1: 2009/12/15(火) 14:42:35.93 ID:YPqpMDVR0
律「…なぁ」

唯「何?りっちゃん」

律「私が部長会言ってる間に何があったんだ?」

律「ってか何で私じゃなくお前らが男になってんの!?需要考えろよ!」

澪「そんなこといわれてもなぁ…」

紬「私達も男になるなんて思ってなかったし…」

梓「仕方ないです」



はい他人任せ~

13: 2009/12/15(火) 17:19:26.07 ID:aODLpbu9O
律「男って……どうすんだよ」

唯「え、驚いてくれないの!?」

律「電話なんだからわかるかー!
たしかに声が違う気もしないでもないけどさ」

唯「えー、実際に見るって言っても私…男の子の服もってないよ」

唯「憂もあずにゃんと遊びに行ってていないし…」

律「……」

16: 2009/12/15(火) 17:23:31.64 ID:aODLpbu9O
律「わーったよ。あたしが行くから」

唯「ありがとうりっちゃん!」

律「じゃあまたあとでな」
ガチャ

律「唯が男…?ドッキリでもさせたいのか?」

律「それなら一人で行くより誰か一緒に行く方が面白そうだな」

19: 2009/12/15(火) 17:31:40.72 ID:aODLpbu9O
律「和でも誘うか」

律「唯ビックリするだろーなー」ピッピッ

(電話中…)

和「はい、もしもし」

律「あ、和?田井中律だよーん」

和「律?あなたから電話なんて珍しいわね。何かあったの?」

24: 2009/12/15(火) 17:43:32.37 ID:aODLpbu9O

律「唯が男になったらしくてな、一緒に唯の家行ってみないか?」

和「はぁ?唯が男に!?」

律「うんうん」

和「律…」


和「4月はまだ遠いわよ」

律「唯からそう電話が来たんだよ!嘘じゃないって!」

和「……まぁ、いいわ。今日ちょうど暇だったし」

和「律と一緒、ってのもなかなかないしね」

律「おう!じゃあさっそく…」

25: 2009/12/15(火) 17:48:36.87 ID:aODLpbu9O
唯の家の前

律「ついた!」

和「ええ。じゃあインターホンを…」

ピンポーン

?「はーい」ガチャ

律「よう!ゆ……」

律「……………」

和「……………」

唯「いらっしゃいりっちゃん!和ちゃんも来たんだ」


律和「………………誰?」

26: 2009/12/15(火) 17:51:00.93 ID:aODLpbu9O
唯「唯だよぉ」

和「え?あの……唯?」

唯「うん」

律「……マジで?」

唯「男になっちゃったって言ったじゃん、りっちゃんたら~」

律「…4月はまだ遠」
唯「嘘じゃないもん!!」

27: 2009/12/15(火) 17:54:43.25 ID:aODLpbu9O
和「あなた」

唯「?」

和「高校と部活は?」

唯「桜高軽音部」

和「ギターの名前は?」

唯「ギー太」

和「軽音部に入る前にやろうと思っていた楽器は!」

唯「カスタネット!うんたん♪」

和「間違いない。唯だわ」

律「…お見事」

31: 2009/12/15(火) 18:00:59.44 ID:aODLpbu9O
唯「信じてくれた?」

和「ええ…」

律「たしかに、よく見ると唯に近い感じがするかな…」

唯「とりあえず上がって~」


唯の部屋

律「何があったんだ?」

唯「それが…」

律和(ゴクリ)

唯「わかんないんだよね~」

律「おい!」

和「だろうと思ったわ…」

唯「朝起きたらこんなになってた」

律「なんか変な物食べたんじゃないのか?」

唯「違うもん!憂のご飯は美味しいもん!」

32: 2009/12/15(火) 18:06:26.47 ID:aODLpbu9O
和「…とりあえず、お茶入れてくるわね」

唯「あ、ありがとー和ちゃん」

律「…なぁ、ここ唯の家だろ?」

唯「うん」

律「なんで和が…」

唯「和ちゃん頼りになるよねぇ」ニコニコ

律(ダメだこりゃ)

唯「和ちゃんがお嫁さんになってくれたらいいのに」

律「…唯。男の姿で言うもんじゃねーだろ」

唯「あ、そっか」

唯「このまんまなら和ちゃんと結婚できちゃうもんねー」

律「…………は?」

33: 2009/12/15(火) 18:12:45.65 ID:aODLpbu9O
律「唯、お前もしかして…」

唯「え?あ、ん?あれ?私何言ってるんだろ?」カァァ

ガチャ

和「お茶入ったわよ」

和「…唯。顔赤いけど、どうかした?」

唯「え?そ、そうかな?」

和「男になった副作用とかじゃないわよね!?熱は…」

唯「だ、大丈夫大丈夫!」

律(唯のこの慌てよう…)

律(和連れてきて正解だったか?)ニヤ

34: 2009/12/15(火) 18:22:27.01 ID:aODLpbu9O
唯「ほ、ほほ、本でも読もうか!」

和「?どうしたの、いきなり」

唯「ううんなんでもないよ!わぁー和ちゃんのいれたお茶美味しいなー」アセアセ

唯(なんだろう、いつもより和ちゃんが可愛く見えるよぉ…)

唯(これが男の子視点、ってことなのかな…)

律「しっかし唯の部屋、漫画しかないじゃないか」

唯「え?いや、漫画以外もあるよ!」

律「ほーぅ。何があるんだ?」

唯「えっと…これ!」

律「なになに…」

律「…絵本ばっかじゃないか」

和「白雪姫、眠れる森の美女、かえるの王子様…全部小学校低学年向けね」

唯「私はちゃんと漫画以外ももってるんだよ!」フンス

律「……」

36: 2009/12/15(火) 18:27:18.03 ID:aODLpbu9O
和「…なっつかしーい!これ…小さい頃唯と一緒に読んだわね」

唯「え?」

和「唯と憂と私で絵本読んで…ふふ、楽しかったなぁ…」

律「和と唯は幼なじみだもんな。」

律(あたしも小さい頃…澪とよく遊んだなぁ)

37: 2009/12/15(火) 18:32:53.72 ID:aODLpbu9O
─────
ちび律「ねーねー澪ーみぃおぉ」

ちび澪「なに?律」

ちび律「この箱開けてみて!」

ちび澪「?」

ちび律「はっぴーばーすでー!」

ちび澪「…律…」パカッ

びよーんっ
ちび澪「ふぇッ!?」

ちび律「はっはっはー!引っかかった引っか……澪?」

ちび澪「 」

ちび律「み、みお?みおー?」
─────

律「…………」
律(あれ?もっといい思い出……あれ?)

40: 2009/12/15(火) 18:39:46.41 ID:aODLpbu9O
和「…律?どうしたの?」

律「え?ああ!や、なんでもないよ!なんでもない」

和「?」

唯「……」

唯(白雪姫…眠れる森の美女…かえるの王子様…)

唯「わかったぁ!!」バンッ

律和「!?」ビクッ

唯「呪いを解くには王子様とちゅーをすればいいんだ!」

律和「………え?」

41: 2009/12/15(火) 18:44:11.58 ID:aODLpbu9O
唯「だから、王子様とちゅーを…」

唯「ちゅー……」

唯「…………ん?」

律「………」

和「………」

唯「ねぇ」

唯「ちゅーってキスだよね?」

律和「」コクリ

唯「…誰に?」

律「…いや、お前が言ったんだろ?」

和「とゆうか、そんな方法で元に戻るの?」

唯「わ、わかんない…」

42: 2009/12/15(火) 18:52:46.26 ID:aODLpbu9O
律「そんなのおとぎ話だろー実際そんなこと起こるわけないじゃんか」

唯「でも、本当に男の子になっちゃったし…」

和「じゃあ試してみるの?」

唯「う、うん…」

和「唯にとっての王子様って、誰?」

唯「あ………」

律(唯!チャンスじゃないか!)

唯「………」

律(…あーもー焦れったい!!)

43: 2009/12/15(火) 18:55:44.39 ID:aODLpbu9O
律「唯と和、ちょっと試してみなよ!」

唯「え、ええ!?」
唯(りっちゃん何を!?)

和「私?」

律「うん!」

和「…唯はどう思う?」

唯「え?その…」

律(行け!唯!)

唯「………た…」

唯「試して…みる?」

46: 2009/12/15(火) 19:01:44.40 ID:aODLpbu9O
和「唯がいいなら…可能性は低いけれど…」

唯(まさか…ファーストキスが和ちゃん…!)ドキドキ

和「…」

──チュ

唯「!!」

47: 2009/12/15(火) 19:04:52.96 ID:aODLpbu9O
律(チィッ、やっぱ唇じゃなくてほっぺか!)

唯(ほ、ほっぺ…だよね。何期待してるんだろ私…)

和「…変わらないわね」

唯「…う、うん…」

和「律もやってみたら?」

律「あたし?」

和「私が唯の王子様じゃなかっただけかもしれないしね」

和「この場合、唯は男の子だから…お姫様かな」

48: 2009/12/15(火) 19:07:41.99 ID:aODLpbu9O
律「そうだなー唯。いいか?」

唯「うん…」

唯(私のお姫様は…和ちゃんじゃないのかな)

律「んじゃいくぞー」

律(キスなのに軽いなー。元が女どおしだからな)

チュ

唯「……」シーン

和「戻らない、か…」

50: 2009/12/15(火) 19:15:30.08 ID:aODLpbu9O
律「誰なら戻るんだー?」

?「ただいまー」

?「おじゃましまーす」

和「あ…憂、帰ってきたんじゃない?」

唯「あ…うん」

ガチャ

憂「お姉ちゃんただい……」

梓「唯せんぱ………」

和「おかえりなさい」

唯律「おかえりー」

憂梓「…………誰ッ!?」

51: 2009/12/15(火) 19:18:49.48 ID:aODLpbu9O
和「唯、憂に言ってなかったの!?」

唯「あ、私が起きる前に憂出かけちゃって…えへへ」

和「はぁ…まったく」

説明中

憂「お姉ちゃんが…男の子に!?」

梓「本当に唯先輩なんですか…?」

唯「そーだよー」

梓「私のあだ名は?」

唯「あずにゃん」

梓「本物だ…」

52: 2009/12/15(火) 19:22:55.92 ID:aODLpbu9O
律「そうだ。梓たちもやってみれば?」

梓「何をですか?」

律「お姫様のキス」

憂「え、き、キ…っ!?」

説明

梓「…まぁ、可能性があるのなら…」

梓「唯先輩、いきますよ」

唯「うん。お願い」

憂「……」

梓「…憂…少し、あっち向いてて」

憂「え、うん…」

──チュ

53: 2009/12/15(火) 19:27:22.28 ID:aODLpbu9O
律「…戻らねーなー」

唯「うん…」

和「次、憂やってみる?」

憂「……」

唯「憂?」

憂「………」

梓「うい!」

憂「は、はいッ!」

梓「終わったよ」

憂「う、うん…」ホッ

律「………」

55: 2009/12/15(火) 19:32:54.56 ID:aODLpbu9O
唯「じゃあ憂、お願い」

憂「ん、いくよお姉ちゃん」

チュ

梓「…戻りませんね」

律「そりゃあ姉妹だしなー」

56: 2009/12/15(火) 19:39:39.98 ID:aODLpbu9O
和「…まぁ、今日はここまでにしましょうか。
もうこんな時間だし」

律「うわっ、本当だ真っ暗!」

和「明日も休みだし…唯、憂、大丈夫ね?今日1日はこのままだけど」

憂「あ、はい!」

唯「……」

律(唯、行け!唯!)チョン

唯(……わ、わかった)

和「じゃあ唯…」

唯「の、和ちゃん!」

59: 2009/12/15(火) 19:44:35.86 ID:aODLpbu9O
和「なに?」

唯「や、やっぱり不安だから…泊まっていかない?」

和「え…」

律(よくやった唯!)

和「でも…」

唯「お願い!」

和「…わかったわ。憂、泊まっていって良いかしら」

憂「はい!」

律「じゃああたしたちは帰るわ。じゃなー」

梓「お邪魔しました」

唯「うん、じゃあね~」

憂「き、気をつけてね…」

梓「うん。じゃあね、憂」

61: 2009/12/15(火) 19:50:40.46 ID:aODLpbu9O
憂「じゃあ、晩ご飯作ってくるねお姉ちゃ……」

唯「?どうしたの、憂」

憂「なんか…お姉ちゃんって感じじゃないなぁ、って」

和「そうね…見た目は男の子な訳だし…」

唯「うう…」

和「でも、唯は唯だから。ね?」

唯「!…うんっ」

62: 2009/12/15(火) 19:53:16.54 ID:aODLpbu9O
和「よろしい。じゃあお風呂でも入ってきたら?」

唯「え、でも和ちゃんはお客様で…」

和「いいの。ご飯作るの手伝いたいから」

憂「そんな、悪いですよ」

和「ジッとしてるのは性に合わないのよ。ダメ?」

憂「…じゃあ、お願いします」

63: 2009/12/15(火) 19:56:32.16 ID:aODLpbu9O
憂「………」トントン

和「私は何をすればいい?」

憂「あ、じゃあ…お鍋見ていてくれますか?」

和「わかったわ」

憂「……」トントン

和「…何、悩んでるの?」

憂「えっ…」

和「浮かない顔してるわよ」

憂「そんなこと…」

和「嘘。いつからの付き合いだと思ってるの」

憂「…」

66: 2009/12/15(火) 20:00:48.33 ID:aODLpbu9O
憂「…和さんには叶いませんね。
だから晩ご飯の手伝いなんて言ったんですか」

和「ふふ…。悩みがあるなら、相談にのるわ」

憂「………」

憂「……恋って…なんでしょう」

………………
…………
……

律・梓 帰り道

律「なぁ、梓ー」

梓「なんですか?」

律「憂ちゃんと何かあったのか?」

70: 2009/12/15(火) 20:09:39.34 ID:aODLpbu9O
梓「え……」

律「なんか憂ちゃん、珍しくボーっとしてたからさ」

律「今日一緒にでかけたんだろ?」

梓「…珍しく鋭いですね、律先輩」

律「珍しくは余計だろ!」

梓「実は最近、私憂と付き合い始めたんです」

……………
………


唯の家・キッチン

憂「なのに…なんだか梓ちゃん、私のこと恋人として見てない気がするんです」

和「………」

憂「私なんて…緊張しちゃって…」

73: 2009/12/15(火) 20:13:47.14 ID:aODLpbu9O
憂「梓ちゃん、私と無理して付き合ってないかなぁって……」

和「……それは違うわ」

憂「…だって…さっきも梓ちゃん、お姉ちゃんとキスするとき『見ないで』って…」

和「憂。今日梓ちゃんと出かけていたんでしょう?」

和「好きじゃない人と出かけることなんてないわよ」

憂「……」

74: 2009/12/15(火) 20:19:33.06 ID:aODLpbu9O
和「唯とのキスを見られたくなかったのは、
梓ちゃんが憂ちゃん以外にキスしてるところを見られたくなかったんじゃない?」

憂「……」

和「それにね……」

……………
………

律・梓 帰り道

梓「憂が唯先輩にキスしてるとき、私叫びそうになりましたよ」

梓「男の人にキスする憂なんて…姉妹ってのはわかってるんですけど」

梓「憂見てると自分が何をしだすかわからなくて…」

梓「自分を抑えるのにいっぱいいっぱいで…」

76: 2009/12/15(火) 20:23:36.27 ID:aODLpbu9O
律「だからか……」

梓「?」

律「お前な、それも大事だけど、憂ちゃんをもっとちゃんて見ないと駄目だぞ」

梓「え…」

律「自分のことでいっぱいいっぱいなんて、何贅沢なこと言ってんだよ!」

律「それで憂ちゃんへの対応、冷たくしてどうするんだ!」

梓「……」

78: 2009/12/15(火) 20:28:23.89 ID:aODLpbu9O
律「あたしは恋とかよくわかってないけど…」

律「寂しそうな人を見るのは嫌なんだよ」

梓「……わかりました」

律「憂ちゃんを大事にしろよ」

梓「…はい!」

……………
………
……

憂「…梓ちゃん…」

和「どう?憂のこと、かなり意識してるのよ。梓ちゃんは」

憂「……」

和「憂は梓ちゃんのこと、好き?」

憂「……はい」

和「…よかった。」

和「その気持ち、大事にするのよ?」

憂「……はい!」

80: 2009/12/15(火) 20:31:54.47 ID:aODLpbu9O
唯「お風呂、でたよ~」ホカホカ

和「あら。ちょうどご飯もできたのよ」

唯「わーいッ!」

憂「和さん…ありがとうございました!」

和「お安いご用よ」ニコ

唯「………」

82: 2009/12/15(火) 20:37:44.18 ID:aODLpbu9O

唯「ふぇ~…お腹いっぱい!
いつもの憂の美味しさに和ちゃんの美味しさがプラスされて最高だったよ!」

和「お粗末様でした」

憂「和さん、お風呂入ってきたらどうですか?
その間に片付けしちゃいますんで」

和「じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな」

唯「ギー太ーっ♪」

84: 2009/12/15(火) 20:41:09.90 ID:aODLpbu9O
和「ふぅ…お風呂ありがとう、良いお湯でした」ホカホカ

和「置いてあったパジャマ借りちゃったけどよかった?」

憂「はいー。私も入ってこようかな」パタパタ


唯の部屋
~♪

和「唯ー?」コンコン

唯「和ちゃん?入っていいよー」

ガチャ

唯「………!」

85: 2009/12/15(火) 20:45:31.67 ID:aODLpbu9O
唯(お風呂上がりの和ちゃん…色っぽい…)ドキドキ

和「ギターしてたの、邪魔しちゃったかしら」

唯「…」ボー

和「唯?」

唯「わっ!」
唯(ま、前かがみに顔をのぞき込まないで~っ)

和「また顔赤いわよ」

唯(服の中…和ちゃんの…)

和「唯?」

唯(和ちゃんの…匂い…が…)

和「ゆ……ッ!?」

唯(もう…無理…)

86: 2009/12/15(火) 20:52:51.65 ID:aODLpbu9O
和「……唯?」

唯(和ちゃんをベッドに押し倒してしまった…)

和「唯、どうしたの?」

唯(和ちゃんは私を心配した目で見てる)
唯(友達として……)

──チュ

和「…っん!?」

唯(唇柔らかい…)

和「ん、んぅ…ッ」モゾモゾ

唯「和ちゃん…」

和「は、はぁ…ゆ…い…なんで…」

唯「私今男の子なんだよ…」
唯「抵抗なんてできると思う?」ゴソ

和「…や…ッ」

89: 2009/12/15(火) 20:57:57.32 ID:aODLpbu9O
和「唯ッ!何をして…正気に…」

唯「私は正気だよ。和ちゃんが好きだからこんなことしてるの」

和「…え…ッ」

唯「大好きだよ、和ちゃん…」チュ

和「ふ……ッ」

唯「…ちゅ、ちゅぅ…」スルッ

和「んんっ」ビクッ

唯「和ちゃん…おっOい結構大きいんだね」

和「ゃ、あ、ゆい…駄目…」

唯「なんで?」

和「や、いや…」ウル

91: 2009/12/15(火) 21:03:31.96 ID:aODLpbu9O
和「いやァーッ!!」

バンッ

憂「和さん!?」

唯「……う…い…」

憂「お姉ちゃ…何して…」
唯「あ…れ…私…なんで…」

和「ぅ…ひっ…く…」

唯「和ちゃ…泣いて…」

和「離して…触らないで…!」

パァンッ!

唯「…あ…」

和「……」スッ

憂「あ、和さん待って…!」

唯「……」

92: 2009/12/15(火) 21:09:28.35 ID:aODLpbu9O
唯「わた…し…何てこと…」


和『…触らないで…!』パァンッ!


唯(嫌われた…)

唯(和ちゃんに…嫌われてしまった…)

唯「う…く、ぅ…ッ」

唯(叩かれた頬よりも…)

唯(心臓が…心がこんなに痛いなんて…苦しいなんて…)

94: 2009/12/15(火) 21:22:14.79 ID:aODLpbu9O
リビング

憂「和さん……」

和「……」

和「私……あんな…こと、され…っ」ブルッ

憂「和さん…」ギュ

和「唯が…怖かったなんて…」

憂「和さん…今日は寝ましょう。大丈夫ですから…」

和「……」コク

99: 2009/12/15(火) 22:06:25.76 ID:aODLpbu9O
お待たせしました

次の日

唯「おはよ…憂…」

憂「…ん…」

唯「…和ちゃんは…?」

憂「…お姉ちゃんが起きる前に帰ったよ」

唯「…そう…」

憂「…あの、お姉ちゃ…」

ピンポーン

101: 2009/12/15(火) 22:13:56.47 ID:aODLpbu9O
憂「…はーい」

律「おっはよー憂ちゃん!」

澪「もう昼だぞ律…」

紬「まぁまぁ…」

憂「律さん…澪さん、紬さんも…」

律「へへっ、唯の姫様候補はこの二人も入るからな」

憂「とりあえず、あがってください」

102: 2009/12/15(火) 22:18:42.89 ID:aODLpbu9O
澪「なぁ、律。そろそろ教えてくれよ」

紬「いきなり呼び出されてビックリしたわ」

律「百聞は一見にしかずだよ」

澪「だから何を…」

唯「あ…みんな…」

澪「…………」

紬「…………」

律「よお!ゆ…」

澪紬「誰ッ!?」

103: 2009/12/15(火) 22:24:25.60 ID:aODLpbu9O
説明

澪「唯?」

唯「うん」

紬「唯ちゃん?」

唯「…うん」

律「んで!今はお姫様を探してるわけだ!…が」

律(唯!昨日は和姫とどうだった?)ボソボソ

唯(ん…と…)シュン

律「……」
律(こりゃあ裏目ったか…?)

憂(……)

104: 2009/12/15(火) 22:29:54.44 ID:aODLpbu9O
澪「姫…?」

律「おとぎ話では、呪いを解くのは運命の人だろ?」

紬「白雪姫とか?」

律「ああ。だから唯の呪いが解けるんじゃないかってなー」

憂「昨日、私と梓ちゃん、律さん、と…和さんが試したんですが…」

澪「それで今日私たちが試すんだな」

律「そゆことーっ」

107: 2009/12/15(火) 22:37:20.44 ID:aODLpbu9O
紬「で、でも…キスって…」

律「大丈夫大丈夫、ほっぺだよ」

紬「そ、そう?」

律「さ、行け!澪!」

澪「あ、ああ…こんな方法でいいのかわからないけど…」

澪「ゆ、唯?いいか?」

唯「…うん」

チュ

108: 2009/12/15(火) 22:41:02.87 ID:aODLpbu9O
澪「………」カァ

律「戻らねーな…」

唯「うん…」

律「澪、何照れてんだよ。相手は唯だぞ」

澪「で、でも今は……」

律「…」ムッ

律「つッぎ!ムギな」

紬「え、ええ……」

紬「唯ちゃん、いいの?」

唯「うん」

紬「じゃあ…失礼しまーす…」

──チュ

唯「…!?」

110: 2009/12/15(火) 22:47:00.75 ID:aODLpbu9O
唯「あれ…?」

憂「お姉ちゃん…」

律「唯…!」

澪「戻ったんだな!」

唯「あ…ほんとだ…!」

憂「やったね!お姉ちゃん!」

唯「うん…っありがとう!」

律「じゃあ…唯のお姫様って…」

紬「…えと…」

澪「ムギか!?」

112: 2009/12/15(火) 22:54:17.93 ID:aODLpbu9O
紬「そ、そんな、姫って…」

憂「紬さんがお姉ちゃんの運命の人…?」

紬「ま、待って!そんな、いきなり運命とか…」

律「なんだぁ?ムギ、照れてんのか?」

紬「そうじゃなくて!」


唯「…そっかぁ…」ボソ

113: 2009/12/15(火) 22:56:20.84 ID:aODLpbu9O
唯「私の運命の人は…ムギちゃんなんだ…」

唯(和ちゃんじゃなくて…)ズキッ

紬「ゆ、唯ちゃんも何か…」

唯「…………おっか」

紬「え、何?」

唯「ムギちゃん、付き合おっか」

紬「…え…?」

唯「恋人として」

律「え……」

皆「えェーーッ!?」

116: 2009/12/15(火) 22:59:27.53 ID:aODLpbu9O
紬「ま、待ってよ唯ちゃん!」

唯「ムギちゃんは私の運命の人なんだもん…」

紬「で、でも…」

唯「私のこと、嫌い?」

紬「そんな…こと…」

唯「ね?決まり!」ギュ

紬「…~~!」カァ

唯(これで…良いんだ。これで……)

118: 2009/12/15(火) 23:05:30.83 ID:aODLpbu9O
澪「えっと……お、おめでとう?唯、ムギ…」

唯「うん!ありがとう」ニコ

律「……」
律(昨日和と何があったんだ?唯のやつ…)

唯「…なんだか今日は疲れちゃった…悪いけど、今日はこの辺で…」

律「あ、ああ!邪魔したな、唯…」

唯「また明日、学校でね。…ムギちゃん」

紬「え、ええ……」

紬(……)

120: 2009/12/15(火) 23:09:30.48 ID:aODLpbu9O
律澪紬「おじゃましましたー」


唯「………」

憂「お姉ちゃん……」

憂「昨日、和さんと…」

唯「憂!私、疲れちゃったから少し寝るね。おやすみ」

憂「あ……」

憂「…………」

123: 2009/12/15(火) 23:14:12.57 ID:aODLpbu9O
憂(和さんには…とても聞けないし…)

憂(相談するなら…)

~♪

憂(電話…こんなときに…)

憂「はい、もしもし」

律「私、律だよ」

憂「律さん…!ちょうど良かった」

律「ああ…単刀直入に聞く」

律「昨日、唯に何があった?」

124: 2009/12/15(火) 23:19:38.83 ID:aODLpbu9O
説明後

律「……そんなことがあったのか」

憂「私もう…よくわからなくなって…」

律「唯は…本当に和が好きなんだな…」

律(しっかし…梓は我慢してる中で唯が我慢できなくてどうするんだ…)

律「和に嫌われたと思って、和を忘れようとしてムギと付き合い始めた、ってとこか?」

憂「多分…」

律「おいおい…ムギまで巻き込んじゃって…唯のやつ…」

憂「でも…」

125: 2009/12/15(火) 23:24:56.21 ID:aODLpbu9O
憂「なんで紬さんがキスをしたらもどったんでしょうか…?」

律「……まさか、ムギが唯のことを」

憂「……わかりません」

律「あーっ!わっかんないなぁ!恋なんて!」

憂「律さんは恋、してないんですか?」

律「? うん。」

憂「あれ…?」

律「どうした?」

憂「あ、いえ…」

127: 2009/12/15(火) 23:32:27.54 ID:aODLpbu9O
律「とりあえず!唯にも和にも話せない今!すべきことは…」

憂「紬さん…でしょうか?」

律「でも、ムギが本当に唯を好きだったら?」

憂「……」

律「今は様子見だな…和が心配だけど」

憂「和さんは強い人です。」

律「ああ、知ってる。…でも」

憂「…傷が大きすぎ…ですね」

律「…まぁ、回復を待とう。それしかできない」

憂「わかりました。ありがとうございます」

律「じゃあ」

憂「失礼します」

ガチャ

128: 2009/12/15(火) 23:37:14.97 ID:aODLpbu9O
次の日 学校

律「おっはよー唯!珍しく早いな!」
律(せめて私は元気に振る舞わないと…)

唯「うん!なんかよく眠れなくてさー」

律「おいおい大丈夫か?」

唯「だいじょぶだよー。あ、ムギちゃん!」

紬「あ、おはよう唯ちゃん」

唯「おはよ~」ダキッ

紬「きゃッ」

唯「えへへ~いい匂い♪」

紬「も、もう……」

律「……」

129: 2009/12/15(火) 23:41:49.68 ID:aODLpbu9O
放課後 音楽室

律「ちーす」

澪「律、一人か?」

梓「唯先輩とムギ先輩は…」

律「唯は掃除当番でムギは日直ー」

梓「へぇ…」

律「なぁ、澪」

澪「なんだ?」

律「今日、和は?」

澪「今日は休んでたよ。和が珍しいけど」

律「そうか…」

梓(律先輩、律先輩…)ボソ

律(ん?)

131: 2009/12/15(火) 23:49:08.63 ID:aODLpbu9O
律(どしたー梓?)

梓(ありがとうございました)

律(何が?)

梓(あの憂との…)

律(ああ…)

梓(なんだか憂と自然に接せました)

律(お、良かったじゃん!)

澪「………」

ガチャ

紬「遅くなりましたー」

唯「疲れたームギちゃーん」

紬「今お茶いれるね」

唯「あ……」

135: 2009/12/15(火) 23:54:30.78 ID:aODLpbu9O
和『…とりあえず、お茶入れてくるわね』

唯「…………」

梓「そういえば憂に聞きましたよ!女に戻って良かったですね、唯先輩」

唯「…………」

梓「…唯先輩?」

唯「え?あ、うんうん!本当、ムギちゃんのおかげだよ~!」ギュッ

紬「きゃあ!唯ちゃん、お湯を持っているんだから危ないわ」

唯「あ、ごめーん」

136: 2009/12/15(火) 23:58:56.85 ID:aODLpbu9O
梓「…あの二人、何かあったんですか?」

澪「あれ?そこは憂に聞いてないのか?」

梓「え?」

律「唯の姫がムギで、あの二人付き合い始めたんだよ」

梓「え、本当ですか!?」ガタッ

澪「ああ。私もびっくりしたよ」

唯「ねーねームギちゃん」

紬「なぁに?今日のお菓子はフィナンシェと…」

唯「こんどの日曜日、デートしよう?」

137: 2009/12/16(水) 00:04:28.64 ID:aODLpbu9O
紬「え?」ガチャンッ

澪「ちょ、ムギ!紅茶こぼれてる!」

紬「あ、ごめんなさい!」

律「ムギ!スカートにかかってる!」

紬「あ…」

さわ子「大変、着替えなきゃ!」グイッ

紬「へ?」

バタンッ

皆「……」

唯「え?」

律「今何が起きた?」

梓「あれ、ムギ先輩?」

澪「いったいどこに…」

139: 2009/12/16(水) 00:11:30.93 ID:+f3cI/9LO
紬「さ、さわ子先生?」

さわ子「さぁさ!着替えるのよ!脱いで!」

紬「や、自分でできますから!?」

紬(澪ちゃんの気持ちがわかったわ…)

さわ子「ねぇ」

紬「はい?」

さわ子「何があったか知らないけど…無理しちゃ駄目よ?」

140: 2009/12/16(水) 00:14:04.64 ID:+f3cI/9LO
紬「……」

さわ子「いつもあなたはみんなの心配ばっかりして…自分はどうなの?」

紬「私は…」

紬「……私は……」

さわ子「…さ、深呼吸して!」

紬「……すぅ…はぁ…」

さわ子「少し落ち着いた?」

紬「……はい!」

さわ子「よし!あと、服は着せといたから。」

紬「へ?」

さわ子「あなたも結構胸あるのよね~」

紬「せ、先生!?」

141: 2009/12/16(水) 00:20:51.68 ID:+f3cI/9LO
澪「あ、ムギ!どこに…」

紬「ごめんなさい、すぐお茶いれるね」

律「や、いいんだけど…その格好は?」

紬「?」

梓「またさわ子先生ですか…?」

紬「ええ」

唯「わ~ムギちゃん似合ってるよ!」

澪「ワンピースというか…ドレス?」

紬「まぁ、フリルはあんまり邪魔にならない程度だし」

唯「お姫様みたいだねぇ」

143: 2009/12/16(水) 00:26:08.16 ID:+f3cI/9LO
紬「あ、そうだ。唯ちゃん」

唯「?」

紬「さっきの話だけど…」

紬「お受け致しますわ」フワッ

律澪梓唯「!」ドキッ

紬「…」ニコ

律「なんつーか…」ボソ

梓「ムギ先輩…ノリノリですね」ボソ

澪「本当にお姫様みたいだ…」ボソ

唯「じ、じゃあ、日曜日に!どこに行く?」

145: 2009/12/16(水) 00:30:04.65 ID:+f3cI/9LO
紬「あなたとならどこへでも」

律澪梓唯「!!」ドキィッ

紬「なんて、ちょっとくさかったかな」

律「なんなんだ、もう…」

澪「スゴすぎる…」

さわ子「流石よね…みんなも見習いなさいよ」

梓「はぁ……ん?」

律「さわちゃん!なんてことをしたんだ!!」

さわ子「やー、ちょっとした遊び心?ここまで破壊力があると思ってなかったもんで…」

146: 2009/12/16(水) 00:34:57.11 ID:+f3cI/9LO
紬「そうね…でも、本当にどこでも良いよ?」

唯「そうだなぁ…」

さわ子「あなたたち、デート?若いわねぇ。うんうん」

唯「遊園地、とか?」

紬「わかった。楽しみね♪」

さわ子「私が学生だったときはねー」

律「さわちゃん、ごめん興味ない」

澪(バッサリだーッ!?)

147: 2009/12/16(水) 00:42:09.48 ID:+f3cI/9LO
土曜日・夜(デート前日)

~♪
ピッ
憂「もしもし律さん?」

律「よっ!唯はどう?」

憂「相変わらずです…」

律「そっか…」

憂「無理して笑顔作って…。夜は部屋からシクシクって泣き声が」

律「……ホラーだな」

148: 2009/12/16(水) 00:45:12.77 ID:+f3cI/9LO

憂「そっちはどうです?」

律「澪から聞くと、和は一日休んだだけで学校に来たらしい」

憂「そうですか…」

律「ただ、元気ないみたいだな。ボーっとしたりため息ついたり」

憂「…一見、恋する乙女ですね」

律「…澪もそう言ってた」

149: 2009/12/16(水) 00:51:06.96 ID:+f3cI/9LO
律「さて。本題の明日の唯とムギの遊園地だけど」

憂「…どうしましょう」

律「それだけど、あたし、つけて行くよ」

憂「え?」

律「尾行、ってやつ?」

憂「だ、大丈夫ですか!?」

律「だいじょぶだいじょぶー、澪も連れてく予定だから」

憂「予定…?」

律「まだ誘ってない」

憂「明日ですよ!?」

150: 2009/12/16(水) 01:04:53.21 ID:+f3cI/9LO
律「こーゆーのはギリギリがいいんだよ」

憂「?」

律「直前に家に押しかけて理由言う暇もなく引っ張り出す!」

憂「……なるほど」

憂(律さんならできそうで怖い)

律「憂ちゃんはどうする?」

憂「あ、私は予定が…」

律「梓とデート?」

憂「えッ!?と……」

律(図星か…)

154: 2009/12/16(水) 01:10:45.11 ID:+f3cI/9LO
一瞬さるさんになった…びっくりした…

日曜日・朝

憂「お姉ちゃーん!朝だよー」

唯「ん……」

憂「お出かけするんでしょー?」

唯「昼からだよー…」

憂「私は先に家出るからね」

唯「……んー」

唯「…………」

156: 2009/12/16(水) 01:15:58.73 ID:+f3cI/9LO
同時間・秋山家

律「ねー!お・ね・が・い!澪ちゅわん」

澪「なんで私たちが唯とムギのデートをつけて行かないと行けないんだ!」

律「それはだから…ね?面白そうじゃんか!?」

澪「人の恋を面白がって見に行くなんて悪趣味だ!」

律「ぶー…」

澪「……ノド乾いた。お茶持ってくる」スタスタ

律「…」

157: 2009/12/16(水) 01:22:23.55 ID:+f3cI/9LO
律「ちぇー澪のケチー…」

律「どーしよっかなー」

律「…ん?」

律(この箱…どっかで見たことあるよな…)


……………
澪「なんだよ律のやつ!」

澪「朝いきなり来たと思ったら…」

律『みおー遊園地行こうぜ!』

律『ん?もちろん二人でだよ!』

律『いつって…今日だよ今日!』

律『いきなりなら澪も断れないだろ!』

律『私は今日絶対に澪と二人で遊園地に行きたいんだ!』

澪「……」

158: 2009/12/16(水) 01:28:14.79 ID:+f3cI/9LO
………………

律「なんだったっけなー、この箱…」

律「ま、開けってみっか!」パカッ

びよーんっ

律「…なんだこりゃ。ビックリ箱……あ!」

────
ちび律『はっぴーばーすでー!』

ちび澪『…律…』パカッ

びよーんっ
ちび澪『ふぇっ!?』

ちび律『はっはっはー!引っかかった引っか……澪?』

ちび澪『 』

ちび律『み、みお?みおー?』
────

160: 2009/12/16(水) 01:32:57.33 ID:+f3cI/9LO
律「あのときの…」

律「澪…取って置いてくれたんだ…」

……………

澪「二人で遊園地行こうって…」

澪「実際は友達のデートの尾行…」

澪「久々に律と二人でお出かけだと思ったのに……」

澪(………ん?)

澪(…なんでこんなにガッカリしているんだ?)

澪「何期待してるんだろ…」

澪(……ん)

澪(私は期待していたのか?)

澪(……何に?)

163: 2009/12/16(水) 01:37:41.96 ID:+f3cI/9LO
澪「…まぁ…いいか…」

ガチャ

澪「律ー?お茶…」

律「澪!」

澪「え?な、何」

律「デートだ」

澪「……は?」

律「私たちも遊園地にデートに行くぞ!」

澪「ちょ、何…」

律「二人でデート!尾行もまぁするけど……ダメか?」

澪「………」

澪「…仕方ないな。」

律「っしゃあ!」

澪「付き合ってやるよ」

164: 2009/12/16(水) 01:43:40.16 ID:+f3cI/9LO
遊園地

唯「むっぎちゃーん!」

紬「唯ちゃん!こっちだよ」

唯「へへ…待ち合わせ時間、セーフ!
お待たせムギちゃん」

紬「良いのよ。それより…」ワクワク

唯「うん、行こう!」


澪「始まったみたいだな…」コソコソ

律「ああ…よし!追跡開始!」

165: 2009/12/16(水) 01:47:51.73 ID:+f3cI/9LO
唯「まずは何に乗る?」

紬「えっと……」オロオロ

唯「……ムギちゃん?」

紬「ん~…」

唯「ムギちゃん、遊園地初めて?」

紬「あ…実は…そうなの…」

唯「わかった!じゃあ私が案内するよ」

紬「ありがとう…」

166: 2009/12/16(水) 01:51:14.17 ID:+f3cI/9LO
唯「遊園地に来て一番最初はやっぱり…これだね!」

紬「…馬車?」

唯「メリーゴーランド!」
紬「へぇ…」

唯「行こう!」


律「最初はメリーゴーランドか…」

澪「あ、律!行くぞ!」

律(澪…なんだかんだ言ってノリノリじゃないか)

168: 2009/12/16(水) 02:07:29.66 ID:+f3cI/9LO
唯「ほら、ムギちゃん乗って?」

紬「ええ…」

唯「で、後ろに私が…っと」ギュ

紬「!!」カァ


澪「な!?」

律「一匹の馬を一人乗りだと!?」

澪「唯……チャレンジャーだな…」

律「私たちは…あれがいいんじゃないか?」

澪「ダメダメ。この屋根付きの馬車にしよう。これなら見つからない」

律(……詳しいな)

170: 2009/12/16(水) 02:10:38.51 ID:+f3cI/9LO
唯「次はコーヒーカップだ!」


紬「これを回すといいの?」

唯「うん!」

紬「えいっ」グルッ

ギュ──ン

唯「あわわわわわ」

紬「あ、あら!?」


律「あのめちゃくちゃ回ってるやつか?」

澪「…そうだな」

律「わっかりやすいなー…」

171: 2009/12/16(水) 02:17:59.63 ID:+f3cI/9LO


紬「ごめんね唯ちゃん!大丈夫…?」

唯「世界がぐるぐるする~…」


律「なんか……」

澪「…まるっきりデートだな…」

律「お、次はお化け屋敷だってよ!行くぞ!」

澪「おば…ッ…やだ!」

律「え」
律(あぁ、そっか。)

澪「行かない!絶対行かないったら行かない!」

律「…わかったよ。あの二人がお化け屋敷にいる間は何か乗ってよーぜ!」

澪「え……」

律「何に乗る?」

澪「…メリーゴーランド…」

172: 2009/12/16(水) 02:23:29.15 ID:+f3cI/9LO
紬「さすが、文化祭とは違うなー…」

唯「そーだねー」

唯(小さい頃、憂と和ちゃんと来たなぁ…)

唯(和ちゃん、一番大丈夫そうな顔してたけど繋いだ手は震えてて…)クス

唯(……和ちゃん……)

紬「…唯ちゃん?」

唯「あ、うん!何?」

紬「ボーっとしてたけど、疲れた?」

唯「う、ううん!だいじょぶだよ~」

紬「…そう」

唯「……」

紬「……」

お化け「……」

174: 2009/12/16(水) 02:26:13.28 ID:+f3cI/9LO
………………
…………
………


唯「もう暗くなってきたね…」

紬「次で最後かな」

唯「最後はやっぱり、アレかな!」

唯「観覧車!」

175: 2009/12/16(水) 02:29:19.77 ID:+f3cI/9LO
紬「キレイ……」

唯「だんだん高くなってきたね」

紬「唯ちゃん、今日はありがとう。とっても楽しかった!」

唯「いえいえ、こちらこそ~」

唯(てっぺんに来たらキス……ってベタかな?)

紬「…いえ、正しく言い直すと…」

紬「“今日まで”ありがとう。」

唯「え…?」

176: 2009/12/16(水) 02:31:36.43 ID:+f3cI/9LO
唯「ムギちゃん……?」

紬「ねぇ、唯ちゃん」

唯(もうすぐ)

紬「私たち……」

唯(もうすぐてっぺんに…)

紬「別れましょう?」

唯(てっぺんで…キ…ス…)

177: 2009/12/16(水) 02:36:23.69 ID:+f3cI/9LO
紬「唯ちゃんの心の中には、他の人がいるんじゃない?」

唯「それは…っ」

紬「私じゃない、誰か。」

唯「……」

紬「お見通しよ。…多分、みんな気づいてたわ」

紬「唯ちゃんは最近、寂しそうに笑うって。」

唯「ちがう……」

紬「嘘」

唯「ちがう……そんな…そんなこと……」

紬「うそ」

唯「わ、私は…ムギちゃんが…っ」

紬「唯ちゃん!」

唯「!」ビクッ

178: 2009/12/16(水) 02:42:33.39 ID:+f3cI/9LO
唯「うそ…なんか…じゃ…」

紬「じゃあ、唯ちゃん。」

紬「なんで涙を流しているの?」

唯「え……うそ…なんで…なん…っ」

紬「私はね、唯ちゃん。唯ちゃんが大好きよ。
りっちゃんも、澪ちゃんも、梓ちゃんも、さわ子先生も……」

紬「だからね。そんな寂しそうな顔はしないで…?」

唯「………」

紬「ここからはあなたの問題。一人で解決…できる?」

唯「…………」

180: 2009/12/16(水) 02:48:43.32 ID:+f3cI/9LO
唯「できる……解決…する…!」

紬「良かった…。」

観覧車が到着した。
ムギちゃんをチラリと見ると、私に優しく微笑みを浮かべた。

「いってらっしゃい」

「…いってきます」

一つ頷いて、走り出す。
彼女の元へ。

ありがとうムギちゃん。そしてごめんなさい。
やっぱり私は、彼女じゃないと駄目みたい。

息切れなんて、してない。疲れてなんかいない。
彼女の元へ、ただ走る。

183: 2009/12/16(水) 03:02:14.21 ID:+f3cI/9LO
「いいのか?」
唯ちゃんの後ろ姿を見送る。
ふふ、次に会う時は久しぶりに笑顔が見れるかな。

「…りっちゃん…澪ちゃん…」
後ろからかけられた声に振り返ると、親友が二人もいた。
「二人はデート中?」
「な、違…ッ、いや違わない?けど…」
この二人はまだお互いの気持ちに気が付いていないの…。
見ていて可愛らしいけれど、もどかしさも感じる。

「…コホン。で、ムギ。」
「はい」
「良いのか?行かせちゃって」
「…うん」
これで、みんなが笑顔になるから。みんなの笑顔が私の幸せだから。

「ちょっともったいないな、とか思ってない?」
「何を言っているの、りっちゃんったら」

優しいみんな。私の親友たち。
「私はみんなが大好きすぎて、一人なんて選べない。
…欲張り、なの」

だから。
みんなが幸せなら、それが一番嬉しいの。

ぎゅう、と二人が抱きしめてくれる。
暖かさがとても、心地よかった。

184: 2009/12/16(水) 03:06:51.47 ID:+f3cI/9LO
エピローグ

梓「そんなことがあったんだ…」

憂「…うん」

梓「そんなこと、誰も教えてくれなかったよー」

憂「ご、ごめんね梓ちゃん!色々、ゴチャゴチャしちゃって…」

梓「良いけど…今日のデートで何か奢ってね」

憂「うん、もちろん!」

185: 2009/12/16(水) 03:12:00.65 ID:+f3cI/9LO
梓「で…その後、唯先輩と…和先輩?はどうしたの?」

憂「ちゃんと仲直りできたみたい」

梓「そっか…」

憂「帰ってきたらお姉ちゃん、財布の中身がぺったんこになってて…」

梓「…まぁ、逆にそれくらいで済んで良かったんじゃない?」

憂「それはそうなんだけどね…」

梓「今は二人は付き合ってるの?」

憂「ううん、お姉ちゃんは頑張ってアタックしてるんだけど…なかなか手強いみたい」クス

梓「へぇ!あの唯先輩がねー」クス

187: 2009/12/16(水) 03:16:37.00 ID:+f3cI/9LO
憂「軽音部ではどう?」

梓「いつも通り」

梓「唯先輩は練習サボってお菓子食べてるし」

梓「律先輩も唯先輩とダラダラしてるし」

梓「それを澪先輩が叱って、ムギ先輩がニコニコしながら見てる…って感じ」

憂「律さんと澪さんは…」

梓「あ、そうそう。なんか二人してたまにモジモジしたり見つめあったりして…」

憂「ついに付き合い始めた?」

梓「いや、お互い気づいてない…」

憂「…あはは…」

188: 2009/12/16(水) 03:20:55.59 ID:+f3cI/9LO
梓「あ、あとね!最近おかしいのは…」

憂「うんうん」

梓「さわ子先生が澪先輩じゃなくてムギ先輩を弄ることが多くなったかも」

憂「へぇ…」

梓「おかげで私は最近平和だな~」

憂「ははは!平和って…」

189: 2009/12/16(水) 03:25:42.14 ID:+f3cI/9LO
唯「あれー?憂とあずにゃんだー!」

憂「お姉ちゃん!?」

和「偶然ね」

梓「こんにちは」

唯「なになにー?デート中だった!?」

憂「え!?あ…うん」コク

梓「唯先輩たちは?」

唯「もちろん!デート中で」
和「今度のクリスマス会のプレゼント買いに行ってたのよ」

唯「えー…デート…」

和「はいはいそうね」

190: 2009/12/16(水) 03:31:34.99 ID:+f3cI/9LO
唯「むぅ…」

和「ほら、むくれないで。ね?」ナデナデ

唯「…えへへ」

梓(心配する必要はないみたいだね)

憂(うん)

唯「見てみてー!さっきプレゼント買って福引き券貰ったんだー」

梓「あ、私たちも持ってます」

唯「一緒に行こーよ!」

憂「うん!」

唯「ごーごー!!」ダッ

和「あ、ちょっと!待ちなさい、唯!」

唯先輩たちはどんなプレゼントを買ったんだろう。
クリスマス会、楽しみだな。

梓「待ってくださいよ!唯先輩ーっ」

でもそれはまた別のお話…。

END

191: 2009/12/16(水) 03:35:23.56 ID:+f3cI/9LO
少し無理矢理な終わり方になってしまったでしょうか。
誤字脱字等あったらスミマセン

SSを書くのは初めてだったのですが、いかがでしたかね?
書き留めもなく頭に出てきたストーリーをパッパッと書いていたので読みにくい所もあるかもしれませんね。
質問とかもあればできる限りお答えします。

支援してくれた方、ありがとうございました!

192: 2009/12/16(水) 03:35:33.20 ID:1sD0nvDRQ

引用元: 唯「りっちゃん見て!男になっちゃた!」律「…」