1: 2015/01/20(火) 18:41:03.11 ID:ELF0gicw0.net
俺「まずこのコーヒー豆を呑むんだ」

妹「丸呑みすればいいんだね、お兄ちゃん!」ゴクゴク

俺「しまった、水が先だ! 今すぐ吐き出せ!」

妹「え!?」

4: 2015/01/20(火) 18:43:55.07 ID:ELF0gicw0.net
妹「お兄ちゃん……そう簡単に吐けないよ!」

俺「頑張んだ妹よ」

妹「う、うん分かった! 私頑張るね!」

~~~~~~~
翌日

俺「妹よ、出たか?」

妹「んっ……、お兄ちゃん……これ本当に使うの?」ブリブリ

俺「勿論だとも」

7: 2015/01/20(火) 18:50:19.71 ID:ELF0gicw0.net
俺「実際に『コピ・ルアク』なんてのもあるからな」

妹「お兄ちゃん、何それ?」

俺「ジャコウネコの腸内を通過した未消化物から採れる豆で、高級豆の一つだ」

妹「凄い!お兄ちゃんは物知りだね!」

8: 2015/01/20(火) 18:52:59.90 ID:ELF0gicw0.net
俺「さて、気を取り直してもう一度」

妹「水が先なんだよね、お兄ちゃん!」

俺「おっと、そうだったな……すっかり忘れていたぞ」

妹「もうっ、お兄ちゃんったら天然なんだから!」

9: 2015/01/20(火) 18:57:03.44 ID:ELF0gicw0.net
俺「ではこの2Lペットボトルの水呑み干すんだ」

妹「……うんっ、分かったお兄ちゃん!」ゴクゴク

俺「一気に飲むんだぞ」

妹「うん……」ゴクゴク

俺「……」

妹「……(涙目)」ゴクゴク

俺「頑張れ妹よ」

10: 2015/01/20(火) 19:00:26.62 ID:ELF0gicw0.net
妹「うぷっ……全部飲んだよ、お兄ちゃん……!」

俺「次にこの豆を飲み込んでくれ」

妹「……」

俺「……大丈夫か?」

妹「うんっ、全然大丈夫だよお兄ちゃん!」ゴクゴク

俺「そうか、良かった」

11: 2015/01/20(火) 19:05:20.87 ID:ELF0gicw0.net
俺「豆を入れたら水が温まるまで待つぞ」

妹「うっぷ……」プルプル

俺「……本当に大丈夫か?」

妹「全然大丈夫だ……おろろろろろ」トシャー

俺「おお、妹よ」

12: 2015/01/20(火) 19:10:20.40 ID:ELF0gicw0.net
俺「何とかコップ一杯分は回収できたぞ」

妹「流石だね、お兄ちゃん!」

俺「早速戴くとするか」

妹「くんくん……お兄ちゃん、これ酸っぱいよ!」

俺「妹よ、良いコーヒーというのは少し酸味があるんだ」

妹「やっぱりお兄ちゃんは博学だね!」

13: 2015/01/20(火) 19:16:57.49 ID:ELF0gicw0.net
俺「……」ゴクゴク

妹「お兄ちゃん……どう?」

俺「ぬるいし酸っぱいし胃粘膜浮いてるし全然駄目だ!」

妹「残念だね……お兄ちゃん……」

俺「妹よ、もう一度やり直すぞ!」

妹「お兄ちゃんは根気強いね! かっこいい!」

14: 2015/01/20(火) 19:21:36.23 ID:ELF0gicw0.net
翌日

俺「妹よ、出たか?」

妹「お兄ちゃん、下しちゃったよ……」

俺「下しただと? どれ、見せてみろ」ガチャ

妹「きゃあ! いきなり入って来ないでよ、お兄ちゃん!」

俺「茶色い液体……これこそまさしく妹コーヒー……!」

妹「……お兄ちゃん?」

15: 2015/01/20(火) 19:32:00.95 ID:ELF0gicw0.net
俺「よし、味見といくか」

妹「……」

俺「どうした、妹よ」

妹「ううん、何でもないよお兄ちゃん!」

俺「そうか、ではまず香りを……」クンクン

妹「……」

俺「うわ、なんだこれ、ただの下痢便だ!」ポイー

妹「良かった……お兄ちゃんがコーヒーと下痢便の区別も付かなくなったかと思っちゃったよ……」

16: 2015/01/20(火) 19:35:31.96 ID:ELF0gicw0.net
俺「もう一度最初からだ」

妹「まずは2Lの水を飲むんだったよね、お兄ちゃん!」ニコッ

俺「いや、今度は500mlに減らしてみるぞ」

妹「流石お兄ちゃん、同じ過ちを二度と犯さないんだね!」

17: 2015/01/20(火) 19:38:56.37 ID:ELF0gicw0.net
妹「ぷはー! 次は豆だよね、お兄ちゃん!」

俺「その通りだ、妹よ」

妹「今度こそ成功させようね、お兄ちゃん!」ゴクゴク

俺「うむ」

18: 2015/01/20(火) 19:42:19.58 ID:ELF0gicw0.net
俺「次は加熱するぞ」

妹「どうやって加熱すればいいの? お兄ちゃん」

俺「ビリーズブートキャンプをして身体を温めるんだ」

妹「分かった、お兄ちゃん!」ワンツーワンツー

19: 2015/01/20(火) 19:47:59.73 ID:ELF0gicw0.net
妹「はぁ、はぁっ……お兄ちゃん、終わったよ……」

俺「やっと全ての工程が終わったな……早速コーヒーを飲むとするか!」

妹「うんっ!お兄ちゃん!」

俺「……だがコーヒーはどこだ?」

妹「……私のお腹の中だね、お兄ちゃん……」

20: 2015/01/20(火) 19:51:04.60 ID:ELF0gicw0.net
俺「……妹よ、出たか?」

妹「お兄ちゃん……ホントにこれ飲むの……?」

俺「妹というフィルターで濾過したコーヒーだ、何もおかしくは無いぞ」

妹「そ、そうだね、お兄ちゃん!」

21: 2015/01/20(火) 19:54:47.75 ID:ELF0gicw0.net
妹「どうぞ……お兄ちゃん」

俺「クンクン……おおっ、コーヒーの香りだ!」

妹「え? どれどれ……本当だ、コーヒーの香りだね、お兄ちゃん!」

俺「ううっ、遂にコーヒーが飲めるぞ……!」

妹「感激だね、お兄ちゃん!」

22: 2015/01/20(火) 19:57:17.06 ID:ELF0gicw0.net
妹「お兄ちゃん、味はどう?」

俺「ちょっと待ってくれ……」ゴクゴク

妹「……どう?」

俺「うまい!うまいぞ!こんなに美味しいコーヒーが飲めるとは!」

妹「お兄ちゃん、やったね!」


妹「……」

23: 2015/01/20(火) 20:02:29.15 ID:ELF0gicw0.net
妹(あの日以来お兄ちゃんはコーヒーを飲まない)

妹(あのコーヒー、実は私も味見したんだけど滅茶苦茶不味かった)

妹(お兄ちゃん、なんで嘘付いたんだろう……)

妹(……そうだ、私を想って本当の事を言わなかったんだね、お兄ちゃん!)

妹(お兄ちゃんは本当に優しいんだから……)

24: 2015/01/20(火) 20:07:12.14 ID:ELF0gicw0.net
妹「お兄ちゃん!コーヒー淹れたよ!」

俺「おお妹よ、気が利くな」

妹「……どう? お兄ちゃん」

俺「……んまいっ!旨いぞぉ!」

妹「良かった!」

俺「妹よ、こんなに旨いコーヒーをありがとう!」

妹「うん! これからも美味しいコーヒーを淹れてあげるからね、お兄ちゃん!」ニコッ

おわり

26: 2015/01/20(火) 20:11:19.72 ID:wCEpwBnk0.net
いいはなしだなー

引用元: 俺「サイホン式コーヒー淹れたいからサイホンやれ」妹「分かったお兄ちゃん!」