1: 2011/01/27(木) 23:04:04.47 ID:gfvHYZ2KO
屋上

女「…こ、来ないでよ!」

男「いや、落ち着け」

女「もうやだ!氏んでやる!来るな!来るなー!」

男「でも、お前さ…」



男「昨日からずっとそこにいるじゃん」

女「う、うん…」

2: 2011/01/27(木) 23:07:05.48 ID:gfvHYZ2KO
女「とにかくそれ以上近づかないで!」

男「わかった。わかったから落ち着け!」

女「落ち着いてるわよ!でも、もう嫌になったの!」

男「クラスの皆も心配してるからさ…」

女「うるさい!うるさーい!」

4: 2011/01/27(木) 23:12:41.07 ID:gfvHYZ2KO
女「そもそも心配してくれるってんなら、クラスの皆総出で止めにくるハズだもん!でも今はもう誰も来ない!」

男「そりゃ、昨日からずっとそんなんだからなぁ。皆飽きたのかもね」

女「飽き……た…。やっぱりね…だと思った!もういい今すぐ氏…」グイッ

男「お、おい!」

女「近づかないで!それ以上近づいたら飛び降りるから!」

男「お…おお…(今飛び降りようとしたんじゃないのかよ」

6: 2011/01/27(木) 23:17:02.48 ID:gfvHYZ2KO
男「ほ、ほら、もう昼だぞ?昨日から何も食べてないんだろ?ほら、焼きそばパン買ってきたからさ」

女「お腹なんて減ってな…!」グウ…

男「…」

女「…な、何よ」

男「ほら、今からそっち行くから」

女「来ないで!」

男「いらないのか?」

女「な、投げてよこして」

男(くうのか)

7: 2011/01/27(木) 23:21:28.31 ID:gfvHYZ2KO
男「缶コーヒーも買って来たからさ、とりあえず投げるぞ」ヒョイ

女「あ、ちょっ…」ポロ

ヒュウゥゥゥ

女「コーヒー…」

男「おいおい取り損ねるなよ、下に落ちちまったじゃねえか。しゃーね、はい、俺の分」

女「あ、ありがと」

10: 2011/01/27(木) 23:25:27.63 ID:gfvHYZ2KO
女「ん…ゴキュ…」

男「おーおーいい食いっぷり飲みっぷりだ。昨日から飲まず食わずだもんなぁ」

女「ありがと…お腹すきすぎて氏ぬところだった…」

男「え?」

女「さ、氏ぬか」グイッ

男「待て待て」

11: 2011/01/27(木) 23:30:31.55 ID:gfvHYZ2KO
女「近づかないで!」

男「わかったわかった。で、なんで氏にたくなったんだよ。理由を聞こうじゃないか」

女「疲れたの!」

男「疲れた?」

女「仮でも人間として生きることに疲れた!いや、人間界に疲れたの!」

男「ふぇ?」

女「ここで氏んで、私は魔族に転生するんだ!」

男「おうふ…」

12: 2011/01/27(木) 23:34:21.87 ID:gfvHYZ2KO
男「い、今のお前は人間なのかい?」

女「仮としてのね」

男「…。ほ、本当の姿は何なんだい?」

女「言えないわ、掟に反する」

男「そっかー、残念だなー(棒)」

女「だからもう止めないで!」

男「いやぁ…その…」

14: 2011/01/27(木) 23:41:04.04 ID:gfvHYZ2KO
1時間後

男「授業終わったからまた来たぞー」

女「なんべん言わせんのよ!来ないでって言ったじゃない!!」

男「なんつーかその…」

女「もういい!もう氏ぬ!」

男「待て待て!やめろ!携帯にも友達からの励ましとか来てるハズだ!見てみろ!」

パカッ

女「あ、マッククーポン来てるー♪」

男「ほ、ほらな!マクドナルドからも励ましメール来てるじゃねえか!」

19: 2011/01/27(木) 23:47:44.54 ID:gfvHYZ2KO
男「お前がここで氏ぬとせっかくのクーポンを使うこともできないんだぞ!?」

女「くっ…ま、まだ3日期限あるからいいもん!」

男「ぐぬぬ」
男「お前が氏ぬと、皆悲しむぞ?だからさ…」

女「そんな言葉聞き飽きた!!皆口でだけそういってるんだ!」
女「それに氏ぬんじゃない!魔族に転生するだけなんだ!」

男「魔族はどうでもいい!とりあえず夕飯買ってくる!」

女「うん!」

21: 2011/01/27(木) 23:52:22.30 ID:gfvHYZ2KO
男「買って来たぞ」

女「あ、ありがとう」

男「唐揚げ弁と鮭弁、どっちがいい?」

女「鮭で」

男「これも投げるのか?」

女「うっ…今回だけ接近を許可する」

男「ありがとうございます将軍」
男「隣いい?」

女「うん」

男女「いただきまーす」

24: 2011/01/27(木) 23:57:16.86 ID:gfvHYZ2KO
男「はい、茶」

女「ありがとう」

男「本当に昨日からここにいるのか?」

女「うん」

男「守衛さんとか見回りくるだろ?見つかったら…」

女「猫の声真似してるから大丈夫」

男「あらあら、夜は寒くないのか?」

女「寒い…」

男「よし、家から何か持ってきてやる」

女「なんか申し訳ない」

26: 2011/01/28(金) 00:02:05.07 ID:osfEJJNSO
2時間後

女「あっ」

男「待たせたな、ほらよ、寝袋だ」

女「2つも?」

男「この際俺も今日は屋上で寝てみる」

女「そ、そんな、それは流石に…」

男「なに、ただの興味本位だ」

女「うーん…」

27: 2011/01/28(金) 00:06:35.22 ID:osfEJJNSO


女「…いいの?」

男「何が?」

女「だって、寒いよ?屋根もないし雨とか降ってきたら…」

男「大丈夫大丈夫、当分降らないから。それより、親はどうしたんだ?心配されてみたいだが…」

女「親は空の上にいるの…」

男「…すまん…」

女「ううん」

28: 2011/01/28(金) 00:09:40.79 ID:osfEJJNSO
深夜

女「ね」ユッサユッサ

男「うぅ~ん、なんだ?」

女「あのさ」

男「ん?」

女「…」ゴニョゴニョ

男「えっ」

女「行くぞ」グイ

男「トイレくらい一人で」

女「声がでかいっ!」

29: 2011/01/28(金) 00:15:33.69 ID:osfEJJNSO
女子トイレ前

男「ほらよ、待ってるから」

女「…」グイ

男「ん?おいまさか」

女「今何時だと思ってるの?」

男「2時だよ。ふぁ~あ」

女「丑三つ時は霊が一番活発になるんだよ?」

男「おまえまさか霊を信じて…」

女「ほら、男ならさっさと入る!」

男「男だからこそ入りたくないんだよ!」

30: 2011/01/28(金) 00:21:31.64 ID:osfEJJNSO
女「個室あけないでよね!絶対!」

男「開けねーよ」

女「あと音聞かれたくないからできるだけ騒いで」

男「なんなんだお前は」

女「じゃ」バタンッ

男「仕方ねぇな」
男「キィエエエエエエエッ!!」ドンガラガッシャーン


守衛「誰だ!!」ザッ

男「」

34: 2011/01/28(金) 00:26:59.16 ID:osfEJJNSO
守衛「不審者か!?貴様!ここは女子トイレだぞ!」

男「ア、アイアムゴースト!アイアムゴースト!!」

守衛「何ぃ!?訳のわからんこといいおって!!警察に連絡を」

男「ゴ、ゴーストパーンチッ!!」

バキッ

守衛「ぐあっ!!」ドサッ

女「ふぃー…」ガチャ

男「何やらせんだよ、あと守衛さんごめん」

女「どーかしたの?」

36: 2011/01/28(金) 00:32:17.53 ID:osfEJJNSO


女「よく寝た」

男「罪悪感のせいで眠れない」

女「さ、氏のうか」

男「朝になった途端にそれか!やめろ!」

女「離して!私は氏ぬんだ!」

男「ええいそろそろ授業なんだ!!」

女「行ってらっしゃぁい!」

男「お前もくるんだよ!」

女「そ、それは…ちょっと…嫌…」

男「?」

37: 2011/01/28(金) 00:40:30.49 ID:osfEJJNSO
昼休み

男「ほらよ、昼飯」

女「いいの?」

男「何を今更」

男「朝、授業に出るのが嫌だとか言ってたな。どうした?」

女「それは…」

男「面倒か?」

女「…」フルフル

男「先生のセクハラとかか?」

女「…」フルフル

男「イジメ…はないな。お前は人気ものだったし、ま、気が向いたら言ってくれ」

女「うん…」

40: 2011/01/28(金) 00:46:06.26 ID:osfEJJNSO
夕方

女「もうほっといてよ!!私なんて誰も必要にしてないんだから!!」

男「んなことねえよ!お前は知らないだけなんだよ!皆お前が必要で!」

女「私は私のために生まれ変わるの!転生するのよ!だから今ここで」

キーンコーンカーコーン…

男「おっと、もう18時だな、夕飯の調達してくる」

女「いってらっしゃい」

41: 2011/01/28(金) 00:55:34.04 ID:osfEJJNSO
スーパー

男「ん?」

女友「男くん?」

男「あぁ、偶然だなこんなとこで会うの」

女友「あはは、なんか買い物カゴ似合うー♪」

男「どういう意味だそりゃ、しかしどうしたんだ?こんな時間にスーパーとは。女の子なら」

女友「うん、今日は家に誰もいないから、一人なんだ。だから夕飯のためにね。男くんこそどうして?」

男「こっちも似たようなもんだよ」

女友「そっか!ね、どうせなら、私の家に来て、一緒に食べない?今日家に誰もいないんだぁ…」

男「こ、こら!むやみに人を誘わない!じゃ!俺行くから」

女友「ちぇ~」

42: 2011/01/28(金) 01:02:46.89 ID:osfEJJNSO
屋上

男「よう、お待たせ」

女「おかえり」

男「よっこらせ、お前も手伝ってくれ」

女「重っ…何?これ?」

男「あぁカセットコンロだ。家からついでに持ってきた」

女「なにするの?」

男「料理に決まってんでしょー、大丈夫、腕にはそれなりに自身あるから」

女「わ、私にも何か手伝わせてよ」

男「じゃ、適当に野菜切ってくれ」

43: 2011/01/28(金) 01:11:16.07 ID:osfEJJNSO
ピッ

女「痛っ」

男「あーあーもう、ほれ、見せてみろ」

女「私やっぱりダメかなぁ、まだ下の世界に慣れてないから…」

男「あー、そーだねぇ」
男「包丁使ったことないなら言ってくれたらよかったのに。ま、そのうち使えるようになるさ」

女「うーん…」

男「よし、じゃ、炒めるとしますか」

44: 2011/01/28(金) 01:19:10.38 ID:osfEJJNSO
10分後

男「じゃ、食べてみてくれ」

女「い、いただきます」

パクッ

女「!」

男「ん、どうだ?」

女「おいしいです、とても」

男「あぁよかった、失敗したらどうしようかと思ったけどさ」

男「でもさ、両親いないのに包丁も使ったことない。まさか昔から今までコンビニ弁当で済ましてたのか?」

女「…」

男「はぁ…いいか、お前は育ちざかりなんだから、ちゃんとしたもの食べないとダメだぞ?仕方ない、今日から俺がお前の飯を作る」

女「えっ」

47: 2011/01/28(金) 01:25:01.11 ID:osfEJJNSO
男「おっと勘違いするな、もちろんお前にも手伝ってもらうし、最終的に1から作れるようになってもらうつもりだ」
男「もっともお前が自分の家に戻って、生活改善するに越したことはないが、当分はこの屋上にいるつもりだろ?」

女「…なんで?」

男「ん?」

女「こういう時、普通なら無理やりにでも帰宅させるのに…あんたは違う…」

男「それはもう諦めた。だから俺はお前の自殺未遂を全力でサポートする。あくまで未遂だからな」

女「…!」

48: 2011/01/28(金) 01:29:23.40 ID:osfEJJNSO
女「…」グスッ…

男「ん?どうした?」

女「なんでそんなに優しくするの…?」

男「なんでって…理由なんかない、思いつきません!」

男「クラスメイトに氏なれちゃ後味悪いしな、それに、放ってもおけないし」

女「…ありがとっ…」

男「どーいたしまして」

49: 2011/01/28(金) 01:36:50.23 ID:osfEJJNSO


ヒュウウウ…

男「寝袋とはいえ寒いなぁ…顔が…顔が…」

女「う~ん…」


守衛「ふぃ~寒ぃなぁ…」ガチャッ

男(また来やがったか!今回はゴーストナッコゥをお見舞いして)ヒソヒソ

女(待って)

守衛「そこにいるのはだれだ!」

女「にやぁ~ごぉ~~」

守衛「なんだ猫か」

男(屋上に猫っているのか?)

女(騙せたからいいの!)

50: 2011/01/28(金) 01:44:05.46 ID:osfEJJNSO


女「近づかないで!もう氏ぬんだから!」


男「俺はお前に氏んでほしくない!」

女「そんな上っ面だけのセリフ聞き飽きた!皆そういってても、それは」

キーンコーンカーンコーン

男「やべ、授業行ってくるわ」

女「はーい」

男「来たくなったらいつでも来ていいんだぞ」

女「…うん…」

53: 2011/01/28(金) 01:52:45.36 ID:osfEJJNSO
教室

女友「男くぅん」

男「ん?」

女友「聞いたんだけどさ、屋上の女ちゃんと一緒にご飯食べてるって本当?」

男「ん?まぁね。だって、1日何も食べなかったことがあったんだぞあいつ」

女友「こんなこと言うのもなんだけど、あの子氏ぬ気ないよ?」

男「そんなことわかってるよ、本人も氏ぬんじゃなくて転生って言ってるし」

女友「て、転生?」

男「いいじゃないの、俺はあいつと一緒にいてて楽しいよ、猫の鳴き声上手くってさー」

女友「へぇ~」

54: 2011/01/28(金) 01:59:13.66 ID:osfEJJNSO
昼休み

女「もうほっといてよ!!私一人氏んでも何も変わらないの!だからいいでしょ!」

男「よくない!人ってのはな、」

女「そんなご高説はもういいよ!私の勝手じゃないの!」

男「お前の命はお前一人だけの命じゃないんだ!!それが人のつながりなんだよ!あと玉子サンドとカツサンドどっちがいいんだよ!」

女「玉子!玉子おねがいします!!」

56: 2011/01/28(金) 02:07:35.84 ID:osfEJJNSO
男「俺とばっか食っても飽きるだろ?」

女「そ、そんな」

男「お前女友ちゃんと仲よかったじゃん、また今度その子とだな」


教室

クラス女1「ねぇ、男くん屋上行ったよ」

女友「はぁ?またあの子のとこに?」

クラス女2「何がいいんだろーねー、あんな構って女」

女友「聞いてよ、あの子さ、自殺じゃなくて転生なんだって、痛いわー」

クラス女1「痛いねーっ!アハハハ」

女友「するんならさっさと自頃しちゃえばいいのにねー、あ、転生だっけ?」

クラス女2「アハハハハハッ!」


屋上

男「お前はなんか憎めないからなぁ、友達も多いわけだ」

女「う…ん…そーだね…」

57: 2011/01/28(金) 02:16:33.41 ID:osfEJJNSO
男「さ、俺はそろそろ授業行くけど?」

女「じゃ、ちょっと、行って、みよう、かな…」

男「おお!ようやく自殺志願者からの脱出を」


女「うるさい!ただの暇つぶしだから!」

男「はいはい、ほら、遅れるぞ」

教室

女「う…」

男「ほれ、2、3日休んだ程度でビビるな」

女「ビ、ビビってなんか」

男友「おおおお!!男!お前女ちゃんをとうとう更生させたのか!」
男友「でもお前、一緒に飯食ってたんだろ?噂になってるぞ?羨ましいぞ?」

男「まぁ昼飯くらいはね」

女(夜もだけど)

70: 2011/01/28(金) 07:19:16.24 ID:osfEJJNSO
授業

男「まぁ2、3日休んだくらいじゃ授業についていけないなんてことはないか」

女「もともとついてけてないから大丈夫」

男「えっ」


クラス女1「女ちゃんもどって来てるよ」ヒソヒソ

女友「みたいだね」

クラス女2「どうするの?」

女友「何かしなきゃいけないの?」

クラス女2「それはそうだけど…」

71: 2011/01/28(金) 07:27:07.66 ID:osfEJJNSO
夕方

男「落ち着くんだ」

女「うるさい!皆私のことをわかってくれない!もう人間として生きてるのが嫌になったのよ!」

男「俺だって生きてるのが嫌だと思うときある!でもな」

女「そういうのが一番ムカつくのよ!」

男「もう夕飯の時間だ!18時をすぎている!」

女「わかりました!」

男「ふぅ…どうだった?久々の授業は」

女「う、うん…まぁ…普通…かな…」

男「普通かー」

72: 2011/01/28(金) 07:37:15.34 ID:osfEJJNSO
スーパー

男「よっまた会ったな」

女友「男くん?」

男「また一人か、大変だなお前も」

女友「ううん、明日は帰ってくるから大丈夫だよぉ」
女友「ねぇ、今日こそ一緒に夕飯食べない?私の家でさぁ」

男「ダーメ、こっちは夕飯待ってる奴がいるんだから」

女友「もしかしてそれって女ちゃん?」

男「まぁね、あいつ包丁も握ったことないくらいでさ、色々教えてやんないとなぁ」

女友「へぇ~」
女友「一緒に行っていい?」

男「ん?」

女友「男くんが来てくれないなら、こっちから出向くまで!いいかな?」

男「まぁ2人も3人もあんまり変わらないからいいよ」

73: 2011/01/28(金) 07:50:08.42 ID:osfEJJNSO
屋上

男「ただいまー」
女「おかえりー」
女友「やっほー」ヒョコッ

女「えっ…?」

男「あぁ、なんかこいつも一人で飯食ってるみたいでさ、まぁ明日から両親は帰ってくるみたいだから、今日だけな」

女「そ、そうなんだ」

女友「よろしくねぇ」
女「よろ、しく、」

調理中

男「あ、違うそこはこうやってだな…」
女「あ、あぅぅ…」
男「ほら、よそ見してたら指また切っちまうぞ」
女「わわわわっ」

女友「私も何か手伝ったほうがいい?」

男「いい、いい、お前は客人だから」

女「切れた」
男「よし、まぁ上出来だ。次はだな…」

女友「…ふぅん…」

74: 2011/01/28(金) 07:59:04.00 ID:osfEJJNSO
―――
――

女友「ごちそぉさまでしたぁ♪」
女友「男くんってさ、勉強もできるし料理もできるし、すごいよね」

男「今日は女が作ったようなもんだけどね」

女友「それでも教えてたのは男くんでしょ?すごいよ!」

男「まぁ…ありがとうございます」

男「そろそろ帰ったほうがいいんじゃないかな?寒くなってきたし」

女友「じゃ、帰ろうかなっ…て、男くんは帰らないの?」

男「ん?俺ここでこいつと寝てるからさ」

女友「!」

男「あ、もうこんな夜だから変質者とか危ないな。なんなら送るけど」

女友「じゃ、お願いしまぁす。えいっ♪」ギュッ

男「くっつくなくっつくな」

女「…」

75: 2011/01/28(金) 08:09:00.22 ID:osfEJJNSO
帰り道

女友「男くんがいると安心するわぁ」

男「俺そんな強くないですよ」

女友「またまた!ところでさ、2人で寝てるって本当?」

男「ん?あぁ。いや別に寄り添って寝てる訳じゃないからな!寝袋だし。念のために言っておくけどな」

女友「そうなんだ、ふぅん」
女友「2人って、デキてるの?」

男「デキてねーよ!!まぁ振り返ってみたらそう思われても仕方ないけどなぁ」

女友「あ、デキてないんだ!そうなんだ!」

男「うん」

女友「私ここまででいいや!あとは自分で帰れるから!ありがとう♪あははははは」

男「お、おう」

76: 2011/01/28(金) 08:21:36.84 ID:osfEJJNSO
屋上

女「へっくしっ!」ズズ…

男「おーおーいいクシャミだ」ガチャガチャ

女「何?それ」

男「テントだよ、風が冷たくてかなわんからな」

女「テントって…っ…」

男「ほらー絶対変なこと考えたろ今」

女「いや…だってさ…」

男「大丈夫、寝袋だし、今は疲れてそんな気さらさら起きません。なんならテントしまうけど」

女「わ…わかりました入りますっ!」

79: 2011/01/28(金) 08:36:51.89 ID:osfEJJNSO
男「うおお…すげぇっ…いいっ…」

女「あったかい…」

男「なんだこの驚きの防風率」

女「風がないだけでこんなに違うなんて」

男「おやすみーもう寝るわー」

女「おやすみー」

83: 2011/01/28(金) 09:00:39.90 ID:osfEJJNSO
翌日

教室

女友「ちょっと聞いてよ」

クラス女1「何?」

女友「男くんさぁ、なんか女ちゃんと寝てるらしいんだよねー」

クラス女2「えっ寝てるってどういう…」

女友「知らないよ、ただ寝てるのかそれとも一線超えてるのか」

クラス女1「あーデキてるかもね、2人」

女友「それがさ、男くんは否定してたのさ。口振りから察するに本当にデキてなさそうなんだよね」

クラス女2「えぇ~、まぁ男くん優しいからなぁ」

女友「そーそ、もうあんな女誰も相手してないのにね。優しいねー」

クラス女1「てかさ、あの子自身が男くんとデキてると思ったら大爆笑だよね」

クラス女2「ありそー!男くん自身はそんな気ないのにね。勘違い女って奴」

女友「自分を天使だか悪魔だかと勘違いするからありえそうだよね」

クラス女1「あはははっ」

85: 2011/01/28(金) 09:10:52.85 ID:osfEJJNSO
男友「おっす」

男「おうなんだ」

男友「女ちゃんの様子はどうだい?」

男「聞いてどうするんだい?」

男友「クラスメイトを心配しちゃいけないのかい?」

男「いいけどさ…何が聞きたいんだよ」

男友「まず健康面的に、あと、精神的に。彼女、何か悩みあるんだろ?俺でよければ力になるけど」

男「あるにはあるみたいなんだけどなぁ、向こうが話出すまで聞かない約束したし」

男友「ふむ」

男「聞いてもよっぽどヘビーならお前にも言えないかもしれないし」

男友「なるほど。ま、気軽に相談はしてくれ」

男「へーい」

86: 2011/01/28(金) 09:17:42.38 ID:osfEJJNSO
昼休み

屋上

クラス女1「男くーん」

男「ん?」

クラス女1「ちょっと先生が呼んでるから、来てー!」

男「はーい」
男「行ってくるから、昼飯食い終わったら適当に片付けといてくれ」

女「わかった」

男「よろしく」タッタッタ


クラス女2「ねぇ、女ちゃん」

女「な、何?」

クラス女1「ちょっと聞きたいことあるんだよねぇー」

クラス女2「あんた、男くんとデキてんの?」ニヤニヤ

女「えっ」

クラス女1「早く答えなってば、ねぇ付き合ってんでしょ?」ニヤニヤ

87: 2011/01/28(金) 09:25:43.58 ID:osfEJJNSO
女「いや、できてはないよ」

クラス女1「ん?」

クラス女2「え?」

女「確かにお世話になってるし、一緒にご飯食べてるけど、デキてるみたいに言われるかもしれないけど…告白とかしてないし…」

クラス女1「ふぅん…」

クラス女2「チッ…」

女「っ…」

クラス女1「もういいや、帰ろ帰ろ」

クラス女2「あー…つまんね」

女「??」

―――
――

男「待たせたな」

女「おかえり」

男「俺を呼んでる先生なんかいなかったじゃないか、なんなんだよ一体」

女「うーん」

88: 2011/01/28(金) 09:38:22.91 ID:osfEJJNSO
教室

クラス女2「つまんね」

女友「どうだった?」

クラス女1「向こうも否定」

女友「ふぅん…」

クラス女2「本当面白くねぇな」

クラス女1「頭の中お花畑だからね」

女友「そうそう、話したっけ?結構あの子と仲良くなってからさ、」

クラス女1「聞いた聞いた!『私は上の世界から来たの』だっけ?」

女友「痛いよねー!普通にしてりゃいいのに、あんな痛くなるかねぇ?冷めちゃったわ」

クラス女1「だよねー」

クラス女2「あぁいうのは一度わからせた方がいいよホント」

女友「男くんも心底迷惑だろーねー」

91: 2011/01/28(金) 09:47:27.13 ID:osfEJJNSO
夕方

男「人生は何回でもやりなおしがきくんだ!」ザクザク

女「うるさい!うるさーい!30の中卒ニートになったら流石にやりなおしきかないわよ!」

男「お前は十代の学生だろうが!」トントン

女「私はもういいの!やりなおすって言ってるでしょ!?転生して生命体単位でやりなおしてやるわよ!」

男「それはダメだ!転生した先が深海魚だったらどうする!」コトコト

女「そ、それは…その時よ!次こそ魔族になって…」

男「ご飯できたよー」

女「はーい」

93: 2011/01/28(金) 09:58:49.74 ID:osfEJJNSO
女「そういえば、昼休み先生になんて言われたの?」

男「いや、誰にも呼ばれてなかった。お前こそ、ちゃんと友達と話できてたじゃん。皆結構心配してるんだよ」

女「あ、あれは…」

男「ん?」

女「アンタはさ、…その…デキてると…思ってるの?」

男「ん?」

女「今日聞かれちゃってさ、端から見たら、そう見えるみたいで…」

男「あぁ~聞かれた聞かれた」

女「な、なんて答えたのっ!?」

男「いや、普通に否定しました。だって告白とかしてないしされてもないし」

女「…そっか。だよね」

94: 2011/01/28(金) 10:04:47.07 ID:osfEJJNSO
翌日

教室

クラス女1「でさ、これでよくない?」

女友「うん、一石二鳥って感じだね!」

クラス女2「昼休み楽しみだなぁ、どんな顔するんだろあの子」

女友「まぁ痛い子にはそろそろ現実見せてあげないとね」

クラス女2「ホントに天使になっちゃうかもねー!」

96: 2011/01/28(金) 10:13:45.15 ID:osfEJJNSO
昼休み

女友「男くん、ちょっと話があるんだぁ」モジモジ
男「何?」
女友「ここでは話せなぁい、だ・か・ら」グイッ

男「わわっ、ちょっ男友!」
男友「ん?なんだ?」

男「こ、これ!弁当!」

男友「女ちゃんに渡せばいいのか」

男「いかにも!引っ張るな!」

屋上

クラス女1「ねえ女ちゃん!」

女「な…なに…?」

クラス女2「男くんが呼んでたよ」

女「え?」

クラス女1「なんか手が離せないみたいで、手伝って欲しいんだって」

女「わかった、すぐ行く!」

クラス女2「うん、案内してあげるね!」ニコッ

100: 2011/01/28(金) 10:24:47.34 ID:osfEJJNSO
体育倉庫

男「体育倉庫?」

女友「…えいっ」バフッ

男「ぐえっ」
男「なにをする!」

女友「わかってる癖にぃ」

男「確かにわかってるけど、なんでいきなり!別にそんな関係じゃ…」

女友「今から『そんな関係』になるんだよぉ♪」


屋上

男友「おーい、弁当持ってきたぞー!」

男友「…おーいっ!!」

にゃあん…

男友「聞いてるぞ、お前は猫の鳴き声が上手いらしな…ここだ」バッ

猫「」ビクッ

男友「あ、失礼しました」

104: 2011/01/28(金) 10:30:59.12 ID:osfEJJNSO
体育倉庫

男「やめなさい!」

女友「口では嫌がってもここはもうこんなに…」

男「そ、それはだな普通男が女に…こら、脱ぐな脱ぐな!見つかったらお前…!」

女友「大丈夫、鍵閉めてるし。私結構ナイスバディでしょ?」


空教室

女「あれ?男は?」

クラス女1「ぶっ」

クラス女2「『男は?』だってさ!ぶははははっ!」

女「え?」

クラス女1「あんたさぁ…」
クラス女1「いつになったら氏ぬの?」

女「えっ…?…え…?」

110: 2011/01/28(金) 10:39:39.48 ID:osfEJJNSO
クラス女1「あんたさぁ…氏ぬ氏ぬ言って、男くん利用してんでしょ」

クラス女2「いるねー、そういうの」

クラス女1「どんだけ迷惑してると思ってんの?氏なれることより、そうやって、くすぶられるのが一番迷惑なんだよねぇ?」

女「違っ…そんな…つもりじゃ…」

クラス女1「そんなつもりにしか見えないんですけどぉ?それとも何?男くんの優しさにあぐらかいてさ、その癖自分は天使だとかなんとか言っちゃって…十分悪魔だよ、疫病神」

クラス女2「天使なのか悪魔なのか神なのかわからねぇなぁ」

クラス女1「しかも?なんで飛び降りに括るの?」

クラス女2「注目されたいからじゃね?」

女「…違う…そんなの…」フルフル

クラス女2「私を見て!ってか」

クラス女1「みんな飽きてるけどね」

113: 2011/01/28(金) 10:50:04.41 ID:osfEJJNSO
クラス女1「否定してごらんよ…ねぇ?」

女「違う…そんなのじゃない…」カタカタ

クラス女2「うっわ震えちゃってるよこの子」

クラス女1「卑怯だよね、自殺詐欺かと思ったら、こんどは被害者面してさ」

クラス女2「いいか、一番の被害者はあんたでも私たちでもない、男くんなんだよ」

女「ぁ……」カタカタ

クラス女1「そんなに男くんが好きならさー、相手の気持ちを確かめる方法があるよ?」

クラス女2「何何?」

クラス女1「実際氏んじゃえばいいんだよ?それで相手が泣いてくれるかどうかでわかるじゃん。しかもあんた氏にたがってるでしょ?一石二鳥だよね?」

女「…はぁ…はぁ…」カタカタカタ

クラス女2「過呼吸おこすくらいならさー、さっさと氏ねば?」

クラス女1「生きてても価値ないもんね」

クラス女2「わからないの?あんたが生きてるせいで男くんの足ひっぱってるの」

女「いや…いやあぁ……もう…やめて…」カタカタ

116: 2011/01/28(金) 10:59:31.06 ID:osfEJJNSO
体育倉庫

女友「じゃ、ズボン脱がすよぉ…こんなにパンパンにして…」

男「一つ訊かせてくれ」
女友「なぁに?」
男「誕生日は?」

女友「4月25日だよ?」

男「はぁ…」ショボン

女友「あれ?急に萎え…」
男「5ヶ月も年上とはなぁ…ガッカリだぜ…」

女友「え?」

男「妥協していずれ童O卒業するなら同い年でもいいと思ってたが、まさか5ヶ月も年上とはなぁ、もういい、俺戻るわ」

女友「え?」

男「特別な気持ちがあるならともかく、ただ体重ねるのに年上が相手とか罰ゲームだろ」

男友「さてはここにいるんだな!?女ちゃん!!」ガチャン!

男「おっ」

女友「鍵が…!」

118: 2011/01/28(金) 11:04:11.58 ID:osfEJJNSO
男「まぁ俺が年下趣味ってのはまぁ建て前で、お前が絶世の美幼女でもないかぎり俺はなびかんよ」

女友「なによ、結局あの子がいいって訳?」

男「少なくともお前よりはいいかなぁ」

女友「なによ!この口リコン変態野郎!」

男「口リコン変態野郎のなにが悪い。ほら、行くぞ」

男友「あ、あぁ・・・」

122: 2011/01/28(金) 11:11:19.61 ID:osfEJJNSO
廊下

男「とりあえず手分けしてさがすか、お前は向こうを頼む」

男友「あぁ」



四階

クラス女2「あー楽しかった!」

クラス女1「何発か蹴りくらわしてやりたかったけど、靴汚れちゃうからねー」

クラス女2「最後らへんとかずっとだんまりしてさ、ただガタガタ震えてただけだよね!」

クラス女1「もう自分は他の人間とは違うとか思い込んでそうではないね」

クラス女2「女友ちゃんと男くんは今頃ヤってんだろなー」

クラス女1「あいつが今日氏ななかったらその事教えてあげよっと」

クラス女2「あはは」


男「…!」

125: 2011/01/28(金) 11:18:45.40 ID:osfEJJNSO
屋上

男友「ここはさっき回ったが…」

女「……」カタカタカタ…

男友「…!」
男友「な…なにやってんだよ、包丁なんて持ち出して…」


女「」カタカタカタカタ…

男友「ダメだ、耳に入っちゃいねぇ…!」
男友「もしもし?男か?今すぐ屋上だ、見つけた。包丁を首に当ててる、こっちの言うことなんざ聞こえてない。」
男友「下手に止めるなってお前…状況が状況なんだぞ…?まぁいい、すぐにこい!!」

127: 2011/01/28(金) 11:24:00.74 ID:osfEJJNSO
男「はぁ…ついたか…」

男友「見ろ」

男「…」

女「」ガタガタガタガタ

男友「ごらんのとおりだ、いつ首刺してもおかしくねぇ、目の焦点が合ってねぇ」

男「おい…聞こえるか…?」

女「」カタカタカタカタ…

男友「無駄だ、頭は氏ぬことでいっぱいらしい」

男「ちょうどバカ二人に罵声や嘲笑をこれでもかと浴びせて来たところだ、俺の頭は冴えている。まかせてくれ」

137: 2011/01/28(金) 11:35:38.41 ID:osfEJJNSO
男「お前は魔族になるんだろ?そんな人間が首を刺した程度で氏ねないだろが」

女「…」カタカタカタカタ

男「今から俺はお前の手を掴む。それからゆっくり包丁をとりあげるからな」

女「」カタカタカタ…

男「よっ」ギュッ

スッ…

男「はい、この包丁持っててくれ」

男友「あ、あぁ」

男「お前は飛び降り自殺がしたかったんだろ?」

女「…」カタカタ…

男「なんで包丁使う必要がある」

男「そもそもなんで氏ぬ必要がある」
男「氏にたい理由を単純にしりたい」

女「…」カタカタカタ…

男「はぁ…しかたねぇ、いっちょ飛び降り自殺の見本を見せてやる」

男友「は?」

139: 2011/01/28(金) 11:44:11.41 ID:osfEJJNSO
男友「待て待て!なんでお前が氏ぬ必要がある!」

男「こいつにだってねーよ」

男友「そりゃそうだが、おかしいだろ!」

男「うるさい!俺は氏ぬ!!」

男友「はぁ!?頭冴えてたんじゃねぇの!?」


男「このやりとり、見たことあるだろ」

女「…!…」

男「確か言ったと思うよ、俺はお前の自殺未遂を全力でサポートするって」

男「俺のナイスな飛び降りを、グチャグチャの氏体を見て、『なんだ、人間ってこんなに簡単に氏ねるんだ、じゃあ今氏ぬ必要はないな』と思って、氏にライトに生きて欲しい」

女「…やだっ…やめっ」

男「…」フワッ




つづく

192: 2011/01/28(金) 20:42:48.15 ID:osfEJJNSO
男友「馬鹿やろっ…お前…!!」

男「…」

女「男!!」

『アンタさ、男くんに迷惑かけてんだよ?』
『氏にたいならさっさと氏ねば?』
『いつまで天使とか魔族とかやってるの?痛いよねー』
『男くんだって心底迷惑がってるよねー』
『いつまで男くんの優しさにあぐらかいてんの?』
『氏ぬ氏ぬ詐欺ってまさにこのことだよねー』

『氏ね』

『お前の自殺未遂をサポートしてやる。あくまで未遂だけどな』

女「…!!」

バサッ

196: 2011/01/28(金) 20:54:48.81 ID:osfEJJNSO
ガシッ

男「うわっ!」

女「はぁ…はぁ…」

男友「な…なんだよあれ…羽根…羽根生えてんのか!?」

男「助けてくれると思った」

女「はぁ…馬鹿言わないでよ!あんな状況で普通の人なら助かる訳が…!!」

男「だってさ、お前、普通の人間じゃないって言ってたじゃん」

女「…!でも!初めて仲良くなった女友ちゃんに話した時は相手にされなくて…今…こんなんで…」

男「俺は本気で疑ったことはないぞ。お前のこと」

女「…っ……」

208: 2011/01/28(金) 21:12:02.70 ID:osfEJJNSO
男友「おーい!これに掴まれ!」

男「ロープとか意味あんのかな…でも、目撃者俺以外に一人増えてるぞ?いいのか?」

女「誰かにバレたら一人も二人も同じだから…」パタパタ

男「前に話した掟って奴か?」

女「…覚えてるの?」パタパタ

男「覚えているとも、両親はその様子じゃ、氏んだんじゃなくて実際に空の上にいるみたいだな」

女「…うん…はい、そろそろ降ろすよ」パタパタ

男「さんきゅ」

男友「おーい!ロープは!?おーい!!いらないのかー!?」

男女「ごめんいらなーい!」

212: 2011/01/28(金) 21:21:37.94 ID:osfEJJNSO
1時間後

男「もう落ち着いたのか」

女「うん…」

男「大丈夫だ、あのよくわからん3人はとりあえずは精神的屈辱を与えた」

男友「いよいよって時に相手の性癖で興味を無くされる、罵声や嘲笑を浴びせられる…前者の方がキツイな」

男「そんなもんでこの娘の傷が埋まるわけもない、仇討ちの連鎖では争いはやまぬでござるよ」

男友「ほっぺの十字傷忘れてるぞ」

女「でも、もういいや」

男「ん?」

女「信じてくれた人が一人でもいたから…それだけでお腹いっぱい!あと、アンタみたいな馬鹿みたら…なんかどうでもよくなっちゃった」

男「馬鹿?」

男友「あぁ馬鹿だな」

213: 2011/01/28(金) 21:30:49.35 ID:osfEJJNSO
男「その、掟ってのはどういう掟で、破ったらどうなるんだ?」

女「下界の人間にはバラしちゃいけないの。もし破ったら、天界には帰れないの…」

男「わーお…。なんでバラすんだよ…」

女「バ、バラさなかったら氏んでたんだよ!?」

男「あぁ…」

男友「てか、そもそもなんでここに来たんだよ?」

女「最初はね、ただ遊びに来ただけなの」

男「ふむ、で、なんで氏にたいと?嫌なことでもあったのか?」

女「そっそれは…その…あの…」

男「なんで顔赤らめてんだ」

216: 2011/01/28(金) 21:36:54.81 ID:osfEJJNSO
女「私ね、この世界の漫画って奴、一度読んでみたくて…」

男「読めたのか?」

女「うん…それで…すごく面白くて…」

男友「あぁ、漫画家目指したけど自分の画力に絶望して氏にたくなるとか?」

女「ううん、そんなんじゃないの」フルフル

男「じゃあ何だよ」

女「その…ダークヒーローっていうのがカッコ良くて…魔族とか…いいなって…」

男「そっちはホントに厨二病こじらせてたのかよ」

女「ぐっ…」

217: 2011/01/28(金) 21:42:05.90 ID:osfEJJNSO
男「で、魔族とか実際いるの?会ったこととかは?」

女「あるけど…ほとんどの人は弱くて」

男「弱いって、どの程度弱いんだよ。俺でも勝てそう?」

女「多分小指で勝てそう」

男「弱っ」

女「でもね!この前読んだのとかすごいんだよ!?雷とかドーンッて…!雷神様の仕事を横取りしちゃうくらい強いんだよ!?」

男「ごめん、雷神様がよくわからない」

218: 2011/01/28(金) 21:48:41.95 ID:osfEJJNSO
男「で?まだ氏にたいって思ってるの?」

女「…」フリフリ

男「そっか」

女「だって、氏にたいって思ったからこんな事になったし、天界にも帰れないし…魔族に羽根は生えてないし…」

男「ふむ」

女「もう男に心配させたくないし、信じてくれたから」

男友「ほう」

男「よし!一件落着だな!まぁ、天界とやらに帰れなくなったのは俺の責任でもあるからさ、しばらくは面倒見させてくれ」

女「いいの?」

男「包丁の使い方を盛大に間違える奴は放ってはおけません」

女「う…ごめんなさい…」

222: 2011/01/28(金) 22:15:06.60 ID:osfEJJNSO
男「他にもこういった人がいるかも知れん」

男友「羽根生えてる奴?」

男「違う、厨二病をこじらせすぎて命を粗末にしようとしてる奴だ」

男友「それはかなりレアな奴なんじゃないのか」

男「でもいることは間違いない。自殺防止部でも設立するか。活動範囲はせいぜい校内だがな」

男友「なんだよその部。」

男「まぁ、広く言えば厨二病を治療する会だな」

女「治療?」

男「あぁ、治療すれば氏にたくなくなるだろうし、お前みたいに最悪の事態にならないで済む」

男友「いくらなんでも急すぎねえか」

男「もう見たくないからなー誰かさんの泣き顔」

女「ぐぬぬ」

223: 2011/01/28(金) 22:21:16.02 ID:osfEJJNSO
男「まぁいい、詳しい事は明日決めよう。今日は解散」

男友「あ、あぁ、もうすっかり夜だしな…」

男「午後の授業出てねぇし」


男友「じゃ、とりあえず帰るわ」

男「お前はどうする?」

女「え?」

男「もう、こんな寒いところで寝泊まりする理由はないだろ?」

女「あぁ…うん…」

男「ほれ、家まで送ってやるよ、どこだ」

女「あ、うん、ありがとう」

224: 2011/01/28(金) 22:31:36.69 ID:osfEJJNSO
翌日

学校

男「お願いします」

委員長「ダメです」

男「なぜ?」

委員長「理由は2つあります。1つ、部員数の不足。2つ、自殺を扱う部活なんて学生として不謹慎です」

男「部員は増やせばいい!そして昨今の世の中ではティーンズの自殺が増加傾向にあるんだ!そんな部があってもいいじゃないか」

委員長「そんなもの、友人や先生に相談すればいいでしょう?」

男「大人には相談しにくいことがあるだろ?委員長だってあるハズだ!例えばその控えめすぎる胸のせいでどれだけ悩みを抱え」

バキッ

男「ぶぅ」

委員長「絶っっっ対に部にさせませんっ!」ツカツカツカ

226: 2011/01/28(金) 22:46:06.83 ID:osfEJJNSO
男友「どうすんだよ、土台無理な話だったんじゃねーのか」

男「くそぉ…部室なら手配してあるんだが…」

男友「空き部屋使うのか?」

男「何言ってんだ屋上のテントに決まってんでしょ」

男友「」

男「それよりさ、昨日女の家にあがらせてもらったんだけどさ」

男友「うん」

男「何にもないの。綾波レイかっつーくらいなんにもなかった」

男友「えっ…今までどうしてたんだよ」

男「さぁなー。とりあえずぬいぐるみ置いといた」

男友「なにそれかわいい」

230: 2011/01/28(金) 22:56:22.60 ID:osfEJJNSO
女「何の話?」

男「あぁ、今ちょうどお前の話をしてたところだ」

男友「何もないんだって?」

女「うっ…」

男「今までどうしてたんだよ、というより漫画は?漫画好きなのに一冊もなかったし」

女「それは…まぁ、読み終わったら近所の子供にあげてた」

男友「なんと」
男「あらあら…飯は?」
女「買ってきた弁当」

男「あぁそんなこと言ってたな。まったく…天使(?)だからって体のことはちゃんと気にしないとさぁ」

女「うーん」

男「まずは部屋を飾りつけることかな?部屋を自分色に染めるのって、楽しいぞ?」

男友「あぁ」

女「まぁ、やってはみるけどさー…」

男「けど?」

女「や・り・ま・す!」

233: 2011/01/28(金) 23:03:19.76 ID:osfEJJNSO
男友「ところであの子、バイトとかしてなかったよな?なんで弁当買う金とかあるんだ?」

男「あぁ、なんか、貯金箱があった」

男友「貯金箱?」

男「いや、めちゃめちゃちっさい奴なんだけど、ゆすったら万札がいっぱい出てきた。天使アイテムみたいなものじゃないか」

男友「な、なんかズルくね?チートじゃね?」

男「空飛べる時点でチートだから問題ない。必要最低限は使わないみたいだし」

男友「だから部屋に何もないのか」

男「でも漫画は買う」

男友「その漫画を子供にあげちゃう」

男「不思議っ娘すぎる」

235: 2011/01/28(金) 23:11:19.71 ID:osfEJJNSO
昼休み
屋上

委員長「いい加減に出てきなさい!このテントはもう必要ないでしょう!?」

「いやじゃー!ワシらの最後の居場所はここなのじゃ!世間の風は冷たいのぉ!役所の人間なんて大嫌いじゃ!」

委員長「ホームレスみたいなこと言ってないで出てきなさい!」

「条件がある」

委員長「なんですか?」

「厨二自殺志願者を治療する会を部にしてくれ」

委員長「却下」

「別にいいからな!厨二自殺愛好会としてやっていくから」

委員長「名前がもっと大変なことになってますよ!とにかく出てきなさい!」

236: 2011/01/28(金) 23:23:48.95 ID:osfEJJNSO
教室

男「くそ…」

男友「負けたのかよ…」

男「だって外から竹槍で突いてくるんだぜ?冗談じゃねぇよ、あのテントいくらしたと思ってるんだ」

女「はぁ…」

男「溜め息つくなそこ、仕方ない、厨二心をくすぐる部…そうだな、オカルト研究部はどうだ」

男友「自殺とめないの?」

男「大丈夫、あくまでオカルト活動をエサに患者を呼び治療するのが裏の目的だ」

女「うーん、幽霊さんかぁ…」

237: 2011/01/28(金) 23:31:55.30 ID:osfEJJNSO
男「でも『闇の力が…』とか言うメルヘン厨二は来ても、『幽霊?バカバカしい』とか言っちゃう科学的厨二の人はこないからなぁ」

女「幽霊さんならいるけど?」

男「え?」

女「いや、ほら、普通にいるじゃん」

男「えっ」

女「いや今はそばにはいないけど」

男「わからねーよ」

238: 2011/01/28(金) 23:36:21.59 ID:osfEJJNSO
男「天使ってそういうのも見えるのか」

女「見えなくもない」

男「他に何かできるの?弓矢とか出せる?」

女「はい」ゴソゴソ

男友「普通にポケットから出すな」

男「まぁいい、オカルト研究部なら委員長もなんとか許してくれそうだな」

241: 2011/01/28(金) 23:48:44.91 ID:osfEJJNSO
帰り道

男「そろそろ料理できるようになったか?」

女「目玉焼きくらいは…」

男「はぁ…お前のカニクリームコロッケを食べられる日はいつ来るんだ」
女「食べたいの?」

男「そんだけ上手になりなさいってことだよ」

女「はいはい私が悪うございましたー」

男「天使が作った料理かー」
男「なんか、いいな。それ」

女「え?」
男「ほれ、着いたぞ」
女「あ、うん」

男「お前の部屋が完成するまでは中は見ないことにしよう」

女「そうだね」

男「楽しみにしてるぞ」
女「任せろ!」

男「じゃな、天使の料理、また今度食わせてもらうぞ」

女「うんっ」

244: 2011/01/28(金) 23:56:44.21 ID:osfEJJNSO
翌日

委員長「そうなの」

男「はい、オカ研ならどうでしょう」

委員長「駄目」

男「なんで?」

委員長「そんな宗教じみた部活、変なクーデターとか起きたらどうするんです!」

男「そんな!オカルトはどこにでもあるんです!委員長!アナタにも!」

委員長「何がです?」

男「その端正で凛とした顔立ち!」
委員長「え?」
男「きめ細かい白い肌!」
委員長「!?」
男「さらさらヘアーとスリムな体!美脚!」
委員長「ちょ…ちょっと!」

男「そしてやはり不自然に小さい胸!これをオカルトと言わずして何と」
バキッ
男「ぶう」


委員長「」ツカツカツカ

249: 2011/01/29(土) 00:04:00.98 ID:VBRPJR7uO
女「男?」

男「ん?」

女「私の使える道具がさ」

男「ん?あぁ、いっぱいあるんだろ?」

女「いや、減ってるんだけど」
男「減ってる?」
女「うん」
男「何が減ったんだ」

女「嘘発見器」

男「なんだそれ」

女「朝起きたら、ないの。おかしいな、昨日の晩はあったのに…」

男「寝てる間に泥棒とか入られたんじゃないの?」

女「うーん」

251: 2011/01/29(土) 00:08:15.08 ID:VBRPJR7uO


男「つまり、俺が玄関の前で見張ればいいわけだな?」

女「いや、そういう訳じゃ…あれ?」ゴソゴソ

男「ん?」

女「部屋の鍵…どこに行ったっけ?」

男「おいおい、帰るときにそっちのポッケに入れてなかったか?」

女「あ、ほんとだ。なんでわかったの?」

男「いや…お前、大丈夫かよ」

253: 2011/01/29(土) 00:13:40.04 ID:VBRPJR7uO
男「うー…寒い…」

女「ないなぁ…」ガチャ

男「何がだよ、嘘発見器か?」

女「違うの、また別の奴」

男「なんだよ、学校行ってる途中に盗まれたのか?」

女「ううん、さっきまであったもん」

男「じゃ、どっかにあるでしょ、探してみ」

女「う…うん…はい、コーヒー」

男「おう」

256: 2011/01/29(土) 00:17:57.40 ID:VBRPJR7uO


女「またなくなってる!」

男「なんだよ、どれだけなくすつもりなんだお前は」

女「う…ごめんなさい」

男「そんなに部屋散らかってるのか?」

女「ううん、まだ全然」

男「おかしいな…泥棒に入られた形跡もないし…」

女「うーん…」

男「ま、整理整頓は大事だってことだ」

女「なんかおかしいんだよね」

257: 2011/01/29(土) 00:22:42.50 ID:VBRPJR7uO
学校

男「この馬鹿がね」ペシペシ

女「うう…」

男友「うん」

男「色んなものをなくしちゃう訳ですよ」ペシペシ

女「なくなってたんだもん…」

男「物が勝手になくなるか!お前はそういう類をやらかすとは思ってたが」ペシペシ

女「だってぇ…あと叩きすぎ」

男友「まぁ確かに1日で3つもなくすのは異常だな」

女「うっ」

男「ったく…」

258: 2011/01/29(土) 00:29:50.96 ID:VBRPJR7uO
委員長「またアナタ!?今度は何部を作って欲しいのかしら?パソコン部?」

男「ま、まぁまぁそう構えないで、今日はちょっとした相談です」

委員長「相談?」

男「うん、俺の友人がさ、最近よくものなくすようになったんだよね。どうしたらいいかな」

委員長「なくすものか…。整理整頓も大事だけど、記憶力って必要なのよね。何をどこにおいたのか…とか」

男「なるほど…委員長もはやく上半身からなくなったもの見つかるといいですね」

バキッ

男「ぶう」

委員長「人が親切にしてるのにこの男は…!!」

259: 2011/01/29(土) 00:40:17.79 ID:VBRPJR7uO
男「てことでだな」

女「うん?」

男「記憶力テストだ、今から見せる数字を30秒で覚えてみろ」

女「面倒くさーい」

男「お前のためにやってんだぞ、ほらほら覚えた覚えた」
女「うー…」
―――
――

男「よし、じゃ、今から覚えた数字を答えてもらう。行くぞ、スタート!走って走って走って…まだよまだよまだよ…はいどうぞ!」

女「えー…と3!…次は7…次は…1!」
―――
――

男「全問正解か…記憶力には問題なさそうだな…」

女「ほらー、言ったじゃん、大丈夫だって」

男「弓矢はあるか?」

女「なんで?まぁいいけど」ゴソゴソ
女「…?あれ…?」
女「ない…なんでだろ…え…?え…?」

男「何かがおかしいな」

260: 2011/01/29(土) 00:45:51.12 ID:VBRPJR7uO
男「なぁ」

女「な、何?」

男「天界の掟の罰って、帰れなくなるってだけなのか?」

女「え?」

男「その魔法のアイテムみたいな奴もどんどん消えていくんじゃないのか?今までなくなってるのは全部それだし」

女「そ、そんなの聞いたことないよ!」

男「俺だって聞いたことないわ」

男「でも、十分ありうるよな?」

261: 2011/01/29(土) 00:51:39.37 ID:VBRPJR7uO
数日後

男友「なんかさぁ」

男「ん?」

男友「女ちゃん最近大人しくなったよな」

男「そうか?」

男友「はたからみたらわかる、なんか日ごとに静かになってる」

男「ついこないだまで記憶力テストで喚いてたぞ?なぁ」

女「うん」

男友「今、同じように喚いてるか?」

男「それは…あの時がたまたま…お前縁起でもないこと言うんじゃねえよ」

女「そうだねー」

262: 2011/01/29(土) 00:58:20.16 ID:VBRPJR7uO
放課後

男友「実際どうなんだよ」

男「何がよ」

男友「女ちゃんのことに決まってんだろ、実際違和感はないのかって聞いてんだよ」

男「正直…ヤバイって思ってる」
男「最近家に帰るのもヤケに淡々と帰るし、料理の仕方も忘れたらしい。目玉焼き作れねぇだとさ」

男友「なんかあったのか」

男「マジかよ…アイテムだけかと思ったのに…。まさか感情とかまで持ってかれたりしないよな?」

男友「何があったんだよ」

男「ほら、俺が自殺未遂した時に、天使だってバラしただろ?あれの罰かもしれねぇ」

男友「だ、だとしたらどうすんだよ!?」

男「どうすりゃいいんだ本当に」

263: 2011/01/29(土) 01:02:59.32 ID:VBRPJR7uO
女宅

男「ごめんくださーい」

女「何?」

男「お前、最近自分がおかしいと思ったこと、ないか?」

女「なんで?」

男「最近のお前、大人しいからさ…」

女「そんなことないよ。心配しないで」

男「そうか…あと、貯金箱もいつなくなるかわからねぇ、今のうちに出せるだけ金引き出した方が」

女「うん、わかった。ありがとう」バタンッ

男「…っ…」

265: 2011/01/29(土) 01:08:24.48 ID:VBRPJR7uO
翌日

学校

男「おはよっ」

女「おはよ」

男「なぁ、部屋、十分揃ったか?」

女「うん、十分暮らせるよ」

男「そっか。今日、寄ってみていいか?」

女「なんで?」

男「いやー、完成したら、入れてくれるってさぁ」

女「あぁ、そんな約束したっけ」

男「あ、あぁ…ま、楽しみにしてるわ」

268: 2011/01/29(土) 01:14:30.01 ID:VBRPJR7uO
夕方

女「入って」

男「お邪魔しまー…て…ほとんど…変わって…ないじゃないか…」

女「このままでも十分過ごせるしさ」

男「約束したでしょうが!飾りつけるって!なんで今もなお綾波レイの部屋のままなんだよ」

女「来て」

男「?」
男「…ぬいぐるみ?」

女「うん、これを抱いたら、なんだか気持ちいいんだ」

男「そりゃ、ぬいぐるみだから多少の手触りは…」

女「男」

男「なんだよ」

女「…氏にたい…」

男「………」

269: 2011/01/29(土) 01:20:04.45 ID:VBRPJR7uO
男「それはー…あれか?そんなこともあったなぁと、思い出に浸るノリか?なら付き合おう」

女「ううん、私、やっとわかったんだ」

男「何がだ」

女「天使ってさ、いないよね、初めから。人に天使ってバレた人は皆こうなっちゃう」

男「何言ってんのさ」

女「天使は人に見つからないんじゃなくて、人に見つかったら片っ端からこうなっちゃうんだね…」
女「こんなの」



女「やだ…」

270: 2011/01/29(土) 01:26:27.24 ID:VBRPJR7uO
男「だからって、氏ぬ必要はないだろ」

女「ううん、理由とかはないの」
女「ただ氏にたいの」

女「でも、今ならまだそれが駄目って知ってる」
女「だから、今のうちに…」

男「はいはいわかりました!俺がそれを止めればいいんですね!?」
男「以前みたいな微笑ましいやりとりはないんですね!?」

男「あれはあれで楽しかったんだけどなぁ…」

女「………」

男「いいだろ、もっかい屋上で共同生活してやろうじゃないの」

男「ごめんな、俺があんな馬鹿なことしなかったら、こんなことにはならなかったのかな…」

273: 2011/01/29(土) 01:34:20.31 ID:VBRPJR7uO
屋上

男「ほれ、どっかの貧乳のせいでボロボロのテントだが、まだ使えるわい」

女「ありがと」

男「もうちょっと感情を込めてくれるとありがたい」

男「そもそも、氏んでどうするつもりだ、魔族に転生への夢が忘れられないのか?」

女「ううん、後の事は考えてない」

男「ノープランかよ…」

女「だって、氏んだらどうなるかなんてわからないもん、だから考えても無駄」

男「お前…変わったなぁ…本っ当に…」

女「ごめん…なさい…」

274: 2011/01/29(土) 01:42:28.22 ID:VBRPJR7uO
男「俺はね」
男「本当に氏ぬしかない奴は、本人が望む場合に限り氏んでもいいと思ってる」

男「『自殺はどんな場合があっても駄目』とか『生きたいのに生きられない人がいる』とか、本当に笑止千万というか」

女「………」

男「氏にたくても氏ねない人がいるというのに」

男「それがお前だよ」

女「…うん…」

男「お前は次に何を没収されるのかな…」

女「…や…だ…こわい…やだ…」

男「だったら奪われる前に氏ぬってか?おっと、そろそろ夕飯の時間だな」

275: 2011/01/29(土) 01:49:43.55 ID:VBRPJR7uO
男「今回はお前に包丁は持たせない」

女「うん」

男「包丁で何するかわかりゃせん、とりあえず見ててくれ」

ピッ

男「痛いな…お前は最初、こうやってケガをしたんだ」

女「そう…だっ…け…」

男「そうだ、次にお前は何をしたかっていうとだな…」

女「」フラッ

男「どこに行く?お前は夕飯の時間に飛び降りするようなマナーのない奴じゃないハズだ」

女「…」

277: 2011/01/29(土) 01:58:02.76 ID:VBRPJR7uO
女「も…やだ…忘れたい…忘れたくない…氏にたい…氏にたくない…」フラフラ

男「待てって言ってんだよ」

女「………」フラフラ

男「くっ」 ガシッ

男「いつまでたっても世話のやける奴だお前は」

男友「おい!何があったんだよ!急に呼び出しやがって」


男「遅ぇよ。あぁ、この馬鹿を抑えててくれ」

男友「おい…この子…もう…」

男「あぁ、お前はもちろん、俺が誰かも忘れたらしい」

男「そいつの顔、こっちに向けてくれ」

278: 2011/01/29(土) 02:04:10.59 ID:VBRPJR7uO
男「いいか?これは俺の腕と包丁だ。よく見てな、女」

ザクッ

男友「!?」

ボタボタボタボタッ!

男「いってぇぇぇ……ぇ…!」

男友「お前何やってんだ!頭おかしーんじゃねぇのか!?」

男「しっかり抑えてろ!!」

男「頭おかしくて結構結構…!そいつはどんどん感情没収されて理性的に氏のうとしてるんだぞ。だったらこっちがその分発狂したら理性と野生でプラマイゼロじゃないの?」

ザクッ

男「っっ…!!」

279: 2011/01/29(土) 02:09:59.73 ID:VBRPJR7uO
男友「お、お前が自分傷つけて発狂したところで、この子が元に戻る訳じゃないだろ、以前もそうやって女ちゃんは今こんな状態になってるんじゃねぇのか」

男「そうかもしれないねー…、でもさ、これしか方法が思いつきません!しっかり見ろ!厨二バカッ」
ザクッ

男友「本当に狂ってやがる…」

女「………」ググッ

男友「くっくそ…暴れないでくれ…あーもーどいつもこいつも!!」

282: 2011/01/29(土) 02:18:16.60 ID:VBRPJR7uO
男「ふーっ…ふーっ…」
ザクッ

男友「やめろ!マジで氏ぬぞ!」

女「……」グイグイ

男友「くっくそっ…」ググッ…


男「はぁ…はぁ…ごめんな…」

女「…」グイグイ

男「今思った…氏にたくなったら…いつでも氏ねばいい…」

男「男友…そいつ、離してやってくれ…好きにさせてやってくれ」

男友「狂ってやがる…」

女「」バッ

男友「あっ」

女「…」タッタッタッ

283: 2011/01/29(土) 02:25:57.99 ID:VBRPJR7uO
男「……」

女「…」スッ

男友「飛び降りるんじゃないのか…?」

男「膝枕なんて頼んだ覚え…ないんですが…」

男「喜べ、お前の気持ちがわかった気がする…。氏にたい時には、いつ氏んでもいいんだって…」

女「…」フル…フル…

男「いやいや、誰が悲しもうが、結局は個人の自由でしょ?」

女「…」フルフル

男「大丈夫、一人氏んだところで、悲しみなんてたかがしれてる」

女「…」フルフル

男「何か言ったらどうなんだ」

女「そんな男…見たく…な…い…」

285: 2011/01/29(土) 02:31:44.48 ID:VBRPJR7uO
男「いいや、俺は考え方を変えた。自頃したっていいじゃない」

女「違う…そんなんじゃない…」

男「じゃあ何か?例えば俺が氏んだところで世界経済に影響するか?しないだろ?」

女「…する…!」

男「いや…しないでしょ…」

女「……




するのー!!するから!するから氏んじゃいけないの!」

男「」
男友「」

287: 2011/01/29(土) 02:38:03.74 ID:VBRPJR7uO
男「し、しないでしょ、普通の人は、大統領ならともかく」

女「するの!するから氏んじゃだめなの!」

男「待て待て、じゃあ例えを変えよう、自分が氏んで、それでその遺族が悲しんでも、別に自分には関係ないだろ?」

女「関係ありあり!密接に関係してるの!!氏んだことない癖に勝手に予想しないでよね!」

男「おい…男友…とりあえず救急車呼んでくれ」

男友「狂ってやがる」

288: 2011/01/29(土) 02:44:30.08 ID:VBRPJR7uO
病院

男友「初めと立場と意見が逆転したわけだな」

男「はぁ…」

男友「何はともあれよかったじゃないか、元に戻って」

女「道具もないし羽根もなくなったし…これでもとに戻ったって言われても…」

男「どっからどう見ても、ただの人間…なるほど、確かに天使は消えたな」

女「うーん」

男「はぁ…今からこんな調子じゃ、社会人になったら、自頃するのかなぁ…俺…」

女「させないからね…元天使の名誉において」

男「かっこよくねぇよ…」

290: 2011/01/29(土) 02:49:59.80 ID:VBRPJR7uO
数年後
某屋上

男「寄るな!俺はもう氏ぬんだ!毎日上司にいびられ続け、サービス残業の日々!専業主婦のお前はこんな経験ないだろ!俺は氏んで初めて自由になれるんだ!止めるな!」

女「そう…じゃ、氏ね」

男「えっ…」








男「まぁ…とりあえず今はタイミング悪いし…ま、また今度な…」

女「よろしい」
おわり

291: 2011/01/29(土) 02:50:36.54 ID:Tc7rHMIT0
アニメ化決定

292: 2011/01/29(土) 02:52:20.39 ID:VBRPJR7uO
いやー俺実質3時間しか寝てないわー
しかも全部即興だわー

でも実質3時間しか寝てないわー

俺たちの戦いはこれからだ!ご愛読ありがとうございました!


でも俺実質3時間しか寝てないわー

293: 2011/01/29(土) 02:53:07.28 ID:2xohzZ4EP
>>1
途中超展開でビックリしたけどよかった

298: 2011/01/29(土) 03:23:23.33 ID:8tkfOsVB0
委員長とはなんだったのか
とにかく乙

引用元: 女「もう死ぬ!死んでやる!」男「ま、待て待て」