1: 2009/07/13(月) 14:21:38.76 ID:AnMANJ8k0
ある春の日のこと。私の大親友である律こと田井中律が結婚した。
しかもその相手は、なんと親友である平沢唯!
私は律のことが好きだったのですが、想いを伝えることができなかったのです!
そうしてる間に天然である唯は、律にサラっと告白したのです!
ああ・・・私はなんてチキンなんだ・・・。
心から祝福できないまま結婚式の日を迎えたのです。

澪「はあ・・・唯と律幸せそうだな」

紬「あら澪ちゃん、もう来ていたのね」

澪「おうムギ。かわいいドレスだな~」

紬「うふふ・・澪ちゃんも素敵な服よ」

これまた親友であるムギこと琴吹紬と談笑を。

しかし私の心は後悔でいっぱい。今にも叫びたいくらいでした。

そして会話をしていると、私の運命を変えるであろう人物が現れたのです。

4: 2009/07/13(月) 14:30:49.53 ID:AnMANJ8k0
さわ子「あ!澪ちゃんにムギちゃんお久しぶりね」


そこに現れたのは、何を隠そう高校の頃の顧問であるさわちゃんこと山中さわ子だった!
高校を卒業してから五年以上たってるというのに相変わらず綺麗であった!

澪「先生!お久しぶりです!」

紬「ご無沙汰してます」

さわ子「あら二人とも、とても大人っぽくなっちゃって」

紬「先生こそお綺麗ですわ!」

さわ子「ありがとう。しかしりっちゃんと唯ちゃんが結婚するなんてねえ」

澪「・・・」

さわ子「あ、ムギちゃん。向こうで梓ちゃんが呼んでいたわよ」

紬「ほんとですか?じゃあ私はちょっと失礼します」


そういうと紬は走って行ってしまいました。私と先生は二人っきりになりました。
すると先生は不思議なことを言い出すのです。

5: 2009/07/13(月) 14:36:03.36 ID:AnMANJ8k0
さわ子「やっと二人きりになれたわね」

澪「え?」

さわ子「澪ちゃん、顔色がよくないこと」

澪「・・・」

さわ子「澪ちゃんがりっちゃんのこと好きなことくらいお見通しよ」

澪「ふぇえええ!!!??」

さわ子「まったく澪ちゃんチキンだからこんなことになっちゃうのよ」

澪「・・・すいませんね・・・」

さわ子「うふふ。ねえ澪ちゃん、今でもりっちゃんのこと好きなの?」

澪「え・・・・・はい・・・」

さわ子「じゃあなんで高校のとき言わなかったの!このチキンが!!!!」

澪「・・・」

8: 2009/07/13(月) 15:07:53.68 ID:AnMANJ8k0
さわ子「ねえ澪ちゃん。もしも過去に戻れるとしたらどうする?」

澪「え?戻れるわけないじゃないですか・・・」

さわ子「もしもよ」

澪「律に・・・好きって言います・・」

さわ子「あらほんと?一度できなかった人間がそんな簡単にできるかしら?」

澪「で、できます!・・・・多分・・・」

さわ子「もう・・ダメダメね・・・」

澪「でも素直に言いたいって気持ちはあるんです」

さわ子「そう。そう気持ちが大事ね。澪ちゃん、ひとついいことを教えてあげる」


そういうと先生は私に顔を近づけて小さな声で言うのです。

さわ子「澪ちゃんを過去に戻してあげる」

澪「!!!!!!」

10: 2009/07/13(月) 15:19:57.25 ID:AnMANJ8k0
澪「な、何言ってるんですか先生!冷やかしはやめてください!」

さわ子「あらホントよ?いいの?戻りたくないの?」

澪「いや・・・戻りたいです・・・」

さわ子「そう。じゃあもどしてあげる」

澪「ホントですか?」

さわ子「もう・・まあ信じれない気持ちもわかるわ」

澪「そりゃそうですよ・・・」

さわ子「じゃあ実際にやってみましょ。ここに三枚の写真があるわ」

澪「はあ・・・」

さわ子「まず一年生のときの合宿の写真。そして澪ちゃんのパンチラ写真」

澪「・・・」

さわ子「そして・・・卒業式の写真」

11: 2009/07/13(月) 15:35:35.38 ID:AnMANJ8k0
紬「澪ちゃ~ん」

澪「あ、ムギ、聡も」

紬「聡君が澪ちゃんに挨拶したいんだって」

聡「あ、澪さん。今日は姉ちゃんのためにわざわざありがとうございます」

澪「ううん。律の晴れ舞台だもん」

聡「本当にありがとうございます」

澪「うん!」(そういや聡ってムギのことが好きだったんだよな・・)

聡「あ、あの紬さん!向こうで飲みましょう!」

紬「うん!飲もうか!」

澪(聡もムギに想いを伝えられないままだったんだよな)

14: 2009/07/13(月) 17:04:40.35 ID:AnMANJ8k0
澪「卒業式・・・」

さわ子「卒業式になんか嫌な思い出でもあるの?」

澪「実は・・・卒業式の日に唯が律に告白したんです・・・」

さわ子「そうだったの・・・」

澪「はい・・・」

さわ子「唯ちゃんには悪いけど・・・その前に澪ちゃんが告白すればいいのよ」

澪「でも律が私のこと好きかもわかんないし・・」

さわ子「今からそれを確かめに過去に戻るのよ」

さわ子「そしてそんな弱気なこと言わない!」

澪「すいません・・・」

15: 2009/07/13(月) 17:10:16.07 ID:AnMANJ8k0
さわ子「写真が三枚しかないから、簡単に言うとチャンスは三回よ」

澪「わかりました」

さわ子「じゃあまずは高1のときの合宿の写真ね」

澪「で、どうやって過去に行くんですか?」


私がそう聞いたときでした。先生は私の目を手で覆いました。


澪「わ!何するんですか!」

さわ子「いい澪ちゃん?今からこう叫んで」


16: 2009/07/13(月) 17:11:44.99 ID:AnMANJ8k0
「ふわふわタイム!!!!」

澪「え!?」

さわ子「いいから!」

澪「ふわふわタイム・・・」

さわ子「もっと大きく!」

澪「ふわふわタイム!」

さわ子「もっと!」

澪「・・・ふわふわタイム!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



澪「うわあああああああああああああああああああああああああああああ」

18: 2009/07/13(月) 17:38:49.06 ID:AnMANJ8k0
澪「ん・・・」

律「おい澪何ボーっとしてんだよ!」

唯「ねえ澪ちゃん聞いてる~?」

紬「何か悩みごとでもあるのかしら・・・」

澪「え・・・」

澪(ここ音楽室だ・・・?)

澪「なあ、今って西暦何年?」

律「何いってんだよ!今は2009年だろ~」

唯「私でもわかるよ~澪ちゃん」

澪「あ、そうだったな。あはは・・・」

澪(本当に戻ってきてる・・・うそ・・・)

19: 2009/07/13(月) 17:49:23.79 ID:AnMANJ8k0
律「んでさ澪、どうすんの?」

澪「え・・・何が?」

律「お、おい・・・澪が言い出したんだろ~合宿」

澪(そうか・・・合宿私が言いだしっぺだった)

澪「えへん!合宿をします!」

唯「やった~!」

紬「まあ、そういうの夢だったわ!」

律「海だ~!唯!思いっきり遊ぶぞ~!」

唯「お~!」

澪「遊びに行くんじゃありません!」

澪(この頃から唯は律のことが好きだったのかな?)

20: 2009/07/13(月) 17:59:53.92 ID:AnMANJ8k0
私は過去に来たという実感があまりなかったけど、時間がたつとともに実感してきたのです。
しかしなぜでしょう。過去に戻ったとたん、律に想いを伝えることが怖くなってきたのです!
やはり先生の言ったとおりでした。
しかし言わなければなりません!

そんなこんなで合宿の日はやってきました。

律「夏だ~!」

唯「海だ~!」

澪「おい!遊びにきたんじゃ

紬「まあまあ澪ちゃん」

澪「う・・・」

21: 2009/07/13(月) 18:08:31.24 ID:AnMANJ8k0
というわけでムギの別荘に着いたわけです。しかし私は失態をおかしてしまいました。

唯「!トイレどこ!もれちゃう」

紬「トイレは

澪「トイレはそこをまっすぐ行って突き当たりを左に曲がればあるぞ」

唯「澪ちゃんありがとう!」

そういって唯は走っていったんです。
なぜかムギが私のほうを見てくるんです。

紬「ねえ澪ちゃん・・・なんでトイレの場所知ってるの・・・?」



私は失態に気がつきました。高校の頃の綺麗に覚えているこの記憶力を呪いました。

澪「あ・・・えっと!来る時に通ったじゃない!」

紬「そこは通ってないわ・・・」

23: 2009/07/13(月) 18:16:44.86 ID:AnMANJ8k0
私は何を思ったのかムギに耳打ちしました。

澪「ムギ・・・驚かないで聞いてくれ」

澪「実は私未来から来てるんだ。詳しくは言えないけど」


そういうとムギはクスクス笑い出しました。

紬「ふふふ・・・澪ちゃんて面白いこと言うのね!」

紬「私そういう夢のある話好きよ」

澪「ははは・・・」

なんとかごまかせました。いや、ごまかしたわけじゃないんですが、結果オーライでした。
しかし注意しなければ。
すると外から声が聞こえてきました。そう。あの声が・・・

律「お~い!はやく海いくぞ~!」

25: 2009/07/13(月) 18:39:20.21 ID:AnMANJ8k0
澪「遊びにきたんじゃありません!練習が先だろ」

この期に及んでまでこんなことを言ってしまう私。

律「いいじゃん!唯行こうぜ~」


律は唯を誘いました。軽くショックでした。私は勇気を振り絞りました!

澪「わ、私だって泳ぎにいくぞ!今着替えるから待ってろ!」

律「お~澪ちゅわん?練習するんじゃなかったんでちゅか?」

澪「う、うるさい!いいから先行ってろ!」

私は今過去と違う行動をしました。これで少しは何かが変わるのかな?

唯「まって~みんな~」

紬「さあ海で遊びましょ!」

31: 2009/07/13(月) 20:13:22.68 ID:AnMANJ8k0
律「ついにたどりついたな・・・」

唯「りっちゃん隊員・・・食料が・・・」

律「大物だ・・・」

澪「なにやってんだ」


律と唯は仲良しです。すごく楽しそう。
そしてなぜでしょう?この経験は二回目だというのに、私はまたフジツボのあるところまで来たのです!

澪「ふふふ」

澪「・・・・・」


澪「こわくないこわくないこわくない」

律「ふ・・・じ・・・つ・・・ぼ・・・」

澪「ぎゃああああああああ」

澪(いや待てよ・・・怖がってるフリして律に抱きついてみたり・・・)



32: 2009/07/13(月) 20:17:48.09 ID:AnMANJ8k0
私は決心したのです。

澪(よし!頑張れ私!抱きつくぞ!)

しかしそこに現れたのはやはり彼女でした。

唯「りっちゃん砂遊びしよ~!」

律「お~!今行くぞ~!」

澪「あ・・・・」

そういうと律は走っていってしまいました。私はやっぱりチキンだ・・・
考えている間に時間は過ぎ、唯のほうへ行ってしまった。
そもそも唯は律のことを好きっていう感情があるのか?
きっと天然だから自分でもよくわからないうちに告白してしまったんだろう・・
私は小学校のころからずっと好きなんだぞ!負けるもんか!
唯なんて・・・唯なんて!!!!

律「じゃあ暗くなってきたしそろそろ戻ろうか!」

紬「そうね!おいしいご飯食べましょ」

唯「がってんです!」

澪「うん・・・」

34: 2009/07/13(月) 20:24:02.92 ID:AnMANJ8k0
澪「おい、花火なんてあとにしてご飯食べようよ~」

律「まあいいから座れって!」

紬「ふふふ・・・」



律「いっくぞ~!!!!!!」

澪「わあ・・・」


そこに広がった光景に私は驚きました。とっても綺麗な花火。
エアギターで踊る唯。私の周りから一瞬音が消えました。
二回目のはずなのにとても感動でした。
やっぱり唯は憎めないや。

唯「え~!もう終わり~」

澪「唯。ありがとう。すごく綺麗だったよ」

唯「えへへ・・・」


恋のライバルにこんなことを言ってしまった。
唯がうらやましい。きっと純粋に律が好きなんだろうな。

35: 2009/07/13(月) 20:29:57.58 ID:AnMANJ8k0
澪「律もムギもありがとうな」

律「いいってことよ!」

紬「最高の思い出だわ!」

唯「じゃあみんなでご飯食べて練習しよっか!」

澪「そうだな!」

律「お!練習といったとたん張り切りだしたな澪!」

澪「そりゃあな。練習目的だからな」

律「とかいって一番遊んでたのはどこの誰かな!?」

澪「う、うるさい!」

「あはははははははははは」


そういって時間はあっという間に過ぎていってしまいます。
今が幸せすぎてこのままでいたいと思ってしまいます。
でもこれじゃダメなんだ!私は律に好きっていうために戻ってきたんだ!

36: 2009/07/13(月) 20:34:27.17 ID:AnMANJ8k0
みんなでお風呂に入りました!

?「ばあああ!!!」

紬「だ、誰!?」

律「私だ」

紬「あらりっちゃん!前髪降ろすと意外に可愛い!」

律「ありがとう!で、意外ってどういうことかな~」

紬「あ!それは・・違うの!」



唯「ねえ澪ちゃんFってこれであってるっけ?」

澪「Fはこうだろ。はい」

唯「こうか~!ありがとう澪ちゃん!」

澪「こら!風呂で抱きつくな!恥ずかしいだろ!」

唯「澪ちゃんおっOい大きいね!」



憎めないよ。やっぱり唯は憎めない。

37: 2009/07/13(月) 20:43:20.80 ID:AnMANJ8k0
律「さあ!じゃあ寝るぞ!」


そして寝ることになりました。今の時刻は0時半。たしか・・・
夜中の2時くらいに律が冷蔵庫にジュースを取りに行くんだよな。
そして一緒に私もついていって二人っきりになるんだけど、私は告白できずにいた。
そして唯とムギも来て一緒に写真を撮るんだっけな。
よし!律と二人っきりのときに告白するぞ!

唯「じゃあみんなおやすみ~」

澪(あと一時間半か・・・)




私はとても緊張して頭が真っ白に!
でもここで言わなきゃ何も変わらない!頑張るぞ!

39: 2009/07/13(月) 20:50:29.02 ID:AnMANJ8k0
そして午前2時をむかえました。

律「ん・・・喉渇いた・・・」

律「ねえ澪~一緒に冷蔵庫きて~」

澪「ん・・・どうしたんだ?」

律「喉渇いた~」


寝ぼけた声の律はとても可愛くてドキドキしました。
いきなり手が震えます。おさまれ!

澪「もう・・しょうがないな~」

そして二人で冷蔵庫へ歩き出します。
私は、いつ言おう、いつ言おうと考えながら歩きました。
心臓BAKU★BAKU!

40: 2009/07/13(月) 20:54:00.36 ID:AnMANJ8k0
律「ぷっはあああ!うめえなコーラ!」

澪「わたしにもちょっとくれよ」

律「いいぞ~」

間接キスです。こんなにおいしいコーラ飲んだことない!
いや!そうじゃなくって好きって言わなきゃ!

澪「ありがとう」

律「いいよ。どうせムギんちのだし」

澪「あのさ律・・・私ね・・・」

律「なんだ?」

澪「律のこと・・・す・・・す・・・」

41: 2009/07/13(月) 20:57:48.10 ID:AnMANJ8k0
律「す?」

澪「す・・・す・・・」


その時でした。時間は待ってくれません。残酷です。


唯「あ!いたいた!」

紬「やっぱりここだったわね」


来てしまいました。もう終わりです。
この状況で告白する勇気私にはありません。

唯「ねえねえみんなで写真撮ろうよ~」

紬「いいわね!」

律「お!いいな~!」

澪「・・・」

42: 2009/07/13(月) 20:59:50.27 ID:AnMANJ8k0
ついに来てしまいました。

唯「はいチーズ!」

その瞬間なぜか涙が流れてきました。

カシャ!






澪「うわああああああああああああああああああああ」


ふ~わふわ
ふ~わふわ
ふわふわ
ふわふわ
ふわ~ふわ

56: 2009/07/13(月) 22:42:19.07 ID:AnMANJ8k0
さわ子「おかえり澪ちゃん」

澪「ふぅあああ!!」

澪「あ!ここは・・・」

さわ子「戻ってきたのよ。現実に・・・」

澪「え!じゃあ・・・」


律は唯と結婚式を挙げていました。そう。何も変わっていなかったのです。

さわ子「ほんとに澪ちゃんはチキンねえ」

澪「う・・・」

さわ子「でもね澪ちゃん。ひとつだけかわってることがあるわ」

澪「え?」

先生は写真をみせてくれました。それはさっきの夏合宿の写真。
さっきと変わっていたのは、私が涙を流していること

57: 2009/07/13(月) 22:54:14.13 ID:AnMANJ8k0
さわ子「ほら澪ちゃん。少しだけどこちらの世界に影響してきてるわ」

澪「ホントだ・・・」

さわ子「でも澪ちゃん。チャンスはあと2回しかないのよ」

澪「そうでした・・・」


梓「あ!澪先輩お久しぶりです!」

澪「おお梓。久しぶり!」

梓「さわ子先生もお久しぶりです」

さわ子「まあ梓ちゃん。綺麗になったわね」

梓「そんな・・・恥ずかしいです」

紬「梓ちゃん一緒に飲みましょ」

梓「あ!今行きます!じゃあ失礼します!」


梓は走って行ってしまいました。しかし今回の写真に新歓の写真がなくてよかったな。
梓に会った瞬間に「おお梓~」って言ってしまいそうだからな。

58: 2009/07/13(月) 23:07:03.41 ID:AnMANJ8k0
聡「あ、紬さん!お酒注ぎます!」

紬「まあありがとう聡君」

聡「いえ・・全然いいです!」




聡はムギのことが好きなようです。どうやら文化祭のちょっと前くらいから。
聡も私と同じように苦労してんだな~。
なんだか同情してしまいます。私が言えたことじゃないけど。

さわ子「ねえ澪ちゃん。一応聞いておくけど、二枚目の写真を使う?」


私は少し悩みました。しかしチラッと律のほうを見ると、幸せそうな笑顔が。
私のが律をもっと幸せに出来る!
そう思い決心しました。

澪「はい!もう一度戻ります!」

59: 2009/07/13(月) 23:12:35.19 ID:AnMANJ8k0
さわ子「そう・・・じゃあ今度こそ言うのよ?」

澪「はい。頑張ります」

さわ子「じゃあこの学園祭のパンチラ写真に行くわよ!」

澪「はい!」








澪「ふわふわタイム!!!!」




澪「うわああああああああああああああああああああああ!!!」

61: 2009/07/13(月) 23:30:18.00 ID:AnMANJ8k0
律「おい8上がりはビリだぞ唯~」

唯「え~そんなの聞いてないよ~」

律「ルールだルール!」

唯「ぶ~」

澪(ここは・・・思い出した。学園祭一ヶ月くらい前だったかな)

澪(たしか律の家で大富豪やってるときだ・・・)

律「おい澪何ボーっとしてんだよ!次澪の番だぞ!」

澪「あ、ごめん」


私はまた過去に戻ってきたのです。そう、律に想いを伝えるために!
そしてこの日はたしか、ムギと聡が初めて顔をあわせる日だ。

66: 2009/07/14(火) 00:10:13.98 ID:l8LrpoHJ0
紬「あ、りっちゃんちょっとトイレ貸してもらえる?」

律「いいぞ~。階段降りればわかるよ」

紬「ありがとう!」



紬「え~っと、あ、ここかしら・・・」

紬「あら、誰か入ってるわね」

聡「あ!ねーちゃん!?今出るからまって」

紬(ねーちゃん?りっちゃんの弟さんかしら?)

ガチャ

聡「おまたせ~・・・ってえええええ!!!」

紬「まあ!こんにちわ」

聡「え・・・あ・・・こんにちわ!」

紬「おトイレ借りていいかしら?」

聡「ど、どうぞ!!!」

68: 2009/07/14(火) 00:14:41.97 ID:l8LrpoHJ0
紬「ありがとう」

ガチャ

聡(か、かわいい・・・めちゃくちゃタイプだ~!)




唯「あがり!」

律「おい唯!2上がりも反則だから!」

唯「ぶ~」

紬「りっちゃんトイレありがとう」

律「おう!はやくやろうぜ~!」



今回は一ヶ月の余裕があるので、最後の日に告白しよう、という甘い考えを持っていました。
結局は私はそういう性格なのです。
するとノックもせずに入ってきたのは

70: 2009/07/14(火) 00:21:25.43 ID:l8LrpoHJ0
聡「あ!みなさんこんにちわ!お、お菓子持ってきました!」

律「お~聡サンキュー!紹介するね。澪は知ってるけど」

律「弟の聡。今中一なんだ。ほら聡、挨拶して」

聡「弟の聡です!よ、よろしくお願いします!」

唯「かわいい~よろしくね!私唯って言うんだ!」

聡「よろしくお願いします唯さん!」

紬「まあさっきの・・・聡君ていうのね?琴吹紬ですよろしくね」

聡(うわ!かわいい!・・・ダメだ・・緊張しちゃう・・)

聡「よ、よろしくお願いします・・つ・・つ・・紬さん!」


私はなんと性格の悪い女なんでしょう。聡にこんなことを言います!

澪「おい聡~何照れてんだ~」

71: 2009/07/14(火) 00:33:36.17 ID:l8LrpoHJ0
聡「み、澪さん!何言ってるんですか!じゃあ僕もう行きますね!」


確かここで聡は出ていっちゃうんだよな・・・
だけどな聡、そうはさせない!

澪「なあ聡、一緒に大富豪やろうよ」

聡「え、いいよ悪いから・・・」

澪「いいから、な?そこに座って」

律「おっしゃ~!じゃあ聡も一緒にやるぞ!」


私は性格が悪いですね~。聡をわざとムギの横に座らせました。
聡は顔真っ赤!めちゃくちゃ緊張してます

紬「よろしくね聡くん」ニコッ

聡「は、はい・・・・!」

全くムギも罪な女です。

73: 2009/07/14(火) 00:43:21.26 ID:l8LrpoHJ0
少しはムギと聡の距離は縮まったのかな?
そして時は流れて学園祭一日前になってしまいました。
私は何をやっていたんでしょうか・・・
でも学園祭の日に絶対に言うんだ!そう思っていました。
でも運命の日は今日だったのです。


唯「明日はついに学園祭だね~」

澪「いいのか~マックでハンバーガー食べてて」

紬「でも結構練習したから大丈夫じゃないかな・・・」

律「・・・」

唯「りっちゃん?」


このとき私は律の気持ちに気づかなかったのです。なんてバカなんでしょう。
こればっかりは二回目でも気づかないのです。

75: 2009/07/14(火) 00:51:43.07 ID:l8LrpoHJ0
律「あ、ゴメンちょっとボーっとしてた!」

澪「じゃあそろそろ出るか」

唯「そうだね~」

律「・・・」


私は感じ取ることができなかったのです。
そりゃ私も超能力者でも宇宙人でもないので無理なわけですが・・・
好きな人だから気づいてあげたかった・・・
私はただただ学園祭の日に告白するということを考えていたのです。

唯「じゃあここで解散だね!」

紬「みんな明日は頑張りましょ!」

律「そうだな!あれ?澪そっち?」

澪「ああ、ちょっと寄りたいところがあってな」

律「そ、そうか・・」

76: 2009/07/14(火) 01:03:20.57 ID:l8LrpoHJ0
私は考えたのです。今律のためにできることは、ベースと歌を完璧にして
学園祭を成功させること。すぐにあがってしまう私は人一倍練習しようと思ったのです。
私は1人学校へと向かい歩き出しました。



律(澪行っちゃった・・・)

律(でも今日言うって決めたんだ!澪の家の前で待つ)

律(9時まで・・・9時までに澪が来なかったら澪のことは諦めよう・・・)



そんなことも知らずに私は1人音楽室でベースの練習。
ほんとに笑えてくるほどバカだ!一緒に帰ればよかったのに!
まあそんなこと言ってもしかたないのですが・・・

80: 2009/07/14(火) 01:10:03.12 ID:l8LrpoHJ0
そして8時半

さわ子「あら澪ちゃんやっぱりここにいたのね」

澪「せ、先生!!!!!!」

さわ子「練習熱心ね」

澪「先生・・私未来から・・・」

さわ子「なんのこと?」


先生とぼけているのですか?それとも禁則事項ですか?わかりません。

さわ子「ねえ澪ちゃん、そろそろ帰ったら?いいことあるかもよ?」

澪「え・・・?どういうことですか?」

さわ子「さあね。それは澪ちゃんが確かめるのよ」

澪「・・・私・・・帰ります!」

バタン

さわ子「ふふふ・・・がんばって澪ちゃん」

81: 2009/07/14(火) 01:17:04.09 ID:l8LrpoHJ0
私は全力で走って家に帰ります。
先生はからかって言ったのかもしれないけど、なぜか律が待っていてくれてるような気がした。
しかし現実は甘くないのです。


律「9時か・・・帰ろう・・・」



私が家まであと200mというところで律は帰ってしまったのです。

澪「はあはあ・・・」


私が家に着いたときは誰も居ませんでした。

澪「なんだよ先生・・・冷やかしかよ~」

そのとき時刻は9時3分でした。
時間は残酷です。私は明日に備え、風呂に入ってすぐに寝ました。

112: 2009/07/14(火) 16:38:15.44 ID:l8LrpoHJ0
そしてついに学園祭の日がきました。
唯の声は相変わらず枯れていて結局私がボーカルをやることになりました。
そして・・・今日こそ絶対に言わなければ!

澪「ねえ律~、最後だし練習しとこうよ~」

律「あ~ゴメン店番やってっから終わったらすぐ行くよ!」


何を考えたのか私は律に甘えてみることにしたのです。
上目遣いとやらをやってみたのです!

澪「え~はやく律と練習したいな~」

律(う!かわいい・・・)

律「わ、わかったよ!すぐ行くよ!」


こうして律と二人っきりで練習することになったのです。

114: 2009/07/14(火) 16:49:14.80 ID:l8LrpoHJ0
律「じゃあやるか!」


律は昨日のことはなかったのように普通に振舞います。
きっと律の中で何かが吹っ切れてしまったのでしょう。
もう残された道は、私から告白するということです!
私は震える拳を握り締め、大胆な行動に出ました。

律「おい澪どうしたんだ?緊張してるのか~?」

澪「なあ律・・・緊張して手が・・・」

律「大丈夫か?」


律は私の頭を撫でてくれました。私は我慢できずに・・・

澪「律!!!」

121: 2009/07/14(火) 17:20:25.05 ID:l8LrpoHJ0
私は律をギュッと抱きしめました。

律「お、おい澪・・どうしたんだよいきなり・・」

澪「私怖い・・・歌うのが怖い・・・」


それは嘘でした。私はただ律を抱きしめたかっただけなのです。
嘘をついたという罪悪感よりも、律を抱きしめたという達成感が私の中にはありました。


澪「律・・・もう少しこのままでいさせて・・・」

律「お、おう・・・落ち着くまでいいよ」


律のその言葉に涙が出そうでした。私は今まで何をやっていたんだろう・・・
自分が傷つかないために「好き」という一言が言えずに・・・
でもそんな自分と決別するために私は今ここに来ているんだ。
い、今しかない!

澪「り、律!!」

122: 2009/07/14(火) 17:25:30.41 ID:l8LrpoHJ0
律「え・・・?」

澪「私・・・律のことが・・・」

律「・・・」





時間が止まったようでした。なのに心臓はバクバク波打ちます。
言葉が出てきません。せっかく過去に来たのにこんな自分が情けない。


澪「私は律のことが・・・!!!」




ガチャ


唯「遅れてゴメ・・・」

124: 2009/07/14(火) 17:45:44.92 ID:l8LrpoHJ0
澪「!!!!!!!!」

律「唯・・・」


そこに入ってきた女の子は唯でした。しかしなぜか複雑な表情です。



唯「あ・・ゴメンね遅くなっちゃって。クラスの仕事があったんだ」

唯「今からちゃんと練習するよ!」


声が枯れているせいか、唯の言葉には哀愁に似たようなものを感じました。


唯(なんだろこのモヤモヤした気持ち・・・)

唯(こんな気持ち初めてだ・・・澪ちゃんとりっちゃんが凄くいい感じだった)

唯(なんかよくわかんないけど胸が苦しい・・・)

125: 2009/07/14(火) 17:54:09.83 ID:l8LrpoHJ0
そしてムギも合流し何事もなかったのように練習しました。
私はまた伝えることができなかったんだ・・・
その悲しみを頑張って隠しました。唯も元気に振舞ってきます。

そして音楽室から講堂に向かう途中、私は聡を見かけたのです。


澪「あ、聡、こんなところで何やってんだ」

聡「う、うわ!澪さん・・・」


どうやら聡は私達の演奏を見に来てくれたようです。
でも私は気づいていました。聡の本当の目的はムギだとういことを。
本当なら聡は普通に演奏を見て帰ってしまうのですが・・・
聡のためを思いこう言ったのです。


澪「なあ聡、本当はムギを見にきたんだろ?」

聡「え!ち、違うよ!!!」

澪「バレバレだぞ聡」

聡「う・・・」

127: 2009/07/14(火) 18:20:34.74 ID:l8LrpoHJ0
澪「なあ聡、私たちの演奏が終わったらムギに話しかけろ。いいな?」

聡「え、無理だよ・・・」

澪「なんでだ?」

聡「だって、俺なんか絶対相手にしてもらえないよ!」


私は聡の言葉に妙にイラっとしました。そして厳しい口調でこういいます。


澪「やってもいないのになんでそう言えるんだ!?」

澪「やる前からなんであきらめてるんだよ!」

澪「今いかないと将来後悔することだってあるんだぞ!」


まるで自分に言い聞かせているようでした。聡ゴメン。
これじゃただのウザいお姉さんだよな。私みたいな後悔しまくり人間に言われたくないよな。
でも聡には気持ちは伝わっていました。

聡「澪さんの言ってること妙に説得力がある・・・」

129: 2009/07/14(火) 18:25:32.26 ID:l8LrpoHJ0
聡「俺間違ってた、演奏終わったら紬さんに感想を言いに行く!」

澪「そうか。頑張れよ聡」

聡「ありがとう澪さん」


そういうと聡は走っていきました。
そんな純粋な聡を見ていると、うらやましく思えました。











そしてついに演奏の時を迎えました。

130: 2009/07/14(火) 18:32:52.10 ID:l8LrpoHJ0
澪(う・・・だめだ・・・)


二回目なのになぜか緊張してる私・・・
体が震えます。
ああ・・・また律に言えなかった。私は何をやっているんだ。
すると唯が声をかけてくれました。


唯「澪ちゃん、みんな澪ちゃんが1人で練習してたのしってるよ」





なんでだよ・・・私は唯の邪魔をしに来ているようなもんなんだぞ?
こんな悪者にそんな優しい言葉をかけるなよ・・・
律が結婚したのもわかってしまう。
唯・・・本当にゴメン・・・そしてありがとう。


澪「君を見てるといつもハートどきどき」

132: 2009/07/14(火) 18:41:29.01 ID:l8LrpoHJ0
澪「みんな!ありがと~!!!!」



無事にライブを終えました。大成功でした。
でも律には言うことが出来ませんでした。またまた後悔です。
なんで私はこんなにもチキンなんでしょう・・・




あれ?



私はふとこんなことを考えました。

133: 2009/07/14(火) 18:45:15.42 ID:l8LrpoHJ0
もしも写真を撮られるのを阻止したらどうなるんだろう?
私がここで転ばなければあの写真は無いはず・・・
私はさわ子先生のほうを見ました。

澪(先生・・・)


すると先生も何か言いたそうな目で私のほうを見ていました。
私はそれに気を取られ、結局コードに引っかかり転んでしまいます。


澪「いたたたた・・・・」


134: 2009/07/14(火) 18:46:42.27 ID:l8LrpoHJ0
ああ恥ずかしい・・・
今思い出しても恥ずかしい・・・

澪「え・・・・」





パシャ!!!!






澪「うわあああああああああああああああああああああああああああ」





ふ~わふわ
ふ~わふわ
ふわふわ
ふわふわ
ふわ~ふわ

141: 2009/07/14(火) 20:15:16.91 ID:l8LrpoHJ0
澪「ん・・・」

さわ子「おかえり澪ちゃん」

澪「あ、帰ってきたんだ・・・」

さわ子「はあ・・・・ホントにダメな子ね澪ちゃんは」

さわ子「なんのために過去に帰ってると思ってるの!その理由をしっかり考えなさい!」

澪「すいません・・・」



まあ怒られるのも仕方ないでしょう。事実なんですから。
しかし私が過去に帰ってもこっちの世界にはほとんど影響はないようです。
告白しても変わらないのかな?と考えました。


しかし、私の知らないところで未来は変わっていたのです




聡「紬、ワインでいい?」

143: 2009/07/14(火) 20:39:14.72 ID:l8LrpoHJ0
澪(紬・・・?)


紬「じゃあワインよろしくね聡」


澪(聡・・・?)


澪「おい聡とムギ、なんでおまえたち呼び捨てなんだ?」

聡「な、なに言ってんだよ澪さん」

紬「澪ちゃんどうしたの?」

澪「いや、どういうこと?」

聡「俺たち付き合ってるじゃん。ていうか澪さんに一番最初に報告したじゃん!」

紬「そうよ澪ちゃん。聡は今でも澪ちゃんに感謝してるのよ。私もだけど!」

聡「あの日澪さんが言ってくれた言葉が俺を変えたんだよ!ありがとう!」

澪「そ、そうか!よかったな二人とも。幸せにな・・・」

144: 2009/07/14(火) 20:54:34.98 ID:l8LrpoHJ0
聡「ありがとう!じゃあ飲もうか紬」

紬「そうね」


そういうと二人は向こうへ行ってしまいました。
私の知らないうちにいろいろなことが変わってる・・・
私だけが取り残されてる・・・?



さわ子「ねえ澪ちゃん?あなたの行動が未来を変えたの」

澪「まさか・・・私が1人で未来を変えてしまった・・・」

さわ子「変われてないのはあなただけのようね」

澪「う・・・・」


先生の言葉は妙に胸に突き刺さった。
聡はすごいな・・・私にはない勇気を持ってる・・・
でもその勇気をあげたのは自分・・・あげられる勇気なんてないはずなのに・・・

147: 2009/07/14(火) 21:11:01.45 ID:l8LrpoHJ0
澪「ちょっとみんなと話してきます」

さわ子「そう。じゃあまたあとでね」

澪「はい」

澪(もう過去に戻るのやめようかな・・・何にも変われないや)



憂「あ!澪さんお久しぶりです!」

和「澪!私たち今来たとこなの」


懐かしい顔ぶれです。なんだかホッとしました。

澪「憂ちゃんも和も久しぶり」

澪「そして憂ちゃん、お姉ちゃんの結婚おめでとう」

憂「ありがとうございます!お姉ちゃんが幸せになってうれしいです!」


ついつい心にもないことを口走ってしまった。
やっぱり心から唯の幸せを喜べない。
こんな自分が嫌でしかたない・・・

155: 2009/07/14(火) 22:25:58.12 ID:l8LrpoHJ0
憂「お姉ちゃん凄くしあわせそうです!」


ゴメンね憂ちゃん、私は唯の幸せを奪おうとしていたの。


和「澪、先生が澪のほうを見てるわ」

澪「あ、じゃあ私戻るね」




さわ子「澪ちゃん戻るの?ラストチャンスだけど」

澪「迷ってます・・・」

さわ子「あ、ひとつ言い忘れてたことがあったわ」

さわ子「写真を撮らなければ、どうなるか?って考えなかった?」

澪「はい。ちょっとだけ」

さわ子「写真を撮るのを妨害すると、そのまま時間がすすんでこっちには戻ってこられなくなるわ」

澪「え!?」

157: 2009/07/14(火) 22:31:29.34 ID:l8LrpoHJ0
さわ子「つまり澪ちゃんが戻った過去が現実となるの」

澪「それって・・・」

さわ子「そう。澪ちゃんがそれを望めば、澪ちゃんは時間を操れる」

澪「それって凄いじゃないですか!」

さわ子「そうね。りっちゃんに想いを伝える時間が増えるわね」

さわ子「これは澪ちゃんの判断に任せるわ。ただし」

澪「ただし・・・?」

さわ子「いままで過去に戻った人は何人もいたけど、一度もそうなったことはないわ」

澪「なんでですか?」

さわ子「それは澪ちゃんが考えるの」

澪「私が・・・?」

さわ子「そうよ。さて、そろそろ時間よ」

158: 2009/07/14(火) 22:38:10.44 ID:l8LrpoHJ0
さわ子「戻るの?戻らないの?」

澪「私・・・写真を撮らせません・・・向こうで暮らします」

さわ子「そう。それは澪ちゃん次第よ」

澪「先生・・・向こうでもよろしくお願いします」

さわ子「うん。よろしくね」



私は決心しました。もう一度高校の卒業式から人生をやり直すことを。
唯、ゴメン。私は幸せになりたい!だから私は過去に戻る!
そして今この場にいるみんなありがとう!過去でもよろしく

さわ子「じゃあ行くわよ澪ちゃん!」


澪「はい!ふわふわタイム!!!!!!!!!!!!!!」





澪「うわあああああああああああああああああああああああああ」

159: 2009/07/14(火) 22:42:21.07 ID:l8LrpoHJ0
澪「ん・・・・」

紬「澪ちゃん?どうしたのボーっとして」



これはたしか・・・卒業式の前の日だ。たしかムギとマックに来たんだよな。


澪「あ、ゴメンゴメン。ポテト一本ちょうだい?」

紬「いいわよ。あ、そういえば今日はりっちゃんと唯ちゃんが付き合ってからちょうど三ヶ月ね」

澪「へ~」













澪「え・・・・?」

166: 2009/07/14(火) 22:51:56.13 ID:l8LrpoHJ0
澪「ムギ、今なんて?」

紬「え?だからりっちゃんと唯ちゃんが今日で三ヶ月って」

澪「だって・・唯が告白するのは卒業式だよ?」

紬「何言ってるの澪ちゃん?ふふふ・・おかしいわ」




私は頭が真っ白になりました。おかしい・・何かがおかしい・・・
私は先生なら何か知ってるかもしれないと思い、学校へ行くことにしました。


澪「ごめんムギ・・・今から行くとこあるから、じゃ!」

紬「ちょ、澪ちゃん!?」


私はすぐに走り出しました。

167: 2009/07/14(火) 22:58:19.37 ID:l8LrpoHJ0
あたりはもう真っ暗でした。学校に着くと職員室だけ明かりがついています。
そして職員室に入ると、待っていましたという感じにさわ子先生だけがいました。


澪「はあはあ・・・先生・・・」

さわ子「やっぱり来たわね澪ちゃん」

澪「先生・・・何かがおかしいんです・・・」

さわ子「何が?なにもおかしくないわ?」

澪「え・・だって唯と律がもう付き合ってるんです、本当なら卒業式の日ですよ?」

さわ子「何もおかしくないじゃない。これが現実よ・・・」

澪「え・・・違いますよ」

さわ子「澪ちゃん。あなた自分がしたこと覚えてないの?」

澪「え・・・?」

168: 2009/07/14(火) 23:03:35.58 ID:l8LrpoHJ0
さわ子「あなた一年の学園祭の日、りっちゃんを抱きしめたじゃない」

澪「はい・・・それが?」

さわ子「あのあと唯ちゃんが入ってきた、そのとき唯ちゃんは気づいてしまったの」

澪「え・・?何にですか・・?」

さわ子「りっちゃんのことが好きってことに」

澪「!!!!!!!!!」

さわ子「つまり澪ちゃんの行動が、唯ちゃんがりっちゃんを好きっていう気持ちを本来より早く気づかせてしまったの」

澪「つまり・・・」

さわ子「そう。きっとその分告白も早まったってところね」

澪「そんな・・・なんで・・・」

169: 2009/07/14(火) 23:07:25.67 ID:l8LrpoHJ0
澪「私のあのときの行動は間違っていなかったはずです!」

澪「あんなに勇気を出したのに!なんでこんな悲惨なことになるんですか!」

澪「だったらあんなことしなきゃよかった!」

さわ子「もっと自分の行動に責任を持ちなさい」

さわ子「それに勇気を出したって?あなたがいつ勇気を出したのよ」

澪「私だって・・・」

さわ子「好きっていう二文字も言えないのに?」

澪「・・・・」

174: 2009/07/14(火) 23:17:25.06 ID:l8LrpoHJ0
図星でした。私は勇気なんて出してない・・


さわ子「ねえ澪ちゃん。卒業式って凄い特別な日だと思わない?」

澪「え・・・?」

さわ子「多分りっちゃんを奪えるのは明日しかないわ」

澪「なんでですか?」

さわ子「卒業式だから。ふふふ」


そういって先生は微笑みました。先生はこのときもう気づいていたのでしょうか?
チャンスが明日しかないということに

さわ子「それに澪ちゃん、とても大きな決断をしてると思うけど」

さわ子「その決断よりも、好きって一言言うほうが遥かに簡単だから・・・」



そう。私は過去で生きるという決断をしたんだ。好きって言うことのが簡単?
そのときの私にその意味はわからなかった・・・

175: 2009/07/14(火) 23:26:30.38 ID:l8LrpoHJ0
そして卒業式の日を迎えた。
私は今日時間を操るんだ・・・
そう思いながら学校に着いてしまった。

澪「この日ももう二回目か・・・」

澪「私は今日からこっちの世界で生きていくのか」


すると唯と律は一緒に登校して来ました。
どうやら私の行動は本当に影響しているみたい。

唯「あ~澪ちゃん!」

律「あ、澪・・・」


なんだか律はさびしそうな顔をしていた。これが先生が言ってた卒業式の魔力なのか?
律を奪えそうな気がした。

176: 2009/07/14(火) 23:29:35.67 ID:l8LrpoHJ0
私は勇気を振り絞った。

澪「律。私は律のことが・・・」















その瞬間唯の不安そうな顔が目に入って言葉がつまった。

177: 2009/07/14(火) 23:34:00.87 ID:l8LrpoHJ0
律「え?なんだよ澪、言えよ」


澪「その・・・」





唯を見ると言葉が出てこない。何やってんだ私は・・・
こいつから奪うためにここに来てるっていうのに・・・
そんなに悲しそうな顔をするなよ・・・


澪「いや・・・なんでもない・・・」





言えずに終わった。

183: 2009/07/15(水) 00:06:21.04 ID:1ZS/BCue0
卒業式を終え、憂ちゃんや梓に祝福され、校門まで来た。

和「もう高校卒業か。早かったわね」

紬「そうね!でもすごく楽しかったわ!」



このまま終わってしまうのか。鍵を握っているのは私だ。

さわ子「・・・」

憂「あ!みなさんで写真とったらどうですか!?私撮りますよ!」

和「いいわね。みんなで撮りましょ!」

律「そうだな。思い出だ!」

澪(ここで本当に終わってしまうのか・・・)

188: 2009/07/15(水) 00:15:03.33 ID:1ZS/BCue0
唯「みなさん!いつもこんな私に付き合ってくれてありがとうございました」

唯「ここにいる誰か1人いなくても今のわたしはありません」

唯「ほんとに・・・ほんとに・・・」

律「泣くな、唯」

紬「唯ちゃん。私たちも同じ気持ちよ」

和「唯・・・」



私はライバルであるはずの唯を抱きしめた。

190: 2009/07/15(水) 00:21:36.54 ID:1ZS/BCue0
澪「唯・・・ごめんな・・・ごめんな・・・」


涙が流れてしまった。不覚だった。
私はこんなに純粋で仲間思いの子から幸せを奪おうとした。
結局自分のことしか考えてなかったんだ。


唯「え・・・澪ちゃん何で謝るの?澪ちゃん何も悪いことはしてないよ?」



自分を殴ってやりたかった。




私はこのとき気づいたんです。

191: 2009/07/15(水) 00:28:36.68 ID:1ZS/BCue0
誰かが幸せになれば誰かが傷ついてしまう。
私が幸せになれば唯が傷つく。
それなら私が傷つくほうがいいや。
私は・・・私は本当の自分のが好きだ!


さわ子「澪ちゃん。成長したわね」






私は現実に戻ることを決めた。

193: 2009/07/15(水) 00:34:13.11 ID:1ZS/BCue0
憂「じゃあ気を取り直して・・・いきますよ~!」


これで過去の私とはお別れだ。
いまさら足掻いたってきっと未来は変わらない。
そう思ったから私は最後にこう言ったんです。


憂「いきま~す!」

澪「なあ、律」

律「ん?なんだ?」

澪「私、律のこと好きだから」


パシャ



澪「うわああああああああああああああああああああああああ」


ふ~わふわ
ふ~わふわ
ふわふわ
ふわふわ
ふわ~ふわ

198: 2009/07/15(水) 00:42:46.88 ID:1ZS/BCue0
澪「ん・・・」

さわ子「おかえり澪ちゃん。やっぱり帰ってきたわね」

澪「先生・・・」

さわ子「よくがんばったわ」

澪「私・・・先生が言っていたことがわかりました・・・」

さわ子「成長したのよ澪ちゃんは」

澪「私、過去に戻ったことは後悔してません」






ふと律のほうを見た。

202: 2009/07/15(水) 00:48:58.94 ID:1ZS/BCue0
そこに広がった光景は、前となんら変わりはなかった。
律と唯の幸せそうな笑顔。
聡とムギは付き合っているままのようだ。

さわ子「ねえ澪ちゃん。これでよかったの?」

澪「・・・」



私は少し沈黙をおいて答えました。



澪「満足です!後悔はありません!」

207: 2009/07/15(水) 01:00:47.84 ID:1ZS/BCue0

どうやら先生の話によると、私が律に告白した後、律はただニッコリと笑っただけだったそうだ。
どうりでこの写真の律がいい笑顔なわけだ!
律は奪えなかったけど私に後悔はない。
この想いを伝えられたのだから!
今は心から二人を祝福できる。二人ともお幸せに!



澪「先生。私1人取り残されてるような気がしますけど、後悔はありません」

さわ子「あら澪ちゃん、あなたは取り残されてなんかないわ。変わったの」

澪「え・・・?」



さわ子「だって澪ちゃん、今すごくいい顔してるから!」







fin



210: 2009/07/15(水) 01:02:32.61 ID:f/thXMo7O
乙!
なんか、心にぽっかり穴が空いた感じだな…

214: 2009/07/15(水) 01:07:08.02 ID:1ZS/BCue0
保守してくださったかた読んでくださった方ありがとうございました。

元ネタと同じように、上手くはいかないという結果で終わらせました。
自分自身納得いきません。
やっぱり澪律がいいですよね

223: 2009/07/15(水) 01:32:36.25 ID:1ZS/BCue0
温かいレスありがとうございます。
律澪エンド希望がありましたし、自分も書きたいのでもし明日残っていたら書きたいです。
蛇足かもしれないので、番外編という形で。
では。

267: 2009/07/15(水) 18:51:58.18 ID:1ZS/BCue0
今帰宅しました。保守ありがとうございました。
ちょっと自炊して食うので終わったら書きます。

引用元: 澪「プロポーズ大作戦って何ですか!?」