結衣「おーい、あかりー、起きろ～」ﾕｻﾕｻ

あかり「ん、うすしおはもうお腹いっぱいだよぉ……」ﾑﾆｬ

結衣「……ベタな寝言を言ってんじゃない」ﾕｻﾕｻ

あかり「ん……」ﾎﾟｰｯ

結衣「おはよ、あかり」

あかり「うん……。おはよ、お姉ちゃん」ﾆｺｯ

結衣「あかり。私の布団で寝るのは小学校で卒業って約束だったけど……」

あかり「う、うん……」

結衣「一向に守る気がないみたいだね……」

あかり「えーと……、それは……」

あかり「えっと、その…///」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

結衣「……、怖い夢でも見ちゃった、ってとこ？」

あかり「う、うん！ そうなんだよぉ！ さすがお姉ちゃん！」ｱﾀﾌﾀ

結衣「……」ｼﾞﾄｰｯ

あかり「う……///」ｶｱｧ

結衣「ま、いいか……。朝ごはんの支度して。それで今回は許してあげるから」

あかり「う、うん！」

結衣「さて、じゃあちゃんと起きて……」

あかり「……///」ｷﾞｭｯ

結衣「わっ……。な、何？」

あかり「……あと5分だけ……///」ｷﾞｭｰｯ

結衣「……はいはい」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

あかり(えへへ……。お姉ちゃん優しいから大好き！)ｷﾞｭｰｯ

………

～登校中～

結衣「全く、あかりの5分はすぐに伸びるんだから……」

あかり「……ごめんなさ～い……」ｼｮﾎﾞﾝ

結衣「そろそろ一人で寝れない子には罰を考えなきゃかな……」

あかり「ええっ！？ お、お掃除もお洗濯もご飯の支度だってするから！ 許してよぉ！」ｱｾｱｾ

結衣「何があかりをそこまで突き動かすんだ……」

あかり「え、えーと、それは、そのー……///」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

京子「はぁ、見慣れた光景だねぇ……。この姉妹の会話は……」ﾔﾚﾔﾚ

結衣「おっ、おはよう。京子」

あかり「あっ、おはよう京子ちゃん！」

京子「おー結衣、あかり。おはよー」

京子「今日もあかりは結衣のお布団で一緒に寝ていました、と……」

結衣「うん、そうなんだよ。いい加減に……」

京子「いやいや結衣」

結衣「ん？」

京子「結衣の口ぶりから全然嫌そうな感じが伝わってこないんだけど……？」ﾆﾔﾆﾔ

結衣「う……///」ｶｱｧ

京子「結衣はあかりには甘いからね～」ﾆﾔﾆﾔ

結衣「う……///」ｶｵﾏｯｶ

京子「すーぐ何があっても許しちゃうもんね～」ﾆﾔﾆﾔ

結衣「……///」ﾌﾟｼｭｰ

京子「あかり。実は結衣はな……」

あかり「なぁに？ 京子ちゃん」

京子「毎日のように教室では妹じまn……」

結衣「う、うっさい///」ｽﾊﾟｰﾝ

京子「ぐえっ！」

あかり「……」ｸｽｯ

～七森中学～

結衣「それじゃ私達は……」

京子「うん。また放課後なー、あかり」ﾊﾞｲﾊﾞｲ

あかり「う、うん……」ﾊﾞｲﾊﾞｲ

京子「おい結衣。可愛い妹がしょげてるぞ？」ﾆﾔﾆﾔ

結衣「何故ニヤニヤしながらこっちを見る……」

京子「あかりー、ちょっといい？」

あかり「なぁに？」

京子「そりゃっ」ﾑｷﾞｭｯ

あかり「わっ……///」

京子「へへっ、ヘタレなお姉ちゃんに代わって私があかりの欲求を解消してやろう！」ｷﾞｭｰｯ

あかり「えへへ……///」

京子(さーて、結衣さんの反応は、っと……)ﾁﾗｯ

結衣「……」ｼﾞﾄｰｯ

京子(おー、妬いてる妬いてる)ﾆﾔﾆﾔ

結衣「……」ﾍﾟｼｯ ﾍﾟｼｯ

あかり・京子「痛っ！？」

結衣「ほら、もういい時間だから。早く教室行くぞ」ﾑｽｯ

あかり「うう……。お姉ちゃんの意地悪……」ﾌﾟｰ

京子「……」ﾆﾔﾆﾔ

結衣「何だよその顔は」

京子「いやー、別に？」

結衣「ふーん……」

………

～放課後。ごらく部～

結衣「……」ﾎﾞｰｯ

京子「おー退屈そうだねー結衣さん？」

結衣「いや別に？」

京子「ふーん？」

ｱｯｶﾘｱｯｶﾘ…… ﾁｰﾅﾁｰﾅ……

結衣「！」

京子(足音聞こえたらすーぐ嬉しそうにしちゃって……)ｸｽｯ

ガラッ

あかり「こんにちは、お姉ちゃん！ 京子ちゃん！」

ちなつ「結衣先輩！ 会いたかったですー！」ﾀﾞｷｯ

結衣「わっ、ち、ちなつちゃん……」

あかり「あ……」

京子(今日はちなつちゃんの勝ちか……)

京子(毎日の私の密かな楽しみなんだよね～、これ……)ﾆｼｼ

ちなつ「今日も結衣先輩にベストコンディションでお会いするために、張り切っちゃいました！」ｽﾘｽﾘ

結衣「え、えと、ちなつちゃん……。そろそろ離れてもらえると……」

ちなつ「えーっ、私は結衣先輩から離れたくないです！」ｷﾞｭｰｯ

京子(さてあかりは……、っと)ﾁﾗｯ

あかり「……」ﾑｯ

京子(はー、可愛いねぇ。いやー、この姉妹は毎日見てて飽きないな～)

京子「おーい、あかり～」

あかり「なぁに、京子ちゃん」

京子「ほれほれ、私が膝貸してやろう」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

あかり「……」ﾁﾗｯ

＞ﾕｲｾﾝﾊﾟｰｲ! ﾁｮｯ、ﾁ、ﾁﾅﾂﾁｬﾝ…

あかり「……」ﾑｽｯ

あかり「うん……！ お言葉に甘えて……」ﾎﾟﾌｯ

京子「へへっ///」ｷﾞｭｯ

結衣(あ……)

京子「いやー、あかりは抱き心地がいいねー！」ｷﾞｭｰｯ

あかり「そ、そうかなぁ」ﾃﾚﾃﾚ

京子「なぁ、あかり。お姉ちゃんと私、どっちが好き？」

あかり「え、えと……」ﾁﾗｯ

結衣「……」

ちなつ「……！///」ｷﾞｭｰｯ

あかり「……、京子ちゃん！」

結衣「！」

京子「そっかー、そう言ってもらえて嬉しいねー！」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

あかり「えへへ……」

結衣「……」ﾑｽｯ

京子「ねー結衣ー」

結衣「何？」

京子「いいよなー、結衣は妹いて」

結衣「……別に？」

あかり「……！」ｶﾞｰﾝ

京子「ふーん、そう？ じゃあさ、あかりくれよ！」

京子「あかりもさ、私がお姉ちゃんの方がいいだろ～？」ﾆﾔﾆﾔ

あかり「……」

あかり「……うん！」ｷﾞｭｯ

京子「へへっ///」ｷﾞｭｯ

結衣「……」ﾑｯ

京子「そういえばあかりって前はしょっちゅう『京子ちゃんのお嫁さんになる！』って言ってたよな～」

結衣「いやいや、さすがにそれはない」

あかり「うーん、でも京子ちゃんと一緒にいるとすごく楽しいし……」

ちなつ「そうだよねー。京子先輩とあかりちゃん、お似合いじゃない？」

結衣「……」ﾑｯ

京子「……」ｸｽｯ

京子「いやいや、私の記憶違いだったな～。思い出した！」

ちなつ「？」

京子「あかりって小さい頃は『お姉ちゃんのお嫁さんになる！』って言ってたんだよ」ﾆﾔﾆﾔ

あかり「う……///」

ちなつ「あー、可愛いですね。そういうの私も言ってた気がします」ｸｽｯ

ちなつ「結衣先輩のお嫁さんは私だよ、あかりちゃん……」ﾎﾞｿｯ

結衣「まあ小さい頃に言ってたことだし……」

あかり「う、うん……///」

京子「それで結衣は結衣でな……」ﾆﾔﾆﾔ

京子「キリッとした顔で『勿論貰ってやる！』なーんて……」ﾆｼｼ

結衣「う……///」ｶｵﾏｯｶ

京子「気が利いて優しくて、一生懸命で」

京子「そんなお嫁さんが理想だよな～。なぁ結衣？」ﾆﾔﾆﾔ

結衣「む……///」

ちなつ「あ、それ私の事ですね！ 貰ってくださいね！ 結衣先輩！」

あかり「……」ﾑｰｯ

京子(実はこれ、結衣がしょっちゅう自慢してるあかりの事なんだよね～)ﾆｼｼ

結衣「……///」

………
……
…

～帰り道～

京子「それじゃまた明日な～、結衣、あかりー」

ちなつ「また明日ね！ 結衣先輩！ あかりちゃん！」

結衣「うん、また明日。京子、ちなつちゃん」

あかり「また明日ね、京子ちゃん、ちなつちゃん！」

………

ちなつ「しかし、あの二人……、今日はほとんど口を利きませんでしたね……」

京子「ま、私が恥ずかしいところをあれこれほじくり返したからね～」ｹﾗｹﾗ

ちなつ「いくらなんでも遠慮なさすぎですよ……」

京子「大丈夫大丈夫。あの二人、明日には元通りになってるからさ」

ちなつ「そうですね……。羨ましいです」

ちなつ「結衣先輩と一つ屋根の下なんて……」ｷﾞﾘｯ

京子(うおぉ……。ちなつちゃん怖えぇ……)ﾋﾞｸｯ

ちなつ「でも私はお姉ちゃんと歳が離れてるから……」

ちなつ「一緒の学校に通えるなんていいな、って思いますね」

京子「そっか……、私はそれでも羨ましいなぁ」

ちなつ「あ、京子先輩は……」

京子「うん。私一人っ子だからさ、お姉さんや妹がいるのってすごく羨ましいよ」

京子「ま、私には可愛い妹も同然な子が二人いるけどね」

ちなつ「え？」

京子「ん？ ちなつちゃんとあかりの事だよ？」

ちなつ「サラっと凄い事言いますね……」

京子「私じゃ不満かな？」

ちなつ「……そんな事言ったら、私が悪者みたいじゃないですか」

京子「へへっ、今度姉妹ごっこでもしてみる？」ﾆﾔﾆﾔ

ちなつ「……考えてあげてもいいですよ」

京子「お、ちなちゅがデレた」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ちなつ「べ、別に嫌じゃないってだけですよ///」ﾌﾟｲｯ

京子「はいはい」ｸｽｯ

………

結衣「……」ﾃｸﾃｸ

あかり「……」ｱｯｶﾘｱｯｶﾘ

結衣「……」ﾁﾗｯ

あかり「……」ﾁﾗｯ

結衣・あかり「！」

結衣「……///」ﾌﾟｲｯ

あかり「……///」ﾌﾟｲｯ

結衣「……」ﾃｸﾃｸ

あかり「……」ｿｰｯ

ギュッ

あかり「……///」ｷﾞｭｰｯ

結衣「……あかりは私より京子が好きなんじゃないの？」

あかり「う……」

あかり「あ、あれは、お姉ちゃんがちなつちゃんに抱き着かれて鼻の下を伸ばしてたから……」

結衣「……ヤキモチ？」

あかり「うう……///」

結衣「……」

あかり「……///」ｷﾞｭｰｯ

結衣「……」ｸｽｯ

結衣「ねえ、あかり。晩御飯は何食べたい？」

あかり「！」

あかり「お、お姉ちゃんが好きなのでいいよぉ」

結衣「あかりに聞くとそればっかりだな……」

あかり「お姉ちゃんだって同じ事言うよね？」

結衣「いーの、私はあかりのお姉ちゃんだから」

結衣「妹のわがままはちゃんと聞いてあげなきゃね」

あかり「むー、子供扱いする……」ﾌﾟｰ

あかり「……」

結衣「あかり、どうしたの？」

あかり「いや、もうあかりもお姉ちゃん離れしなきゃなのかなって……」

結衣「え？」

あかり「あかり、お姉ちゃんに甘えてばっかりだし……」

あかり「それにお姉ちゃんが引っ越す時、わがまま言ってくっついてきちゃったんじゃ……」

結衣「そんなことないって……」

あかり「クラスでもカッコいいお姉さんがいて羨ましいってよく言われるけど……」

あかり「あかり自身はあまり目立たないし……」

あかり「もしかしたら、お姉ちゃんの役に立ててないんじゃ……」

結衣「……」ｺﾂﾝ

あかり「あいたっ」

結衣「そうやって自分を低く見るのがあかりの悪いとこ」

結衣「あかりの事は私が一番わかってるつもりだよ」

あかり「そ、そっかぁ……///」ﾃﾚﾃﾚ

あかり「ねえお姉ちゃん」

結衣「何？」

あかり「あかり、お姉ちゃんの事大好き！」

結衣「……知ってるよ」

あかり「お姉ちゃんはあかりの事好き？」ﾐｱｹﾞ

結衣「む……。そんなの言うまでもないだろ？///」

結衣「さっ、日が暮れちゃう。早く帰るよ」ｷﾞｭｯ

あかり「えへへ」ｷﾞｭｯ



おしまい

蛇足かもしれないおまけ

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ…

あかり「むにゃ……、もう朝かぁ……」ﾎﾟｰｯ

あかり「なんか凄い夢見ちゃったなぁ……」

あかり「結衣ちゃんがあかりのお姉ちゃんなんて……」

あかり「うーんでも、京子ちゃんも結衣ちゃんも」

あかり「あかりにとってはもう二人のお姉ちゃんみたいな感じだもんねぇ」ｸｽｯ

あかり「……」

あかり「結衣ちゃんはあかりの事どんな感じに思ってるのかな……」

………

～ごらく部～

あかり「こんにちはーっ」

結衣「こんにちは、あかり。あれ、ちなつちゃんは？」

あかり「あ、ちなつちゃんは日直で少し遅れるって……。京子ちゃんは？」

結衣「ああ、宿題が溜まりに溜まって居残りだってさ……」ﾔﾚﾔﾚ

あかり「そっか……。あ、あかりがお茶いれてあげるね！」

結衣「うん。ありがとう、あかり」

あかり「はいっ、どうぞ結衣ちゃん」ｺﾄｯ

結衣「ありがとう、あかり」ﾆｺｯ

あかり「どういたしまして」ﾆｺｯ

結衣「それではいただきます……」ｽﾞｰｯ

あかり「……」

あかり(あかりが結衣ちゃんの妹だったらこんな感じも珍しくないんだよね……)

あかり「あかりが毎日お茶をいれてあげるって、どんな感じなのかな……？」ﾎﾞｿｯ

結衣「！？」ﾌﾞﾌｫｯ

あかり「わっ、ど、どうしたの？ 結衣ちゃん！？」

結衣「な、何！？ いきなりどうしたの？ あかり！？」ｹﾎｯ

あかり「あ、声に出ちゃってたかぁ……」

結衣「……？」

あかり「えっとね、結衣ちゃん」

結衣「な、何？」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

あかり「あかり今朝ね、結衣ちゃんと一緒に暮らしてる夢を見たんだよぉ」ｸｽｯ

結衣「！？///」ﾄﾞｷｯ

あかり「何だかずっと前から結衣ちゃんと一緒みたいだった夢でね」

結衣(こ、これはまさか……///)ﾄﾞｷﾄﾞｷ

あかり「それで起きた時に気になったんだけどね」

結衣「……///」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

あかり「結衣ちゃんはあかりをどんな感じに思ってるのかな、って」

結衣(き、きたああああああああ！)

結衣(そ、そうだよな……京子にだってバレてるんだ)

結衣(あかりに気付かれてたって何の不思議もないよな……///)ﾄﾞｷﾄﾞｷ

結衣(落ち着け私……。一世一代の大勝負だ……！)ｽｰﾊｰｽｰﾊｰ

あかり「？」

結衣「わ、私は、あかりの事を……///」ｶﾞﾁｶﾞﾁ

結衣(ええい、私のヘタレ……。何故言葉が続かない……！)

あかり「あ、いきなり変なお話振ってごめんね……」

あかり「あかりの方から先に言わないとダメだよね……」

結衣(うおおおおおおおお！)

あかり「えっと、あかりはね……」

結衣「……///」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

あかり「結衣ちゃんの事をね……」

結衣「…………///」ﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷ

あかり「ずっとお姉ちゃんみたいな感じに思ってたんだよぉ」ﾆｺｯ

あかり「だ、だから結衣ちゃんもあかりの事を妹みたいに思ってくれてたら嬉しいな、って……///」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

結衣「……………………」ﾁｰﾝ

あかり「あれ？ 結衣ちゃん、どうして真っ白になってるの？」

あかり「結衣ちゃん、起きて～？」ﾕｻﾕｻ



ほんとにおしまい

9巻表紙からの思いつきを書いてみた。
あかねさんが二人の下着を拝借するオチとか考えてたわけないじゃないですか。
誰かひまあかもしくは綾あか辺りで姉妹ネタやってくれないかな～

乙乙

あかねさんが自分の出番がゼロだったことにお怒りのようです