1: 2010/02/19(金) 15:54:38.67 ID:HbNVUEfV0
澪「…律」

律「お、来たな」

澪「ごめんね、急に」

律「いいって。んで相談ってなによ?」

澪「うん。実は―――」


私と澪と出会ったのは小学のときだったっけ。ちゃんと覚えてる?

きっかけは私が最初に声をかけたのが始まりだったよなー

ねぇ、澪

どうして私が澪にすぐちょっかい出したがるか分かる?

知りたい? ねぇ知りたい? 教えよっかな~どうするかなぁ~

まぁ、特別に教えてやろう!

それはね…


澪「告白…されちゃった」


私が澪のこと、大好きだから!
けいおん! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

4: 2010/02/19(金) 15:57:37.46 ID:HbNVUEfV0
律「男か!?」

澪「ち、違う」

澪「お…女の子」

律「女って…おいそれ」

律「レズじゃんか」

澪「…たぶん」

律「…はぁー」

9: 2010/02/19(金) 16:00:07.48 ID:HbNVUEfV0
律「焦って損した」

澪「なっ」

澪「私は真剣に相談しに来たんだぞ!?」

律「あーごめんごめん」

律「でも澪さぁ」

澪「何よ…」

律「女と付き合いたいわけ?」

10: 2010/02/19(金) 16:03:15.39 ID:HbNVUEfV0
澪「…別にそういうつもりじゃ」

律「澪がそうしたいならそうしてもいいんだろうけどさ」

律「それって世間から見るとどうかな」

澪「……」

律「女と女だぜ?」

澪「うん…」

律「どうなのかな」

11: 2010/02/19(金) 16:06:14.59 ID:HbNVUEfV0
律「まぁ、女子高なんだから珍しくはないとは思ってはいたけど」

律「それって実際はほんの一握りみたいだし」

澪「……」

律「別に私はそういう人達をどうこう言う気はないし、偏見も持ってないからな?」

澪「そっか…」

律「んで」

律「澪の答えはどうなのさ?」

律「YES? NO?」

澪「…うん」

12: 2010/02/19(金) 16:10:06.78 ID:HbNVUEfV0
律「うんじゃなくて」

律「…もしかしてさっき私が言ったこと気にしてる?」

澪「ちょっとね」

律「そっか、悪かったよ」

澪「べつに…律は悪くない」

律「ていうか誰から告白されたのさ?」

澪「ごめん、それは言いたくない」

律(案外身近だったり?)

律「そっか」

14: 2010/02/19(金) 16:14:55.85 ID:HbNVUEfV0
澪「どうしたらいいか…わからないんだ」

律「ん?」

澪「断ってその子との関係が崩れるのも嫌というか」

澪「怖くて…」

律「うん」

澪「でもOKしたとしても、その…律がさっき言ったこともあるし」

律「OKしたことを考えてるってことは、その子のことは嫌いじゃないんだ?」

澪「まぁ…うん」

15: 2010/02/19(金) 16:16:37.44 ID:HbNVUEfV0
律「そっか」

澪「…ねぇ、律!」

澪「どうすればいいのかな!? 本当に私…私…」

澪「わかんないんだよぉ…」

律(そうとう考え込んでたんだ…)

律「でも決めるのは澪なんだぞ?」

律「澪がその子と付き合う付き合わないに私が口出ししてもいいの?」

澪「……」グスッ

律「でもそうだなー」

律「もし私が口出ししていいってのならさ」

律「澪、付き合っちゃやだよ」

17: 2010/02/19(金) 16:20:28.20 ID:HbNVUEfV0
澪「え…」

律「……」

澪「いや、その…えっと」

律「…ぷっ」

律「あははははは!」

律「冗談だよ、冗談!」

澪「なっ」

律「もしかして本気にしたのかよ?」

澪「さっきの雰囲気なら本気にして当然だろ!?」

律「ごめんごめん。空気良くしようと思ってさー」

澪「もう…ふざけないでよっ」

19: 2010/02/19(金) 16:24:04.49 ID:HbNVUEfV0
律「へへへ」

律「はい、空気が良くなったところでさっきの続き!」

澪「あ、うん」

律「YES? NO?」

澪「……」

律「ゆっくり考えていいんだからな」

澪「……」

律「……」

澪「……」

律「…んん」

澪「! ……」ビクッ

澪「ご、ごめん」

律「いいよ、気にしないで」

21: 2010/02/19(金) 16:26:12.44 ID:HbNVUEfV0
律「今日のところは帰りな? 風呂にでも入ってじっくり考えなよ」

澪「うん…ごめん」

律「だから謝るなってば」

澪「覚悟決めたら、電話する」

律「別に私に言わなくてもいいだろうに…」

澪「いや、一応相談したんだし…言わないと」

律「そっか? じゃあ…待ってるよ」

澪「うん。じゃあ、今日はありがと。律」

律「ん、じゃあね」

23: 2010/02/19(金) 16:29:12.60 ID:HbNVUEfV0
律「…ふぅ」

律「あの澪がねぇ…」

律「……」

律「女どうし、か」

律「…あー」

律「なんかイライラしてきた!」

ドンッ

律「なんだよ…なんで私にそんなこと相談しに来るんだよ」

律「…苦しいじゃん」

26: 2010/02/19(金) 16:33:38.98 ID:HbNVUEfV0
次の日

律「いってきまーす」

律(結局、澪から電話こなかったな)

律「まだウジウジしてんのかよって――――あ」

澪「あ」

澪「…律、あのね…えっと」

律「おーっす! 今日も澪の乳は絶好調だなぁーおい!」ガシッ

澪「いっ///」

律「あいっかわらずムカつくデカさだなー! この脂肪の塊は」モミモミ

澪「このっ、バカ律!」ゴンッ

律「っあ~~……」

澪「まったく!」

律「へへへ」

28: 2010/02/19(金) 16:36:33.12 ID:HbNVUEfV0
律「ところで今日の部活はどうする?」

澪「どうするって…そりゃあ練習だろ」

律「練習、練習って。最初、文芸部に入ろうとしていた奴が随分熱心になったもんだ」

澪「言い出しっぺの誰かさんがやる気を出さないからだろ」

律「誰よーそれ」

澪「お前だろ!」

律「あははは」

澪「もう…」

澪「……」

澪「ありがと、律」

律「んー?」

29: 2010/02/19(金) 16:41:18.58 ID:HbNVUEfV0
澪「気、使ってくれてるんだよね」

律「え」

澪「すごく助かってる」

律「……」

律「なーに言ってんだよ!」

律「私ってばいつもこんなテンションじゃん! 考えすぎだっての」


違う


澪「ううん。ありがとう律」


違うよ澪


律「よせって、乳揉むぞ~?」

澪「や、やめろ!」


別にあんたに気を使ったわけじゃない

私が澪にどんな顔していいかわからなかったから、こうして明るく振舞ってるだけ

30: 2010/02/19(金) 16:46:16.14 ID:HbNVUEfV0
律「――そっか、まだ決められないか」

澪「うん…」

律「ゆっくり考えろとは言ったけど、あいてのことを考えると返事は早くしてあげたほうがいいんだろうけどな」

澪「そう…だよね」

澪「今日中にはなんとかする」

律「おお、なんとかしとけ」

澪「うんっ」

澪「…ていうか他の人にこの事言いふらさないでよ?」

律「そこまでデリカシーない人に見えますかねぇ…」

律「別に誰にも言う気なんてないから安心しろって」

澪「ありがとう。それじゃあ、私こっちだから」

律「はいよ」

32: 2010/02/19(金) 16:49:02.71 ID:HbNVUEfV0
律「ういーっす!」

唯「あ、りっちゃん! おはよー」

紬「りっちゃんは今日も元気いっぱいね」

律「それが私だからな~」

唯「だよね~」

律「その切り替えしはなんかムカつく」ギリギリ

唯「ぎ、ギブっ…ギブギブ」

紬「ふふっ」

紬「元気というか…りっちゃんは花火みたい」

唯「あー! 打ち上げ花火? どかーん! しゅばばばば」

律「なっ、ムギまで言うか…」

33: 2010/02/19(金) 16:54:29.76 ID:HbNVUEfV0
紬「でも悪い意味で言ったわけじゃないのよ?」

紬「むしろ私、そんなりっちゃんに憧れ抱いてるもの」

律「…へ、へー! 嬉しいこと言ってくれるじゃないのさぁ」

唯「えー、ムギちゃんはりっちゃんになりたいの?」

紬「うふふ、こんな風にから元気に振舞えたらなーって」

唯「ムギちゃんにはムギちゃんの良さがあるのに~」

紬「あら、ありがとう。唯ちゃんだってそうよ?」

唯「えへ~そうかなぁ♪」

律「……」

34: 2010/02/19(金) 16:59:35.70 ID:HbNVUEfV0
律(澪に告ったのって、結局誰なんだろ?)

律(やっぱり身近な奴っぽかったよな…)

唯「りっちゃーん」

律(…こんなこと考えてても仕方がないか)

唯「おーい」

律「…え? ど、どうした?」

唯「HR始まるって」

律「あ、うん」

35: 2010/02/19(金) 17:02:15.80 ID:HbNVUEfV0
先生「それから今日の予定は―――」

紬「……」

律(そういえばムギって)

律(女がイチャついてるのを見るのが好きだとか前に言ってたよな)

律(…まさかね)

先生「では以上。次の授業に遅れないようにね」

「はーい」

律「ムギ、ちょっと」グイッ

紬「え? り、りっちゃん?」

唯「あれ、二人ともどこ行くの?」

律「内緒!」

唯「あーん、いけずぅ…」

36: 2010/02/19(金) 17:06:34.04 ID:HbNVUEfV0
紬「どうしたの、りっちゃん?」

律「ムギ」

紬「は、はい…」

律「ムギは女が好きか?」

紬「え!? ど、どうして?」

律「まずいいから」

紬「えー…」

律「恋愛対象としてだぞ」

紬「……」

紬「…はい。好きです」

律「…そっか」

38: 2010/02/19(金) 17:11:10.71 ID:HbNVUEfV0
紬「でもどうしてそんなことを?」

律「ちょっとな」

律(澪に告白したのはムギ?)

紬「まさか」

紬「りっちゃん…///」

律(…ていうかそれ知ったところでどうするつもりだよ!? 私は)

律「ちょっと…聞きたかっただけ」

律「別に深い意味とかはないよ。ごめんね、変な事聞いちゃって」

紬「う、うん!」

39: 2010/02/19(金) 17:16:16.46 ID:HbNVUEfV0
律「……」

紬「……///」

律「あのさ」

紬「! は、はいっ」

律「さ、最近好きな人に告白したりした?」

律(って何ストレートに聞いてんだよ私!?)

紬「え? ううん」

律「え…あ、そっか! そうかぁ! わかった、ありがとね!」

律(あれ?)

紬「うん///」

律(ムギじゃないの?)

40: 2010/02/19(金) 17:20:16.60 ID:HbNVUEfV0
唯「あ、おかえりー。どこ行ってたの?」

律「唯には教えなーい」

唯「ズルいよ! りっちゃんのくせにぃ」

律「なぁんだとぉ!?」ギリギリ

唯「あっぷ、あっぷ…」

紬「ほげー…」

唯「ムギちゃんなら教えてくれるよね!」

紬「…はいー?」

唯「ムギちゃん。焦点が定まってないよ…」

紬「…え、あ! ご、ごめんなさいっ」

唯「?」

42: 2010/02/19(金) 17:27:10.50 ID:HbNVUEfV0
放課後

唯「私が一番乗り!」

律「ま、負けたかっ!?」

紬「ふふふ」

紬「澪ちゃんと梓ちゃんはまだみたいね?」

律「じゃあ私らでお茶始めてよーぜ」

紬「そうね」

唯「今日は何かなぁ~♪」

紬「京都の八つ橋よ」

唯「何ですと!」

紬「お茶も緑茶にしましたー」

律「いや~、いいねぇ」

唯「むは~」

43: 2010/02/19(金) 17:30:32.83 ID:HbNVUEfV0
唯「うまうま」パクパク

律「ハッカがきいてるけどあんまり気にならないよな」

紬「よかった♪」

紬「それはそうと、澪ちゃん達遅いわね…」

唯「そだねー」モグモグ

律「お前、全然心配してないだろ?」

律(まさか澪…告白の返事を?)

律(でもそれなら私になにか言ってくるだろうし…)

律「んー…」

ガチャリ

45: 2010/02/19(金) 17:32:13.71 ID:HbNVUEfV0
梓「遅れちゃいました」

唯「お、あずにゃん」

律「なんだ梓か」

梓「む! 私で悪かったですねっ」

紬「まぁまぁ、梓ちゃんもこっちにいらっしゃい?」

梓「あ、八つ橋ですか!」

唯「すっごくおいしーよぉ?」

梓「期待大です!」

紬「はい、どうぞ」

梓「いっ、いただきますっ!!」

律「食いつきいいな、おい」

46: 2010/02/19(金) 17:36:59.84 ID:HbNVUEfV0
梓「むはぁ~」

唯「ね?」

梓「お茶にもいい具合にマッチしてて、文句のつけようがないですよ!」

紬「好評でよかったわぁ」

律「澪おそいなぁ」

紬「きっとそのうち来るわよ。何か用事でもあるの?」

律「え、んー…まぁ」

紬「?」

ヴィィン、ヴィィン

律「あ、メール…」

律「しかも澪から――――って」

律「なばっ!?」

47: 2010/02/19(金) 17:40:05.51 ID:HbNVUEfV0
『どうしようまたこくはくされたどうしよう』

律「モテ期かよ!?」

紬「え?」

唯「りっちゃんボケが唐突すぎるよー」

梓「いきなり叫ばないで下さいよ」

律「…どういうことですかっての」


澪、あんたはあんたで大変なんだろうけどさ

事情知ってる上に、あんたのことが好きな私の身にもなってくれよな…

48: 2010/02/19(金) 17:44:52.39 ID:HbNVUEfV0
律「―――んで、どういう経緯なのか教えてくれる?」

澪「うん…」

澪「あ、名前は伏せても…」

律「構わないから早く言えって!」

澪「…実は――――」

・・・

律「またウチの高校の生徒かよ」

澪「ううっ」

律「なぁ、澪」

50: 2010/02/19(金) 17:48:40.56 ID:HbNVUEfV0
律「正直言うと、お前はすっごく可愛いよ。女の目から見ても」

律「スタイル良いし、髪も綺麗だし」

澪「あ///」

律「ファンクラブも存在するわけだし」

澪「そこは関係ないだろ!?」

律「ん」

澪「あ…はい、ごめん」

律「とにかく…その辺に放って置かれる存在ではないわけ。自覚しとけよ」

澪「う、うん…///」

律「だからと言うのもあれだけど…こういうケースも珍しくはないわけだな」

澪「そんなぁ…」

51: 2010/02/19(金) 17:50:13.26 ID:HbNVUEfV0
澪「どうしよう…本当にどうしよう」

律「続けてくると聞いてる方は意外と落ち着けるもんだなぁ」

澪「お、落ち着かないでよぉ!」

律「バカ、こういうときだからこそだろ」

澪「あ、ああ…」

律「さて、澪さん?」

律「あなたは今、二つの分かれ道の手前にいます」

律「片方と付き合い、片方を振る。さもなくば、どちらとも振る」

澪「…ごくりっ」

律「どちらとも付き合うなんて考えは持ち合わせてないよな?」

澪「当たり前だろ…」

律「なら良し」

52: 2010/02/19(金) 17:53:22.51 ID:HbNVUEfV0
律「よく考えろよ」

澪「うん」

律「…にしてもどっちも女とは」

澪「……」

律「案外男には縁がないのかもな、澪は」

澪「 」

53: 2010/02/19(金) 17:55:46.70 ID:HbNVUEfV0
律「さーどうする?」

律「何度も言うけど決めるのは澪なんだからな」

律「相談にならいくらでも乗ってやるから…」

澪「あ、ありがと…」

澪「……」

澪「…律」

律「ん?」

澪「律ううぅぅぅぅっ」ギュッ

律「!?」

54: 2010/02/19(金) 17:58:30.80 ID:HbNVUEfV0
律「お、おい」

澪「ぐすっ…」ギュウウ

澪「こんな…こんなことでこんなに悩むときが来るだなんて思ってもなかった…」

律(まぁな…)

澪「しかも…身近な人からだなんて…」

律「……」

澪「傷つけたくない…どっちも傷つけたくないよぉ」

律「そっか…」

律「澪は優しいね」ナデナデ

澪「う、うわああああんっ」


泣きたいのは私の方だ

と、心の中で思うことしか私にはできなかった

55: 2010/02/19(金) 18:01:10.71 ID:HbNVUEfV0
澪「ひぐ…ぐすんっ」

律「落ち着いた?」

澪「…少し」

律「ん、ちょっと待ってて」

・・・

律「ほい、お待ち」

律「律さま特製のカルピス」

澪「あ、ありがとう…いただきます」ゴク

澪「って甘ぁっ!? 水で薄めてないな!?」

律「は、腹痛ぇ…くくくっ…ぷぷ」

律「澪って…結構、切り替え早いよなぁ」クス

澪「な、なんだよっ」

律「いや~澪可愛いなぁって」

澪「ちょっ…律///」

律「あははははは!」

58: 2010/02/19(金) 18:05:24.81 ID:HbNVUEfV0
澪「何なんだよ…まったく」

律「ほら、気が紛れたでしょ?」

澪「まぁ…」

律「ならいいじゃん。ね?」

澪「…ふふ、そうだな」

澪「…律!」

律「お、おう!?」

澪「決心ついた」

律「…おう」

律「どうするんだ?」

澪「うん、付き合うことにした」

律「……」

律「ていうかどっちとだよ!」

澪「二人目と」

60: 2010/02/19(金) 18:10:39.82 ID:HbNVUEfV0
律「好きなの? そいつのこと」

澪「前から気になってはいたし、すごく親しみやすかった」

律「後悔…しない?」

澪「…うん」

律「じゃあ最初の奴は振るんだ?」

澪「悪いけど、そうさせてもらう」

律(迷いがねぇよ…)

律「…澪がそれでいいなら私はこれ以上何も言わない」

律「まぁ、陰ながら…応援しとく」

澪「ありがとう」

61: 2010/02/19(金) 18:15:13.22 ID:HbNVUEfV0
律「そういうことなら相手が誰なのか教えてよ。もういいだろ?」

澪「あー…驚かないなら」

律「…覚悟完了っ」ピシッ

律「かかってこい!」

澪「和…だよ」

律「マジかよぉぉっ!?」

澪「驚かないって言ったじゃない…」

63: 2010/02/19(金) 18:21:55.81 ID:HbNVUEfV0
律「ちなみに振る方は?」

澪「そこまで聞くか」

律「気になるんだから仕方がないでしょ」

澪「…今度こそ驚かないでよ?」

律「どんとこーいっ」ピシピシッ

澪「梓」

律「梓ぁっ!?」

澪「だから…」

律(えー…梓かよ…)

64: 2010/02/19(金) 18:24:15.57 ID:HbNVUEfV0
律(まぁ、前から澪に憧れ抱いてる感はあったけど、まさか恋愛感情にまでぶっ飛んでたとは…)

律「じゃあ部活のとき妙にテンション上がってたのはそれのせいか…」

澪「ええっ」

律「た、たぶん大丈夫!」

律(言いたいこと言えたからってスッキリしてたんだな梓の奴…)

澪「梓は…軽音部の雰囲気が壊れるかもしれないからって、すっごく考えたんだ」

律「梓はそんなに弱くないって。澪も知ってるだろ?」

澪「うん…まぁ」

律「でもちゃんと言ってやらなきゃ、な」

澪「そうだね」

67: 2010/02/19(金) 18:37:11.54 ID:HbNVUEfV0
澪「じゃあ、今日はありがとう。律」

律「いえいえ」

律「……」

澪「……」

律「の、和に迷惑かけたりすんなよー?」

澪「うん」

澪「それじゃあ」

律「はい、また明日…」

68: 2010/02/19(金) 18:39:29.24 ID:HbNVUEfV0
律「そっか」

律「澪、付き合っちゃうんだ」

律「……」


澪、付き合っちゃやだよ


律「付き合うのかーそうなのかー」


付き合っちゃやだよ


律「……」


やだよ


律「…ちくしょおぉ」

69: 2010/02/19(金) 18:42:27.74 ID:HbNVUEfV0
律「なんだよっ、ズルいんだよっ」

律「いっつも! いっつも!」

律「私の気持ちなんてわかってくれやしないっ!」

律「そりゃあ…いつまで経っても気持ちを伝えられない私が悪いよ」

律「でも、でもっ」

律「…ぐすっ」

律「…澪のばかちん」

71: 2010/02/19(金) 18:46:55.83 ID:HbNVUEfV0
次の日の放課後

唯「ウマイ!」

梓「ですね」

紬「ふふ、持ってきた甲斐があるわ」

唯「私も軽音部に入った甲斐があったよ~」

律「おいおい、お菓子目的かよ…」コツン

唯「あいたっ」

律「まったく、唯はデリカシーがねぇなぁ」

唯「えー! でもそんなりっちゃんだって」

律「私がなんだって~?」ギリギリ

唯「うご…ぼ、暴力反対っ…」

澪「……」

72: 2010/02/19(金) 18:50:45.95 ID:HbNVUEfV0
唯「ふぅ…」

梓「ほんとにお二人は元気ですよね」

律「なんだー? 梓妬いてんのかぁ~?」

梓「ち、違いますよ!」

唯「え~?」ニヤニヤ

梓「な…なんですか」

唯「あずにゃん照れてるじゃーん! 顔赤いよぉ?」

梓「違いますから! 暑いだけですっ」

唯「素直じゃないあずにゃんが可愛いっ」ギュ

梓「ちょっ、唯先輩!」

紬「いいわぁ…とっても」ポワーン

律「おーい、ムギ戻ってこーい」

澪「…律、ちょっと」コソコソ

律「ん?」

75: 2010/02/19(金) 18:53:57.23 ID:HbNVUEfV0
澪「そろそろ…梓に言おうと思う」

律「あー、はいはい」

律「…頑張りなよ?」

澪「な、なるべく」

律(ほんと大丈夫かねぇ…)

律「じゃあ後は私に任しとけ」

澪「うん…」

76: 2010/02/19(金) 18:57:09.37 ID:HbNVUEfV0
律「おーい、みんな!」

唯・紬・梓「?」

律「そろそろ部活切り上げてアイスでも食べ行こうぜー?」

梓「え、まだちょっとしか時間経ってないじゃ――」

唯「はいはい! 賛成! とっても賛成です!」

紬「それじゃあ私も」

澪「…うん」

律「だとさ、梓くん?」

梓「うー…今日だけですよ?」

唯「やた~!」

紬「今日は三段重ねに挑戦しよっと♪」

梓「もうっ…」

澪「梓、ちょっと」

梓「!」

77: 2010/02/19(金) 19:00:31.06 ID:HbNVUEfV0
澪「話があるからちょっとだけ残ってくれないかな」

梓「…は、はいっ」

澪「そういうわけだから三人でさきに行っててくれない?」

唯「えー外で待ってるよ?」

紬「さきに食べてるのも悪いし」

律「わかった。澪」

律「そういうことだから行ってようぜー」グイッ

唯「あわわ…り、りっちゃん?」

紬「ああ…また強引な///」

律「それじゃあ、まってるな~」

澪「うん」

79: 2010/02/19(金) 19:02:44.97 ID:HbNVUEfV0
唯「もぉ、りっちゃんてばー…」

律「いいから、いいから」

紬(澪ちゃん…梓ちゃんに何の話かしら?)

紬(…あ)

紬「ま、まさか」

唯「ムギちゃん?」

紬「な、なんでもないのっ!」

唯「まだ何にも言ってないんだけど…」

律(振った後が怖いよなぁ…)

81: 2010/02/19(金) 19:04:46.85 ID:HbNVUEfV0
澪「……」

梓「……」

澪・梓「あの!」

澪「あ…」

梓「せ、先輩からどうぞっ」

澪「いやっ、梓から!」

澪・梓「……///」

82: 2010/02/19(金) 19:09:13.00 ID:HbNVUEfV0
澪(どうやって切り出そう…なるべく自然な形から入った方が良いのかな)

梓(澪先輩、どうなのかな…? うわぁ、ドキドキして力が入らないよぉ…)

澪「あ、あ…」

梓「……私、澪先輩に告白してよかったです」

澪「はい!?」

梓「いままで胸の奥にあったモヤモヤが取れた感じがしたんです」

梓「きっと澪先輩に好きだと言い出せたからなんだと思います…」

梓「だから」

澪「…うん」

梓「返事はどうであれ…私、澪先輩に告白したこと、後悔してません」

澪「梓…」

83: 2010/02/19(金) 19:14:10.81 ID:HbNVUEfV0
梓「言っちゃってください!」

梓「覚悟、できてますからっ」

澪(…そんなこと言われたら、こっちが辛いじゃないか…)

澪「…っ」

梓「……」

澪「…しく」

梓「え?」

86: 2010/02/19(金) 19:18:27.24 ID:HbNVUEfV0
澪「よろ…しく」

梓「あ、あの…すみませんが、もう一度…言ってくれませんか?」

澪「よ、よろしくお願いしますっ!!」

梓「…え」

梓(うそ……)

梓「え、あ…その…その」

梓「あ…あれ? おかしいな…なんか涙でてきちゃいましたっ」

澪「…///」

梓「付き合って、くれるんですよ…ね?」

澪「…ああ」

梓「う、う…」

梓「わああああぁぁぁんっ」

89: 2010/02/19(金) 19:24:22.59 ID:HbNVUEfV0
律「唯、お前そんなに食べて夕飯大丈夫なの?」

唯「別腹なんだよ! りっちゃん!」

律「お前のは異次元にでも通じてるんかっ」

紬「あ、澪ちゃんと梓ちゃんが」

唯「お、きたきた~」

律(…梓。どれ、たまに先輩らしく良い感じに振舞――)

律「って…あれ?」

唯「あー、手なんか繋いじゃって! 羨ましいなぁ」

梓「えへへ」

澪「たまには、ね」

紬「あらまぁ///」

律「ど、どういうこと…?」

91: 2010/02/19(金) 19:28:47.87 ID:HbNVUEfV0
律「―――んで、梓と付き合うことにしたのか」

澪「…うん」

律「…お情けでOKしたんじゃないだろうな」

澪「ち、違うっ! 私の意志!」

律「ならいいけど」

律「もし違ってたら…私、お前のこと軽蔑するところだった」

澪「……」

92: 2010/02/19(金) 19:33:53.64 ID:HbNVUEfV0
律「和にはもう断ったのか?」

澪「さっき会って直接断ってきた」

律「それでよかったのか」

澪「…うん」

律「本当?」

澪「本当だともっ」

律「…そっか」

93: 2010/02/19(金) 19:37:43.24 ID:HbNVUEfV0
律「和はどう言ったの?」

澪「仕方がないって…」

澪「笑って、許してくれた」

澪「困らせてごめんねって…」

律「……」

澪「…わ、笑って…笑って…ぐすっ」

澪「っく…あう…ううっ」

律「…ほれ、胸貸してやる」

澪「うわあああああっ」

澪「ごめんっ、ごめんね和ぁぁ! ごめんなさいっ、ごめんなさいっ、あああああぁぁ」

94: 2010/02/19(金) 19:44:00.34 ID:HbNVUEfV0
澪「ぐすっ、ぐすん」

律「ここ3日間泣きっぱなしじゃん」ナデナデ

澪「っ、ごめん…」

律「いいよ」

律「でも終わったことはいつまでも引きずるなよ?」

澪「…う、うん」

律「ならもう大丈夫だ」

澪「…うんっ」

95: 2010/02/19(金) 19:47:54.58 ID:HbNVUEfV0
律「……」

澪「ねぇ」

律「何?」

澪「私、律にはいつも助けられてばっかりだ」

律「…ほんと、世話かかるお姫様だよ」

澪「お姫様って…///」

澪「…じゃあ、律は私の王子様、かな」

律「!」

律「…はは、それって梓じゃないのかよ?」

澪「それとこれとは別」

律「…あっそ」

97: 2010/02/19(金) 19:51:36.96 ID:HbNVUEfV0
澪「じゃあ、色々と本当に助かったよ」

律「うん」

律「もう暗いし、家まで送ろうか?」

澪「すぐそこなんだから大丈夫だよ」

律「そう? じゃあ…」

澪「うん。ばいばい」

律「はいよ」

98: 2010/02/19(金) 19:54:43.69 ID:HbNVUEfV0
律「……王子様だって」

律「思いっきり皮肉じゃん」

律「あはは」

律「はははは…はぁ」


胸がズキズキとひどく痛んだ気がした


律「…うっ、ひぐ」


泣いたら負けだと思った


律「ふざけんなよなぁ…」


でも無理だって…


律「み、澪のばぁーーーか!!」

律「わあああああっ」

99: 2010/02/19(金) 19:59:31.52 ID:HbNVUEfV0
次の日

紬「あら、りっちゃん」

律「おーっす…」

唯「おはよ~…って、りっちゃんどうしたの!?」

律「あ?」

唯「目の周り真っ赤か!」

律「げっ」

律(もうそろ腫れがひいてるころかと思ってたのに…!)

紬「ほんとねー…りっちゃん痒くはない?」

律「だ、大丈夫だよ! 大丈夫!」

紬「そう?」

律「うんっ」

100: 2010/02/19(金) 20:04:39.80 ID:HbNVUEfV0
唯「…くぷぷっ」クスクス

紬「唯ちゃん?」

律「今度はなんだよ?」

唯「目に周りが赤くなってて、丁度パンダみたいになって見えるから…つい」

唯「ぷぷっ…あはははは!」

紬「あ、言われてみれば」

律「…ほぉ」

律「そんなに私のキャメルクラッチを受けたいと」

唯「え!? そ、それだけはご勘弁をぉぉぉ」

律「問答無用じゃああっ!」

唯「うぎゃあああ!?」

103: 2010/02/19(金) 20:08:09.85 ID:HbNVUEfV0
唯「し、氏ぬかと…」

律「お前が悪いんだからな」

唯「ぶー!」

律「んー?」バキ…ボキ

唯「む、ムギちゃ~んっ」ギュ

紬「よしよし」

唯「えへへ♪」

律「ちゃっかりしてやがる…」

104: 2010/02/19(金) 20:11:50.85 ID:HbNVUEfV0
紬「あ、ところで」

律「ん?」

紬「後でちょっと話したいことがあるの…」

律「ああ、わかった」

唯「えー、私は?」

紬「ごめんなさいね、唯ちゃん」

唯「また私ばっかり除け者扱い…」

唯「寂しいよぉ」

紬「ごめんねぇ…」ナデナデ

唯「むすー…」

律(どこのガキんちょだよ、こいつは)

105: 2010/02/19(金) 20:17:20.79 ID:HbNVUEfV0
律「―――で、話って?」

紬「ずばり! 澪ちゃんと梓ちゃんのこと!」

律「なっ!?」

紬「…二人は、その…お付き合いを」

律(…さすがに勘付くか)

律「ん、昨日から付き合い始めたらしいな」

紬「や、やっぱり!」

紬「あ…でも、このこと私にバラしちゃっても良かったのかしら…?」

律「大丈夫だよ、いずれ分かることだろうし」

律「ていうか訊いてきたのムギじゃん」

紬「まぁ…ええ、はい///」

106: 2010/02/19(金) 20:20:54.44 ID:HbNVUEfV0
律「やっぱり、昨日の時点で怪しく見えた?」

紬「ちょっとね」

律「だよなぁ…」

紬「…まずかったかしら」

律「だから大丈夫だって」

律「でもここに唯を呼ばなかったことは正解だった」

紬「え?」

律「あいつがこれを知ったら、二人に色々と余計なこと言いそうだからな」

紬「そうかなぁ」

律「口軽いじゃん。あいつ」

唯「わ、悪かったね!」バンッ

律・紬「!?」

紬「唯ちゃん!」

108: 2010/02/19(金) 20:24:05.38 ID:HbNVUEfV0
唯「どうせ私は口が軽い女ですよーだっ」プイッ

律「お前盗み聞きしてたのかよっ」

唯「…だってぇ」

紬「ごめんね、唯ちゃん。私が悪かったわ…ごめんなさい」

唯「もう…除け者にしない?」

紬「ええ」

唯「ムギちゃん大好き!」ギュ

紬「あら…///」

律「…やれやれだぜ」

109: 2010/02/19(金) 20:28:30.74 ID:HbNVUEfV0
唯「でも驚いちゃった」

唯「まさか澪ちゃんとあずにゃんがLOVE同士だったなんて!」

紬「ね」

律(…言い回しが腹立つ)

律「二人にはいつも通りに接してやってよ?」

律「結構ナイーブな奴らなんだから」

唯「わかってるって!」

紬「もちろんよ」

律「じゃあ、そういうことで」

唯・紬「はーい」

111: 2010/02/19(金) 20:33:00.09 ID:HbNVUEfV0
放課後

梓「澪先輩」

澪「ん?」

梓「ちょっと…呼んでみただけですっ」

澪「なんだよもうっ///」

紬(こ、これは予想以上…!)

唯(きゃー! きゃー!)バタバタ

律(み、見せつけやがる…ちくしょう)

113: 2010/02/19(金) 20:39:38.90 ID:HbNVUEfV0
澪「梓」

梓「は、はい」

澪「…呼んでみただけっ」

梓「澪先輩…っ///」

紬(え、えっと…ビデオはどこに置いたかしら…)

唯(隠す気全然ないじゃん! なんだか私も恥ずかしくなってきちゃったよぉ…///)

律「……」


これでよかったんだよな

澪が幸せになってくれたのなら…

…そうだよ、これでいい。いいんだ

123: 2010/02/19(金) 21:42:21.65 ID:HbNVUEfV0
・・・

・・・

幼律「澪ちゃんは将来誰と結婚するのー?」

幼澪「え!? ど、どうして…」

律「聞いてみただけー」

澪「あう…」

律「お父さんとかベタなのはいいからね」

澪「ち、違うもんっ」

律「じゃあ誰?」

澪「そんなの…わかんないよぉ」

律「ふーん」

124: 2010/02/19(金) 21:47:49.67 ID:HbNVUEfV0
律「あ! じゃあさ」

澪「?」

律「澪ちゃんにいつまで経っても結婚したい人ができなかったら」

律「私が澪ちゃんと結婚したげるっ!」

澪「え、ええぇぇ!?」

澪「でっ、でも律ちゃんは女の子なんだよ? 無理だよ…」

律「だいじょーぶだよ」

澪「大丈夫じゃないよぉ」

律「だいじょーぶなんだってば!」

律「ね? はい、指切りげんまん嘘ついたら針千本…」

澪「えー!?」

律「にひひっ、約束ね!」

・・・

・・・

125: 2010/02/19(金) 21:52:03.03 ID:HbNVUEfV0
コンコン

聡「姉ちゃーん、いつまでトイレ入ってるつもりだよ?」

律「ぐすっ…も、もうちょっと待って…」

聡(え、まさか泣いてる?)

聡「まったく長ぇウンコだなー…部屋で待ってるから終わったら呼び来てよ」

律「うん…」

律「どうしよ…変なこと思い出してきて、涙止まらないっ」

律「また…パンダみたいってバカにされるじゃんかよぉ」

律「…っく」

126: 2010/02/19(金) 21:56:53.03 ID:HbNVUEfV0
数日後

澪「おはよう、律!」

律「うん、おはよ」

律「あれから梓とは調子良いの?」

澪「ああ! バッチリだよ」

澪「きっと相性が良かったんだなぁ」

律「…仲がよろしいようでなによりですわー」

澪「えへへ」

127: 2010/02/19(金) 22:00:08.91 ID:HbNVUEfV0
律「デートとかはしないのかよ?」

澪「…ちょっと、恥ずかしいかな」

律「は?」

律「別に恥ずかしがることねーじゃん。お前らはどういう付き合いしていく気なわけ?」

澪「ひ、ひっそりと」

律(もう山にでも潜ってろよ…)

131: 2010/02/19(金) 22:06:48.51 ID:HbNVUEfV0
澪「…今日は梓と何ができるかなぁ」

律「さぁ」

澪「もう毎日が楽しくてしょうがないよ」

律「そーですね」

澪「付き合うってこんなにも良いことだったんだぁ…」

律「…ちっ」

澪「律も誰かと付き合ってみたら? とっても楽しいよ?」

律「…んだよっ」

澪「え」

律「うるさいんだよっ!!」

律「人の気も知れずに、幸せオーラぷんぷん振り撒きやがって!」

律「いちいちどうでもいいこと話題に出してくんなよっ!」

澪「ご、ごめん…」

132: 2010/02/19(金) 22:11:59.94 ID:HbNVUEfV0
澪「調子に乗りすぎちゃったよね…」

律「……」

澪「ごめんね、律」

律「……」

律「…私こそ怒鳴って悪かったよ」

澪「う、ううん。気にしてないから」

律「そっか…」

律「……」

澪「……」

138: 2010/02/19(金) 22:19:45.98 ID:HbNVUEfV0
放課後

律「……」

澪「……」

唯「む、ムギちゃん」ヒソ

紬「ええ…」ヒソ

唯「なんかすっごく気まずい雰囲気…」

紬「何かあったのかしら」

律「…ムギ」

紬「はいぃぃ!?」

律「お茶のおかわり貰える?」

紬「た、ただいまお持ちしますっ」

唯「ムギちゃんテンパりすぎ! 落ち着いてー!」

139: 2010/02/19(金) 22:25:29.60 ID:HbNVUEfV0
紬「ど、どうぞ」

律「ありがとう」

紬「……」ジー

律「…私の顔に何かついてる?」

紬「え! あ、ごめんなさいっ」

紬「ゆ、唯ちゃ~ん」ギュ

唯「ムギちゃん! ご無事でっ」ギュ

律・澪「…?」

140: 2010/02/19(金) 22:30:56.55 ID:HbNVUEfV0
唯「とりあえずこの重い空気をどうにかしなきゃ!」

紬「でもどうすれば…」

唯「私にどーんと任せなさいっ」

紬「えー…」

・・・

唯「りっちゃん! 澪ちゃん!」

律・澪「何…?」

唯「一瞬だからよく見ててねー…」

律・澪「え?」

唯「はいっ」

「……」

唯「ほ、ほらー! 親指が伸びちゃったよぉ~!?」

唯「びっ、ビックリしたでしょ! ね? ね!?」

紬(ゆ、唯ちゃん…)

142: 2010/02/19(金) 22:36:12.28 ID:HbNVUEfV0
澪「おもしろかったよ、唯」

律「すごい、すごい」

唯「あぅ…」シュン

唯(目逸らして言ってるじゃん…)

ガチャリ

梓「また遅れちゃいました」

唯「きた! 救世主!」

梓「な、なんですか! いきなり…」

澪「梓…」

律「……」ピクッ

梓「澪先輩! 聞いてくださいよー」

梓「実は今日、純が…」

澪「そ、そうなんだ」

律「…はぁ」

144: 2010/02/19(金) 22:40:36.26 ID:HbNVUEfV0
律「あのさ」

梓「はい?」

律「イチャつくなら外でやってほしいんだけど」

梓「!」

澪「り、律っ」

律「二人がお熱いのは十分こっちにも伝わってるからさ。ね?」

梓「な…何言ってるんですか!?」

律「言葉の通りじゃんかよ」

紬「り、りっちゃん」

唯「あわわわ…」

148: 2010/02/19(金) 22:47:29.21 ID:HbNVUEfV0
梓「別にイチャついてなんかいませんっ! ね、澪先輩!」

澪「そ、そうだよ」

律「そういうところがそうだって言ってんだよ」

律「あ~いいねぇ、羨ましいねぇー」

梓「ちょっ…本気で怒りますよ!?」

唯「あ、あずにゃん落ち着いて…」

律「なんで怒るのさ? 私は部活の邪魔をするなって注意したんだぞ?」

梓「部活も何も、お茶飲んでお菓子食べてるだけじゃないですか!」

律「それも含めてうちの活動なんだから仕方がないだろ」

梓「ふざけてるんですかっ!!」

澪「ちょ、ちょっと…二人とも」

152: 2010/02/19(金) 22:53:17.50 ID:HbNVUEfV0
律「梓もそうだけど、澪もなんだからな」

澪「え」

律「マジで何なんだよお前ら…」

律「自分達が気まずい雰囲気作ったりしてることにも気づいてないし」

律「そもそも女と女で付き合ってるとかバカみた―――」

パンッ

律「―――え」

澪「…っ」

梓「み、澪先輩…?」

唯・紬「!!」

律「…痛いじゃん、なにすんのさ」

澪「律、お前…最低だっ」

ガチャ、タタタタ…

155: 2010/02/19(金) 22:57:17.96 ID:HbNVUEfV0
一応言っておくと、書き溜めたものを投下している。
ナウシカ見ながらだからちょっとスローペースではあるけど。


梓「澪先輩! 待って!」ガチャッ

律「…ちっ」

唯「ど、どうしよう」

紬「……」

律「あーあ、ほっぺたジンジンするよ」

律「今日のところはもう部活になんないね。てなわけで各自解散~」

唯「で、でも」

律「仕方がないじゃん? そんじゃ、私はこれで…」

紬「待ちなさい!」

律・唯「!?」

158: 2010/02/19(金) 23:03:57.98 ID:HbNVUEfV0
唯(ムギちゃんが…怒ってらっしゃる?)

紬「りっちゃん、座って」

律「だ、だから解散だって」

紬「座って」

律「…な、なんだよ」ス

唯「ムギちゃん?」

紬「とりあえずお茶でも飲んで落ち着いて」

律「? ……」ゴクッ

紬「落ち着いたかしら?」

律「…まぁ」

159: 2010/02/19(金) 23:05:59.66 ID:HbNVUEfV0
律「てか何だよ? もしかしてさっきのことで私に説教でもする気?」

律「私はあいつらに本当のことを言っただけで…」

紬「りっちゃん」

律「は、はい…」

紬「悩み事、あるんでしょ? 私に話してみて?」

律「え」

160: 2010/02/19(金) 23:12:19.86 ID:HbNVUEfV0
唯「悩み事?」

律「何かと思えば…そんなことかよ」

紬「ううん、そんなことじゃないよ」

紬「りっちゃんはいつも何か悩んでたりすると自分に素直になれなくなるわよね」

律「なっ…」

唯「そ、そうだったの?」

律「知らねーよ!」

紬「思ってもないことを言っちゃったり…そうでしょ? りっちゃん」

律「…ち、ちが」

紬「違わない」

律「うう…」

唯「おおぅ、りっちゃんが押されてる…!」

165: 2010/02/19(金) 23:19:12.38 ID:HbNVUEfV0
紬「話した方がきっと楽になると思うよ?」

律「……」

紬「一人で抱え込んでても仕方がないもの。ね?」

律「…いいの?」

紬「ええ」

律「ムギ…ごめんなさい」

紬「謝るのは後で澪ちゃんと梓ちゃん達と一緒にでいいから」

律「あ…」

唯(ムギちゃん…なんかお母さんみたい。ていうか…あれ、もしかして私今空気になってる…?)

167: 2010/02/19(金) 23:24:21.10 ID:HbNVUEfV0
・・・

紬「―――そうだったんだ…」

律「……」

唯「…りっちゃんっ」ギュ

律「わっ…いきなりなんだよ」

唯「りっぢゃあ゛ああんっ」グスッ

律「な、なんでお前が泣くんだよ!?」

唯「つ、辛かった…よねぇ…ひぐっ、ぐすん」

唯「わああああんっ」

律「ちょ、ちょっと…唯ってば」

紬「ふふ、よかったね。りっちゃん」

律「えー…///」

170: 2010/02/19(金) 23:30:06.27 ID:HbNVUEfV0
唯「ぐす、ぐすんっ」

律「あー…よしよし」

律(…まったく、私が泣きたいぐらいだってのに)

紬「そっか、やっぱりりっちゃんは澪ちゃんが好きだったんだ」

律「な、なんで?」

紬「そんな気はしてたもの」

律「ムギには何でもお見通しだな」クスッ

紬「ふふ」

唯「…でも、どうするの? りっちゃん」

律「ん?」

唯「このまま澪ちゃんに本当のこと言わないでおくの?」

唯「そんなのだめだよぉ…」

律「……」

172: 2010/02/19(金) 23:34:24.91 ID:HbNVUEfV0
紬「その前に、まずは謝ることがさきだと思うわ」

紬「澪ちゃんとても怒ってたもの」

唯「あう…」

律「…だよな」

紬「謝った後のことは、りっちゃんの判断しだいね」

律「ていうか、澪の奴…許してくれるかな」

律「私、あんな酷いことバンバン言っちゃったわけだし…」

紬「それもりっちゃんの謝りしだい!」

律「…うん」

176: 2010/02/19(金) 23:42:26.00 ID:HbNVUEfV0
律「二人とも、ありがとね。なんか凄く気分が楽になったよ」

唯「えへへ」

紬「よかったわぁ」

律「ほんと感謝してる…」

ガチャリ

梓「澪先輩…どっか行っちゃいました」

唯「あずにゃん!」

律「…梓」

梓「電話にも出てくれないし…」

178: 2010/02/19(金) 23:45:45.90 ID:HbNVUEfV0
梓「律先輩のせいですよっ!? なんであんなことをいきなり!」

律「…ごめん」

梓「! …あ、あやまって済むと思ってるんですか!?」

律「ごめん、なさいっ」

唯「あずにゃん。りっちゃんも悪気があったわけじゃないんだよ」

梓「え?」

唯「実はね」

律「お、おい…」

唯「いつか分かっちゃうかもなんだし、あずにゃんにも言っておこうよ。ね?」

紬「そうね」

律「…う、うん」

唯「実は―――」

181: 2010/02/19(金) 23:52:45.78 ID:HbNVUEfV0
梓「…そうだったんですか」

律「本当にごめん」

梓「もういいですってば」

唯「あずにゃ~ん!」ギュ

梓「だから一々抱きついてこないでくださいよぉっ」

唯「あずにゃんがいい子だから仕方がないんだよぉ~」

梓「な、何ですかそれ!?」

紬「ふふふ、じゃあ私も」ギュ

梓「えぇ!?」

182: 2010/02/19(金) 23:59:38.33 ID:HbNVUEfV0
梓「それにしても律先輩が…」

律「……」

梓「…そうだとしても澪先輩はそうとう傷つきました。どう落とし前つけるつもりですか?」

律「今、すごく考えてる」

梓「…あきれた」

紬「梓ちゃん…」

梓「でも」

梓「律先輩らしいというか」クスッ

律「な、なんだよそれ…」

梓「ふふ、しっかり澪先輩のこと慰めてあげてください」

梓「それと…ちゃんと律先輩の気持ちも伝えてあげてくださいね?」

律「え…で、でも梓、お前…」

梓「大丈夫ですよ。律先輩なんかに私の澪先輩は取られませんから!」

律「梓…こいつぅ!」ギュ

梓「うにゃーー!?」

184: 2010/02/20(土) 00:07:11.64 ID:37kyEqhX0
律「そうと決まれば、ちょっくら行ってくるよ」

梓「だからどこ行ったのかわからないって…」

律「大丈夫」

梓「その根拠のない自信はなんですかっ」

唯「私も手伝う!」

律「…ありがと、でも気持ちだけでいい」

律「私がやっちゃったことなんだし、けじめは自分でつけたいからさ」

唯「りっちゃん…」

紬「りっちゃんのそういうところ、私は大好き」

律「よせやい、よせやい」

紬「本当に…憧れちゃうなぁ」

梓「ムギ先輩までこうなったら大変ですよ?」

律「このっ、生意気な後輩がぁぁ」ギリギリ

梓「し、絞まってます! 絞まってますからっ!」

185: 2010/02/20(土) 00:13:22.46 ID:37kyEqhX0
律「じゃあ…行ってくる!」ガチャリ

唯「大丈夫なのかなぁ」

梓「本人がそうだって言ったんです。信じてあげましょうよ」

紬「梓ちゃんは本当にいい子ね」ナデナデ

梓「や、やめてくださいよ…///」

唯「…でも、あずにゃんはいいの?」

梓「はい?」

唯「澪ちゃんはあずにゃんの彼女なんだよ…? なのに」

梓「いいんです」

梓「それに、私が部活の雰囲気おかしくしてたのは違ってなかったんですから」

梓「これぐらいのお詫びの一つもしておかないと…」

紬「梓ちゃんっ」ギュ

唯「あずにゃんっ」ギュ

梓「だからやめてくださいってばぁぁ…///

188: 2010/02/20(土) 00:21:04.60 ID:37kyEqhX0
オカケニナッタデンワハゲンザイ…

律「やっぱ電話には出るわけないよな…」

律「…私、なんであんなこと澪に言っちゃったんだろ」

律「…ばか」

律「澪っ、待ってろよな」


なぁ、澪

澪は私のことどう思ってるのかな

189: 2010/02/20(土) 00:24:43.28 ID:37kyEqhX0
律「…そうですか澪、まだ帰ってないんですか」

澪母「何か用事でもあったの?」

律「まぁ、ちょっと」

澪母「そう。じゃあ澪が帰ってきたら、律ちゃんが来たこと伝えておくね?」

律「ありがとうございますっ、それじゃあ…」

律「あいつ家に帰ったんじゃないのか」

律「すると…他には」


いつかさ、澪が私のもとからどっかに行っちゃうんじゃないかって、ビクビクしてた

だから澪と同じ高校にも頑張って入ったし、軽音部も一緒にしようって言ったんだ

って…これじゃあまるっきりストーカーじゃんか

…でも、でもさ。いつも澪の傍にいられたらいいなぁって

ずっとそんなことばかり考えてきたんだから

190: 2010/02/20(土) 00:30:44.13 ID:37kyEqhX0
・・・

・・・

幼律「澪ちゃーん」

律「みーおーちゃーん」

律「…むぅ」

律「どこに隠れたんだろ…」

「律ちゃん、澪ちゃん見つかった?」

律「まだー」

「澪ちゃんがこんなにかくれんぼ強いだなんて思ってもなかったよぉ」

律「うーん」

「あ、私そろそろ帰らないといけないから。じゃあね!」

律「え!?」

律「は、薄情者…」

192: 2010/02/20(土) 00:36:06.14 ID:37kyEqhX0
律「澪ちゃんってばー」

律「そろそろでてきてよー…」

律「もう降参だよ~?」

律「…困ったなぁ」

クス

律「ん」

律「…澪ちゃん?」

澪「…えへへ」

195: 2010/02/20(土) 00:40:51.21 ID:37kyEqhX0
律「土管の中は盲点だった…!」

澪「全然見つからなかったからね」

律「もー」

律「なんで出てきてくれなかったのさぁ?」

律「すっごく頑張って探したんだからね!」

澪「ごめんなさい」

澪「○○ちゃんは?」

律「帰ったよ」

澪「なら丁度よかった…! じゃあ律ちゃんもこの中に入って」

律「?」

澪「…あのね、律ちゃん。この前の結婚の話のこと」

律「へ? あ、うんうん…」

澪「あのね―――」

・・・

・・・

196: 2010/02/20(土) 00:46:30.87 ID:37kyEqhX0
律「ここにもいない…」

律「澪の奴、何気に行動範囲広いからなぁ」

律「ていうか私こんなとこまで来てたんだ…」

律(よくここの空き地で澪と遊んだよなぁ)

グスッ…グスン

律「…?」

律(まさか)

律「…澪、見っけ」

澪「うっ…ひぐっ……」

197: 2010/02/20(土) 00:50:34.04 ID:37kyEqhX0
律「高校生にもなって土管の中になんて入ってるなよなー」

律「ほんと澪はかくれんぼ上手いというか…」

澪「…何の用だよ」

律「……」

律「ごめんなさい」

律「さっきはイライラしちゃってて、思ってもいないことバンバン言っちゃって…」

澪「…嘘。絶対思ってたことだ」

律「ち、違う」

澪「信じられないよ…」

澪「ひどいよっ」

律「澪…」

199: 2010/02/20(土) 00:56:12.27 ID:37kyEqhX0
澪「……」

律「……」

澪「…やっぱり」

律「え」

澪「やっぱり女の子どうしって…おかしいのかな」

律「そ、そんなことない!」

澪「ううん、おかしい…おかしかったんだよ」

澪「私がどうにかしてた」

律「お、おいっ」

200: 2010/02/20(土) 01:00:37.33 ID:37kyEqhX0
律「それって梓のことも否定することになるんだぞ!?」

澪「……」

律「い、いいのかよ!?」

澪「…いいはず、ないじゃん」

澪「でも…分からなくなってきちゃった」

澪「どうしていいのか分からないよぉ…」

律(私が…私があんなこと言わなければ…)

律「……っ」

澪「…律?」

澪「な、泣いてるの…?」

201: 2010/02/20(土) 01:04:17.50 ID:37kyEqhX0
律「ち、違うから」

律「泣いてなんかいないし…」

澪「で、でも」

律「…澪」

澪「え、うんっ」

律「私もその中入っていい?」

澪「ど、どうぞ」

律「…お邪魔します」

202: 2010/02/20(土) 01:11:25.26 ID:37kyEqhX0
律「……」

澪「あ、あの…」

律「澪さぁ」

澪「!」

律「昔ここに隠れて全然私から見つからなかったよね」

律「覚えてる?」

澪「ちょっとね」

律「じゃあ、その後二人でこの中に入って話した内容は覚えてる?」

澪「えっと、あ…///」

澪「…ちょっとね」

律「そっか」

律「てっきり忘れてるのかと思ってたよ」

203: 2010/02/20(土) 01:16:13.16 ID:37kyEqhX0
澪「子供のときのことだから冗談かと思ってたしなぁ」

律「あー…」

律「あれ、結構マジで話したんだけどな」

澪「うそ!?」

律「……」

律「…うそ、冗談だよ」

澪「な、なんだぁ。脅かせないでよ」

律「あはは」

204: 2010/02/20(土) 01:20:13.15 ID:37kyEqhX0
律「でもあの時は澪からあんな返事もらえるとは思ってもなかったなぁ」

澪「あ、あれは…///」

澪「子供だったんだし仕方がないでしょっ」

律「私は嬉しかった覚えがあるなー」

澪「またまた、冗談を」

律「今度は半分冗談じゃない」

澪「…ば、ばか///」

206: 2010/02/20(土) 01:26:09.45 ID:37kyEqhX0
律「澪」

澪「な、なんだよ…」

律「澪はさぁ」

律「昔から泣き虫で怖がりでしょうがない奴だよ」

澪「なんだと!?」

律「でもね」

律「そんな奴でも…私は大好きなの」

澪「…え」

207: 2010/02/20(土) 01:31:06.86 ID:37kyEqhX0
律「好きで好きでしょうがないわけ」

澪「ちょ、ちょっと律…」

律「できることなら…いつまでも、いつまでも」

澪「……」

律「澪の傍にいたい!」

澪「律…」

律「だから、だからねっ、私は」

澪「……」

律「私は…」




律「いつまでも、澪の親友であれたらいいなぁ」

211: 2010/02/20(土) 01:39:29.82 ID:37kyEqhX0
澪「え…?」

律「なーんて言ってみたりして」

澪「…律?」

律「何、私からも告白されるとでも思ってたわけ?」

澪「そ、そんなわけじゃ///」

律「へへ、照れちゃって~このこの!」

澪「ば、ばかっ、よせってば!」

律「えへへへ」

律「これからもよろしくね。澪!」

澪「…ばか律」

213: 2010/02/20(土) 01:44:02.04 ID:37kyEqhX0
本当にこれでよかったのか?

なんて聞かれたら100%そうだとは言い切れる自身はない

後悔はないなんて言えば嘘になるわけだし

でもさ、私は澪が好きだから…

だからこそ

澪のためだからこそ

私は澪の親友であり続けることを選んだ

澪。私ね、あんたの幸せのためなら何でもできる…そんな気がするよ

根拠はないけどさ

だから、澪……

214: 2010/02/20(土) 01:46:53.10 ID:37kyEqhX0
律「そろそろみんなのところに戻ろうぜ? みんな心配してるし」

澪「…やだ」

律「お、おいおい」

律「それじゃあ、いつまでこうして抱きついてるつもりだよ?」

澪「もうちょっと、もうちょっとだけ」

律「ただでさえここ狭っ苦しいのに…」

澪「…やっぱり、律は私の王子様だ」

律「だからそれやめろってば。だいたいなぁ、私これでも女なんですけど!」

澪「ふふ」

律「あー…もぉ」




…ずーっと傍にいてね

220: 2010/02/20(土) 01:58:04.07 ID:37kyEqhX0
後日談

唯「え!? 別れちゃったの!?」

梓「はい、きっぱりと」

紬「あんなに仲良く見えたのに…」

梓「別に仲が悪くなったとか、そういうわけじゃないんです」

唯「じゃあなんで」

梓「今は…軽音部に集中したいですから! 私も澪先輩も」

梓「色恋沙汰にうつつを抜かしている暇なんてなかったんです」

梓「そうと決まれば練習しましょう! 練習!」

唯「あ、あずにゃ~んっ!」ギュ

紬「梓ちゃんっ! 甘えていいのよ!」ギュギュッ

梓「だ、だからいきなり抱きつくのはやめてくださいってば! もぉ…///」

221: 2010/02/20(土) 02:02:15.15 ID:37kyEqhX0
・・・

・・・

澪「…結婚ね、考えてもいい…よ」

律「え」

澪「だから! 律ちゃんとなら…結婚しても…いいっ///」

律「……」

律「あはっ」

澪「うー…///」

律「本気にしてたんだ!? あの話!」

澪「ほ、本気じゃなかったの!?」

律「えへへ~」

澪「うっ、うう…」

律「澪ちゃんかわいいなぁー」ニコニコ

澪「いみ…わかんないよぉ」

224: 2010/02/20(土) 02:04:57.73 ID:37kyEqhX0
律「そのまんまの意味だよっ」

澪「えー…」

律「やっぱり結婚しようね!」

澪「な、なんなのぉ!?」

律「ずぅーっと一緒にいようね! 澪ちゃん!」ギュ

澪「わけわかんないよぉ!」

律「澪ちゃん大好き!」


おわり

226: 2010/02/20(土) 02:07:10.54 ID:lx2QJc+e0

引用元: 律「君のためなら死ねる」