1: 2014/03/01(土) 14:21:46.87 ID:eo2XI7tY0
ガラガラ

八幡「うす」

雪ノ下「・・・」

八幡(眼鏡とは珍しいな)

八幡(それと、なんでギョっとした顔してんだ)

八幡(とりあえず座って文庫本でも読むか)

八幡(今朝カバンに入れたよな)ガサゴソ

雪ノ下「あの...間違ってませんか?」

八幡「何が?」

雪ノ下「ここあなたが来る場所じゃないと思うんですけど」

7: 2014/03/01(土) 14:31:18.56
八幡(え?なに?雪ノ下さん、俺の存在まで否定し始めちゃったの?)

八幡「おい、いくらお前が俺を忌み嫌ってたとしても、存在ぐらい認めろよ。泣くぞ」

雪ノ下「い、いえ、そういうことではなく」

雪ノ下「ぶ、部外者が入ってきて貰っては....困るんです」

八幡「お前が俺を排除したい気持ちはよく分かる。だが、一応俺も奉仕部の部員だろ?」

雪ノ下「奉仕部?...なんですか...それ?」

八幡「え?」

八幡(どういうことだってばよ)

8: 2014/03/01(土) 14:37:57.41
八幡(そういえば、さっきからこいつの口調がおかしい)

八幡(なんで敬語?しかも、上目遣いの涙目で見つめてくるし)

八幡(会話も噛み合ってないしな)

八幡「雪ノ下だよな」

雪ノ下「は、はい。私は国際教養科の雪ノ下雪乃です、初めまして」

八幡(初めまして?何の冗談だよ)

雪ノ下「ど、どうしたんですか。そんな驚いた顔して」

八幡「い、いや...」

12: 2014/03/01(土) 14:48:07.21
八幡「いい加減悪ふざけならやめろ、その口調気持ちわるいから」

雪ノ下「えっ」

雪ノ下「・・・」グスン

雪ノ下「...そ、そんなこといわれても」グスングスン

八幡(泣いただと...)

八幡(俺の知って雪ノ下なら「自分の気持ち悪さを棚に上げて、人を評価するなんて、あなた本当に最底辺の人間なのね」とか言いそうなのに)

八幡「いや...ち、違うんだ」

八幡「その、ほら、あれだ」

13: 2014/03/01(土) 14:53:55.47
由比ヶ浜「やっはろー」

由比ヶ浜「いやー廊下寒いねーサブサブ」

由比ヶ浜「って、あれ?」

由比ヶ浜「ヒッキー・・・」

八幡「由比ヶ浜、お前は大きな勘違いをしいる」

由比ヶ浜「・・・」

八幡「ま、待て!」

由比ヶ浜「ヒッキーのバカ!」バンッ

八幡(ふふ、我々の業界ではご褒美です)

15: 2014/03/01(土) 15:00:34.22
八幡「ちょっと落ち着いて俺の話を聞け」

由比ヶ浜「ゆきのん大丈夫?怖かったよね」

由比ヶ浜「もう安心していいからね」

雪ノ下「・・・」グスングスン

八幡「話を聞け、雪ノ下がちょっとおかしいんだ」

由比ヶ浜「おかしいのはヒッキーでしょ」

由比ヶ浜「ゆきのん泣かせるとか、一体何したの!」

八幡「いや、別に何もしてないんだが」

雪ノ下「...気持ち...わるいって...」グスングスン

21: 2014/03/01(土) 15:11:51.49
由比ヶ浜「ヒッキー」

由比ヶ浜「土下座」

由比ヶ浜「謝って!早く!」

八幡(なん...だと...)

八幡「流石にそれは...」

由比ヶ浜「ヒッキーは女の子を泣かせたんだよ」

八幡「...分かった」ドサ

八幡「さっきは酷いことを言ってすまん」

25: 2014/03/01(土) 15:18:03.32
由比ヶ浜「ゆきのん許してくれる?」

雪ノ下「..,はい」グスン

由比ヶ浜「これで仲直りだねー」

由比ヶ浜「はぁーよかったー」

八幡(俺は全然良くないんですが)

雪ノ下「あの...誰か知りませんが、助けてくれてありがとうございます」

由比ヶ浜「え?」

由比ヶ浜「ゆきのん何言ってるの?」

雪ノ下「え、私達初対面です...よね」

由比ヶ浜「あの...ヒッキー?」

八幡「だから言ったろうが」

28: 2014/03/01(土) 15:25:04.61
由比ヶ浜「ど、どいうこと?」

八幡「さぁな」

八幡(どうやら今の雪ノ下は俺たちのことを覚えてないらしい)

八幡(昨日までは、至って普通の毒舌キャラだったのにどうしてこうなった)

由比ヶ浜「結衣だよ、由比ヶ浜結衣。同じ奉仕部の」

雪ノ下「そ、そんなこと言われても...」

雪ノ下「さっきから、奉仕部ってなんですか」

八幡「ちょっと待て雪ノ下、ここはなんだ?」

33: 2014/03/01(土) 15:33:45.30
由比ヶ浜「なんだって、奉仕部だよね。当たり前でしょ」

雪ノ下「あの...ここは文芸部です」

雪ノ下「部員は私一人しかいません」

八幡(さっきから何か噛み合ってないと思っていたら、そういことか)

由比ヶ浜「何言ってるの...ここは奉仕部の部室だよ」

由比ヶ浜「それでゆきのんは部長じゃん」

雪ノ下「すいません、分かりません」

由比ヶ浜「そんな」

八幡「由比ヶ浜、一旦部室出るぞ」

35: 2014/03/01(土) 15:38:05.29
八幡「今の雪ノ下に何を言ってもだめだ」

由比ヶ浜「でも!」

八幡「これ以上雪ノ下を困らせたいのか?」

由比ヶ浜「・・・」

由比ヶ浜「...分かった」

八幡「雪ノ下、突然押しかけて悪かったな」

雪ノ下「いえ」

八幡「じゃあな」

由比ヶ浜「じゃあね、ゆきのん」

雪ノ下「あの...ちょっと待って下さい」

38: 2014/03/01(土) 15:52:14.21
雪ノ下「その...今文芸部の部員足りてないんです」

雪ノ下「...だから、もし興味があったら、これ」

由比ヶ浜「入部届?」

雪ノ下「...はい」

八幡(俺はそのとき確信した)

八幡(悪ふざけでも冗談でもなく、雪ノ下雪乃の記憶から、奉仕部の記憶は消滅してしまっていると)

八幡(そして、以前の雪ノ下がいなくなってしまったと)

八幡「受けとるだけ、受け取っとく」

雪ノ下「ありがとう」ニコッ

八幡(その笑顔は最高に戸塚並に可愛かったが、なぜだか後味の悪い違和感が残った)

おわり

くぅ~疲れw

40: 2014/03/01(土) 15:55:42.74
は?

44: 2014/03/01(土) 15:59:10.72
なんだと

45: 2014/03/01(土) 16:00:15.40
おいこら

47: 2014/03/01(土) 16:02:19.45
外野一杯出て来てワロタ

48: 2014/03/01(土) 16:03:52.79
ファッ!?

ちょwwwwスレ主wwwwwwwまずいってそれはwwwwwww
住人の皆怒っちゃうよwwwwwwwwwwwwww
とりま謝った方がいいってwwwwww

52: 2014/03/01(土) 16:05:21.34
由比ヶ浜「どうしよう」

八幡「とりあえず平塚先生のとこに行くぞ」

八幡「あの人なら何かしってるかもしれん」

由比ヶ浜「どうして?」

八幡「部活顧問だろ、奉仕部の」

由比ヶ浜「そっかーそうだねー」

由比ヶ浜「よーし待っててね、ゆきのん。絶対元に戻してあげるからー」

八幡(無駄にポジティブで助かる)

61: 2014/03/01(土) 16:13:45.87
八幡「失礼します」

由比ヶ浜「失礼しまーす」

八幡「平塚先生、ちょっと話があります」

平塚「比企谷か、ちょうどいいところに来た。進路希望調査の書き直し」

八幡「俺は主夫以外考えていませんが、何か」

平塚「ところで最近私はボクササイズにハマっていてな」

平塚「以前より腕のしまりが良くなっているんだよ」

八幡「すぐ、書き直します」

由比ヶ浜「先生!そんなことより、ゆきのんがおかしいです」

平塚「ゆきのん?雪ノ下のことか?」

63: 2014/03/01(土) 16:21:46.14
八幡「あいつ、別人みたいになってるんですよ」

平塚「別人というと?」

由比ヶ浜「なんか買ってきた犬?みたいな?」

八幡「借りてきた猫だろ」

由比ヶ浜「そうそう、それ!」

平塚「雪ノ下が静かなのは以前からだろ、特に変わってないじゃないか」

八幡「いえ違います、静かさのベクトルが違うというか」

八幡「それに前はもっと口が悪かったです。今のあいつは純粋すぎる」

由比ヶ浜「ヒッキー微妙にひどくない、それ」

67: 2014/03/01(土) 16:30:59.10
八幡「あと、いつからあそこは文芸部になったんですか?」

平塚「いつからって、ずっと前からだよ」

平塚「君達が入学する前からな」

由比ヶ浜「そんな...嘘」

八幡「先生、奉仕部って知ってます?」

平塚「なんだね、それは。聞いたことがないな」

八幡「そうですか、分かりました」

八幡「由比ヶ浜、いくぞ」

由比ヶ浜「...う、うん」

平塚「早めに調査票提出しろよ」

70: 2014/03/01(土) 16:37:13.48
八幡(平塚先生も知らないか...)

由比ヶ浜「ねぇヒッキーどうしよう...」

八幡「お前、葉山とか三浦達に連絡とれるか?」

由比ヶ浜「うん」

八幡「誰か奉仕部のこと、覚えてるやつがいるかもしれない」

由比ヶ浜「そっかー!」

八幡「俺は小町とか材木座に連絡してみるから、そっちは頼む」

由比ヶ浜「うん、分かった!」

プルルルル

由比ヶ浜「もしもし、由美子?実はちょっと聞きたいことが...」

76: 2014/03/01(土) 16:56:35.55
由比ヶ浜「...うん、そっか分かったよ。ありがとねー」

由比ヶ浜「駄目みたい、奉仕部なんて知らないって」

八幡「こっちもだ、それに小町は「雪ノ下」なんて人、聞いたことがないらしい」

由比ヶ浜「こっちも似てる。葉山君以外は、ゆきのんと喋ったことないだって」

八幡(どいうことだ、俺達以外奉仕部に関する記憶、雪ノ下に関する記憶がなくなっている)

由比ヶ浜「・・・」グスングスン

八幡「泣くなよ」

由比ヶ浜「だって、もうどうしたら...」

79: 2014/03/01(土) 17:05:47.05
八幡「とりあえず、今日は俺帰るわ」

由比ヶ浜「でも...」

八幡「しょうがないだろ」

由比ヶ浜「私、校内でもうちょっと友達に聞いてみる」

八幡「そうか」

由比ヶ浜「明日ヒッキーも手伝ってよ!」

八幡「ああ、じゃあな」

由比ヶ浜「じゃあね」

八幡(さてと)

八幡(この異常事態、もう頼れそうな人はあと一人)

八幡(雪ノ下陽乃、あの人なら何か分かるかもしれない)

八幡(あんまり会いたくないんだがなぁ、行くか!)

おわり
次回作にご期待下さい。

引用元: 八幡「そこにいたのは眼鏡をかけた雪ノ下だった」