1: 2012/11/29(木) 00:07:59.27 
このスレはエヴァ新劇場版ループ説を取り入れています

マダオ「ひっく……シンジぃ…」
冬月「碇。例の少年が来たぞ、いい加減泣き止め」
マダオ「冬月……そうは言うがなぁ……」
冬月「ハンカチ代わりのバスタオルも、ぐしゃぐしゃだぞ」


マダオ「シンジぃ……シンジぃ……うおおおん!!!」
冬月「新しいバスタオルを持って来よう」
カヲル「えっ?」



3: 2012/11/29(木) 00:10:44.28 ID:Qh/59qhL0
冬月「すまない。シンジ君の事が絡むと、いつもこうなんだ」
カヲル「はぁ……」
冬月「意地を張らずに、一緒にやり直そうと言えばよいだろうに……」

カヲル「シンジ君と、彼の仲は悪いはずでは?」
冬月「表向きはな」

4: 2012/11/29(木) 00:13:05.31 ID:Qh/59qhL0
冬月「本当に、めんどくさい男だよ。碇は」
マダオ「シンジぃ!シンジぃ!!お父さんは馬鹿野郎だあああ!!!」
カヲル(大人の本気泣きって……予想以上に気持ち悪いな」

冬月「仲良くなりたいくせに……仲を戻したいと思っておるくせに」
冬月「目的を完遂するまでは、シンジに会う資格がないと抜かし折る」
マダオ「うわあああん!!」
カヲル(うるせぇ……)

6: 2012/11/29(木) 00:17:40.43 ID:Qh/59qhL0
カヲル(……しまった。気持ちの悪い泣き声で思考が止まっていたが)

カヲル(これは。この世界は。僕の知っている世界と全く違う)

冬月「いい加減泣き止め、碇。話が全く進まないぞ)
マダオ「うう……ぐすん)
冬月「ほら、例の少年だ。早く話をしてやれ、軽く引いているぞ」

マダオ「うう……よく来たな」
マダオ「単刀直入に言う。君がゼーレに何を任務として与えられているかだが」

マダオ「ぶっちゃけどうでも良い。シンジさえ無事ならマジでどうでもいい」
カヲル「はぁ!?」

7: 2012/11/29(木) 00:20:05.82 ID:Qh/59qhL0
マダオ「私の思いはただ一つ……ユイとシンジと私で…………」
冬月「不味い……ぶり返したな」

マダオ「うわああん!!!」ダッ
冬月「待て!碇!逃げるな!!」
カヲル「…………気持ち悪い」
冬月「行ってしまったか……後気持ち悪いと言う点には同意しておこう」

カヲル「……」
冬月「仕方が無い……私が話そう」

9: 2012/11/29(木) 00:24:24.67 ID:Qh/59qhL0
冬月「渚カヲルよ。君はシンジ君の事をどう思っているのかね?」
カヲル「僕はずっと彼の事を考えていました」
冬月「合格だ……」

カヲル「どういう意味で?」
冬月「君ならば、シンジ君の良い友達になれるという意味だ。それ以上は求めない」
カヲル(何かのブラフか……?)

カヲル「それは多分、碇司令の意思でしょう?貴方の意思は?」
冬月「私はユイ君に。かつての教え子にあえればそれでいい」
冬月「そして、碇とシンジ君と温かい家庭を営んでいるユイ君の顔を」

冬月「それが見られるだけで十分だ……」
カヲル「???」

11: 2012/11/29(木) 00:27:40.44 ID:Qh/59qhL0
マダオ「ぐすん……」
冬月「早かったな、碇」
マダオ「シンジに会った。会ってしまった……露骨に逃げられた。ダッシュで逃げられた」

冬月「仕方がないと思うぞ。割と本気で気持ちが悪いからな」
カヲル(違う……僕の知っている碇ゲンドウは、ここまで露骨にシンジ君の事を口には出さない」

冬月「話の骨子は、シンジ君の良い友達になってくれという話はもうした」
冬月「細かい部分はお前が話せ。その方がいいだろう」
マダオ「……うん」

カヲル(何だこの感覚……気持ちが悪いのに安心する)

12: 2012/11/29(木) 00:32:44.93 ID:Qh/59qhL0

マダオ「ああ……それだけで十分だ……渚カヲルよ」
カヲル「……はい」

マダオ「」バッ!
カヲル「うわっ!?」
マダオ「シンジの!同性の友達になってやってください!!」
冬月「綺麗なジャンピング土下座だ……本当に、シンジ君とユイ君のことになると切れが違うな」


カヲル(これは……まさかこの世界は)
カヲル「……貴方はシンジ君のことは」
マダオ「めっちゃ愛してる!!」

カヲル(やっぱり……今までのどの世界よりも、碇ゲンドウが親としてマトモだ)

14: 2012/11/29(木) 00:36:35.23 ID:Qh/59qhL0
カヲル「同性の友達ならば……トウジ君やケンスケ君が」
マダオ「なんかあの二人やだ!!すっげーいじめっ子っぽい!!」

マダオ「アニメに例えるなら、何かジャイ○ンとスネ○くせーじゃねーか!!」
カヲル「ああ……確かに、っぽいと言えばっぽいですね」

マダオ「マジお願いしますカヲルさん。シンジはあんながさつな性格は似合わないんですよ」
マダオ「もっとね、ピアノとかやるような子のはずなんです」
マダオ「お願いします、本当にお願いしますカヲルさん。靴でも何でも舐めますから」

カヲル「うわ!気持ち悪い!妙に滑らかな動きで足元に擦り寄ってこないで下さい!!」

15: 2012/11/29(木) 00:41:37.48 ID:Qh/59qhL0
カヲル「キモイ!これはマジでキモイ!!」
冬月「口調が崩れているぞ、渚カヲル」

マダオ「」ピタッ
カヲル「あれ……?」
マダオ「キモイ……キモイ……さっきシンジにも言われた」
冬月「地雷を踏んでしまったな……」

マダオ「うわーん!!世界の終わりだぁ!!もう不完全でもいいからサードインパクト起こしてやぶがげはぁ!!!」
冬月「少し寝ていろ、碇。今のお前に必要なのは休息だ」

カヲル「あの……何発も弾丸を打ち込んでいますが……」
冬月「心配ない、電気を帯びた針を打ち出すタイプのスタンガンだ」
冬月「ちゃんと電圧も調整してある」
カヲル「はぁ……」

18: 2012/11/29(木) 00:48:00.75 ID:Qh/59qhL0
冬月「これは軍資金だ。これでシンジ君と遊んできたまえ」
冬月「大丈夫だ。ちゃんと碇の財布から抜いておいた、ネルフの予算ではない

カヲル「と言われて、10万円も渡されてしまったが……」
カヲル「14歳が遊びに使う額では無いね、これは……」

カヲル「せめて千円札にして欲しかったな……中学生が万札を出すのはね……」
カヲル「シンジ君の行動パターンを書いたレポートも貰ったけど」

カヲル「無駄に細かくかいて、それでいて見やすく仕上げている」
カヲル「うん。気持ち悪い」

19: 2012/11/29(木) 00:54:23.88 ID:Qh/59qhL0
カヲル「こんなのをシンジ君にみられたら……引くなんて物じゃないね」

カヲル「でも、シンジ君友達になりたいのは、本意ではあるし」
カヲル「有効活用させてもら……」
シンジ「君、見ない顔だね……」

グシャグシャグシャ!
カヲル(ポケットにボッシュート!!)
ポケット「おう」

シンジ「あ、ごめんなさい……もしかして、それ僕が見ちゃ不味い書類でした?」
シンジ「ミサトさんもたまに、僕が帰ってきたら半狂乱でテーブルのファイル片付ける事あるし」

シンジ「アスカも、軍人らしいから……物凄い大事そうにカバン抱えてることがあるし……」
シンジ「ほんと、ごめんなさい……」
カヲル「」ズキン

20: 2012/11/29(木) 01:01:35.55 ID:Qh/59qhL0
カヲル「いや……こんな往来の激しい道で不用意に見ていた僕の責任の方が大きいよ」
カヲル「それに……その……あれはそう言う物じゃないんだ」

カヲル「俗に言う、黒歴史ノートだよ。自作のね」
シンジ「黒歴史……ノート?」
カヲル「君は、本を読むのは好きかい?」

シンジ「えーっと……人並み程度には読んでいるかな」
カヲル「僕はよく読むね。音楽関係のものが多いけど」

カヲル「文化の結晶だよ。音楽も、本も。心を豊かにさせる」
カヲル「そしていつか、こう思ったんだよ」

カヲル「僕にも、何か作れないかと」
シンジ「あ……じゃあ今の紙は」

カヲル「そうさ。昨日の夜にね、眠れないから。少し筆を走らせたんだ」
カヲル「駄目だね、深夜のテンションは。はっきりした頭で読むと、本当に恥ずかしい」

カヲル「自分でもそう思うんだ……他人にはちょっと見られたくないね」
カヲル「シンジ君、君にもあるだろう?そう言う事」

シンジ「あー……一時間目の授業のノートとか。たまに何かいてるのか分からないかな」
カヲル(よし!乗り切った!!)

21: 2012/11/29(木) 01:06:57.41 ID:Qh/59qhL0
監視カメラ「じー」

司令室
マダオ「……シンジぃ」
冬月「碇。モニターに近寄りすぎるな。目を悪くするぞ」

シンジ「あれ……?ねぇ、何で君は僕の名前を……」
カヲル「ああ、自己紹介が遅れたね」

カヲル「僕は渚カヲル。エヴァのパイロットの1人だ。君の事は事前に知らされていてね」
シンジ「ああ……だから」

カヲル「同じ立場の者どうしだ。仲良くやろうよ」
シンジ「こちらこそ!」
監視カメラ「じー」

司令室
マダオ「シンジぃ!お前の笑顔はユイと同率で世界ナンバーワンだぁぁ!!」
冬月「碇。うるさいぞ」

22: 2012/11/29(木) 01:14:26.08 ID:Qh/59qhL0
カヲル(よし。軌道に乗れそうだ、後は僕の得意な音楽で)

カヲル「ねぇ、シンジ君。この近くに、ピアノを置いてある場所は無いかな」
シンジ「あ……それじゃあ」

シンジ「こっちだよ。精神安定の為だって、ピアノを弾いたり聞く時間もあるから」
カヲル(おっしゃー!!)
監視カメラ「じー」

司令室
マダオ「あ!今こいつうちのシンジでやましい事考えた!ぜってー考えた!!」
冬月「電圧、少し上げるかな……」キリキリ

25: 2012/11/29(木) 01:19:59.93 ID:Qh/59qhL0
ピアノのある部屋
シンジ「どれくらい弾けるの?」
カヲル「個人的に楽しむ程度さ」

シンジ「聴いてもいい?」
カヲル「もちろんさ!」

カヲル(いやっほう!ktkr)
監視カメラ「じー」

司令室
マダオ「シンジぃ!!今助けにいばぎゃべああ!!」
冬月「しまった……針を使い尽くしてしまった」


シンジ「何だろう。やらされたり、聞かされるよりも。こうやって自分で聞いてると、気持ちよくなるな」
カヲル(ktkr! ktkr!)

カヲル「一緒に弾いてみないかい?そうしたら、もっと気持ちよくなれるよ?」
監視カメラ「じー」

司令室
マダオ「駄目だぁ!シンジぃ!!そいつは野獣だ!ぱっくり食われちばびゃああ!!」
冬月「予備を持ってきていてよかった」

27: 2012/11/29(木) 01:27:36.81 ID:Qh/59qhL0
カヲル「上手く弾く必要なんて無いのさ」
カヲル「楽しく弾ければ、心が気持ち良いと思えば。強いて言うならそれが美味い演奏さ」
シンジ「うん、分かった」

ポロンポロンタラン
タリラリラン、タララッタッタタ

カヲル「ああ、そうだよ。その調子だよ」
シンジ「う、うん。何だか楽しくなってきた」


ゼーレ「ゲンドウは?」
冬月「うるさいからスタンガン浴びせ倒した」
ゼーレ「えー……」

28: 2012/11/29(木) 01:32:41.95 ID:Qh/59qhL0
ゲンドウをマダオ表記にしたのは不味かったかな?

~♪
カヲル(……)
マダオ「ユイと、シンジと、私で……」

カヲル(この世界の碇ゲンドウは……シンジ君への愛がはっきり見て取れる)

カヲル(多分、シンジ君への愛はどの碇ゲンドウも抱いているはず)

カヲル「でも、はっきりと見せる事は。僕が知る限り一度も無かった)

カヲル「ねぇ、シンジ君。君のお父さんは、ここの総司令なんだ―
シンジ「」ダァン!

カヲル「……ッ!」
シンジ「あ……ごめん。うん、そうだよ。キモイけどね……さっきも泣いてた。分けが分からない」

29: 2012/11/29(木) 01:37:05.80 ID:Qh/59qhL0
カヲル「ああ……色々あるようだね」
カヲル(駄目だ、キモイに対するフォローが思いつかない)

シンジ「僕の事を捨てたくせに……いきなり僕に執着して来るし」
シンジ「そうかと思えば、物凄く冷たく突き放したりするし」

シンジ「僕さ、あいつのことが全然分からないんだ。分かりたくもないけど」
カヲル(多分泣いてるんだろうなぁ……冷たくした後の彼は)

31: 2012/11/29(木) 01:44:40.48 ID:Qh/59qhL0
マダオ「うわーん!キモイって言われたぁ!!」
冬月「くそ!」バンバンバン!

ゼーレ「あっ……あー、ああ……」
冬月「すいません。条件反射で」

ゼーレ「あー……でも、うん。多分俺も撃ったと思うわ」


カヲル「でも、さっき僕は君のお父さんと会ったのだけど」
カヲル「彼は、確かにキモイけど。泣きながら、僕にシンジ君のいい友達になってくれと頼んできたよ」

シンジ「えっ?」
カヲル「物凄くキモかったけどね。妙に滑らかに這いずり回って、僕の足元によってきた」
シンジ「うわぁ……」

マダオ「キモイ……またキモイって言った……」
冬月「くそ……」スチャ
ゼーレ「おい冬月。モニタの電源切れ。じゃないと無限ループだぞこれ」

32: 2012/11/29(木) 01:47:53.47 ID:Qh/59qhL0
カヲル「素直になれないだけなんだよ。多分ね」
シンジ「……だとしても。もうちょっとやり方という物が」

カヲル(何故だ)
カヲル(僕はシンジ君が幸せになれれば良いだけなのに)

カヲル(何故僕は碇ゲンドウのアシストをしているんだ!!)

シンジ「カヲル君?顔が強張ってるよ」
カヲル「ちょっと思い出しちゃって、色々と」

34: 2012/11/29(木) 02:07:41.26 ID:Qh/59qhL0
カヲル「最後に、シンジ君がお父さんと話したのはいつ?」
シンジ「ここに呼ばれたときかな……さっきのは数に数えたくない」

カヲル「そうか……じゃあもう年単位でまともな会話は無いのだね」
シンジ「……うん」

カヲル「……一緒に司令室に行くかい?多分会えるよ」
シンジ「…………」

カヲル「嫌なら、それで良いんだ。気乗りしない気持ちも分かる」
カヲル「でも、僕は君のお父さんに同情心を抱いているのかもしれない」

シンジ「同情?可哀想って事?」
カヲル「そうさ」

カヲル(同情?かわいそう?何で、一体何でそんな風に僕は考えるんだ!)
シンジ「確かに、かわいそうかもしれないね。主に頭が」

35: 2012/11/29(木) 02:08:27.65 ID:Qh/59qhL0
ゼーレ「あのさぁ……ちょっとシンジ君の写真じゃなくてこっち見てよ」
マダオ「えぐえぐえぐ……」
冬月「一緒に写真をとろうくらい言えんのか……その写真、盗撮だろう」

ゼーレ「うわ、引くわぁ」
マダオ「えぐえぐえぐ……ユイとシンジと私の写真は一枚も無いんだ……せめてシンジの写真ぐらい」

冬月「大体なんでユイ君の写真を全て処分したんだ?」
ゼーレ「んなに泣くなら大事にしまっとけよ」
マダオ「捨ててない」
冬月・ゼーレ「「えっ?」」

マダオ「全部ここのロッカーに押し込んだ」
冬月「初耳だ」
マダオ「ユイの思い出にしがみついては、シンジに申し訳ないと」
ゼーレ「だからって、息子にまで隠すなよ」

36: 2012/11/29(木) 02:10:34.33 ID:Qh/59qhL0
マダオ「えぐえぐえぐ……」
冬月「はぁ……不器用にも程がある」

マダオ「えぐえぐえぐ……」
ゼーレ「顔洗って、今日の晩御飯、一緒に外食しないかって言って来い。指令なこれ」

マダオ「えぐえぐえぐ……」
ゼーレ・冬月「「はぁー……」

38: 2012/11/29(木) 02:15:48.46 ID:Qh/59qhL0
マダオ「えぐえぐえぐ……ユイが戻ってくれば、全部元に戻るはずなんだ」
ゼーレ「戻んないと思う」

マダオ「」
冬月「急所に深く刺さったな。一発で何も言わなくなった」

ゼーレ「だってさぁ。今の状態、シンジ君の好感度0どころかマイナスの値何桁言ってるよ」
ゼーレ「これがラブプラス的なゲームだったらリセット勧めるレベル」
マダオ「」
冬月「碇。息は……よし、しているな」

39: 2012/11/29(木) 02:17:56.64 ID:Qh/59qhL0
ゼーレ「でもさ。現実問題リセットも、最近流行のループも出来ないから」
ゼーレ「息子さん、14歳でしょ?まだ間に合うって」

ゼーレ「だから。今日の晩御飯は息子さんと外食に行きなさい。これ、指令だから」

40: 2012/11/29(木) 02:27:07.42 ID:Qh/59qhL0
カヲル「失礼します」バターン
シンジ「今晩はぁ……
ゼーレ「やべっ!シンジ君いる!電源落とせ!」ブゥン

マダオ「シンジ……」
冬月(しまった!写真っ!?)

冬月「碇。もうこれはいらんだろう。本物がいるんだからな」バッ
マダオ「あ!?」

冬月「では、後は三人で過ごせ!」ダダダ
マダオ「待て!冬……月……」

カヲル(そうか、部屋をでるにはシンジ君の近くを通らなければならない)
冬月(碇がこれを無視できるはずは無い)

41: 2012/11/29(木) 02:31:26.29 ID:Qh/59qhL0
マダオ「………」
シンジ「………」

マダオ「……久しいな」
シンジ「さっき会ったけどね…………」
マダオ「あれ……ノーカンで」
シンジ「僕も忘れたいから……構わないけど」

マダオ「……」
シンジ「……」
カヲル(空気が重い……やっぱり僕が話を回さなければならないのか)

43: 2012/11/29(木) 02:51:37.75 ID:Qh/59qhL0
カヲル「司令。貴方が偉く不器用だと言う事、シンジ君に伝えました」
マダオ「おいちょっと待て」

冬月「ああ、そうだ一つ言い忘れていた。シンジ君、ユイ君の思い出の品ならあるぞ」
シンジ「えっ!?」ダダッ
冬月「そこのロッカーだ。ユイ君の思い出にしがみついていては君に申し訳ないというのが理由らしい」

マダオ「おい!冬月ぃ!?」
ガシャン
シンジ「うわ……本当だ。写真に、日記。あ、これラブレターだ……しかも父さんが書いた奴」
マダオ「それは駄目だ!それだけは駄目だ!!」
カヲル「はいはい、邪魔しないで下さい」
マダオ「げはぁ!」

冬月「おー。見事に足払いが決まったな」

44: 2012/11/29(木) 02:54:58.50 ID:Qh/59qhL0
シンジ「父さん……何で隠してたの?」
マダオ「父さん……か……久しぶりにその響きを聞いたな」
シンジ「答えて、父さん」

マダオ「ユイがいなくなって。かと言って、私はユイの思い出だけに縛られてはいけないと思った」
マダオ「私はお前も、立派に育て上げたかった。そのためには、感傷に浸る時間は少ない方が良いと思った」

シンジ「……僕の気持ちは考えなかったの?母さんの顔も碌に知らない僕の気持ちは」

45: 2012/11/29(木) 03:04:45.75 ID:Qh/59qhL0
カヲル「外にでた方が良いのでしょうか?」
冬月「いや、不意に爆弾が破裂するかもしれん。そうなったら止めれるのは我々二人だけだ」

カヲル「なるほど……できればそうなって欲しくはないですが」
冬月「ああ、上手く行きかけているだけにな」

マダオ「氏人の思いでは、いつか振り切らねばならない。そう思って……」
マダオ「お前には、振り切る為に必要な時間を与えたくなかった……その分を何かに向かう為に」

シンジ「振り切ると、温めて大事にするは違うと思う」
シンジ「僕は母さんの顔も声も知らない」
シンジ「母さんがどんな人だったのか。息子の僕が全く知らないのは、いびつだと思う」

46: 2012/11/29(木) 03:11:23.10 ID:Qh/59qhL0
マダオ「……」
シンジ「何か言ってよ」
マダオ「シンジ……」

冬月「よし!名前を言った!!」
カヲル「そのまま謝るんだ……そうすればわだかまりは」

マダオ「今日の夕食……一緒に寿司でも食いに行かないか」
シンジ「はぁ!?」

冬月「不器用すぎるだろ!!」
カヲル「ああ、もう……」

47: 2012/11/29(木) 03:13:35.23 ID:Qh/59qhL0
シンジ「……どういう意味?」
マダオ「腹が減っては戦は……いや、私とシンジで戦をする必要は無いな」

マダオ「まぁ、原が減っては……まともな思考も出来ないだろう」
シンジ「……分かった。お寿司だね。いいよ」

冬月「おお!」
カヲル「シンジ君の方が歩み寄ったか……良かった」

48: 2012/11/29(木) 03:26:33.57 ID:Qh/59qhL0
マダオ「うむ……そうだ寿司だ。回らない寿司に行くぞ」
シンジ「大丈夫なの?」
マダオ「私の役職ならば、それぐら……それ……ぐら……い」

冬月「不味い」
カヲル「あの10万円抜いたら、いくらぐらいになってるんです?」
冬月「一万あるかないか」

マダオ「回転寿司でいいか?」
シンジ「無かったんだ」プッ

冬月「やっべぇ」
カヲル「どうするんですか……今返せるような状態じゃないですよ」

冬月「待て、碇の顔を見ろ」
マダオ「///」
カヲル「キモイと言われるのは駄目だけど……笑われるのは大丈夫なのか」

49: 2012/11/29(木) 03:29:53.48 ID:Qh/59qhL0
イラッシャイマセ―

マダオ「好きなの食べていいぞ、シンジ」
シンジ「うん」ヒョイヒョイ
マダオ(かっぱ巻きにイカにタコ……明らかに遠慮している)ズーン


カヲル「すいません、うにを下さい」
冬月「板前さん。うにと、大トロを頼む」

マダオ「何で冬月達が来ているのだろう……後羽振りがいいな向こうは」
シンジ(あ、いくら……高いな、やめとこう)

終わり

51: 2012/11/29(木) 03:31:56.91 ID:Qh/59qhL0
やっぱ即興はむずいわ。
やりたかった事はやれたけど、そこに至るまでの過程はもっとやりようがあったと思う

でも楽しかった。次はもっと完成度を上げたい。詠んでくれた人ありがとう

52: 2012/11/29(木) 03:34:23.30 ID:Qh/59qhL0
おまけ

マダオ「カードもあるから、大丈夫だぞ」
シンジ「うん」ヒョイ
マダオ(それでも一番安い赤味のマグロか……)

冬月「車えびと、大トロと、いくらを」
カヲル(あ……ノリできたけど。罪悪感が今頃になって)

37: 2012/11/29(木) 02:12:29.31 ID:M5VfB8nT0
ゼーレ若いな

50: 2012/11/29(木) 03:30:34.89 ID:NNBVtFk20
カヲル君が奢ってあげたらええんや!

53: 2012/11/29(木) 03:44:43.68 ID:ztoR5jiM0
女がいねえじゃねーかやったー

引用元: マダオ「えぐっ……ぐすん……」カヲル「何だ……これは」