1: 2016/01/15(金) 06:47:33.29 ID:cEdRoU3H0

ある日の公園でのこと



あかり「お待たせ~ あれ? まだ京子ちゃん1人?」

京子「おっすあかり。結衣のやつはちょっと事件があって遅れるって」

あかり「え!? 結衣ちゃんが! どうしたの!?」

京子「いやな、なんでも昨日隣町の誰かと殴り合いの大げんかをして相手を病院送りにしたとか」

あかり「えぇえええ!?」

京子「しかもその喧嘩の原因が私の壮絶な奪い合いだったの! あぁ、モテる女は辛いわね オヨヨヨヨ~」

あかり「え、え? えぇええ!?」

京子「な~んてうっそ☆ 本当はただの寝坊だよ~ん」

あかり「もう京子ちゃんったら~ あかり本気にしちゃったよぉ~」プンプン

京子「わりぃわりぃ! あかりってば本当にからかい甲斐があるよな~」

あかり「あかりで遊ばないでよぉ!」プンプン

京子「にっししし! ところでそっちこそちなちゅは? 一緒に来るって言ってたじゃん」

あかり「ちなつちゃん? えっとね…………………………あ、そうそう。ちなつちゃんはさっき突然倒れて病院へーーー」

京子「ちなちゅも寝坊かぁ~」

あかり「せめて最後まで聞いてよぉ!!」

京子「あかりは嘘ついてもすぐ顔に出るからなぁ」

あかり「もぉ~!!」

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2: 2016/01/15(金) 06:48:44.70 ID:cEdRoU3H0
京子「ところであかり、私は今猛烈に暇なんだが? 何か面白い話題はないか?」

あかり「うぇ!? え、え~っと……あ、そうだ! 京子ちゃんにいいもの見せてあげる!」ゴソゴソ

京子「ん?」

あかり「じゃじゃ~ん! 携帯電話~!」

京子「ただの携帯じゃんか」

あかり「えっへへ、これを見てよ京子ちゃん!」

京子「なにこれ写真? うわぁ、猫じゃん! 可愛いなぁ~!」

あかり「つい最近お姉ちゃんが拾ってきたんだぁ! ニャッピーっていうお名前なんだよぉ~」

京子「ニャッピー可愛い! ねぇねぇ、後であかりん家行ってもいい!?」

あかり「もちろんだよぉ~」

京子「わぁ~い!! やったぁ!!」

プルルル~ プルルル~

あかり「あれ、電話だ? お姉ちゃんから? ごめんね京子ちゃん、少し出てもいいかな?」

京子「どぞどぞ」




あかね『もしもしあかり? 今大丈夫かしら?』

あかり「大丈夫だよお姉ちゃん。どうしたの?」

あかね『それがね、ニャッピーのことなんだけど。ほら、拾ってきた時既に妊娠してるっ話したじゃない』

あかり「うん、覚えてるよぉ。最近あかり、その事について本とかで沢山調べたりもしたもん。それがどうしたの?」

あかね『それがね、もうそろそろ出産するかもしれないの。多分後2~3日もしたら』

3: 2016/01/15(金) 06:49:55.54 ID:cEdRoU3H0
あかり「えぇぇ!? 本当に!? お姉ちゃん、大丈夫なの!? 早く病院に行かないと!」

あかね『もう行ってきたから大丈夫よ。出産のために入院のようなこともさせてきたわ。家で産ませることも考えたのだけど、初心者だけじゃ心配でしょう?』

あかり「入院かぁ。そうだよね、その方が安全だよね」

京子(あかねさんが入院なんて、なにかあったのかな?)

あかり「それで大丈夫そうなの? お姉ちゃん」

あかね『えぇ、容体も安定してるから大丈夫よ。それでね、電話をした理由なのだけど』

あかり「うん」

あかね『どうやらニャッピーは赤ちゃんが3匹いるみたいでね、誰か里親になってくれる人を探して欲しいのよ』

あかり「え、全部後で面倒見れないの?」

あかね『流石にそれはちょっとね。お母さんやお父さんも許してはくれないと思うの。こんなことは言いたくないけれど、もしかしたら殺処分なんて事になるかも』

あかり「そ、そんな……」

あかね『お姉ちゃんも大学の友達に聞いて回ってみるから。あかりもお願いね』

あかり「うん、分かったよぉ!」

京子(もうそろそろ終わるかな。あぁ、お茶うめぇ)ズズズー

あかり「無事に元気な赤ちゃん産めるように応援してるね!!」

京子「ぶふぅー!?」

4: 2016/01/15(金) 06:51:16.43 ID:cEdRoU3H0
あかね『うふふ、あかりったらニャッピーの事を妹のように可愛がってたものね。うん、伝えておくわ』

京子(あ、あああ赤ちゃんを産む!? あかねさんがっ!?)

京子「ゲホッ!! ゴッホォ!!」

あかり「うん、うん……分かったよ。うん、それじゃあまた後でね!」

京子「ゲホッ! ゴホッ! オェ…………」

あかり「京子ちゃんお待たせ……って!? 大丈夫京子ちゃん!? はいティッシュ!」

京子「サ、サンキューあかり……ゲホッ!」

あかり「だ、大丈夫?」

京子「う、うん……ちょっとびっくりしちゃってさ…………ほら、電話のこと聞こえちゃって」

あかり「あ、聞いてたんだ」

京子「う、うん。その、おめでとうあかり」

あかり「ありがとう京子ちゃん!」

京子「あのさ……入院したってことは結構出産近いってことなの?」

あかり「うん! なんでも後2~3日後くらいらしいよ」

京子「ず、ずいぶん急だな!? そんな直前まで家にいて平気なの?」

あかり「うん、なんか平気そうだったからずっと置いておいたんだ。でも最近になって急に様子がおかしくなってきちゃって」

京子「様子がおかしいって?」

あかり「なんかフラフラしてたり、ほとんど動かなくなっちゃったり、あと吐く回数が増えたりとかもしたんだ」

京子「あぁ、つわりってやつか」

あかり「吐いた毛玉の処理が大変だったよぉ」

京子「毛玉吐くの!?」

5: 2016/01/15(金) 06:52:09.83 ID:cEdRoU3H0

あかり「え、うん」

京子「け、毛玉って……なんで……」

あかり「普段から体をキレイにするためによく体を舐めてるから、その時に飲んじゃうらしいんだけどさ」

京子「汚いな!! 一体どこの毛を飲んでるんだよ!!」

あかり「最近は妊娠のストレスのせいでその回数が増えたみたいでね、1日に5回くらい吐いてるんだぁ」

京子「そ、そうなんだ……」

京子(どんだけ毛を飲んでるんだよ、あかねさんは…………)

あかり「それに普段はあかりに構って欲しいって凄く甘えて来てたのに、最近は近づいてこなくなっちゃって」

京子「へぇ~」

あかり「以前まではさ、あかりが眠ってたら部屋の中に入ってきていきなりあかりの上に飛び乗ってきたのに」

京子「上に飛び乗った!? あ、あかり大丈夫だったの!?」

あかり「全然平気だよぉ。ちょっとびっくりして目が覚めちゃったけど」

京子「いや、流石にそれじゃ済まないような気が…………」

あかり「それでね、甘えるようにあかりの顔をペロペロ舐めてきたんだぁ」

京子「顔を舐めたぁ!? な、なにやってんの!?」

あかり「え、そんなに可笑しいかな?」

京子「可笑しいってもんじゃないでしょ! それは流石に汚いってば!」

あかり「別に汚くなんてないよぉ。あかり毎日寝る前に顔洗ってるもの」

京子「洗ってる意味がないじゃん!」

6: 2016/01/15(金) 06:52:48.66 ID:cEdRoU3H0
あかり「その後はあかりのベッドの中に潜り込んできて、そのまま眠っちゃうんだ。とってもあったかくて気持ちいいんだぁ」

京子「ま、まぁそれは確かにそうだろうけど」

あかり「やっぱりあの子も夜は寒いのかなぁ。今度からお洋服を着せてあげたほうがいいのかもしれないねぇ」

京子「え、待って!? 家の中で全裸なの!?」

あかり「え、うん。そうだよぉ。基本的には暖房器具で暖かいお家にしてるし、あの子も家からは出ようとしないから着せる必要はないかなって」

京子「いや必要でしょ!! 流石に全裸じゃ風邪ひいちゃうし、それ以前に普通じゃないよ!!」

あかり「そうなのかなぁ。一般的にはお洋服着るのを嫌がる事もあるらしいんだけど」

京子「なに一般論で語ってるんだよ! それは個人論で語るべきところじゃん!」

あかり「確かにそうかも。朝起きるとよくあかりの服の中に顔を突っ込んでたりするし、お洋服に抵抗はないかもね!」

京子「服に顔を突っ込むぅ!?」

あかり「うん! よくそのくすぐったさで目が覚めたりもするんだぁ」

京子「あ、あかりはそのことについて何か思わないの!?」

あかり「え? すっごく可愛くて癒されるけれども」

京子「あかりぃ!! なんてこったぁあああ!! 戻ってきてよぉおお!!」

あかり「ちょっと京子ちゃん!? しっかりしてよぉ!」

京子「う、うんごめん! だ、大丈夫だから!」

京子(なんてこった! あかねさん、とうとう自分の本性をあかりにぶちまけたのか! あかりもあかりでそれを受け入れちゃってるし!)

京子(それに全裸で家の中を徘徊し夜にあかりの上に飛び乗って顔をペロペロ舐めて、布団に潜り込んで最終的にあかりの服に顔を突っ込む…………まるっきり変態だ!!)

7: 2016/01/15(金) 06:53:45.42 ID:cEdRoU3H0
あかり「そんな風に甘えて来られるからさ、最近あの子のことをなんか妹みたいに思えてきちゃって」

京子「ふぇ!? いや、あかりの方が妹じゃん!」

あかり「確かに本当の妹ではないけどもね、もはや妹同然と言ってもいいと思うんだぁ~」

京子(あかねさん……とうとう妹プレイまで始めちゃったの…………)

あかり「それにね、クラスのお友達にも聞いたんだけどやっばり妹みたいに思えてきちゃうんだって」

京子「ふ、ふ~ん……」

あかり「?」

京子(あかりのクラスにも妹プレイを欲してくる姉を持つ子がいるのか…… やべぇな最近の中学生は……………)

京子「あ、それよりもさ。その……こういうこと聞いていいのかわからないんだけど…………」

あかり「?」

京子「その、お相手は誰なの? やっぱり彼氏とかいたわけ? あかりも知ってたの?」

あかり「それがね、よくわからないんだってぇ」

京子「へ?」

あかり「あ、そのね……やっぱり発情期に入っちゃうと誰彼構わずに子供産んじゃうらしいの」

京子「発情期ぃ!? 誰彼構わずにぃ!?」

あかり「うん、だからお父さんは誰かわからないんだぁ」

京子「な、な、な…………」プルプル

8: 2016/01/15(金) 06:54:54.49 ID:cEdRoU3H0
あかり「やっぱりそういうのは本能だから仕方がないところがあるのかもねぇ」

京子「ちょ、ちょっとなに本能だからって事で片付けてるの!? それって大問題じゃん!!」

あかり「だ、大問題って……そこまでじゃないんじゃないかなぁ」

京子「いやいやいや! お父さんとお母さんとかは何か言ってないの!?」

あかり「お母さんも昔 (拾った猫がいつの間にか子供を産んだ) 経験があったらしいから特になにも言ってなかったよぉ」

京子「経験があったぁああ!?」

あかり「うん、お母さんが小学5年生くらいの時に」

京子「小学生の時に!?」

あかり「お父さんも最初にきちんと世話するんだぞ、って言ってからは特になにも言ってこないよぉ~」

京子「放任主義にもほどがある!!」

あかり「お姉ちゃんもそれを聞いてすごく喜んでたんだぁ。もし勝手に放り出されたらどうしようって凄く心配してたし (拾ってきた猫を)」

京子「家によっては本当に放り出されてもおかしくないもんな……」

あかり「それに約束として、出産し終わったら不妊手術をするんだって」

京子「不妊手術を!?」

あかり「そう。お姉ちゃんとしてもこれ以上勝手に増えちゃうのは困るって言ってるし」

京子「え、なに? あかねさんはそれ承諾してるの!?」

あかり「子供ができなくなるのは寂しいけど、発情期が来るたびに勝手に妊娠しちゃうよりはマシだって言ってた」

京子「勝手に増えるわけじゃないって!! なにあかねさん!? そんなに淫乱なのあの人!?」

あかり「あかりも少し寂しいけど仕方ないかなぁ」

京子「そ、そうなんだ…………」

9: 2016/01/15(金) 06:55:52.40 ID:cEdRoU3H0
京子「ところでさ、あかりとしては何か思うところはあるの? 姪っ子か甥っ子が出来るわけじゃん」

あかり「姪っ子……といえばそうなのかな。でも感覚としては妹か弟が増える感じなのかなぁ」

京子「確かにね。サザエさんで言う所のワカメちゃんとタラちゃんの関係だもんね」

あかり「楽しみだなぁ~ 早く生まれないかドキドキしてるよ」

京子「よしっ! それならこの京子ちゃんが何か出産祝いを買ってあげよう!」

あかり「え、本当!」

京子「もちろん! それでさ、明日あたり病院に行ってもいいかな?」

あかり「病院に? なにしに行くの?」

京子「実際に出産祝いになにが欲しいのかを聞きたいんだ」

あかり「実際に聞くのぉ!?」

京子「その方がいいじゃん。こういう経験は私も初めてだし、実際に本人に聞いた方がミスマッチもないだろうしさ!」

あかり「いや、でも……言ってる事とか理解できるの?」

京子「そりゃもちろん。今までなんどもお話ししてるじゃん」

あかり「そ、そうなんだ……」

10: 2016/01/15(金) 06:56:37.31 ID:cEdRoU3H0
京子「この前なんかスーパーでばったり出くわしてね、最近は暖かいわねとか雑談もしたし」

あかり「あの子がスーパー行ってたの!? い、いつの間に……それに何しに行って………」

京子「買い物してたよ、晩御飯のおかずとか」

あかり「お買い物してたの!? 晩御飯のおかずをぉ!?」

京子「うん。なんかアジとか買ってた」

あかり「アジ……好きなのかな…………?」

京子「そんでその後途中まで一緒に帰ったんだけどさ」

あかり「うん」

京子「途中公園に寄ってジュース奢ってもらっちゃった」

あかり「ジュース奢ってもらったぁ!?」

京子「あかりがいつもお世話になってるからって言われて」

あかり「むしろあかりがお世話している側だと思うんだけどなぁ……」

京子「あはは、あかりがお世話してるなんて冗談でも言えないでしょ」

あかり「もぉ~」プンプン

あかり「でもどうして勝手に外に出ちゃったのかなぁ……もしかしてマーキングとかしてたのかな」

京子「マーキング?」

11: 2016/01/15(金) 06:57:55.16 ID:cEdRoU3H0
あかり「うん。自分の縄張りを誇示するためにいろんな場所に自分の匂いとかをつける行為だよぉ」

京子「え、そんなことするの!?」

あかり「うん。殆どは頬っぺたを擦り付けるらしいんだけど、たまにスプレーとかもするらしいんだ」

京子「スプレー?」

あかり「オシッコをかけるんだって」

京子「そこまでして縄張り争いするの!?」

あかり「うん。最初の頃は家の中で結構しちゃってね、躾をするまで大変だったよぉ」

京子「ど、どんな所で…………?」

あかり「机の足とか、階段の下とか、一回あかりの部屋でされたこともあったねぇ」

京子「はぁ!?」

あかり「しかもあかりのいる真ん前で! 本当にびっくりしたよぉ~」

京子「あかりの真ん前であかりの部屋にしたのぉ!? オシッコスプレーを!?」

あかり「そうそう、本当に焦ったよぉ~」

京子「ほ、本当に吹っ切れちゃってるんだなぁ…… 焦るだけで済むなんて…………」

あかり「でも最近はそんなこともなくなったし、家も清潔そのものになってるよぉ」

京子「そ、それは良かった……」

12: 2016/01/15(金) 06:59:22.39 ID:cEdRoU3H0
あかり「お外ではどうだった? そういうことしたりとかしてなかった?」

京子「してないよ!! そんなことしそうになったら即刻止めるに決まってるじゃん!!」

あかり「え、止めようと思って止められるものなの?」

京子「そりゃ止められるでしょ。やめてって一言言えば止めてくれるよ」

あかり「やめてって言えば素直に止めてくれるの!?」

京子「そりゃそうでしょ。流石にそれくらいの常識はあるって」

あかり「そ、そうなんだぁ……知らなかったよ」

京子「なんでそこに気づかないんだよ。相変わらず抜けてんなぁ~」

あかり「普通気づかないって………」

京子「あ、でもよくよく考えてみたら赤ちゃう産むのってもちろん初体験なわけだよね?」

あかり「た、多分そうだと思うけど」

京子「それなら欲しいものを本人に聞くよりも、経験済みの人に聞いた方がいいかもしれないな。出産祝い」

あかり「たしかにそっちの方が良いかもしれないね」

13: 2016/01/15(金) 07:00:44.71 ID:cEdRoU3H0
京子「よっし、今日あたりうちのお母さん辺りにでも聞いてみよ」

あかり「え、京子ちゃんのお母さんに?」

あかり(京子ちゃんのお母さんも昔猫を飼ってたのかな?)

京子「うん。やっぱり実際に出産をして育てた経験がある人に聞くのが一番かなって」

あかり「実際に産んで育てたぁ!?」

京子「……うん? なんでそんなに驚いてんのさ?」

あかり「いや、だって……京子ちゃんのお母さんが産んで育てたって事は…………」チラッ

京子「………………?」

あかり「…………………………えっと、京子ちゃん」サワサワ

京子「うひゃあ!? ちょっとあかり!! 何いきなり頭撫でてるの!?」

あかり「えっと……ちょっと椅子から立ってもらって後ろ向いてもらって良い?」

京子「別に良いけど……」

あかり「……………………」サワサワ

京子「ひゃん!」

あかり「…………………………」ムニュムニュ

京子「ちょっあかっり! な、なにお尻……ひゃう!」

あかり「猫耳も尻尾もない……」

京子「あ、当たり前だろ! い、いきなりなにするかと思えば……………」

あかり「少し期待したのに~」ハァ

京子「なにこれ私が悪いの?」

あかり(京子ちゃんたらまた冗談言ったんだよねぇ。一瞬信じちゃったよぉ)

14: 2016/01/15(金) 07:02:31.04 ID:cEdRoU3H0
あかり「あ、そうだ京子ちゃん。あのさ、赤ちゃんのことでちょっと聞きたいことがあるんだけど良いかな?」

京子「へ? 私妹も弟もいないから、赤ん坊の世話なんてよく分からないけど」

あかり「ううん、そうじゃなくてね。ちょっとしたお願いというか」

京子「お願い?」

あかり「うん。実はね、産まれてくる赤ちゃんは三つ子らしいの」

京子「三つ子!! それはかなり凄くない!?」

あかり「いや、少ない方だよぉ~ 世界記録では18つ子とかもいたらしいし」

京子「18つ子!? 一度にそんなに!?」

あかり「でね、お姉ちゃんが言うにはあかりの家じゃあ三つ子全員を育てられないらしくてね」

京子「は?」

あかり「もし良かったら里親になってくれないかなって」

京子「なななななに言ってるのあかり!?」

あかり「何って……そんなに変なこと言ったかなぁ?」

京子「だ、だってせっかくのかわいい姪っ子……もしくは甥っ子が! しかも三つ子が!」

あかり「あかりだって出来れば全部育てたいよ。お父さんとお母さんがダメだって言うんだもん……」

京子「父親が誰かわからなくてもあんたらにとって孫だろ!! なんでそんな冷たいことを言ってんの!?」

あかり「それにもしも里親が見つからなかったら、最悪殺処分もあり得るってお姉ちゃんが……」

京子「なにその倫理観も道徳観も一切持ち合わせていない考え方! 赤座家の闇が深すぎるだろ!!」

あかり「だからさ、どうか貰ってくれないかな!」

京子「無理だってそんなの!! 日本国憲法的にヤバすぎるってば!!」

あかり「お願い京子ちゃん! 誰ももらってくれなかった時に限定しても良いから!」

京子「それ確実に私がもらうことになるよね!? 嫌だよ!!」

あかり「お願い! なんならしつけの本とかもあげるから!」

京子「嫌だよ! てかうちのお母さんに聞けばわかるから別にいらないよ!」

あかり「あっ! それならお母さんが使い古してたボロボロの板あげるよ!」

京子「いらないよ! てかなんでボロボロなんだよ! せめて新しいやつくれよ!」

あかり「子供にはお母さんが使い古してた柔らかいものをあげたほうが良いらしいよ? 爪が剥がれちゃうんだって」

京子「爪が剥がれる!? どういうことなの!? もはや意味がわかんねーよ!!」

15: 2016/01/15(金) 07:03:36.94 ID:cEdRoU3H0
あかり「ねぇ、どうしてもダメ?」

京子「う、うん……その、ごめん」

あかり「うん、分かったよ京子ちゃん。無理言ってごめんね」

京子「いや、こっちも役に立てなくてごめん」

あかり「あ、ちょっとおトイレ行ってくるね」

京子「い、行ってらっしゃい……」

あかり「ふんふ~ん♪」


京子「はぁ……なんかあかりの印象がかなり変わったなぁ…………」

ちなつ「すみません京子先輩、お待たせしました!」

京子「あぁちなつちゃん。おはよー それとちなつちゃんのお姉さんまで」

ともこ「うふふ、ちょっとこっちに用事があったから一緒に来ちゃったの。もうここからいなくなるから大丈夫よ」

京子「はぁ……そうですか」

ちなつ「なんかテンション低くないですか?」

京子「まぁ色々あってね…………」

ちなつ「……」

ともこ「?」

京子「なんかね、あかりのお姉さんに三つ子が生まれるらしくてさ」

ちなつ「へ?」

ともこ「ぬぁっ!?」

京子「育てられないから貰ってくれないかって言われたんだよねぇ」

ちなつ「へ? は? えぇ?」

ともこ「…………………」





あかり「あ、ちなつちゃん! 来たんだねぇ~!」


ともこ「あかりさん!!」ゲザァ

ちなつ「お姉ちゃん!?」

あかり「ふぇ!?」






ともこ「あかねちゃんのお子さんを私に下さい! 全員必ず幸せにしてみせます! お願いします!!」ゲザァ

あかり「は、はえぇぇっ!?」




16: 2016/01/15(金) 07:04:19.38 ID:cEdRoU3H0
おわり

17: 2016/01/15(金) 07:21:32.95 ID:JSP3dYIo0
クソワロタ
全員アホしかいないのか

18: 2016/01/15(金) 08:43:22.50 ID:Z3e40Grwo
乙!

引用元: あかり「赤ちゃんが産まれるんだぁ」