1: 2022/04/30(土) 19:58:46.90 ID:aqflOl+C.net
――虹ヶ咲学園 部室

歩夢「しずくちゃん、私たちに話ってなに?」

せつ菜「……もしかして、QU4RTZやDiverDivaみたいなユニットの提案ですか?」

しずく「その話は後々したいと思ってます」

歩夢「だったら何の話なの?」

しずく「それはですね……」

しずく「ズバリ! 歩夢さんとせつ菜さんは付き合うべきというお話です!」

歩夢・せつ菜「え、ええ〜!?///」

3: 2022/04/30(土) 20:02:51 ID:aqflOl+C.net
せつ菜「ど、どういうことか教えてもらえませんか?」

しずく「はい! まず、歩夢さんは、好きな人には大好きってたくさん言って欲しいですよね?」

歩夢「え……ま、まあ、そうだね」

しずく「そしてせつ菜さんは、大好きなことはちゃんと声に出して大好きって言えますよね?」

せつ菜「……? そうですね」

しずく「したがって、大好きって言って欲しい歩夢さんと、大好きを叫ぶせつ菜さんはカップリングとしての相性ぴったり、というわけです!」

歩夢「かっぷりんぐ?」

せつ菜「な、仲のいい二人のことです」

しずく「恋愛的に仲がいいことも多いですよ」

歩夢「れ、恋愛!?///」

せつ菜「相性がいいからといって、付き合うことにはならないでしょう! そもそも私たちは女同士ですし……」

7: 2022/04/30(土) 20:06:57 ID:aqflOl+C.net
しずく「本当にそう思ってます?」

せつ菜「……はい」

しずく「幼馴染のアユムさんとの夢小説を書いているのに? 題名はレジェンド——」ボソッ

せつ菜「な、なんで知ってるんですか!?」コゴエ

しずく「カップリングあるところに、桜坂しずくありですから!」

せつ菜「答えになってませんよ!」

歩夢「ねえ……」

歩夢「しずくちゃんは私たちが……こ、恋人みたいに見えるの?」

しずく「はい!」

しずく「あ、もちろん、相性がいいというだけ、という理由で言っているわけではありませんよ」

しずく「お二人が最近いい感じになっていることも含めて言ってますからね!」

歩夢「いい感じって……?」

8: 2022/04/30(土) 20:11:02 ID:aqflOl+C.net
しずく「うふふ。隠さなくてもいいんですよ。お二人とも、最近いつも近くにいますよね♪」

せつ菜「そ、そうですかね?」

しずく「ええ。同好会のミーティングなんかで集まっている時は、特にそうです」

しずく「あと、DiverDivaの楽屋でもかなり近くにいましたよね? あの時、隣の机にも座れるスペース空いてましたよ」

歩夢「そ、そうかな……あんまり覚えてないかも」

しずく「も~! 歩夢さん、ごまかさないでください!」

歩夢「何もごまかしてないよ~!」

せつ菜「ちょっと待ってください、しずくさん」

しずく「なんでしょう」

せつ菜「近くにいるだけでは、恋人であると言えないと思います」

10: 2022/04/30(土) 20:15:06 ID:aqflOl+C.net
せつ菜「この同好会には、侑さんやかすみさんみたいに距離感の近い人がたくさんいますよね」

しずく「そうですね」

せつ菜「そうなってしまうと、彼女たちは恋人だらけ、ということになってしまうでしょう」

しずく「なるほど、だから歩夢さんと近くにいても恋人とは疑われないし、思う存分くっつけるというわけですね」

せつ菜「そうそう……って違いますよ!///」

しずく「ふふっ、そんなにくっつきたいんですね」

しずく「歩夢さん、今からハグでもしてあげたらどうですか?」

歩夢「え、えぇ……!///」

せつ菜「……しなくていいですよ。今日のしずくさん、どこかおかしいですし」

13: 2022/04/30(土) 20:19:11 ID:aqflOl+C.net
歩夢「そっか……」シュン

せつ菜「そ、そんなに落ち込まないでください! してほしくないわけではないので!///」

歩夢「そうなの?」

せつ菜「はい!///」

歩夢「……えへへ。ありがと」ニコッ

せつ菜「……っ///」カアア

しずく「公式供給ありがとうございます♡」

せつ菜「公式ってなんですか!///」

しずく「せつ菜さんたちがイチャつくと推しカプの公式供給になるんですよね」

せつ菜「私たちを何だと思ってるんですか!///」

15: 2022/04/30(土) 20:23:24 ID:aqflOl+C.net
しずく「尊敬すべき先輩たちです」

せつ菜「えっ」

しずく「歩夢さんはかわいらしい容姿だったり、みんなのことをしっかり見ていてくれるやさしいところが物語のヒロインのようで素敵だと思います」

歩夢「あ、ありがとう///」

しずく「せつ菜さんは同好会で一番スクールアイドルに対して熱い想いを持ってると思います。その熱意は私も見習いたいです」

せつ菜「しずくさん……! ありがとうございます!」

せつ菜「さっきはおかしいなんて言ってしまってすみませんでした!」

しずく「いいんですよ。私のお二人への想いが暴走してしまっているのは事実ですから」

せつ菜「分かります。大好きな気持ちって止められないんですよね~」ウンウン

しずく「では、私の大好きな推しカプの話を続けてもいいですか?」

16: 2022/04/30(土) 20:27:42 ID:aqflOl+C.net
せつ菜「……いやいや!? それとこれとは話が別でしょう!?」

しずく「私の大好きとせつ菜さんの大好きはどこが違うんですか?」

せつ菜「うっ……!」

しずく「尊敬すべき先輩であるせつ菜さんなら、私の大好きも肯定してくれますよね?」

しずく「ついでに大好きな推しカプも一緒ですよね?」ボソッ

せつ菜「…………分かりました。続けていいですよ」

歩夢「せつ菜ちゃん!?」

しずく「うふふ、せつ菜さんならわかってくれると思ってましたよ」

しずく「時に歩夢さん」

歩夢「な、なあに?」

しずく「最近、生徒会室に同好会の書類を提出しに行くことが多いですよね?」

歩夢「そうだね。侑ちゃんは音楽科で忙しいし、かすみちゃんもQU4RTZの準備で忙しくなってたから」

しずく「それって、菜々さんに会いたいから、ですよね?」

17: 2022/04/30(土) 20:32:00 ID:aqflOl+C.net
歩夢「……!/// ど、どうしてそう思うの?///」

しずく「キリっとしてはいるものの、穏やかで優しい生徒会長の菜々さんに魅力を感じているから。加えて、生徒会室だと二人っきりにもなりやすい。そんなところでしょうか」

歩夢「……///」コクッ

しずく「ふふっ、そうですよね」

せつ菜「……部室でもときどき菜々になった方がいいですか?///」

歩夢「せつ菜ちゃんにお任せするよ。私はせつ菜ちゃんも菜々ちゃんも、す……大事だから///」

せつ菜「……分かりました///」

しずく「……」

しずく「……やっぱり、お二人はキスすべきです!」

せつ菜「ど、どうしてキスになるんですか!?///」

しずく「こんなにも愛し合ってるお二人が付き合ってないのはおかしいです! 世界の損失です!」

19: 2022/04/30(土) 20:36:07 ID:aqflOl+C.net
歩夢「あ、愛し合ってるって……///」

せつ菜「だからといって、キスなんて出来ません! 私たちまだ付き合ってすらないんですよ!」

しずく「まだってことは、いずれ付き合うってことですか?」

せつ菜「……え、いや///」

歩夢「……いや?」

せつ菜「イヤではないんですけど! そ、その……段階があるでしょう!///」

しずく「ふむ。では接吻で」

せつ菜「変わってませんよ!」

しずく「じゃあハグで」

せつ菜「じゃあってなんですかじゃあって! ハグだってハードルが高いんですよ!」

しずく「では手繋ぎならできますよね。告知動画の撮影でもしましたし」

せつ菜「……っ! それは……!///」

歩夢「……」

しずく「……もうっ! このままだと一生付き合えませんよ!」

21: 2022/04/30(土) 20:40:13 ID:aqflOl+C.net
しずく「そのうち『この想いは、歩夢さんに相応しい私になれるまで秘めておきましょう。そして、なれた暁には熱烈に歩夢さんにアタックします!』とか言い出すんですよね!」

歩夢「そ、そんな漫画みたいなこと……」

しずく「でもちょっといいなって思いましたよね? せつ菜さん?」ズイッ

せつ菜「……お、思ってないです!」

しずく「そして歩夢さん!」クワッ

歩夢「な、なに!?」

しずく「歩夢さんも、大好きなら言葉にして伝えないとダメですよ!」

しずく「歩夢さんは大好きって言ってほしくて距離ばかり詰めるけど、なかなか言って貰えないからちょっと自信無くしちゃうタイプの人なので……」

しずく「でもそれで病んでしまうのではなく、だんだん片想いをしてるのだけでも楽しくなって来ちゃうのがかわいいんですよね」

歩夢「どうしてそんな解像度が高いの!?///」

22: 2022/04/30(土) 20:44:18 ID:aqflOl+C.net
しずく「それは書いてるからですよ」

歩夢「な、何を?///」

しずく「それは秘密です♡」

歩夢「ええ~!?」

せつ菜「……後でペンネーム教えてください」ボソッ

しずく「既に相互フォローですよ」

せつ菜「なっ、え、ええ!?」

しずく「ちなみに処O作から読んでます。最新作のお布団の中でいちゃつくやつも大変私好みでした♡」

せつ菜「あ……ありがとうございます!」ペカー

せつ菜「それで……ペンネームの方は……?」

しずく「歩夢さんと付き合ったら教えてあげます」

せつ菜「ええ!?」

歩夢「……むぅ」ムスー

しずく「ほら、ほったらかしてたせいか姫巫女様がご機嫌ななめですよ」

せつ菜「私の作品の設定を持ち出さないでください!///」

23: 2022/04/30(土) 20:48:24 ID:aqflOl+C.net
歩夢「……ふーん」

せつ菜「……歩夢さん。どうしたんですか?」

歩夢「どうもしてません」ツーン

しずく「あら、振られちゃいましたか」

せつ菜「ちょっと黙っててください!」

せつ菜「どうもしてないわけないでしょう。明らかに機嫌が悪いですもん」

歩夢「知らないよ」ポムッ

せつ菜「……しずくさん、どうしましょう。歩夢さんを怒らせてしまったかもしれません」ワナワナ

しずく「黙っててって言ったのにですか?」

せつ菜「今はふざけてる場合じゃないでしょう!」

しずく「姫巫女を救うのは聖騎士の役目ですよね」

せつ菜「もう!!」

歩夢「……知らないもん。二人が話してることなんか」

せつ菜「……あ」

25: 2022/04/30(土) 20:52:29.37 ID:aqflOl+C.net
歩夢「私たちの話をしてたはずなのに、せつ菜ちゃんはしずくちゃんと楽しげに話してるし」

せつ菜「それは……」

歩夢「しずくちゃんといる時の方が、話題も合って楽しいんだよね?」

歩夢「私はすぐに機嫌悪くなっちゃうもんね。めんどくさいよね」

歩夢「めんどくさい私なんか……好きじゃないんだよね」

せつ菜「……」

しずく(歩夢さんって……こんなにめんどくさい人でしたっけ?)

せつ菜「たしかに、しずくさんとのお話は楽しいです」

歩夢「……ほら」

せつ菜「それでも一番は歩夢さんです!」

歩夢「……!」

しずく(……そこでストレートに大好きって言えないから進展しないんですよ)

26: 2022/04/30(土) 20:56:53.03 ID:aqflOl+C.net
せつ菜「歩夢さんが思ってるより、私は歩夢さんのこと大切に思ってるんです」

せつ菜「だから……私なんかって言わないでください」

歩夢「……ほんと?」

せつ菜「本当です! 私が歩夢さんに嘘ついたことありますか?」

歩夢「うーん……菜々ちゃんのこと隠してた時、とか?」

せつ菜「それって今の同好会が出来る前のことじゃないですか! あの時はやむをえなかったというか……」

歩夢「ふふっ、冗談だよ。せつ菜ちゃんは私に嘘つけないもんね」

せつ菜「もうっ! 分かってるならからかわないでください!」

歩夢「……せつ菜ちゃん」

歩夢「……これからも、私のこと大切にしてね?」

せつ菜「もちろんです!」

しずく(……うふふ。眼福ですね♡)

28: 2022/04/30(土) 21:00:59.28 ID:aqflOl+C.net
しずく(あんなにめんどくさい歩夢さんは初めて見ましたけど、せつ菜さんの対応は満点でした!)

しずく(いや、ちょっと待ってください……)

しずく(いくらせつ菜さんが歩夢さんのこと大好きだとはいえ、あんなに完璧な返しができるでしょうか……?)

しずく(もしかして、せつ菜さんはああいう歩夢さんに慣れている……?)

しずく(…………あれ? だとすると、歩夢さんがこんなにめんどくさくなったのって、せつ菜さんが大好きって全く言わないからでは!?)

しずく(たしかに、こんなに愛し合ってるのに、付き合うこともなく、大好きとも言われないなんて生頃しも同然です)

しずく(大好きに飢えている歩夢さんなら、無意識のうちにめんどくさいムーブをしてせつ菜さんの気を引きたくなるのもうなずけます)

しずく(そうなると、問題はせつ菜さんなんですが……せつ菜さんも一度言えるようになってしまえば、歩夢さんが満足するぐらいたくさん言えるでしょう)

しずく(やはり、この二人はここでくっつけておく必要がありますね……)

29: 2022/04/30(土) 21:05:14.86 ID:aqflOl+C.net
しずく「さて、お二人とも丸く収まった記念に、キス、しましょう!」

せつ菜「な、何でそうなるんですか! それにしれっとキスに戻さないでください!」

せつ菜「やっぱり今日のしずくさんはおかしいですよ!」

しずく「今日の私は、恋のキューピッド、桜坂しずくですから!」

せつ菜「弓で殴ろうとしてませんか!? 弓は近接武器じゃないですよ!」

歩夢「弓は近距離で戦う事もあるから……」

せつ菜「今はハンティングのゲームの話はしてないです!」

しずく「あ、それも璃奈さんから聞きましたよ。最近、よく二人で通話しながらやってますよね」

歩夢「うん。最近始めたせつ菜ちゃんの素材集めを手伝ってあげてるの」

せつ菜「歩夢さん、とっても上手なんです!」

30: 2022/04/30(土) 21:09:23.63 ID:aqflOl+C.net
しずく「そうなんですね」

しずく「あれ? せつ菜さんはお家が厳しいのにゲームなんかして大丈夫なんですか?」

せつ菜「お友達に勉強を教えるって言ってます」

しずく「なるほど。親に内緒で密談ですか。背徳感も楽しんでいるんですね」

せつ菜「違いますよ! それに、実際に勉強も教えてますから!」

歩夢「うん。カモフラージュにもなるし、せつ菜ちゃんの教え方わかりやすいしで助かってるんだ」

しずく「ふむ、ビデオ通話でよろしくやってるんですね?」

せつ菜「なんですかよろしくって! 何もいかがわしいことなんてしてませんよ!」

しずく「でも、勉強する時間なのにおしゃべりのほうが盛り上がっちゃったり、お母さんに呼ばれるまで長いこと通話してたりするんですよね?」

せつ菜「それは……ありますけど」

31: 2022/04/30(土) 21:13:28.38 ID:aqflOl+C.net
しずく「ビデオ通話中の歩夢さんの顔をスクショしたことは?」

せつ菜「ありませんよ!? それはダメでしょう!?」

しずく「歩夢さんは?」

歩夢「……」

せつ菜「え、え?」

歩夢「部屋着のせつ菜ちゃんがかわいいなって思って、つい……///」

せつ菜「……!?///」

歩夢「い、今すぐ消すね!///」

せつ菜「だ、大丈夫です! 消さなくても!///」

歩夢「ええ!?」

せつ菜「私が許可します。これで問題ないでしょう?」

歩夢「あ……うん。ありがとう///」

しずく「ふふっ、これでまた一歩、カップルに近づきましたね♪」

34: 2022/04/30(土) 21:17:33.22 ID:aqflOl+C.net
せつ菜「いやいや!? これだと恋の独裁者ですよ!!」

歩夢「……恋、してるんだ///」

せつ菜「ふぇっ!/// い、いやあの……!///」

しずく「あの~、私的には公式供給たくさんで嬉しいんですけど、あまりジャブ感覚で軽いイチャつきしないでくださいね。そういうことしかしないから進展しないんですよ」

せつ菜「けしかけたのはしずくさんでしょう!///」

しずく「じゃあもっとイチャイチャするようにディレクションを出せばいいんですね? ほら、手繋いでください」

せつ菜「なっ、どうしてそうなるんですか!?」

歩夢「……」ギュッ

せつ菜「……!?///」

歩夢「一度スイッチが入ったしずくちゃんはもう止められないよ///」

しずく「ふふっ、私のことよく分かってますね。さすが歩夢さんです」

35: 2022/04/30(土) 21:21:38.01 ID:aqflOl+C.net
しずく「物分かりの言い歩夢さんには、そのまま恋人繋ぎでもしてもらいましょうか」

歩夢「……うん///」ニギニギ

せつ菜「……っ!///」

しずく「いいですね~! 最高ですよ~!」

しずく「せつ菜さん、今の気分はどうですか?」

せつ菜「……!///」

しずく「そうですか~! 大好きな歩夢さんと恋人繋ぎ出来て最高ですか~!」

せつ菜「まだ何も言ってないでしょう!!///」

しずく「歩夢さん! 特別サービスでハグもしてあげちゃってください!」

歩夢「……分かったよ///」ギュウウ

せつ菜「うぇっ……!?///」

36: 2022/04/30(土) 21:25:48.61 ID:aqflOl+C.net
しずく「はい! そこでせつ菜さんが大好きを叫んで!!」

せつ菜「ふえぇ……!///」

歩夢「……///」

せつ菜「ぇと……!///」ドキドキ

歩夢「……///」ジーッ

せつ菜「その……!///」ドキドキ

 キーンコーンカーンコーン

せつ菜「!? か、完全下校のチャイムです! 歩夢さん! 帰りましょう!」バッ グイッ

歩夢「え、ちょ、ちょっと!? せつ菜ちゃん!?」

しずく(……行ってしまいました)

しずく(まあ、ここまでやったんです。さすがにあのせつ菜さんでも大丈夫でしょう)

37: 2022/04/30(土) 21:29:56.10 ID:aqflOl+C.net
——

校門前

歩夢「せ、せつ菜ちゃん!」

せつ菜「あっ! すみません! 早く出なければいけないと思って引っ張って来ちゃいました! 痛くないですか!?」

歩夢「だ、大丈夫だよ///」

せつ菜「それならいいんですけど……」

せつ菜「……」

せつ菜「……お、遅くなってはいけないですし、帰りましょうか」

歩夢「待って!」

歩夢「……今日は、せつ菜ちゃんのお家に寄り道させて」

せつ菜「え! も、門限とか、大丈夫なんですか?」

歩夢「大丈夫! 大丈夫……だから!」

せつ菜「わ、分かりました///」

38: 2022/04/30(土) 21:34:17.04 ID:aqflOl+C.net
……

せつ菜「その……手、このままでいいんですか?///」

歩夢「うん。今日は帰るまでカップリング……の気分なの///」

せつ菜「そうですか……」

せつ菜(……しずくさんのおかげで分かりましたが、たぶん、歩夢さんは私と同じ気持ち……なんですよね)

せつ菜(しずくさんは終始ふざけた様子でしたが、私たちをくっつけようとする想いは本物のようでしたし)

せつ菜(歩夢さんも恥ずかしがっているのに、いつになく積極的です)

せつ菜(……私も、勇気を出さなくてはいけませんね)

39: 2022/04/30(土) 21:38:20.37 ID:aqflOl+C.net
せつ菜「……歩夢さん」

歩夢「なあに?」

せつ菜「……帰るまで、じゃなくって、ずっとカップリングではダメでしょうか///」

歩夢「え……!」

せつ菜「……」スゥー

せつ菜「…………私は、歩夢さんのことが、大好きです!」

せつ菜「だから、だから……ずっと一緒にいてほしいんです!!」

せつ菜「だから……もしよろしければ、私と付き合ってください!!」

歩夢「……」

歩夢「……」ポロポロ

せつ菜「……っ! い、いやでしたか!?」

歩夢「ちがうの……」

歩夢「せつ菜ちゃんが大好きって初めて言ってくれたのが、嬉しくて……」

歩夢「…………私も大好き」

 おわり

40: 2022/04/30(土) 21:42:26.91 ID:aqflOl+C.net
お読みいただきありがとうございました。A・ZU・NA回を楽しみましょう。

過去作です。

せつ菜「スカーレットの衝動」

せつ菜(歩夢さんと恋人繋ぎをしてしまいました……!)

せつ菜「歩夢さんとのゆめうつつ」

41: 2022/04/30(土) 21:45:31.38 ID:oEgTb/Kk.net

今回も可愛くてよかった

引用元: しずく「恋のキューピッド、桜坂しずくです!!!」