1: 2010/08/27(金) 18:44:57.59 ID:Od6h0Rx/0
和「あら、唯じゃない?」

和「どうしたのそんな所に突っ立って?」

和「」

和「唯?」

和「なんで黙ってるの?」

和「」

和(あれ?)

和「もう唯ったらー、いい加減にしなさいよっ」

和「」

和(おかしいわね、一体どうしたのかしら?)

3: 2010/08/27(金) 18:50:17.27 ID:Od6h0Rx/0
和「ちょっと唯、どうしたの?」

和「もしかして…」

和「軽音部のみんなと何かあった?」

和「」

和「……」

和「わかった、何も聞かないわ」

和「だけど、私達幼馴染でしょ?」

和「辛い事があったら何時でも私に相談していいのよ」

和「」

和「まあいいわ」

和「せっかくだし一緒に帰りましょ!」

和「」テクテク

和(あれ?)

4: 2010/08/27(金) 18:58:09.86 ID:Od6h0Rx/0
和「唯、なんで突っ立ったままなの?」

和「帰りたくないの?」

和「」

和「憂ちゃん…」

和「家で待ってるんじゃないの?」

和「」

和「唯…」

和(こんな唯はじめて見るわ)

和(これはきっと只事じゃない…っ!!!)

和「ちょっと唯、私と一緒に帰りましょう」グイッ

ボカッ!!!

和「きゃぁっ!!!」

和「え?ちょっと、唯っ」

和「なんで殴るの…!!!?」

6: 2010/08/27(金) 19:07:23.65 ID:Od6h0Rx/0
愛しているとつたえて欲しい 第一章 第六階層『三本足と袋』


和(唯が暴力を振るうなんてはじめてだわ)

和(あの優しくて陽気な唯が)

和(どれだけ追い詰められれば、こんな風になるって言うの!?)

和「唯…」

和「私は怒らないわよ」

和「唯に殴られたってかまわない」

和「それで唯の気が落ち着くなら」

和「私、どんなに殴られたってかまわない…」

和「」

和「唯…」

和「私、あなたのコトが心配なの」

和「私が絶対に唯の力になってあげるっ」

和「私が唯を守ってあげるわっ!!!」

8: 2010/08/27(金) 19:15:10.02 ID:Od6h0Rx/0
ボコッ ドカッ!!!

和「きゃぁっ!!!」

和「いたた…」

和「」

和「痛いけど…」

和「うれしいよ」

和「唯がこんなにも感情をぶつけて来てくれてるんだもんね」

和「殴りたかったらもっと殴っていいのよ」

和「唯の全部を、私が受け止めてあげる」

和「」

和(だからお願い、唯、心を開いてっ!)

ドゴォッ!!!

和「きゅあっ!!!」

10: 2010/08/27(金) 19:21:27.88 ID:Od6h0Rx/0
和(殴っていいのよって言ったら)

和(まさか蹴ってくるなんて…)

和(予想外の攻撃に変な声出しちゃったわ)

和「ゆ…い…」

和「」

和(胸の辺りを蹴られたから声が出ない)

和(と言うより立ち上がれない)

和(でも、ここで私が立ち上がらなければどうするの!?)

和(唯のこの暴力性は憂ちゃんに及ぶかもしれない…っ!!!)

和(そしてさらに最悪の場合…)

和(自分自身に…)

和(自傷行為、いえ、もっと大変な事)

和(もしかしたら)

和(自…殺…っ!!!?)

11: 2010/08/27(金) 19:30:59.25 ID:Od6h0Rx/0
和(私は立たなくちゃ!)

和(私が唯を助けなくちゃ!)

和(唯、待ってて、今行くから)

和(暗闇の中を彷徨う貴方の心)

和(私が導いてあげるわ…)

和(あなたの為ならこんな体、どうなったっていいっ!!!)

和「くっ…」ヨロッ

和「はあっ、はあっ」ヨタヨタ

和「唯…」

和「今行くわ…、私はどんな事があっても唯を見捨てない」

和「たとえ唯が嫌がったとしても、私はしつこいわよ」

和「唯…」

和「私、あなたのコトが…」

バギッ ドカッ ドガァッ!!!!

和「グファッ!!!」

12: 2010/08/27(金) 19:36:39.08 ID:Od6h0Rx/0
和「はあっ、はあっ」

和「ごほっ」

和「はっ、はあっ」ヨロッ

和「唯、何で?なんで分かってくれないの?」

和「」

和「唯、私を試してるの?」

和「……」

和「なんで私を一方的に…」

和(一方的…って!?)

和「!!!?」

和「えっ、まさか…」

和「そうっ、そういう事なのねっ!?」

13: 2010/08/27(金) 19:49:28.46 ID:Od6h0Rx/0
和「唯…」

和「気付いてあげられなくてごめんなさい」

和「私って本当にバカ」

和「唯は…」

和「唯は私と本気で、喧嘩がしたかったのね」

和「私達、考えてみたら喧嘩らしい喧嘩ってしたこと無かったよね」

和「今回みたいに、いつも私が一歩引いてた」

和「でもそれって…」

和「唯をバカにした行為だよね」

和「唯が真剣なら、私も真剣にならなくちゃ…」

和「いい子の振りして、大人の振りして」

和「私、逃げてたんだわ」

和「ゴメンなさい…唯」

14: 2010/08/27(金) 19:57:36.58 ID:Od6h0Rx/0
和「でもそれは誤解よ…」

和「私、怖かった」

和「私にとって唯は特別なのよ」

和「普段はそんな事表に出さないようにしてるけど」

和「私は唯が大切なの…」

和「だから、唯と喧嘩するなんて私、とても耐えられなくて…」

和「」

和「でも、今度こそ逃げないわ」

和「私だって殴り返してあげるんだからっ!」

和「あんたなんかに負けないわよっ!!!」

和「それっ!!!」

和(これでいいのよね、唯?)

バキッ ドカッ ボコボコ ドシャッ!!!

15: 2010/08/27(金) 20:06:05.05 ID:Od6h0Rx/0
和「ブファッ!!!」

和「ちょっとっ、痛いっ、待ってっ!」

ドガッ ドゴォッ


和「グフゥ!!!」

和「タイム、よして、もうダメッ」

ボギッ ドガァッ!!!


和「ガハァッ!!!」

和「ホンとに、もう、氏んじゃう、降参!」

ドガァッ ボコボコボコボコッ グシャァッ!!!


和「ぎゃあーーーーっ!!!」

16: 2010/08/27(金) 20:10:40.60 ID:Od6h0Rx/0
和「ううっ…」ボロボロ

和「もう…ダメ…」

和「もう立てないわ…」

和「唯、気が済んだかしら?」

和「」

和「唯…」

和「そうね、そうだよね」

和「気が済む分けないよね…」

和「私、本当は分かってたんだ」

和「何で唯が私に暴力を振るうか…」

18: 2010/08/27(金) 20:18:52.12 ID:Od6h0Rx/0
和「私に怒ってるんだよね?」

和「唯は…」

和「唯は、私が嫌いなんだよね?」

和「」

和「分かってたわ、そんなこと」

和「私達、仲がいい様で、親友な様で」

和「本当は違ってた…」

和「私はいつも唯をどこかで見下してた」

和「勉強も、運動も、私の方が上」

和「唯は私が面倒見なくちゃならない子」

和「そんな気持ちがいつも何処かにあったわ」

和「」

和「唯は…」

和「それが分かっていながら、私と付き合ってくれててんだよね?」

21: 2010/08/27(金) 20:30:16.42 ID:Od6h0Rx/0
和「これは当然の報いだわ…」

和「私はあなたを、十年以上バカにし続けてきたの」

和「謝って済む問題じゃないわ…」

和「私、それが分かっていながら」

和「今回も、私が唯を助けてあげる、なんて」

和「バカな事考えてた…」

和「唯をここまで追い詰めていたのは、私だって言うのにね…」

和「」

和「唯っ…」グスグス

和「ゆいーっ」ポロポロ

和「ごめんなさい、唯、私は…」

和「本当に酷い人間っ!」

和「ううっ…」

23: 2010/08/27(金) 20:40:28.96 ID:Od6h0Rx/0
和「けどっ、だけどね唯っ!」

和「私、あなたが羨ましかったのっ」

和「お勉強や運動が苦手でも…」

和「唯はみんなから愛されてたっ!」

和「それはすごい事よっ」

和「だって…」

和「だって私なんか」

和「お勉強が出来て、しっかりしてなくちゃ」

和「なんの価値もないわ」

和「きっと誰も私を相手にしてくれない…」

和「だから、必氏に気を張って頑張ってきたの」

和「私…」

和「本当は、唯のことが、羨ましかった」

和「だから、心のどこかで妬んでたのね…」

和「でも…」

24: 2010/08/27(金) 20:52:54.85 ID:Od6h0Rx/0
和「唯…」

和「信じてっ」

和「私は、やっぱり」

和「あなたの事が好きなの」

和「唯のこと、親友だと思ってるっ!」

和「唯を見下していたのは、そうしないと、私が保てないから」

和「本当は何も無い私が、あなたみたいに魅力的な子と対等になりたかったから…」

和「私、唯に憧れていたの」

和「いつも打算的なことしか頭にない自分が嫌いっ」

和「唯のように、無邪気さと魅力を備えて」

和「みんなに愛されながら生きてみたい…」

和「うううっ…」グスグス

和「うわぁーん」ボロボロ

和「唯っ、許してぇーっ!!!」ワーン

和「ううっ、ひっく、ごめん、なさいっ」ボロボロ

26: 2010/08/27(金) 21:01:30.30 ID:Od6h0Rx/0
和「わたしっ、唯が好きだよっ」

和「一緒にいたくて、虚勢を張って」

和「でもそれが唯を苦しめてた…」

和「ゴメンなさい」

和「わたし、わたしっ」

和「本当にダメだけど」

和「これだけは本当なのっ!」

和「わたしっ」

和「わたしっ、唯のこと…っ」

和(えっ?)

バキッ ドガッ ドゴッ ガシッ!!!!!!


和「ゴハァーーーーッ!!!!!!!!!!!」

27: 2010/08/27(金) 21:07:28.53 ID:Od6h0Rx/0
憂「今日は遅くなっちゃったなー」テクテク

憂「早く帰って、お姉ちゃんに晩御飯つくらなきゃ!」

憂「あれ、あそこにいるのは和ちゃん?」

憂「そして、あれはー…」

憂「えっ!?」

憂「そんなっ!!!?」

憂「和ちゃーんっ!」タッタッタ

和「う、憂!?」

28: 2010/08/27(金) 21:14:15.71 ID:Od6h0Rx/0
憂「和ちゃんどうしたのっ!?」

和「見ての通りよ」

和「全部私が悪いんだけどね…」

憂「???」

憂「それよりっ、なぁに、このカンガルー?」

和「えっ?」

憂「動物園から逃げてきたのかなぁ?」

和「か、カンガルーっ!!!?」

29: 2010/08/27(金) 21:20:47.88 ID:Od6h0Rx/0
憂「こういう時、何処に連絡すればいいんだろう?」

憂「警察かな?」

和「えっ、カンガルー?これカンガルーなのっ!?」

憂「そうだよ、これきっとカンガルーだよ」

憂「尻尾を三本目の足の様に上手に使って、立ち上がってるし」

憂「お腹に袋もあるしねっ」

憂「和ちゃん、眼鏡かけてよく見てみてよぉー」

和(あっ、そういえばちょうど眼鏡拭いてるときに、唯と会ったんだった)

和(でも、まさか唯とカンガルーを見間違うなんて…)

和「」カチャ 眼鏡装着!

和(あぁ、やっぱりこれ完全にカンガルーね)

33: 2010/08/27(金) 21:29:31.51 ID:Od6h0Rx/0
唯「うーいーっ!和ちゃーんっ!」タッタッ

憂「わぁ、お姉ちゃんだ!」

和「ゆ、唯っ!?」

唯「スゴーイっ、和ちゃん、これカンガルーだよね!?」

唯「どうしてこんなとこにいるのかなぁ?」

唯「スゴイねえ、和ちゃんっ!」キラキラ

和「……」

憂「あぁ、お姉ちゃん、和ちゃんはさっきまで眼鏡外してて」

憂「ついさっきまで、他の物と見間違えてたみたいなの」

唯「えっ、そうなのー?」

唯「和ちゃん、一体何と見間違えてたの?」

和「……」

36: 2010/08/27(金) 21:38:50.37 ID:Od6h0Rx/0
和「違うわよっ」

和「この動物の事ぐらい、私はわかってたわよっ!」

憂「えっ、でもさっき、私に『これカンガルーなの?』って聞いたよね?」

和「そっ、それはね」

和「これはカンガルーじゃないもん…」

唯「ええーっ、でもこれ、絶対にカンガルーだよーっ」

和「ケンゲルー…」

唯憂「えっ???」

和「ケンゲルーよケンゲルーっ!」

和「正しい発音はカンガルーじゃなくてケンゲルーなんだからっ!」

憂「ああっ、和ちゃん発音の事言ってたんだー」

和「そうよ、ちなみにハンバーガーじゃなくて、ハンヴァーグヮーなんだからっ!」

唯「和ちゃんスゴーイ!」

和「まっ、まあ当たり前よっ」

和「唯、あんたも受験生なんだから、この位わかってなきゃダメよっ!」

37: 2010/08/27(金) 21:49:29.52 ID:Od6h0Rx/0
唯「うえーん、怒られちゃったー」

憂「お姉ちゃーん」ヨシヨシ

和「さあっ、二人ともこんな有袋類ほっといて行くわよ」

唯「でもー、もっとケンゲルーさん見てたいよーっ」

和「バカね、こういう動物は意外と危険なんだから」

和(この痛み暫く残るわね…)

和「それに、きっともう捜索されてるわ、私達じゃどっちにしろ捕まえられないわ」

唯「そんなー」

和「ほらっ、今日はあんた達にハンバーガーでも奢ってあげるから!」

唯「えーっ!やったーっ!!!」

憂「そんな、お姉ちゃん、甘えちゃったら悪いよー」

和「きょっ、今日はいいのよっ」

和「悪いのは私だし…」

憂「???」

38: 2010/08/27(金) 21:57:05.51 ID:Od6h0Rx/0
唯「でも和ちゃん、ハンバーガーじゃなくてハンヴァーグヮーじゃないの?」

和「えっ、わ、私さっきそう言ったわよ?」

唯「うそだー、和ちゃん、ハンバーガーって言ったもん!」

和「言ってないわよ、唯のヒアリングに問題があるんじゃない?」

唯「むぐぐっ、そうなのかなー?」

和(私ったら、意地張ってばっかり…)

和(ごめんね唯、やっぱり素直になれないわ)

和(だけどね唯、私…)

和(私、本当はね…)


愛しているとつたえて欲しい 第一章 第六階層『三本足と袋』 終わり

次回二章 第十八階層『戻れない二人』 へ続く

42: 2010/08/27(金) 22:15:29.52 ID:Od6h0Rx/0
澪「おーい、りつーっ」

律「みおーっ!」

澪「大丈夫なのか?」

律「ああ、怪我なんかは無かったみたいだ」

澪「出れそうか?」

律「ああ、ちょっとやってみる…」

澪「律…」ハラハラ

43: 2010/08/27(金) 22:18:05.88 ID:Od6h0Rx/0
律「ああ、こりゃヤバイな」

澪「!!!?」

律「出れないかも?」

澪「そんなっ、もっとがんばれよっ!」

律「うん…」

律「わかった、もう少しやってみるよ」

澪「がんばれ律っ!」

澪「絶対に出られるよっ!!!」

44: 2010/08/27(金) 22:22:32.62 ID:Od6h0Rx/0
律「あーっ、もうっ!」

澪「律?」

律「ダメだよ澪」

律「多分…もう無理」

澪「!!!?」

澪「な、に、いってんだよぉー!!!」

澪「出てきてくれよー」

澪「私を、私を一人にしないでくれよっ!!!」

律「ごめん…」

澪「そんな…なんで…」

澪「なんで謝るんだよーっ!!!」

律「……」

45: 2010/08/27(金) 22:28:59.42 ID:Od6h0Rx/0
愛しているとつたえて欲しい 第二章 第十八階層『戻れない二人』


律「ごめん」

澪「だから…、謝るなよ…」

澪「そんな言葉、いらないよ!」

澪「律、出てきてくれよーっ」

律「……」

律「わかってくれ澪、仕方が無いんだ」

澪「そんなことあるわけ無いっ、なんとかしないとっ!!!」

律「無理なコトだって、あるんだよ…」

澪「嘘だろ…」

澪「そんな、なんでこんな事に…」

46: 2010/08/27(金) 22:35:13.45 ID:Od6h0Rx/0
律「ううっ!!!」ズキッ

澪「律っ!?」

澪「お前、痛むのか?」

律「まあ、ちょっとね」

澪「やっぱり怪我してるんじゃないか!?」

律「いやぁ、違うよ、本当に怪我は…」

律「グウッ!」

澪「律っ、りつーっ!!!」

澪「やっぱり、そんなっ、わたしっ、どうしたらぁーっ!!!」

律「落ち着け澪、お前は早くそこから去るんだっ」

澪「!!!?」

47: 2010/08/27(金) 22:42:38.52 ID:Od6h0Rx/0
律「そんなとこにずっといたら、お前まで危ないっ!」

律「早くどこかへ行くんだっ!!!」

澪「で、でもっ、そんなこと言っても」

律「はやくっ、私のことはもういいから、自分のことだけ考えるんだっ!!!」

澪「ううっ、律…」

律「さあっ、行くんだ澪っ!!!」

澪「……」

澪「私は残るよ…」

澪「ここに居る、律が出てくるまでっ!」

律「バカヤロウっ!!!」

律「私は出られないって言ってるだろっ!?」

48: 2010/08/27(金) 22:55:18.04 ID:Od6h0Rx/0
澪「じゃあ何処へ行けって言うんだよ…」

澪「私に、律の傍以外に、何処へ行けって言うんだよっ!?」

律「澪…」

澪「律が出てくればいいんだ、それまで私はここを一歩も動かないっ!!!」

律「くそっ…」

律「澪は、本当にわからずやだよ」

澪「……」

澪「分からず屋でいいもん」

律(このままでは澪の身も危ないっ!)

律(なんとかここから出なけりゃな…)

49: 2010/08/27(金) 23:01:16.31 ID:Od6h0Rx/0
律「おい澪っ!」

澪「どうしたっ?」

律「私は、最後の賭けに出ようかと思う」

澪「き、危険じゃないのか!?」

律「……」

律「危険だよ」

澪「!!!?」

律「でも、このままじゃ澪がまで危ない」

律「二人が助かるためにはこれしかないんだっ」

澪「律…っ」

律「行くぞっ、いちかばちかだっ!!!」

50: 2010/08/27(金) 23:08:12.33 ID:Od6h0Rx/0
律「ぐわあああぁぁああああっ!!!」

澪「りつーっ!!!?」

律(くそっ、流石に痛みやがるっ!!!)

律(だがこんな事じゃへこたれないぜっ!)

律「うがぁぁぁああぁああぁあ!!!!」

澪「律っ、りつーっ!?」

澪(ああっ、神様お願いっ、律を守ってっ!)

律「うっわぁぁあっぁぁぁぁあぁあああ!!!」

律(今だっ!)

律「いっけーええぇぇえええぇええええっ!!!!!!!」

澪「!!!?」

52: 2010/08/27(金) 23:15:37.30 ID:Od6h0Rx/0
シーン

澪「えっ、律…?」

澪「りつーっ、無事かーっ!?」

律「うっ、ああっ、澪」

澪「どうだ律、出れそうか?」

律「わりいな澪」

律「しくじっちまった…」

澪「!!!?」

澪「そっ、そんなぁ!?」

律「私はもうダメだ…」

澪「がっ、がんばるんだ律っ!!!」

律「へへっ」

律「さっきから出血がとまらねえんだ」

澪「!!!?」

53: 2010/08/27(金) 23:24:05.09 ID:Od6h0Rx/0
澪「そんなぁっ、律ーっ!!!?」

律「ごめんな、こうなったら流石に出られねえよ」

律「だから、澪っ、お前は早く何処かへっ…」

澪「なんでっ、なんでこうなるんだよぉーっ」

澪「律ーっ!!!」ポロポロ

律「泣くな澪っ、今はお前が助かる事だけを考えろっ!」

律「それが私の願いなんだ」

澪「で、でも…」

律「もう、私は…、はや、く…」

澪「律っ、苦しいのか?」

律「はや…くっ、い…け…」

54: 2010/08/27(金) 23:31:48.99 ID:Od6h0Rx/0
澪「あっ、うわっ!!?」

律(えっ、澪っ!!!?)

澪「こっちもっ、やばいよっ!!!」

律「!!!?」

律「もう、い…けっ」

澪「私、律の所へ行くっ!!!」

律「!!!?」

律「なに、いってやが…る」

澪「どうせ私も助からないなら、律と一緒がいいよっ!!!」

律(澪の奴、自暴自棄になってやがるっ!?)

律(でも、澪はまだ助かるかもしれないんだっ」

律(絶対にここに来させるわけには行かないっ!!!)

55: 2010/08/27(金) 23:38:03.65 ID:Od6h0Rx/0
律「お前は外へ出るんだっ、まだ助かるっ希望を捨てるなっ!!!」

澪「そんなの嫌だよっ、一人ぼっちで、ダメになるなら」

澪「私、律と二人でいたいよっ」

律「バカだよお前、本当にバカ」

澪「バカでいいもん」

律「絶対に来させないぞっ!」

澪「そっちに行くよ、こうやって、登ってから降りれば…」ジヨジヨ

律「バカっ!!!やめろっ!!!」

律「来るな澪っ!外へ出るんだーっ!!!」

ドサッ!

律「!!!?」

56: 2010/08/27(金) 23:44:34.92 ID:Od6h0Rx/0
澪「えへへ、来ちゃった」

律「来ちゃったじゃないだろっ」

律「どうすんだよ一体…」

澪「ほら、こうやって、ちょっと詰めて」

律「えっ、あっ、そんな、何やってるんだ?」

律「こんなに密着してっ!」

澪「仕方ないだろっ」

律「恥かしいよ…」

澪「私だって…」

律「本当にお前は…」

澪「いいよ、それで」

律「まだ何も言ってないぞ…」

澪「私はなんだっていいよ、どんな事言われても、どんな状況だったとしても」

澪「律と一緒なら…別にいいよ」

律「澪…」

59: 2010/08/27(金) 23:54:07.68 ID:Od6h0Rx/0
澪「ああっ、そろそろだよ」

律「そうか」

律「まあ、仕方ないけど」

律「まさかこんな事になるとはな…」

律「まさか澪と一緒に、一つの便器に跨るなんてなぁ」

澪「律が怪我(お尻の怪我、つまり切れ○)するのがいけないんだぞっ」

律「そんなの仕方ないだろ?」

律「お前が早く、他のトイレに行けば良かったんだよ」

澪「だってここら辺、他にトイレがある場所なんてわかんないし」

澪「間に合わなくなって、知らない人の前で恥をかくより」

澪「お前一人の前でした方がいいだろ?」

律「だからってお前なー」

律「こりゃ、末代まで隠しておかなきゃお互い一生の恥だぞっ?」

60: 2010/08/28(土) 00:00:06.25 ID:D4Zxt9/s0
シーッ

律(澪が私と密着した状態でおしっこしてる)

律(どんだけシュールな光景だよ…)

澪「ふーっ、スッキリした」

律「拭いたら早く出てけよなっ」

澪「わかってるって」フキフキ

ドンドンドンッ!

律澪「!!!?」

唯「りっちゃーん、まだぁー?」

62: 2010/08/28(土) 00:07:59.05 ID:D4Zxt9/s0
律「わっ、唯!?」

澪「ちょ、ちょっとまって!」

唯「!?」

唯「えっ、何で澪ちゃんの声までするの?」

律「わーっ、馬鹿澪っ!!!」

澪「そんなの仕方ないだろっ!?」

唯「えーっ、なんで?なんで二人でおトイレに入ってるの?」

律「そっ、それはぁーっ」アセアセ

唯「ムギちゃーん、あずにゃーん、りっちゃんね、澪ちゃんと一緒におトイレしてて」

唯「まだ開いてなかったよぉー」

律澪「!!!?」

63: 2010/08/28(土) 00:22:33.12 ID:D4Zxt9/s0
紬「ちょっと、それって、やっぱりあれよねっ!?」キラキラ

梓「うわっ、先輩たち、超えてはならぬ一線を越えてたんですね」

梓「悪いですけどドン引きです」

唯「ちょっと、りっちゃん澪ちゃん、何してるかわからないけど」

唯「早くしてよーっ!」

律澪「……」

律「おい澪、お前早く出ろよ」

澪「嫌だよっ、こんな状況で、恥かしくって出れるわけ無いよ」ヒィッ

紬「そっとして置きましょうよ、きっと二人はこれからもっと燃え上がるのよっ」

梓「女同士で、しかもこんなお店のトイレでっ」

梓「先輩たちはいやらしすぎますっ!!!」

唯「はやくー、漏れちゃうよーっ!」

律「……」

律「どうしてこうなった」

愛しているとつたえて欲しい 二章 第十八階層『戻れない二人』 終わり

64: 2010/08/28(土) 00:25:08.82 ID:D4Zxt9/s0
読んで下さった方やレスをくださった方
どうもありがとうございました!
それではお休みなさい

66: 2010/08/28(土) 00:47:33.63 ID:CFa9HOA4O
乙カァリィー

引用元: 唯「愛しているとつたえて欲しい!」