1: 2015/06/11(木) 21:03:30.51 ID:ADnOliSb0
夏紀「どう? 落ち着いた?」
久美子「はい……ありがとうございます」
久美子「ごめんなさい。お恥ずかしいところを見せてしまって……」
夏紀「いや、それは別に良いんだけど」
夏紀「それよりも、そんなに泣くほどのことした? 私」
久美子「あ……いえ、その……実は、中学時代に色々あって……」
夏紀「ふ~ん……良かったら聞かせてもらっても良い?」
久美子「そんな面白い話しじゃないですよ?」
夏紀「黄前ちゃんの話しだったら、面白くないなんてことはないよ」
久美子「……ありがとうございます」
久美子「でも本当、聞いてても何も楽しくないっていうか……」
夏紀「……そんなに、話したくないこと?」
久美子「別に、そういう訳じゃ……」
久美子「はい……ありがとうございます」
久美子「ごめんなさい。お恥ずかしいところを見せてしまって……」
夏紀「いや、それは別に良いんだけど」
夏紀「それよりも、そんなに泣くほどのことした? 私」
久美子「あ……いえ、その……実は、中学時代に色々あって……」
夏紀「ふ~ん……良かったら聞かせてもらっても良い?」
久美子「そんな面白い話しじゃないですよ?」
夏紀「黄前ちゃんの話しだったら、面白くないなんてことはないよ」
久美子「……ありがとうございます」
久美子「でも本当、聞いてても何も楽しくないっていうか……」
夏紀「……そんなに、話したくないこと?」
久美子「別に、そういう訳じゃ……」
2: 2015/06/11(木) 21:04:46.40 ID:ADnOliSb0
久美子「ただ、簡潔に言えば、Aグループのメンバーに選ばれた後、その当時の先輩に、その……」
夏紀「……嫌味でも言われた?」
久美子「まあ、そんな感じです」
久美子「認めないとか、なんでアンタが……とか」
夏紀「そう……だから黄前ちゃん、私の呼び出しに乗り気じゃなかったんだ」
久美子「え、いや、そんな……」
夏紀「バレてないと思った? あんなのバレバレ」
夏紀「黄前ちゃん、嘘つけないでしょ」
久美子「いや、まぁ……」
夏紀「ま、そこが黄前ちゃんの良いところだと私は思うけどね」
夏紀「……嫌味でも言われた?」
久美子「まあ、そんな感じです」
久美子「認めないとか、なんでアンタが……とか」
夏紀「そう……だから黄前ちゃん、私の呼び出しに乗り気じゃなかったんだ」
久美子「え、いや、そんな……」
夏紀「バレてないと思った? あんなのバレバレ」
夏紀「黄前ちゃん、嘘つけないでしょ」
久美子「いや、まぁ……」
夏紀「ま、そこが黄前ちゃんの良いところだと私は思うけどね」
3: 2015/06/11(木) 21:05:51.79 ID:ADnOliSb0
夏紀「それにしてもその先輩、情けないわね」
久美子「え?」
夏紀「だってそうでしょ? 自分の実力不足を棚に上げて、猛練習した人を否定して」
夏紀「黄前ちゃんに才能があろうとなかろうと、努力したのは確かなのに、そんなこと言うなんて、本当に情けない」
久美子「あ……」
夏紀「自分だけが努力してるなんて考えてる人の典型だよ。そんなの」
夏紀「だからさ、黄前ちゃん」
夏紀「そんな人のこと、気にしないで」
久美子「……はい」
久美子「……はい……!」
夏紀「ああもう、また泣く」
久美子「だって……だって……嬉しくて……!」
久美子「本当、ごめんなさい……!」
夏紀「…………」
久美子「え?」
夏紀「だってそうでしょ? 自分の実力不足を棚に上げて、猛練習した人を否定して」
夏紀「黄前ちゃんに才能があろうとなかろうと、努力したのは確かなのに、そんなこと言うなんて、本当に情けない」
久美子「あ……」
夏紀「自分だけが努力してるなんて考えてる人の典型だよ。そんなの」
夏紀「だからさ、黄前ちゃん」
夏紀「そんな人のこと、気にしないで」
久美子「……はい」
久美子「……はい……!」
夏紀「ああもう、また泣く」
久美子「だって……だって……嬉しくて……!」
久美子「本当、ごめんなさい……!」
夏紀「…………」
4: 2015/06/11(木) 21:07:47.36 ID:ADnOliSb0
夏紀「黄前ちゃん」ガタ
久美子「えっ」
ギュッ
久美子「あ……」
夏紀「よしよし。いい子いい子」ナデナデ
久美子「う……うぅ……」
夏紀「よく今まで我慢してきたね」
夏紀「えらいえらい」
久美子「う……うう……!」
夏紀「沢山、泣いたら良いから」
夏紀「久美子ちゃんは今まで、ずっとそう責められたことを抱えて、頑張ってきたんだもの」
夏紀「今ぐらい、甘えなよ」
久美子「う、うぅ……!」ギュッ
久美子「私……私……!」
夏紀「うん。うん。大丈夫だから」
夏紀「安心していいんだよ」
久美子「えっ」
ギュッ
久美子「あ……」
夏紀「よしよし。いい子いい子」ナデナデ
久美子「う……うぅ……」
夏紀「よく今まで我慢してきたね」
夏紀「えらいえらい」
久美子「う……うう……!」
夏紀「沢山、泣いたら良いから」
夏紀「久美子ちゃんは今まで、ずっとそう責められたことを抱えて、頑張ってきたんだもの」
夏紀「今ぐらい、甘えなよ」
久美子「う、うぅ……!」ギュッ
久美子「私……私……!」
夏紀「うん。うん。大丈夫だから」
夏紀「安心していいんだよ」
5: 2015/06/11(木) 21:08:49.03 ID:ADnOliSb0
~~~~~~
夏紀「……落ち着いた?」
久美子「はい……あの、また、ありがとうございます」
夏紀「これぐらい、どうってことないよ」スッ
久美子「あ……」
夏紀「ん?」
久美子「あ、いえ……あの、もうちょっとだけ、抱き付いていたかったなぁ、って」
夏紀「……黄前ちゃんってさ、お姉さんとかお兄さんとか、いる?」
久美子「え? あ、はい。姉が一人」
夏紀「やっぱり……」
久美子「え?」
夏紀「黄前ちゃん、妹オーラ出過ぎ」
久美子「えっ?」
夏紀「ついつい甘やかしてあげたくなっちゃうってこと」
夏紀「……落ち着いた?」
久美子「はい……あの、また、ありがとうございます」
夏紀「これぐらい、どうってことないよ」スッ
久美子「あ……」
夏紀「ん?」
久美子「あ、いえ……あの、もうちょっとだけ、抱き付いていたかったなぁ、って」
夏紀「……黄前ちゃんってさ、お姉さんとかお兄さんとか、いる?」
久美子「え? あ、はい。姉が一人」
夏紀「やっぱり……」
久美子「え?」
夏紀「黄前ちゃん、妹オーラ出過ぎ」
久美子「えっ?」
夏紀「ついつい甘やかしてあげたくなっちゃうってこと」
6: 2015/06/11(木) 21:10:11.73 ID:ADnOliSb0
夏紀「全く……いつも冷めてるせいか、こういう時にそういうこと言われると、もっと可愛く見えちゃう」
夏紀「卑怯だよ、そういうの」
久美子「そんなつもりは……」
夏紀「……ま、それも黄前ちゃんの良いところ、か」
久美子「あ、あの! 夏紀先輩っ」
夏紀「ん?」
久美子「……もう、下の名前では、呼んでくれないんですか?」
夏紀「えっ?」
久美子「あれ……ちょっと、嬉しかったんです……」
久美子「抱きしめて、とは言いませんから、せめて……その……」
夏紀「……はぁ……」
夏紀「ホント、そういうところ可愛いよね、久美子ちゃんは」
久美子「あ……」
夏紀「卑怯だよ、そういうの」
久美子「そんなつもりは……」
夏紀「……ま、それも黄前ちゃんの良いところ、か」
久美子「あ、あの! 夏紀先輩っ」
夏紀「ん?」
久美子「……もう、下の名前では、呼んでくれないんですか?」
夏紀「えっ?」
久美子「あれ……ちょっと、嬉しかったんです……」
久美子「抱きしめて、とは言いませんから、せめて……その……」
夏紀「……はぁ……」
夏紀「ホント、そういうところ可愛いよね、久美子ちゃんは」
久美子「あ……」
8: 2015/06/11(木) 21:12:08.92 ID:ADnOliSb0
夏紀「……あ~、でも待って」
久美子「はい?」
夏紀「ごめん。やっぱ、ちょっと恥ずかしい、これ」///
久美子「そうなんですか?」
夏紀「うん。なんか、ちょっとだけ」
夏紀「意識しちゃったせいかな。なんか……うん」
久美子「はぁ……」
夏紀「……まあ、皆の前では絶対に呼べないけど……二人きりの時たまになら、呼ぶから」
久美子「…………はは」
夏紀「……なに?」
久美子「いえ、なんかそういうの、隠れて付き合ってるみたいで、なんかやらしいな、って思いまして」
夏紀「……黄前ちゃんって、ちょっと変態混じってるよね」
久美子「えぇっ!? そうですか!?」
夏紀「うん。なんかちょっと、やらしい」
久美子「はい?」
夏紀「ごめん。やっぱ、ちょっと恥ずかしい、これ」///
久美子「そうなんですか?」
夏紀「うん。なんか、ちょっとだけ」
夏紀「意識しちゃったせいかな。なんか……うん」
久美子「はぁ……」
夏紀「……まあ、皆の前では絶対に呼べないけど……二人きりの時たまになら、呼ぶから」
久美子「…………はは」
夏紀「……なに?」
久美子「いえ、なんかそういうの、隠れて付き合ってるみたいで、なんかやらしいな、って思いまして」
夏紀「……黄前ちゃんって、ちょっと変態混じってるよね」
久美子「えぇっ!? そうですか!?」
夏紀「うん。なんかちょっと、やらしい」
9: 2015/06/11(木) 21:15:12.62 ID:ADnOliSb0
久美子「やらしいって……言われたことないですよ、そんなの」
久美子「それを言うならあすか先輩でしょう」
夏紀「あすか先輩は……やらしいというより、工口い」
久美子「……どう違うんですか、それ」
夏紀「黄前ちゃんのは、なんかオーラとして溢れてる」
夏紀「隠しきれてない感じがする」
久美子「ちょっとそんな、止めて下さいよ」
夏紀「むっつり感があるよね」
久美子「無いですってそんなのっ」
夏紀「でも、本当に友達に言われたことない? 加藤ちゃんとか、川島ちゃんとか」
久美子「もちろんな――」
――変態っ……――
久美子「――あ」
夏紀「あったんだ」
久美子「それを言うならあすか先輩でしょう」
夏紀「あすか先輩は……やらしいというより、工口い」
久美子「……どう違うんですか、それ」
夏紀「黄前ちゃんのは、なんかオーラとして溢れてる」
夏紀「隠しきれてない感じがする」
久美子「ちょっとそんな、止めて下さいよ」
夏紀「むっつり感があるよね」
久美子「無いですってそんなのっ」
夏紀「でも、本当に友達に言われたことない? 加藤ちゃんとか、川島ちゃんとか」
久美子「もちろんな――」
――変態っ……――
久美子「――あ」
夏紀「あったんだ」
10: 2015/06/11(木) 21:18:25.99 ID:ADnOliSb0
久美子「いや、まぁ、それは……」
夏紀「やっぱ、気付く人は気付くんだね」ガタ
夏紀「じゃ、いい時間だし、そろそろお店出よっか」
久美子「あ、はい」
久美子「今日は本当、その……ありがとうございました」
夏紀「シェイク奢っただけで、大袈裟だよ」
久美子「違いますよ」
久美子「今日はちょっと、心が軽くなりました……」
夏紀「……そっか」
久美子「私、夏紀先輩のこと、結構好きです」
夏紀「あれ? 結構なんだ」
久美子「本当は大好きですけど、照れくさいので」
夏紀「……全部言ってるよ、黄前ちゃん」
久美子「えへへ、わざとです」
夏紀「……久美子ちゃんさ」
久美子「はい?」
夏紀「性格悪いって言われない?」
久美子「えぇっ!?」
終わり
夏紀「やっぱ、気付く人は気付くんだね」ガタ
夏紀「じゃ、いい時間だし、そろそろお店出よっか」
久美子「あ、はい」
久美子「今日は本当、その……ありがとうございました」
夏紀「シェイク奢っただけで、大袈裟だよ」
久美子「違いますよ」
久美子「今日はちょっと、心が軽くなりました……」
夏紀「……そっか」
久美子「私、夏紀先輩のこと、結構好きです」
夏紀「あれ? 結構なんだ」
久美子「本当は大好きですけど、照れくさいので」
夏紀「……全部言ってるよ、黄前ちゃん」
久美子「えへへ、わざとです」
夏紀「……久美子ちゃんさ」
久美子「はい?」
夏紀「性格悪いって言われない?」
久美子「えぇっ!?」
終わり
11: 2015/06/11(木) 21:19:52.95 ID:ADnOliSb0
以上。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
12: 2015/06/11(木) 21:20:48.71 ID:DZMrYfwuo
すばらしい
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