絵里「資料を開きますので、マイクを少し下げていただいても宜しいですか？」

穂乃果「いや、それは……出来ませんので」

絵里「それではマイクを下げさせていただきます」

―名刺交換―

絵里「名刺交換の漏れはございませんでしょうか。質問をする方は所属とお名前を仰っていただき、複数いらっしゃる場合は指名順にさせていただくということで、随時、今日お集まりの記者の皆さんの質問に、全てお答えさせていただきたいと思います」

絵里「つきましては、私も真摯に質問にお受けしたいと考えておりまして、昨今、ヤジ、失言、暴言というものが社会問題になるなか、質問にかこつけた暴言や恫喝というような形で、私が『怖いな』と感じた時点で、この記者会見は打ち切りにさせていただきます」

絵里「なので、何とぞ平常心を持って質問をしていただきますように、お願い申し上げまして、記者会見を、質問をお受けしたいと思います。座って、お受けさせていただきます」

絵里「……それでは、高坂穂乃果記者から、ご質問をお願い致します」

穂乃果「まず質問の前に、今回記者会見を開きたい、と言ってきたのは絢瀬絵里さんのほうなんですけども、何か主張されたいことっていうのはありますか？まず先にそちらを聞かせていただきたいと思いまして」

絵里「申し訳ありません、キチョウというふうに聞き取ったんですけれども、聞き取れませんでしたので、もう一度、大きな声でゆっくりと最後までお願いできますでしょうか」

穂乃果「はい……。では、今回絢瀬さんのほうから……聞こえてますか？記者会見を開きたい、との申し出があったので、こうして各人集まってもらいました」

穂乃果「なのでまず、主張をお聞きしたいんですけれども、絢瀬さんのお話からお聞きしたいと思います。どうぞ」

絵里「それでは、私が高坂記者のご質問を受けまして、お答え致します。私の主張というものは、当選以来、三度に渡って理事長に対しまして、生徒会費の利用先を実態をそのまま報告させていただいたところであります」

絵里「けれども当選以来、不自然な支出を繰り返すとの指摘に対しまして、えー……実態を、事実に相違ない中で報告させていただいただけでございます」

絵里「ただ私自身、しっかりと内容を把握したりとか、そういうふうな行為を改めて行いませんでしたので、ご指摘の通り、常識からは考えにくい、不自然な支出とご指摘を受けても仕方がないと思うところであります」

絵里「なので、スクールアイドルの活動を常識の範囲内に自粛しながら、精一杯行って参りたいです」

絵里「このように高坂記者からのご質問にお答えさせて頂きます」

海未「今年度の生徒会費では、オイルマッサージ195回と記載がありますが、そちらはご自分で行かれたんですか？」

絵里「それでは、園田記者のご質問にお答えします。私が報告書の通り、現地に赴いてレズセ――ｺﾞﾎﾝ。えー、リラックス効果のあるマッサージを行ってまいりました」

海未「そうですか、毎回違う女の子を指名していたとあります。これを、それぞれどの女の子を選ばれたのか、というのを説明してください」

絵里「園田記者、今のは関係ないのではありませんか？」

海未「いえ、ここはとても重要で――ﾓｶﾞｯ……ちょっ、凛！何をするのですか！まだ話は――」

凛「海未ちゃん、めっ！」ﾊﾞｼｯ

海未「ぐふっ」ｶﾞｸｯ

凛「お騒がせしましたー」ｽﾞﾙｽﾞﾙ

海未「……」ｽﾞﾙｽﾞﾙ

ことり「そのお店ではどんなことをしていたのですか？」

絵里「南記者のご質問にお答えします。報告書に記載するべき事項・要領につきましては、議長から配布されております手引に従って報告させていうことでございます」

絵里「なので、それ以上の詳しい――もとい、ディープな内容につきましては、報告の必要がないという要領になっております。
これを以って、南記者のご質問に対するお答えとさせていただきます」

ことり「ではその手引について、この証拠書類についてはこれを整理し・保管する必要がある。更に、個々の支出の内容について常に説明できる状態にしておかなければならない、と手引にあります」

ことり「今言った女の子とのプレイの内容の説明がそれにあたると思います。なのでそれぞれの女の子とのプレイ、全てにお答え下さい」

絵里「そ、そんなことまで/////」

ことり「さぁ、はやく」ﾌｰﾌｰ

花陽「ことりちゃーん？」ﾆｺﾆｺ

ことり「ちゅんっ！？」ﾋﾞｸｯ

花陽「ちょっとこっちでお話しましょうねー」

ことり「あ、ちょっとー！！」ｽﾞﾙｽﾞﾙ

にこ「そしたら、一番高い時が五十万円。一番安い時が二千円となっているのですが、これは絢瀬さんが出された金額ですよね？何を根拠に出された金額なんでしょうか」

絵里「矢澤記者のご質問にお答えします。これは、所持金から支出したお金でありますので、手引にも記載の実費である、というご質問に対するお答えになります」

にこ「えっとー、これ金額的にはズレも、その店のNo.1嬢と一夜過ごしたという金額になるんですけれども、そういう事で宜しいですか？」

絵里「矢澤記者のご質問にお答えします。なにぶん疲れますので元気いっぱい活動できるように、もったいないとは思いながらも、矢澤記者のご指摘の通り一度はNo.1嬢を指名して見たいと思い――ｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ」

にこ「なるほど」

絵里「矢澤記者、質問は終わられましたか？」

にこ「……いや、いっぱいあるのですが」

絵里「矢澤記者、では質問を続けてください」

にこ「構いませんか？えーと、じゃあ……。今のお話ですと、生徒会費としての301万円くらいの支出があっても記録に残すものは無い、とのことでしたね？」

絵里「他の生徒会役員さんからはですね、この生徒会費を使った場合、誰に会ってそこで何をしたか、どういう活動内容だったかというのは報告すべきだ！
ということなんですけれども。この195回の主なもので結構ですのでそれぞれ活動内容を教えていただけますか」

絵里「活動内容は……言えません/////」

にこ「え、もっと具体的に教えてくれてもいいじゃないですか。それなら相手がどんな人物かだけでも――」

真姫「にこちゃん？」

にこ「あ」

真姫「行くわよ」ﾆｺｯ

にこ「……」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

真姫「どうもー」ｽﾞﾙｽﾞﾙ

にこ「に、にこー！！」ｽﾞﾙｽﾞﾙ

絵里「……矢澤記者の質問にお答えします」

絵里「相手の嬢から「公表しないでくれ」という約束を前提に、協力していただきました」

絵里「そういった約束がありますので、わずかでも特定する恐れがあることについては、公表できないと、いうふうに、矢澤記者のご質問にお答えさせていただきます」

※以下、絢瀬絵里氏が取り乱して号泣しながら話しており、正確な聞き取りが困難なため、聞き取った言葉の表現は編集部の解釈に基づいております。あらかじめご了承ください。

絵里「一人の人間として、こういうご指摘を真摯に受け止めて、私としては実績に基づいて適正な判断に基づいて報告しております」

絵里「しかし『生徒会長』という大きな立場から見れば、やはりご指摘を真摯に受け止めて、どこかで折り合いをつけなければ大人じゃないと思うんです！」

絵里「ですから、私はその生徒会長という、本当にもう……可愛らしい女の子が大好きで、本当に女の子が大好きなんで、ですからもうそういう嬢達に申し訳なくて……」

絵里「生徒の皆さま、私も氏ぬ思いで、もう氏ぬ思いで、もう、あれです……」

絵里「一生懸命、選挙活動をしてやっと生徒の皆様に認められて選出された代表者たる生徒会長であるからこそ、こうやって記者の皆さまにご指摘を受けるのが、本当にツラくって、情けなくって、女の子達に本当に申し訳ないんです！！」

一同「」

絵里「ですから、……皆さんのご指摘を真摯に受け止めて、生徒会長という大きな、ク、カテゴリーに比べたらア、生徒会費、セィッイット会費の、報告ノォォー、ウェエ！！」

一同「」ﾋﾞｸｯ

絵里「折り合いをつけるっていうー、ことで、もう一生懸命ほんとに、少子化問題、廃コォォオオウッハアアアァアーー！！廃校問題はー！」

絵里「我が学校のみウワッハッハーーン！！我が学校のッハアーーーー！我が学校ノミナラズ！！秋葉みんなの、日本中の問題じゃないですか！！」

絵里「そういう問題ッヒョオッホーーー！！解決ジダイガダメニ！私ハネェ！」

絵里「ブフッフンハアァア！！」

一同「……」

絵里「誰がね゛え！誰が誰に投票ジデモ゛オンナジヤ、オンナジヤ思っでえ！ウーハッフッハーン！！」

絵里「ッウーン！ずっと期待してきたんです！！だけど！変わらないからーそれやったらワダヂが！立候補して！文字通り！」

絵里「アハハーンッ！命がけでイェーヒッフア゛ーー！！！……ッウ、ック」

絵里「高坂記者！あなたには分からないでしょうけどね！平々凡々とした、ロシアを旅立って、本当に『誰が投票しても一緒や、誰が投票しても』」

穂乃果「えぇー……」

絵里「じゃあ私がああ！！立候補して！！この世の中を！ウグッブーン！！ゴノ、ゴノ世のブッヒィフエエエーーーーンン！！」

絵里「ヒィェーーッフウンン！！ウゥ……ウゥ……。ア゛ーーーーーア゛ッア゛ーー！！！！」

絵里「ゴノ！世の！中ガッハッハアン！！　ア゛ーー世の中を！ゥ変エダイ！その一心でええ！！ィヒーフーッハゥ」

絵里「一生懸命訴えて、音ノ木坂に、縁もゆかりもない音ノ木ザッカア生徒の皆さまに、選出されて！やっと！生徒会長に！！なったんですううー！！！」

絵里「ですから皆さまのご指摘を、生徒の皆さまのご指摘と受け止めデーーヒィッフウ！！ア゛ーハーア゛ァッハアァーー！ッグ、ッグ、ア゛ーア゛ァアァアァ」

絵里「ご指摘と受け止めて！ア゛ーア゛ーッハア゛ーーン！ご指摘と、受け止めて！1人の大人として！折り合いを付けましょうと！」

絵里「そういう意味合いで、自分としては『何で、実績に基づいてキッチリ報告してるのに、何で自分を曲げないといけないの』と思いながらも！」

絵里「もっと大きな、目標ォ！すなわち！本当に、廃校問題を自分の力で、高校生1人のわずかな力ではありますけれども、解決したいと思っているからこそォォ！！」

絵里「ご指摘の通り、今年度一年間で195回行きました。301万円支出させていただきました。日帰りでございました！」

絵里「……あ、たまには朝帰りもありました」

絵里「そのご指摘を真摯に真剣に受け止めようとするから！一人の人間として、何とか折り合いのつくところで折り合いを付けさせて頂いて、もっと大きな目標！」

絵里「生徒会長として廃校問題を、少しでも解決すべく、生徒会長として活動させて頂きたいからこそ！」

絵里「堪えに堪えていたんです！」

絵里「何とかご指摘のことは本当に真摯に受け止めて、折り合いをつけさせて頂きたい。何故かといえば、生徒会長というそういう大目標のなかに……。もちろん、生徒会費、生徒会費、ものすごい大事ですよ大事ですけれども！」

絵里「生徒会費というそういう大きい括りのなかでは、極々小さいものなんですゥ！ですから！一人の人間として、何とか、折り合いをつけさせて頂きたいです」

絵里「報道各位、記者の皆さまのご指摘は適正なものだという形で真摯に理解して、何とか、訂正、返納ということを明言し、理事会と相談させて頂きたいと」

一同「……」

絵里「ナ゛ッ！」

一同「」ﾋﾞｸｯ

ヒデコ「わ、わかりました。そこでじゃあお聞きしたいんですけれども、絢瀬生徒会長が仰ってる……その訂正と返納の対象はどれなんですか？どの分に対して、理事会と話し合いたいと仰ってるんですか？」

絵里「えー……」

ヒデコ「ヒデコです」

絵里「ヒデコ記者のご質問に答える前に、まず最初に、記者会見で私自身、感情的にならないように記者の皆さまにご注意申し上げましたのに、自分自ら感情的になりましたことを、まずここでお詫び申し上げたいと思います」ﾍﾟｺﾘ

絵里「それでは、申し訳ありません。ヒデコ記者、二度手間でほんとに申し訳ないんですけど、もう一度、質問を――」

希「えーりーちー」

絵里「」

希「なんなん？これ」

絵里「いや、その」

希「ちょーっと詳しい話を向こうで聞こうかー？」

絵里「その、ね？希……色々と事情が――」

希「知らん」

絵里「えっ、ちょ、希！？待っ……いやぁぁぁぁぁ！！！！！」ｽﾞﾙｽﾞﾙ

おわり

書き忘れてたけど
>>20から声に出して読むのをオススメします

乙
おすすめしなくていいから…