1: 2015/12/28(月) 21:43:32.63 ID:ndHQe9FKo
【モバマスSS】です  短いです

池袋晶葉に作られたウサちゃんロボはパイルフォーメーションにより、ウサミンロボとなるのだ(嘘)


2: 2015/12/28(月) 21:44:48.22 ID:ndHQe9FKo
「通信教育?」

モバPが聞き返す。

「はい」

うなずく菜々。

「菜々がウサミン星から地球に来る途中でお世話になった人がいて」

「宇宙船に乗せてもらったとか?」

「宇宙海賊に襲われた所を助けてもらったんです」

3: 2015/12/28(月) 21:45:15.36 ID:ndHQe9FKo

「宇宙海賊とな!?」

「最近ではザンギャックもバルバンも壊滅したから安心ですけど、……前は結構物騒でした」

「今、具体的な年数言いかけて止めたよね」

「ウサミンシークレットです」

「それで、通信教育って?」

「助けてくれた人が、通信教育を始めたんです」

「ペン習字とかの先生だったのか」

4: 2015/12/28(月) 21:45:44.12 ID:ndHQe9FKo
「いえ、拳法です」

「拳法」

「天空宙心拳です」

「天空宙心拳」

「聞いたことがあります!」

ちょうど横にいた中野有香が言った。

「知っているのか有香!」

6: 2015/12/28(月) 21:46:22.28 ID:ndHQe9FKo
「いえ、拳法です」

「拳法」

「天空宙心拳です」

「天空宙心拳」

「聞いたことがあります!」

ちょうど横にいた中野有香が言った。

「知っているのか有香!」

7: 2015/12/28(月) 21:46:48.25 ID:ndHQe9FKo

「なんか荷物届いてたな」

「ウサミン星系規格のデータで届いたんですけど、地球の規格と合わないんですよ」

「使えないのか」

「こっちでは使うことが無いので、持ってきてないんです」

「地球のじゃ絶対に無理なのか?」

「98しか持ってないのにFM7のディスクがきたようなものですね」

「そうか」

8: 2015/12/28(月) 21:47:16.96 ID:ndHQe9FKo
「どうしようかと思ったところでロボちゃんのこと思い出して」

「ウサミンロボはウサミン星の超科学技術が使われているんだったな」

「ウサミンロボのウサミニアックブレインなら、解析して翻訳できるんじゃないかと思って」

「それで、ロボにデータを渡したのか」

「はい」

「そうか、それで……覚えちゃったんだな」

「はい、覚えちゃったみたいです」

「それであの時……」

9: 2015/12/28(月) 21:47:52.11 ID:ndHQe9FKo

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 ヘレンは珍しく苦虫を噛みつぶしたような表情になっていた。
 何だというのか、このディレクターは。

「だから、そんなの必要ないんだってば」

 バカなことを、ヘレンは思う。
 場に合わせることは大事だ、それはわかる。だが、不必要なまでレベルを落とす意味があるのか。

「そこまで頑張る必要ないから、そこまでのことは誰も期待してないって」

「そうかしら」

 思わずヘレンは口を出していた。
 ここはスタジオ。今はスタジオの背景の準備を美術スタッフが行っているところだ。

10: 2015/12/28(月) 21:48:18.49 ID:ndHQe9FKo

「そのスタッフはもっと高いレベルで仕事が出来ないかしら」

 頭をがしがしと乱暴にかきむしるディレクター。

「だーかーらー、そこまでのレベルが必要な番組じゃないっての」

 金も時間も無駄だと、ディレクターは言い張っている。
 しかし、ヘレンにはそうは思えなかった。
 あと、ほんの少し手を伸ばせば、背景は格段に良くなると思えるのだ。

「ヘレンちゃーん、いい加減にしてくれないとこっちも困るよー」

 ここで仕事を投げ出すのは簡単だ、ヘレン自身、それで仕事を失うのなら悔いは無い。
 しかし、今はヘレン一人の問題ではない。事務所の仲間が、そして何よりもプロデューサーが……
 己の道を進むことに何のためらいも無いヘレンではあるが、傍若無人に突っ走るのを由とするわけではない。

11: 2015/12/28(月) 21:48:45.67 ID:ndHQe9FKo

「それじゃあ時間も無いし、その辺りで適当に切り上げて、撮影始めようか」

 駄目だ。どうしても一言言わねば気が済まない。

 と、そのときだった。

「待てぃっ!!」

 どこからか聞こえる美声。まるで、宇宙空間に放逐された究極生物のような声。

「人は誰も、己の器を知っている。その器を満たすため、人は日夜進むのだ」
「それでも、他人の器は誰にもわからない」
「しかし、己と他人の二つの器を知ろうとし、満たすことを望み、努力する者もいる」
「人それを、〝世界レベル〟と言う」

12: 2015/12/28(月) 21:49:12.18 ID:ndHQe9FKo

 ディレクターは叫ぶ。

「だ、誰だ!」

「お前たちに名乗る名前はない!」


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13: 2015/12/28(月) 21:49:38.42 ID:ndHQe9FKo

「で、その後、ウサミンロボが飛んできて、美術さんと一緒に速攻で背景を仕上げたって」

「あー、やっちゃいましたか」

「ロボ、しゃべれたのか」

「天空宙心拳の通信教育の成果でしょうか」

「すげぇな、天空宙心拳」

「あのー、実はですね、プロデューサー」

「なんだよ」

「ヘレンさんだけじゃなくて……」

14: 2015/12/28(月) 21:50:05.85 ID:ndHQe9FKo
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 ふごっふごっ

 大原みちるがパンを食べている。

 ふごっ?

 ……!?

 !!!???

 パンが無くなった。
 いや、食べ尽くした。

15: 2015/12/28(月) 21:50:32.41 ID:ndHQe9FKo

 普段のみちるなら、自分の食べる量を見切った上できちんと準備していただろう。
 しかし、今日ばかりは勝手が違ったのだ。

 台風による休校で学校が休みとなった薫たちが、家より近い事務所に一旦避難してきたのだ。
 そして、小学生たちは給食が食べられなかったためお腹を空かせていた。
 子供たちの飢えを座して無視するようなみちるではない。

 みちるは、まさに身を切る思いでパンを差し出したのだ。

「どうしたの、みちるさん?」

「な、なんでもないですよー」

 ここでパンが無い、食べたいと言えば、小学生たちは己の罪を悔いるだろう。
 それはみちるの望むところではない。
 ならばどうする。そう、我慢すれば良いのだ。
 大原みちる一世一代の演技の始まりである。

16: 2015/12/28(月) 21:51:26.40 ID:ndHQe9FKo

「なんだか、みちるさん辛そう」

「病気なのかな」

 ある意味ビョーキではある。

「なんでもないですよー」

 ニコニコと笑うみちる。しかし、限界は近い。

 その限界が訪れる度、あと三分頑張ろう。
 限界が訪れる、あと一分頑張ろう。
 あと三十秒。
 あと十秒。
 みちるは耐えている。

 みちるは耐えている。サナギマンよりも耐えている。

17: 2015/12/28(月) 21:51:55.45 ID:ndHQe9FKo

「待てぃっ!!」

 どこからか聞こえる美声。まるで、東西新聞のぐーたら社員のような声。

「人が生きていくために必要なものがある」
「それがただ一つしかないとき、それを分け合う心。そこに人間の心がある」
「分け合うことで数が足りないというのならば、神より新たな糧が贈られるだろう」
「人それを、〝パン〟と言う」

 みちるは叫ぶ。

「だ、誰ですか!」

「お前たちに名乗る名前はない!」


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18: 2015/12/28(月) 21:52:19.09 ID:ndHQe9FKo

「で、その後、ウサミン団子を全員に配ったそうです」

「いや、みちるたちしかいないんだから普通に名乗れよ」

「それはそうですけれど」

「で、やっぱりウサミンロボ喋ってるよな」

「凄いですね、天空宙心拳」

「ウサちゃんロボも喋るようになるんだろうか」

「ウサちゃんロボにはウサミニアックブレインが使われてませんから」

「ウサちゃんロボは純地球製か」

「というか、純晶葉ちゃん製です」

19: 2015/12/28(月) 21:52:45.42 ID:ndHQe9FKo

「ロボは凄いな」

「凄いです」

「実害は無いみたいだし、しばらく置いとくか」

「あ、ロボちゃんが来ました」

「幼き日の夢、長じて後、それを忘れる者は多いだろう」
「しかし、諦めることなく追い続け、夢を現実とした者もいるのだ」
「人それを、『アイドル』と言う!」

「よし、菜々、仕事行くぞ」

「はい、プロデューサー」

 うさうさ

20: 2015/12/28(月) 21:53:42.06 ID:ndHQe9FKo


 以上お粗末様でした

 コミケ三日目、初デレマスジャンルで、ロボのSS本出します(ダイマ)
 サークルカットがロボなんですけど、カタログ読んだらちょうど晶葉と菜々に挟まれた位置にあって
 配置スタッフ良い仕事しすぎぃ!!

引用元: 「ウサミンロボ クロノスの大逆襲」