1: 2015/03/15(日) 22:15:14.91 ID:XDRWhVAo0
海未ちゃんハピバ!
今日中には終わらんかなぁ…
のんびり投下していきます
今日中には終わらんかなぁ…
のんびり投下していきます
2: 2015/03/15(日) 22:17:16.47 ID:XDRWhVAo0
今は昔竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて、竹をとりつつ、萬の事につかひけり。
名をば「絢瀬絵里」となんいひける。
絵里「ふぅ…今日はこれくらいでいいかしら。希が心配するだろうし、今日は早めにエリチカおうち帰る! …あら、あれはなにかしら?」
絵里は竹林の中に根元が光る竹を一本見つけました。不思議に思い近寄ってみると、
竹の中に三寸ほどの何とも可愛らしい女の子がいました。
名をば「絢瀬絵里」となんいひける。
絵里「ふぅ…今日はこれくらいでいいかしら。希が心配するだろうし、今日は早めにエリチカおうち帰る! …あら、あれはなにかしら?」
絵里は竹林の中に根元が光る竹を一本見つけました。不思議に思い近寄ってみると、
竹の中に三寸ほどの何とも可愛らしい女の子がいました。
3: 2015/03/15(日) 22:19:50.18 ID:XDRWhVAo0
絵里「ハラショー! ちっちゃくて可愛らしい子ね。」
「…zzz」すやすや
絵里(このままこんな場所に置いていくわけには行かないわね…。連れて帰っても大丈夫かしら? 大丈夫よね!)
そういうわけで、絵里は女の子を手の中に大事に包み、おうちに帰りました。
絵里「希、ただいま! 今日はハラショーなものを見つけたわよ!」
希「おかえり、今日もお仕事お疲れ様、えりち。それでスピリチュアルなものがなんやって?」
絵里「もう、スピリチュアルじゃなくてハラショーよ! …まあ、そんなことはどうだっていいわね。
ふふん、見て驚きなさい。これよ!」ババーン
「…zzz」
希「おやおや、確かにハラショーでスピリチュアルな子やね。一体どこで拾ってきたん?」
絵里「実はかくかくちかちか…ってことなのよ!」
希「なるほど。不思議なこともあるもんやね。でも勝手に連れてきちゃって大丈夫だったんかな?」
絵里「うーん…私も少し悩んだんだけど、可愛くて…つい…///」
希「まあ可愛いのは認めるけどなぁ…」
「…zzz」すやすや
絵里(このままこんな場所に置いていくわけには行かないわね…。連れて帰っても大丈夫かしら? 大丈夫よね!)
そういうわけで、絵里は女の子を手の中に大事に包み、おうちに帰りました。
絵里「希、ただいま! 今日はハラショーなものを見つけたわよ!」
希「おかえり、今日もお仕事お疲れ様、えりち。それでスピリチュアルなものがなんやって?」
絵里「もう、スピリチュアルじゃなくてハラショーよ! …まあ、そんなことはどうだっていいわね。
ふふん、見て驚きなさい。これよ!」ババーン
「…zzz」
希「おやおや、確かにハラショーでスピリチュアルな子やね。一体どこで拾ってきたん?」
絵里「実はかくかくちかちか…ってことなのよ!」
希「なるほど。不思議なこともあるもんやね。でも勝手に連れてきちゃって大丈夫だったんかな?」
絵里「うーん…私も少し悩んだんだけど、可愛くて…つい…///」
希「まあ可愛いのは認めるけどなぁ…」
4: 2015/03/15(日) 22:27:28.73 ID:XDRWhVAo0
絵里「それに私たちには子供がいないでしょ? きっと神様が私たちに授けてくれたに違いないわ!」
「…」パチ
絵里「あ! 見て、希。目を覚ましたわよ!」
希「せやなー…でもやっぱり元の場所に戻した方が…」
「…」ジー
「…」ニコッ
希「」ピシャーーン ←電撃に撃ち抜かれる音
絵里「キャー、可愛い! ねぇねぇ希! いいでしょー?」
希「可愛すぎやろおおおおおおお」(ふっ…えりちは仕方ないなぁ…)
絵里「えっ」
希「えっ」
絵里「それはオーケーってことでいいのかしら?」
希「せ、せやね…」アセアセ
「…」パチ
絵里「あ! 見て、希。目を覚ましたわよ!」
希「せやなー…でもやっぱり元の場所に戻した方が…」
「…」ジー
「…」ニコッ
希「」ピシャーーン ←電撃に撃ち抜かれる音
絵里「キャー、可愛い! ねぇねぇ希! いいでしょー?」
希「可愛すぎやろおおおおおおお」(ふっ…えりちは仕方ないなぁ…)
絵里「えっ」
希「えっ」
絵里「それはオーケーってことでいいのかしら?」
希「せ、せやね…」アセアセ
5: 2015/03/15(日) 22:30:16.55 ID:XDRWhVAo0
絵里「やったぁ! ありがとう希!大好き!」ギュ
希「うちも好きやー!」ギュー!!
絵里「ふふ、そうだわ。この子に名前を付けてあげないといけないわね」
希「名前かぁ。竹から生まれてきたし「たけのこ」とか?」
絵里「た、たけのこ…? もう少し女の子らしい名前つけてあげないとかわいそうじゃない?」
希「うーん難しいなぁ…。この子の特徴といえば、あとはこの青みがかった黒髪かな?」
絵里「確かに美しい髪よね。まるで海みたいね」
希「海か…。ええんちゃう? 海ちゃん!」
絵里「いいわね!それじゃあ、今は未の刻だし、海未って書いて「うみ」でどうかしら?」
希「海未ちゃんか…ええやん!これからよろしくなー海未ちゃん」
海未「…///」ニコー
希「うちも好きやー!」ギュー!!
絵里「ふふ、そうだわ。この子に名前を付けてあげないといけないわね」
希「名前かぁ。竹から生まれてきたし「たけのこ」とか?」
絵里「た、たけのこ…? もう少し女の子らしい名前つけてあげないとかわいそうじゃない?」
希「うーん難しいなぁ…。この子の特徴といえば、あとはこの青みがかった黒髪かな?」
絵里「確かに美しい髪よね。まるで海みたいね」
希「海か…。ええんちゃう? 海ちゃん!」
絵里「いいわね!それじゃあ、今は未の刻だし、海未って書いて「うみ」でどうかしら?」
希「海未ちゃんか…ええやん!これからよろしくなー海未ちゃん」
海未「…///」ニコー
6: 2015/03/15(日) 22:39:40.21 ID:XDRWhVAo0
海未を見つけてからというもの、絵里が竹を取りに行くと竹の中に黄金が詰まっているものを見つけることが続きました。
絵里と希の家は次第に裕福になっていきました。海未はすくすくと成長し、1か月ほどで回りの子供と同じ大きさになりました。
海未「のぞみー!えりー!みてみてー!」
絵里「あらあら、海未ったらそんなに慌てたら転ぶわよ?」
海未「」ズデーン
絵里「きゃあああ!! 希!早く来てー!」
希「海未ちゃん、大丈夫?痛くない?」
海未「…」
海未「…」ジワッ
のぞえり「!?」
絵里「う、海未?大丈夫よ、痛くない、痛くなーい」アセアセ
希「痛いのとんでけー」アセアセ
海未「…グスン。うみ…うみ、泣かない…」
絵里「ホッ…海未はいい子ね」なでなで
絵里と希の家は次第に裕福になっていきました。海未はすくすくと成長し、1か月ほどで回りの子供と同じ大きさになりました。
海未「のぞみー!えりー!みてみてー!」
絵里「あらあら、海未ったらそんなに慌てたら転ぶわよ?」
海未「」ズデーン
絵里「きゃあああ!! 希!早く来てー!」
希「海未ちゃん、大丈夫?痛くない?」
海未「…」
海未「…」ジワッ
のぞえり「!?」
絵里「う、海未?大丈夫よ、痛くない、痛くなーい」アセアセ
希「痛いのとんでけー」アセアセ
海未「…グスン。うみ…うみ、泣かない…」
絵里「ホッ…海未はいい子ね」なでなで
7: 2015/03/15(日) 22:47:42.14 ID:XDRWhVAo0
海未「えへへー//」
希「ところで海未ちゃんは何をうちらに見せようとしたん?」
海未「!そうだっ!みてみてー石の下にいたんだよー!」
絵里「ひぃっ! ダンゴムシ!?」
海未「だんごむし…? お団子!?」
希「お団子だけど食べちゃだめやで? こうやってつっつくと…な?」
海未「わぁ!まるくなった!お団子みたいだね」
希「そう、だからダンゴムシっていうんや!」
海未「へぇー、のぞみものしり! うみ大きくなったらのぞみみたいになるー!」
希「ふふ…それじゃあ、いっぱい勉強しなきゃあかんなぁ。な、えりち?」
絵里「…」ガクガク
希(えりちは虫苦手なんかなぁ…)
希「ところで海未ちゃんは何をうちらに見せようとしたん?」
海未「!そうだっ!みてみてー石の下にいたんだよー!」
絵里「ひぃっ! ダンゴムシ!?」
海未「だんごむし…? お団子!?」
希「お団子だけど食べちゃだめやで? こうやってつっつくと…な?」
海未「わぁ!まるくなった!お団子みたいだね」
希「そう、だからダンゴムシっていうんや!」
海未「へぇー、のぞみものしり! うみ大きくなったらのぞみみたいになるー!」
希「ふふ…それじゃあ、いっぱい勉強しなきゃあかんなぁ。な、えりち?」
絵里「…」ガクガク
希(えりちは虫苦手なんかなぁ…)
8: 2015/03/15(日) 22:55:38.38 ID:XDRWhVAo0
海未「…?えり、大丈夫?ダンゴムシみる?」
絵里「だ、大丈夫よ、海未。だからダンゴムシは元の場所に返してあげなさい?ね?」
海未「えーせっかく捕まえたのにー。飼っちゃダメー?」
絵里「の、希ー」ナミダメ
希「うーん…海未ちゃん。ダンゴムシさんは自分のおうちに帰りたいんじゃないかなぁ?海未ちゃんも突然おうちから連れて行かれたら嫌やろ?」
海未「そっかー…。ダンゴムシさんごめんなさい。おうちにかえろうねー!」
絵里「希…ありがとう」
希「ふふ、えりち虫苦手やったけ?」
絵里「いや…ダンゴムシ…ダンゴムシだけは勘弁してちょうだい…」ガクガク
希(一体過去にどんなトラウマが…)
絵里「だ、大丈夫よ、海未。だからダンゴムシは元の場所に返してあげなさい?ね?」
海未「えーせっかく捕まえたのにー。飼っちゃダメー?」
絵里「の、希ー」ナミダメ
希「うーん…海未ちゃん。ダンゴムシさんは自分のおうちに帰りたいんじゃないかなぁ?海未ちゃんも突然おうちから連れて行かれたら嫌やろ?」
海未「そっかー…。ダンゴムシさんごめんなさい。おうちにかえろうねー!」
絵里「希…ありがとう」
希「ふふ、えりち虫苦手やったけ?」
絵里「いや…ダンゴムシ…ダンゴムシだけは勘弁してちょうだい…」ガクガク
希(一体過去にどんなトラウマが…)
9: 2015/03/15(日) 23:10:59.00 ID:XDRWhVAo0
絵里「海未、希!今日は花見に行くわよ!」
海未「花見?花見ってなぁに?」
希「それは行ってみてのお楽しみってことで」
海未「? 花見楽しい?」
絵里「そうね、ご馳走も作っていくからね!」
海未「! ご馳走!花見、楽しみ!」
希「ふふ、海未ちゃんはくいしんぼさんやな」
海未「むぅ…。うみ、食いしん坊じゃないもん。あなたは最低です!」
絵里「もう!希が変な言葉ばっかり教えるんだから!」
希「海未ちゃん。かしこい?」
海未「かわいい!」
絵里「エリーチカ!」
のぞうみ「ハラショー!」
絵里「こらー!!」
海未「花見?花見ってなぁに?」
希「それは行ってみてのお楽しみってことで」
海未「? 花見楽しい?」
絵里「そうね、ご馳走も作っていくからね!」
海未「! ご馳走!花見、楽しみ!」
希「ふふ、海未ちゃんはくいしんぼさんやな」
海未「むぅ…。うみ、食いしん坊じゃないもん。あなたは最低です!」
絵里「もう!希が変な言葉ばっかり教えるんだから!」
希「海未ちゃん。かしこい?」
海未「かわいい!」
絵里「エリーチカ!」
のぞうみ「ハラショー!」
絵里「こらー!!」
10: 2015/03/15(日) 23:20:02.39 ID:XDRWhVAo0
絵里「さあ、花見に出発よ!」
海未「えいえいおー!」
希「すっかり春やね。緑がいっぱいで気持ちええなぁ」
絵里「ほんとね。小川の流れる音が心地いいわ」
海未「あーてふてふだー!黄色てふてふに白てふてふー!」ワー
海未「かえるさんもいるよー。こんにちはー!」キャッキャッ
希「本当に海未ちゃんがウチに来てから幸せやなあ」
絵里「ええ、この幸せがいつまでも続くといいわね…」
希「ふふっ、きっとずーっと続くよ…」
絵里「希…」
希「えりち…」
のぞえり「…」イチャコライチャコラ
海未「…! あー希!絵里!あなたたちは破廉恥です!」
海未「えいえいおー!」
希「すっかり春やね。緑がいっぱいで気持ちええなぁ」
絵里「ほんとね。小川の流れる音が心地いいわ」
海未「あーてふてふだー!黄色てふてふに白てふてふー!」ワー
海未「かえるさんもいるよー。こんにちはー!」キャッキャッ
希「本当に海未ちゃんがウチに来てから幸せやなあ」
絵里「ええ、この幸せがいつまでも続くといいわね…」
希「ふふっ、きっとずーっと続くよ…」
絵里「希…」
希「えりち…」
のぞえり「…」イチャコライチャコラ
海未「…! あー希!絵里!あなたたちは破廉恥です!」
11: 2015/03/15(日) 23:27:35.77 ID:XDRWhVAo0
絵里「海未ごめんね。やきもち妬いちゃったかしら?」
海未「やきもち?…それはおいしいです?」
希「どうやろ?今日のおべんとさんに入ってるかもよ?」
海未「えりー、やきもち入ってる?」
絵里「うーん…やきもちは入ってないかなぁ…フフ」
海未「そうですか…今度食べたいなぁ」
希「海未ちゃんは可愛いなぁ」
絵里「…希、後でちゃんと教えてあげなさい」
希「はーい♪」
海未「やきもち?…それはおいしいです?」
希「どうやろ?今日のおべんとさんに入ってるかもよ?」
海未「えりー、やきもち入ってる?」
絵里「うーん…やきもちは入ってないかなぁ…フフ」
海未「そうですか…今度食べたいなぁ」
希「海未ちゃんは可愛いなぁ」
絵里「…希、後でちゃんと教えてあげなさい」
希「はーい♪」
12: 2015/03/15(日) 23:35:47.37 ID:XDRWhVAo0
絵里「あっ桜の木が見えてきたわよ!」
希「ほら!海未ちゃんあれが桜の木やで」
海未「…!! きれい…」
絵里「ほんとに綺麗な桜ね。ちょうど見ごろだわ」
希「ハラショーってやつやね」
絵里「私のセリフが…」
海未「わーい!桜だー!花見だー!」ダッ
絵里「ちょっと海未ー!走ったらまた危ないわよー!」
希「わーい!…うちらもいこ?」ダッ
絵里「…しょうがないわねぇ…クスッ」ダッ
希「ほら!海未ちゃんあれが桜の木やで」
海未「…!! きれい…」
絵里「ほんとに綺麗な桜ね。ちょうど見ごろだわ」
希「ハラショーってやつやね」
絵里「私のセリフが…」
海未「わーい!桜だー!花見だー!」ダッ
絵里「ちょっと海未ー!走ったらまた危ないわよー!」
希「わーい!…うちらもいこ?」ダッ
絵里「…しょうがないわねぇ…クスッ」ダッ
13: 2015/03/15(日) 23:49:01.86 ID:XDRWhVAo0
桜の木の下で走り回る海未は無邪気で可愛らしく、また舞いを踊るように可憐で美しかった。
思えば海未のいるところは家の中でもいつでもお日様の光に照らされたように明るく輝いていた。
仕事に疲れているときでも海未を見ていると自然と元気が湧いてきた。
さらに数か月経つと、海未は絵里や希と変わらないほどにまで成長し、成人の儀式を済ませた。
その容姿は何にも形容しがたく比肩するものがないほど美しかった。
そんな彼女を見た人々はこんな噂をするようになった。
「竹から生まれた輝くように美しい姫である」
海未はそんな人々から「なよ竹の輝夜姫」と呼ばれるようになった。
思えば海未のいるところは家の中でもいつでもお日様の光に照らされたように明るく輝いていた。
仕事に疲れているときでも海未を見ていると自然と元気が湧いてきた。
さらに数か月経つと、海未は絵里や希と変わらないほどにまで成長し、成人の儀式を済ませた。
その容姿は何にも形容しがたく比肩するものがないほど美しかった。
そんな彼女を見た人々はこんな噂をするようになった。
「竹から生まれた輝くように美しい姫である」
海未はそんな人々から「なよ竹の輝夜姫」と呼ばれるようになった。
14: 2015/03/15(日) 23:57:56.66 ID:XDRWhVAo0
世間の人々は身分の高い人も低い人も皆、輝夜姫を手に入れたい、結婚したいと思うようになりました。
昼夜を問わず家の周りに人が集まり輝夜姫の姿を一目見たいと思い覗くのであった。
海未は家の中から出ることはなくなり、絵里や希も家の周りに集まった人々を相手にしないようにした。
やがて時が経つとあまり熱心でない人は家に来ることはなくなった。
しかし、それでもあきらめきれない5人の人物がいたのであった。
昼夜を問わず家の周りに人が集まり輝夜姫の姿を一目見たいと思い覗くのであった。
海未は家の中から出ることはなくなり、絵里や希も家の周りに集まった人々を相手にしないようにした。
やがて時が経つとあまり熱心でない人は家に来ることはなくなった。
しかし、それでもあきらめきれない5人の人物がいたのであった。
15: 2015/03/16(月) 00:05:55.82 ID:5TPeFBje0
ことり「輝夜姫、今日もでてこないなぁ…」
花陽「うう…ずっと何も食べずに見てたからお腹減ったよぉ…。ダレカタスケテー!」
にこ「全く!このにこにーが1か月も通い続けているのに姿を見せないなんて!」
凛「にこちゃんはともかくかよちんに振り向かないなんてよっぽどにゃ」
にこ「ちょっとそれどーゆー意味よ!」
真姫「にこちゃんうるさい。静かにしないと輝夜姫が姿みせてくれないじゃない」
花陽「け、けんかはよくないよー?」
ことり「けんかする奴はことりのおやつにしちゃうぞー♪」
花陽「うう…ずっと何も食べずに見てたからお腹減ったよぉ…。ダレカタスケテー!」
にこ「全く!このにこにーが1か月も通い続けているのに姿を見せないなんて!」
凛「にこちゃんはともかくかよちんに振り向かないなんてよっぽどにゃ」
にこ「ちょっとそれどーゆー意味よ!」
真姫「にこちゃんうるさい。静かにしないと輝夜姫が姿みせてくれないじゃない」
花陽「け、けんかはよくないよー?」
ことり「けんかする奴はことりのおやつにしちゃうぞー♪」
17: 2015/03/16(月) 00:15:56.29 ID:5TPeFBje0
凛「かよちんの言う通り!かよちんが正義!かよちんがルールにゃ!」
花陽「えへへ、凛ちゃん…///」
にこ「…もうあんたらが結婚すればいいじゃない」
凛「それとこれは別だよ」
花陽「そうだよ、にこちゃん。何言ってるの?」
にこ「そ、そう…悪かったわね」(なんで私が謝ってるのかしら?)
真姫「ふぁ~あ…でも、さすがにこんなに通っていて姿も見られないんじゃ退屈しちゃうわ…」
ことり「ちゅん…おいしいお菓子を作ってきたのに今日も冷めちゃったよ…」
真姫「ことり、よかったらひとついただけるかしら?」
ことり「あ、うん。どうぞ♪」
真姫「ありがとう、いただくわ…うん、とってもおいしいわ」
ことり「ありがとう♪ みんなもよかったらどうぞ!」
花陽「えへへ、凛ちゃん…///」
にこ「…もうあんたらが結婚すればいいじゃない」
凛「それとこれは別だよ」
花陽「そうだよ、にこちゃん。何言ってるの?」
にこ「そ、そう…悪かったわね」(なんで私が謝ってるのかしら?)
真姫「ふぁ~あ…でも、さすがにこんなに通っていて姿も見られないんじゃ退屈しちゃうわ…」
ことり「ちゅん…おいしいお菓子を作ってきたのに今日も冷めちゃったよ…」
真姫「ことり、よかったらひとついただけるかしら?」
ことり「あ、うん。どうぞ♪」
真姫「ありがとう、いただくわ…うん、とってもおいしいわ」
ことり「ありがとう♪ みんなもよかったらどうぞ!」
18: 2015/03/16(月) 00:26:03.71 ID:5TPeFBje0
にこ「確かにおいしいわね。今度わたしも作ってこようかしら」
凛「凛も家人に作らせるにゃ」
花陽「私は最高のもち米から作ったお団子持ってくるね!」
ことり「じゃあ女子会だね! みんなでお菓子をもって明日に輝夜姫の門集合だね!」
真姫「ちょ、ちょっと!この真姫ちゃんを忘れるんじゃないわよ!」
花陽「もちろん、真姫ちゃんも一緒だよ♪」
真姫「ま、まあ、それなら行ってあげないこともないんだからねっ!」
希(…この人たち、人んちの前で何しようとしとるん?)
凛「凛も家人に作らせるにゃ」
花陽「私は最高のもち米から作ったお団子持ってくるね!」
ことり「じゃあ女子会だね! みんなでお菓子をもって明日に輝夜姫の門集合だね!」
真姫「ちょ、ちょっと!この真姫ちゃんを忘れるんじゃないわよ!」
花陽「もちろん、真姫ちゃんも一緒だよ♪」
真姫「ま、まあ、それなら行ってあげないこともないんだからねっ!」
希(…この人たち、人んちの前で何しようとしとるん?)
19: 2015/03/16(月) 00:40:11.46 ID:5TPeFBje0
希「ただいまー」
絵里「おかえりなさい、希」
希「相変わらず家の周りは騒がしいなぁ…。まあ海未ちゃんが人気者なんはええことやけど」
海未「おかえりなさい。いいことなんてないですよ…。私もたまには外に出たいのですが…」
絵里「そうねぇ。このままだと確かに海未もまいっちゃうわね。」
希「何かいい方法はないやろか」
絵里「ねぇ海未。この際だしあの中の誰かとお付き合いしてみるのはどうかしら?」
海未「なっそんなの嫌ですよ! あの方たちのさっきの話、聞きましたか? 人の家の門前で女子会を開こうとしているのですよ!? そんな非常識な方のお嫁に行くつもりはありません! 私はずっと希と絵里と過ごします!」
希「うーん、それはそれで嬉しいんやけど…。女の子はいつかは結婚してお嫁に行くもんなんよ?」
絵里「希の言う通りよ。それにあのような高貴な身分の方と結婚できるなんて幸せなことじゃない」
絵里「おかえりなさい、希」
希「相変わらず家の周りは騒がしいなぁ…。まあ海未ちゃんが人気者なんはええことやけど」
海未「おかえりなさい。いいことなんてないですよ…。私もたまには外に出たいのですが…」
絵里「そうねぇ。このままだと確かに海未もまいっちゃうわね。」
希「何かいい方法はないやろか」
絵里「ねぇ海未。この際だしあの中の誰かとお付き合いしてみるのはどうかしら?」
海未「なっそんなの嫌ですよ! あの方たちのさっきの話、聞きましたか? 人の家の門前で女子会を開こうとしているのですよ!? そんな非常識な方のお嫁に行くつもりはありません! 私はずっと希と絵里と過ごします!」
希「うーん、それはそれで嬉しいんやけど…。女の子はいつかは結婚してお嫁に行くもんなんよ?」
絵里「希の言う通りよ。それにあのような高貴な身分の方と結婚できるなんて幸せなことじゃない」
20: 2015/03/16(月) 00:49:32.02 ID:5TPeFBje0
海未「高貴な身分の方と結婚することが本当に幸せなのでしょうか…。私にはよくわかりません。それに私に目もくれず女子会の計画を立てて、本当に私のことを愛してくれるのでしょうか…?」
絵里「海未のいうことも一理あるわね。それじゃあ、海未はどれくらい愛情がある人なら結婚しようと思うの?」
海未「そうですね…。それでは以前本で読んだものの中で私が見てみたいものがいくつかあります。それを持ってきてくださった方となら信頼してお付き合いができます」
希「ふむ、ええんやないか? それじゃあさっそく伝えてくるな?」
絵里「海未のいうことも一理あるわね。それじゃあ、海未はどれくらい愛情がある人なら結婚しようと思うの?」
海未「そうですね…。それでは以前本で読んだものの中で私が見てみたいものがいくつかあります。それを持ってきてくださった方となら信頼してお付き合いができます」
希「ふむ、ええんやないか? それじゃあさっそく伝えてくるな?」
25: 2015/03/17(火) 00:57:36.10 ID:H2H/s4Eh0
凛「…それでねー、唐の国のおそばがすっごくおいしかったんだよ!」
真姫「へぇーそれはちょっと食べてみたいわね」
ことり「でも遣唐使は廃止になっちゃったし、なかなか難しいよねー」
にこ「まったく貴族にとって住みづらい世になったものだわ」
花陽「大丈夫です!おそばがなければお米を食べればいいんです!」
真姫「…ほんとに花陽はお米が好きなのね」
にこ「花陽の領地の農民は大変ね…」
花陽「そんなっ!租税率は標準より低いくらいですっ!ホワイト企業です!お米のように真っ白です!そもそもよきお米はよき農民からしか作られなくてですね…」
真姫「ホワイト企業…?聞かない言葉ね」イミワカンナイ
ことり「真姫ちゃん、それについては深くつっこんじゃだめだよ!」
凛「凛はこっちのかよちんも好きにゃー!」
わいのわいの
希(…本当にこの人たちに海未ちゃんを任せて大丈夫やろか)
真姫「へぇーそれはちょっと食べてみたいわね」
ことり「でも遣唐使は廃止になっちゃったし、なかなか難しいよねー」
にこ「まったく貴族にとって住みづらい世になったものだわ」
花陽「大丈夫です!おそばがなければお米を食べればいいんです!」
真姫「…ほんとに花陽はお米が好きなのね」
にこ「花陽の領地の農民は大変ね…」
花陽「そんなっ!租税率は標準より低いくらいですっ!ホワイト企業です!お米のように真っ白です!そもそもよきお米はよき農民からしか作られなくてですね…」
真姫「ホワイト企業…?聞かない言葉ね」イミワカンナイ
ことり「真姫ちゃん、それについては深くつっこんじゃだめだよ!」
凛「凛はこっちのかよちんも好きにゃー!」
わいのわいの
希(…本当にこの人たちに海未ちゃんを任せて大丈夫やろか)
26: 2015/03/17(火) 01:01:11.97 ID:H2H/s4Eh0
希「ま、まぁいっか……おーい、みなさーん」
にこ「! あっ希!」
ことり「希ちゃん!輝夜姫は!?輝夜姫は今日も出てこないんですか!?」
凛「凛、もう待ちくたびれたよー!」
希「ふっふっふ…そんな皆さんに今日はいい話を持ってきたんやで!」
真姫「いい話?」
希「せやで。うm…輝夜姫がお願いがあるそうなんよ。それで、もしそのお願いを叶えてくれる人がいたら結婚を考えるって言ってるんよ」
ことり「ことりどんなお願いでも聞いちゃうよ!」
花陽「そ、それで、そのお願いってなんなんですか…?」
希「うん、なんでも見てみたいものがあるとか…まあ詳しいことは中で話そっか」
にこ「! あっ希!」
ことり「希ちゃん!輝夜姫は!?輝夜姫は今日も出てこないんですか!?」
凛「凛、もう待ちくたびれたよー!」
希「ふっふっふ…そんな皆さんに今日はいい話を持ってきたんやで!」
真姫「いい話?」
希「せやで。うm…輝夜姫がお願いがあるそうなんよ。それで、もしそのお願いを叶えてくれる人がいたら結婚を考えるって言ってるんよ」
ことり「ことりどんなお願いでも聞いちゃうよ!」
花陽「そ、それで、そのお願いってなんなんですか…?」
希「うん、なんでも見てみたいものがあるとか…まあ詳しいことは中で話そっか」
27: 2015/03/17(火) 01:08:47.14 ID:H2H/s4Eh0
~~~~~
海未「皆さん、ようこそおいでくださいました。長い年月門前にいらしていながら大した御もてなしもできずに申し訳ありません」
にこ「にこはーそんなことぜーんぜん気にしてないからー大丈夫にこ♪」
花陽「ああ、輝夜姫…。お会いできて光栄です…」
真姫「透き通るような綺麗な声…」
凛「凄い美貌の持ち主ってことが声だけでわかるにゃ…」
ことり「あのー…できればお顔を見せていただけないでしょうか?輝夜姫」
海未「そ、それは、恥ずかしいので無理ですっ…/// …それよりも、輝夜姫というのは人々が勝手に呼ぶだけの名です。私のことはどうか海未とお呼びください」
花陽「海未…素敵な名前ですね♪」
海未「ありがとうございます。絵里と希からいただいた大切な名前なので、そういっていただけると嬉しいです」
真姫「それで…海未?わたしたちにお願いっていうのは?」
海未「皆さん、ようこそおいでくださいました。長い年月門前にいらしていながら大した御もてなしもできずに申し訳ありません」
にこ「にこはーそんなことぜーんぜん気にしてないからー大丈夫にこ♪」
花陽「ああ、輝夜姫…。お会いできて光栄です…」
真姫「透き通るような綺麗な声…」
凛「凄い美貌の持ち主ってことが声だけでわかるにゃ…」
ことり「あのー…できればお顔を見せていただけないでしょうか?輝夜姫」
海未「そ、それは、恥ずかしいので無理ですっ…/// …それよりも、輝夜姫というのは人々が勝手に呼ぶだけの名です。私のことはどうか海未とお呼びください」
花陽「海未…素敵な名前ですね♪」
海未「ありがとうございます。絵里と希からいただいた大切な名前なので、そういっていただけると嬉しいです」
真姫「それで…海未?わたしたちにお願いっていうのは?」
28: 2015/03/17(火) 01:14:22.50 ID:H2H/s4Eh0
海未「そうでした。実は以前本で読んだ世の大変珍しいものを一度見てみたくて…。貴族のあなた方なら手に入れられるのではないかと思いまして」
花陽「ふふっお安いご用です!海未ちゃんのためならどんなものでもお持ちしましょう!」ドヤァ
海未「本当ですか!それでは小泉花陽皇子。あなたには仏の御石の鉢というものを持ってきていただきましょう」ニコッ
花陽「ピャァッ!? 仏の御石の鉢ぃぃい!?」ダレカタスケテー
海未「そして、西木野真姫皇子。この本によると東の海に蓬莱山というものがあるそうです。そこでは銀色の根を持ち、金を茎として、白い珠を実に結ぶという木があります。その枝を一本取ってきてください」ニコッ
真姫「ヴぇぇ!? なにそれ!」イミワカンナイ
海未「右大臣星空凛。あなたは唐の国に詳しいと伺いましたが、それは本当ですか?」
凛「そ、その通り!唐の国のおそばは絶品なんだよ!…もしかして、海未ちゃんも唐のおそばが食べたいのかにゃ?仕方ないな~すぐに手配して…」
海未「唐土にある火鼠の皮衣って知ってますか!?囲炉裏にくべても燃えないそうなんですよ!それが見てみたいです!」キラキラ
凛「にゃ…にゃー…」
花陽「ふふっお安いご用です!海未ちゃんのためならどんなものでもお持ちしましょう!」ドヤァ
海未「本当ですか!それでは小泉花陽皇子。あなたには仏の御石の鉢というものを持ってきていただきましょう」ニコッ
花陽「ピャァッ!? 仏の御石の鉢ぃぃい!?」ダレカタスケテー
海未「そして、西木野真姫皇子。この本によると東の海に蓬莱山というものがあるそうです。そこでは銀色の根を持ち、金を茎として、白い珠を実に結ぶという木があります。その枝を一本取ってきてください」ニコッ
真姫「ヴぇぇ!? なにそれ!」イミワカンナイ
海未「右大臣星空凛。あなたは唐の国に詳しいと伺いましたが、それは本当ですか?」
凛「そ、その通り!唐の国のおそばは絶品なんだよ!…もしかして、海未ちゃんも唐のおそばが食べたいのかにゃ?仕方ないな~すぐに手配して…」
海未「唐土にある火鼠の皮衣って知ってますか!?囲炉裏にくべても燃えないそうなんですよ!それが見てみたいです!」キラキラ
凛「にゃ…にゃー…」
29: 2015/03/17(火) 01:21:52.37 ID:H2H/s4Eh0
海未「大納言矢澤にこ。この世で一番強い動物はなんだと思います?」
にこ「そうねー…日本だとやっぱり狼とかかしら…?あ、でも唐にいる虎の方が強いかしら?」
海未「竜です」
にこ「」
海未「竜の首には5色に光り輝く珠があると聞きます!それを取ってきていただけないでしょうか?」
にこ「ニ…ニッコニッコニー…」
海未「そして中納言南ことり。あなたには燕の子安貝を持ってきていただきましょう」
ことり「ちゅん…」
海未「そういうわけで皆さん、よろしくお願いします」ニコッ
5人「…」
5人(この…箱入り娘がぁーーー!!!)
にこ「そうねー…日本だとやっぱり狼とかかしら…?あ、でも唐にいる虎の方が強いかしら?」
海未「竜です」
にこ「」
海未「竜の首には5色に光り輝く珠があると聞きます!それを取ってきていただけないでしょうか?」
にこ「ニ…ニッコニッコニー…」
海未「そして中納言南ことり。あなたには燕の子安貝を持ってきていただきましょう」
ことり「ちゅん…」
海未「そういうわけで皆さん、よろしくお願いします」ニコッ
5人「…」
5人(この…箱入り娘がぁーーー!!!)
30: 2015/03/17(火) 01:29:26.00 ID:H2H/s4Eh0
~~~~~~
絵里「あれから家の周りに誰も来なくなったわね」
希「あれだけ大物の5人がフラれたとなればそりゃあ…ね」
絵里「それにしても海未も意地が悪いわね。あんな無理難題を吹っかけて追い払っちゃうなんて…。」
希「家の周りをうろつかれるのが嫌だったなら、そうとはっきり言ってあげた方がよかったかもしれんなぁ」
海未「? 何を言ってるんですか?本に書いてあるものですし、見つけられないものではないと思うんですが…?」
のぞえり(…天然っ!?)
海未「…それはそうと、せっかく人もいなくなったことですし、どこかに出かけませんか?」
絵里「そうね。海未、どこか行きたい所はあるかしら?」
海未「そうですね…それなら花見に行きませんか?」
絵里「あれから家の周りに誰も来なくなったわね」
希「あれだけ大物の5人がフラれたとなればそりゃあ…ね」
絵里「それにしても海未も意地が悪いわね。あんな無理難題を吹っかけて追い払っちゃうなんて…。」
希「家の周りをうろつかれるのが嫌だったなら、そうとはっきり言ってあげた方がよかったかもしれんなぁ」
海未「? 何を言ってるんですか?本に書いてあるものですし、見つけられないものではないと思うんですが…?」
のぞえり(…天然っ!?)
海未「…それはそうと、せっかく人もいなくなったことですし、どこかに出かけませんか?」
絵里「そうね。海未、どこか行きたい所はあるかしら?」
海未「そうですね…それなら花見に行きませんか?」
31: 2015/03/17(火) 01:41:00.65 ID:H2H/s4Eh0
希「花見かぁ…。一年前を思い出すな♪」
絵里「あのころはまだ海未がこーんなにちっちゃくて可愛かったんだから!」
海未「むぅ…」
絵里「もちろん今でも可愛いわよ!」ギュー
海未「ちょ、ちょっと絵里…///」
希「あーえりちばっかりずるーい!うちも混ぜてー」
海未「もう、二人とも!私はもう子供じゃないんですよ!」
絵里「私たちにとってはいつまでも大切な子どもよ!」
希「そう!もっと甘えてもええんやで?」
海未「…け、結構です!破廉恥です!」ダッ
絵里「あらあら」
希「素直になればいいのになぁ」
絵里「ふふ、そうね。…そうだ!せっかくだし久しぶりにご馳走も手作りしようかしら」
希「おお!それは楽しみやね!最近は家人に作ってもらってばかりでえりちの手料理食べれんかったもんな」
絵里「腕によりをかけるわね!」
希「うん!あっ、焼き餅を忘れずにな?」
絵里「…海未に怒られるわよ?」
海未(…)
海未(…変わってしまったのは私だけなのでしょうか)
絵里「あのころはまだ海未がこーんなにちっちゃくて可愛かったんだから!」
海未「むぅ…」
絵里「もちろん今でも可愛いわよ!」ギュー
海未「ちょ、ちょっと絵里…///」
希「あーえりちばっかりずるーい!うちも混ぜてー」
海未「もう、二人とも!私はもう子供じゃないんですよ!」
絵里「私たちにとってはいつまでも大切な子どもよ!」
希「そう!もっと甘えてもええんやで?」
海未「…け、結構です!破廉恥です!」ダッ
絵里「あらあら」
希「素直になればいいのになぁ」
絵里「ふふ、そうね。…そうだ!せっかくだし久しぶりにご馳走も手作りしようかしら」
希「おお!それは楽しみやね!最近は家人に作ってもらってばかりでえりちの手料理食べれんかったもんな」
絵里「腕によりをかけるわね!」
希「うん!あっ、焼き餅を忘れずにな?」
絵里「…海未に怒られるわよ?」
海未(…)
海未(…変わってしまったのは私だけなのでしょうか)
32: 2015/03/17(火) 01:46:18.62 ID:H2H/s4Eh0
3年後
希「海未ちゃん!大変やで!」
海未「希?どうしたのですか?そんなに慌てて」
希「そ、それが…」
花陽「海未ちゃん!ただいま!」
海未「! あなたは…小泉花陽皇子でしたっけ?」
花陽「そうです!忘れてないよね?」
海未「え、ええ、まあ…」
花陽「ふふ、でももう大丈夫。これからは忘れたくても忘れられない存在になるからね!」
海未「え?どういう意味でしょうか…?」
花陽「海未ちゃんは鈍感さんだね♪ ほら、これみて!仏の御石の鉢だよ!」
海未「! こ、これが噂の…?」
海未(おや?手紙が入っていますね)
希「海未ちゃん!大変やで!」
海未「希?どうしたのですか?そんなに慌てて」
希「そ、それが…」
花陽「海未ちゃん!ただいま!」
海未「! あなたは…小泉花陽皇子でしたっけ?」
花陽「そうです!忘れてないよね?」
海未「え、ええ、まあ…」
花陽「ふふ、でももう大丈夫。これからは忘れたくても忘れられない存在になるからね!」
海未「え?どういう意味でしょうか…?」
花陽「海未ちゃんは鈍感さんだね♪ ほら、これみて!仏の御石の鉢だよ!」
海未「! こ、これが噂の…?」
海未(おや?手紙が入っていますね)
33: 2015/03/17(火) 01:55:35.00 ID:H2H/s4Eh0
海山の道に心を尽くし果てないしの鉢の涙流れき
(海や山の道でいっぱい泣いて、鉢を手に入れるために血の涙が流れたよぉ…)
花陽「…」ドヤッ
海未(この鉢…。本物は光輝くほどと聞いていましたが、全く輝いていませんね。どうやら偽物のようです)
海未「花陽皇子。こちらがお返事でございます」
置く露の光をだにも宿さまし小倉の山にて何もとめけむ
(これが本物ならば露のような光くらいあるでしょう。ほの暗いだけのこのような物のため、小倉山で何をしてたのですか)
花陽(ど、どうしよう!?偽物だってばれてるよぉ…)
花陽「う、海未ちゃん?…怒ってます?」
海未「…全然、怒ってないですよ?」ニコニコ
花陽(絶対怒ってるよー!!)
花陽(も、もうどうにでもなれー)ガシャーン←鉢を捨てる音
白山にあへば光の失するかと鉢を捨てても頼まるるかな
(白山みたいにきれいな海未ちゃんの前だと鉢の光も消えちゃうんじゃないかなぁ…と思って鉢を捨てて(恥を捨てて)いいます。花陽と付き合ってください!)
海未「お断りします」
花陽「海未ちゃんのばかーーー!!」ダッ
海未「…」
海未「…ダジャレは嫌いじゃなかったです」
(海や山の道でいっぱい泣いて、鉢を手に入れるために血の涙が流れたよぉ…)
花陽「…」ドヤッ
海未(この鉢…。本物は光輝くほどと聞いていましたが、全く輝いていませんね。どうやら偽物のようです)
海未「花陽皇子。こちらがお返事でございます」
置く露の光をだにも宿さまし小倉の山にて何もとめけむ
(これが本物ならば露のような光くらいあるでしょう。ほの暗いだけのこのような物のため、小倉山で何をしてたのですか)
花陽(ど、どうしよう!?偽物だってばれてるよぉ…)
花陽「う、海未ちゃん?…怒ってます?」
海未「…全然、怒ってないですよ?」ニコニコ
花陽(絶対怒ってるよー!!)
花陽(も、もうどうにでもなれー)ガシャーン←鉢を捨てる音
白山にあへば光の失するかと鉢を捨てても頼まるるかな
(白山みたいにきれいな海未ちゃんの前だと鉢の光も消えちゃうんじゃないかなぁ…と思って鉢を捨てて(恥を捨てて)いいます。花陽と付き合ってください!)
海未「お断りします」
花陽「海未ちゃんのばかーーー!!」ダッ
海未「…」
海未「…ダジャレは嫌いじゃなかったです」
34: 2015/03/17(火) 02:07:10.68 ID:H2H/s4Eh0
真姫「ふ…ふふふ…。ついに…ついに完成したわ…」
真姫(全国から有名な職人を集めて作らせた蓬莱の珠の枝…。どこからどうみても本物同然!)
真姫(まあパーフェクト真姫ちゃんの手にかかればこんなものよ!さあ、海未にプロポーズに行きましょう♪)
~~~~
真姫「う、海未…ただい…ま…」
海未「ま、真姫!?苦しそうですが大丈夫ですか!?」
真姫「え、えぇ…たった今…航海から帰ってきたのよ…ぐふっ」
真姫(ふふっさすが私。演技もバッチリね!)
海未「そうだったのですね…。それで、蓬莱の珠の枝は見つかりましたか?」
真姫「ふふん…これよっ!」バァーン
海未「おおっ、これは…素晴らしいですね!とっても美しいです!」
真姫「チッチッチ」枝に結んだ手紙を指さしながら
海未(手紙…?)
いたづらに身はなしつとも珠の枝を手折らでさらに帰らざらまし
(例え私が氏んでも、珠の枝を折らずに帰ることは決してなかったわ!)
海未(…この手紙は微妙ですね)
真姫「え?この私の武勇伝を聴きたいですって?仕方ないわね~」
海未「は、はぁ…」
真姫(全国から有名な職人を集めて作らせた蓬莱の珠の枝…。どこからどうみても本物同然!)
真姫(まあパーフェクト真姫ちゃんの手にかかればこんなものよ!さあ、海未にプロポーズに行きましょう♪)
~~~~
真姫「う、海未…ただい…ま…」
海未「ま、真姫!?苦しそうですが大丈夫ですか!?」
真姫「え、えぇ…たった今…航海から帰ってきたのよ…ぐふっ」
真姫(ふふっさすが私。演技もバッチリね!)
海未「そうだったのですね…。それで、蓬莱の珠の枝は見つかりましたか?」
真姫「ふふん…これよっ!」バァーン
海未「おおっ、これは…素晴らしいですね!とっても美しいです!」
真姫「チッチッチ」枝に結んだ手紙を指さしながら
海未(手紙…?)
いたづらに身はなしつとも珠の枝を手折らでさらに帰らざらまし
(例え私が氏んでも、珠の枝を折らずに帰ることは決してなかったわ!)
海未(…この手紙は微妙ですね)
真姫「え?この私の武勇伝を聴きたいですって?仕方ないわね~」
海未「は、はぁ…」
35: 2015/03/17(火) 02:24:37.18 ID:H2H/s4Eh0
真姫「そう…あれは、一昨年の2月頃だったかしら…」
蓬莱山を目指して航海に出た私は、早速遭難したわ!でも、私の完璧な頭脳であっといまに解決!
本当に私がいなかったらみんな危なかったんだからね?航海の途中では海の魔物が現れたわ。
まあ、これも私が一瞬で退治してやったんだけどね!真姫ちゃんじゃなかったらみんなやられていたわね…。
長い航海では食料がなくなることもあったわ。まあこの私は空腹なんかちっとも気にならなかったけどね!
ほかのみんなはそんな私の姿に励まされてなんとかなったわ。これも私のお陰ね!
そんな困難を乗り越えるとふと目の前に大きな山が…!そこでは天女が銀の椀で水を汲んでるの。
いい?天女よ、天女。天女にここはどこか聞くとなんとそこが夢にまで見た蓬莱山!
遂にここまで来たのね! 山をふとみると話に聞いた通り、根が銀、茎が金、実が真珠の木が生えていたわ。
それでね?その枝を一つ折って持ってきたのがなんだと思う?そう、そのまさかよ。
真姫「今目の前にあるその枝がまさに蓬莱の珠の枝なのよ!」
蓬莱山を目指して航海に出た私は、早速遭難したわ!でも、私の完璧な頭脳であっといまに解決!
本当に私がいなかったらみんな危なかったんだからね?航海の途中では海の魔物が現れたわ。
まあ、これも私が一瞬で退治してやったんだけどね!真姫ちゃんじゃなかったらみんなやられていたわね…。
長い航海では食料がなくなることもあったわ。まあこの私は空腹なんかちっとも気にならなかったけどね!
ほかのみんなはそんな私の姿に励まされてなんとかなったわ。これも私のお陰ね!
そんな困難を乗り越えるとふと目の前に大きな山が…!そこでは天女が銀の椀で水を汲んでるの。
いい?天女よ、天女。天女にここはどこか聞くとなんとそこが夢にまで見た蓬莱山!
遂にここまで来たのね! 山をふとみると話に聞いた通り、根が銀、茎が金、実が真珠の木が生えていたわ。
それでね?その枝を一つ折って持ってきたのがなんだと思う?そう、そのまさかよ。
真姫「今目の前にあるその枝がまさに蓬莱の珠の枝なのよ!」
36: 2015/03/17(火) 02:52:04.14 ID:H2H/s4Eh0
海未「な、なるほど…」
真姫「ふふ、恐れ入ったかしら? さあ海未。この頭脳明晰で勇敢で頼もしい真姫ちゃんと今すぐ結婚しましょう!」
海未「そうですね…。私のお願いも聞いていただきましたし…」
真姫「じゃ、じゃあ…ちゅーしてもいいかしら?」
海未「なっ!ちゅ…接吻ですか…!? そんな破廉恥なこと…まだ早いです…///」
真姫「駄目よ、海未。今度はあなたが私のお願いを聞く番でしょ?」
海未「そ、そんな…。ちょ、ちょっと待ってください!」
真姫「嫌!もう待てないわ!」
海未「い、いやです!やめてください…!」
「お待ちください、真姫様!!」
真姫「なによ…?いいところだったのに」
ヒデコ「真姫様!お楽しみのところ失礼します」
フミコ「恐れながら私たちは蓬莱の珠の枝をお作りした報酬をまだいただいておりません」
ミカ「忘れないうちにいただけないでしょうか?」
真姫「はぁあ!?今そんなことどうでもいいでしょ!?空気を読みなさいよ!」
真姫「まったく…さあ、海未。続きを…!?」ゾクッ
海未「真姫?説明していただけますか?」ニッコリ
真姫「ふふ、恐れ入ったかしら? さあ海未。この頭脳明晰で勇敢で頼もしい真姫ちゃんと今すぐ結婚しましょう!」
海未「そうですね…。私のお願いも聞いていただきましたし…」
真姫「じゃ、じゃあ…ちゅーしてもいいかしら?」
海未「なっ!ちゅ…接吻ですか…!? そんな破廉恥なこと…まだ早いです…///」
真姫「駄目よ、海未。今度はあなたが私のお願いを聞く番でしょ?」
海未「そ、そんな…。ちょ、ちょっと待ってください!」
真姫「嫌!もう待てないわ!」
海未「い、いやです!やめてください…!」
「お待ちください、真姫様!!」
真姫「なによ…?いいところだったのに」
ヒデコ「真姫様!お楽しみのところ失礼します」
フミコ「恐れながら私たちは蓬莱の珠の枝をお作りした報酬をまだいただいておりません」
ミカ「忘れないうちにいただけないでしょうか?」
真姫「はぁあ!?今そんなことどうでもいいでしょ!?空気を読みなさいよ!」
真姫「まったく…さあ、海未。続きを…!?」ゾクッ
海未「真姫?説明していただけますか?」ニッコリ
37: 2015/03/17(火) 03:04:29.08 ID:H2H/s4Eh0
真姫「う…」
真姫「うわあぁぁああん!!」ダッ
ヒデコ「真姫様!お待ちください!」
フミコ「まだ報酬が…」
海未「あなたたち!」
ミカ「はい、なんでしょう?」
海未「先ほどは助けていただいてありがとうございました。その報酬ですが、よろしければ私が支払ってもよろしいでしょうか?」
ヒデコ「本当にいいんですか?お高いですよ?」
海未「ええ、構いませんよ。ほんの気持ちですから」
フミコ「ありがとうございます!」
ミカ「はい、請求書です!」
海未「」
真姫「うわあぁぁああん!!」ダッ
ヒデコ「真姫様!お待ちください!」
フミコ「まだ報酬が…」
海未「あなたたち!」
ミカ「はい、なんでしょう?」
海未「先ほどは助けていただいてありがとうございました。その報酬ですが、よろしければ私が支払ってもよろしいでしょうか?」
ヒデコ「本当にいいんですか?お高いですよ?」
海未「ええ、構いませんよ。ほんの気持ちですから」
フミコ「ありがとうございます!」
ミカ「はい、請求書です!」
海未「」
42: 2015/03/19(木) 22:45:52.31 ID:+P/UW2IM0
凛「海未ちゃーーん!海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃーーん!!」ダダダ
海未「おや、凛。ごきげんよう。お久しぶりですね」
凛「うん!ただいま、海未ちゃん!」
海未「おかえりなさい。凛は相変わらず元気ですね」
凛「えへへ、それが凛の取り柄だから!」
海未「ふふ、凛らしいですね。…それはそうとちょうどお昼ご飯にしようと思っていたのですが、よかったら一緒にどうですか?」
凛「ほんと!?やったぁ!ぜひご一緒させてもらうにゃ!」
海未「それでは、すぐにご用意しますね」
凛「…」ズルズル
海未「…」ズルズル
凛「…うっまいにゃー!」
海未「そうですね。さすが絵里です」
凛「…料理なんて家人にやらせればいいのに」
海未「それが我が家の方針なのです。それに絵里も好きでやっているみたいなので」
凛「料理が好きなんて絵里ちゃんは変わってるね」
海未「おや、凛。ごきげんよう。お久しぶりですね」
凛「うん!ただいま、海未ちゃん!」
海未「おかえりなさい。凛は相変わらず元気ですね」
凛「えへへ、それが凛の取り柄だから!」
海未「ふふ、凛らしいですね。…それはそうとちょうどお昼ご飯にしようと思っていたのですが、よかったら一緒にどうですか?」
凛「ほんと!?やったぁ!ぜひご一緒させてもらうにゃ!」
海未「それでは、すぐにご用意しますね」
凛「…」ズルズル
海未「…」ズルズル
凛「…うっまいにゃー!」
海未「そうですね。さすが絵里です」
凛「…料理なんて家人にやらせればいいのに」
海未「それが我が家の方針なのです。それに絵里も好きでやっているみたいなので」
凛「料理が好きなんて絵里ちゃんは変わってるね」
43: 2015/03/19(木) 22:47:21.98 ID:+P/UW2IM0
海未「そうですか? 好きな人のために何かしてあげたいと、絵里はそう言ってました」
凛「…ふーん…凛には理解できないな」ズルズル
海未「…そうですか」ズルズル
凛「…」ズルズル
凛「それにしても、日本のおそばも久しぶりだといいものだにゃ」
海未「まるで日本にしばらくいなかったみたいな物いいですね?」
凛「うん!ずっと唐に行ってたんだよ!…って、すっかり忘れてたにゃ!」
凛「みてみて、海未ちゃん! …じゃじゃーん!!」
海未「! これは…なんとも美しい布ですね。唐土のものでしょうか?」
凛「えー…海未ちゃん、約束忘れちゃったの?これが火鼠の皮衣だよ!」
海未「こ、これが火鼠の皮衣…」
凛「そうだよ!これを手に入れるためにすっごいたくさんお金使ったんだから!」
凛「さ、約束通り、海未ちゃん。凛と結婚しよ?」
海未「…」
凛「…ふーん…凛には理解できないな」ズルズル
海未「…そうですか」ズルズル
凛「…」ズルズル
凛「それにしても、日本のおそばも久しぶりだといいものだにゃ」
海未「まるで日本にしばらくいなかったみたいな物いいですね?」
凛「うん!ずっと唐に行ってたんだよ!…って、すっかり忘れてたにゃ!」
凛「みてみて、海未ちゃん! …じゃじゃーん!!」
海未「! これは…なんとも美しい布ですね。唐土のものでしょうか?」
凛「えー…海未ちゃん、約束忘れちゃったの?これが火鼠の皮衣だよ!」
海未「こ、これが火鼠の皮衣…」
凛「そうだよ!これを手に入れるためにすっごいたくさんお金使ったんだから!」
凛「さ、約束通り、海未ちゃん。凛と結婚しよ?」
海未「…」
44: 2015/03/19(木) 22:48:43.00 ID:+P/UW2IM0
凛「海未ちゃん?まさか今更いやなんて言わないよね?凛知ってるよ、貴族が嘘をつくと重い罰を受けること」
海未「…そうですね。私も嘘は大嫌いです」
凛「! だよねだよね!それじゃあ、早速式典の準備を…」
海未「…なので、この火鼠の皮衣が本物であることを証明してくれませんか?」
凛「ふーん…海未ちゃんは凛が嘘をついて偽物を持ってきたと思ってるんだ?」
海未「いえ、凛を疑っているわけではありません。ただ火鼠の皮衣は火にくべると一層輝きを増すそうです。それを見せてはくれないでしょうか?」
凛「そっか、それならいいよ!これは唐の商人から買った正真正銘本物だからなーんの問題もないにゃ!」
海未「それは楽しみですね。では準備をさせるので少々お待ちを」
「輝夜姫様。準備が整いました」
海未「ええ、ありがとうございます」
凛「よーし!それじゃあ、いっくにゃー!!」
海未「…そうですね。私も嘘は大嫌いです」
凛「! だよねだよね!それじゃあ、早速式典の準備を…」
海未「…なので、この火鼠の皮衣が本物であることを証明してくれませんか?」
凛「ふーん…海未ちゃんは凛が嘘をついて偽物を持ってきたと思ってるんだ?」
海未「いえ、凛を疑っているわけではありません。ただ火鼠の皮衣は火にくべると一層輝きを増すそうです。それを見せてはくれないでしょうか?」
凛「そっか、それならいいよ!これは唐の商人から買った正真正銘本物だからなーんの問題もないにゃ!」
海未「それは楽しみですね。では準備をさせるので少々お待ちを」
「輝夜姫様。準備が整いました」
海未「ええ、ありがとうございます」
凛「よーし!それじゃあ、いっくにゃー!!」
45: 2015/03/19(木) 22:51:14.57 ID:+P/UW2IM0
皮衣「」バサー
皮衣「」
皮衣「」ボゥ…
皮衣「」メラメラメラ
凛「にゃぁああああああぁ!!?」
凛「き、消えろ!消えろー!!あちちっ!」
皮衣「」ブスブス
凛「あっ…ああ…。こ、こんなのって…あんまりにゃ…」グスン
海未「…」
凛「! う、海未ちゃん!?これは違うの!凛は悪くないの!全部あいつが…あの商人が凛を騙したんだ!」
凛「それに海未ちゃんだって、燃やせって言わなければこんなことには…。ほんとに高かったんだからね!」
凛「そうだよ…凛は悪くない…。凛は悪くない…。だから…だから海未ちゃん…もう一度凛と…」
海未「…嘘つき」ニコッ
凛「!!」
凛「…」グスン
凛「ご、ごめんなさいーーー!!」ダッ
海未「…」
海未(ふぅ…私のことを愛してくれる人はみんな嘘つきばかりです…。きっと私への愛も偽りのものなんでしょう…)
皮衣「」
皮衣「」ボゥ…
皮衣「」メラメラメラ
凛「にゃぁああああああぁ!!?」
凛「き、消えろ!消えろー!!あちちっ!」
皮衣「」ブスブス
凛「あっ…ああ…。こ、こんなのって…あんまりにゃ…」グスン
海未「…」
凛「! う、海未ちゃん!?これは違うの!凛は悪くないの!全部あいつが…あの商人が凛を騙したんだ!」
凛「それに海未ちゃんだって、燃やせって言わなければこんなことには…。ほんとに高かったんだからね!」
凛「そうだよ…凛は悪くない…。凛は悪くない…。だから…だから海未ちゃん…もう一度凛と…」
海未「…嘘つき」ニコッ
凛「!!」
凛「…」グスン
凛「ご、ごめんなさいーーー!!」ダッ
海未「…」
海未(ふぅ…私のことを愛してくれる人はみんな嘘つきばかりです…。きっと私への愛も偽りのものなんでしょう…)
46: 2015/03/19(木) 22:53:35.98 ID:+P/UW2IM0
~~~~~~
海未「そういえば、にことことりの報告がまだですね。何か聞いていませんか?」
希「そうやねぇ。にこっちは噂によると本当に竜を探して航海に出たらしいで?」
海未「流石にこですね」
絵里「にこは武士の出身だからかしら。ああ見えて頼もしいところあるわよね」
海未「それではもうじき戻ってくるかもしれないですね」
希「無事だとええんやけどな」
そのころ
びゅおおおおおお!!
にこ「ちょっとお!!どうなってんのよ、この嵐は!?」
船頭「にこ様!これ以上は無理でございます!」
にこ「ここまで来て諦めろっていうの!?ぜっっったい竜を倒してやるんだから!」
船頭「あ!危ない!!」ドンッ
ゴロゴロピシャーーン!!
にこ「きゃぁ!ってあぶな…」
船頭「ああ…これは竜神様の怒りだ…。もう私たちは助からないんだ…」
にこ「な、何弱気になってんの…よ!き…気合が足りないのよ!気合が…」
ザブーーン!!
にこ「うわぁあああ!!」
海未「そういえば、にことことりの報告がまだですね。何か聞いていませんか?」
希「そうやねぇ。にこっちは噂によると本当に竜を探して航海に出たらしいで?」
海未「流石にこですね」
絵里「にこは武士の出身だからかしら。ああ見えて頼もしいところあるわよね」
海未「それではもうじき戻ってくるかもしれないですね」
希「無事だとええんやけどな」
そのころ
びゅおおおおおお!!
にこ「ちょっとお!!どうなってんのよ、この嵐は!?」
船頭「にこ様!これ以上は無理でございます!」
にこ「ここまで来て諦めろっていうの!?ぜっっったい竜を倒してやるんだから!」
船頭「あ!危ない!!」ドンッ
ゴロゴロピシャーーン!!
にこ「きゃぁ!ってあぶな…」
船頭「ああ…これは竜神様の怒りだ…。もう私たちは助からないんだ…」
にこ「な、何弱気になってんの…よ!き…気合が足りないのよ!気合が…」
ザブーーン!!
にこ「うわぁあああ!!」
47: 2015/03/19(木) 22:55:48.00 ID:+P/UW2IM0
船頭「神様…どうか…どうかお助けを…」
にこ「うぅ…」
船頭「神様お願いします…。私には家族がいるんです…」
にこ「…」
にこ「…にこからもお願いするわ。竜神様、ごめんなさい。もうあなたの命を狙わないわ。だから…無事に家に帰してください。お願いします!」
船頭「お願いします…お願いします…」
にこ「お願いします…お願いします…」
……………
………
…
にこ「はぁ…はぁ…なんとか岸にたどり着いたわね…」ゼェゼェ
船頭「ありがとうございます…にこ様の思いがきっと神様に届いたお陰です!」
にこ「別に…にこは大したことしてないわよ」
にこ「それよりいいの?早く家族に顔をみせてあげなくて?」
船頭「あ、ありがとうございます!このご恩は一生忘れません!失礼します!」タッタッタッ
にこ「まったく…。骨折り損のくたびれ儲けね…。こんなのはもうこりごりだわ」
にこ(…たまには家族に顔みせに行こうかしら)
にこ「うぅ…」
船頭「神様お願いします…。私には家族がいるんです…」
にこ「…」
にこ「…にこからもお願いするわ。竜神様、ごめんなさい。もうあなたの命を狙わないわ。だから…無事に家に帰してください。お願いします!」
船頭「お願いします…お願いします…」
にこ「お願いします…お願いします…」
……………
………
…
にこ「はぁ…はぁ…なんとか岸にたどり着いたわね…」ゼェゼェ
船頭「ありがとうございます…にこ様の思いがきっと神様に届いたお陰です!」
にこ「別に…にこは大したことしてないわよ」
にこ「それよりいいの?早く家族に顔をみせてあげなくて?」
船頭「あ、ありがとうございます!このご恩は一生忘れません!失礼します!」タッタッタッ
にこ「まったく…。骨折り損のくたびれ儲けね…。こんなのはもうこりごりだわ」
にこ(…たまには家族に顔みせに行こうかしら)
48: 2015/03/19(木) 22:59:19.07 ID:+P/UW2IM0
~~~~~
ことり「あっ!燕さん待って~!!」
ぱたぱた
ことり「ちゅん…(;8:)」
ことり(子安貝、なかなか見つからないなぁ…)
「ことり様!降ろしますよー!」
ことり「あ!ちょっと待って!燕の巣の中に何かある…」
「ああ!ことり様!?急に動くと危ないですよ!?」
ことり「うー…もう…少し…」
ぐら…
ことり「きゃああ!!」ドスン!!
「ことり様!ことり様ぁ!?大丈夫ですか!?」
ことり(×8×)
ことり「あっ!燕さん待って~!!」
ぱたぱた
ことり「ちゅん…(;8:)」
ことり(子安貝、なかなか見つからないなぁ…)
「ことり様!降ろしますよー!」
ことり「あ!ちょっと待って!燕の巣の中に何かある…」
「ああ!ことり様!?急に動くと危ないですよ!?」
ことり「うー…もう…少し…」
ぐら…
ことり「きゃああ!!」ドスン!!
「ことり様!ことり様ぁ!?大丈夫ですか!?」
ことり(×8×)
49: 2015/03/19(木) 23:02:14.14 ID:+P/UW2IM0
海未「ことりが腰の骨を折った!?」
希「うん…燕の子安貝を取ろうとして、屋根から落ちちゃったみたいなんよ」
絵里「それは気の毒ね…」
海未「そんな…私のせいで…」
希「あまり自分を責めちゃあかんよ?」
海未「いえ、私に非があるのは間違いないです。何かことりのためにできることはないでしょうか…」
絵里「そうね…。それじゃあお見舞いの手紙を書いてあげたらどうかしら?」
希「ことりちゃんきっと喜ぶで!」
海未「それがいいですね。…それでは一筆したためましょう」
『ことりへ。子安貝を取ろうとして怪我をなさったと聞きました。私のせいで大変申し訳ありません。何か私にできることがありましたら行ってくださいね?』
『海未ちゃんへ。結婚してちゅん(・8・)』
『ことりへ。…そうですね。ことりがそれを望むなら責任をもって謹んでお受けしましょう』
『輝夜姫様へ。中納言南ことり様の家人の者です。輝夜姫様のお返事の刺激が強すぎたようで、ことり様の症状が悪化されました。結婚のお話はなかったことにさせていただきます』
海未「ああ…ことりの為にと結婚を決意しましたが…裏目にでてしまいました。本当に気の毒なことをしてしまいました…」
絵里「し、仕方ないわよ?人生こんなこともあるわ」アセアセ
希「海未ちゃんは罪な女やなぁ」
絵里「ちょっと希!追い打ちかけてどうすんのよ!」
海未「うぅ…私は最低です…」
希「ご、ごめんな?」
海未「…少し、一人にさせてください…」
絵里「海未…」
希「海未ちゃん…」
希「うん…燕の子安貝を取ろうとして、屋根から落ちちゃったみたいなんよ」
絵里「それは気の毒ね…」
海未「そんな…私のせいで…」
希「あまり自分を責めちゃあかんよ?」
海未「いえ、私に非があるのは間違いないです。何かことりのためにできることはないでしょうか…」
絵里「そうね…。それじゃあお見舞いの手紙を書いてあげたらどうかしら?」
希「ことりちゃんきっと喜ぶで!」
海未「それがいいですね。…それでは一筆したためましょう」
『ことりへ。子安貝を取ろうとして怪我をなさったと聞きました。私のせいで大変申し訳ありません。何か私にできることがありましたら行ってくださいね?』
『海未ちゃんへ。結婚してちゅん(・8・)』
『ことりへ。…そうですね。ことりがそれを望むなら責任をもって謹んでお受けしましょう』
『輝夜姫様へ。中納言南ことり様の家人の者です。輝夜姫様のお返事の刺激が強すぎたようで、ことり様の症状が悪化されました。結婚のお話はなかったことにさせていただきます』
海未「ああ…ことりの為にと結婚を決意しましたが…裏目にでてしまいました。本当に気の毒なことをしてしまいました…」
絵里「し、仕方ないわよ?人生こんなこともあるわ」アセアセ
希「海未ちゃんは罪な女やなぁ」
絵里「ちょっと希!追い打ちかけてどうすんのよ!」
海未「うぅ…私は最低です…」
希「ご、ごめんな?」
海未「…少し、一人にさせてください…」
絵里「海未…」
希「海未ちゃん…」
50: 2015/03/19(木) 23:05:24.25 ID:+P/UW2IM0
ことり「やだやだやだー!ことりは海未ちゃんと結婚するのー!!」
真姫「何馬鹿なこと言ってんのよ!そんな体じゃまともに生活もできないじゃない!」
ことり「いーやーだー!!」ジタバタ
真姫「ちょ、ちょっと、そんなに動いたらまた腰を痛めるわよ!?」
ことり「ピィッ!?」グキッ
真姫「はあ…だから言ったじゃないの…」
ことり「ふぇーん…真姫ちゃーん、助けてー…」グスグス
真姫「全く…ほら、大丈夫?」
ことり「ありがとう…」
真姫「どういたしまして」
ことり「それにしても真姫ちゃんがいてくれて本当に助かったよ」
真姫「そうよ、結構危ない状態だったのよ?原作だと氏んじゃうところだったんだから!」
ことり「さすが真姫ちゃんだね」
真姫「まあ当然でしょ!この私の前では歴史を変えることも容易いわ!」
ことり「ふふ…頼もしいね」
真姫「困ったことがあったらいつでも相談してくれていいんだから」
ことり「うん!ありがとう!真姫ちゃん大好き!」
真姫「ヴェェ!?…と、突然変なこと言わないでよね!」
真姫「何馬鹿なこと言ってんのよ!そんな体じゃまともに生活もできないじゃない!」
ことり「いーやーだー!!」ジタバタ
真姫「ちょ、ちょっと、そんなに動いたらまた腰を痛めるわよ!?」
ことり「ピィッ!?」グキッ
真姫「はあ…だから言ったじゃないの…」
ことり「ふぇーん…真姫ちゃーん、助けてー…」グスグス
真姫「全く…ほら、大丈夫?」
ことり「ありがとう…」
真姫「どういたしまして」
ことり「それにしても真姫ちゃんがいてくれて本当に助かったよ」
真姫「そうよ、結構危ない状態だったのよ?原作だと氏んじゃうところだったんだから!」
ことり「さすが真姫ちゃんだね」
真姫「まあ当然でしょ!この私の前では歴史を変えることも容易いわ!」
ことり「ふふ…頼もしいね」
真姫「困ったことがあったらいつでも相談してくれていいんだから」
ことり「うん!ありがとう!真姫ちゃん大好き!」
真姫「ヴェェ!?…と、突然変なこと言わないでよね!」
51: 2015/03/19(木) 23:10:41.77 ID:+P/UW2IM0
ことり「…」
真姫「…」
ことり「…真姫ちゃん」
真姫「…なによ」
ことり「…ずっとことりの側に居てくれる?」
真姫「…そうね。怪我が治るまでは一緒にいてあげるわ」
ことり「そのあとは?」
真姫「…」
ことり「怪我が治ったあとも一緒にいてくれる?」
真姫「……わよ」ボソ
ことり「え?」
真姫「いいわよって言ってんの…/// 全く…仕方ないわね!」
ことり「ほんと!?真姫ちゃーん!!」ギュっ
真姫「!?ちょ…ちょっと…///」
真姫「また腰を痛めるわよ?」
ことり「」グキッ
真姫「あ…」
ことり「ふぇーん…(;8;)」
真姫「はぁ…しばらくは絶対安静!私が世界、私が掟よ!」
ことり「は…はぁい…」
真姫「ふふ…♪」
真姫「…」
ことり「…真姫ちゃん」
真姫「…なによ」
ことり「…ずっとことりの側に居てくれる?」
真姫「…そうね。怪我が治るまでは一緒にいてあげるわ」
ことり「そのあとは?」
真姫「…」
ことり「怪我が治ったあとも一緒にいてくれる?」
真姫「……わよ」ボソ
ことり「え?」
真姫「いいわよって言ってんの…/// 全く…仕方ないわね!」
ことり「ほんと!?真姫ちゃーん!!」ギュっ
真姫「!?ちょ…ちょっと…///」
真姫「また腰を痛めるわよ?」
ことり「」グキッ
真姫「あ…」
ことり「ふぇーん…(;8;)」
真姫「はぁ…しばらくは絶対安静!私が世界、私が掟よ!」
ことり「は…はぁい…」
真姫「ふふ…♪」
52: 2015/03/19(木) 23:13:44.11 ID:+P/UW2IM0
バァーン!!
凛「ことりちゃーん!大丈夫ー!?」
花陽「はぁ…はぁ…凛ちゃーん待ってー…」ゼェゼェ
ことり「凛ちゃん!花陽ちゃん!」
真姫「あら、二人とも久しぶりね」
凛「うん!ことりちゃんが大けがしたって聞いて飛んできたんだ!」
花陽「ゼェゼェ…」グッタリ
真姫「はい、花陽。これでも飲んで落ち着きなさい」
花陽「あ、ありがと…」ゴクゴク
ことり「わざわざありがとう、二人とも」
凛「どういたしまして!…でも思ったより大丈夫で安心したにゃ」
真姫「この私が看病したんだから当然でしょ」
凛「さっすが真姫ちゃんだにゃ!」ギュッ
真姫「もうっ!急に抱き着かないで!」
ことり「凛ちゃん!真姫ちゃんはことりのものなんだよ!」
花陽「ええっ!?」
真姫「べ、別にことりのものになったわけではないわよ!」
凛「とか言っちゃって真姫ちゃん嬉しそうだねー」ニヤニヤ
真姫「も、もう!」
ことり「ちゅんちゅん♪」
凛「ことりちゃーん!大丈夫ー!?」
花陽「はぁ…はぁ…凛ちゃーん待ってー…」ゼェゼェ
ことり「凛ちゃん!花陽ちゃん!」
真姫「あら、二人とも久しぶりね」
凛「うん!ことりちゃんが大けがしたって聞いて飛んできたんだ!」
花陽「ゼェゼェ…」グッタリ
真姫「はい、花陽。これでも飲んで落ち着きなさい」
花陽「あ、ありがと…」ゴクゴク
ことり「わざわざありがとう、二人とも」
凛「どういたしまして!…でも思ったより大丈夫で安心したにゃ」
真姫「この私が看病したんだから当然でしょ」
凛「さっすが真姫ちゃんだにゃ!」ギュッ
真姫「もうっ!急に抱き着かないで!」
ことり「凛ちゃん!真姫ちゃんはことりのものなんだよ!」
花陽「ええっ!?」
真姫「べ、別にことりのものになったわけではないわよ!」
凛「とか言っちゃって真姫ちゃん嬉しそうだねー」ニヤニヤ
真姫「も、もう!」
ことり「ちゅんちゅん♪」
53: 2015/03/19(木) 23:19:53.92 ID:+P/UW2IM0
バァーン!!
にこ「ことり!大丈夫!?」
凛「にこちゃん、そのやりとりはもう済ませたにゃ」
にこ「ちょっと!久しぶりに会っていきなりその反応はなくない!?」
ことり「ことりは大丈夫だよ。お見舞いありがとう」
にこ「まあ、無事ならいいんだけどね」
ことり「うん、真姫ちゃんのお陰だよ」
にこ「へぇーやるじゃないの」
真姫「べ、別に大したことないんだから!」
凛「…」ニヤニヤ
真姫「」つ真姫チョップ
凛「いったいにゃー!」
にこ「ちょっと、病室では静かにしなさいよね…」
ことり「私は賑やかな方が楽しいよ♪」
にこ「そ、ことりらしいわね」
花陽「そ、そうだ!花陽、お見舞いにおにぎりを握って来たのでみんなで食べませんか?」
ことり「ありがとう、花陽ちゃん♪」
真姫「あら、気が利くわね」
凛「かよちんのおにぎりは世界一にゃ!」
にこ「ほら、にこも差し入れ持ってきてあげたわよ」
ことり「にこちゃんもありがとう♪」
凛「それじゃあさっそくいただきまーす!」
にこ「ことり!大丈夫!?」
凛「にこちゃん、そのやりとりはもう済ませたにゃ」
にこ「ちょっと!久しぶりに会っていきなりその反応はなくない!?」
ことり「ことりは大丈夫だよ。お見舞いありがとう」
にこ「まあ、無事ならいいんだけどね」
ことり「うん、真姫ちゃんのお陰だよ」
にこ「へぇーやるじゃないの」
真姫「べ、別に大したことないんだから!」
凛「…」ニヤニヤ
真姫「」つ真姫チョップ
凛「いったいにゃー!」
にこ「ちょっと、病室では静かにしなさいよね…」
ことり「私は賑やかな方が楽しいよ♪」
にこ「そ、ことりらしいわね」
花陽「そ、そうだ!花陽、お見舞いにおにぎりを握って来たのでみんなで食べませんか?」
ことり「ありがとう、花陽ちゃん♪」
真姫「あら、気が利くわね」
凛「かよちんのおにぎりは世界一にゃ!」
にこ「ほら、にこも差し入れ持ってきてあげたわよ」
ことり「にこちゃんもありがとう♪」
凛「それじゃあさっそくいただきまーす!」
54: 2015/03/19(木) 23:27:44.48 ID:+P/UW2IM0
真姫「うん、おいしいわね」
花陽「…こうして5人で集まると3年前を思い出すね」
にこ「結局みんな振られたってことでいいのよね?」
真姫「まあ、そうね」
ことり「ことりはフラれてないけどね!」
凛「えっそうなの?」
真姫「似たようなもんでしょ。それに燕の子安貝だと思ってつかんだ燕のフンで大けがするなんて…笑えない話よ」
ことり「うう…お恥ずかしい…」
真姫「結局誰も海未の心は手に入れられなかったのよ」
花陽「そっか…。花陽たちは一体何が足りなかったんだろう」
にこ「さあね。でも海未が本当に欲しかったものは珍しい宝物なんかじゃなかったんだと思うわ」
ことり「宝物より欲しいものかぁ」
凛「凛にはやっぱりよくわかんないよ…」
真姫「そうね…例えばお月様とかじゃないかしら?」
にこ「はぁ?何それ?」
真姫「た、例え話よ!」
花陽「でも、それ何となくわかります」
花陽「海未ちゃんってなんとなくお月様みたいじゃないかな?」
凛「あーわかるにゃ!海未ちゃんってきらきらしててすっごいきれいだし!」
ことり「あれ?今って海未ちゃんが欲しがっているものがお月様っていう話じゃなかったっけ?」
凛「た、確かに…」
花陽「はぁぅ…ご、ごめんなさい…」
ことり「あ、謝らないでいいんだよ?確かに海未ちゃんはお月様みたいだとは思うし!」
真姫「海未がお月様か…」
にこ(海未がお月様なら…太陽は一体誰なのかしら…?)
花陽「…こうして5人で集まると3年前を思い出すね」
にこ「結局みんな振られたってことでいいのよね?」
真姫「まあ、そうね」
ことり「ことりはフラれてないけどね!」
凛「えっそうなの?」
真姫「似たようなもんでしょ。それに燕の子安貝だと思ってつかんだ燕のフンで大けがするなんて…笑えない話よ」
ことり「うう…お恥ずかしい…」
真姫「結局誰も海未の心は手に入れられなかったのよ」
花陽「そっか…。花陽たちは一体何が足りなかったんだろう」
にこ「さあね。でも海未が本当に欲しかったものは珍しい宝物なんかじゃなかったんだと思うわ」
ことり「宝物より欲しいものかぁ」
凛「凛にはやっぱりよくわかんないよ…」
真姫「そうね…例えばお月様とかじゃないかしら?」
にこ「はぁ?何それ?」
真姫「た、例え話よ!」
花陽「でも、それ何となくわかります」
花陽「海未ちゃんってなんとなくお月様みたいじゃないかな?」
凛「あーわかるにゃ!海未ちゃんってきらきらしててすっごいきれいだし!」
ことり「あれ?今って海未ちゃんが欲しがっているものがお月様っていう話じゃなかったっけ?」
凛「た、確かに…」
花陽「はぁぅ…ご、ごめんなさい…」
ことり「あ、謝らないでいいんだよ?確かに海未ちゃんはお月様みたいだとは思うし!」
真姫「海未がお月様か…」
にこ(海未がお月様なら…太陽は一体誰なのかしら…?)
55: 2015/03/19(木) 23:32:00.92 ID:+P/UW2IM0
穂乃果「いやだっ!!」
英玲奈「そ、そうは言いましても…困ります…」
穂乃果「嫌なものは嫌なのっ!だって政なんて全然つまんないんだもーん」
英玲奈「それが帝様のお仕事でございますので…」
穂乃果「べぇーっだ!…はぁ~何か楽しいことないかな~…」
英玲奈「そうですね…そういえば面白い話を都で聞きましたね」
穂乃果「へぇ~どんなのどんなの?」
英玲奈「なんでも竹から生まれた絶世の美人がいるというお話です」
穂乃果「竹から生まれた!?もっと詳しく聞かせてよ!」
英玲奈(食いつくところはそっちなのですね…。しかしこれは使える…)
英玲奈「それでは帝様がお仕事をなさったらお聞かせしましょう」
穂乃果「ぐぬぬ…そんなの卑怯だよ…」
英玲奈「ちなみにお仕事をなさらなければ今日のおやつも抜きですよ」
穂乃果「うわぁーん!帝に対してこの仕打ち!絶対おかしいよぉ!」カリカリ
英玲奈(ちょろい)
英玲奈「そ、そうは言いましても…困ります…」
穂乃果「嫌なものは嫌なのっ!だって政なんて全然つまんないんだもーん」
英玲奈「それが帝様のお仕事でございますので…」
穂乃果「べぇーっだ!…はぁ~何か楽しいことないかな~…」
英玲奈「そうですね…そういえば面白い話を都で聞きましたね」
穂乃果「へぇ~どんなのどんなの?」
英玲奈「なんでも竹から生まれた絶世の美人がいるというお話です」
穂乃果「竹から生まれた!?もっと詳しく聞かせてよ!」
英玲奈(食いつくところはそっちなのですね…。しかしこれは使える…)
英玲奈「それでは帝様がお仕事をなさったらお聞かせしましょう」
穂乃果「ぐぬぬ…そんなの卑怯だよ…」
英玲奈「ちなみにお仕事をなさらなければ今日のおやつも抜きですよ」
穂乃果「うわぁーん!帝に対してこの仕打ち!絶対おかしいよぉ!」カリカリ
英玲奈(ちょろい)
56: 2015/03/19(木) 23:34:49.18 ID:+P/UW2IM0
穂乃果「ふぅ…やっと終わったー…」グデー
英玲奈「お疲れ様です。それではおやつを食べながら先ほどのお話の続きをしましょう」
穂乃果「よっ!待ってました!」シャキーン
英玲奈「それでは…」
かくかくチカチカ
穂乃果「へぇー…輝夜姫かぁ…会ってみたいなぁ」モグモグ
英玲奈「そう言うと思っておりました、すぐに使いの者を向かわせましょう」パチンッ
あんじゅ「話は聞かせてもらったわ。それじゃあ輝夜姫の様子を見て参ります」
穂乃果「いや、今から穂乃果が行くよ」
あんじゅ「…へっ?」
英玲奈「し、しかし、帝様がお外に出られるのは少々問題が…」
穂乃果「仕事は全部終わらせたでしょ?行くったら行く!!」
英玲奈「やれやれ…こうなった帝様は何を言っても聞かないからな。すぐに準備をせよ!」
あんじゅ「ぐすん…わたしの出番…」
英玲奈「お疲れ様です。それではおやつを食べながら先ほどのお話の続きをしましょう」
穂乃果「よっ!待ってました!」シャキーン
英玲奈「それでは…」
かくかくチカチカ
穂乃果「へぇー…輝夜姫かぁ…会ってみたいなぁ」モグモグ
英玲奈「そう言うと思っておりました、すぐに使いの者を向かわせましょう」パチンッ
あんじゅ「話は聞かせてもらったわ。それじゃあ輝夜姫の様子を見て参ります」
穂乃果「いや、今から穂乃果が行くよ」
あんじゅ「…へっ?」
英玲奈「し、しかし、帝様がお外に出られるのは少々問題が…」
穂乃果「仕事は全部終わらせたでしょ?行くったら行く!!」
英玲奈「やれやれ…こうなった帝様は何を言っても聞かないからな。すぐに準備をせよ!」
あんじゅ「ぐすん…わたしの出番…」
57: 2015/03/19(木) 23:41:37.92 ID:+P/UW2IM0
海未「はぁ…」
海未(私のせいでたくさんの人を不幸にしてしまいました…。希の言う通り、本当に私は罪深い人間ですね…)
海未(私は一体なにがしたいのでしょう…。自分で自分のことがわからない…)
絵里「…最近ずっとあんな様子ね」
希「…1か月もあんな状態だと流石に心配やね」
絵里「家からも全く出ないし体によくないわ」
希「そうやね…ちょっと話してくるな?」
絵里「ええ、お願い」
希「海未ちゃん」
海未「…希」
希「海未ちゃん最近元気ないやん。どうしたの?」
海未「…」
海未「よく…わからないのです…。自分が何者なのかも…全部」
希「自分が何者なのか…難しい質問やね」
海未「私が普通の人と違うのは知っています。赤ん坊からたった5年足らずでここまで成長するのはどう考えても異常ですし…」
海未「私ばかり変わってしまって、周りと離れて行ってしまうんじゃないかと思うと怖いんです…」
希「…」
海未「でも、それだけじゃないんです。私は多くの方の結婚をお断りして希と絵里と暮らす道を選びました」
海未「その時間はとても幸せでした。幸せなはずでした…。なのになぜか心にぽっかりと穴が空いたように感じてしまうのです…」
海未「自分で選んだ道なのに…幸せなはずなのに…。私は何がしたいのか…私は何者なのか…。ずっとそんなことばかりを考えてしまうのです」
希「…そっか」
海未「…」
海未(私のせいでたくさんの人を不幸にしてしまいました…。希の言う通り、本当に私は罪深い人間ですね…)
海未(私は一体なにがしたいのでしょう…。自分で自分のことがわからない…)
絵里「…最近ずっとあんな様子ね」
希「…1か月もあんな状態だと流石に心配やね」
絵里「家からも全く出ないし体によくないわ」
希「そうやね…ちょっと話してくるな?」
絵里「ええ、お願い」
希「海未ちゃん」
海未「…希」
希「海未ちゃん最近元気ないやん。どうしたの?」
海未「…」
海未「よく…わからないのです…。自分が何者なのかも…全部」
希「自分が何者なのか…難しい質問やね」
海未「私が普通の人と違うのは知っています。赤ん坊からたった5年足らずでここまで成長するのはどう考えても異常ですし…」
海未「私ばかり変わってしまって、周りと離れて行ってしまうんじゃないかと思うと怖いんです…」
希「…」
海未「でも、それだけじゃないんです。私は多くの方の結婚をお断りして希と絵里と暮らす道を選びました」
海未「その時間はとても幸せでした。幸せなはずでした…。なのになぜか心にぽっかりと穴が空いたように感じてしまうのです…」
海未「自分で選んだ道なのに…幸せなはずなのに…。私は何がしたいのか…私は何者なのか…。ずっとそんなことばかりを考えてしまうのです」
希「…そっか」
海未「…」
58: 2015/03/19(木) 23:44:03.09 ID:+P/UW2IM0
希「~~♪」
希「♪~~~」
海未「…素敵な歌ですね」
希「ふふ、そうやろ?歌を歌っている間は何も考えずに嫌なことはぜーんぶ忘れられるんよ?」
海未「そうですか…。いいことを聞きました。ありがとうございます」
希「うん!」
海未(そういえば私も昔から知っている歌がありましたね)
海未「~~~♪」
……
希「不思議な歌やね…」
海未「はい。輝夜の城で踊りたいという歌です。どこで覚えたのか全くわからない歌ですが、なぜかとても懐かしい気持ちになるんです」
希「歌には昔からスピリチュアルなパワーが宿るっていうもんな」
海未「そうですね。気分も少しすっきりしました。希のお陰ですね」
希「それはよかった…。海未ちゃんはちょっぴり難しく考えすぎだと思うよ?たまには外に出て気分転換してきたらどうやろ?」
海未「ありがとうございます。そうさせていただきますね」
希「♪~~~」
海未「…素敵な歌ですね」
希「ふふ、そうやろ?歌を歌っている間は何も考えずに嫌なことはぜーんぶ忘れられるんよ?」
海未「そうですか…。いいことを聞きました。ありがとうございます」
希「うん!」
海未(そういえば私も昔から知っている歌がありましたね)
海未「~~~♪」
……
希「不思議な歌やね…」
海未「はい。輝夜の城で踊りたいという歌です。どこで覚えたのか全くわからない歌ですが、なぜかとても懐かしい気持ちになるんです」
希「歌には昔からスピリチュアルなパワーが宿るっていうもんな」
海未「そうですね。気分も少しすっきりしました。希のお陰ですね」
希「それはよかった…。海未ちゃんはちょっぴり難しく考えすぎだと思うよ?たまには外に出て気分転換してきたらどうやろ?」
海未「ありがとうございます。そうさせていただきますね」
59: 2015/03/19(木) 23:46:41.91 ID:+P/UW2IM0
海未(夜風が気持ちいい…。)
海未(この道も随分久しぶりです。昔はよくお花見に行くときに通りましたね)
海未(あっ。あれは桜の木ですね。すっかり花は散ってしまいましたが緑色の葉がのびのびとしてこれはこれでいいものです)
海未(おや?木の下に誰かいますね)
海未「ごきげんよう。いい夜ですね」
穂乃果「! うん、そうだね!」
海未「…そんなに上を見上げてどうされたんですか?桜ならもう散ってしまっていますが…」
穂乃果「うん。月が綺麗だなぁ…って」
海未「…おや、本当に見事なものです」
穂乃果「お饅頭みたいでおいしそうだよね!」
海未「ふふ、なんですかそれ?趣もなにもないじゃないですか」
穂乃果「えーそうかなぁ…?じゃあお団子?」
海未「どちらも似たようなものですね…」クスクス
穂乃果「そうだ!お団子と言えば、この桜の木の下なら春になればお花見とお月見が同時にできるよ!?」
海未「あら、本当ですね」
穂乃果「へっへーん!そこに気づくとは…穂乃果って天才かも?」
海未(この道も随分久しぶりです。昔はよくお花見に行くときに通りましたね)
海未(あっ。あれは桜の木ですね。すっかり花は散ってしまいましたが緑色の葉がのびのびとしてこれはこれでいいものです)
海未(おや?木の下に誰かいますね)
海未「ごきげんよう。いい夜ですね」
穂乃果「! うん、そうだね!」
海未「…そんなに上を見上げてどうされたんですか?桜ならもう散ってしまっていますが…」
穂乃果「うん。月が綺麗だなぁ…って」
海未「…おや、本当に見事なものです」
穂乃果「お饅頭みたいでおいしそうだよね!」
海未「ふふ、なんですかそれ?趣もなにもないじゃないですか」
穂乃果「えーそうかなぁ…?じゃあお団子?」
海未「どちらも似たようなものですね…」クスクス
穂乃果「そうだ!お団子と言えば、この桜の木の下なら春になればお花見とお月見が同時にできるよ!?」
海未「あら、本当ですね」
穂乃果「へっへーん!そこに気づくとは…穂乃果って天才かも?」
60: 2015/03/19(木) 23:50:31.54 ID:+P/UW2IM0
海未「それでは次の春が待ち遠しいですね?」
穂乃果「そうだね!…そうだ、それじゃあその時はあなたも一緒にやろうよ?」
海未「え?私もですか?」
穂乃果「うんうん!…だめ?」
海未「…いえ、別に構いませんが…よろしいのでしょうか?こんな見ず知らずの者と一緒で…」
穂乃果「えーじゃあ…あなたの名前は?」
海未「? 私は海未と申しますが?」
穂乃果「じゃあ、海未ちゃん!穂乃果と友達になってください!」
海未「え、えぇ…?と、ともだち…ですか?」
穂乃果「そう!友達」
海未「友達…私でよければ喜んで」ニコッ
穂乃果「やったぁ!それじゃあ、これで穂乃果たちは友達だから一緒にお花見もお月見もできるよね?」
海未「あはは、あなたは本当に変わった方ですね」
穂乃果「あなたじゃなくて穂乃果って呼んで?」
海未「…はい、穂乃果」
穂乃果「…うん、海未ちゃん!」
絵里、希。私に初めて友達ができました
穂乃果「そうだね!…そうだ、それじゃあその時はあなたも一緒にやろうよ?」
海未「え?私もですか?」
穂乃果「うんうん!…だめ?」
海未「…いえ、別に構いませんが…よろしいのでしょうか?こんな見ず知らずの者と一緒で…」
穂乃果「えーじゃあ…あなたの名前は?」
海未「? 私は海未と申しますが?」
穂乃果「じゃあ、海未ちゃん!穂乃果と友達になってください!」
海未「え、えぇ…?と、ともだち…ですか?」
穂乃果「そう!友達」
海未「友達…私でよければ喜んで」ニコッ
穂乃果「やったぁ!それじゃあ、これで穂乃果たちは友達だから一緒にお花見もお月見もできるよね?」
海未「あはは、あなたは本当に変わった方ですね」
穂乃果「あなたじゃなくて穂乃果って呼んで?」
海未「…はい、穂乃果」
穂乃果「…うん、海未ちゃん!」
絵里、希。私に初めて友達ができました
68: 2015/04/18(土) 22:43:03.06 ID:7EoQYMvK0
穂乃果「ただいまー」
英玲奈「帝様!護衛の者を撒いておひとりで出歩かれるなんて困ります!」
穂乃果「えーでもちゃんと無事に戻ったじゃん?」
英玲奈「そういう問題ではございません!帝様の身に何かあったらどうされるんですか…」
穂乃果「あはは…ごめんごめん…」
英玲奈「全く…それで結局どちらにいらっしゃっていたんですか?輝夜姫様のお屋敷には向かわれなかったようですが」
穂乃果「うん、月を見てたんだ!」
英玲奈「月を…?おひとりで…ですか?」
穂乃果「ううん、海未ちゃんと一緒」
英玲奈「海未…?聞かない名ですね」
穂乃果「ああ…輝夜姫のことだよ」
英玲奈「なんと!お会いしていたんですね」
穂乃果「まあ、多分なんだけどね?」
英玲奈「多分とは?」
穂乃果「海未ちゃんは海未って名乗ったけど、輝夜姫とは一言もいわなかったんだ」
英玲奈「そ、それでは本物の輝夜姫かなんてわからないのではないでしょうか…」
穂乃果「ううん。あれは間違いなく輝夜姫だよ。穂乃果にはわかるんだ!」
英玲奈「そうですか。帝様は昔から勘が鋭いお方ですので、あながち間違いでもなさそうですね」
穂乃果「あ、それでね!また来週も会いに行くことになったから!」
英玲奈「いいですが…護衛は撒かないでくださいね」
穂乃果「善処します!」
英玲奈(あ、これ聞かないやつだ)
英玲奈「帝様!護衛の者を撒いておひとりで出歩かれるなんて困ります!」
穂乃果「えーでもちゃんと無事に戻ったじゃん?」
英玲奈「そういう問題ではございません!帝様の身に何かあったらどうされるんですか…」
穂乃果「あはは…ごめんごめん…」
英玲奈「全く…それで結局どちらにいらっしゃっていたんですか?輝夜姫様のお屋敷には向かわれなかったようですが」
穂乃果「うん、月を見てたんだ!」
英玲奈「月を…?おひとりで…ですか?」
穂乃果「ううん、海未ちゃんと一緒」
英玲奈「海未…?聞かない名ですね」
穂乃果「ああ…輝夜姫のことだよ」
英玲奈「なんと!お会いしていたんですね」
穂乃果「まあ、多分なんだけどね?」
英玲奈「多分とは?」
穂乃果「海未ちゃんは海未って名乗ったけど、輝夜姫とは一言もいわなかったんだ」
英玲奈「そ、それでは本物の輝夜姫かなんてわからないのではないでしょうか…」
穂乃果「ううん。あれは間違いなく輝夜姫だよ。穂乃果にはわかるんだ!」
英玲奈「そうですか。帝様は昔から勘が鋭いお方ですので、あながち間違いでもなさそうですね」
穂乃果「あ、それでね!また来週も会いに行くことになったから!」
英玲奈「いいですが…護衛は撒かないでくださいね」
穂乃果「善処します!」
英玲奈(あ、これ聞かないやつだ)
69: 2015/04/18(土) 22:46:32.28 ID:7EoQYMvK0
数週間後
穂乃果「いってきまーす!」
英玲奈「ちょっと、帝様! 護衛の者を…。はぁ…困ったものだ…」
「英玲奈。穂乃果は今週もまた出かけたの?」
英玲奈「! ツバサ様…。はい、そうでございます」
ツバサ「一人で?」
英玲奈「…申し訳ございません」
ツバサ「護衛は必ずつけるようにあれほど言ったはずよ」
英玲奈「…はい。今後このようなことがないように気を付けます」
ツバサ「ふん…まあいいわ。はぁ…それにしても最近わたしに構ってくれなくて寂しいわ…。私を放っておいてどこに行っているか知らない?」
英玲奈「…月を見に行くと仰しておりました」
ツバサ「ふぅん…一人で?」
英玲奈「…失礼ですがそれは先ほども申しましたが…」
ツバサ「あら、そうだったわね。穂乃果は一人で月を見に行っているんだったわね」
英玲奈「…はい」
ツバサ「はぁ~よかった!わたしをほったらかして他の女と出かけているのかと思ったじゃない!」
英玲奈「…」
ツバサ「それじゃあ英玲奈。穂乃果が帰ってきたらすぐに教えてね♪」
英玲奈「…かしこまりました」
ツバサ「じゃあね♪」
ツバサ「…」スタスタ
ツバサ「…あんじゅ」パチン
あんじゅ「はっ」シュタ
ツバサ「…月を見に行くわよ」
穂乃果「いってきまーす!」
英玲奈「ちょっと、帝様! 護衛の者を…。はぁ…困ったものだ…」
「英玲奈。穂乃果は今週もまた出かけたの?」
英玲奈「! ツバサ様…。はい、そうでございます」
ツバサ「一人で?」
英玲奈「…申し訳ございません」
ツバサ「護衛は必ずつけるようにあれほど言ったはずよ」
英玲奈「…はい。今後このようなことがないように気を付けます」
ツバサ「ふん…まあいいわ。はぁ…それにしても最近わたしに構ってくれなくて寂しいわ…。私を放っておいてどこに行っているか知らない?」
英玲奈「…月を見に行くと仰しておりました」
ツバサ「ふぅん…一人で?」
英玲奈「…失礼ですがそれは先ほども申しましたが…」
ツバサ「あら、そうだったわね。穂乃果は一人で月を見に行っているんだったわね」
英玲奈「…はい」
ツバサ「はぁ~よかった!わたしをほったらかして他の女と出かけているのかと思ったじゃない!」
英玲奈「…」
ツバサ「それじゃあ英玲奈。穂乃果が帰ってきたらすぐに教えてね♪」
英玲奈「…かしこまりました」
ツバサ「じゃあね♪」
ツバサ「…」スタスタ
ツバサ「…あんじゅ」パチン
あんじゅ「はっ」シュタ
ツバサ「…月を見に行くわよ」
70: 2015/04/18(土) 22:49:02.62 ID:7EoQYMvK0
穂乃果「…それでね、英玲奈がいっつも口うるさくってね。今日もこっそり抜け出してきてやったんだよ!」
海未「はあ…あまり英玲奈さんを困らせてはいけませんよ?ほどほどにしてくださいね」
穂乃果「えへへ…でも、そしたらこうやって海未ちゃんと会うこともできないんだよ?」
海未「…では仕方ないですね」
穂乃果「ええっ!?海未ちゃんがそんなこと言うなんて…。よっぽど穂乃果のこと好きなんだね♪」
海未「なっ…/// もう…穂乃果のことなんて知りません!」プイッ
穂乃果「ご、ごめんごめん!」
海未「…ふーんだ」
穂乃果「海未ちゃーん…」
海未「…」
海未「…ふふ、冗談です。別に怒ってないですよ?ちょっとした仕返しです」
穂乃果「むぅ…海未ちゃんのくせに…!えいっ!」ダキッ
海未「きゃっ」
ドサッ
穂乃果「…」
海未「ちょ、ちょっと…穂乃果…!」
穂乃果「」コチョコチョ
海未「!? あははっ!こ、こら!!やめ…てください…!」
穂乃果「…」コチョコチョ
海未「あっははは!ちょ、ちょっと…!」
穂乃果「ふっふっふ…。ここがいいのかね~?」コチョコチョ
海未「あはははっ!もう…いい加減に…!」
海未「…しなさい!」ドンッ
穂乃果「うわっ」
ドサッ
海未「…」
穂乃果「う、海未ちゃん…?」
海未「覚悟はできてますか?」ニコッ
穂乃果「う、う…」
穂乃果「うわぁあああぁぁ!!!……」
海未「はあ…あまり英玲奈さんを困らせてはいけませんよ?ほどほどにしてくださいね」
穂乃果「えへへ…でも、そしたらこうやって海未ちゃんと会うこともできないんだよ?」
海未「…では仕方ないですね」
穂乃果「ええっ!?海未ちゃんがそんなこと言うなんて…。よっぽど穂乃果のこと好きなんだね♪」
海未「なっ…/// もう…穂乃果のことなんて知りません!」プイッ
穂乃果「ご、ごめんごめん!」
海未「…ふーんだ」
穂乃果「海未ちゃーん…」
海未「…」
海未「…ふふ、冗談です。別に怒ってないですよ?ちょっとした仕返しです」
穂乃果「むぅ…海未ちゃんのくせに…!えいっ!」ダキッ
海未「きゃっ」
ドサッ
穂乃果「…」
海未「ちょ、ちょっと…穂乃果…!」
穂乃果「」コチョコチョ
海未「!? あははっ!こ、こら!!やめ…てください…!」
穂乃果「…」コチョコチョ
海未「あっははは!ちょ、ちょっと…!」
穂乃果「ふっふっふ…。ここがいいのかね~?」コチョコチョ
海未「あはははっ!もう…いい加減に…!」
海未「…しなさい!」ドンッ
穂乃果「うわっ」
ドサッ
海未「…」
穂乃果「う、海未ちゃん…?」
海未「覚悟はできてますか?」ニコッ
穂乃果「う、う…」
穂乃果「うわぁあああぁぁ!!!……」
71: 2015/04/18(土) 22:51:42.66 ID:7EoQYMvK0
………
穂乃果「はぁ…はぁ…」
海未「ふぅ…ふぅ…」
ほのうみ「あはははははは!」
海未「こんなに笑ったのは久しぶりです」
穂乃果「ふふ、穂乃果もだよ」
海未「絵里に見られたら叱られてしまいますね…」
海未「貴族として恥ずかしくない行動をとらなければ…」
穂乃果「…」
穂乃果「…そんなの気にしなくていいよ」
穂乃果「好きな時に笑って、好きな時に泣いて」
穂乃果「自分の好きなように生きていけばそれでいい」
海未「穂乃果…」
穂乃果「…」
海未「…」
穂乃果「あっ海未ちゃん。あそこ、何か光っている」
海未「あれは…ホタルですね」
穂乃果「へぇー…あれがホタルなんだ。初めてみたよ」
海未「どうですか?きれいでしょう?」
穂乃果「うん…とっても」
海未「…でも、知ってますか?ホタルがああやって光っていられるのはたったの1週間ほどなんですよ」
穂乃果「はぁ…はぁ…」
海未「ふぅ…ふぅ…」
ほのうみ「あはははははは!」
海未「こんなに笑ったのは久しぶりです」
穂乃果「ふふ、穂乃果もだよ」
海未「絵里に見られたら叱られてしまいますね…」
海未「貴族として恥ずかしくない行動をとらなければ…」
穂乃果「…」
穂乃果「…そんなの気にしなくていいよ」
穂乃果「好きな時に笑って、好きな時に泣いて」
穂乃果「自分の好きなように生きていけばそれでいい」
海未「穂乃果…」
穂乃果「…」
海未「…」
穂乃果「あっ海未ちゃん。あそこ、何か光っている」
海未「あれは…ホタルですね」
穂乃果「へぇー…あれがホタルなんだ。初めてみたよ」
海未「どうですか?きれいでしょう?」
穂乃果「うん…とっても」
海未「…でも、知ってますか?ホタルがああやって光っていられるのはたったの1週間ほどなんですよ」
72: 2015/04/18(土) 22:54:16.67 ID:7EoQYMvK0
穂乃果「へぇー1週間経つと光れなくなっちゃうんだ」
海未「ええ、1週間で氏んでしまいますからね」
穂乃果「え…」
海未「彼らはこれから1週間何を思い何を考え生きていくのでしょうか」
穂乃果「ホタルは1週間しか生きられなくて可哀想だね」
海未「…そうでしょうか?」
穂乃果「?」
海未「もしこの1週間が最高に幸せな時間だとしたら、ホタルは満足なのではないでしょうか?」
穂乃果「うん…そうかも!」
海未「私は人もまた同じだと思います。過ごした時間の長さではなくどのように過ごしたか。それが大切なのだと思っています」
穂乃果「なるほど…。穂乃果も1週間に一度の海未ちゃんと会うこの時間が好き。短いけどとっても幸せな時間…」
海未「ええ、私もです…」
穂乃果「…海未ちゃん」
海未「…穂乃果」
海未「…少し冷えてきましたね。今日はもうお開きにしましょうか」
穂乃果「…そうだね。それじゃあ…また1週間後!」
海未「ええ…1週間後」
海未(はぁ…また1週間、穂乃果に会うことができない…)テクテク
海未(1週間に1度だけでなく、穂乃果とずっと一緒にいることができたら…どんなに幸せなことでしょう)テクテク
海未「ええ、1週間で氏んでしまいますからね」
穂乃果「え…」
海未「彼らはこれから1週間何を思い何を考え生きていくのでしょうか」
穂乃果「ホタルは1週間しか生きられなくて可哀想だね」
海未「…そうでしょうか?」
穂乃果「?」
海未「もしこの1週間が最高に幸せな時間だとしたら、ホタルは満足なのではないでしょうか?」
穂乃果「うん…そうかも!」
海未「私は人もまた同じだと思います。過ごした時間の長さではなくどのように過ごしたか。それが大切なのだと思っています」
穂乃果「なるほど…。穂乃果も1週間に一度の海未ちゃんと会うこの時間が好き。短いけどとっても幸せな時間…」
海未「ええ、私もです…」
穂乃果「…海未ちゃん」
海未「…穂乃果」
海未「…少し冷えてきましたね。今日はもうお開きにしましょうか」
穂乃果「…そうだね。それじゃあ…また1週間後!」
海未「ええ…1週間後」
海未(はぁ…また1週間、穂乃果に会うことができない…)テクテク
海未(1週間に1度だけでなく、穂乃果とずっと一緒にいることができたら…どんなに幸せなことでしょう)テクテク
73: 2015/04/18(土) 22:56:51.81 ID:7EoQYMvK0
海未(帰りたくない…)テクテク
海未「穂乃果…」ボソッ
穂乃果「海未ちゃん!!」
海未「!!」
穂乃果「はぁ…はぁ…、海未ちゃん…」
海未「ほ…穂乃果…?どうしたのですか?わすれものでも…」
穂乃果「海未ちゃん…穂乃果のところに来ない…?」
海未「え…?」
穂乃果「穂乃果と一緒に暮らさない? 1週間に1度だけじゃなくって…ずっと一緒に…」
海未「うそ…穂乃果…」ポロ
穂乃果「嘘なんかじゃないよ」
海未「わたしで…わたしなんかで…よろしいのですか…?」ポロポロ
穂乃果「うん。海未ちゃんがいい。いや、海未ちゃんじゃなきゃだめなんだ」
海未「…ずっとわたしだけを見てくれますか?」
穂乃果「うん、約束する」
海未「…穂乃果。不束者ですが、よろしくお願いします」
穂乃果「よかった…それじゃあ早速…」
海未「あ、でも待ってください! 少しだけ時間をいただけますか?」
穂乃果「? すぐじゃだめなの?」
海未「…絵里と希にお礼をしなければなりませんので」
穂乃果「そっか!それじゃあここで待ってるね!」
海未「ええ、すぐに戻りますね」
「…」
海未「穂乃果…」ボソッ
穂乃果「海未ちゃん!!」
海未「!!」
穂乃果「はぁ…はぁ…、海未ちゃん…」
海未「ほ…穂乃果…?どうしたのですか?わすれものでも…」
穂乃果「海未ちゃん…穂乃果のところに来ない…?」
海未「え…?」
穂乃果「穂乃果と一緒に暮らさない? 1週間に1度だけじゃなくって…ずっと一緒に…」
海未「うそ…穂乃果…」ポロ
穂乃果「嘘なんかじゃないよ」
海未「わたしで…わたしなんかで…よろしいのですか…?」ポロポロ
穂乃果「うん。海未ちゃんがいい。いや、海未ちゃんじゃなきゃだめなんだ」
海未「…ずっとわたしだけを見てくれますか?」
穂乃果「うん、約束する」
海未「…穂乃果。不束者ですが、よろしくお願いします」
穂乃果「よかった…それじゃあ早速…」
海未「あ、でも待ってください! 少しだけ時間をいただけますか?」
穂乃果「? すぐじゃだめなの?」
海未「…絵里と希にお礼をしなければなりませんので」
穂乃果「そっか!それじゃあここで待ってるね!」
海未「ええ、すぐに戻りますね」
「…」
74: 2015/04/18(土) 22:59:55.98 ID:7EoQYMvK0
海未「絵里、希!」ガラッ
希「海未ちゃん、おかえり。そんなに慌ててどうしたん?」
海未「私、穂乃果と一緒に暮らすことにしました!」
のぞえり「!?」
絵里「ちょ、ちょっと!穂乃果?誰?一緒に暮らす?」
海未「穂乃果は穂乃果です…わたしの友達です」
絵里「そ、そう…お友達ね…お友達…」
海未「はい、愛しています」
絵里「ぶうううううううううう!」
希「それって結婚するってこと?」
海未「ま、まあ…そうなるんですかね…///」
絵里「けけけけけこ…けっこん!?」
希「ふふ、おめでとう。海未ちゃん♪」
海未「ありがとうございます…//」
絵里「ふぅ…落ち着くのよ…賢い可愛いエリーチカ…。結婚…それは海未の幸せ…海未の幸せ…」
絵里「…そう。おめでとう、海未。それでいつ結婚するのかしら?」
海未「今日です」
絵里「チカアアアアアアアアアアアアア!!」
希「海未ちゃん、おかえり。そんなに慌ててどうしたん?」
海未「私、穂乃果と一緒に暮らすことにしました!」
のぞえり「!?」
絵里「ちょ、ちょっと!穂乃果?誰?一緒に暮らす?」
海未「穂乃果は穂乃果です…わたしの友達です」
絵里「そ、そう…お友達ね…お友達…」
海未「はい、愛しています」
絵里「ぶうううううううううう!」
希「それって結婚するってこと?」
海未「ま、まあ…そうなるんですかね…///」
絵里「けけけけけこ…けっこん!?」
希「ふふ、おめでとう。海未ちゃん♪」
海未「ありがとうございます…//」
絵里「ふぅ…落ち着くのよ…賢い可愛いエリーチカ…。結婚…それは海未の幸せ…海未の幸せ…」
絵里「…そう。おめでとう、海未。それでいつ結婚するのかしら?」
海未「今日です」
絵里「チカアアアアアアアアアアアアア!!」
75: 2015/04/18(土) 23:03:05.08 ID:7EoQYMvK0
海未「近い?まあ確かに突然ではありますが…わたしは穂乃果と一刻も早く一緒に…///」
絵里「み、みみ認め…」
希「海未ちゃん、お幸せに♪」
海未「はい♪」
絵里「の、希ぃ…」
希「えりち。今まで結婚を嫌がっていた海未ちゃんが結婚したいと思える相手に出会えた。海未ちゃんの幸せを応援してあげよ、な?」
絵里「…海未ぃ」
海未「絵里…確かに私も絵里と希と離れるのはとてつもなく寂しいです…。ですが、穂乃果と会えない時間も同じくらい…寂しいのです…」
絵里「海未…そうよね…。愛する娘を送り出すこと。それが親の役目よね…」
海未「絵里、今までありがとうございました…。愛しています…」グスン
絵里「海未…わだしも…わだじもあいじでるわよ~~」ボロボロ
海未「希も…もちろん愛しています…」ポロポロ
希「うん…うちも…!」グス
海未「行って参ります…」ポロポロ
のぞえり「行ってらっしゃい…」ポロポロ
ガラガラ
ピシャ
絵里「み、みみ認め…」
希「海未ちゃん、お幸せに♪」
海未「はい♪」
絵里「の、希ぃ…」
希「えりち。今まで結婚を嫌がっていた海未ちゃんが結婚したいと思える相手に出会えた。海未ちゃんの幸せを応援してあげよ、な?」
絵里「…海未ぃ」
海未「絵里…確かに私も絵里と希と離れるのはとてつもなく寂しいです…。ですが、穂乃果と会えない時間も同じくらい…寂しいのです…」
絵里「海未…そうよね…。愛する娘を送り出すこと。それが親の役目よね…」
海未「絵里、今までありがとうございました…。愛しています…」グスン
絵里「海未…わだしも…わだじもあいじでるわよ~~」ボロボロ
海未「希も…もちろん愛しています…」ポロポロ
希「うん…うちも…!」グス
海未「行って参ります…」ポロポロ
のぞえり「行ってらっしゃい…」ポロポロ
ガラガラ
ピシャ
76: 2015/04/18(土) 23:09:11.30 ID:7EoQYMvK0
…
海未「グスン…」
海未「…穂乃果を待たせていますね。行かなければ」
「海未さん」
海未「? あの…どちらさまですか?」
ツバサ「ふふ、失礼しました。私、高坂穂乃果の妻、綺羅ツバサです♪」
海未「え…?」
ツバサ「あなたの愛する穂乃果の妻です♪」
海未「な、あなたは何を…穂乃果の妻…?そんな意味のわからない話を誰が信じるというのです?」
ツバサ「えー本当のことなんだけどなー…。ていうか、帝なんだし妻が他に居ても何もおかしいってことはないんじゃないかしら?」
海未「はぁ…帝?一体何の話をしているのですか?」
ツバサ「…驚いた。穂乃果はそんな大切なこともあなたに話していなかったのね」
海未「どういうことですか…?」
ツバサ「そうねぇ…あなた穂乃果の苗字は知っているかしら?」
海未「…そういえば聞いていませんね。ですが、そんなこと大した問題ではありません。これからいくらでも話す機会は…」
ツバサ「高坂っていうのよ」
海未「高坂…ですか?」
ツバサ「そう。高坂天皇。聞いたことあるでしょ?」
海未「な…そ、そんな…ばかな…」
ツバサ「本当のことよ。そして私がその第一妻。綺羅ツバサよ。聞いたことぐらいあるでしょ?」
海未「な、嘘…です。そんなの…だ、第一証拠が…」
海未「グスン…」
海未「…穂乃果を待たせていますね。行かなければ」
「海未さん」
海未「? あの…どちらさまですか?」
ツバサ「ふふ、失礼しました。私、高坂穂乃果の妻、綺羅ツバサです♪」
海未「え…?」
ツバサ「あなたの愛する穂乃果の妻です♪」
海未「な、あなたは何を…穂乃果の妻…?そんな意味のわからない話を誰が信じるというのです?」
ツバサ「えー本当のことなんだけどなー…。ていうか、帝なんだし妻が他に居ても何もおかしいってことはないんじゃないかしら?」
海未「はぁ…帝?一体何の話をしているのですか?」
ツバサ「…驚いた。穂乃果はそんな大切なこともあなたに話していなかったのね」
海未「どういうことですか…?」
ツバサ「そうねぇ…あなた穂乃果の苗字は知っているかしら?」
海未「…そういえば聞いていませんね。ですが、そんなこと大した問題ではありません。これからいくらでも話す機会は…」
ツバサ「高坂っていうのよ」
海未「高坂…ですか?」
ツバサ「そう。高坂天皇。聞いたことあるでしょ?」
海未「な…そ、そんな…ばかな…」
ツバサ「本当のことよ。そして私がその第一妻。綺羅ツバサよ。聞いたことぐらいあるでしょ?」
海未「な、嘘…です。そんなの…だ、第一証拠が…」
77: 2015/04/18(土) 23:13:14.90 ID:7EoQYMvK0
ツバサ「この家紋を見ても同じことがいえるかしら?」パサッ
海未「!これは…確かに間違いありません…。そ、それでは…穂乃果は本当に…」
ツバサ「そう、この国の帝よ」
海未「信じられません…。それになぜそんな大切なことを私に教えてくれなかったのでしょう…」
ツバサ「あなた、本当に愛されていたのかしら?」
海未「!な…それこそありえないです!穂乃果は私と約束をしました!」
ツバサ「ふぅん…どんな?」
海未「ずっと…ずっとわたしだけを見てくれると…」
ツバサ「…」
ツバサ「いいこと教えてあげる。その言葉、私にプロポーズするときにも使っていたわ」
海未「!!」
ツバサ「かわいそうに…。あなたもわたしもあの人に騙されているだけよ」
海未「そんな…」
ツバサ「…なぁんてね。う・そ♪」
海未「え…?うそ…?」
ツバサ「ええ」
ツバサ「騙されているのはあなただけ♪」
海未「え…え…?」
ツバサ「穂乃果言ってたわ。本当に愛しているのは私だけ」
ツバサ「あなたはただの………だって♪」
海未「なっ!?そんなの嘘です!最低です!破廉恥です!!!」
ツバサ「ふふ♪ 残念ね。でもこれが現実なの。所詮田舎者の小娘が帝なんかと結ばれるわけないじゃない」
海未「…」ポロポロ
ツバサ「さあ、穂乃果が待っているんじゃない?行ってあげたら?」ニコッ
海未「!これは…確かに間違いありません…。そ、それでは…穂乃果は本当に…」
ツバサ「そう、この国の帝よ」
海未「信じられません…。それになぜそんな大切なことを私に教えてくれなかったのでしょう…」
ツバサ「あなた、本当に愛されていたのかしら?」
海未「!な…それこそありえないです!穂乃果は私と約束をしました!」
ツバサ「ふぅん…どんな?」
海未「ずっと…ずっとわたしだけを見てくれると…」
ツバサ「…」
ツバサ「いいこと教えてあげる。その言葉、私にプロポーズするときにも使っていたわ」
海未「!!」
ツバサ「かわいそうに…。あなたもわたしもあの人に騙されているだけよ」
海未「そんな…」
ツバサ「…なぁんてね。う・そ♪」
海未「え…?うそ…?」
ツバサ「ええ」
ツバサ「騙されているのはあなただけ♪」
海未「え…え…?」
ツバサ「穂乃果言ってたわ。本当に愛しているのは私だけ」
ツバサ「あなたはただの………だって♪」
海未「なっ!?そんなの嘘です!最低です!破廉恥です!!!」
ツバサ「ふふ♪ 残念ね。でもこれが現実なの。所詮田舎者の小娘が帝なんかと結ばれるわけないじゃない」
海未「…」ポロポロ
ツバサ「さあ、穂乃果が待っているんじゃない?行ってあげたら?」ニコッ
79: 2015/04/18(土) 23:16:51.47 ID:7EoQYMvK0
ガラッ
絵里「う、海未!?どうして…忘れ物?」
海未「…」
絵里「ちょっと…大丈夫…?」
海未「…」
希「もしかして、やっぱりうちらと離れるのが寂しくなって戻ってきちゃったとか?」
海未「…」
希「なーんて、そんなわけないか」
海未「そのとおりです」
希「えっ…?」
海未「やっぱり私は希と絵里と離れて暮らすことなんて耐えられません。さっき家を出て初めてそのことに気付いて、恥ずかしながら戻って来てしまいました…」
海未「その…あんなことを言った手前ですが、これからもここで暮らしてもよろしいですか?」
絵里「…ハラショー!これからも海未と一緒に暮らせるのね!」
海未「はい!…もうどこにも行ったりしません」
絵里「ああ…よかったわぁ…。私の愛しの海未…」スリスリ
海未「も、もう…!くすぐったいです!」
希「海未ちゃん。穂乃果ちゃんにはなんて?」
海未「…穂乃果には悪いですがきっぱりお断りしました」
希「…」
海未「…それにしても今日は色々あって疲れましたね。もう休ませてもらってもよろしいですか?」
絵里「ええ。ゆっくりお休みなさい」
海未「ありがとうございます。おやすみなさい」
希「おやすみ、海未ちゃん」
絵里「ふふ、なんだか海未に振り回されちゃったわね」
希「…」
希(海未ちゃん…一度も目を合わせてくれなかった…)
絵里「う、海未!?どうして…忘れ物?」
海未「…」
絵里「ちょっと…大丈夫…?」
海未「…」
希「もしかして、やっぱりうちらと離れるのが寂しくなって戻ってきちゃったとか?」
海未「…」
希「なーんて、そんなわけないか」
海未「そのとおりです」
希「えっ…?」
海未「やっぱり私は希と絵里と離れて暮らすことなんて耐えられません。さっき家を出て初めてそのことに気付いて、恥ずかしながら戻って来てしまいました…」
海未「その…あんなことを言った手前ですが、これからもここで暮らしてもよろしいですか?」
絵里「…ハラショー!これからも海未と一緒に暮らせるのね!」
海未「はい!…もうどこにも行ったりしません」
絵里「ああ…よかったわぁ…。私の愛しの海未…」スリスリ
海未「も、もう…!くすぐったいです!」
希「海未ちゃん。穂乃果ちゃんにはなんて?」
海未「…穂乃果には悪いですがきっぱりお断りしました」
希「…」
海未「…それにしても今日は色々あって疲れましたね。もう休ませてもらってもよろしいですか?」
絵里「ええ。ゆっくりお休みなさい」
海未「ありがとうございます。おやすみなさい」
希「おやすみ、海未ちゃん」
絵里「ふふ、なんだか海未に振り回されちゃったわね」
希「…」
希(海未ちゃん…一度も目を合わせてくれなかった…)
80: 2015/04/18(土) 23:22:09.72 ID:7EoQYMvK0
~~
穂乃果「海未ちゃん遅いなぁ…」
「穂乃果!」
穂乃果「! 海未ちゃん、おかえり…」
ツバサ「ただいま♪」
穂乃果「…ツバサちゃん。なんでここにいるの?」
ツバサ「穂乃果と一緒にお月見したいなぁっと思って♪」
穂乃果「そっか。でも今は別の用事があるから、また今度。ごめんね」
ツバサ「えー、それってわたしより大事な用事なの?」
穂乃果「うん。だから本当にごめんね?」
ツバサ「…なんで」ボソッ
穂乃果「? その…悪いんだけど、先に帰っておいて欲しいんだけど…」
ツバサ「あの女なら来ないわよ?」
穂乃果「…! 海未ちゃんに何をしたの!?」
ツバサ「別にちょっと話しただけよ。あなたが帝ってことも知らなかったみたいだから教えてあげたの。彼女傷ついていたわよ?」
穂乃果「…それは今からいうつもりだったんだよ。帝としてじゃなく穂乃果として見て欲しかったから」
穂乃果「帝としてしか穂乃果を見てくれなかったあなたとは違う」
ツバサ「ひどい言いぐさね。私はちゃんと穂乃果を愛しているわ」
穂乃果「あんな政略的結婚に愛なんてないよ」
ツバサ「でもあなたは受け入れた。それの責任はどう取るの?」
穂乃果「…ツバサちゃんの一族の生活の保障はするよ。もちろん権力も。必要なものはできる限りなんでも」
ツバサ「そう、そんなに悪いわね♪」
穂乃果「別にいいよ。その代り海未ちゃんとの関係には一切手を出さないって約束して?」
ツバサ「ええ、約束するわ。あ、でも彼女混乱してたからしばらくは日をおいた方がいいかもしれないわ」
穂乃果「…うん。穂乃果もちゃんと準備をしてから迎えに行くよ」
穂乃果(海未ちゃん…)
穂乃果「海未ちゃん遅いなぁ…」
「穂乃果!」
穂乃果「! 海未ちゃん、おかえり…」
ツバサ「ただいま♪」
穂乃果「…ツバサちゃん。なんでここにいるの?」
ツバサ「穂乃果と一緒にお月見したいなぁっと思って♪」
穂乃果「そっか。でも今は別の用事があるから、また今度。ごめんね」
ツバサ「えー、それってわたしより大事な用事なの?」
穂乃果「うん。だから本当にごめんね?」
ツバサ「…なんで」ボソッ
穂乃果「? その…悪いんだけど、先に帰っておいて欲しいんだけど…」
ツバサ「あの女なら来ないわよ?」
穂乃果「…! 海未ちゃんに何をしたの!?」
ツバサ「別にちょっと話しただけよ。あなたが帝ってことも知らなかったみたいだから教えてあげたの。彼女傷ついていたわよ?」
穂乃果「…それは今からいうつもりだったんだよ。帝としてじゃなく穂乃果として見て欲しかったから」
穂乃果「帝としてしか穂乃果を見てくれなかったあなたとは違う」
ツバサ「ひどい言いぐさね。私はちゃんと穂乃果を愛しているわ」
穂乃果「あんな政略的結婚に愛なんてないよ」
ツバサ「でもあなたは受け入れた。それの責任はどう取るの?」
穂乃果「…ツバサちゃんの一族の生活の保障はするよ。もちろん権力も。必要なものはできる限りなんでも」
ツバサ「そう、そんなに悪いわね♪」
穂乃果「別にいいよ。その代り海未ちゃんとの関係には一切手を出さないって約束して?」
ツバサ「ええ、約束するわ。あ、でも彼女混乱してたからしばらくは日をおいた方がいいかもしれないわ」
穂乃果「…うん。穂乃果もちゃんと準備をしてから迎えに行くよ」
穂乃果(海未ちゃん…)
81: 2015/04/18(土) 23:31:23.50 ID:7EoQYMvK0
それから3日後、海未の家を穂乃果の一行が訪れるも海未は断固として誰とも会おうとしなかった。
穂乃果は諦めることができず、3か月もの間海未の家に通い続けたが結局一度も会うことができないまま時間だけが過ぎていった。
やがて8月になると海未は月夜になる度に空を見上げては悲しげな表情を浮かべるようになった。
海未「はぁ…」
絵里「海未…最近どうしたの? 月を見てはとても悲しそうな顔をしているわ」
海未「絵里…」
絵里「今日も穂乃果…いえ、帝様がいらしていたわ。…本当にもう会わなくていいの?」
海未「…もういいんです。私はここで暮らしているだけで十分幸せですから」
絵里「そう…。それじゃあ、どうしてそんなに悲しそうなの?」
海未「…」
絵里「それは…私や希にも言えないことなの?」
海未「絵里…わたしは…」
海未「わたしは…月になんて帰りたくありませんっ!」
絵里「え、つ、月?」
海未「はい、わたしは実は月の住人だったのです…。それを知ったのはつい最近で…。とあるささいなことで私はふと思ってしまったんです…」
海未「ああ、こんな場所に居たくない…月に帰りたい…と」
絵里「そ、そんな…そんなの、あんまりじゃない…」
海未「も、もちろん、今はそのようなことはこれっぽっちも思っていませんっ!…ですが!もう…もう遅いのです…」
絵里「海未…大丈夫よ。別に帰りたくないなら帰らなければいいじゃない」
海未「ダメです…。一度帰りたいと思ってしまったら、月からの使者がわたしを迎えに来て、必ずわたしを月に連れ戻すでしょう…」
絵里「な…そんな…それじゃあ」
海未「次の満月の夜に使者が訪れるでしょう…。もう…すべてが遅いのです…!」
絵里「嘘よ…そんな話…」
海未「…」グスン
穂乃果は諦めることができず、3か月もの間海未の家に通い続けたが結局一度も会うことができないまま時間だけが過ぎていった。
やがて8月になると海未は月夜になる度に空を見上げては悲しげな表情を浮かべるようになった。
海未「はぁ…」
絵里「海未…最近どうしたの? 月を見てはとても悲しそうな顔をしているわ」
海未「絵里…」
絵里「今日も穂乃果…いえ、帝様がいらしていたわ。…本当にもう会わなくていいの?」
海未「…もういいんです。私はここで暮らしているだけで十分幸せですから」
絵里「そう…。それじゃあ、どうしてそんなに悲しそうなの?」
海未「…」
絵里「それは…私や希にも言えないことなの?」
海未「絵里…わたしは…」
海未「わたしは…月になんて帰りたくありませんっ!」
絵里「え、つ、月?」
海未「はい、わたしは実は月の住人だったのです…。それを知ったのはつい最近で…。とあるささいなことで私はふと思ってしまったんです…」
海未「ああ、こんな場所に居たくない…月に帰りたい…と」
絵里「そ、そんな…そんなの、あんまりじゃない…」
海未「も、もちろん、今はそのようなことはこれっぽっちも思っていませんっ!…ですが!もう…もう遅いのです…」
絵里「海未…大丈夫よ。別に帰りたくないなら帰らなければいいじゃない」
海未「ダメです…。一度帰りたいと思ってしまったら、月からの使者がわたしを迎えに来て、必ずわたしを月に連れ戻すでしょう…」
絵里「な…そんな…それじゃあ」
海未「次の満月の夜に使者が訪れるでしょう…。もう…すべてが遅いのです…!」
絵里「嘘よ…そんな話…」
海未「…」グスン
82: 2015/04/18(土) 23:36:58.25 ID:7EoQYMvK0
絵里「そうだ、希は? 希なら何かいいアイデアを…。のぞみー!!」
希「ほーい。どうしたん、えりち?…それに海未ちゃんも」
絵里「の、のぞみ…!よかった!」
絵里「じ、実は海未が実は月の使者で…!満月になると使者は月から帰らないといけなくって…!」
絵里「…海未は本当は帰りたくないのよ?それなのにね、月の使者だから…ダメで…それでね…それでね…」グス
希「お…おう…。えりち、落ち着いて」
絵里「うぇーん…海未が…海未がぁ…」グスグス
海未「の、希。わたしから説明しますね…」
希「うん。えりちはおそば作ったから食べてな?」
絵里「…エリチカ、おそば食べる…」ズルズル
海未「えーと…それでですね…」
海未「というわけなのです…」
希「そっか、それで最近元気がなかったんやね…」
海未「ええ…ですが、一度帰りたいと思ってしまったらもはや逃れる術はありません…」
希「…そうやね」
希「穂乃果ちゃんに力を借りるのはどうやろ?」
海未「…穂乃果にはもう会わないと決めましたから」
希「海未ちゃん…あの日…穂乃果ちゃんの結婚を断ったの嘘でしょ?」
海未「…嘘なんかじゃありません」
希「ううん。海未ちゃん、嘘をつくとき目を合わしてくれないからわかるんよ」
海未「…希にはかないませんね」
希「ほーい。どうしたん、えりち?…それに海未ちゃんも」
絵里「の、のぞみ…!よかった!」
絵里「じ、実は海未が実は月の使者で…!満月になると使者は月から帰らないといけなくって…!」
絵里「…海未は本当は帰りたくないのよ?それなのにね、月の使者だから…ダメで…それでね…それでね…」グス
希「お…おう…。えりち、落ち着いて」
絵里「うぇーん…海未が…海未がぁ…」グスグス
海未「の、希。わたしから説明しますね…」
希「うん。えりちはおそば作ったから食べてな?」
絵里「…エリチカ、おそば食べる…」ズルズル
海未「えーと…それでですね…」
海未「というわけなのです…」
希「そっか、それで最近元気がなかったんやね…」
海未「ええ…ですが、一度帰りたいと思ってしまったらもはや逃れる術はありません…」
希「…そうやね」
希「穂乃果ちゃんに力を借りるのはどうやろ?」
海未「…穂乃果にはもう会わないと決めましたから」
希「海未ちゃん…あの日…穂乃果ちゃんの結婚を断ったの嘘でしょ?」
海未「…嘘なんかじゃありません」
希「ううん。海未ちゃん、嘘をつくとき目を合わしてくれないからわかるんよ」
海未「…希にはかないませんね」
83: 2015/04/18(土) 23:41:25.62 ID:7EoQYMvK0
海未「そうです。あれは嘘です。私が初めてついた嘘。私がこの世で最も嫌いな嘘。思えばあの日から私は嘘ばかりつくようになりましたね…」
海未「あの日私は穂乃果に嘘をつかれたんです。わたしだけを見てくれると言った穂乃果には既に妻がいました」
海未「穂乃果だけではありません。以前私に婚約を迫った貴公子の方も嘘をつきました」
海未「世の中嘘つきばかりです。わたしはもう誰も信用できなくなってしまいました」
希「…」
希「海未ちゃんは嘘をついた人の言い訳を聞いてあげたことある?」
海未「言い訳ですか?嘘をついた人の話なんて嘘に決まっています。聞く必要などないと思います」
希「そっか。それじゃあどうして人は嘘をつくと思う?」
海未「…そうですね。人をだまして自分が利用するため…でしょうか」
希「うんうん。そういう人もいるね。じゃあ、海未ちゃんは最近どうしてうちらに嘘をついたのかな?」
海未「そ…それは…希たちを心配させたくなくて…」
希「やさしい嘘やね」
海未「…」
希「穂乃果ちゃんはどうして嘘をついたんやろね」
海未「…」
希「くだらない嘘をついた人が3か月も毎日会いに来てくれるやろうか?」
海未「希…」
海未「あした、穂乃果と話してみます」
希「ふふ…スピリチュアルやね」
絵里(ハラショー…おそば食べてたら入るタイミング失った…)
海未「あの日私は穂乃果に嘘をつかれたんです。わたしだけを見てくれると言った穂乃果には既に妻がいました」
海未「穂乃果だけではありません。以前私に婚約を迫った貴公子の方も嘘をつきました」
海未「世の中嘘つきばかりです。わたしはもう誰も信用できなくなってしまいました」
希「…」
希「海未ちゃんは嘘をついた人の言い訳を聞いてあげたことある?」
海未「言い訳ですか?嘘をついた人の話なんて嘘に決まっています。聞く必要などないと思います」
希「そっか。それじゃあどうして人は嘘をつくと思う?」
海未「…そうですね。人をだまして自分が利用するため…でしょうか」
希「うんうん。そういう人もいるね。じゃあ、海未ちゃんは最近どうしてうちらに嘘をついたのかな?」
海未「そ…それは…希たちを心配させたくなくて…」
希「やさしい嘘やね」
海未「…」
希「穂乃果ちゃんはどうして嘘をついたんやろね」
海未「…」
希「くだらない嘘をついた人が3か月も毎日会いに来てくれるやろうか?」
海未「希…」
海未「あした、穂乃果と話してみます」
希「ふふ…スピリチュアルやね」
絵里(ハラショー…おそば食べてたら入るタイミング失った…)
85: 2015/04/18(土) 23:45:09.89 ID:7EoQYMvK0
翌日
穂乃果「海未ちゃん…」
海未「穂乃果…」
穂乃果「海未ちゃん、穂乃果の話聞いてくれる?」
海未「…はい」
穂乃果「あのね、穂乃果…嘘ついてたんだ。実は穂乃果はこの国の帝…天皇です」
海未「はい、聞きました」
穂乃果「そ…それでね、実は妻も一人…」
海未「それも知ってます」
穂乃果「う…それと…あ!あと、穂乃果はピーマンが苦手です!」
海未「…それも前に聞きました」
穂乃果「あと…それからそれから…じゅ…10歳までおねしょしてました…」
海未「ほう…それは初めて聞きましたね」
穂乃果「うぅ…/// それから…えーと…えーっと…」
穂乃果「海未ちゃんのことが世界で一番大好きです」
穂乃果「海未ちゃん…」
海未「穂乃果…」
穂乃果「海未ちゃん、穂乃果の話聞いてくれる?」
海未「…はい」
穂乃果「あのね、穂乃果…嘘ついてたんだ。実は穂乃果はこの国の帝…天皇です」
海未「はい、聞きました」
穂乃果「そ…それでね、実は妻も一人…」
海未「それも知ってます」
穂乃果「う…それと…あ!あと、穂乃果はピーマンが苦手です!」
海未「…それも前に聞きました」
穂乃果「あと…それからそれから…じゅ…10歳までおねしょしてました…」
海未「ほう…それは初めて聞きましたね」
穂乃果「うぅ…/// それから…えーと…えーっと…」
穂乃果「海未ちゃんのことが世界で一番大好きです」
86: 2015/04/18(土) 23:52:52.86 ID:7EoQYMvK0
海未「…それは、嘘ですか?」
穂乃果「ううん、嘘じゃないよ」
海未「そうですか。その証拠はありますか?」
穂乃果「うん」
海未「見せてもらってもいいですか?」
穂乃果「もちろん。じゃあちょっと目瞑って?」
海未「見せるのに目を瞑るのですか?」
穂乃果「うん。お願い」
海未「しょ、しょうがないですね…!はいっ!瞑りましたよ!」><
穂乃果「ふふっ海未ちゃん力入れすぎだよ。もうちょっとリラックスして?」
海未「こ、こうですか?」
穂乃果「うん、そんな感じ。ちょっと動かないでね?」
チュッ
海未「なっ…////」
穂乃果「…こ、これじゃ…ダメ…?」
海未「うぅ…だ、大丈夫…です…//」
穂乃果「ありがとう♪ あのね、海未ちゃん。今まで嘘ついててごめんね?もう絶対嘘つかないから」
穂乃果「だから、穂乃果と結婚してください」
海未「…」
海未「…それは…できないです。ごめんなさい…」
穂乃果「そっか…やっぱり、嘘つきは嫌いだよね。ごめんね」アハハ…
海未「ち…違います! これにはわけがありまして…」
かくかくしかじか
穂乃果「なるほどねー」
海未「はい…。あと10日ほどしか私はこの地にいられないので…申し訳ないですが…」
穂乃果「よくわからないけど…その月の使者をやっつければいいんだよね?」
海未「ですが…それは不可能なんです」
穂乃果「そんなのやってみないとわかんないよ!待ってて!国中の強い兵士を集めるから!」
海未「穂乃果…」
海未「…ありがとうございます!」
穂乃果「うん!ファイトだよ!」
穂乃果「ううん、嘘じゃないよ」
海未「そうですか。その証拠はありますか?」
穂乃果「うん」
海未「見せてもらってもいいですか?」
穂乃果「もちろん。じゃあちょっと目瞑って?」
海未「見せるのに目を瞑るのですか?」
穂乃果「うん。お願い」
海未「しょ、しょうがないですね…!はいっ!瞑りましたよ!」><
穂乃果「ふふっ海未ちゃん力入れすぎだよ。もうちょっとリラックスして?」
海未「こ、こうですか?」
穂乃果「うん、そんな感じ。ちょっと動かないでね?」
チュッ
海未「なっ…////」
穂乃果「…こ、これじゃ…ダメ…?」
海未「うぅ…だ、大丈夫…です…//」
穂乃果「ありがとう♪ あのね、海未ちゃん。今まで嘘ついててごめんね?もう絶対嘘つかないから」
穂乃果「だから、穂乃果と結婚してください」
海未「…」
海未「…それは…できないです。ごめんなさい…」
穂乃果「そっか…やっぱり、嘘つきは嫌いだよね。ごめんね」アハハ…
海未「ち…違います! これにはわけがありまして…」
かくかくしかじか
穂乃果「なるほどねー」
海未「はい…。あと10日ほどしか私はこの地にいられないので…申し訳ないですが…」
穂乃果「よくわからないけど…その月の使者をやっつければいいんだよね?」
海未「ですが…それは不可能なんです」
穂乃果「そんなのやってみないとわかんないよ!待ってて!国中の強い兵士を集めるから!」
海未「穂乃果…」
海未「…ありがとうございます!」
穂乃果「うん!ファイトだよ!」
87: 2015/04/18(土) 23:55:53.23 ID:7EoQYMvK0
こうして、海未の家は要塞のように改築が施され、そこには国中から名のある兵士がすべて呼び寄せられました。
それはまるでお城のようで、人々からは「輝夜の城」と呼ばれました。
そうこうしている間に、10日はあっという間に過ぎ、ついに十五夜がやってきました。
にこ「にっこにっこにー♪絶対月の使者とやらを打ち取って見せるわ!いくわよ、みんな!」
「うおおおおおおおお!!にっこにっこにー!!!」
花陽「あれが噂の矢澤組…」
凛「すごいにゃ~…」
真姫「ふふ、そしてその矢澤組にはうちで用意した最高級の武器を装備させているわ!」
ことり「まきちゃ~ん、この槍はどこに…きゃっ」ガッシャーン
真姫「ことり!…もう、まだケガが完全に完治してないんだから無理しないの」
ことり「ごめんね~」
花陽「わたしと凛ちゃんは補給班です!食料を用意して長期戦に備えます!」
凛「おいしい拉麺いっぱい用意したよ!」
花陽「おにぎりもね!」
それはまるでお城のようで、人々からは「輝夜の城」と呼ばれました。
そうこうしている間に、10日はあっという間に過ぎ、ついに十五夜がやってきました。
にこ「にっこにっこにー♪絶対月の使者とやらを打ち取って見せるわ!いくわよ、みんな!」
「うおおおおおおおお!!にっこにっこにー!!!」
花陽「あれが噂の矢澤組…」
凛「すごいにゃ~…」
真姫「ふふ、そしてその矢澤組にはうちで用意した最高級の武器を装備させているわ!」
ことり「まきちゃ~ん、この槍はどこに…きゃっ」ガッシャーン
真姫「ことり!…もう、まだケガが完全に完治してないんだから無理しないの」
ことり「ごめんね~」
花陽「わたしと凛ちゃんは補給班です!食料を用意して長期戦に備えます!」
凛「おいしい拉麺いっぱい用意したよ!」
花陽「おにぎりもね!」
88: 2015/04/19(日) 00:02:17.69 ID:enPHGr2C0
海未「みなさんとても頼もしいですね」
穂乃果「うん、国中のみんなが海未ちゃんを応援してくれているよ」
海未「そうですか。ありがたいことです」
穂乃果「愛されているんだね」
海未「愛されて…いるんですかね?」
穂乃果「…浮気はダメだよ?」
海未「その言葉そのままお返しします」
穂乃果「あはは、返されちゃった…」
海未「ふふ…」
穂乃果「…ねぇ、海未ちゃん。手、握っていい?」
海未「ええ、いいですよ」ギュッ
穂乃果「ありがとう♪」
海未「穂乃果の手はあったかいですね」
穂乃果「うん!穂乃果は海未ちゃんの太陽だから!」
海未「そうですか、穂乃果はわたしの太陽だったんですね。…それじゃあ、わたしは月ですかね?」
穂乃果「…それ笑えない」
海未「…すいません。冗談でも言っていないと気持ちが落ち着かなくて…」
穂乃果「手、震えてるもんね」
海未「はい。…恥ずかしながら、とても怖いです」
穂乃果「海未ちゃん、この手を絶対離しちゃだめだよ」
海未「…」
穂乃果「約束だよ?」
海未「ええ、きっと…」
穂乃果「うん、国中のみんなが海未ちゃんを応援してくれているよ」
海未「そうですか。ありがたいことです」
穂乃果「愛されているんだね」
海未「愛されて…いるんですかね?」
穂乃果「…浮気はダメだよ?」
海未「その言葉そのままお返しします」
穂乃果「あはは、返されちゃった…」
海未「ふふ…」
穂乃果「…ねぇ、海未ちゃん。手、握っていい?」
海未「ええ、いいですよ」ギュッ
穂乃果「ありがとう♪」
海未「穂乃果の手はあったかいですね」
穂乃果「うん!穂乃果は海未ちゃんの太陽だから!」
海未「そうですか、穂乃果はわたしの太陽だったんですね。…それじゃあ、わたしは月ですかね?」
穂乃果「…それ笑えない」
海未「…すいません。冗談でも言っていないと気持ちが落ち着かなくて…」
穂乃果「手、震えてるもんね」
海未「はい。…恥ずかしながら、とても怖いです」
穂乃果「海未ちゃん、この手を絶対離しちゃだめだよ」
海未「…」
穂乃果「約束だよ?」
海未「ええ、きっと…」
89: 2015/04/19(日) 00:08:51.12 ID:enPHGr2C0
凛「ふぁ~あ…全然来ないから眠くなってきたよぉ…」
ことり「お水飲む?」
凛「う~ん…もらうにゃ…」ゴクゴク
真姫「ふぅ…確かに退屈ね」
花陽「ご飯冷めちゃったよ…」
にこ「…!」
にこ「きたわ…!」
花陽「凄い…まぶしい…」
凛「あれ…いつの間に朝に…?」
真姫「なに寝ぼけてるのよ!さっさと準備しなさい!」
にこ「全員弓矢の準備よ!すぐに構えて!」
ことり「何あれ…光り輝く雲?」
花陽「き…きれいです…」
凛「うわぁ~…」
真姫「…」
にこ「今よ!放てーーーーー!!!」
しかし、にこの命令通りに矢を放つことができたのは一千近い大群の中で数十人程度だった。
それ以外の兵士は光り輝く雲とそれに乗った月の使者たちを見た瞬間に戦意を失っていた。
わずかに放たれた矢は月の使者たちに近づくとたちまち紅い薔薇に変えられてしまい、効果がなかった。
光り輝く雲は地上から数メートルのところで停止した。
すると月の使者の数人が雲の上から飛んできて輝夜の城の分厚い門を手も触れずに開けてしまった。
そのまま使者たちは奥へ奥へと入っていきあっという間に海未のいる部屋の前までたどり着いてしまった。
ことり「お水飲む?」
凛「う~ん…もらうにゃ…」ゴクゴク
真姫「ふぅ…確かに退屈ね」
花陽「ご飯冷めちゃったよ…」
にこ「…!」
にこ「きたわ…!」
花陽「凄い…まぶしい…」
凛「あれ…いつの間に朝に…?」
真姫「なに寝ぼけてるのよ!さっさと準備しなさい!」
にこ「全員弓矢の準備よ!すぐに構えて!」
ことり「何あれ…光り輝く雲?」
花陽「き…きれいです…」
凛「うわぁ~…」
真姫「…」
にこ「今よ!放てーーーーー!!!」
しかし、にこの命令通りに矢を放つことができたのは一千近い大群の中で数十人程度だった。
それ以外の兵士は光り輝く雲とそれに乗った月の使者たちを見た瞬間に戦意を失っていた。
わずかに放たれた矢は月の使者たちに近づくとたちまち紅い薔薇に変えられてしまい、効果がなかった。
光り輝く雲は地上から数メートルのところで停止した。
すると月の使者の数人が雲の上から飛んできて輝夜の城の分厚い門を手も触れずに開けてしまった。
そのまま使者たちは奥へ奥へと入っていきあっという間に海未のいる部屋の前までたどり着いてしまった。
90: 2015/04/19(日) 00:16:20.44 ID:enPHGr2C0
希「来たで、えりち!」
絵里「ええ、ここは絶対に通さないわ!」
「…」
がしゃん
希「な…扉が勝手に…」
絵里「か、体が…動かない…」
「…」スイー
希「だ、ダメ…!どうして…!動かしたいのに…」
絵里「お願い…!海未を連れて行かないで…!」
「…」スイー
穂乃果「来たね…海未ちゃんは絶対に渡さない!」
海未「…」
「…来なさい」
海未「はい…」
穂乃果「な…なんで!?」
穂乃果「海未ちゃん、ダメだよ!絶対この手は離さな…」
海未「…」スルッ
穂乃果「あ…あぁ…」
海未「…」スタスタ
穂乃果「なんで…約束したのに…」
海未「…」スタスタ
希「海未ちゃんっ!!いやだ!行かないでっ!!」
絵里「海未っ!海未ぃ!!」
海未「…」スタスタ
絵里「くっ…少しだけ…体が…」グググ
絵里「…う…海未!!」ガシッ
海未「…」スルリ
絵里「なっ…着物だけ…」
海未「…」スタスタ
「「「海未(ちゃん)!!!」」」
絵里「ええ、ここは絶対に通さないわ!」
「…」
がしゃん
希「な…扉が勝手に…」
絵里「か、体が…動かない…」
「…」スイー
希「だ、ダメ…!どうして…!動かしたいのに…」
絵里「お願い…!海未を連れて行かないで…!」
「…」スイー
穂乃果「来たね…海未ちゃんは絶対に渡さない!」
海未「…」
「…来なさい」
海未「はい…」
穂乃果「な…なんで!?」
穂乃果「海未ちゃん、ダメだよ!絶対この手は離さな…」
海未「…」スルッ
穂乃果「あ…あぁ…」
海未「…」スタスタ
穂乃果「なんで…約束したのに…」
海未「…」スタスタ
希「海未ちゃんっ!!いやだ!行かないでっ!!」
絵里「海未っ!海未ぃ!!」
海未「…」スタスタ
絵里「くっ…少しだけ…体が…」グググ
絵里「…う…海未!!」ガシッ
海未「…」スルリ
絵里「なっ…着物だけ…」
海未「…」スタスタ
「「「海未(ちゃん)!!!」」」
91: 2015/04/19(日) 00:21:31.01 ID:enPHGr2C0
海未「…ただいま戻りました」
「うむ。すぐに出発するぞ」
海未「…はい」
「そうだ、その前にこの天の羽衣を着なさい」
海未「天の…羽衣…?」
「そうだ。それを着ればこの穢れた地の記憶をすべて忘れることができる」
海未「穢れた地…?」
「ああ。この穢れた地に住む穢れた人間と暮らすのはさぞつらかっただろう。すぐに楽になるがよい」
海未「……いません」
「なんか言ったか?」
海未「穢れてなんかいません!!!」
海未「この地は…この地の人々は…皆素晴らしい方ばかりでした!それを侮辱することなど神であろうと仏であろうとこの私が決して許しません!!」
「…」
「海未ー!!」
海未「絵里…希…!?」
絵里「ああ…海未…なんで…なんで行ってしまうの…」ポロポロ
希「一生のお願いや…うちらも一緒に連れてって…?」ボロボロ
海未「あぁ…絵里…希…!そんなこと…いわないでぐだざい…!」ボロボロ
絵里「海未…わたしの海未…!」
希「うう…海未ちゃん…!」
「うむ。すぐに出発するぞ」
海未「…はい」
「そうだ、その前にこの天の羽衣を着なさい」
海未「天の…羽衣…?」
「そうだ。それを着ればこの穢れた地の記憶をすべて忘れることができる」
海未「穢れた地…?」
「ああ。この穢れた地に住む穢れた人間と暮らすのはさぞつらかっただろう。すぐに楽になるがよい」
海未「……いません」
「なんか言ったか?」
海未「穢れてなんかいません!!!」
海未「この地は…この地の人々は…皆素晴らしい方ばかりでした!それを侮辱することなど神であろうと仏であろうとこの私が決して許しません!!」
「…」
「海未ー!!」
海未「絵里…希…!?」
絵里「ああ…海未…なんで…なんで行ってしまうの…」ポロポロ
希「一生のお願いや…うちらも一緒に連れてって…?」ボロボロ
海未「あぁ…絵里…希…!そんなこと…いわないでぐだざい…!」ボロボロ
絵里「海未…わたしの海未…!」
希「うう…海未ちゃん…!」
92: 2015/04/19(日) 00:32:51.72 ID:enPHGr2C0
海未「ごめんなさい…。わたしは…わたしは、最低です…!」
海未「せめてどうかその着物をわたしだと思って、大切にしてください…」
海未「それからこの壺と手紙は穂乃果に…」
絵里「…」グスン
希「うん…渡しておくね…」
海未「お願いします…」
海未「絵里、希いままでありがとうございました…。さようなら…」
「さあ、これを」
海未「…はい」ふぁさ
海未「…」
海未「…」
絵里「海未…?」
海未「…あなた、誰ですか?」
絵里「え…?」
海未「それにここは…一体…?」
希「…海未ちゃんに何をした?」
「…」
絵里「海未っ!わたしよ!絵里よ!あなたの…あなたの…」
海未「? おかしな人たちですね。早く帰りましょう?」
希「海未ちゃんの記憶を奪ったの…?」
絵里「この…許さない…!!」
ふわっ
絵里「体が宙に浮いて…!」
希「そんな…こんな終わり方って…」
「さらばだ。穢れた地の人々よ」
海未「…ごきげんよう」ペコリ
海未「せめてどうかその着物をわたしだと思って、大切にしてください…」
海未「それからこの壺と手紙は穂乃果に…」
絵里「…」グスン
希「うん…渡しておくね…」
海未「お願いします…」
海未「絵里、希いままでありがとうございました…。さようなら…」
「さあ、これを」
海未「…はい」ふぁさ
海未「…」
海未「…」
絵里「海未…?」
海未「…あなた、誰ですか?」
絵里「え…?」
海未「それにここは…一体…?」
希「…海未ちゃんに何をした?」
「…」
絵里「海未っ!わたしよ!絵里よ!あなたの…あなたの…」
海未「? おかしな人たちですね。早く帰りましょう?」
希「海未ちゃんの記憶を奪ったの…?」
絵里「この…許さない…!!」
ふわっ
絵里「体が宙に浮いて…!」
希「そんな…こんな終わり方って…」
「さらばだ。穢れた地の人々よ」
海未「…ごきげんよう」ペコリ
93: 2015/04/19(日) 00:39:08.05 ID:enPHGr2C0
「海未ちゃんのバカーーー!!!嘘つきーーーー!!!」
希から手紙を受け取った穂乃果は海未を乗せた雲が針の先ほどの大きさとなったときに叫んだ。
手紙には「愛している」とだけ書かれていたという。穂乃果が叫んだその言葉は海未に届いたのか届いていなかったのか。
それはわからないが、月までの道のりで海未がただ一度振り返ったとき、その瞳からは一筋の涙が流れていたという。
希から手紙を受け取った穂乃果は海未を乗せた雲が針の先ほどの大きさとなったときに叫んだ。
手紙には「愛している」とだけ書かれていたという。穂乃果が叫んだその言葉は海未に届いたのか届いていなかったのか。
それはわからないが、月までの道のりで海未がただ一度振り返ったとき、その瞳からは一筋の涙が流れていたという。
94: 2015/04/19(日) 00:45:09.91 ID:enPHGr2C0
数か月後。絵里と希は都の輝夜の城を離れ、以前住んでいた田舎の小さな屋敷で元の生活を送っていた。
海未との突然の別れは二人の心に大きな傷を残したが、その痛みからも徐々に開放されつつあった。
空き家となった輝夜の城には例の5人組が棲みつき、国中から美人を集め歌と踊りを披露させ、毎日のようにお祭り騒ぎだったという。
これがアイドルの起源だといわれているとかいないとか。
そして、都の女性は皆口々に言うのであった。
「自分もいつか、輝夜の城で踊りたい」と
海未との突然の別れは二人の心に大きな傷を残したが、その痛みからも徐々に開放されつつあった。
空き家となった輝夜の城には例の5人組が棲みつき、国中から美人を集め歌と踊りを披露させ、毎日のようにお祭り騒ぎだったという。
これがアイドルの起源だといわれているとかいないとか。
そして、都の女性は皆口々に言うのであった。
「自分もいつか、輝夜の城で踊りたい」と
95: 2015/04/19(日) 00:56:15.07 ID:enPHGr2C0
一方穂乃果に手紙とともに送られた壺には不老不氏の秘薬が入っていた。
「この国で一番月に近いのはどこ?」
「駿河にある山だと聞いたことがあります」
穂乃果は駿河の山の山頂で海未からもらった手紙と秘薬を燃やしてしまった。
そういうわけでこの山は現在「富士(不氏)の山」と呼ばれている。
手紙と秘薬から出た煙は天まで高く高く立ち上っていった。
「海未ちゃんまで届きますように…」
「この国で一番月に近いのはどこ?」
「駿河にある山だと聞いたことがあります」
穂乃果は駿河の山の山頂で海未からもらった手紙と秘薬を燃やしてしまった。
そういうわけでこの山は現在「富士(不氏)の山」と呼ばれている。
手紙と秘薬から出た煙は天まで高く高く立ち上っていった。
「海未ちゃんまで届きますように…」
96: 2015/04/19(日) 01:01:55.56 ID:enPHGr2C0
エピローグ
わたしにはここ数年の記憶がありません。自分の名前すら忘れているほどでした…。
まあ、しかしそれも今ではそれほど気にしていません。今の生活に過去の記憶などなくても困りませんので。
ふと空を仰ぐと真っ黒な闇の中にほのかに青く光る星が見えます。
私はこの星が大好きで以前人にその星の名前を聞いたのですが、名前などない、と答えられました…。
なので、私が勝手に「ほのか」と名付けて呼んでいます。ふふ、素敵な名前でしょう?
ほのかを見ていると何故か時々目から汗をかきます。この間大人にそのことを話したら病気だなんだと騒ぎになったので適当にごまかしました。
きっと煙でも目に入ったんだって
完
わたしにはここ数年の記憶がありません。自分の名前すら忘れているほどでした…。
まあ、しかしそれも今ではそれほど気にしていません。今の生活に過去の記憶などなくても困りませんので。
ふと空を仰ぐと真っ黒な闇の中にほのかに青く光る星が見えます。
私はこの星が大好きで以前人にその星の名前を聞いたのですが、名前などない、と答えられました…。
なので、私が勝手に「ほのか」と名付けて呼んでいます。ふふ、素敵な名前でしょう?
ほのかを見ていると何故か時々目から汗をかきます。この間大人にそのことを話したら病気だなんだと騒ぎになったので適当にごまかしました。
きっと煙でも目に入ったんだって
完
97: 2015/04/19(日) 01:05:33.77 ID:UuLuIaTOo
乙
99: 2015/04/19(日) 01:07:20.72 ID:UiO6v8bAO
おつです
悲恋か
悲しいね……
ハッピーエンドが見たかったな……
悲恋か
悲しいね……
ハッピーエンドが見たかったな……
引用元: 海未「輝夜の城で踊りたい」
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