1: 2019/01/10(木)23:11:45 ID:eqM
・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・描写について、複数のコンテンツの要素や独自の解釈を含むことがあります
~年末のとある日~
緒方智絵里「だからそのために、蘭子ちゃんにコツを教わってきたんですっ」
プロデューサー(以下、P表記)「うん……うん? 蘭子に?」
智絵里「はい!」
P「そうか。勉強熱心? なのはいいことだけど……一体何のコツを教わったんだ?」
P「あ、蘭子のことだから、いい夢を見られるおまじない、的なヤツか?」
智絵里「えっと、それじゃあ……見ていてくれますか、プロデューサーさん」
P「ん? あぁ」
2: 2019/01/10(木)23:14:02 ID:eqM.sx.nz
智絵里「……確か、こんな感じのポーズで……」
智絵里「いきますっ! ……チリも、残さんっ! じょうはめっしょうえんっ!」シュババ
智絵里「闇の炎に、抱かれて、消えろっ!」ビシッ
P「」ポカーン
智絵里「ふぅ……どうですか、プロデューサーさん?」
P「どうもなにも」
智絵里「あぅ……やっぱり、まだ練習が足りませんか……? もっと闇の気持ちにならなきゃ、だめなのかな……?」
P「待て待て。そんな仁奈みたいなノリでダークサイドに足を踏み入れるのはやめてくれ」
P「……ゴメンな、なんだかお互いの認識に齟齬があるみたいだから、とりあえず初夢の話からどうしてそうなったのか、順を追って説明してくれるか?」
智絵里「は、はい……」
3: 2019/01/10(木)23:15:02 ID:eqM.sx.nz
智絵里「あのですね。初夢で見ると縁起が良いもので、一富士、二鷹、三茄子ってあるじゃないですか」
P「ああ。有名なやつだな」
智絵里「でも、その三種類は全部、茄子さんの管轄みたいで」
P「管轄」
智絵里「お正月はいろんな人にそういう夢を届けなきゃいけないから、忙しそうにしてて……。私なんかの初夢にまで足を運んでもらうのは、迷惑かなって」
P「うんうん。智絵里のそういう慎ましいところは美徳だと思うけど、たまにはちょっとぐらいワガママ言ってもいいんだぞ?」ナデナデ
智絵里「あ……えへへ」
P(言ってることはワケがわからんけど。何? 茄子って初夢の宅配サービスでもしてんの? そういう能力者なの?)
智絵里「えっと、それで自分で何か出来ることはないかなって、初夢について調べてたら、ナスの後にも四、五、六って続きがあるって知って……」
P「あー、そういえばあったな。一富士二鷹に比べてマイナーだけど」
智絵里「だから、蘭子ちゃんにお願いして、”奥義”のやり方を教えてもらったんです! 蘭子ちゃん、つい最近ゲームのイベントのお仕事で覚えたって言ってたから……」
P「なるほど」
智絵里「ちょっと恥ずかしいですけど、毎日これを繰り返していれば、きっと夢にも見られると思うから……頑張ってみようと、思いますっ」
P「うん、経緯は分かった。でもな智絵里。違う、そうじゃない」
P「ああ。有名なやつだな」
智絵里「でも、その三種類は全部、茄子さんの管轄みたいで」
P「管轄」
智絵里「お正月はいろんな人にそういう夢を届けなきゃいけないから、忙しそうにしてて……。私なんかの初夢にまで足を運んでもらうのは、迷惑かなって」
P「うんうん。智絵里のそういう慎ましいところは美徳だと思うけど、たまにはちょっとぐらいワガママ言ってもいいんだぞ?」ナデナデ
智絵里「あ……えへへ」
P(言ってることはワケがわからんけど。何? 茄子って初夢の宅配サービスでもしてんの? そういう能力者なの?)
智絵里「えっと、それで自分で何か出来ることはないかなって、初夢について調べてたら、ナスの後にも四、五、六って続きがあるって知って……」
P「あー、そういえばあったな。一富士二鷹に比べてマイナーだけど」
智絵里「だから、蘭子ちゃんにお願いして、”奥義”のやり方を教えてもらったんです! 蘭子ちゃん、つい最近ゲームのイベントのお仕事で覚えたって言ってたから……」
P「なるほど」
智絵里「ちょっと恥ずかしいですけど、毎日これを繰り返していれば、きっと夢にも見られると思うから……頑張ってみようと、思いますっ」
P「うん、経緯は分かった。でもな智絵里。違う、そうじゃない」
4: 2019/01/10(木)23:16:14 ID:eqM.sx.nz
智絵里「えっ……違う、ですか……?」
智絵里「……そういえば蘭子ちゃん、あれは”奥義”っていうか、正確には”魔鏡技”? だって言ってたような……」
P「そうでもなくて」
智絵里「あ……もしかして、台詞を間違ってましたか? えぇと、『闇の炎で、過去を断ち切る』……だったかな?」
P「智絵里。これ以上闇に染まる前に、まずひとつだけ聞いてくれ」
智絵里「は、はいっ」
P「縁起が良いってされてるのは、”奥義”じゃなくて、ぱたぱた仰ぐほうの”扇”な」
智絵里「えっ」
智絵里「……あ、あわわわ……私、すごい勘違いを……!///」
P「ま、まあ勘違いは誰にでもあるものだから……な?」
智絵里「せっかく、ここ数日レッスンの合間に頑張って練習したのに……闇っぽいポーズとか、言葉とか」シュン
P「こないだ杏に『智絵里ちゃんのプロデュース方針変えるの?』って聞かれたのは、ひょっとしてこの所為か」
智絵里「これじゃあ私、ただ意味もなくイタいことしてる子になっちゃう……は、恥ずかしい」
P「それ暗に蘭子が恥ずかしい人だって言ってないか?」
智絵里「……そういえば蘭子ちゃん、あれは”奥義”っていうか、正確には”魔鏡技”? だって言ってたような……」
P「そうでもなくて」
智絵里「あ……もしかして、台詞を間違ってましたか? えぇと、『闇の炎で、過去を断ち切る』……だったかな?」
P「智絵里。これ以上闇に染まる前に、まずひとつだけ聞いてくれ」
智絵里「は、はいっ」
P「縁起が良いってされてるのは、”奥義”じゃなくて、ぱたぱた仰ぐほうの”扇”な」
智絵里「えっ」
智絵里「……あ、あわわわ……私、すごい勘違いを……!///」
P「ま、まあ勘違いは誰にでもあるものだから……な?」
智絵里「せっかく、ここ数日レッスンの合間に頑張って練習したのに……闇っぽいポーズとか、言葉とか」シュン
P「こないだ杏に『智絵里ちゃんのプロデュース方針変えるの?』って聞かれたのは、ひょっとしてこの所為か」
智絵里「これじゃあ私、ただ意味もなくイタいことしてる子になっちゃう……は、恥ずかしい」
P「それ暗に蘭子が恥ずかしい人だって言ってないか?」
5: 2019/01/10(木)23:19:08 ID:eqM.sx.nz
~~~
P「……ともあれ、いい初夢のためには闇の奥義じゃなくて、扇子か何かを持ち歩くとか、枕元に置いておくとかしたほうが良さそうだ」
智絵里「はい……」
P「扇子、持ってるのか?」
智絵里「うぅ、持ってないです……」
智絵里「扇子、扇子……うーん、紗枝ちゃんが使ってるのは、見たことありますけど……」
P「あー、紗枝ならいくらでも持ってそうだな」
智絵里「この間も、京都でのお仕事の時に、周子さんとお揃いの扇子を買ってきたって、言ってましたし」
智絵里「……あっ。あと、早苗さんもですね」
P「早苗さん? あの人そんなはんなり趣味あったっけ?」
智絵里「おっきくて、もこもこな、可愛い扇子をお持ちでしたっ。ああいう扇子もあるんですね。私、あんまり詳しくなくて……」
P「……そういうことね。いやぁ、ジュリ扇はまた毛色が違う気がするけど……」
智絵里「毛の色、ですか? 付いてたファーは、ピンク色でしたけど……やっぱり、縁起の良い色のほうがいいんでしょうか? 紅白とか……」
P「智絵里、違う。そうじゃない」
6: 2019/01/10(木)23:20:17 ID:eqM.sx.nz
智絵里「……そうだ。扇子じゃないですけど、私、うちわなら持ってますよっ。夏のライブで、ファンの皆さんに配った余りを頂いたのが」
P「……あぁ、あのうちわとは名ばかりの、穴の開いた丸い厚紙な」
智絵里「み、身も蓋もないですね……」
P「そんなんでいいなら、俺も持ってるよ」
P「なんだったら、今ここに大量に……」ガララ
智絵里「わっ……デスクの引き出しの中に、うちわがたくさん……」
P「ちひろさんから余りを押し付けられて、対処に困っててな」
智絵里「これだけあれば、きっと凄い初夢が見られるんじゃ……?」
P「ただなぁ。扇子が縁起物とされてるのは、末広がりになってる形が理由らしいからな……。この丸っこい厚紙じゃ、何枚あっても役には立たないかも」
智絵里「そんな……こんなにあっても効果が無いなんて」
智絵里「……涼み放題では、あるんですけどね」
P「でも冬だしな、今」
智絵里「……」パタパタ
P「……何してるんだ?」
智絵里「あ、いえ……うちわを手に取ったら、なんとなく扇ぎたくなって……」
智絵里「プロデューサーさんも、扇いであげますねっ」パタパタ
P「おー涼しい。……こうして椅子に座って、側で扇がれてると、なんか南国の王様にでもなった気分だな」
智絵里「ふふっ。そういうイメージ、ありますよね。葉っぱのうちわで、そよそよ~って」
P「だなー」
ガチャ
島村卯月「お疲れさまで……」
智絵里「お加減はいかがですか、王様?」ソヨソヨ
P「うむ、苦しゅうない。近こう寄れ……なんつって」
卯月「ぷっ、プロデューサーさん!? 智絵里ちゃんに何をさせてるんですかっ!?」
P「……あぁ、あのうちわとは名ばかりの、穴の開いた丸い厚紙な」
智絵里「み、身も蓋もないですね……」
P「そんなんでいいなら、俺も持ってるよ」
P「なんだったら、今ここに大量に……」ガララ
智絵里「わっ……デスクの引き出しの中に、うちわがたくさん……」
P「ちひろさんから余りを押し付けられて、対処に困っててな」
智絵里「これだけあれば、きっと凄い初夢が見られるんじゃ……?」
P「ただなぁ。扇子が縁起物とされてるのは、末広がりになってる形が理由らしいからな……。この丸っこい厚紙じゃ、何枚あっても役には立たないかも」
智絵里「そんな……こんなにあっても効果が無いなんて」
智絵里「……涼み放題では、あるんですけどね」
P「でも冬だしな、今」
智絵里「……」パタパタ
P「……何してるんだ?」
智絵里「あ、いえ……うちわを手に取ったら、なんとなく扇ぎたくなって……」
智絵里「プロデューサーさんも、扇いであげますねっ」パタパタ
P「おー涼しい。……こうして椅子に座って、側で扇がれてると、なんか南国の王様にでもなった気分だな」
智絵里「ふふっ。そういうイメージ、ありますよね。葉っぱのうちわで、そよそよ~って」
P「だなー」
ガチャ
島村卯月「お疲れさまで……」
智絵里「お加減はいかがですか、王様?」ソヨソヨ
P「うむ、苦しゅうない。近こう寄れ……なんつって」
卯月「ぷっ、プロデューサーさん!? 智絵里ちゃんに何をさせてるんですかっ!?」
7: 2019/01/10(木)23:22:20 ID:eqM.sx.nz
~~~
智絵里「卯月ちゃん、誤解を解いてくれてよかったですねっ」
P「まったくな。アイドルを扇風機代わりにこき使う事務所だなんてウワサになったら、大炎上待ったなしだ」
智絵里「七輪とか、扇いだらよく燃えますしねっ」
P「そうじゃなくて」
P「……ともあれ、扇子を用いる案は、一旦保留にするか」
智絵里「はい……そうなると、次の候補は五番目の縁起物ですけど……」
P「五煙草、か。……まぁ、実際に持つのは論外だよなぁ」
智絵里「煙草はハタチになってから、ですよね」
P「アイドルとしてのイメージ的にも、ちょっとな」
智絵里「えっと、じゃあ、どうしましょう……?」
P「やっぱり、似ているもので代用するか?」
智絵里「似ているもの……」ウーン
智絵里「例えば……主人公のピンチに新しい顔を持って駆けつける妖精さん、とか……?」
P「あ、似てるってそういう字面的なこと? ……っていうか、あの人って妖精だったのか」
ガチャ
大原みちる「今、パンの話を!」
P「してねぇよ」
智絵里「あんパン、美味しいですよねっ」
ガチャ
安斎都「張り込みの話ですかっ!?」
P「連想ゲームかよ」
8: 2019/01/10(木)23:23:30 ID:eqM.sx.nz
P「……コホン。また由来の話になるが、煙草の煙は高いところに昇っていくから、運気上昇に掛かってるんだ。だから、そういう方向性で似ているものを探した方がいいんじゃないか?」
智絵里「高いところ、ですか……」
智絵里「あっ! それなら私、心当たりがありますっ!」
P「お、そうか」
智絵里「ちょっと待っていてくれますか? 今、呼んできますねっ」タタタ
ガチャ
智絵里「お待たせしましたっ」
堀裕子「呼ばれて飛び出てムムムムーン! 幸せを呼ぶサイキックアイドル、堀裕子ですっ!」バーン
P「」
智絵里「どうですか、プロデューサーさん? 裕子ちゃんに手伝ってもらえれば、きっと初夢も……」
P「智絵里……お前、なんてことを……!」フルフル
智絵里「は、はいっ……?」
P「いくら『バカと煙は高いところが好き』なんて言うとはいえ、ユッコをおバカ扱いするのは、あまりにも、あまりにも……!」
智絵里「あ、あの……私、裕子ちゃんがこの前ステージで空中浮遊に挑戦するっていうお仕事をやったって聞いたから、それで……」
P「……えっ」
裕子「……なるほど、なるほど……プロデューサーが普段私のことをどう思ってるのか、よーく分かりました」ムスー
智絵里「……プロデューサーさん……」ジー
P「……申し訳ありませんでした!」ドゲザー
智絵里「もう……裕子ちゃんはそんなのじゃないです。ただちょっと、頭の中がサイキックでいっぱいで……」
P「智絵里、そのフォローは……」
裕子「そうですとも! エスパーたるもの、寝ても覚めても心にサイキック! ですからねっ」フンス
P「あ、本人的にはアリなんだ」
智絵里「高いところ、ですか……」
智絵里「あっ! それなら私、心当たりがありますっ!」
P「お、そうか」
智絵里「ちょっと待っていてくれますか? 今、呼んできますねっ」タタタ
ガチャ
智絵里「お待たせしましたっ」
堀裕子「呼ばれて飛び出てムムムムーン! 幸せを呼ぶサイキックアイドル、堀裕子ですっ!」バーン
P「」
智絵里「どうですか、プロデューサーさん? 裕子ちゃんに手伝ってもらえれば、きっと初夢も……」
P「智絵里……お前、なんてことを……!」フルフル
智絵里「は、はいっ……?」
P「いくら『バカと煙は高いところが好き』なんて言うとはいえ、ユッコをおバカ扱いするのは、あまりにも、あまりにも……!」
智絵里「あ、あの……私、裕子ちゃんがこの前ステージで空中浮遊に挑戦するっていうお仕事をやったって聞いたから、それで……」
P「……えっ」
裕子「……なるほど、なるほど……プロデューサーが普段私のことをどう思ってるのか、よーく分かりました」ムスー
智絵里「……プロデューサーさん……」ジー
P「……申し訳ありませんでした!」ドゲザー
智絵里「もう……裕子ちゃんはそんなのじゃないです。ただちょっと、頭の中がサイキックでいっぱいで……」
P「智絵里、そのフォローは……」
裕子「そうですとも! エスパーたるもの、寝ても覚めても心にサイキック! ですからねっ」フンス
P「あ、本人的にはアリなんだ」
9: 2019/01/10(木)23:25:57 ID:eqM.sx.nz
~~~
P「結局、近いものは事務所の倉庫にあったこれぐらいか……」
智絵里「でも、本当に頂いていいんですか? このアロマディフューザー」
P「いいんだ、何故か大量に余ってるから」
P「事務所で昔流行った時期があってな。詳しくはちひろさんに聞くといい」
智絵里「は、はぁ……」
智絵里「でも、これでいい夢が見られそうです。裕子ちゃんに、夢見の良くなるサイキックもかけてもらいましたし」
P「……サイキックというか、ただのおまじないだった気もするが」
智絵里「あはは……」
P「さて。ここまで来たら、最後の六番目もいっとくか?」
智絵里「えぇと。四扇、五煙草……六座頭、でしたよね」
P「しかし座頭を夢に見るってのも、難易度高そうだな」
智絵里「あの……そもそもなんですけど、『座頭』って、何なんでしょう……?」
P「あー、確か江戸時代ぐらいの、盲目の人のことだったっけか。元々の由来は、更に古い時代の、琵琶法師だったとか……俺も詳しくは知らないな。昔、映画で見た知識だけだ」
智絵里「うーん……ごめんなさい、ぴんと来ないです……」
P「そりゃそうだよなぁ。となるとまた、それに似ているもの……」
10: 2019/01/10(木)23:28:25 ID:eqM.sx.nz
ガチャ
佐藤心「おっつスウィーティー♪」
P「……佐藤で妥協しとくか?」
智絵里「ふぇっ!?」
心「おい☆ なんの話か知らないけど、妥協って響き、なんか切ないからやめて☆」
智絵里「ち、違うんです! 全然、嫌な意味じゃなくて」
智絵里「私は……いいと思いますよっ。その、はぁとさんって、おめでたい感じですしっ」
P「智絵里。そのフォローもちょっとズレてる」
心「ほほーぅ? 誰が脳内パッションのオメデタイ奴だって? このやろ☆」ギュゥゥゥ
P「ちょ、そこまで言ってない、ってか俺じゃねぇぃてててて! 痛い! ヘッドロックやめろぉ!」
智絵里(プロデューサーさんとはぁとさん、仲良しだなぁ……)
11: 2019/01/10(木)23:29:14 ID:eqM.sx.nz
智絵里「で、でも……枕元にはぁとさんを、ってことは……そ、添い寝しちゃう感じ……ですか? それはちょっぴり、恥ずかしいです……」モジモジ
心「おっ? なになに、智絵里ちゃんたら、寮暮らしでホームシックにでもなった? 寂しい時は、おねーさんに甘えてもいいんだぞ☆」
智絵里「あっ、いえ! 寂しくは、ないですよっ」
智絵里「寮では他のアイドルのみんなが、とてもよくしてくれますし……両親とも、電話でお話したりするから……」
智絵里「本当に、たくさんの人に支えられて……だから、こんな私でもアイドル、頑張れてるんです」ニコッ
心「っくぅー! 智絵里ちゃん、マジ健気すぎんだろ☆ はぁと、泣いちゃいそ」
P「でしょう? この子、俺の担当アイドルなんすよ」
心「いやー、もうさ、天使。天使だわ。はぁとの次にな☆」
P「は?」
心「お?」
智絵里「は、話がどんどん別の方向に行ってる気が……」
心「ん? 何、パジャマパーティーの話じゃなかったの? はぁと、智絵里ちゃんのためなら、夜なべして超スウィーティーなパジャマ作るよ♪ 背中に羽根がついてるやつ☆」
智絵里「えと……それ、寝づらくないですか……?」
P「だからそういう話じゃなくて……」カクカクシカジカ
心「……えー……。座頭の代わりに佐藤って、適当すぎんだろ☆」
智絵里「そういえば、その、座頭さん? の縁起が良い理由って、何なんですか?」
P「あぁ、座頭は剃髪するのが普通だったから、『毛が無い』が『怪我無い』に掛かって、無事に一年を過ごせる……って感じらしい」
心「なーんだ、それならはぁとよりも、プロデューサーのほうが適任じゃん?」
P「俺? なんでまた」
心「ほら、あと数年もすれば、頭頂部がだいぶうすーく……」
P「ちげーし! まだ薄くなんてなんねーし! なぁ、智絵里!」
智絵里「ぷ、プロデューサーさんと添い寝だなんて、もっと恥ずかしいですよぅ……///」プシュゥ
P「ここはフォローしてくれよ智絵里ぃ!」
心「おっ? なになに、智絵里ちゃんたら、寮暮らしでホームシックにでもなった? 寂しい時は、おねーさんに甘えてもいいんだぞ☆」
智絵里「あっ、いえ! 寂しくは、ないですよっ」
智絵里「寮では他のアイドルのみんなが、とてもよくしてくれますし……両親とも、電話でお話したりするから……」
智絵里「本当に、たくさんの人に支えられて……だから、こんな私でもアイドル、頑張れてるんです」ニコッ
心「っくぅー! 智絵里ちゃん、マジ健気すぎんだろ☆ はぁと、泣いちゃいそ」
P「でしょう? この子、俺の担当アイドルなんすよ」
心「いやー、もうさ、天使。天使だわ。はぁとの次にな☆」
P「は?」
心「お?」
智絵里「は、話がどんどん別の方向に行ってる気が……」
心「ん? 何、パジャマパーティーの話じゃなかったの? はぁと、智絵里ちゃんのためなら、夜なべして超スウィーティーなパジャマ作るよ♪ 背中に羽根がついてるやつ☆」
智絵里「えと……それ、寝づらくないですか……?」
P「だからそういう話じゃなくて……」カクカクシカジカ
心「……えー……。座頭の代わりに佐藤って、適当すぎんだろ☆」
智絵里「そういえば、その、座頭さん? の縁起が良い理由って、何なんですか?」
P「あぁ、座頭は剃髪するのが普通だったから、『毛が無い』が『怪我無い』に掛かって、無事に一年を過ごせる……って感じらしい」
心「なーんだ、それならはぁとよりも、プロデューサーのほうが適任じゃん?」
P「俺? なんでまた」
心「ほら、あと数年もすれば、頭頂部がだいぶうすーく……」
P「ちげーし! まだ薄くなんてなんねーし! なぁ、智絵里!」
智絵里「ぷ、プロデューサーさんと添い寝だなんて、もっと恥ずかしいですよぅ……///」プシュゥ
P「ここはフォローしてくれよ智絵里ぃ!」
12: 2019/01/10(木)23:30:32 ID:eqM.sx.nz
~~~
智絵里「結局集まったのは、ライブのうちわがたくさんと、裕子ちゃんのおまじない……じゃなかった、サイキックがかかったアロマディフューザーと……」
智絵里「あと、はぁとさんがプレゼントしてくれた、はぁとさんのサイン入りブロマイド、ですね」
P「カオスの極み」
智絵里「これを全部枕元に置いて寝れば、縁起の良い初夢、見られるかな……?」
P「どうだろうな……正直、望みは薄そうだが……」
智絵里「ううん……きっと、薄くなんてないですっ」
P「その言葉はさっき欲しかった」
智絵里「あっ、その、すみません……」
智絵里「でも、これはプロデューサーさんや、協力してくれた人たちの気持ちがこもったものだから、きっと幸せを運んでくれるって思うんです!」
P「……ははっ。智絵里がそう思うなら、きっとそうなるさ」
P「なんたって、アイドルの仕事はファンに夢を見させることだからな。ちょっと自分自身にいい夢を見させることぐらい、楽勝に違いない」
智絵里「……はいっ!」
13: 2019/01/10(木)23:31:24 ID:eqM.sx.nz
そして年は明け……
智絵里「明けましておめでとうございますっ、プロデューサーさん」
P「おう、明けましておめでとう。今年もよろしくな」
智絵里「はいっ。こちらこそ、よろしくお願いしますっ」
智絵里「それで、プロデューサーさん、聞いてください! 私、良い初夢を見られたんですっ♪」
P「マジか。そりゃよかった」
P「で、何が夢に出てきたんだ? 扇か、煙草か……もしかして富士山とか?」
智絵里「えぇとですね。夢の中で私、とっても綺麗なクローバー畑にいたんです。四つ葉のクローバーもたくさんあって……すっごく素敵でした!」
P「縁起物関係無いんかーい!」ズコー
智絵里「ふふ……今年も、良い年になりそう……♪」
おわり
14: 2019/01/10(木)23:32:10 ID:eqM.sx.nz
以上、お付き合いありがとうございました。
年末年始が案外忙しくて予定よりだいぶ遅刻した気がするものの、まだ1月ですしセーフですよね!
正月休みには間に合いませんでしたが、空いた時間の暇潰しにでもなれば幸いです。
前回
も、よろしければどうぞ。
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります