子「…あ。わ、分かった、ぞ…フフ…」

62: 2017/06/23(金) 23:45:35.74 ID:WUXyJIQ00
友紀「はい薫ちゃん!」

薫「…ふぇ?」

友紀「ボウルを渡して、パスボール!なんちゃって!」

薫「う、うん」

友紀「ネクストバッターは、マヨネーズくん!どばーっ!」

薫「え、まよ?」

友紀「混ぜろー!」

薫「え?え?」グルグル

友紀「さて、包丁とまな板は…」


63: 2017/06/23(金) 23:46:21.24 ID:WUXyJIQ00
輝子「パセリ、刻んでおいたぞ…」

友紀「おっ、サンキュー!よく分かったね、輝子ちゃん!」

輝子「本命は…こっち、だったんだね…フヒ」

友紀「いえーす!はい薫ちゃん!」

薫「はいっ」

友紀「パセリと、ちょっとの塩コショウで…」


友紀「完成!」


64: 2017/06/23(金) 23:50:15.92 ID:WUXyJIQ00
薫「わぁ…、タルタルソースだぁ!」

友紀「唐揚げにかけて、食べようね」

薫「すごいすごーい!」

輝子「やるな、友紀さん…」

友紀「いやぁ…お母さんが作ってたの見てて、覚えただけなんだけど」

薫「ねえ、ちょっとなめてみてもいい?」

友紀「良いよ?」

薫「…」ペロ


65: 2017/06/23(金) 23:51:40.63 ID:WUXyJIQ00
薫「おいしー!」

友紀「うふふ。宮崎といえばチキン南蛮。チキン南蛮といえば、タルタルソース!ってね」

輝子「これが、本場の味か…」

友紀「本場…。いやぁ、そこまでの物じゃないと思うけど…」

輝子「じゃあ…おふくろの味…って奴かな…フフ」

薫「友紀ちゃんはママのあじー♪」

友紀「…ん!そういうことにしよっか!」


66: 2017/06/23(金) 23:52:11.89 ID:WUXyJIQ00
薫「じゅんびバッチリだね!」

友紀「さ、食べよ…」


ガチャ


P「…戻りましたー。輝子、いるかー?」


67: 2017/06/23(金) 23:52:54.15 ID:WUXyJIQ00
P「…なんか良い匂いする」

輝子「おぉ…タイミングも、ばっちりだな…」

友紀「おかえり!」

薫「せんせぇ!」

P「おっす、ただい…ま?」

68: 2017/06/23(金) 23:53:54.55 ID:WUXyJIQ00
P「えっ、薫…?なんで?」

薫「あのね!かおる、かいこーきねんびで、あそびに来たから、ごはん作ったの!」

P「…??」

輝子「正確には…開校記念日で、学校が休みだった…らしい…」

友紀「お腹空いたから、みんなでご飯作ろ!ってことになってさ」

P「な、なるほど…?」

69: 2017/06/23(金) 23:54:27.47 ID:WUXyJIQ00
薫「せんせぇ、見て見て!から揚げ!」

P「ほー、こりゃすごい」

薫「上手にできたでしょ?」

P「…えっ、薫が揚げたの?」

薫「うん!」

P「…1人で?」

薫「ひとりじゃないよ!輝子ちゃんと友紀ちゃんに、てつだってもらったの!」

70: 2017/06/23(金) 23:57:18.74 ID:WUXyJIQ00
P「危なくなかった?」

友紀「うん!薫ちゃん、全然手馴れてるんだもん!ビックリしちゃった」

P「…そっか」

薫「かおる、ひとりで火つけちゃだめー!って、ママに言われてるんだよ?」

P「そうだな…。うん、ちゃんと判断できたのは、偉いな」

薫「ほんと!?」

P「偉い偉い」

薫「えへへー!」


71: 2017/06/23(金) 23:58:27.90 ID:WUXyJIQ00
P「ユッキも輝子も、お疲れ様」

友紀「全然!なんてことないよ!」

P「留守番任せちゃって、悪かったよ」

輝子「これくらい、朝飯前だ…」


輝子「朝ごはん、食べてないから、朝飯前……フ、フフ…字余り…」

P「…それは感心しないな」

輝子「…ぁう」

72: 2017/06/23(金) 23:59:18.55 ID:WUXyJIQ00
薫「せんせぇも、お昼ごはん食べよ?」

P「え?良いの?俺食べても」

友紀「当ったり前じゃん!待ちきれなくて、先に食べちゃうところだったんだから!」

輝子「ほら、おにぎりも、あるぞ…フフ」

友紀「輝子ちゃんの味噌汁!」

薫「タルタルもー!」


P「わ、よく見たらすげー豪華」

薫「みーんなで作ったんだ!」

友紀「これぞ、チームプレーって感じだよね!」

輝子「早く食べないと…冷めちゃう、ぞ…。ほら…私の収録も、あるだろう…?」

P「…確かに」


73: 2017/06/24(土) 00:00:11.22 ID:NzViMU3V0
P「それじゃ、お呼ばれしようかな」

友紀「うん!」

P「少し片付けることあるから、ちょい待っててな」

輝子「フヒ…なら、ちょっとだけ…みそ汁、温めなおそうか…」

薫「早くはやくー!」

P「はいはい…」




薫「それじゃあみんな、手をあわせて…」

薫「いっただっきまーっ!」


\\いただきまーす!//




おわり。


75: 2017/06/24(土) 05:57:17.30 ID:vL72iyHY0

76: 2017/06/24(土) 06:53:54.15 ID:Gt5O+4yxo
お姉ちゃんしてるユッキイイゾ~これ

引用元: 姫川友紀「かおる´sキッチン」