4: 2009/12/01(火) 22:36:19.80 ID:aLIAt9ZMO
ジリジリジリ
唯「……う~ん」

ジリジリジリ

唯「ん~…うるさい」バシッ

唯「ふぁ~…って8時!?登校初日から遅刻なんてシャレになんないよ」アセアセ

唯「もう学校に行きながらパン食べるとして………おっと、忘れる所だったよ」

唯「お母さん、お父さん、憂、私高校生になったよ。じゃーん制服似合ってる?それじゃあ行ってきます!」

唯「はぁ…はぁ…はぁ」タッタッタッ

唯「急がないと入学式間に合わないよ~」タッタッタッ

唯「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ」タッタッタッ
私は事情があって1人で暮らしてる、事情なんて言っても両親と妹が氏んでしまったからだ。
最初は親戚の人達が私を引き取るって言ってくれたけど私はそれを断った、私の家族は憂達だけなんだから

29: 2009/12/01(火) 23:43:21.93 ID:aLIAt9ZMO
唯「とうちゃ~く……ってあれ?」

  シーン

「相撲部に入りませんか~」

「テニス部楽しいですよ」

「オカルト研究部に興味ある人いませんか?」

唯「すごい!勧誘でいっぱいだ」
私もいっぱい勧誘されて両手いっぱいで宣伝ポスターのを持つはめになってるけけど


和「唯」

唯「あ、和ちゃん」

和「何してるの?唯」

唯「部活何にしようかな~って」

和「まだ決めてなかったの!?学校始まってもう2週間よ」

唯「だってだって…何するかわかんないし」

和「こうやってニートが出来上がっていくのね」

唯「部活やってないだけでニート!?」

30: 2009/12/01(火) 23:44:08.11 ID:aLIAt9ZMO
和「それで結局何の部活に入る事にしたの?」

唯「う~ん…部活はやめとく事にしたよ、家事とかしないといけないしね」

和「……唯」

唯「だから高校生でも帰宅部です!」

和「ねぇ唯、私にもっと頼ってくれてもいいのよ?お母さん達だって唯なら大歓迎って言ってるし」

唯「和ちゃんにはさんざん助けてもらったんだから迷惑かけられないよ」
実際憂達が氏んだ当初は和ちゃんや和ちゃんの家族に助けてもらってばっかりだったしね

和「そんなの気にしなくていいのに」

唯「い~の、い~の、それより一緒に帰ろうよ」

和「唯……そうね一緒に帰りましょ」

31: 2009/12/01(火) 23:45:18.00 ID:aLIAt9ZMO
唯「今日の晩御飯はあるふぁる波で決めちゃお~う」

唯「憂達が見てたら驚くだろうな~私が掃除したり、ご飯作ってるなんて」

唯「こういうのはずっとお母さんと憂の仕事だったな」

唯「こうして自分ですると憂やお母さんの大変さがよくわかるね」



唯「それじゃあいただきま~す」

「今朝のニュースです○○市でまた変氏体が発見されました、氏体には噛まれた跡や引きちぎられたような跡があり過去にあった事件と同じものだと思われます」

唯「………また変氏体が出たんだ」
私は変氏体のニュースを見る度にお母さん達の事を考えてしまう
私のお母さんとお父さんもテレビで言ってたような氏に方をしていたからだ。憂に至っては氏体は見つかっていない…最初私は憂が氏んだ事なんて信じていなかった、でも長い月日が流れていきだんだん私は憂が氏んだ事を受け入れていった

37: 2009/12/02(水) 00:11:33.49 ID:hE+ImvEF0
澪「(これは・・・一体どういうことだ?)」

澪「(みんなは昨日、私と話をしたと言っている)」

澪「(確かにお見舞いには来てくれたが・・・気を使ってすぐに帰ったじゃないか)」

澪「・・・!」

澪「律、先週の金曜日、何してたっけ?」

律「先週の金曜日・・・?なんだよ、藪から棒に」

澪「いいから」

律「えーっと、確か金曜日は部活終わった後で澪の家に泊まりに行ったんだ」

澪「!?」

紬「もう二人とも付き合っちゃえばいいのに」ボソッ

39: 2009/12/02(水) 00:12:15.55 ID:hE+ImvEF0
澪「(先週の金曜日・・・律は風邪で寝込んでいたじゃないか)」

澪「(そもそも私が風邪引いたのだって、律にうつされたからなんだし・・・)」

唯「澪ちゃーん?」

澪「(やっぱり変だ)」

律「おい、澪」

澪「え、はい!?」

律「どうしたんだよ」

澪「えっとー・・・」

梓「あれ、律先輩。ケータイ鳴ってますよ?」

律「あ、ホントだ。サンキュー梓。・・・もしもーし?」ピッ

紬「・・・!」

40: 2009/12/02(水) 00:13:00.50 ID:hE+ImvEF0

唯「ムギちゃん、今のって・・・」ボソボソ

紬「間違いないわ」ボソボソ

梓「また違う女の子から、でしたね」ボソボソ

澪「ついていけないな。律はどうしたんだ?」ボソボソ

唯「いつものだよ、澪ちゃん」ボソボソ

澪「?」ボソボソ

紬「だから、また違う女の子といい感じなのよ」ボソボソ

澪「また?」ボソボソ

梓「律先輩が女とっかえひっかえなのは周知の事実じゃないですか」ボソボソ

律「え、いいって。今日は友達と帰るから」

41: 2009/12/02(水) 00:13:50.91 ID:hE+ImvEF0

澪「その割には律はウザがってるように見えるけど・・・?」ボソボソ

唯「それすらいつものことだよ、澪ちゃん」ボソボソ

澪「え?」ボソボソ

梓「相手が本気になったらうっとおしくなるってよく言ってるじゃないですか」ボソボソ

澪「なっ・・・!」

紬「なんていうか、女の敵よね。可愛いからいいけど」ボソボソ

唯「そのくせに『恋がしたい』だなんて、りっちゃんの考えてることはよくわからないよ」ボソボソ

律「だからいいって。また今度なっ」ピッ

律「ごめんごめん。待たせたな」

42: 2009/12/02(水) 00:14:36.07 ID:hE+ImvEF0

澪「律!」

律「はい!?」

澪「駄目じゃないか!女の子の気持ちを無下にするなんて!」

律「な、なに言ってんだよー」

紬「澪ちゃん、落ち着いて」

唯「そうだよっ、ケンカはなしだよー?」

律「べ、別に弄んでるわけじゃねぇよっ」

澪「それにしても、言い方ってもんがあるだろ!」

43: 2009/12/02(水) 00:15:24.98 ID:hE+ImvEF0

律「な、なんだよ・・・」

律「はー、だる。今日は部活終わり。解散ー」

澪「なっ、逃げるな!律!」

律「・・・」バタンッ

澪「あいつってヤツは・・・!」

唯「まあまあ、私達も帰ろう?」

梓「そうですよ、帰って二人とも頭冷やすです」

澪「・・・」

44: 2009/12/02(水) 00:46:20.02 ID:hE+ImvEF0

校門付近


澪「あれって・・・」

唯「どうしたの?あっ!」

梓「律先輩じゃないですか」

紬「何話してるのかしら」

澪「ここからじゃよく聞こえないな・・・」

45: 2009/12/02(水) 00:56:02.27 ID:hE+ImvEF0

梓「・・・なんか、揉めてるみたいですね。近づきましょう」タッ

紬「面白そうね」タッ

唯「the デバガメ」タッ

澪「ダイソーに謝れ」タッ


~~~~~~~~~~~~~~


律「だからさ、もういいじゃん」

女「なんで!?律ってずるよね!」

律「はぁ?何が」

女「最初にモーションかけてきたのは律でしょ!?」

律「あー・・・そうだったっけ?」

47: 2009/12/02(水) 00:56:53.85 ID:hE+ImvEF0

女「あたしが本気になった時から、急に冷たくなったよね・・・」

律「うーん、合わないんじゃない、私達」

女「最初からそうやって遊んでたんだね」

律「違うよ。・・・違うと、思う」

女「そんなこといまさら言ったって・・・!」

律「好きになろうとしたよ!・・・でも、どうしても無理だった」

律「本気に、なれないんだ」

女「どうして・・・」

律「わかんない」

女「もう、いい・・・」トボトボ

律「・・・。」


~~~~~~~~~~~~~~~~

51: 2009/12/02(水) 01:06:56.56 ID:hE+ImvEF0

梓「で、これからどうするんですか?」

澪「梓が突っ走ったんじゃないかっ」

梓「まさかこんな思い展開が待ってるとは・・・」

唯「りっちゃんがあそこで立ち尽くしてる限り、私達はここから動けないよね」

紬「それは・・・覗きをした私達への罰として受け入れるしかないようね・・・」

唯「うぅ、寒いよぅ」

澪「律・・・」

梓「あっ、律先輩が歩き出しましたよ!」

唯「家に帰るのかな」

澪「当たり前だろ」

紬「流石のりっちゃんもここからナンパに街に繰り出したりしないわよ」

53: 2009/12/02(水) 01:14:05.06 ID:hE+ImvEF0

梓「そうですね、今日はこのままそっとしておきましょうか」


・・・

・・・


澪「それじゃ、私も帰るな。おつかれ」

梓「はい、さようなら」

唯「澪ちゃん、また明日ね!」

紬「また明日ー」


澪「・・・」

澪「とりあえず、大体わかってきたな」

ビュー

澪「寒っ(早く帰ろう)」

54: 2009/12/02(水) 01:15:17.46 ID:hE+ImvEF0


澪の家


澪「(結局、今日のあれは、夢だったのかな)」

澪「(みんなが同性愛者になってて、律が遊び人になってて・・・)」

澪「(梓は唯が好きで、唯は気付いてるのか気付いてないのか微妙で・・・)」

澪「(ムギは・・・いつも通りだったな)」

澪「(あーもう。・・・何がどうしてこうなったんだ)」


ブーブーブー


澪「ん、電話だ」

澪「・・・和?」

澪「はい、もしもし」

56: 2009/12/02(水) 01:16:02.18 ID:hE+ImvEF0

和「澪、こんな時間にごめんね」

澪「いいよ、気にするな。それで、どうしたんだ?」

和「あの・・・変なこと聞いてもいいかしら」

澪「えっと・・・何?」

和「あの・・・澪は女の人が好き?」

澪「・・・えっと、どういう意味?」

和「私ね、実は・・・」

澪「待ってくれ!その先は・・・言わないでくれ」

和「澪・・・」

澪「和とは、いい友達でいたいんだ。ごめん」

58: 2009/12/02(水) 01:20:19.16 ID:hE+ImvEF0

和「ちょっと待って、何か誤解してるわ」

澪「へ?」

和「よかった・・・!澪は普通なのね・・・!?」

澪「えーと、え?」

和「急に変なこと言ってごめん。実は・・・」


~~~~~~~~~~~


澪「じゃあ、和も今日ずっと・・・」

和「そうよ、みんな好みの女の子の話ばっかりしちゃって大変だったわ」

澪「私だけじゃなかったんだ・・・!」

60: 2009/12/02(水) 01:21:43.11 ID:hE+ImvEF0

和「私もかなり不安だったわ。だけど、澪も仲間でよかった」

澪「なあ、和。これは一体どういうことなんだろう?」

和「私も色々考えたの。それで、ある結論に至ったわ」

澪「結論?」

和「えぇ、これは恐らく、平行世界よ」

澪「もっとわかりやすく」

和「この世界は私達が暮らしている世界のすぐ隣にあった世界。
もしあの時こうしなかったら?もし何かの存在がなかったら?
何かが欠けたり、横入りしたりしなかった世界、つまりパラレルワールドよ」

澪「それって、そんなことって有り得るのか?」

和「今日、『昨日の私の行動について』何をしていたか聞いてみたの」

澪「!!」

和「誰に聞いても身に覚えのないことばかり。そこで私は悟ったのよ」

64: 2009/12/02(水) 01:25:39.66 ID:hE+ImvEF0


和「昨日までこの世界には、『別の私がいた』ってね」

澪「・・・実は。」

和「?」

澪「私も同じようなことがあったんだ。なあ和、私は昨日和とどんな話をした?」

和「話も何も・・・昨日は風邪で休んでたじゃない」

澪「!!やっぱり和は私と同じ世界の和なんだな!」

和「もちろんよ、って・・・まさか」

澪「そう。今日軽音部でこの話をしたとき、みんな私は部活に来てたって・・・」

和「・・・決定的ね」

澪「・・・どうやったら元の世界に戻れるんだろう」

65: 2009/12/02(水) 01:28:06.51 ID:hE+ImvEF0

和「それは・・・わからない」

澪「だよ、な・・・」

和「そもそも、どうして私達がこの世界に来てしまったのかもわからないから、現状は打つ手無しかも」

澪「そっか。なあ、どうしてこの世界のみんなは女の子が好きなんだろう」

和「私もそれは疑問に思ってたわ。いくら女子高でも、これはないわよね」

澪「やっぱりそうだよな。今日律達にもそんなことを言ったけど、相手にしてもらえなかったよ」

和「この世界ではそれが当たり前なんでしょうね、きっと」

和「あら、もうこんな時間」

澪「あ、ホントだ。・・・また何かあったら電話してくれ」

和「えぇ。澪も遠慮しないで電話してね」

澪「あぁ。それじゃ、おやすみ」

和「おやすみ」ピッ

67: 2009/12/02(水) 01:38:09.81 ID:hE+ImvEF0

澪「あー・・・(色んな意味で)これから、どうしよう・・・」

澪「考えてもしょうがないな・・・寝よう」バサッ


・・・

・・・


澪「(なんで・・・なんで律はあの子のことを好きになれなかったんだろう)」

澪「(みんなが言ってることを総合すると、ずっとこんなことを繰り返してきたみたいだ)」

澪「(そんなことをしても苦しいだけじゃないのか?)」

澪「(心の空白を満たそうと、そこに嘘を流し込んで・・・一体何の意味がある?)」

澪「わからないよ、律・・・」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

69: 2009/12/02(水) 01:43:53.45 ID:hE+ImvEF0

律「おーい!澪ー!起きろー!」

澪「!?」ビクッ

律「澪ってばー!」

澪「わっわっ!え、え?ええぇぇ?」ワタワタ

律「お前、何してんの?」

澪「律!?って、何してんのはこっちの台詞だ!」

律「あ、そう。じゃあ、はい。言っていいよ?」

澪「(イラッ)・・・こんなところで何をしている」

律「可愛い澪しゃんのご尊顔を」

澪「黙れ」ゴスッ

律「っつ~・・・!」

71: 2009/12/02(水) 01:51:35.15 ID:hE+ImvEF0

澪「何時だと思ってる」

律「夜中の2時!」

澪「・・・そもそも、なんで私の部屋にいる」

律「なんでって、いつものことじゃん」

澪「(なっ・・・!こっちの世界では、それが日常なのか?)・・・そっか、そうだな」

律「え!?つっこみなし!?」

澪「やっぱりつっこみどころだったんかいっ」ガスッ

律「いた!」

澪「なあ、本当に何しにきたんだよ」

律「んー・・・なんとなく、かな」

澪「・・・」

律「・・・」

72: 2009/12/02(水) 01:58:14.83 ID:hE+ImvEF0

澪「(やっぱり黙ってられない・・・!)なあ、律」

律「ん?」

澪「ごめん、その・・・今日の、見てた」

律「んー・・・あぁ。なんとなく気付いてた」

澪「ごめん」

律「いいよ」

澪「ごめん」

律「いいって」

澪「女と付き合うなとは言わないけどさ・・・ちゃんと、好きになってやれよ」

律「・・・」

澪「私が律の恋愛に口出しするなって感じかもしれないけど、でも・・・やっぱり我慢できないよ」

73: 2009/12/02(水) 01:58:54.97 ID:hE+ImvEF0

律「ごめんな、こんなヤツで」

澪「それもそうだけど・・・!律だって・・・こんなこと繰り返すの、辛いだろ?」

律「うーん、わかんない」

澪「私は・・・見てて辛そうだよ」

律「・・・」

澪「なあ」

律「私だって辛いよ・・・。でも、どうしても本気になれなかったんだ」

澪「・・・ほら、やっぱり律だって傷ついてる」

律「分ってても、止められないんだよ。」

澪「律・・・」

律「私は弱いから・・・その場しのぎでもいいから誰かと一緒にいたかったんだ・・・」

澪「なんで、一人がそんなに不安なんだ?」

74: 2009/12/02(水) 02:00:31.22 ID:hE+ImvEF0

律「・・・」

澪「(この世界からどうやって戻ればいいのかなんてわからない)」

澪「(一刻も早く状況を打開すべきなのもわかっている)」

澪「(だけど、こんなダメダメな律をほっとくことなんて・・・やっぱり私にはできない)」

澪「・・・教えてくれよ、力になりたい」

律「・・・」

澪「律・・・!」

律「好きな人が・・・いるんだ」

澪「!?(まさかの展開だ)」

律「でも、それは・・・叶わないから」

律「だからだよ」

澪「なんで・・・」

律「その人のこと忘れようって思って・・・でも一人でいるとその人のことばかり考えちゃって・・・」

75: 2009/12/02(水) 02:01:20.30 ID:hE+ImvEF0

律「いっそ他に好きな子がいたらなぁって・・・そう思って。
そのとき丁度告白してきた子と付き合ったのが最初だった」

律「でもどうしてもその人のこと、忘れられなくてさ」

律「その子と別れた直後、また別の子に告白された。そんなことを繰り返していくうちにこの有様だよ」

律「私は・・・何をやってるんだろうな」

澪「律・・・」

律「はぁ・・・」

澪「こんなこと言うの、酷かもしれないけど、友達じゃダメなのか?」

律「その好きな人とってこと?」

澪「ううん、両方。律の本命とも、その他の女の子とも。友達だと、いけないのか?」

律「お前、友達とするか?」

澪「///」

澪「(そこまでいってたとは・・・この世界を甘く見てたな)」

119: 2009/12/02(水) 23:36:57.09 ID:kX+CZa9j0

澪「って、そろそろ寝たいんだけど・・・」

律「はい、おやすみ」

澪「いや、帰れよ」

律「えーあー。後でな」

澪「っていうかそもそもどうやって入ってきたんだ?」

律「え、合鍵で普通に入ってきたけど?」

澪「いや、普通じゃないだろ、それ」

律「」

120: 2009/12/02(水) 23:41:12.88 ID:kX+CZa9j0

澪「(あれ、もしかして・・・。親友の家の合鍵を作るって、当たり前なのか・・・?)」

律「ですよねー♪」

澪「ですよねー♪」ゴスッ

澪「全くお前ってヤツは・・・」

律「・・・ごめんな」

澪「いや、わかってくれたならいいけど」

律「そうじゃなくて」

澪「うん?」

律「澪のこと、なかなか諦められなくて・・・ごめん」

澪「」

澪「え・・・(ちょっと待て。話が見えない)」

122: 2009/12/02(水) 23:44:24.32 ID:3K/zD/ir0
律「いっそ他に好きな子がいたらなぁって・・・そう思って。
そのとき丁度告白してきた子と付き合ったのが最初だった」

律「でもどうしてもその人のこと、忘れられなくてさ」

律「その子と別れた直後、また別の子に告白された。そんなことを繰り返していくうちにこの有様だよ」

律「私は・・・何をやってるんだろうな」

澪「律・・・」

律「はぁ・・・」

澪「こんなこと言うの、酷かもしれないけど、友達じゃダメなのか?」

律「その好きな人とってこと?」

澪「ううん、両方。律の本命とも、その他の女の子とも。友達だと、いけないのか?」

律「お前、友達とするか?」

澪「///」

澪「(そこまでいってたとは・・・この世界を甘く見てたな)」

123: 2009/12/02(水) 23:44:29.01 ID:3K/zD/ir0
律「ごめんな、こんなヤツで」

澪「それもそうだけど・・・!律だって・・・こんなこと繰り返すの、辛いだろ?」

律「うーん、わかんない」

澪「私は・・・見てて辛そうだよ」

律「・・・」

澪「なあ」

律「私だって辛いよ・・・。でも、どうしても本気になれなかったんだ」

澪「・・・ほら、やっぱり律だって傷ついてる」

律「分ってても、止められないんだよ。」

澪「律・・・」

律「私は弱いから・・・その場しのぎでもいいから誰かと一緒にいたかったんだ・・・」

澪「なんで、一人がそんなに不安なんだ?」

124: 2009/12/02(水) 23:44:35.97 ID:3K/zD/ir0
澪「何時だと思ってる」

律「夜中の2時!」

澪「・・・そもそも、なんで私の部屋にいる」

律「なんでって、いつものことじゃん」

澪「(なっ・・・!こっちの世界では、それが日常なのか?)・・・そっか、そうだな」

律「え!?つっこみなし!?」

澪「やっぱりつっこみどころだったんかいっ」ガスッ

律「いた!」

澪「なあ、本当に何しにきたんだよ」

律「んー・・・なんとなく、かな」

澪「・・・」

律「・・・」

125: 2009/12/02(水) 23:44:42.24 ID:3K/zD/ir0
和「昨日までこの世界には、『別の私がいた』ってね」

澪「・・・実は。」

和「?」

澪「私も同じようなことがあったんだ。なあ和、私は昨日和とどんな話をした?」

和「話も何も・・・昨日は風邪で休んでたじゃない」

澪「!!やっぱり和は私と同じ世界の和なんだな!」

和「もちろんよ、って・・・まさか」

澪「そう。今日軽音部でこの話をしたとき、みんな私は部活に来てたって・・・」

和「・・・決定的ね」

澪「・・・どうやったら元の世界に戻れるんだろう」

126: 2009/12/02(水) 23:44:51.35 ID:3K/zD/ir0
和「私もかなり不安だったわ。だけど、澪も仲間でよかった」

澪「なあ、和。これは一体どういうことなんだろう?」

和「私も色々考えたの。それで、ある結論に至ったわ」

澪「結論?」

和「えぇ、これは恐らく、平行世界よ」

澪「もっとわかりやすく」

和「この世界は私達が暮らしている世界のすぐ隣にあった世界。
もしあの時こうしなかったら?もし何かの存在がなかったら?
何かが欠けたり、横入りしたりしなかった世界、つまりパラレルワールドよ」

澪「それって、そんなことって有り得るのか?」

和「今日、『昨日の私の行動について』何をしていたか聞いてみたの」

澪「!!」

和「誰に聞いても身に覚えのないことばかり。そこで私は悟ったのよ」

127: 2009/12/02(水) 23:44:56.27 ID:3K/zD/ir0
澪の家


澪「(結局、今日のあれは、夢だったのかな)」

澪「(みんなが同性愛者になってて、律が遊び人になってて・・・)」

澪「(梓は唯が好きで、唯は気付いてるのか気付いてないのか微妙で・・・)」

澪「(ムギは・・・いつも通りだったな)」

澪「(あーもう。・・・何がどうしてこうなったんだ)」


ブーブーブー


澪「ん、電話だ」

澪「・・・和?」

澪「はい、もしもし」

128: 2009/12/02(水) 23:45:01.78 ID:3K/zD/ir0
律「あーどっかにいい女いないかなー」

澪「なっ・・・!」

紬「りっちゃんったら・・・///」

唯「私も似たようなことをぼやいてたら、憂に怒られた!」

紬「唯ちゃんまで・・・///」

澪「いやいや、お前ら何の話してるんだ?」

梓「まあ、確かに。恋はしたいですね」

129: 2009/12/02(水) 23:45:08.67 ID:3K/zD/ir0
唯「あずにゃんはどんなタイプの人がいい?」

梓「うーん、私は妹思いで、ちょっと天然で、あったかい人が好きです」

律・澪・紬「(え・・・それって・・・)」

唯「あ~!ちょっとわかるかも!そういう人もいいよね!」

律・澪・紬「(お前・唯・唯ちゃんのことだって!)」

梓「恋がしたいっていうか・・・もう既に好きかも///」

唯「あずにゃんはおませさんなんだね!」

紬「・・・りっちゃんは?」

律「へ?タイプ?」

130: 2009/12/02(水) 23:45:19.18 ID:3K/zD/ir0
和「私もかなり不安だったわ。だけど、澪も仲間でよかった」

澪「なあ、和。これは一体どういうことなんだろう?」

和「私も色々考えたの。それで、ある結論に至ったわ」

澪「結論?」

和「えぇ、これは恐らく、平行世界よ」

澪「もっとわかりやすく」

和「この世界は私達が暮らしている世界のすぐ隣にあった世界。
もしあの時こうしなかったら?もし何かの存在がなかったら?
何かが欠けたり、横入りしたりしなかった世界、つまりパラレルワールドよ」

澪「それって、そんなことって有り得るのか?」

和「今日、『昨日の私の行動について』何をしていたか聞いてみたの」

澪「!!」

和「誰に聞いても身に覚えのないことばかり。そこで私は悟ったのよ」

131: 2009/12/02(水) 23:45:25.49 ID:3K/zD/ir0
澪「(先週の金曜日・・・律は風邪で寝込んでいたじゃないか)」

澪「(そもそも私が風邪引いたのだって、律にうつされたからなんだし・・・)」

唯「澪ちゃーん?」

澪「(やっぱり変だ)」

律「おい、澪」

澪「え、はい!?」

律「どうしたんだよ」

澪「えっとー・・・」

梓「あれ、律先輩。ケータイ鳴ってますよ?」

律「あ、ホントだ。サンキュー梓。・・・もしもーし?」ピッ

紬「・・・!」

132: 2009/12/02(水) 23:45:40.43 ID:3K/zD/ir0
澪「(あれ、もしかして・・・。親友の家の合鍵を作るって、当たり前なのか・・・?)」

律「ですよねー♪」

澪「ですよねー♪」ゴスッ

澪「全くお前ってヤツは・・・」

律「・・・ごめんな」

澪「いや、わかってくれたならいいけど」

律「そうじゃなくて」

澪「うん?」

律「澪のこと、なかなか諦められなくて・・・ごめん」

澪「」

澪「え・・・(ちょっと待て。話が見えない)」

133: 2009/12/02(水) 23:45:48.84 ID:3K/zD/ir0
律「いっそ他に好きな子がいたらなぁって・・・そう思って。
そのとき丁度告白してきた子と付き合ったのが最初だった」

律「でもどうしてもその人のこと、忘れられなくてさ」

律「その子と別れた直後、また別の子に告白された。そんなことを繰り返していくうちにこの有様だよ」

律「私は・・・何をやってるんだろうな」

澪「律・・・」

律「はぁ・・・」

澪「こんなこと言うの、酷かもしれないけど、友達じゃダメなのか?」

律「その好きな人とってこと?」

澪「ううん、両方。律の本命とも、その他の女の子とも。友達だと、いけないのか?」

律「お前、友達とするか?」

澪「///」

澪「(そこまでいってたとは・・・この世界を甘く見てたな)」

134: 2009/12/02(水) 23:46:18.89 ID:3K/zD/ir0
ジリジリジリ
唯「……う~ん」

ジリジリジリ

唯「ん~…うるさい」バシッ

唯「ふぁ~…って8時!?登校初日から遅刻なんてシャレになんないよ」アセアセ

唯「もう学校に行きながらパン食べるとして………おっと、忘れる所だったよ」

唯「お母さん、お父さん、憂、私高校生になったよ。じゃーん制服似合ってる?それじゃあ行ってきます!」

唯「はぁ…はぁ…はぁ」タッタッタッ

唯「急がないと入学式間に合わないよ~」タッタッタッ

唯「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ」タッタッタッ
私は事情があって1人で暮らしてる、事情なんて言っても両親と妹が氏んでしまったからだ。
最初は親戚の人達が私を引き取るって言ってくれたけど私はそれを断った、私の家族は憂達だけなんだから

136: 2009/12/02(水) 23:46:35.05 ID:3K/zD/ir0
澪「いやいやいや、おかしいだろ!なんでそんなイケメンに性別があるんだよ!」

律「澪、お前こそさっきから何言ってるんだ?」

澪「いや、だからおかしいだろ!イケメンは普通男のことだろ!?」

唯「まあそうとも言うよね」

澪「いや、そうとしか言わないだろっ。大体なんだよイケメン(♀)って、ニドランか!」

梓「よくわからないけど、先輩。落ち着いてください」

澪「え、え。なんで私が変な人みたいになってるの、これ」

紬「うーん・・・」

唯「実際、変だよ」

澪「唯に言われた・・・」

137: 2009/12/02(水) 23:46:55.87 ID:3K/zD/ir0
澪「って、そろそろ寝たいんだけど・・・」

律「はい、おやすみ」

澪「いや、帰れよ」

律「えーあー。後でな」

澪「っていうかそもそもどうやって入ってきたんだ?」

律「え、合鍵で普通に入ってきたけど?」

澪「いや、普通じゃないだろ、それ」

律「」

138: 2009/12/02(水) 23:47:06.17 ID:3K/zD/ir0
律「ごめんな、こんなヤツで」

澪「それもそうだけど・・・!律だって・・・こんなこと繰り返すの、辛いだろ?」

律「うーん、わかんない」

澪「私は・・・見てて辛そうだよ」

律「・・・」

澪「なあ」

律「私だって辛いよ・・・。でも、どうしても本気になれなかったんだ」

澪「・・・ほら、やっぱり律だって傷ついてる」

律「分ってても、止められないんだよ。」

澪「律・・・」

律「私は弱いから・・・その場しのぎでもいいから誰かと一緒にいたかったんだ・・・」

澪「なんで、一人がそんなに不安なんだ?」

140: 2009/12/02(水) 23:47:28.92 ID:3K/zD/ir0
律「おーい!澪ー!起きろー!」

澪「!?」ビクッ

律「澪ってばー!」

澪「わっわっ!え、え?ええぇぇ?」ワタワタ

律「お前、何してんの?」

澪「律!?って、何してんのはこっちの台詞だ!」

律「あ、そう。じゃあ、はい。言っていいよ?」

澪「(イラッ)・・・こんなところで何をしている」

律「可愛い澪しゃんのご尊顔を」

澪「黙れ」ゴスッ

律「っつ~・・・!」

141: 2009/12/02(水) 23:47:38.87 ID:3K/zD/ir0
紬「みなさーん、お茶が入りましたよー」

律「ああ、ありがとうな、ムギ・・」

澪「サンキュー・・」

律澪「(今日も麦チョコか・・)」

唯「美味しいね、麦チョコ♪」バリボリ

紬「美味しいでしょー♪」バリボリ

律澪「・・・」バリボリ

142: 2009/12/02(水) 23:47:46.67 ID:3K/zD/ir0
紬「あのー・・ギターのお値段負けてもらえないでしょうか?」

店員「いや、それはさすがに・・」

紬「店員さん・・お願い・・」ムギュッ

店員「・・・」



紬「このギター五万円で売ってくれるって♪」

律「ま、まじで!?」

唯「何!?何やったの!?」

紬「うふふ♪」

紬「それじゃ、私は店員さんと用事があるから」

紬「みんなは先に帰ってて?」

唯「ありがとう、ムギちゃん!」

律澪「・・?」

144: 2009/12/02(水) 23:47:57.28 ID:3K/zD/ir0
律「夏だ!」

唯「海だ!」

律唯「泳ぐぞーっ!」

澪「おーい!あんまりハメはずしすぎるなよー!!」

律唯「キャピキャピ」

澪「き、聞いちゃいねぇー・・」

紬「(スク水しかなかった・・)」

145: 2009/12/02(水) 23:48:11.43 ID:3K/zD/ir0
唯「ふーんだ、みんなあずにゃんの方が大事なんだ」

唯「誰も私の見方をしてくれない、なんでだろう」グスン

和「ゆいー!」

唯「ほぇっ!?」グスッ

和「どうしたのこんな所で、部活は?」

唯「えーと……」

和「まぁ、いいや、立ち話もなんだし、お茶しながら話そう」

唯「うん!」



和「久しぶね、唯とお茶するなんて」

唯「そうだね」

147: 2009/12/02(水) 23:48:23.63 ID:3K/zD/ir0
憂「私が揉んであげよっか」

梓「そ、それはダメ」

憂「えへへ」モミモミ

梓「にゃっ、ひゃう///」

憂「………」モミモミ

梓「う、憂、だめだよぉ」

憂「梓ちゃん、可愛い」ムニッ

梓「あん……そ、そんなことつ、つまんじゃ……あんっ」

憂「(可愛いすぎていじめたくなっちゃう)」ムニムニ

梓「う、憂、そこ触っても胸は大きく、な、なら……あんっ」

憂「えへへ」モミモミ、ムニムニ



(以下略

148: 2009/12/02(水) 23:48:34.86 ID:3K/zD/ir0
――風呂上がり

梓「もう、憂ってばあんなことして……」

憂「ごめんね、ついつい、梓ちゃんが可愛いかったから」

梓「……///」

憂「嫌だった?」

梓「別に嫌じゃあなかったけど……」

梓「……き、気持ちよかったし」ボソッ

憂「えっ……今何て言ったの?」

梓「な、何でもないにゃ」

憂「そっかぁ」(本当は聞こえてたけど)

憂「まぁ、夜はまだまだこれからだもんね」ニコニコ

梓「えぇっ!?それってど、どういう意味?」

憂「もう、言わなくてもわかるでしょ」ニコッ

梓「……///」カァァ

164: 2009/12/03(木) 00:11:18.31 ID:OSXyBuNL0


律「今日の件だって、私が悪いのに、勝手に落ち込んじゃって・・・」

澪「自分が悪くたって苦しくなるときはあるよ」

律「落ち込んだときには、やっぱり澪の顔が見たくなるんだ」

澪「律・・・(話は見えてきたけど、見えなかったことにしたい・・・)」

律「だー!」

澪「!?頭抱えてどうした!?」

律「私って、すげー嫌な女だなー思って」

澪「そんな」

律「結構前、私が澪に告白したときの話だけどさ」

澪「うん(っていうか告白されたのか!?律に!?」

165: 2009/12/03(木) 00:12:00.74 ID:OSXyBuNL0

律「澪にフラれて、その後で私『このことは忘れてくれ』って言っただろ?」

澪「あ、ああ(そうなのか・・・)」

律「でもさっきの澪、忘れたって言うか、全く覚えてない感じで喋るじゃん?」

澪「そうだな(本当は全く覚えてないっていうか、全く知らないんだけどな)」

律「それで、確かに忘れてくれって言ったのは私だけど・・・『律の本命の子』だなんて言い方するし」

澪「・・・(そりゃ確かに不謹慎だったな)」

律「それで、『何もそんな言い方することないじゃん』なんて、少し澪にムカついたんだ」

澪「・・・いや、確かに私の言い方が悪かった。ごめん」

律「あ、謝らないでくれ。私が我が侭なんだから。ホント、ごめんな」

澪「いいって」

律「・・・うん、最後にもう一回だけ」

166: 2009/12/03(木) 00:12:42.01 ID:OSXyBuNL0

澪「何?」

律「ごめん」

澪「もうこの話は終わりにしよう。どっちも悪いし、どっちも悪くない」

律「澪・・・」

澪「今の『ごめん』、聞かなかったことにするからな。いいな?」

律「・・・オッケー。わかったよ」

澪「もう遅いから。いくら家が近いったってそろそろ帰った方がいいんじゃないか?」

律「そうだな、じゃないとまた聡に『姉ちゃんが夜這いに行った!』って騒がれるし」

澪「・・・『また』って、前科持ちかっ」ゴンッ

律「いったーっ!」

律「・・・それじゃ、そろそろ帰るかな」

167: 2009/12/03(木) 00:14:35.74 ID:OSXyBuNL0

澪「うん」

律「よいしょっと。・・・私、まだしばらくこんな調子だろうけど」

澪「わかってる。嫌いになったりしないよ」

律「・・・くっそー、『嫌いじゃないけど付き合えない』っての、すげー堪えるんだからな?」

澪「ふふふ、ごめんごめん」

律「全く、澪にいじられるなんてなー」クスクス

澪「あはは」クスクス

律「んじゃ、おやすみ」バタン

澪「うん、おやすみ・・・」


澪「律も帰ったことだし・・・」

澪「(・・・さあ、どうする。自分)」

168: 2009/12/03(木) 00:15:41.18 ID:OSXyBuNL0





澪「(結局、あまり寝れなかったな)」シャコシャコ

澪「(まさか、律が好きな人を忘れるためにあんな風になってたとは・・・)」シャコシャコ

澪「(そしてその相手が自分だとは・・・)」ガラガラペッ

澪「(そういえば、和言ってたな。この世界は私達の世界と平行にあるものだって)」ヌギヌギ

澪「(何かが欠けたり、余分だったり。元は私達の世界と一緒で、途中から枝分かれしたようなものってことだよな?)」パッパッ

澪「(この世界には、何が余分なんだろう?それとも足りなかったのか?)」カチャカチャ

澪「(わからないな。わからないことだらけだ)」モグモグ

澪「(ただ一つわかることは・・・律は私のことが好き、か)」モグモグ

澪「(やばい、考えが一周した)」カチャカチャ

澪「はぁ・・・」パタパタ

澪「いってきまーす」バタン

173: 2009/12/03(木) 00:37:03.60 ID:OSXyBuNL0

澪「(とりあえず、元の世界に戻るのは後回しだな・・・!)」

和「おはよう」

澪「わ!?」

和「なにそれ、どっちの意味で?」

澪「あ、ああごめん、おはよう。突然だったからビックリしたんだ、悪意はないぞ?」

和「・・・まあいいわ。あれから何か収穫はあった?」

澪「ない、かな」

和「そう・・・」

澪「ただ・・・一つ気になることがある」

174: 2009/12/03(木) 00:38:00.51 ID:OSXyBuNL0

和「なに?」

澪「この世界には、何が余分なんだ?何が欠けているんだ?」

和「それは・・・わからないわ」

澪「昨日、和との電話の後なんだけど、律が家に来たんだ」

和「え、あの後って、深夜じゃない・・・」

澪「まあそれは私とあいつの仲だからさ」

和「それもそうね、それで何かあったの?」

澪「私達の世界にいる律と、何もかわらなかった」

和「でも、こっちの律はかなり女泣かせだって聞いてるわよ?」

175: 2009/12/03(木) 00:51:18.33 ID:OSXyBuNL0

澪「うっ・・・まあそれはそうなんだけど。それ以外は、いつもの律だった」

和「そうなの?」

澪「この世界のみんながいっそのこと、もっと変だったら『変な世界だ』で受け入れられるかもしれないけど」

澪「この世界のみんなも、私達の世界のみんなも・・・変わりなさ過ぎて逆に戸惑うよ」

和「澪・・・」

澪「問題はこの世界の私だ!」

和「ど、どうしたのよ?」

澪「理由はわからないけど、律のことをフッたらしい」

和「え!?告白されたってこと!?」

澪「律の話だとそうなるな。・・・そこで頼みがあるんだ」

和「うーん、なんとなくわかっちゃったかも」

176: 2009/12/03(木) 00:51:59.04 ID:OSXyBuNL0


澪「あれ?・・・和には敵わないな」

和「この世界のこと、もっと知りたいんでしょ?」

澪「あぁ!・・・知って、この世界の律をなんとかしてやりたいんだ」

和「やっぱり、そう言うと思ったわよ」

澪「でも何からしたらいいんだろう?」

和「そうね。まずは、情報収集じゃないかしら」

澪「情報収集って?」

和「確かに私達は軽音部のみんなのこと、学校のこと、ちゃんと知ってるわ」

和「そもそも私達がいた世界と、基本的には何も変わらないんだから」

澪「そうだな」

和「でも、この世界の自分のことは?」

177: 2009/12/03(木) 00:53:35.69 ID:OSXyBuNL0

澪「・・・!?」

和「そう、この世界の『自分』のことは確かめないと何もわからないままだわ」

澪「確かに、そうだな」

和「私は今のところ、元の世界と同じような生活をしてきたのかなって思うんだけど・・・」

和「こっちの世界の澪は律をフってるんでしょ?それってちょっと不自然だわ」

澪「な、なんで?」

和「元の世界ですら、付き合っているのか疑わしいくらい仲のいいあなた達だもの」

澪「///」

和「この世界の二人に限って相思相愛じゃないなんて・・・きっと何か理由があるはずよ」

澪「そうかな?」

和「そうじゃないかもしれないけど、確かめる価値はあると思うわ」

澪「よし、それじゃ作戦開始!だな!」

和「作戦って・・・」クスクス

澪「///」

180: 2009/12/03(木) 01:03:51.06 ID:OSXyBuNL0


教室



澪「(確かめるって言ったけど・・・クラスが一緒な和は私と同じ世界の人間だし・・・)」

澪「(よく考えたら、他に気軽に話が出来る子なんていないじゃないか・・・)」

澪「」ポツーン

和「そういえば、澪って友達少なかったわよね・・・これじゃ情報収集も何も」

澪「い、言うな。確かにクラスの友達は少ないけど」

澪「部活にいけば何か進展があるさ!」ウルウル

和「よし、わかった。私は澪の友達だからね。だからその涙目やめて?」ポンッ

澪「ど、同情された・・・」ガーン

184: 2009/12/03(木) 01:54:04.35 ID:OSXyBuNL0

クラスメート「・・・律さん・・・また・・・女・・・」

澪「ん?」

和「どうかした?」

澪「あそこのグループ、今『律』って言わなかったか?」

和「あら、聞いてなかったわ」

澪「うぅー気になる・・・」

和「他愛のない会話をしてるフリして聞き耳を立てましょう」

澪「さらっと凄いこと言ったな」

和「難しくてもやるしかないわ。近くに行きましょう」トテトテ

澪「私は難易度の話をしてるんじゃない、人間性の話をだな・・・よし、やろう」トテトテ


~~~~~~~~~~~~~

185: 2009/12/03(木) 02:00:16.31 ID:OSXyBuNL0

~~~~~~~~~~~~~


澪「最近、めっきり寒くなってきたよなー」

クラスメート1号「え、やっぱり?」

和「わかるわ、私なんか先週ついにコタツ出しちゃったわよ」

2号「らしいよー」

澪「お、いいなー」

1号「思ったより早かったね」

和「あれ?澪の家にはコタツないの?」

3号「田井中さんやっるぅ!」

澪「そうなんだよー買おうと思ってるんだけどなかなか・・・」

1号「それでそれで、女が今日休みってマジ?」

和「確かに、そういう買い物って妙にめんどくさかったりするわよね」

186: 2009/12/03(木) 02:00:57.71 ID:OSXyBuNL0

2号「マジマジ!」

澪「そうなんだよな。それにかなり場所取るし・・・」

3号「相当ショックでかかったんだろうね」

和「それは悩みどころね」

2号「田井中さん、次は誰と付き合うんだろうね?」

澪「毎年、買おう買おうって思ってるうちに冬が終わってるんだよ」

3号「うーん、4組の佐々木さんがいくって話は聞いたけど」

和「わかるわ。そして春になって、夏が来るのよね」

1号「私、いっちゃおうかな♪」

澪「そうそう、いっちゃおうかな♪」

3号「マジで!?」

和「(澪、入り込みすぎて復唱してるわよ!?)」ボソボソ

1号「だって田井中さんだよ?かなりレベル高くない?」

澪「あーごめんごめん。それでなんの話だっけ?レベル上げの話だっけ?私ドラクエ9で」

187: 2009/12/03(木) 02:01:38.65 ID:OSXyBuNL0

2号「まあ確かに、社交的だし、運動神経もいいし、楽器も演奏できるしね」

和「(会話の内容がつられてるわよ!?)」ボソボソ

1号「そうそう、その田井中さんを・・・」

澪「そんなことないよ、和」

3号「田井中さんを?」

和「お願いだから自覚して・・・」

1号「本気になったところでポイ捨てしてみたい!」

澪「よし、殴ろう」カチン

2号「キャハハハwそれ傑作ぅwwww」

和「(澪っ!)」ボソボソ

3号「いいんじゃない?田井中さんも捨てられたら、それでいままでの罪滅ぼしできるじゃん!www」

澪「と思って、武器も装備せずにスライムをやっつけたんだ」

1号「でしょでしょ?私って頭いくない?ww」

188: 2009/12/03(木) 02:02:39.00 ID:OSXyBuNL0

和「無理矢理に話をつなげようとして不自然になってるわよ・・・?」

2号「で、結局アンタが本気になっちゃって捨てられるってオチでしょ?w」

澪「そんなことないよ、和」キリッ

1号「ちょwwマージ?wwそれ酷くない?ww私本気にならないしwww」

和「いや、あるわよ」

2号「まったまたぁ!ww」

澪「あれ、何の話だっけ?」

3号「そんなのわかんないじゃんwww」

和「コタツの話よ、コタツ。寒いからコタツを」

1号「だって私、田井中さんが好きっていうよりも優越感?みたいな」

澪「まず破壊しよう」ゴゴゴゴ

2号「www」

189: 2009/12/03(木) 02:03:19.62 ID:OSXyBuNL0

和「」

1号「みんなを泣かせてきた子を泣かせるなんて最高じゃん!?ww」

澪「そして燃やそう」プチン

2号「あんた、ホント性格悪いよね」

和「ま、まあ確かにちょっとは暖かくなるかもね、うん。・・・私ちょっとトイレいって来るわ(これ以上ここにいたらマズい!)」ソソクサ

3号「よっしゃいったれ!ww」

澪「逝ってらっしゃい」ニコッ


~~~~~~~~~~~~~~~~~



トイレ



和「全然さり気なくなかったじゃない!」

澪「ごめん・・・」

190: 2009/12/03(木) 02:04:03.53 ID:OSXyBuNL0

和「まったく・・・」

澪「ごめん、律の悪口聞いてたら我慢できなくなくて・・・」

和「気持ちはわかるけど、抑えなきゃ」

澪「仰るとおりです」

和「あの子達がどこまで本気かわからないけど・・・恐らく性質の悪い冗談を言ってるだけね」

澪「私もそう思う。こんな冗談言うなんて、最低だな」

和「ああいうのはどこに行ってもいるわ。慣れないと」

澪「まあ、そうだな」

和「でも、律ったら有名人じゃない」

澪「そ、そりゃあ律だからな!」

和「いや、自慢しないでいい」

澪「///」

和「いや、照れないでいい」

191: 2009/12/03(木) 02:04:48.76 ID:OSXyBuNL0

澪「ごめん」

和「それにしても・・・澪にフラれてから、本当に色んな子と付き合ってきたみたいね」

澪「みたいだな。私が律をフッたのってどれくらい前なんだろう?」

和「数ヶ月は前じゃないかしら、想像だけど」

澪「うーん、っぽいな。私は、どういう理由で律をフッたんだろう」

和「律は何も言ってなかったの?」

澪「うん・・・『澪にフラれた』としか」

和「もしかして、こっちの世界の澪には既に恋人がいたとか?」

澪「わからないけど、それはないんじゃないか?」

和「どうして?」

澪「なんとなく・・・私が付き合うなら、やっぱり律だと思う」

193: 2009/12/03(木) 02:07:08.87 ID:OSXyBuNL0

和「・・・いっそのこと、あんたがこの世界の律と付き合えば話は早いんだけどね・・・」

澪「つ、付き合うならの話だって!///」



唯「あれー?和ちゃんと澪ちゃんだ!」

澪「ゆ、唯!?」

紬「私もいますよ♪」

和「おはよう、唯、ムギ」

唯「おっはよう!和ちゃん!なんの話してたの?」

澪「え!?あ、いや、なんでもないよ」

和「(チャンスね)実はね、澪と律の話をしてたの」

ムギ「澪ちゃんとりっちゃんの?」

和「そう」

澪「(和っ!)」ボソボソ

和「(いいから見てて)」ボソボソ

194: 2009/12/03(木) 02:09:39.09 ID:OSXyBuNL0
ごめん。限界。寝る。
途中で変なのが入ったから予定よりもだいぶ遅れた。すまん。
また保守してもらうのも申し訳ないし、あれだったら落としてくれても構わない。

おやすみ。

233: 2009/12/03(木) 22:24:37.81 ID:OSXyBuNL0

和「あれ?律は来てないのね」

唯「そうなんだよー。なんかちょっと元気なくてさ。机で寝てるよ」

紬「うーん、多分、昨日のことを気にしてるのよ」

澪「昨日のことって、校門前の…?」

紬「えぇ。きっとそうよ」

澪「…(なんか違う気がする)」

和「校門前のことって?」

唯「実はねー」カクカクシカジカ

和「そんなことがあったのね・・・」

唯「最近のりっちゃん、ちょっと無理してるよね・・・」

和「私もそれは薄々感じてたわ。こうなったのも、澪が律と付き合ってあげなかったからかしら?」

澪「・・・!」

235: 2009/12/03(木) 22:29:51.27 ID:OSXyBuNL0

紬「の、和ちゃん…そういうのは」

和「わかってるわ、冗談よ」

唯「でも確かに!二人はお似合いだよね!」

紬「唯ちゃんまで…と、とにかく、人には事情ってものがあるのよ。踏み込み過ぎるのは良くないわ。ね、澪ちゃん?」

澪「あ、ああ、そうだな」

唯「うぅ、ごめんね」

キーンコーンカーン

和「あら、チャイムだわ。それじゃあね」

澪「またあとでな」

唯「・・・私おしっこしてない」

紬「」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

236: 2009/12/03(木) 22:34:45.08 ID:OSXyBuNL0


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


澪「なあ、さっきのって・・・」

和「ちょっとゆすりをかけてみたの」

澪「やっぱり、そういうことだったんだな」

和「でも収穫だと思わない?」

澪「ムギ、だな?」

和「当たり。あの言い方、何か事情を知っているに違いないわ」

澪「ああ。さらに、私に口止めされてるって感じだったな」

和「ええ。部活は置いといて、ムギと二人で話してきたら?」

澪「それもそうだな・・・でも、そんな簡単に教えてくれるかな・・・」

237: 2009/12/03(木) 22:35:28.45 ID:OSXyBuNL0

和「何を言ってるの。相談したのはこっちの世界の澪なのよ?」

和「本人にその話をされて『その話は教えてあげない』なんて、普通ないわよ」

澪「」

澪「あ、そうか!私は私を探ってるんだった」

和「そう、他人の秘密を暴くよりもよっぽど簡単じゃない」

澪「・・・その分、真実を知ったときのショックがでかそうだな・・・」

和「そこは・・・ふんばりなさい」

澪「ああ、そうするよ」

239: 2009/12/03(木) 22:50:54.34 ID:OSXyBuNL0

放課後

唯「よし!今日もギー太弾くよ!」

律「今日『は』だろ?」

紬「(あら?メールだわ)」

唯「ぎくぅっ」

律「昨日は何もしなかったからなー、今日こそちゃんとやらないと!」

紬「(澪ちゃんから・・・?)」

唯「昨日はりっちゃんが解散したんでしょ?」

律「ぎくぅっ」

243: 2009/12/03(木) 23:17:57.11 ID:OSXyBuNL0

唯「へへっ、仕返し完了♪」

律「やったなー!」グリグリ

唯「きゃー!」キャイキャイ

紬「ごめん、私用事思い出しちゃった。先に行っててくれる?」

律「マジかー、ちぇー。わかったよ」

律「ほら、行くぞ唯」

律「って、もうあんなところに!?」

唯「ほら、行くよりっちゃん!」

律「このー!」タッタッタッ

唯「きゃー♪」キャイキャイ


紬「澪ちゃん、どうしたのかしら・・・」

245: 2009/12/03(木) 23:23:27.85 ID:OSXyBuNL0


体育館裏

紬「どうしたの?こんなところで」

澪「あ、ああ。ごめん」

紬「りっちゃんのこと?」

澪「・・・うん」

紬「そっか・・・」

澪「あ、あのさ!・・・律のことなんだけど・・・」

紬「やっぱり、諦められないのね?」

澪「・・・え」

澪「(・・・どういうことだ?)」

紬「確かに、私も澪ちゃんの話を聞いたときは耳を疑ったわ」

248: 2009/12/03(木) 23:28:35.38 ID:OSXyBuNL0

紬「ううん。未だに、好きなのに付き合えないって生き方が・・・私にはわからない」

澪「(好きなのに・・・付き合えない、だと?)」

紬「澪ちゃんはなんでそんなに思いつめた顔をしているの?」

澪「なんでって・・・そりゃ」

紬「りっちゃんが苦しんでいるところを見たくない?りっちゃんに辛い思いさせてる自分が辛い?」

澪「・・・(ムギ、怒ってるのか?)」

紬「ねえ、どうなの?」

澪「わ、私は・・・律を助けたい」

紬「・・・勝手なこと言わないで!」

澪「!?」

紬「りっちゃんの気持ちから逃げ出した澪ちゃんに、そんなこと言う資格ないわよ!」

澪「・・・ごめん」

254: 2009/12/03(木) 23:49:40.76 ID:OSXyBuNL0

紬「私も・・・怒鳴ったりしてごめんなさい。」

紬「でも・・・りっちゃんが私を好きになってくれたら、絶対に逃げたりしないのにって、思っちゃう」

澪「(ムギ、律のことが好きなのか・・・!)」

紬「澪ちゃんもりっちゃんのことが好きなら、二人で幸せになればいいじゃない」

紬「私はりっちゃんが幸せになってくれるなら、一生友達のままで構わないわ」

紬「でも澪ちゃんは逃げてばっかり。私は、それがすごい悔しい」

澪「そうか・・・そう、だよな・・・(そうだったのか)」

澪「(どうしよう、状況は大体わかった。でも、なんで私は律の気持ちから逃げたんだ?)」

紬「ねえ、今からでも遅くはないと思うの・・・りっちゃんと」

澪「それは・・・出来ないよ」

256: 2009/12/04(金) 00:04:21.89 ID:nr+oh9kd0

紬「・・・じゃあ、りっちゃんのこと、諦めて。そして、りっちゃんに澪ちゃんのこと、諦めさせて」

澪「・・・」

紬「りっちゃんは現実から逃げてる。澪ちゃんはりっちゃんから逃げてる」

紬「こんなのずっと続くなんて・・・私、イヤ・・・」ウルウル

澪「そうだよな。わかるよ・・・ごめん」

紬「どうしてりっちゃんの気持ちから逃げるの?りっちゃんの気持ちは、きっと本物よ?」

澪「本物かどうかなんてわからないじゃないか!(何言ってるんだ私)」

澪「この先、ずっと一緒にいるなんてどの道無理なんだよ、だから私は律とは付き合えない!(言葉が、スラスラと・・・)」

紬「だからって、ずっと逃げるの?『この先ずっと一緒にいるなんてどの道無理』ですって?」

紬「じゃあ、澪ちゃんが選んだ道の先には、逃げた先には何があるの?」

澪「わからないよ・・・!でも、怖いんだ・・・!(止まってくれ、私の口)」

257: 2009/12/04(金) 00:05:51.90 ID:nr+oh9kd0

澪「律の知らない私、たくさんいると思う。それを知って、律はどう思うかな?(止まれ・・・)」

澪「きっと、嫌いになるよ。それで、フラれて親友と恋人失うなんて、私には耐えらr(止まってくれ!)」

紬「ならないわよ」

澪「」

紬「なるわけ、ないじゃない」

紬「私はね、りっちゃんの広い心が好き。思いやりのあるところが好き、元気なところも、もちろん好き」

紬「そんなに澪ちゃんが自分に自信を持てないなら、言ってあげる」

紬「・・・りっちゃんは、私の好きな人だもの。間違いないわ」

258: 2009/12/04(金) 00:06:35.15 ID:nr+oh9kd0

澪「・・・」

紬「本当は、二人の恋なんて応援したくなかった・・・!」

紬「でもね、それじゃ駄目なの・・・。りっちゃんが笑っていない世界なんて、私はいらない」

紬「だから澪ちゃん。少しずつでいいから、向き合っていこう?」

澪「ムギ・・・(この世界に足りないもの・・・)」

紬「りっちゃんの気持ちとも、自分の気持ちとも。ね?」

澪「うん、ありがとう(わかった気がする)」

262: 2009/12/04(金) 00:36:34.87 ID:nr+oh9kd0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




部活



澪「なー律?」

律「なんだ?」

澪「今日、律の家に行っていいか?」

律「は、はぁ?///」

澪「いいから」

律「いや、いいけど・・・///」

梓「なんか二人の空気がいつもと違いますねー」

唯「あずにゃん、せんさくはしちゃだめなんだって!ムギちゃんが言ってた!」

梓「そうですか」

264: 2009/12/04(金) 00:41:48.04 ID:nr+oh9kd0

紬「えぇ、唯ちゃん偉い偉い」ナデナデ

唯「えへへへー」

梓「(なでなでとかずるい!)・・・唯先輩は、もっと私を詮索すべきだと思います」ボソッ

唯「ん?今なんか言った?」

梓「いいえ、なんでもないですっ」プイッ

紬「唯ちゃん相手だと、梓ちゃんも苦労するわね」ボソッ

梓「えぇ、唯先輩、この上なくニブチンですから」ボソッ

律「唯、梓は構ってやらないとすぐ拗ねるからな、注意しろよ?」

唯「え!?ほったらかしにしてごめんあずにゃん!」ダキッ

梓「べべべ、別に、拗ねてなんていないですよ・・・///」

268: 2009/12/04(金) 00:56:54.42 ID:nr+oh9kd0

律「そうか、ごめん唯。私の勘違いだったみたいだ。今すぐ離してやれ」

唯「ちぇー」パッ

梓「!?な・・・なんてことを・・・!!!」

澪「梓と唯の仲を引っ掻き回すな!」ゴンッ



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



澪「また明日な」

唯「うん!みんなバーイバイ!」

紬「澪ちゃん、頑張ってね」ボソッ

澪「うん、ありがとう。本当にありがとう、ムギ」ボソッ

梓「それじゃ、お疲れ様でした」

272: 2009/12/04(金) 01:15:45.47 ID:nr+oh9kd0



律「んで、マジでこれから家に来るのかよ」テクテク

澪「悪いか」テクテク

律「いいに決まってんだろ」テクテク

澪「・・・その、変なことするなよ?」テクテク

律「されるのがイヤなら来るなよ」テクテク

澪「・・・」テクテク

律「う、嘘に決まってるだろ!(半分本気だったけど)」テクテク

澪「よかった・・・」テクテク

律「安心しろって」テクテク

澪「うんっ」テクテク

律「(そこまで安心しなくても・・・)」トボトボ

273: 2009/12/04(金) 01:20:08.67 ID:nr+oh9kd0


律の家



律「ただいまー」

澪「お邪魔しまーす」

律ママ「あら、澪ちゃんじゃない!」

澪「どうも、お久しぶりです」

律ママ「そう、久しぶりなのよね!最近澪ちゃんが来ないからどうしたのかと心配してたのよ?」

澪「え!ごめんなさい、心配かけちゃって・・・」

律ママ「いいのいいの、どうせまた律が澪ちゃんに嫌なことしたんでしょう?」

律「いいから、早く支度しなよっ」グイグイ

律ママ「って、あら。もうこんな時間!?急がないと・・・!それじゃ、澪ちゃん、ゆっくりしていってね!」バタンッ

律「これから町内会の集まりで飲んでくるんだってさ。とりあえず、部屋行こうぜ」トントンギットン

澪「(律の家の階段・・・元の世界と、やっぱり変わらないな。三段目で音が鳴るんだ)」トントンギットン

カチャ

275: 2009/12/04(金) 01:25:46.03 ID:nr+oh9kd0

律「まあ、適当に座ってくれ」

澪「あぁ」ストン

律「///(なんでよりによってベッドに座るんだこいつは・・・!)」

澪「律・・・?」

律「んあ!?どうした?」

澪「嫌なことじゃ、ないよ・・・?」

律「へ?」

澪「さっきおばさんが言ってただろ?『律がまた嫌なことしたんだろ』って」

律「うん」

澪「だから、嫌なことじゃないよ」

律「」

276: 2009/12/04(金) 01:26:25.44 ID:nr+oh9kd0

澪「律に告白されて、嫌なわけないじゃないか」

律「・・・はい?」

澪「ごめん、えっと、だから、そういうことなんだよ」

律「・・・え?」

澪「といっても、実は告白されたときのこと、よく覚えてないんだ。教えてくれ」

律「・・・なんで覚えてないんだよっ」

澪「色々と事情があるんだよっ」

律「わけわかんねーよっ」

澪「大丈夫、この世界の私も、きっと同じ気持ちのハズだから」

律「人と話してる最中にいきなり作詞するな!」

澪「うわっ、ごめん(作詞じゃなくて事実なんだけど・・・)」

律「だから・・・///あのときは・・・その・・・///」

278: 2009/12/04(金) 01:29:48.48 ID:nr+oh9kd0

澪「な、なんだよ」

律「私が澪に好きだ、付き合ってくれって言ったら、律とは付き合えないって言われた」

澪「それだけか?」

律「その後、私は澪に『このことは忘れてくれ』って言ったってオイ!」

澪「!?」

律「本当に覚えてないのかよ!」

澪「いや、覚えてるんだけど、なんていうか、事実確認?みたいな」

律「わけわかんねー」

澪「いいからいいから。じゃあ律は私がなんで断ったか、知らないんだな?」

律「しらねーよ。聞いても澪、教えてくれないし・・・」

澪「それは・・・。律、隣に来てくれないか?」

律「!?」

279: 2009/12/04(金) 01:36:35.86 ID:nr+oh9kd0

澪「・・・イヤ、か?」

律「嫌なわけないだろっ」ストン

澪「律・・・」ギュッ

律「え!?え!?///」

澪「本当にごめんな。私、逃げてたんだ」

律「・・・逃げてた?」

澪「あぁ、自分の気持ちからも、律の気持ちからも」

澪「自分の気持ちに気付かないフリをして、律の声も聞こえないフリをした」

澪「そのくせして、変わっていく律を見てて、苦しかった。最低だよな、ごめん」

律「澪・・・」

澪「でも、許して欲しい。私、決めたんだ。もう逃げないって」

律「じゃあ付き合ってくれるのか?」

282: 2009/12/04(金) 01:40:55.73 ID:nr+oh9kd0

澪「それはその・・・予行練習が必要というか、・・・友達からで、どうかな///」

律「いや、予行練習はいままで十分してきただろっ」

澪「でも、ちょっと不安だよ・・・」

律「じゃあ・・・そうだな。キャピキャピしよう」

澪「律、大丈夫か?」

律「う、うるさーい!///ちょっと言い方が変だっただけだって!澪もきっと気に入るよ!」

澪「キャピキャピって///何?」クスクス

律「今キャピキャピって言う時、ちょっと照れただろっ」

澪「だって・・・///」

律「簡単に言うとだな、『付き合ってる!』って感じのこと、しようぜ?」

澪「えーと?」

286: 2009/12/04(金) 01:49:24.67 ID:nr+oh9kd0

律「今のまま付き合ったら、それこそ夫婦みたいになるだろ、私達」

澪「私は嫌いじゃないよ、そういう雰囲気」

律「でも、まだ澪の気持ちに決着ついてないじゃないか」

澪「・・・」

律「逃げるとか逃げないとか・・・そんなの意識してる時点で、
既に自分や相手の気持ちに対して構えてる状態ってことだろ?」

律「おっかなびっくりじゃなくてさ、私と付き合いながら気持ちの整理つけようぜ?」

律「澪が自然に私と『一緒にいて当たり前』って思えたら、ちょっと落ち着こう?な?」

澪「律・・・ありがとう」

律「なーに、夫婦ってそういうもんだろっ?」ニカッ

澪「///バカ律っ」クスクス


~~~~~~~~~~~~~~~~

288: 2009/12/04(金) 01:54:49.09 ID:nr+oh9kd0

~~~~~~~~~~~~~~~~



澪「もう着いちゃったな」

律「なんで私の家と澪の家はこんなに近いんだ・・・!!」

澪「普段はいいことづくめだろ?」

律「でも、送ってるって感じが全くしないぜ、この近距離」

澪「私は近距離恋愛の方がいいけどな」

律「澪が遠距離なんてしたら、思いつめてどうにかなっちゃいそうだな」プププ

澪「うるさいっ」ガスッ

律「あだっ!?」

澪「・・・律、なんていうか、その、ありがとうな」

律「こっちこそ、これからよろしくな。・・・それじゃ、明日は10時に駅前だぞ!」

澪「うん、わかった。・・・おやすみ」

律「おうっ!おやすみ!」

289: 2009/12/04(金) 01:58:46.45 ID:nr+oh9kd0
AAがいちいちカワイイなwww



ごめん、また限界が・・・。

明日残ってたら書く。例の如く、落としてくれても構わない。
書きながら考えてるからどれくらいで終わるのか検討がつかないんだが、
明後日は仕事がないから多分完結させれると思う。

おやすみ。

338: 2009/12/04(金) 23:40:52.98 ID:nr+oh9kd0
遅くなってすまん。
今会社から帰ってきた

340: 2009/12/04(金) 23:49:06.80 ID:nr+oh9kd0
ちょっと飯食ってくる。


>>318
誰も知らないと思うが、律が吹奏楽部のピンチヒッターでコンクールに出る話を書いたことがある。

359: 2009/12/05(土) 01:43:09.08 ID:4Wc0twdR0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~



律の部屋

律「(マジかよ)」カチャ

律「(信じられない)」バタン

律「(いや、信じないと駄目だよな?」ストン

律「(さっきまで澪が座ってたベッド・・・)」ドキドキ

律「(この部屋、澪の匂いが微かに残ってる・・・)」ドキドキ

律「(って、私は変態かっ)」

律「(・・・やばい。私、浮かれてるな)」

361: 2009/12/05(土) 01:49:10.22 ID:4Wc0twdR0


澪の部屋

澪「(律と・・・)」カチャ

澪「(・・・付き合うことになってしまった)」バタン

澪「(これでよかったんだよな・・・?この世界の私)」ゴロン

澪「(この世界に足りないもの、この世界に足りないもの・・・)」コロコロ

澪「(足りないからこそ、私達の世界にはないものが生まれた)」コロコロ

澪「(・・・そうだ)」ピン!

澪「和に電話しよう」

澪「よし」ピッ

364: 2009/12/05(土) 02:18:01.14 ID:4Wc0twdR0

澪「…」プルルル・・・

和「はい、もしもし?」

澪「私だけど、今大丈夫か?」

和「えぇ、平気よ。私も澪に電話しようと思ってたところなの」

澪「そっか」

和「せっかくだもの、澪から話して」

澪「う、うん。わかった」

澪「私・・・律と付き合うことになった」

和「」

和「はい?」

365: 2009/12/05(土) 02:20:39.39 ID:4Wc0twdR0

澪「びっくりさせてごめん」

和「えーと、どういう経緯で?」

澪「まず・・・今日、ムギと二人で話したんだ」

和「どうだった?」

澪「やっぱりこの世界の私はムギに相談を持ち掛けていたよ」

和「どんな内容の?」

澪「『律に告白された、自分も律が好き。でも付き合ってしまったら・・・始まってしまえば
あとは終わりが訪れるだけ。そんなの耐えられない・・・!』って感じかな」

和「さらっと言ったけど、かなりのヘタレね」

澪「うっ」グサッ

和「それで?」

澪「ムギは、律のことが好きだからこそ、律には笑っていて欲しいから・・・だから逃げないでって」

367: 2009/12/05(土) 02:26:27.44 ID:4Wc0twdR0

和「ムギ・・・って、え!?」

澪「何?」

和「ムギって律のこと好きだったの!?」

澪「あ、そうそう。私も今日聞いたばっかりで驚いたんだけどな」

和「律・・・本当にモテるわね・・・。えと、それで?」

澪「・・・部活のあと、律の家に行ったんだ」

澪「で、二人で話をして、付き合うことに・・・」

和「律に説得でもされたの?」

澪「律にっていうよりも、私が律と向き合いたいって言ったんだ」

和「じゃあ、ムギと話し終わった段階で澪の気持ちは固まってたってワケね?」

澪「ああ。これ以上逃げ回るワケにはいかないなって」

368: 2009/12/05(土) 02:34:54.42 ID:4Wc0twdR0

澪「私、気付いたんだ。この世界に足りないもの」

和「本当に?」

澪「ああ・・・。この世界には、『差別』ってものが存在しないんだよ」

和「・・・!」

澪「みんな頭がおかしくなったりした訳じゃないし、私達は同性愛者の世界に迷いこんだ訳でもない」

澪「ただ単純に差別や偏見がないから、私達の世界で生きているよりも、自分の気持ちに正直なんだ」

和「じゃあ元の世界の私達も・・・。例えば、律が澪のことが好きになる可能性があったってこと?」

澪「それは、ちょっと違うかな。差別や偏見なければ、あっちの律だって私を本気で好きになっていたと思う。
自分で言うとなんか、恥ずかしいな・・・///」

和「照れてる場合じゃないわよ」

澪「ごめん」

369: 2009/12/05(土) 02:35:42.30 ID:4Wc0twdR0

和「つまりこの世界は・・・」

澪「わかりにくいかもしれないけど、この世界は『柵(しがらみ)のない私達の世界』なんだ」

澪「それ以外は、きっと何も変わらないはずだ」

和「・・・」

澪「例えば律を例にあげるなら、私達の世界の律は
『澪かわいいな・・・って何考えてんだ自分!女同士だぞ!?』ってなる。
だが、この世界の律は『澪かわいいな。澪って好きなヤツとかいないのかな?』ってなるんだ」

和「ねえ、それは自分で言ってて恥ずかしくないの?」

澪「い、言うなっ!とにかく、『女同士がいけないこと』っていう概念がないから、
こっちの世界の律は自分の気持ちに気付いたら、その気持ちのまま行動できるんだ」

澪「でも、元の世界の律は・・・律はっていうか、みんなそうだと思うけど・・・。
『いけないこと』だと思っているから、自分の気持ちにセーブをかける」

和「確かに辻褄はあっているけど、随分と自信有り気に言うのね?」

澪「この世界に来て・・・私も初めて自分の気持ちを知ったんだ。
私だって『いけないこと』って概念がなければ、普通に律のことを好きになっていたと思うよ。」

370: 2009/12/05(土) 02:36:23.33 ID:4Wc0twdR0

澪「でも、私のいた世界はそうじゃなかったから・・・。この世界にきて気付かされたよ。
私はいままで、律に惹かれている自分を知らず知らずの内に頃していたんだって」

和「澪・・・」

澪「私と、元々この世界にいた私の思考回路は全く一緒だと思う」

澪「もし元の世界で私が律に告白されていたら・・・例え律のことが好きだったとしても、
やっぱり向き合うことを恐れて逃げると思う。情けないけど・・・」

和「なるほどね・・・。実は、私も澪と同意見なのよ」

澪「・・・?」

和「この世界にはそういった『差別』がないってこと。私ね、自分なりに調べてみたの」

和「もともとこの世界の歴史を調べようと思ったんだけど・・・その過程で意外なことがわかったの」

和「この世界には・・・同性婚を認めていない国がないのよ」

澪「!?」

371: 2009/12/05(土) 02:38:41.96 ID:4Wc0twdR0


和「さらに言うと、男尊女卑もない。もちろん、男と女で普通に家庭を築いている人達も大勢いるわ」

澪「・・・やっぱり、私達の考え、合ってそうだな」

和「えぇ。私もこの話がしたくて澪に電話しようとしたのよ」

澪「そっか・・・」

和「それで、これからどうしようか?」

澪「何が?」

和「何がって・・・この世界がどういう世界なのかはわかったけど。戻る方法はわかってないのよ?」

澪「」

澪「あ・・・」

和「あなたねぇ・・・。でも、いいんじゃないかしら」

373: 2009/12/05(土) 02:40:37.15 ID:4Wc0twdR0

澪「え?」

和「・・・律と、とことん向き合ってみなさいよ。こっちの世界とか元の世界とか関係ないわ」

和「帰る方法は、それからでいいじゃない」

澪「和・・・ありがとう」

和「気にしないで。私は私でこの世界を満喫することにするわ」

澪「え・・・それってどういう」

和「あら、もうこんな時間。それじゃ、おやすみ」

澪「え!?・・・おい、ちょっと!?」ツーツーツー

澪「まさか、な・・・」

376: 2009/12/05(土) 02:44:03.37 ID:4Wc0twdR0

澪「よし、明日はっでででデートだな」

澪「うわ、今有りあえないくらい噛んだ・・・恥ずかしい・・・」

澪「(今の独り言すらも恥ずかしいな・・・)」

澪「・・・寝よう」

澪「(明日は・・・律とちゃんと向き合えるかな)」

澪「(素直になるのって・・・難しそうだな・・・)」

澪「(・・・律・・・)」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

384: 2009/12/05(土) 03:27:27.07 ID:4Wc0twdR0



澪「・・・」

律「・・・ごめんって」

澪「なんで遅刻してくるんだよ」

律「寝坊しちゃってさ・・・これでも急いだんだってっ!ごめん!」

澪「大事なデートに寝坊するなっての」

律「・・・嬉しくてさ」

澪「ん?」

律「嬉しくて、なかなか寝付けなかったんだ」

385: 2009/12/05(土) 03:28:08.43 ID:4Wc0twdR0

澪「そ、そうか・・・///」

律「許してくれよー、なー。このとーり!」

澪「こ、今回だけだからなっ///」

律「やったぁ!・・・じゃあ、えーと、この後どうしようか?」

澪「え?えーと・・・どうしよう」

律「じゃあさ、あそこ行かないか?」ビシッ

澪「ん?・・・あそこって、お前・・・」ワナワナ

律「へ?・・・って、違う違う!!そのホテルじゃないよ!もっと向こうだよ!」

澪「この、変態・・・!」ワナワナ

律「聞けって!」

澪「」ゴチン

386: 2009/12/05(土) 03:28:48.67 ID:4Wc0twdR0

律「いだっ!わ、私は無実だ・・・」

澪「そ、そういうところは、まだ早いぞ・・・///」

律「う、うん・・・ごめん(今、『まだ』って言った・・・)」

律「そうじゃなくて、私は遊園地でも行かないか?って言ったんだよ」

澪「・・・」ジー

律「ホントだって!ここからなら駅も近いし。なーいいだろー?澪ー」

澪「わ、わかったよ、行こう。行こうな」ナデナデ

律「へへー」ホクホク


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

387: 2009/12/05(土) 03:29:42.71 ID:4Wc0twdR0

ガタンガタン・・・

澪「なあ」

ガタンガタン・・・

律「ん?」

澪「私達、その、付き合って、るんだよな?///」

律「へ?!・・・う、うん」

ガタンガタン・・・

澪「そうなんだよな・・・やっぱり」

律「どうしたんだよ?」

ガタンガタン・・・

389: 2009/12/05(土) 03:37:16.59 ID:4Wc0twdR0

ガタンガタン・・・

澪「なんか、実感わかなくてさ」

ガタンガタン・・・

ガタンガタン・・・

ギュッ

澪「へ!?り、律・・・!///」

律「手くらい、いいだろ?」

澪「う、うん・・・///」

ガタンガタン・・・

390: 2009/12/05(土) 03:38:51.33 ID:4Wc0twdR0

ガタンガタン・・・

ゴジョーシャアリガトウゴザイマス

律「澪・・・私、ずっと一緒にいるから。だから・・・」ボソッ

ツギハーモヨリエキー、エー、モヨリエキーデゴザイマス

澪「ん?なんか言ったか?」

律「へ?ああ・・・さ、寒いなって言ったんだよ」

澪「そ、そうか?でも」

律「いいからっ///ほら、降りるぞ!」

澪「え、あ、ちょっと待てよ!律!(手繋いだまま歩くのか!?)」


~~~~~~~~~~~~~~~

396: 2009/12/05(土) 04:14:37.37 ID:4Wc0twdR0


~~~~~~~~~~~~~~~



律「入場だけで1000円もするのな・・・」

澪「ワンデーパス買ったほうがいいんじゃないか?」

律「そしたら+2500円もするじゃん」

澪「でも、回数券買うよりもパス買ったほうが楽じゃないか?」

律「う~・・・」

澪「じゃあここは私が出すy」

律「ワンデーパス!いいね!私、そういうの待ってた!」

澪「どっちだよ・・・」

397: 2009/12/05(土) 04:15:21.18 ID:4Wc0twdR0

・・・

・・・

律「はいよ」ペラッ

澪「サンキュー。えーと、2500円だったよな?」ゴソゴソ

律「・・・お!まずはアレ乗ろうぜ!」

澪「え、ちょっと待てよ、お金・・・」

律「あとであとで!澪、早く!」タッタッタッ

澪「え、おい・・・律っ」タッタッタッ


澪「で・・・。はしゃいで乗りたがってた乗り物がこれか・・・」

律「え、いいじゃんメリーゴーランド!」

398: 2009/12/05(土) 04:16:01.64 ID:4Wc0twdR0

澪「律、こんなの好きだったか?」

律「じゃあジェットコースター三昧でいいか?」

澪「メリーゴーランドっていいよなー。なんていうか、この、馬な感じがいいよなー」

律「ふふふ、ヘタレめっ」

澪「うん?」ギロッ

律「わわわ。ほら、早く乗らないと始まっちゃうぞ」

澪「あ、ああ。律は?」

律「私あっちのペガサス乗ってくる!」キラキラ

澪「・・・わかった、いってらっしゃい(あーもう可愛いな!)」

律「うん!」


グルグルー

399: 2009/12/05(土) 04:16:44.67 ID:4Wc0twdR0

澪「律ー、ペガサスの座り心地はどうだー?」クルッ

澪「って、いない!?」

律「おーい!」

澪「律っ!?って、おい!」

律「えへへー♪」

澪「なんで外から見てるんだ!?ペガサスどころか、なんでベンチに座ってるんだよ!?」

律「メリーゴーランドで楽しむ澪を見たかったから!」キリッ

澪「あとで覚えてろ!」


~~~~~~~~~~~~~

400: 2009/12/05(土) 04:19:03.14 ID:4Wc0twdR0

律「なー、澪ってさ、Sなの?」サスサス

澪「なんでだ」

律「だって私のことよく殴る・・・」サスサス

澪「お前が殴られるようなことばっかするからだ!」

律「でも、相手が唯だったら、殴ってるか?」サスサス

澪「え・・・それ・・・その・・・」

律「やっぱこれも澪なりの愛情表現なんだなー」ナオッター

澪「・・・言われてみれば、そうかも」

律「あーやっぱそう?」

澪「でも、別にSってワケじゃないぞ?」

律「あれ、違うのか?」

418: 2009/12/05(土) 15:15:09.36 ID:4Wc0twdR0
あああああああああああああああ

ごめん、今起きた・・・orz

422: 2009/12/05(土) 15:45:26.06 ID:4Wc0twdR0

澪「ああ、律が相手だと殴りたい衝動に駆られるだけだ」

律「それ多分Sだよ」

澪「そうなのか・・・いやか?」

律「まさか、大歓迎だよ」

澪「律はMってこと?」ドキドキ

律「えっと・・・その、なんだ?・・・きっと相性はいいよ」

澪「そっか///」

律「うん///」

澪「あ、あのさ!」

律「ん?なんだ?」

澪「あれ、乗りたい」ビシッ

423: 2009/12/05(土) 15:53:58.81 ID:4Wc0twdR0

律「(あれって・・・いやいや、まさかな)」

律「えっと、コーヒーカップか?」

澪「私が指差してるのと明らかに違うだろっ」

律「・・・え、だって、あれって・・・」

澪「いいんだ。ジェットコースターじゃないけど、あれも絶叫系だろ?私も苦手克服しないと!」

律「それはいいけど・・・。澪、フリーフォールは・・・かなり怖いぞ?」

澪「そうか?上がったり下がったりしてるだけじゃないか」

律「(こいつ、絶叫マシン乗ったことないからフリーフォールの恐ろしさを知らないんだな)」

律「甘いな、あれはジェットコースターよりもしんどいぜ」

澪「嘘つくなよ、大げさに言ってるんだろ?・・・でも意外だな」

律「へ?」

424: 2009/12/05(土) 15:54:46.64 ID:4Wc0twdR0

澪「こういうとき、怖いの知らないフリして『よし、乗ろうぜ(ニヤニヤ)』なんて言いそうなのに」

律「ばっばか、私は優しいんだっ、そんなことしません」

澪「いいや、するね。・・・もしかして、律」

律「ぎくっ」

澪「あれ、苦手なのか?」

律「・・・どーせフリーフォール怖いですよ、そーですよ」

澪「律でも苦手な乗り物あるのか・・・」ワクワク

律「うっなんだよ」

澪「律・・・」キラキラ

律「・・・まさか」

425: 2009/12/05(土) 15:55:27.39 ID:4Wc0twdR0

澪「ああ、乗ろう。なおさら乗ろう」キラキラ

律「う゛・・・いいけど、澪も一緒だからな」

澪「ああ、もちろんだ!」コクコク

律「いいか、あれ、本当に怖いからな?やめるなら今のうちだからな?」

澪「大丈夫、大丈夫!行こう!」ガシッ、グイグイ

律「マジかよ~・・・」ズルズル


~~~~~~~~~~~~

426: 2009/12/05(土) 15:59:45.02 ID:4Wc0twdR0


~~~~~~~~~~~~


カタンカタン・・・

カタンカタン・・・

澪「なあ、これ、すっごい高くないか?」ビクビク

律「バカ、フリフォールの恐ろしさはそこじゃない」

カタンカタン・・・

澪「もう駄目だ、怖い」

律「だから本番はここからだって」ゲッソリ

カタンカタン・・・ガタンッ!

427: 2009/12/05(土) 16:01:51.24 ID:4Wc0twdR0

律「来るぞ・・・」

3・・・2・・・1・・・

澪「へ?」

GO!

律「」

澪「」


律澪「きゃあああああああああああああ!」

ガーコガーコ

律「(早く終わってくれ!)」

澪「下ろしてして!今すぐ!」

ギュイイイン・・・!

律「いやここから降りたら、降りるって言うか落ちるだろ!」

澪「うわぁぁぁん!」


~~~~~~~~~~~~~

428: 2009/12/05(土) 16:02:44.42 ID:4Wc0twdR0

律「・・・氏ぬかと思った」ゲッソリ

澪「」チーン

律「おい、澪っ!大丈夫か?」ユサユサ

澪「・・・高いところで行ったり来たりするだけの乗り物だと思ったのに・・・」

律「だから怖いって言っただろ・・・」

澪「心臓がキュってなった・・・足が、フワフワする・・・」

律「なあ、ちょっと休もうぜ・・・」

澪「ああ、そうしよう」

律「あの店に入らないか?」

澪「そうしよう、ついでに何か食べるか」

律「おっ賛成~!」



~~~~~~~~~~~~~

445: 2009/12/05(土) 20:08:18.07 ID:4Wc0twdR0


澪「それにしても・・・あれがあんなに怖いものだったとは・・・」モグモグ

律「乗る前に何回も言っただろー?」モグモグ

澪「だって、ジェットコースターの方が見た目は怖そうだもん」モグモグ

律「そりゃ、見た目はな。でも私はジェットコースターは好きだけど、あれは嫌いだ・・・」ゴックン

澪「よく考えたら、律が嫌いって言うんだから相当なもんなんだよな・・・」ゴックン

律「なんで乗る前に気付かなかったんだよ」ゴキュゴキュ

澪「うっ・・・だって、絶叫マシンを怖がる律なんて、なかなか見れないじゃないか」

律「う、うるさいっ」

446: 2009/12/05(土) 20:09:53.18 ID:4Wc0twdR0

澪「今日はもう、あーゆーの乗るのはよそう」

律「ああ、私も今日はもういいや」

澪「どこ行こうか?」

律「じゃあさ、おばけ屋敷にいk」

澪「駄目だ」キッパリ

律「」

澪「それは、駄目だ」キリッ

律「よし、行こう」

澪「」カタカタ

律「無言で震えるなよっ」

447: 2009/12/05(土) 20:10:36.07 ID:4Wc0twdR0

澪「だっておばけ屋敷は駄目だって」

律「いいから、私がついてるだろ?」

澪「お前も一緒になってビックリさせようとするじゃないかっ!」

律「あ、ばれた?」

?「あれ、律?」

律「ん?」クルッ

律「!?」

450: 2009/12/05(土) 20:41:01.42 ID:4Wc0twdR0

女「奇遇ね、こんなところで会うなんて」

律「女・・・!」

女「また新しい彼女?」

律「だ、だったら何だよ」

女「その子とは何週間持つのかしら?見物ね」

律「澪とは、別れねぇよ」

女「な・・・!なんでそんなこと断言するのよ!」

律「なんでって・・・澪が澪だからだ。もういいだろ?」

女「あんた何様なの!?人のこと散々弄んでおいて・・・!」

451: 2009/12/05(土) 20:42:02.72 ID:4Wc0twdR0

律「それは、本当に悪かった。ごめん」

女「っていうか、澪って・・・。よく見たらあんたの幼馴染じゃない」

澪「・・・確かに私は律の幼馴染ですが、それが何か?」

女「あんたに聞いてないっ!」

澪「な、なんだよ・・・(この人怖い)」

女「律、もしかして・・・この子のこと、ずっと好きだったんじゃないの?」

律「・・・そうだよ」

女「じゃあなんで私と付き合ったのよ・・・!」

律「だから、ごめんって」

女「信じられない・・・。何考えてるのよ、あんた」

女「私だけじゃない、あんたが遊んできた女の子、全員に土下座してきなさいよ!

452: 2009/12/05(土) 20:44:07.96 ID:4Wc0twdR0

澪「な・・・!確かに律は悪いことをしたよ、でも元はと言えば私が悪いんだ」

女「なんでよ」

澪「私が律をフッたかr」

律「女には関係ないだろ」スッ

女「何言ってんのよ!」

律「もういいだろっ!女遊びなんてもうしないし」

女「何?その澪って子、かばうんだ?」

律「かばうとかかばわないとかじゃないよ。元々私が悪いんだから」

453: 2009/12/05(土) 20:44:49.44 ID:4Wc0twdR0

女「それがかばってるって言うのよ・・・!」

律「女・・・本当にごめん」

女「・・・謝らないでよ・・・余計惨めになるじゃない・・・!」

律「・・・ごめん」

女「・・・」

女2「おーい、こんなところにいたのか」

女「女2!ご、ごめん。なんでもないよ」

女2「うん?そう?・・・って、律さん」

454: 2009/12/05(土) 20:45:57.39 ID:4Wc0twdR0

律「あ、どうも。はじめまして」

女2「はじめまして」

女「私、帰る」タッタッタッ

女2「え?!」

女2「ちょ、ちょっと!?」

女2「」ポカーン

女2「ねえ、律さん。女に何言ったの?」

律「別に、何も言ってないよ。ただ、今までのことを謝っただけ」

女2「・・・そっか。そりゃ、女にはしんどいわ・・・」

女2「お邪魔しちゃってごめんね、私ももう行くわ」スタスタ

455: 2009/12/05(土) 20:48:31.50 ID:4Wc0twdR0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


律「ホント・・・なんだってんだよー・・・」

澪「・・・女さん、まだ律のことが好きみたいだな」

律「へ?だって、今の新しい彼女だろ?なんで・・・」

澪「・・・律も同じようなことしてただろ?」

律「・・・」

律「どうしよ・・・」

澪「ほっとけよ」

律「え」

澪「下手に声かけても、相手に追い討ちをかけるだけだ」

律「・・・そう、かもな・・・」

澪「それがわからずに、下手に声をかけていたのが私なんだけどな・・・」

456: 2009/12/05(土) 20:55:07.63 ID:4Wc0twdR0


律「・・・でも、私はそれで澪を恨んだりしてないぞ?」

澪「だから余計性質悪いんだよ。あのときはホントにごめん」

律「ううん。でも澪の言うとおりだ。悪役に徹しよう。今更謝ったって、辛い思いさせるだけだな」

澪「そういうこと」

律「女2は、女がまだ私のこと好きだって、わかってて付き合ってるんだよな・・・?」

澪「そうみたいだな。・・・って、もうその話はいいだろ?次、どこ行く?」

律「・・・」

澪「おい、律っ」

律「ん?あ、ああ!どこ行こうか?」

澪「(あ、おばけ屋敷のこと、忘れてる・・・?よかった)」ホッ

律「なぁんてな!おばけ屋敷行くぞ!」ガシッ!グイグイ

澪「いやー!」ズルズル



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

467: 2009/12/05(土) 22:15:38.32 ID:4Wc0twdR0


律「いやー、今日は遊んだな!」

澪「うん、久々にこんなに遊んだよ」

律「外ももう暗いなー」

澪「そろそろ帰ろうか?」

律「んーそうだな。パスの元はとれただろうし」ニシシ

澪「あ、そういえば律にパスのお金、払ったっけ?」

律「何言ってんだよ、とっくの昔にもらってるぜ?しっかりしろー?」

澪「あ、あれ、そうだったか?」

律「その歳でもう痴呆か・・・大丈夫、責任と愛をもって介護するかr」

澪「黙れ」ガスッ

468: 2009/12/05(土) 22:16:25.83 ID:4Wc0twdR0

律「痛いって!」サスサス

澪「律が変なこと言うから・・・」

律「ごめんって~」

澪「全く。ほら、帰ろう?」

律「・・・澪」ギュッ

澪「///(また手繋いだ///)」

律「多分、こんな感じでいいんだよ」

澪「へ?」

律「こんな感じで、ずっと一緒にいれたら、それでいいんだよ」

澪「律・・・」

律「難しくないよ」

澪「うん・・・」

469: 2009/12/05(土) 22:17:05.96 ID:4Wc0twdR0

澪「律もさ、女さんのこととか、気になるだろうけど・・・」

律「わかってるよ。・・・ただ、自分の過ちを忘れようとしたりしないよ」

澪「うん・・・」

律「な、なあ。澪は、私のことが好き、だろ?」

澪「・・・///う、うん」

律「それって、友達への好きって気持ちとは違うよな?」

澪「うん・・・///」

律「ホントかなー?」

澪「な・・・!ホントだ!」

律「じゃあさ、キスしていい?」

澪「」

律「やっぱ駄目?」

澪「・・・バカ」

律「へ?」

470: 2009/12/05(土) 22:17:47.77 ID:4Wc0twdR0

澪「ここで『いいよ』って言ったら『キスしてください』って言ってるようなもんじゃないか」

律「え、あ、うん。そうだな。・・・って、じゃあどうしたらよかったんだよっ」

澪「何も聞かないで、してくれればよかったのに・・・///」

律「そっか///ごめん・・・///」

澪「・・・///」

律「なあ、澪?」

澪「なn」

チュッ

澪「~~~~~~!!///」カァァァ!

律「これでよかったか?」ニシシ

澪「いいいいきなりこんなことするな!///」

律「どっちだよ!///」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

487: 2009/12/06(日) 00:47:04.26 ID:7GMOc9bP0


月曜日


和「(この世界を満喫するなんて言ったけど・・・)」

和「(満喫できるわけがないのよね・・・)」

唯「和ちゃん、ちゃんと話聞いてた?」

和「え、ごめんなさい、もう一回してくれるかしら?」

唯「だからー、あずにゃんがねー?」

・・・

・・・

和「(このままじゃ、私はただの唯のお守りじゃない)」

唯「~だったんだ!」

和「あら、唯も少しは先輩になってきたのかしらね?」

和「(あずにゃん、あずにゃんって・・・唯は梓ちゃんのことがよっぽど好きなのね・・・)」

唯「えへへ~♪」

488: 2009/12/06(日) 00:52:34.75 ID:7GMOc9bP0

和「今日は部活がなくて残念だったわね」

唯「えー?なんで?」

和「梓ちゃんと会えないじゃない」

唯「でも部活がなかったから和ちゃんと帰れるんだよ?」

和「ま、それもそうね」

唯「うん!和ちゃんと帰るの久々だから嬉しいよ」

和「そう、よかったわね(こうやって色んな子に思わせぶりな態度をとっているのね、この子は)」

489: 2009/12/06(日) 00:53:39.21 ID:7GMOc9bP0

唯「えへへー♪」ギュー

和「腕組んでると歩きにくくない?」

唯「全然!」

和「あっそう(無意識にやってるから性質悪いわね・・・)」

唯「そうだ!今日家においでよ!」

和「え?そんな・・・いいの?」

唯「もちろん!」

和「ご迷惑じゃないかしら」

唯「大丈夫!憂しかいないから!」

和「・・・じゃあお言葉に甘えようかしら」

唯「やったー!」バンザーイ



~~~~~~~~~~~~~~~~~

491: 2009/12/06(日) 01:26:31.39 ID:7GMOc9bP0


唯「ただいまー!」

憂「お帰り、お姉ちゃん!」

和「お邪魔します」

憂「和さん!どうぞ上がってください」スリッパスリッパ

和「ありがとう」ヌギヌギハキハキ

唯「私、部屋片付けてくる!」

和「汚いのね・・・」

唯「うん!すっごく!」

和「・・・いってらっしゃい」

唯「いってきまーす」トントン

492: 2009/12/06(日) 01:27:15.23 ID:7GMOc9bP0

憂「どうぞ、リビングでお待ち下さい」ガチャ

和「えぇ、そうさせてもらうわ」

憂「今お飲み物もってきますねー」

和「ありがとう」

・・・

・・・

憂「お待たせしました」コト

和「あれ、憂ちゃんの分は?」

憂「え?」

和「少し話でもしましょう?」

憂「うーんと・・・はい!じゃあ失礼します♪」

和「憂ちゃん、学校は慣れた?」

憂「はい!毎日がとっても充実してます!」

493: 2009/12/06(日) 01:29:27.27 ID:7GMOc9bP0

和「憂ちゃんは梓ちゃんと同じクラスだったわよね?」

憂「はい、私達、席も近いんですよー」

和「あら、それはすごい偶然ね」

憂「そうなんですよー♪休み時間はいつもお姉ちゃん達の話で盛り上がってます」

和「あら、楽しそうね。気になってたんだけど、梓ちゃんはやっぱり唯のことが好きなのよね?」

憂「はい、そうなんですよ。ただ、お姉ちゃんってば鈍感だから、なかなか進展しないみたいですね」

和「あははは。・・・唯には、好きな人がいるのかしら」

憂「いますよー」

和「!?」

憂「そんなビックリしなくても・・・」

和「誰!?」

憂「えー梓ちゃんですよ、そりゃ」

494: 2009/12/06(日) 01:30:08.17 ID:7GMOc9bP0

和「・・・唯って、とことん罪作りな女ね」

憂「はい、私もそう思います」

和「唯は自分の気持ちには気付いていないのかしら?」

憂「それがわからないんですよね・・・。気付いているような、いないような」

和「難しいわねー」

憂「はい。私も梓ちゃんとお姉ちゃんの気持ちが通じ合うにはまだ時間がかかると思います」

憂「でも、きっと通じ合うと思いますよ!」

和「そうね・・・。見ててやきもきするでしょう?」

憂「えぇwそれはもうwでも、ここで誰かが横やり入れるのはよくないと思うんですよね」

憂「私は気持ちが通じ合うまでの過程ってすごい大切だと思ってますから」

憂「だから、いつまででも見守って行こうと思っています」

和「なるほどね。憂ちゃんを見てると、どっちがお姉さんかわからなくなる時があるわ・・・」

憂「あはは、それは言わない約束ですよ?」クスクス

497: 2009/12/06(日) 01:36:35.92 ID:7GMOc9bP0


和「でも、そうしたら・・・唯と梓ちゃんがくっついたら、憂ちゃんは寂しいんじゃない?」

憂「それは・・・確かに寂しいですけど・・・。お姉ちゃんや梓ちゃんに会えなくなる
わけじゃありませんし、和さんが思っている程深刻ではありませんよ?」

和「そう、私はてっきり・・・」

憂「私がお姉ちゃんのことを、そういう意味で好きだと?」

和「えぇ、失礼だったかしら」

憂「まさか」クスクス

憂「誤解されそうなコミュニケーションとってるのは事実ですから」クスクス

和「憂ちゃんは?」

憂「はい?」

和「・・・憂ちゃんは、その好きな人とかいないのかしら?」

憂「・・・いますよ」

和「・・・!」

499: 2009/12/06(日) 01:40:28.24 ID:7GMOc9bP0

和「そうなの・・・」

憂「でも、私はその人とは結ばれないんです」

和「フラれちゃったの?」

憂「いいえ、告白は・・・していません」

和「そっか・・・」

憂「色々と事情があって、私はその人と結ばれてはいけないんです」

和「・・・(憂ちゃんまで澪みたいなこと言って・・・)」

和「ねえ、それってどういう」

ガチャ!

唯「お待たせ!ごめんね、遅くなっちゃって」

和「唯!・・・いいのよ、今ね、憂ちゃんとお話してたの」

500: 2009/12/06(日) 01:41:25.78 ID:7GMOc9bP0

憂「お姉ちゃん、いつ友達を呼んでもいいようにお部屋は綺麗にしておこう?」

唯「うん、そうだね。今度からはお部屋が綺麗なときに友達を呼ぶようにするよ」

和「微妙に意味が伝わってないわね・・・」

憂「お姉ちゃんかわいいからいいんです」

唯「いいんです!」

和「こらっ」

憂「あはは」クスクス

唯「それじゃ、私達は部屋にいるね?」

憂「うん、後でお菓子とお茶持ってくね」

唯「ありがとっ。和ちゃん、いこっか」トントン

和「それじゃ、またね。憂ちゃん」トントン

憂「ごゆっくり~♪」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

505: 2009/12/06(日) 01:58:14.75 ID:7GMOc9bP0
>>504
それはないwwwww




その日の夜~わの部屋~

和「・・・」チラッ

和「・・・(今日は、澪から電話来なさそうね)」

和「(今頃、律とよろしくやってるのかしら。・・・なんてね)」

和「(私の心は早くも折れそうなんだけどな・・・)」

和「(そうよね・・・この世界は『柵(しがらみ)のない世界』)」

和「(私達の思い通りになる世界ってワケじゃないのよね・・・)」

和「(律と澪は元々お互いが好きだったから、この世界で付き合えたわけだし)」

和「(元の世界で何にもなかった私達が結ばれるわけ、ないのよね・・・)」

和「(どうしたものかしら・・・)」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

506: 2009/12/06(日) 02:10:13.38 ID:7GMOc9bP0



唯の部屋


唯「(はあ。気付いてないフリもここまで来ると・・・。傍から見たら重症だよね、私)」

唯「(でも・・・私があずにゃんと付き合っちゃったら・・・和ちゃんはどうなるんだろう?)」

唯「(だって、和ちゃんも私のこと・・・///)」

唯「(私が欲張りなのがいけないんだよね・・・)」

唯「(友達も大切だけど、好きな人とも一緒にいたいって、ずるいのかな?)」

唯「(明日、あずにゃんに和ちゃんが遊びに来たって言ったら、どんな顔するんだろう)」

唯「(やっぱり嫌な顔されるかな・・・)」

唯「(でも、私は・・・みんなと仲良くしていたいよ)」

唯「(和ちゃんは好き。大切な親友。あずにゃんも好き。でも・・・和ちゃんの好きとは違う)」

唯「(はっきり態度で示さないと駄目かな?・・・でも、怖いよ)」

唯「(我が侭でごめん、二人とも)」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

507: 2009/12/06(日) 02:11:14.54 ID:7GMOc9bP0


憂の部屋


憂「(私の好きな人、か・・・)」

憂「(和さんがそんなこと聞いてくるなんて思ってなかった)」

憂「(叶わない恋だから早く切り替えたいんだけどなぁ・・・)」

憂「(当分無理なんだろうなぁ・・・)」

憂「(駄目だよ!そんな考え方してるからいけないんだよ!)」

憂「(他の事を考えよう。例えば、お姉ちゃんと梓ちゃんがどうやったら付き合えるか)」

憂「(さっき和さんには『気付いているのか、いないのかわからない』なんて言ったけど)」

憂「(お姉ちゃん、きっと気付いてる。自分の気持ちにも、梓ちゃんの気持ちにも)」

憂「(和さんの気持ちにも・・・ね)」

憂「(梓ちゃんはお姉ちゃんの気持ちには、きっと気付いてない)」

509: 2009/12/06(日) 02:20:05.94 ID:7GMOc9bP0

憂「(気持ちを伝えることには積極的でも、結局梓ちゃんも鈍感なんだよね・・・)」

憂「(だから、私達は・・・みんな、身動きがとれない)」

憂「(見守る、なんて言っちゃったけど。このままで良いのかな)」

憂「(せめてお姉ちゃんと梓ちゃんには幸せになって欲しいな)」

憂「(でも、こんなこと誰にも相談できないよね・・・)」

憂「(和さんに言ったら、また迷惑かけちゃう・・・)」

憂「(誰か、恋愛経験豊富で、お姉ちゃん達を知ってる人・・・)」

憂「あ!」

憂「一人だけ、いた・・・!」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

510: 2009/12/06(日) 02:27:34.34 ID:7GMOc9bP0

2年の教室


和「おはよう」

律「おう、おはよ!」

澪「おはよう、和」

和「朝から見せ付けてくれるわね、あんたら」

律「へ?そ、そんなんじゃねぇよっ///」

澪「そうだぞ!///」

和「わかった、わかったから。律、澪の膝の上から降りなさい」

律「ちぇー」スクッ

和「(あなた達、この土日で何があったの!?)」ボソボソ

511: 2009/12/06(日) 02:28:15.70 ID:7GMOc9bP0

澪「(何もないよ?ただ、これからしばらくはキャピキャピするって決めたんだ)」ボソボソ

和「」

澪「(ち、ちがっ・・・私じゃなくて律が言い出したんだぞ!?)」ボソボソ

和「(うん、わかった、わかったから)」ボソボソ

律「お前らさっきから何コソコソ話してるんだよー?」ソワソワ

澪「い、いや、なんでもないぞ!」

和「そう、なんでもないわっ」

律「ふーん?まっいいけどっ」プイッ

澪「律ーごめんってばー」ナデナデ

和「こいつら・・・!」イラッ

和「(羨ましくなんて、ないっ・・・!)」グスン


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

512: 2009/12/06(日) 02:28:56.06 ID:7GMOc9bP0

1年の教室


憂「おはよう、梓ちゃん」

梓「憂、おはよう」

憂「ねえ梓ちゃん?」

梓「ん?」

憂「律先輩の連絡先、知ってる?」

梓「へ?律先輩?知ってるけど・・・」

憂「お願い!教えて!」

梓「っへ!?・・・いや、いいけど」

憂「あ、でも勝手に教えたらまずいと思うから」

513: 2009/12/06(日) 02:29:42.69 ID:7GMOc9bP0
梓「ちょっとw大丈夫だよ。寧ろ憂っていままで律先輩の連絡先知らなかったんだね?」

憂「うん・・・昨日ケータイ見たら、名前が入ってなかった」

梓「w自分でも知ってるって思ってたんだ?w」

憂「そうそうwよく会う人だから勘違いしちゃってて」クスクス

梓「じゃあ連絡先、メールで送っとくね」

憂「うん。出来れば、メールアドレスと電話番号、両方教えて?」

梓「・・・いいけど」

憂「うん?」

梓「もしかして・・・憂って律先輩のこと・・・」

憂「いや、それはない」キッパリ

梓「うわ、律先輩かわいそう」

憂「もちろん、いい人だなって思うけど・・・。そんなんじゃないよ?」

梓「そっかw」ピッ

憂「・・・あ、来た来た。ありがとうっ」ピロロン♪


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

518: 2009/12/06(日) 02:38:30.24 ID:7GMOc9bP0



お昼~澪・和の教室~


澪「あのさ」モグモグ

和「何?」パクパク

澪「この間電話で『この世界を満喫する』って言ってただろ?」ペロペロ

和「えぇ、言ってわね」ゴックン

澪「何をするつもりなんだ?」モゴモゴ

和「あなたと一緒よ。私も自分の気持ちに素直になろうかなって、そう思ったのよ」モグモグ

澪「相手は?」モグモグ

和「・・・言わないと駄目?」モグモグ

澪「うん」

和「相手はね・・・」

524: 2009/12/06(日) 03:08:55.24 ID:7GMOc9bP0


澪「うん・・・!」ワクワク

和「内緒よ」

澪「な、なんで!?」

和「なんとなく。それより」

澪「なに?」

和「随分と進展したじゃない。私の心配も杞憂だったようね」

澪「そ、そんな///」

澪「でも、このまま上手くやっていけそうな気がする」

和「それはよかったわね(ヤバイ、これはノロケ話のコースね、避けないと)」

澪「そうなんだよ~律ったら~・・・」ノロケノロケ

和「(回避できなかった、だと・・・!)」


~~~~~~~~~~~~~~~~

526: 2009/12/06(日) 03:11:39.17 ID:7GMOc9bP0

律・ムギ・唯の教室


律「なあ、私と澪の話をしていいか?」モグモグ

唯「へ?何?」モグモグ

ムギ「なぁに?(あまり、聞きたくないかも)」

律「私達、付き合うことになったんだ」

ムギ「・・・!」

唯「え!?本当に!?」

律「ああ」

唯「・・・おめでとう!!」

律「おう、サンキュー!」

ムギ「私からも、おめでとう、りっちゃん」

律「うん、ムギもサンキューな」

ムギ「・・・幸せになってね」

律「?おうっ!」

528: 2009/12/06(日) 03:14:26.27 ID:7GMOc9bP0

律「まっ、もう既に幸せなんだけどなっ///」

ムギ「・・・」

唯「すごいね!でも・・・澪ちゃんとは絶対にすぐに別れたりしないでね!」

律「ぬお!?縁起でもないこと言うなぁ!」ペシッ

唯「あたぁ!」

テンテロテーン♪

律「あれ、メールだ」

ムギ「澪ちゃんから?」

律「いや、違うな・・・」

ムギ「和ちゃん?」

律「ううん、着信音からして、違う人だな・・・どれどれ?」

529: 2009/12/06(日) 03:15:08.40 ID:7GMOc9bP0

唯「浮気だ!りっちゃん、なんてことを!」メッ!

律「ちげーし!」メッ!ジャネーヨ!

唯「浮気相手は誰だ!」

律「・・・お前の妹だな」

唯「憂!?何してんの!?」

ムギ「!?」

律「いや、だから浮気じゃねーっての!」

クラスメート1「田井中さん・・・また違う女・・・?」ボソボソ

クラスメート2「しかも浮気してるらしいよ・・・」ボソボソ

律「ちげーし!」



~~~~~~~~~~~~~~~~

533: 2009/12/06(日) 03:30:42.96 ID:7GMOc9bP0

放課後!


律「んで、どうしたの?」

憂「すみません、呼び出しちゃって」

律「悪いけど、私には澪っていう正妻が」

憂「いえ。違います」キッパリ

律「ちょっとした冗談なのに・・・」ションボリ

憂「・・・相談したいことがあるんです」

律「私に?珍しいね」

憂「え?」

律「私、口軽そうに見えるのか、あまり相談受けたりしないんだ」

534: 2009/12/06(日) 03:31:26.09 ID:7GMOc9bP0

憂「あー、っぽいですね」

律「こらー!」

憂「す、すみません!つい・・・(本音が・・・)」

律「全くっ」プンスカ

憂「ちょっと話が長くなっちゃいそうなんですが・・・」

律「うーん、そうだな。澪に知られるとマズいか?」

憂「うーん、わかりません」

律「ってことは、微妙なんだな・・・」

憂「はい」

律「今日は澪が家に来る予定だったんだ。だから、憂ちゃんがよければ家で、と思ったんだけど」

憂「なるほど・・・って、え?」

535: 2009/12/06(日) 03:32:20.62 ID:7GMOc9bP0

律「ん?」

憂「あれ・・・?ちょっと前から、なんていうか・・・こんなこと言ったら失礼ですけど」

律「いいよ、言って?」

憂「ケンカでもしているのかと思ってました・・・」

律「あ、そっか。・・・実はね、私達付き合うことになったんだ」

憂「え!?」

律「そんなびっくりすることかぁ?」

憂「いいえ、おめでとうございます!」

律「おう♪」

憂「んー、でもそうすると澪先輩に内緒で会うっていうのもマズイですよね?」

律「マズくはないけど・・・できれば避けたいかな」

憂「そうですね・・・じゃあ、よろしければ律先輩のお家にお邪魔させていただけますか?」

律「おう!全然いいぜ!」

536: 2009/12/06(日) 03:33:02.12 ID:7GMOc9bP0

憂「それじゃ、放課後伺いますね」

律「あ!もしよかったら、今日は憂ちゃんも部活に来ない?待ってる間、暇だろ?」

憂「・・・気持ちは嬉しいんですけど、他の人に律さんの家に行くことを知られたくないので・・・」

律「え!?私の家にくることって恥ずかしいことっ!?」

憂「ち、違いますよ!その、相談事っていうのが、お姉ちゃんと梓ちゃんのことなんですよ」

律「ああーなるほど」

憂「なので、他の人には、あまり知られたくないんです・・・すみません」

律「ううん、いいよ。そういうことなら・・・そうだな、6時に私の家に来てくれ」

537: 2009/12/06(日) 03:33:43.74 ID:7GMOc9bP0

憂「わかりました。じゃあ、どこかで時間を潰してから伺いますね」

律「家に帰らないの?」

憂「お姉ちゃんに見つかるとまたややこしくなるので、念のため」

律「なるほど、なんか深刻そうだなー」

憂「大した問題じゃないですよ、そんなに構えないでください」タハハ

律「そ、そうか?・・・それじゃ、またあとでな」

憂「はい」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

539: 2009/12/06(日) 03:41:24.84 ID:7GMOc9bP0


憂「・・・(律さん達、もうそろそろかな?)」

澪「おーい!」

憂「澪さん!」フリフリ

律「ごめん、待ったか?」

憂「はい、ものすごく」

律「」ズーン

憂「冗談ですよ」クスクス

澪「いいぞ、憂ちゃん、もっといじってやれっ」

律「うわーん!」

律「・・・って、こんなとこじゃなんだ。部屋に行こうぜ」ガチャ

540: 2009/12/06(日) 03:42:13.99 ID:7GMOc9bP0

憂「お邪魔しまーす・・・」

澪「お邪魔します」

律「今日はまだ誰も帰ってきてないみたいだな」

澪「そうか///」

律「(今日憂ちゃんが来てくれてよかったかも)」トントンギットン

澪「(二人きりだったら・・・絶対微妙な雰囲気になってたな・・・)」トントンギットン

憂「(三段目の階段、変な音が鳴る・・・?)」トントンギットン



律「適当にしててくれ。なんか持ってくる」ガチャ

澪「うん」

憂「お構いなくー」


~~~~~~~~~~~~~~

546: 2009/12/06(日) 05:21:24.17 ID:7GMOc9bP0


律「んで、どうしたんだ?」

憂「先輩達は・・・梓ちゃんとお姉ちゃん、どう思いますか?」

澪「どうって?」

憂「だから、その・・・」

律「うーん、正直、もどかしいな」

憂「!!」

憂「やっぱり、そうですよね」

憂「私・・・お姉ちゃんに幸せになって欲しいんです」

律「幸せに・・・か。憂ちゃんの中では、どうなったら唯が幸せになってるってことになるんだ?」

憂「お姉ちゃんが、好きな人と付き合えて、友達とも一緒にいられたら、それが幸せだと思います」

律「うーん、具体的に言うと?」

566: 2009/12/06(日) 15:11:47.50 ID:7GMOc9bP0

憂「恐らく、お姉ちゃんは梓ちゃんの気持ちに気付いています。そして、お姉ちゃんも梓ちゃんが好きです。
でも、みんなの前ではそれに気付かないフリをしているんです」

律「唯、梓のこと好きだったのか・・・!?・・・ってことは、澪病か」

澪「誰が病気だ」ゴチンッ

律「いだっ」

澪「でも、意外だな。唯が自分の気持ちに気付かないフリだなんて」

律「でも、澪とはちょっと違うな。澪は自分でも自分の気持ちに目を背けていたけど、
唯の場合は自分の気持ちにはちゃんと気付いてる。みんなの前で気付いてないように振舞っているだけだ」

憂「これは私の想像ですが・・・お姉ちゃんは和さんのことを考えているんだと思います」

憂「和さんはお姉ちゃんのことが好きだから・・・。梓ちゃんと付き合ったら今までの関係が壊れてしまうかもしれない」

憂「梓ちゃんと付き合っても、梓ちゃんが親友の和さんを快く思わないかもしれない」

憂「お姉ちゃんは、きっとこんな風に考えているんだと思います」

568: 2009/12/06(日) 15:14:14.61 ID:7GMOc9bP0

律「うーん、あの能天気な唯がそこまで考えるか?」

澪「こらっ」

律「あ、ごめん。そういう意味じゃなくてさ、そんな状況でも唯ならもっとプラスに考えるんじゃないか?」

憂「私も最初はそう思っていました。でも、梓ちゃんも和さんも、お姉ちゃんの中ではとても大きな存在だから・・・」

澪「いや、有り得るな。みんな仲良く、が唯のモットーみたいなところ、あるだろ?」

律「ああ、確かに」

澪「それが崩れるかもしれないんだ。きっと怖いよ」

澪「もちろん、その可能性に最初は気付かなかったと思う。梓と付き合って和との関係が崩れたり、梓が和に嫉妬する可能性に」

憂「はい、私もそう思います。でも、この間梓ちゃんと話してて、気になることを聞いちゃったんです」

律「なんて?」

憂「『最近、唯先輩が和先輩の話をしなくなった』って・・・」

律「・・・」

憂「『和先輩の話を聞いているときそっけない態度取っちゃったから、それが原因かもしれない』とも言ってました」

569: 2009/12/06(日) 15:15:46.36 ID:7GMOc9bP0

澪「それって・・・」

憂「はい。恐らく、梓ちゃんのリアクションでお姉ちゃんはその可能性に気付いたんだと思います」

律「・・・やっぱ、そうなるよな」

憂「はい。和さんは今までそんなことをしてきたとは思えませんし・・・」

澪「確かに、和ならもうちょっと大人な対応をするかもしれないな」

憂「さらに、梓ちゃんはあくまで『唯先輩を振り向かせる!』と考えています」

律「もう唯は梓のこと、好きなのに?」

憂「はい、その気持ちに気付いていません。もちろん、お姉ちゃんも隠しているから
気付かなくても不思議ではないんですけど・・・」

澪「梓も鈍感だな」

憂「はい・・・。さらに和さんはお姉ちゃんの気持ちに気付いています」

澪「・・・なんか、複雑だな」

570: 2009/12/06(日) 15:16:51.97 ID:7GMOc9bP0

律「つまり、和も唯も3人の気持ちに気付いていて、梓だけが唯の気持ちに気付いていないってこと?」

憂「そうですね。まず、この状況では梓ちゃんからモーションをかけてもあまり意味はありません」

憂「和さんは身を引いているようで、お姉ちゃんの気持ちが自分に向くようにするつもりはないみたいです」

憂「さらに、お姉ちゃんは二人ともと仲良くしていたい想いから、ずっと気持ちを隠しています」

憂「・・・どうしたら、いいですか・・・?」ウルウル

律「!?・・・憂ちゃんっ・・・!」

憂「私、ずっと一人で考えてたけど・・・どうしても答えが出なくて・・・
でもお姉ちゃんに幸せになって欲しくて・・・苦しくて・・・」ポロポロ

澪「憂ちゃん・・・」

律「・・・」

憂「だから、経験豊富な律さんに相談させてもらったんです・・・」ポロポロ

律「経験豊富って・・・そんなんじゃないけど・・・でも、なんとかしようぜ」

憂「律さん・・・」

574: 2009/12/06(日) 15:36:29.40 ID:7GMOc9bP0

澪「そうだな、なんとかしよう・・・!それがみんなのためだよ」

律「全く、こんなにお姉ちゃん想いの妹に、唯は何をさせているんだっ」

澪「そういえば、話は変わっちゃうんだけど・・・」

憂「はい?」

澪「憂ちゃんは、その、好きな人とかいないのか?」

憂「・・・」

澪「ああごめん!言いたくなかったらいいんだ!忘れてくれ」

憂「いいえ、ちょっと思い出してて」

律「何を?」

憂「昨日、和さんにも同じこと聞かれたなーと思って」

澪「和に?」

575: 2009/12/06(日) 15:37:12.41 ID:7GMOc9bP0

憂「はい、昨日うちに遊びにきたんです」

澪「そうだったのか」

律「それで、憂ちゃんの好きな人って誰なの?」

憂「・・・私の恋は、叶わないからいいんです」

澪「そんな・・・!」

律「そんなの、悲しすぎるぜ・・・!」

憂「・・・私の気持ちなんて、お姉ちゃんのことに比べたらどうでもいいと
思ってたから黙ってたんですが・・・厳密に言うと、さっきの話はお姉ちゃんと
梓ちゃんと和さんの、3人の話じゃないんです」

律「えと、どういうこと?」

憂「・・・私、和さんが好きなんです」

律澪「・・・!」

576: 2009/12/06(日) 15:40:38.67 ID:7GMOc9bP0

律「・・・知らなかった。えと、いつから?」

憂「ずっと昔からです。いつからかなんて、そんなの忘れちゃいました」タハハ

澪「そうだったのか・・・でも、憂ちゃんは、いいの?」

憂「私の気持ちは、いいんです・・・」

憂「ただ、お姉ちゃんに幸せになって欲しいんですけど・・・でも、私は和さんが好きだから。
和さんがお姉ちゃんのことしか見ていないのが辛くて・・・」

憂「それに、梓ちゃんとお姉ちゃんが付き合うと、和さんは傷つくじゃないですか。
そのことを考えると、また辛くて・・・頭の中がぐちゃぐちゃになっちゃって・・・」グスッグスッ

律「あーもう、わかったから泣くなよぅ・・・」ギュッ

澪「・・・そんな状況、誰だって頭の中ぐちゃぐちゃになるよ」ナデナデ

憂「う・・・うぁぁぁん・・・!」ポロポロ



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

577: 2009/12/06(日) 15:43:22.72 ID:7GMOc9bP0

夜~律の家の前~


澪「結局あれから・・・これといって、いい対策は思いつかなかったな・・・」

律「ごめんな、憂ちゃん」

憂「いいえ、とんでもないですっ!・・・お話聞いていただいただけでも、少し楽になりましたから」

澪「そっか、それはよかった」

律「憂ちゃんはなんでも抱え込み過ぎだと思うぜ?」

澪「そうそう。それと、唯もな」

憂「ごめんなさい・・・」

澪「ああ謝らなくていいんだって!」

律「なんていうか、もうちょっと私達を頼ってくれよ」

澪「誰も憂ちゃんのことを『唯の妹』だなんて思ってない。
ちゃんと憂ちゃんは憂ちゃんとして、一人の友達として考えてるんだぞ?」

578: 2009/12/06(日) 15:44:03.85 ID:7GMOc9bP0

律「そうだぜ。溜め込まないで、辛くなったらまた話を聞かせてくれよ?」

憂「はいっ、ありがとうございますっ・・・!」

澪「とりあえず、今日の件に関しては、もうちょっと考えさせてくれ」

律「澪が和から、さり気なく本心聞き出せれば、またちょっと変わってくるかもな?」

澪「うーん、そうは言ってもな・・・」

憂「すみません・・・」

律「だから謝るなって」ペシッ

憂「いた」

澪「律!こらっ!」ゲシッ!

律「いてぇ!!蹴るとか・・・!」

憂「あははは」クスクス

579: 2009/12/06(日) 15:45:06.18 ID:7GMOc9bP0

澪「お前が憂ちゃんを叩くからだぞっ」

律「そんな強くたたいてないじゃんかー。澪と違って」

澪「うん?」

律「なんでもないです」

憂「・・・それじゃ、私は帰りますね」クスクス

律「おう、もう暗いから気をつけてな」

憂「はい。お邪魔しました。今日は、本当にありがとうございました」ペコッ

澪「いいって。おやすみ」

憂「はい、おやすみなさい」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

581: 2009/12/06(日) 15:54:23.56 ID:7GMOc9bP0



夜~澪の部屋~


澪「(・・・憂ちゃん、辛そうだったな)」

澪「(そりゃそうか・・・。)」

ティティティルルンボーボーボー♪

澪「(!この着信音は・・・)」

澪「和だ!」

ピッ

澪「もしもし?」

和「澪、今平気?」

582: 2009/12/06(日) 15:55:30.78 ID:7GMOc9bP0


澪「もちろん!」

和「ちょ、なんか気合入ってるわね・・・」

澪「えっと、まあな!」

和「ちょっと、律の性格がうつって来たんじゃないの?」

澪「それはないから安心してくれ」

和「そ、そう?」

澪「それで、えっと、どうしたんだ?」

和「ああ、そうだったわ。ちょっと澪に協力して欲しいことがあるの」

澪「?なんだ?(唯とくっつくために手を貸して欲しいってことか?)」

和「梓ちゃんと唯、くっつけるわよ」

澪「」

583: 2009/12/06(日) 16:07:54.59 ID:7GMOc9bP0

澪「な、なんで」

和「なんでって、あの二人、両想いなのよ?憂ちゃんは『見守る』なんて言ってたけど、
それじゃ私が困るのよ」

澪「待って、話が見えない」

和「だから、憂ちゃんには唯のことばかりじゃなくて、自分のことも考えて欲しいの」

澪「でも、和はそれでいいのか?」

和「へ?なんでよ」

澪「いや、和は唯のことが好きだろ?そんなことしたら和が」

和「ちょっと待って、誰が唯のこと好きだって?」

澪「」

584: 2009/12/06(日) 16:32:09.52 ID:7GMOc9bP0


澪「ま、まさか・・・」

和「私は唯のことをそういう目で見たことは一度もないわ」

澪「」

澪「」

澪「」

和「ちょっと、もしもし?もしもーし?」

澪「ん、ああごめん。ちょっと意識が・・・」

和「何言ってるのよ」

澪「えっと、ええと?」

和「だから、唯と梓ちゃんをくっつけるの」

和「唯の考えてることは大体わかるわ。私と梓ちゃんを天秤にかけて悩んでると思う。
友達を取るか、恋人を取るか、ってね」

585: 2009/12/06(日) 16:32:51.26 ID:7GMOc9bP0

澪「う、うん・・・」

和「梓ちゃんも、もしかしたら私のことを快く思っていなくて、それも原因の一つかも」

澪「いや、もう仰る通りだと思います・・・」

和「何よ、変な喋り方して」

澪「いや、和はお見通しなんだなーと思って」

和「これくらい当たり前よ。何年幼馴染やってると思ってるの?」ハー

澪「でもすごいよ」

和「とにかく、唯達をなんとかしないといけないの。そうじゃないと憂ちゃんが・・・」

澪「憂ちゃんがって、さっきも言ってたよな。『憂ちゃんには自分のことも考えてほしい』って」

和「そうよ、唯の件が落ち着かないと憂ちゃんは自分の恋愛どころじゃないんだから」

澪「・・・もしかして・・・和の好きな人って・・・」

和「・・・ばれちゃ仕方がないわね、憂ちゃんよ」

澪「」

586: 2009/12/06(日) 16:33:39.45 ID:7GMOc9bP0

澪「(憂ちゃん、私達は大前提を間違っていたみたいだよ・・・)」

和「ちょっと、もしもし?」

澪「あ、はい」

和「そういうことだから、唯達をどうにかしましょう」

和「もちろん、憂ちゃんが私を好きになってくれるかどうかはわからないけど・・・」

澪「(いや、もう好きだよ)」

和「それでも、今の問題を片付けないと、憂ちゃんは自分のことを考えてはくれないわ」

澪「そ、そうか」

澪「あのさ、言いにくいんだけど・・・」

和「なに?」

澪「唯は『和は唯のことが好き』って思ってるみたいだぞ?(というか私達みんながそう思ってたぞ?)」

和「は?」

澪「いや、は?じゃなくて、そうなんだって」

587: 2009/12/06(日) 16:34:20.21 ID:7GMOc9bP0

和「どこでそんな勘違いさせたのかしら・・・」

澪「・・・和も案外あれなんだな」

和「今あまりよくないこと言ったでしょう?」

澪「ごめんなさい」

和「確かに唯とは仲がいいわ。でも、それとこれはとは別よ」

和「寧ろ、唯をダシに憂ちゃんに会いに行ったりもしたわ」

澪「多分、そういうのが積み重なって勘違いさせたんじゃないか?」

和「それは・・・誤解を解かないとね」

澪「うん。唯は『自分が梓と付き合ったら和が可哀想』とか
『友達の関係が壊れちゃう』なんて考えてるみたいだぞ」

和「え」

和「そうなの?唯がそう言ってたの?」

澪「ううん、憂ちゃんがそう言ってたんだ」

和「・・・え、いつ憂ちゃんと話したの?」

588: 2009/12/06(日) 16:35:00.86 ID:7GMOc9bP0

澪「今日、さっき、律の家で」

和「ずるい・・・!」

澪「・・・なんか、ごめん」

澪「でも、よかったよ」

和「なんで?」

澪「だって、和は唯のこと好きってワケじゃないんだろ?」

和「ええ」キッパリ

澪「憂ちゃんは、三角関係をどうしたらいいかって、悩んでたからさ」

和「そうなの・・・」

澪「思ったよりも簡単に解決しそうだ(憂ちゃんの話は黙ってた方がいいな)」

和「じゃあまず、唯と話して誤解を解くことが先決かしら」

澪「ああ、そうだな」

和「・・・そうしたら、明日放課後唯の家に行ってくるわ」

589: 2009/12/06(日) 16:35:42.70 ID:7GMOc9bP0

澪「ああ、それがいいかも」

和「全く・・・唯ったら変な勘違いして・・・」

澪「和、多分、唯は悪くない」

和「誰も悪いとは言ってないわよ?」

澪「私達みんなが和が唯が好きなんだって、思ってた」

和「・・・そう」

澪「ホントにポーカーフェイスなんだな、和って。すごいよ」

和「だって、私の気持ちがバレちゃったら、それこそ関係が壊れちゃうじゃない」

和「言ったでしょ?満喫するって。ウジウジしてる暇があるなら、駄目元でも行動を起こすべきだと決心したの」

澪「そっか・・・。じゃあ、明日唯と話をするんだな?」

590: 2009/12/06(日) 16:36:24.08 ID:7GMOc9bP0

和「ええ。憂ちゃんにいつまでも心配かけてられないし、いつまでこの世界にいられるかわからないし」

澪「そうだな、早い方がいい」

和「それじゃ、また明日ね」

澪「うん、おやすみ」ピッ





澪「(なんだってー!?)」ボフッ

澪「(これって、上手く行く流れじゃないのか?)」

澪「(・・・憂ちゃん・・・よかったな)」

澪「(今日はぐっすり寝れそうだ・・・)」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

592: 2009/12/06(日) 16:41:59.85 ID:7GMOc9bP0

帰り道


唯「あれ!?和ちゃん!?」

和「お疲れ様、唯」

唯「こんな時間まで、どうしたの?」

和「今日は生徒会の仕事が長引いちゃったのよ」

唯「そうなんだ!じゃあ一緒に帰ろうよ!」

和「ええ。行きましょう」

唯「えへへ~♪」

和「ねえ、唯?」

唯「うん?」

593: 2009/12/06(日) 16:42:46.59 ID:7GMOc9bP0

和「今日、唯の家に行ってもいいかしら?」

唯「え・・・?」

和「(ホントだわ、唯は勘違いしてるみたい)」

唯「(和ちゃんから家に来たいなんて、珍しいかも。いつもとなんか雰囲気が違うし・・・まさか、告白!?)」

唯「(どうしよう・・・)」

和「何よ、都合が悪いの?(この子、また変な事考えてるわね?)」

唯「えっと、その」

和「安心しなさい、私、あなたに告白したりしないわよ」クスクス

594: 2009/12/06(日) 16:43:31.61 ID:7GMOc9bP0

唯「ほえ!?」

和「冗談よ」クスクス

唯「そそ、そっかぁ!うん、全然大丈夫だよっ♪」

和「(分りやすい子ね・・・)」

和「そう、よかった。今日は部屋キレイなの?」

唯「うん!すぐに部屋に入れるよ!」

和「そう、それはよかったわ(じゃあ今日は憂ちゃんとお話できないのね・・・)」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

607: 2009/12/06(日) 17:59:04.69 ID:7GMOc9bP0
>>606
ドラムとベースは夫婦なんだよ

611: 2009/12/06(日) 18:03:03.27 ID:7GMOc9bP0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



唯「たっだいま~♪」

憂「お姉ちゃん!お帰り!」

和「お邪魔するわ」

憂「和さんも、お帰りなさい」

和「あら、おかえりだなんて。嬉しいこと言ってくれるのね?」

憂「あっいえ///間違えました・・・///いらっしゃい・・・でした///」

和「いいのよ、からかってるわけじゃないわ」クスクス

憂「・・・///」カアアア

憂「あ、あの。スリッパです、どうぞ」

和「ありがとう」スリッパスリッパ

612: 2009/12/06(日) 18:03:43.89 ID:7GMOc9bP0

唯「それじゃ、私達は部屋に行ってるね~」

憂「うん、あとでお茶持ってくね」

和「それじゃあね、憂ちゃん」

憂「はい、ごゆっくり」



唯「ふいー」ガチャ

和「あら、本当に片付いているのね。感心感心」バタン

唯「えっへん!」ブイッ

和「これならいつでも彼女を家に呼べるわね?」

唯「ほえ!?」

和「今日ね、実は・・・」

613: 2009/12/06(日) 18:04:24.55 ID:7GMOc9bP0

唯「待ってよ、和ちゃん!」

和「・・・いいえ、待たないわ」

唯「・・・!」

和「唯・・・」

唯「止めて・・・!」

和「「私、唯のこと・・・」

唯「・・・!!」

和「親友だと思ってるわ」

唯「」

唯「へ?」

和「だから、親友だと思ってるんだってば」

唯「うーんと、うん」

614: 2009/12/06(日) 18:05:05.01 ID:7GMOc9bP0

和「わかる?私は唯に恋愛感情を抱いてないの」

唯「え!?!?」

和「何よ」

唯「それはそれでなんかちょっと寂しい!」

和「あんまり我が侭言ってると叩くわよ?」ニコッ

唯「あう、ごめん・・・。でも、本当に?」

和「ええ」

唯「私とあずにゃんのこと、気使ってるんじゃない?」

和「まさか」

唯「私・・・ずっと、和ちゃんは私のことが好きなんだと思ってて・・・!それで・・・!」

和「わかってるわ。誤解させてごめんなさい」

唯「和ちゃんは・・・私があずにゃんと付き合ったら・・・」

和「もちろん、祝福するわ」

唯「・・・!」

615: 2009/12/06(日) 18:07:34.84 ID:7GMOc9bP0

和「私もね、出来るだけ早く二人にくっついてもらいたいのよ」

唯「そうなの?」

和「ええ。唯のことが落ち着かないと、憂ちゃんは自分のこと考えられないから」

唯「憂?・・・って、もしかして!」

和「そうよ。そういうこと」

唯「なーんだ!私、ずっと勘違いしてたよ」

和「でしょうね」

憂「失礼しまーす」ガチャ

和「あら、憂ちゃん、ありがとう」

唯「わーいお煎餅だぁ」ルンタン

憂「はい、どうぞ」

616: 2009/12/06(日) 18:11:33.81 ID:7GMOc9bP0

唯「・・・和ちゃん?」

和「何よ」

唯「お互い頑張ろうねっ!」

和「え?ええ、まさかあんたにそんなこと言われるとは思ってなかったわ」

唯「えへへー///」

憂「何の話してたんですか?」

和「勉強の話y」

唯「私達の話だよ」

和「ちょ」

唯「私、これからあずにゃんのところ行って来る」

617: 2009/12/06(日) 18:16:27.22 ID:7GMOc9bP0


和「え?」

憂「お姉ちゃん、明日にしたら?もうこんな時間だよ?」

唯「今日言わないと、駄目なんだ。なんとなくだけど」

唯「和ちゃん、憂、心配かけてごめんね。・・・もう、大丈夫だから」ダッ

和「ちょ、ちょっと、唯」

唯「行って来ます!」バタンッ

和「嘘でしょ・・・?」

憂「えっと・・・何があったんですか?」

和「・・・」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

618: 2009/12/06(日) 18:17:15.42 ID:7GMOc9bP0

唯「(私・・・いままで何してたんだろう・・・?)」タッタッタッ

唯「(あずにゃんは・・・いっつも真っ直ぐ私に気持ちをぶつけてくれて・・・)」タッタッタッ

唯「(私はそれを上手くはぐらかすことばかり考えて・・・)」タッタッタッ

唯「(和ちゃんにも、憂にも心配かけて・・・)」タッタッタッ

唯「(・・・そういえば、憂って、誰のことが好きなんだろう?)」タッタッタッ

唯「(でも、なんでだろう。和ちゃんの恋は・・・上手くいく気がするや)」タッタッタッ

唯「あ、そうだ!」タッタッタッ

唯「どこだっけ・・・」ゴソゴソ

唯「家に置いてきちゃったかも・・・」ゴソゴソ

唯「・・・!」ゴソゴソ

唯「あった!」カパッ

唯「・・・」プルルルルル・・・

619: 2009/12/06(日) 18:21:51.13 ID:7GMOc9bP0

梓「はい?」

唯「あずにゃん!」タッタッタッ

梓「え!?い、今からですか!?///」

唯「うん、どうしても、今日、伝えたいことが、あるんだ!」タッタッタッ

梓「せ、先輩今どこにいるんですか?」

唯「住所は・・・わかんない!」タッタッタッ

梓「」

唯「でも、もうすぐ、あずにゃんの家に、着くよ!」タッタッタッ

梓「走ってるんですか?息、切れてません?」

唯「う、ん!ちょっと、走ってる、かな!」タッタッタッ

620: 2009/12/06(日) 18:22:34.90 ID:7GMOc9bP0

梓「遅くなっても構いませんから、そんなに急がなくてもいいですy」

唯「ごめんね、あずにゃん、それは出来ないよ」

梓「え?」

唯「1秒でも早く、あずにゃんに会いたいんだ・・・!」タッタッタッ

梓「そう、ですか・・・///」

唯「うん!」タッタッタッ

梓「じゃあ、玄関の鍵開けておきますよ。今日は家に誰もいないので」

唯「!ありがとう、あずにゃん!」タッタッタッ

梓「いいえ、気をつけてくださいね?」ガチャ

623: 2009/12/06(日) 18:25:13.83 ID:7GMOc9bP0
あ、ここら辺で適当に阿部真央のコトバをBGMで流しておいて

624: 2009/12/06(日) 18:43:04.51 ID:7GMOc9bP0


梓「今、鍵開けましたから」

唯「うん」バタン

唯「あずにゃん・・・こんばんは」ピッ

梓「・・・先輩///」

唯「ちょっと、疲れ、ちゃった、かなー」ゼエハア

梓「すごい汗・・・ずっと走ってきてくれたんですか?」

唯「うん!」

唯「・・・ごめんね・・・あずにゃん」

梓「せ、先輩・・・?」

625: 2009/12/06(日) 18:47:33.75 ID:7GMOc9bP0

唯「もう、我慢できないや」ギュッ

梓「へ!?・・・え!?///」

唯「あずにゃん、あったかい・・・」

梓「ちょ、っちょっと、先輩!?///」

唯「ねえ、あずにゃん?」

唯「私ね、あずにゃんのことが、好き」

唯「大好き」

梓「・・・!」

唯「いままで、ずっと・・・言えなくてごめん」

梓「せん、ぱい・・・」

626: 2009/12/06(日) 18:48:29.47 ID:7GMOc9bP0

唯「私ね、好きなものがたくさんあるんだ」

唯「大事なものが、たくさんあるんだ・・・」

唯「その内のどれかを手放すことなんて出来なくて・・・」

唯「ずっとウジウジ悩んでた」

梓「先輩・・・」

唯「でもね、私の大切な人達もね、私の事をすごく大切に想ってくれてて・・・
手放すとか、そういうのじゃなくて、私達はちゃんと繋がってるんだって気付いたの」

梓「・・・先輩、私、先輩のそういうところも、全部好きですよ」ギュッ

唯「ありがとう。あずにゃんは大好きだけど・・・和ちゃんのことも、大好きなんだ、もちろん友達として」

梓「わかってますよ・・・この間は、そっけない態度取っちゃってすみません」

唯「ううん、あずにゃんの気持ち考えないで、ごめんね?」

627: 2009/12/06(日) 18:49:57.32 ID:7GMOc9bP0

梓「いいえ、これからは、もっと唯先輩の話、聞かせてください」

唯「あずにゃん・・・?」

梓「もっともっと、和先輩に負けないくらい、唯先輩のこと、知りたいです」

唯「うん!ごめんね、どっちも大好きなんて・・・」

梓「でも、和先輩のことは、友達として、ですよね?」

唯「もちろん!」

梓「じゃあ・・・愛してるって・・・言ってください///」

唯「え///」

梓「和先輩のことは、愛しては、いないですよね?」

唯「う、うん!そういう意味で好きなのはあずにゃんだけだよ!」

630: 2009/12/06(日) 19:02:00.33 ID:7GMOc9bP0

梓「じゃあ・・・目を見て、ちゃんと言ってください」パッ

唯「・・・愛してるよ、あずにゃん」

梓「////////」カアアアアア

唯「あずにゃんったら、顔真っ赤だよ?」アハハハ

梓「う、うぅぅ///」

唯「ねえあずにゃん」

梓「は、はい?///」

唯「あずにゃんも、言って?」

梓「!?」

梓「え、えっと///」

631: 2009/12/06(日) 19:04:20.42 ID:7GMOc9bP0

唯「あれ?あずにゃんは、私のこと愛してないの?」ウルウル

梓「そそ、そんなことないです!」

唯「本当?じゃあ、言って?」ニコッ

梓「(なんか、上手く遊ばれてる気が・・・)ううぅぅ///」

梓「(ま、いっか・・・///)唯先輩、その、愛してます」

唯「えへへ///もう一回言って?」

梓「えっ///・・・愛してます」

唯「へへー///ねえ、もう一回いtt」

633: 2009/12/06(日) 19:05:04.05 ID:7GMOc9bP0

梓「もう、言いません!///」

唯「ちぇー」

梓「もうっ」クスクス

梓「先輩、もう帰っちゃいますか?」

唯「え?」

梓「よかったら、ちょっと上がっていきませんか?」

唯「・・・そういえば、玄関でこんな話しちゃって、ごめんね」

梓「いいんですよ、さ。上がってください」

唯「うん、お邪魔しま~す♪」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

645: 2009/12/06(日) 20:11:45.77 ID:7GMOc9bP0
>>642
そこらへんはぬかりないぜ

646: 2009/12/06(日) 20:12:43.28 ID:7GMOc9bP0

和「あのね、私、唯に言ったのよ」

憂「言ったって・・・?」

和「私は唯のことは親友だと思ってるわって」

憂「」

憂「はい?」

和「ほら、唯ったら勘違いしてたじゃない?『私は唯のことが好き』って」

憂「え!?」

和「ビックリよね?私も昨日、澪に聞いて驚いたわ」

憂「いえ、そっちじゃなくて!」

和「へ?」

憂「和さんは、お姉ちゃんのことが好きなんじゃなかったんですか!?」

和「え?違うわよ」

憂「」

647: 2009/12/06(日) 20:13:23.81 ID:7GMOc9bP0

和「あ、そうだったわね。みんなそう思ってるんだったわね」

憂「えっと・・・」

和「まあとにかく。それを伝えたら、唯ったら走って梓ちゃんの家に向かったのよ」

憂「なるほど・・・」

和「あの二人は、きっと、もう放っておいても大丈夫だわ」

憂「そう、ですね・・・」

和「だから、憂ちゃんは・・・自分のこと、考えて」

憂「へ?///」

和「前に言ってたじゃない?『事情があって、その人とは結ばれてはいけない』って」

憂「はい・・・」

和「あれって、どういうこと?」

憂「・・・私、お姉ちゃんの大切なもの、奪っちゃうかもしれないんです・・・」

和「?」

648: 2009/12/06(日) 20:14:07.50 ID:7GMOc9bP0

憂「私・・・和さんが好き、なんです」

和「」

和「」

和「」

和「え?」

憂「ごめんなさい、こんな形で言うべきじゃないのはわかっているんですけど・・・」

和「いえいえ、それは全然構わないわ。それより、憂ちゃん、私のことが好きなの?」

憂「はい///」

和「あのね」

憂「はい」

和「私も、憂ちゃんのことが・・・」

憂「・・・え?」

和「好き、なのよ」

憂「うそ・・・こんなことって・・・!」

649: 2009/12/06(日) 20:14:54.28 ID:7GMOc9bP0

和「憂ちゃん、憂ちゃんは私が唯の親友だから、だから、私とは付き合えないの?」

憂「・・・そう、考えてました。それに和さんはお姉ちゃんのことが好きだと思ってたし・・・」

和「・・・なんでみんなそんな勘違いしてたのかしら」

憂「だって、お姉ちゃんと和さん、仲いいじゃないですかっ」

和「私がよく唯の家に来るのは、あなたに会いたかったからっていうのもあるのよ?」

憂「!///・・・知らなかったです///」

和「ねえ、あなたもそろそろ自分のことを、自分の幸せを考えてもいいんじゃないかしら?」

憂「・・・」

651: 2009/12/06(日) 20:15:40.81 ID:7GMOc9bP0

和「もちろん、待って欲しいならいつまでだって待つわ」

和「でもね、もう・・・いいと思うの」

憂「和さん・・・」

和「憂ちゃん、もう一回言うわね」

憂「はい」

和「好きよ」

憂「///」

憂「私も、好きです///」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

652: 2009/12/06(日) 20:17:18.07 ID:7GMOc9bP0


唯「あーずーにゃん!」スリスリ

梓「先輩・・・///」

唯「ねえ、こっちむいて?」

梓「?」クルッ

チュッ

唯「えへへ、しちゃった♪」

梓「/////////」

梓「せ、先輩、何///」

唯「あずにゃん、私ね、あずにゃんともっとこういうこと、したいよ」

梓「へ?///」

唯「イヤ?」

梓「大歓迎です」キリッ

654: 2009/12/06(日) 20:18:15.03 ID:7GMOc9bP0

唯「えへへ~♪やったぁ♪」プチプチ

梓「え、え、え?」

唯「どうしたの?」

梓「なんで脱がせるんですか///」

唯「もっとしたいって言ったら、いいよって言ってくれたよね?」シュン

梓「確かに言いましたけど・・・今ですか!?」

唯「うん、駄目?」

梓「駄目、じゃないですけど・・・」

唯「あ、そっか、ごめんね。私汗臭いよね?」クンクン

梓「(いや、そういう問題じゃ・・・)臭くないですよ、先輩の匂いがします・・・///」

唯「なんか、恥ずかしいね///」

655: 2009/12/06(日) 20:18:56.25 ID:7GMOc9bP0

梓「先輩、やっぱりこういうことは、また今度にしませんか?」

唯「あずにゃん?」

梓「なんていうか、今はこの余韻に浸っていたいって言うか・・・」

唯「うん、わかったよ。あずにゃんがしたくなったら、いつでも言ってね?」

梓「はい・・・先輩、もう帰っちゃいますか?」

唯「うーん、もうちょっといようかな?」

梓「いいんですか?」

唯「うん、和ちゃんと憂にも、時間が必要だと思うし」

梓「えーと、どういう状況なんですか?」

唯「私の口から言って良いのかなぁ・・・?」

梓「・・・気になります」ムー

656: 2009/12/06(日) 20:19:48.83 ID:7GMOc9bP0

唯「えっと・・・和ちゃんは憂が好きなんだ」

梓「」

梓「」

梓「はい?」

唯「びっくりでしょ?私、てっきり、和ちゃんは私のことが好きなんだと思ってて・・・」

梓「私もそうだと思ってました・・・」

梓「でも・・・上手く行きそうですね」

唯「あずにゃんもそう思う?」

梓「はい。だって、憂も和さんのこと、好きじゃないですか。両想いなら話は早いですよ」

唯「え!?憂って、そうだったの?」

梓「・・・一緒に暮らしてて気付かなかったんですか・・・」

657: 2009/12/06(日) 20:21:09.50 ID:7GMOc9bP0

唯「知らなかった・・・」

梓「和さんの話をするときの憂は・・・そりゃあもう可愛いですよ?」

唯「浮気だっ」プンスカ

梓「そんなんじゃないですってw」

唯「でも・・・そっかぁ。あずにゃん?」

梓「はい?」

唯「やっぱり、今日、泊まってっていい?」

梓「全然いいですよ♪」

唯「やった♪じゃあ憂にメールしよーっと♪」

ピッピッピ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

668: 2009/12/06(日) 21:44:26.38 ID:7GMOc9bP0



憂「・・・///」

和「・・・///」

憂「和さん、その・・・」

和「えっと・・・なに?」

憂「本当に、私なんかでいいんですか?」

和「憂でいいんじゃないの、憂ちゃんがいいの。憂ちゃんじゃないと嫌よ」

憂「///」

和「そろそろ、帰ったほうがいいかしら」

憂「・・・嫌です」

和「え?」

憂「せめて、お姉ちゃんが帰ってくるまで、一緒にいてください」

669: 2009/12/06(日) 21:45:06.80 ID:7GMOc9bP0

和「もう、しょうがない子ね」クスクス

トゥルストゥーン♪

憂「お姉ちゃんからメールだ」

和「え?なんて?」

おかげさまであずにゃんと付き合うことになりました!
今日はあずにゃんの家に泊まるから、和ちゃんにはゆっくり
してもらってね!

憂「」

和「よかったわ。全く、一時はどうなることかと思ったけど・・・」

憂「よかった・・・本当に、よかった・・・」ポロポロ

和「憂ちゃん、こっちおいで?」

憂「はい・・・」スリスリ

和「本当に、よかったわね」ギュッ

670: 2009/12/06(日) 21:45:47.45 ID:7GMOc9bP0

憂「はい・・・!」

和「で、『唯が帰ってくるまで一緒にいる』って話だったと思うけど・・・」

憂「・・・///」

和「私は、泊まってもいいのかしら?」

憂「お姉ちゃんが帰ってこないなら、そういうことになりますね」ニコッ

和「(まずい、憂ちゃん可愛すぎるわ)///」

憂「あの、変なこと言っていいですか?」

和「なに?」

憂「名前・・・呼び捨てにしてもらえますか?」

和「・・・うーん、条件があるわ」

憂「なんですか?」

和「敬語、やめてくれたら、いいわよ」

671: 2009/12/06(日) 21:46:28.05 ID:7GMOc9bP0

憂「わ、わかったよ」

和「きごきないわねー?」

憂「そんな急には無理です、じゃなくて無理だよ」

和「あはは」クスクス

憂「ねえ・・・名前、呼んでよ」

和「憂」

憂「///なんか、恥ずかしいね・・・///」

和「その内慣れるわよ」

憂「私ね、和さんに」

和「ちょっと待って、私も呼び捨てにして欲しいな?」

憂「うう///わかったよ///私ね、ずっと和にこうやって呼んで欲しかったんだ」

和「呼び捨てで?」

憂「うん///」

672: 2009/12/06(日) 21:47:09.52 ID:7GMOc9bP0


和「そう・・・私も、和さんじゃなくてもっと親しげに呼んでほしかったわよ?」

憂「そっか・・・。なんか、『ちゃん』とか『さん』とか、敬語とか・・・距離を感じるよね」

和「そうそう。唯達はどうするのかしら・・・?」

憂「あの二人は・・・変わらないと思うな。なんとなくだけど」

和「確かに、私もそんな気がするわ」

憂「あ、お姉ちゃんにメールの返信しないと・・・!」

和「あ、すっかり忘れてたわね・・・」

憂「うう、ごめんね、お姉ちゃん」

和「そのメールの返信が終わったら一緒にお風呂・・・」

憂「その前に、まずお夕飯食べよう?///」

和「あ、そうね///そういえば、まだ食べてないんだっけ?」

憂「うん。腕によりをかけるからね!」

和「楽しみにしてるわ」クスクス


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

673: 2009/12/06(日) 21:47:49.10 ID:7GMOc9bP0

次の日


唯「おはよー!」

和「あら、おはよう」

梓「おはようございます」

憂「お姉ちゃんおはよう♪」

唯「なんか、通学路で憂に会うって新鮮だね!」

梓「確かに、そうかもしれませんね」

和「それよりも、二人とも。おめでとう」

唯「う、うん///ありがとう」

梓「ありがとうございます///」

唯「憂達も、おめでとう♪」

憂「う、うん///」

674: 2009/12/06(日) 21:49:32.92 ID:7GMOc9bP0

律「おーっす!」

澪「おはよー」

律「って、あれ?これって・・・?」

澪「・・・なんか、あれ?」

唯「聞いてりっちゃん!澪ちゃん!」

律澪「ん?」

唯「私達、付き合うことになりました!」エッヘン!

律澪「!?」

律「マジで!?」

和「そうそう、私たちも付き合うことになったの」

律「」

律「どうなってんだ?」

675: 2009/12/06(日) 21:52:07.03 ID:7GMOc9bP0

澪「す、すごいな・・・w」

唯「みんな幸せ♪嬉しいね!」

紬「おはよう」

一同「!?」

律「(おい、どうすんだよ)」

澪「(どうするって・・・)」

唯「ムギちゃん聞いて!私達、付き合うことになったの!」

紬「本当に!?」

677: 2009/12/06(日) 21:52:47.40 ID:7GMOc9bP0

唯「うん♪」

紬「おめでとう♪」

和「私たちもね」

紬「うそっ!?」

和「本当よ」

紬「おめでとう!!」

和「ありがとう」

紬「みんな、よかったわね」ニコッ

唯「うん、ありがとう♪」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

682: 2009/12/06(日) 22:22:01.87 ID:7GMOc9bP0



昼休み~音楽室~


紬「はぁ・・・」

紬「(唯ちゃん達も結ばれたみたいで、本当によかった・・・)」

紬「(それに引き換え、私は・・・)」

紬「(こうなるって・・・わかってたはずなのにな・・・)」

紬「(みんな、私に気を使わないでくれるといいんだけど・・・)」

紬「(私がこんな状態だったら、それも無理よね)」

紬「(お昼に、こんなところに逃げてきて・・・何やってるんだろう・・・)」

紬「はぁ・・・」

さわ子「なーに溜息なんかついてるのよ?」

紬「さわ子先生!?」

683: 2009/12/06(日) 22:22:42.60 ID:7GMOc9bP0

さわ子「そんなにビックリしなくたっていいじゃない?」

紬「えと、あの、すみません・・・」

さわ子「安心しなさい、あなただってにだって、そのうちいい出会いがあるわよ」

紬「・・・何があったのかはお見通し、なんですね?」

さわ子「ええ、そりゃもう♪・・・年の功ってやつかしら・・・」フフフ・・・

紬「あはは」クスクス

さわ子「なんてね。さっきたまたま廊下であの子達とすれ違って、それでなんとなくわかっちゃったのよ」

紬「そうでしたか・・・」

さわ子「大丈夫!失恋したのはあなただけじゃないわ!」

紬「へ?先生も?」

さわ子「ええ。私の好きな人は、他に好きな人がいるみたいなのよ」

紬「そうだったんですか・・・」

さわ子「でも私は諦めの悪い女だからね、ずっと待ってようと思うの」

紬「先生は・・・強いですね」

さわ子「告白してるワケじゃないし、その人が私の気持ちに気付くかどうかすら、わからないんだけどね」

684: 2009/12/06(日) 22:23:25.60 ID:7GMOc9bP0

紬「・・・」

さわ子「だからね、その子が、せめて卒業するまでくらいは、黙って待っていようと思ってるのよ」

紬「・・・!この学校の生徒なんですか・・・!?」

さわ子「ええ。それで、誕生日に花束持って告白しに行っちゃおうかしら、なんてね」クスクス

紬「先生って、案外キザなんですね」クスクス

さわ子「あら、そういうのは肝心よ?」

紬「そうかも、しれませんね」クスクス

さわ子「・・・ところで、ムギちゃん?」

紬「はい?」

さわ子「・・・あなたの誕生日は、いつかしら?」

紬「・・・!?」

紬「私の誕生日は・・・///」カアアアア



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

695: 2009/12/06(日) 23:07:17.22 ID:7GMOc9bP0
ありがとう。

ラストスパートだ・・・!

697: 2009/12/06(日) 23:39:58.25 ID:7GMOc9bP0

朝 教室にて


澪「おはよう」

和「おはよう」

澪「昨日の件なんだけど・・・」

和「何か思いついた?」

澪「ああ、思いついたっていうよりも、気になった、かな」

和「何?」

澪「あのさ、私達、この世界にくる直前って何してたんだ?」

和「あ」

和「言われてみれば・・・何してたのかしらね?」

澪「私の場合・・・多分、この世界の始まりは部室。気付いたら部室でみんなとお茶してたんだ」

698: 2009/12/06(日) 23:40:41.58 ID:7GMOc9bP0
あ、ごめん。
色々、すっとばしたww
今のなしね。

699: 2009/12/06(日) 23:41:22.41 ID:7GMOc9bP0
帰り道


律「そんじゃなー!」

唯「りっちゃんばいばーい!」

澪「ムギも、また明日な」

紬「うん、また明日」

梓「お疲れ様でした」

律「あれ、今日も唯と一緒に帰るのか?」コノコノッ

梓「べっ別にいいじゃないですか!///」

唯「ちょっとりっちゃん、あずにゃんにいじわるしないでよー?」

律「へっへーんだ。このこのー」グリグリ

澪「やめろっ!」ガスッ

律「・・・痛い」ウルウル

紬「それじゃあね」

唯「うん!またねー!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

700: 2009/12/06(日) 23:42:04.46 ID:7GMOc9bP0

澪の家


澪「(この世界に来てから・・・しばらく経ったよな)」

澪「(そろそろ、元の世界に戻ることを考えないと・・・)」

澪「(・・・本当は戻りたくないけど・・・)」

澪「(そういうわけにもいかないよな)」

ティティンルルーン♪

澪「和だ!」

ピッ

澪「もしもし?」

和「今大丈夫?」

澪「うん、平気だ」

701: 2009/12/06(日) 23:42:44.89 ID:7GMOc9bP0

和「あの、そろそろ・・・」

澪「わかってる、元の世界に戻る方法だよな?」

和「えぇ。名残惜しいけど・・・このままだといけないと思うわ」

澪「そう、だな」

和「といっても、これといっていい方法は思いつかないんだけどね」

澪「明日、学校で話し合わないか?」

和「そうね、私も何か考えておくわ」

澪「ああ、おやすみ」

和「おやすみなさい」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

702: 2009/12/06(日) 23:43:48.37 ID:7GMOc9bP0


朝 教室にて


澪「おはよう」

和「おはよう」

澪「昨日の件なんだけど・・・」

和「何か思いついた?」

澪「ああ、思いついたっていうよりも、気になった、かな」

和「何?」

澪「あのさ、私達、この世界にくる直前って何してたんだ?」

和「あ」

和「言われてみれば・・・何してたのかしらね?」

澪「私の場合・・・多分、この世界の始まりは部室。気付いたら部室でみんなとお茶してたんだ」

和「私は・・・確か生徒会室ね」

澪「じゃあ、ここに来る前は?」

703: 2009/12/06(日) 23:44:28.99 ID:7GMOc9bP0

和「・・・多分だけど・・・生徒会室だったと思う」

澪「私は、やっぱり部室だったような気がするんだ」

和「何か、関係がありそうね」

澪「確か、律が話を切り出したんだ・・・」

和「なんて?」

澪「『恋がしたい』って」

和「・・・!?」

澪「その後で、『どっかにいい女いないかなー』なんて言い出したんだ」

澪「その前までは、普通に私達の世界だった、ような気がする」

和「っていうことは、そのコトバが鍵になっていたのかしら?」

澪「・・・わからない・・・あるいは・・・」

704: 2009/12/06(日) 23:45:09.51 ID:7GMOc9bP0

律「おーい、澪ー!」

澪「って律!?」

律「なんだよーそんなに驚くなよ」ポリポリ

澪「えっと、どうしたんだ?」

律「へ?いや、澪昨日風邪で休んだじゃん?」

澪「」

澪「へ?」

律「だから、元気なのかなーって思ってこっち来たんだよ」

和「これって・・・」

澪「もしかして・・・」

705: 2009/12/06(日) 23:45:49.86 ID:7GMOc9bP0

律「なんだよさっきから。私、変なこと言ってるか??」

澪「いいや、そんなことないよ。体はもう平気だ。ありがとう、律」


キーンコーンカーンコーン


律「やべっ予鈴だ・・・!そんじゃ、二人とも、またな!」ダッ

澪「・・・どういうことだ?」

和「これって、元の世界に戻ってきてるってことじゃない・・・?」

澪「そう、なるよな?」

和「でも・・・どうして?」

澪「・・・みんな、恋が出来たから?」

和「・・・やっぱり、そうなるわよね?」

澪「でも・・・いきなり過ぎるよ・・・!」

和「澪、悲しんでいる場合じゃないわ」

澪「え?」

706: 2009/12/06(日) 23:46:30.43 ID:7GMOc9bP0

和「このまま、私達は放課後を迎えると・・・」

澪「・・・?なんだよ」

和「また、律が『恋がしたい』って言い出すわ」

澪「・・・!!」

和「変えないと。今日という二回目の時間を・・・!」

澪「でも、どうやって・・・」

和「恋をしていれば・・・恋がしたいなんて、言い出さないと思うわよ?」

澪「えっと、つまり・・・」

和「そう。あなたの出番よ、澪」

澪「やっぱり、そうなるよな・・・」

和「もう、逃げないんでしょ?」

澪「・・・ああ!」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

707: 2009/12/06(日) 23:47:24.79 ID:7GMOc9bP0

律「(・・・あれ、メールだ)」

律「(澪から?なんだろ)」

律「(体育館裏・・・!?私、ついにボコボコにされるのか・・・!?)」

律「(冗談はおいといて。了解・・・っと)」

律「(それにしても、なんだろう・・・?)」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

708: 2009/12/06(日) 23:48:05.35 ID:7GMOc9bP0

放課後!


元の世界、あっちの世界。
色んなことがあった。
でも、それはこっちの世界ではリセットされているだろう。
私と律とムギ。唯と梓。和と憂ちゃん。
全部、この世界では未来のこと。

私は・・・律が好きだ。
あの世界に行って、それに気付いた。
きっと、みんなが気付いてないだけで、あっちの世界のみんなと気持ちのベクトルは変わらないはず。

本当のことを言うと、あの世界にもっといたかった。
戻る方法を突き止めても、戻るタイミングは自分達で見計らいたかった。
こんな突然戻されるとは・・・思ってなかった。

でも、あの世界にいつまでも縋っているわけにはいかない。
過ごした時間を、意味のないものにしたくない。

どこで過ごすか、じゃない。
環境を言い訳に、私は今まで逃げてきたんだ。

どんな風に過ごすか。大切なのは、そこ。

709: 2009/12/06(日) 23:48:45.75 ID:7GMOc9bP0

ザクッザクッザクッ・・・


律「よっ!」

澪「律・・・!」

律「で、話ってなんだ?」

澪「律、私・・・」


私達が変われば。


澪「律のことが、好きなんだ」


世界は変えられる。






fin.

710: 2009/12/06(日) 23:49:36.63 ID:7GMOc9bP0
終わり。


なんかぐだぐだになっちゃったけど、これで終わり。

ノープランで書くのはよくないな、うん。

711: 2009/12/06(日) 23:51:15.84 ID:Be/GyiWr0
おお、綺麗にまとまったな
おつ

引用元: 律「恋がしたい」