1: 2015/12/30(水) 18:37:56.831 ID:7d6O7JLwd.net
優花里「ちゃんと満遍なくかけておきましたよー」

沙織「わー気がきくねー、ありがとー!」

みほ「……えっ、ちょっと……、え……」

麻子「……」

華「あら…」

優花里「いやぁ、やっぱりジューシーな唐揚げにはレモンが欠かせませんよねー」

みほ「……いや。……いやいやいや、優花里さん?」

みほ「何で勝手にかけてるの?」

優花里「……へっ?」

2: 2015/12/30(水) 18:41:56.919 ID:7d6O7JLwd.net
沙織「み、みぽりんどうしたの…?」

みほ「どうしたもこうしたもないでしょ」

みほ「え? かけたの優花里さん? レモンを?」

優花里「え、ええ…」

みほ「届いてからすぐ? 誰にも聞かずに?」

優花里「はい……」

みほ「…………はぁ。そっか、かけちゃったんだレモン……」

優花里「わ、私何か悪いことでも……」

みほ「悪いことっていうか……ね?」

3: 2015/12/30(水) 18:49:18.339 ID:7d6O7JLwd.net
みほ「いや、悪いことじゃないんだよ? 優花里さんは皆に唐揚げを美味しく食べて欲しくてやったことなんだよね?」

優花里「はい、それはもちろん……!」

みほ「でもさ、皆が皆、唐揚げをレモンで美味しく食べれるのかな?」

沙織「ど、どういう意味……?」

麻子「唐揚げにレモンをかけて欲しくない人間もいるってことだ」

沙織「えー!? なんでよー、かけた方が美味しいじゃん!」

華「人それぞれって言葉もありますし…」

みほ「私はね、唐揚げは唐揚げ本来の味で、余分な物なしで食べたい派なの」

優花里「う……、ご、ごめんなさい」

4: 2015/12/30(水) 18:59:41.120 ID:7d6O7JLwd.net
みほ「責めてる訳じゃないんだよ?」

みほ「たださ、かける前にせめて一言あっても良かったよね?」

みほ「『唐揚げにレモンかけてもいいですか?』って」

みほ「そしたら、かけない派の人は先に自分の分の唐揚げをとって、かける派は自分の分にレモンをかける……」

みほ「そういう平和的解決ができたよね」

みほ「優花里さん、そこまで頭回らなかった?」

優花里「ごめんなさい……ごめんなさい……」

5: 2015/12/30(水) 19:10:07.135 ID:7d6O7JLwd.net
沙織「ちょ、ちょっとそれくらいにしなよ、みぽりん!」

沙織「もう泣きそうだよ! ゆかりんだって悪気があってした訳じゃないんだから!」

みほ「……あっ! ご、ごめんね優花里さん! 私ちょっとキツくなりすぎた…」

優花里「い、いえ、全面的に私が悪いのでいいんですよ…」

みほ「私、唐揚げレモンのことになると熱くなっちゃって……」

みほ「気にしなくていいんだよ! 次からちょっと気をつけてくれたらありがたいなーって……!」

優花里「はい……」

6: 2015/12/30(水) 19:19:11.677 ID:7d6O7JLwd.net
沙織(ここは場を和ませないと)

沙織「それにしてもちょっとびっくりだねー」

沙織「みぽりんがレモン駄目な子供舌だったなんて! 可愛いなー!」

みほ「……子供?」

沙織「うん、だってすっぱいのが駄目なんでしょー」

みほ「いやいや、ちょっと待って沙織さん」

みほ「子供ってどういうこと? ねえ?」

沙織「え、そ、それはレモン苦手だから…」

8: 2015/12/30(水) 19:29:41.765 ID:7d6O7JLwd.net
みほ「レモン食べれたら大人な訳なの? レモン駄目な人は全員子供ってそんな暴論おかしいよね?」

みほ「私はそもそも唐揚げとレモンの組み合わせが嫌なだけで、それだけでまるでお子様のような扱いにされるなんておかしいと思わない?」

みほ「ていうか人の好みの問題で『子供舌』とか『お子様』という偏見で片付けられるとか嫌なんだけど」

沙織「あ、そ、その……考えが浅かったです……ごめんなさい……」

優花里「に、西住殿さっき以上に言葉にトゲが……」

麻子「触れていけない話題に触れてしまったようだな」

華「怖いですね…」

みほ「……あっ、私ったらまた……ごめんね沙織さん!」

沙織「い、いいの、みぽりんが唐揚げレモンに関しては本当に譲れないものがあるってことが分かったから……」

9: 2015/12/30(水) 19:38:29.320 ID:7d6O7JLwd.net
みほ「ごめんなさい本当に……ちょっと前の学校で色々あったから神経質に……」

優花里「黒森峰で……ですか?」

みほ「うん……、エリカさんっているじゃない?」

麻子「あの副隊長か」

みほ「あの人……とにかく出された料理を自分好みの味付けにする人で……唐揚げもそうだったの」

みほ「本人は100パーセント善意でやってるから指摘することも出来なくて……」

みほ「『こっちの方が美味しいに決まってるじゃないの!』って皆に強要して……」

華「その時のストレスの反動が出てしまうのですね」

みほ「根はいい人なんだけどね……。『レモン駄目なんてお子ちゃまねぇ、そんなんで黒森峰の副隊長が務まるとでも……』とか何とか言われまくっちゃったから……」

優花里「つ、辛いことを思い出させてしまって申し訳ないです!」

沙織「ごめんねみぽりん…」

10: 2015/12/30(水) 19:49:19.513 ID:7d6O7JLwd.net
みほ「もう大丈夫だよ! こちらこそ変な空気にしちゃってごめんなさい!」

店員「焼き鳥詰め合わせお持ちいたしました~」

コトッ

みほ「あっ、次のお料理きたね! もうこんな話は無しにして皆で食べよ!」

優花里「はい!」

華「私、ハツが大好物なんです」

麻子「皮食べたい」

沙織「私レバーかな!」

みほ「ちょっと分けるから待ってね」

優花里「えっ、分けるって……? 西住殿、それは焼き鳥ですよ……?」

みほ「よいしょ、よいしょ」スポスポ

優花里「…………えっ」

11: 2015/12/30(水) 19:58:29.588 ID:7d6O7JLwd.net
みほ「はい、串から全部抜いたよ」

麻子「ありがたい」

優花里「…………」

沙織「うわぁ……これは……」

華「あらあら……」

優花里「……西住殿、何してるんですか」

みほ「え? 何って皆で食べやすいように取り分けて……」

優花里「……正気ですか?」

13: 2015/12/30(水) 20:02:53.937 ID:7d6O7JLwd.net
みほ「へっ?」

優花里「いや、それ焼き鳥じゃないですか、焼き鳥って串に刺さっているものでしょう?」

優花里「それを勝手に抜くってのはどうなんですか。私、焼き鳥は串に刺さった焼き鳥として食べたいんですけど」

みほ「わ、私はただ皆で食べやすいようにって……」

麻子「何が気に入らないんだ秋山さん。これなら皆で一本の串を取り合わなくても好きな物を食べれるじゃないか」

沙織「麻子……本当に言ってるの? 何がマズイことか分からない?」

優花里「……この際、その『食べやすいように』ってのは目をつぶりましょう、でも問題なのは……」

優花里「西住殿が自分の箸を使って串から抜いたことですよ」

みほ「私の……箸?」

15: 2015/12/30(水) 20:07:45.850 ID:7d6O7JLwd.net
優花里「西住殿、今までこの店でその箸を使ってお食事してきましたよね」

みほ「うん、そうだけど……?」

優花里「何度も箸を口に含みましたよね」

みほ「うん、だってお箸なんだもん……」

優花里「箸には西住殿の唾液が付着していますよね」

みほ「……まあ、そういうことになるね」

優花里「……付くじゃないですか、全部の焼き鳥に」

みほ「……え?」

麻子「まさか……そんなことで機嫌悪くしてるのか」

優花里「そんなことじゃないですよ!」

18: 2015/12/30(水) 20:12:35.935 ID:7d6O7JLwd.net
優花里「嫌じゃないですか!? 他人の唾液が付着した食品なんて!」

麻子「何を……、私たちは友達じゃないか、そんなこと気にする仲じゃないだろ」

沙織「友達と言えども嫌なものは嫌でしょ!」

優花里「そうですよ! 皆で食べる食事ですよ! 西住殿のしたことはそれに唾を吐きかけたと同じです!」

みほ「そ、そんな……」

華「私はあまり気にしませんが、気にする人はどうしても気にしてしまうのでは……」

22: 2015/12/30(水) 20:22:53.177 ID:7d6O7JLwd.net
みほ「でも私そんな汚いことをしたつもりは……」

麻子「いや、秋山さんが神経質になりすぎだろう。こんな潔癖症のような……」

優花里「潔癖…………」

優花里「……冷泉殿、今の言葉は流石に我慢できませんよ」

麻子「え?」

優花里「潔癖症というのは必要以上に汚れに神経質になっているヒステリーな人のことでしょう?」

優花里「私のどこが神経質ですか? 至って普通ではありません?」

優花里「私は人の体液のついた食事を食べるのが嫌なんですよ、当然でしょう?」

優花里「それとも、西住殿と冷泉殿は○○○や×××が付着した唐揚げを食べれるんですか!?」

みほ「ちょ、優花里さん、店の中だよ……!」

麻子「い、いやそれとは違うだろ……唾液はそれらとは……」

優花里「同じですよ、体内から分泌されたという意味では!!」

25: 2015/12/30(水) 20:29:02.483 ID:7d6O7JLwd.net
沙織「分かるよゆかりんの言い分! いくらお友達と言ってもね」

優花里「私は友達同士のペットボトルの回し飲みも駄目なんですよ」

優花里「確かに少しはオーバーかもしれませんが、それで潔癖症呼ばわりは嫌ですよ」

麻子「ここは素直に謝った方が良さそうだな……」

みほ「うん……」

みほ「ごめんね、優花里さん……ちゃんと考えてなかったよ…」

優花里「あ……いえ、分かってもらえたなら……」

29: 2015/12/30(水) 20:33:55.391 ID:7d6O7JLwd.net
優花里「昔……遠足のバスの中で隣のクラスメイトが嘔吐してしまったことがあって……」

優花里「そこで、私の水筒を差し出したんですよ。もちろんコップと一緒に……」

優花里「でも、彼女は私の水筒をラッパ飲みしてしまったんです……、嘔吐したすぐ後の口で……」

優花里「それ以来……そういうのにどうも抵抗が……」

麻子「そうだったのか、それは気の毒に……」

みほ「それはトラウマになっちゃうね……」

優花里「皆さんも少し気をつけてくださいね……特に串カツ屋のソース二度漬けなどは……」

30: 2015/12/30(水) 20:38:40.737 ID:7d6O7JLwd.net
麻子「焼き鳥は改めて頼んでこれは私達で食べよう」

沙織「な、何だかさっきからこういう展開多いね…」

みほ「せっかくの宴会なのに……ごめんなさい」

優花里「い、いえ、こういうのは運が悪かったと思うしかないですよ」

華「下手に我慢をするよりも吐き出した方が後々は楽かもしれませんね」

店員「じゃがバターお待たせいたしましたー!」

コトッ

沙織「あっ、じゃがバターちゃん待ってたよ~!」

みほ「ほっくほくで美味しそう!」

優花里「バターがいい具合にとろけてます!」

33: 2015/12/30(水) 20:44:21.738 ID:7d6O7JLwd.net
みほ「それじゃあこのじゃがバターを……ちゃんと誰も使ってない新しいお箸で切り分けて……」

優花里「わざわざありがとうございます、西住殿……」

みほ「ううん、気にしないで、よしっ!」

みほ「はい、皆どうぞ」

全員「いただきまーす!」

沙織「うーん! 待ってました! じゃがバターちゃん!」

沙織「私これが大好物なの! 口の中でとろけるバターとじゃがいものハーモニー!」ア-ン!

沙織「美味しい~~!」クッチャクッチャ

沙織「やっぱり冬はじゃがバターだねー!」クッチャクッチャ

麻子「……」

39: 2015/12/30(水) 20:49:25.781 ID:7d6O7JLwd.net
優花里「はい! 美味であります!」

沙織「もう一生これを食べ続けたい~」クッチャクッチャペチャ

みほ「……」

華「……」

沙織「そうそう、最近占いに凝っててね! 血液型占いから誕生日占いで恋愛の行方が……」クッチャクチャ

麻子「…………沙織」

沙織「なんと私、今年中に彼氏が……え? 何?」クッチャ...

麻子「口を閉じろ」

沙織「……はい?」

44: 2015/12/30(水) 20:57:15.206 ID:7d6O7JLwd.net
沙織「……なんで?」

麻子「なんでもだ」

沙織「口閉じたら食べれないじゃん」

麻子「口を閉じても顎は動くだろ」

沙織「でもそれだと話せないじゃん」

麻子「……食べ終わった合間にしゃべればいいだろ」

沙織「それじゃつまんないでしょ」

沙織「話したい時に自分のリズムで話すのが重要じゃん?」

麻子「……何度も注意してきたが今日こそはっきり言わしてもらおう」

麻子「お前の食べ方は不快だ」

沙織「えっ?」

45: 2015/12/30(水) 21:00:11.712 ID:7d6O7JLwd.net
優花里「どうしたんですか、冷泉殿、急にそんな……」

麻子「秋山さん、分からないのか? 汚いのは嫌だったのでは?」

優花里「汚い? 沙織殿は別に唾を待ち散らしてる訳でもないのに……」

みほ「び、ビジュアルや音には無頓着なんだ……」

沙織「さっきからどういうことなの?」

麻子「あのな、沙織。お前のそのクチャクチャ音立てる食べ方を改めて欲しいんだ」

沙織「えー? クチャクチャ?」

50: 2015/12/30(水) 21:04:54.065 ID:7d6O7JLwd.net
沙織「別にそんな食べ方してないよ」クッチャチャ

華「自覚ないようですね」

麻子「音が出てるんだ実際に。そうやって物を食べたままに話すから」

麻子「口を開けたまま咀嚼すると音がなるんだ」

沙織「えー? でもせっかくの宴会だから話したい訳だし」

沙織「それに私は口の中の風味も楽しんでるんだよ? こうやって空気を入れながら食べると食材の美味しい風味が広がって……」クッチャクッチャ

麻子「だから……」

麻子「さっきも言った通りにそれでお前は楽しいかもしれないが、こちらは信じられないくらい不快なんだ」

沙織「し、信じられないくらい……?」

52: 2015/12/30(水) 21:11:46.412 ID:7d6O7JLwd.net
みほ「沙織さん、よく考えてみて。それと同じ食べ方をしている人が目の前にいるとして……」

みほ「食事中に常にクチャクチャ咀嚼音が響くんだよ?」

沙織「……」

麻子「その上、相手の口は開いてる訳だから噛み砕かれた食事を常に見せつけられるんだ」

沙織「……」

麻子「正直、一緒に食事に行く度に恥ずかしかったんだ。もうやめてほしい」

華「私は自分の食事に集中しているのであまり気にしませんが……、このままでは沙織さんの言う『女子力』とは程遠いのでは……?」

沙織「……」

59: 2015/12/30(水) 21:21:41.271 ID:7d6O7JLwd.net
沙織「ごめんなさい、これから気をつけます……」

麻子「その言葉が聞きたかった」

優花里「あまり考えたことありませんでしたがそういう懸念もありますよね…目から鱗です」

沙織「正直ありえないくらい恥ずかしい……でも今の内に指摘して貰えてよかったかも……」

みほ「そうだね、前向きに考えよっ?」

沙織「うん……私、改めてモテ道目指すよ!」


店員「お待たせしました、ミニあんこう鍋でーす!」

コトッ

みほ「わぁ、あんこう鍋だ!」

華「ミニですけどすごいボリュームですね」

優花里「いただきましょう!」

64: 2015/12/30(水) 21:28:22.403 ID:7d6O7JLwd.net
みほ「美味しい~!」

華「心まで暖まるようです!」

優花里「やはりあんこうは我々大洗女子のスタミナ源ですね」

沙織「うん!(気をつけて食べないと…)」

麻子「もぐもぐ…」

みほ「麻子さんの分のあんこうまだあるよ?」

麻子「すまない、私は食べるのが少し遅くて……。おつゆもぬるくなってしまった」

麻子「よいしょっ、やはりあんこうは熱々でないと」

ジャバー

沙織「…………えっ」

優花里「あっ……」

麻子「これでおつゆも熱々だ」

72: 2015/12/30(水) 21:32:34.674 ID:7d6O7JLwd.net
沙織「ね、ねぇ麻子……今何した?」

麻子「?……何っておつゆをリニューアル……」

沙織「いやだから……厳密に教えて」

麻子「冷えた自分の取り皿のおつゆを鍋に戻してまた補充した訳だが?」

優花里「し、信じられません!!」

麻子「……何が」

優花里「さっきの私の焼き鳥のやり取り見てたでしょう!?」

優花里「なんで自分のつゆを鍋に戻したんですか!?」

76: 2015/12/30(水) 21:38:49.227 ID:7d6O7JLwd.net
沙織「するにしても戻さずに、鍋のおつゆを補充すればいいでしょ!?」

麻子「それだとおつゆの温度が中途半端になるし……、皿から溢れるほどの量になるだろ」

優花里「だからって戻していい理由になりませんよ!!」

みほ「えっ、でも、結局皆鍋で箸を突っついてる訳だしそんなに変わりなくない?」

優花里「わずかに箸で突き合うくらいはまだ頑張って我慢しますよ、でもダイレクトに自分のおつゆを戻すなんて!!」

麻子「雑菌を気にしているのか? 鍋は常に加熱されてるから菌なんて氏滅するぞ」

華「そういう問題ではないのでは……」

79: 2015/12/30(水) 21:46:08.045 ID:7d6O7JLwd.net
麻子「じゃあ何か? 沙織たちは鍋でシメの雑炊を作る時に」

麻子「鍋のつゆがほとんど無くなっている場合、」

麻子「全員の取り皿のつゆを戻して補充したりしないのか」

優花里「ーーーーッ!! き、気絶しそうになりました……」

沙織「お、おぞましいよ……。しかもそれでそのあと雑炊作るんでしょ?」

麻子「当たり前だろ。運が良ければ個人の食べ残しの具も補充されるからな」

優花里「ひ、ひぃーーーーッ!!」

みほ「そ、そんなにおかしいかな……友達でお鍋なら普通に……」

89: 2015/12/30(水) 21:56:36.199 ID:7d6O7JLwd.net
優花里「お願いです……さっきの私の焼き鳥での話を思い出してください……」

沙織「これはさっきの焼き鳥より酷いよ……」

優花里「例えるなら口いっぱいにおつゆと具材を溜め込んで咀嚼した後に鍋に吐き戻すようなものです……」

麻子「そ、そこまで酷いものなのか……?」

みほ「言い過ぎじゃない……?」

優花里「全然ですよ!!」

華「やはりどうしても嫌だと感じる人がいる以上、控えた方がよろしいでしょう。私は美味しければ平気ですけど……」

沙織「は、華ってさっきから全部平気なんだね……強い……」

麻子「なんだ……その、不快にさせたことは謝る、浅はかだった」

沙織「本当に気をつけてよね……」

みほ「麻子さん……今度一緒にお鍋する?」ボソッ

麻子「そうだな……何の懸念もなく食べたいな……」ボソッ

97: 2015/12/30(水) 22:03:24.943 ID:7d6O7JLwd.net
優花里「武部殿……またお食事いきません?」ボソッ

沙織「うん……羽を伸ばして食べたいね」ボソボソ


みほ「なんだか……本当に今日こんなのばっかだね……」

沙織「皆の意外な一面が見れたというか……」

麻子「お互いの地雷を発見できたというか……」

優花里「なんだか食欲なくなってきましたね……」

華「あら、それなら残ったお食事は私がいただきますね」

みほ「結構量あるけど大丈夫?」

華「平気です。あとさっきのゴタゴタの内に注文しといた料理も届くでしょうし」

麻子「ま、まだ食べるのですね」

沙織「華がいてくれて助かったよー」

98: 2015/12/30(水) 22:04:14.770 ID:7d6O7JLwd.net
訂正



優花里「武部殿……またお食事いきません?」ボソッ

沙織「うん……羽を伸ばして食べたいね」ボソボソ


みほ「なんだか……本当に今日こんなのばっかだね……」

沙織「皆の意外な一面が見れたというか……」

麻子「お互いの地雷を発見できたというか……」

優花里「なんだか食欲なくなってきましたね……」

華「あら、それなら残ったお食事は私がいただきますね」

みほ「結構量あるけど大丈夫?」

華「平気です。あとさっきのゴタゴタの内に注文しといた料理も届くでしょうし」

優花里「ま、まだ食べるのですね」

沙織「華がいてくれて助かったよー」

103: 2015/12/30(水) 22:11:14.643 ID:7d6O7JLwd.net
店員「お待たせいたしましたー。枝豆と砂ずりと蛸わさと鉄板カルビとビビンバ、フライドポテトと季節の天ぷらとバニラアイスと……」

ズラララーーッ

みほ「うわっすごい量!」

沙織「相変わらず凄いねぇ」

華「うふふ、どれも美味しそうですね」

店員「あっ、それとすみません、お時間のほうがそろそろ……」

優花里「へっ?」

沙織「あっ! 忘れてた、二時間制なんだったんだ!」

みほ「も、もう20分くいしかないよ……」

麻子「20分でこの量は流石に……」

華「大丈夫ですよ、食してみせます」

華「しかしこの量は久しぶりですね、心が躍ります♫」

108: 2015/12/30(水) 22:19:03.323 ID:7d6O7JLwd.net
優花里「本当に大丈夫なんですか?」

華「普通に食べると間に合いませんが……ここは特殊の食べ合わせで行くしかありませんね」

みほ「食べ合わせ……?」

華「味の合うもの同士を同時に食べて食欲を加速させるのです」

沙織「へー、なるほど!」

華「ではまずは『アイス』と『枝豆』と『キムチ』と『牛レバー』を」

4人「えっ」

華「一つの器に混ぜ合わせて」

ぐっちゃぐっちゃ

華「いただきます♫」

120: 2015/12/30(水) 22:26:06.917 ID:7d6O7JLwd.net
もっぐもぐもぐ……

4人「……」

華「ふー! 美味です!」

華「では続いて、『刺身の盛り合わせ』と『納豆』と『じゃがバター』を『ダイエットコーラ』で流し込んで……あ、マヨネーズの味付けも……」

沙織「す、す、す、ストーップ!! 華ちょっと待ってーー!!」

華「はい?」

優花里「な、な、何なんですかそのおぞましい食べ合わせは!!」

華「何ってこれが一番美味しいのですよ?」

麻子「見てるだけで吐きそうだ……」

みほ「ほ、本当に言ってるのそれ? お、美味しいって……」

123: 2015/12/30(水) 22:32:14.348 ID:7d6O7JLwd.net
華「皆さんも挑戦してみては如何ですか? これこそ美食の真髄ですよ」

麻子「悪食の間違いだろ……」

華「確かに素人の方にはレベルが高いかもしれませんがよく考えてください」

華「食べ合わせや順番に関わらず、胃の中ではごちゃ混ぜになるのですよ? 早いか遅いかの違いです」

みほ「ぜ、絶対違う……絶対ちがうよ……」

沙織「ていうかそんな食べ方初めて見たんだけど……」

華「普段はしませんよ。でも特別な記念日や今日のように大量の食材に囲まれテンションの上がった日にはつい……」

麻子「普段抑えてるのは我々より立派かもしれんがインパクトがダントツだ……」

みほ「同席したら箸が進まなくなるね……」

優花里「店にも変な悪評がつきそう……」

128: 2015/12/30(水) 22:38:19.464 ID:7d6O7JLwd.net
華「ちょっとそれはあんまりではありませんか……? 私は皆さんの悪癖を許してきたというのに……」

みほ「それに関してはごめんなさいというか……」

沙織「いや、許されたからってこっちが許すかどうかは別だよ……」

麻子「沙織のクチャラーも大概だけどな……」

沙織「ちょ、ちょっと蒸し返さないでよ」

優花里「そうですよ、それなら冷泉殿や西住殿の下品な癖だって……!」

麻子「何……!」

みほ「今それ言うの……!? ていうかこんな空気になったのは元々優花里さんが最初にレモンをかけたことから始まった訳で……!」

優花里「諸悪の根源は私だというのですか!?」

華「皆さん4対1で私を責めて卑怯ですよ!」

133: 2015/12/30(水) 22:43:57.420 ID:7d6O7JLwd.net
みほ「麻子さん、行こう! 今日は帰るね!」

麻子「これ、私達の分のお金だ」

沙織「こっちだってお暇させてもらうから! ね、ゆかりん!」

優花里「はい! お釣りは要りませんよ!」

華「どうぞ、お行きください! この極上料理を置いて!」

全員「ふん!!」

スタスタスタ……

華「親しき仲にも礼儀ありですよ! もう……!」モグモグ

店員「お、お客様……」

華「このメニューのこっからここまでお願いします!」

店員「は、はい!」


ーーーーー
ーーー

137: 2015/12/30(水) 22:51:08.115 ID:7d6O7JLwd.net
杏「ねぇねぇ西住ちゃーん? 最近あんこうチーム喧嘩してんの?」

みほ「別に……そんなことないですよ」

杏「えー、なんか空気が気まずい気がするんだよねー」

みほ「気のせいです……」

麻子「だな……行こう」

杏「んんー?」



河嶋「おい、あんこうチームのことだが……」

優花里「チームのことなら西住殿に聞いてください」

沙織「親友の麻子と一緒にいるんじゃないのー?」

河嶋「い、いや貴様らに聞きたい訳で……あ、待て行くな……」



柚子「ねぇ、教えてくれないかな? 何があったのか」

華「何もありません。最初からこうなる運命だったのです」

柚子「と、取りつく島もないです会長……」

141: 2015/12/30(水) 22:55:59.633 ID:7d6O7JLwd.net
ーーーーー
ーーー


柚子「どうやら先週にあんこうチームの皆でお食事に行った時からおかしくなっちゃったみたいです」

河嶋「その食事会での内容は教えてくれませんでしたが」

杏「間違いなく何かあったんだろね、その時に」

河嶋「会長……どうすれば……。あんこうチームが不調では全体にも影響が……」

杏「うーん……ならいっそのこと」

杏「もっかいお食事してもらうしかないねー」

142: 2015/12/30(水) 23:04:25.359 ID:7d6O7JLwd.net
ーーーーー
ーーー


グツグツ

杏「ほーらほら遠慮しないで! 私のあんこう鍋は絶品だからねー!」

みほ「美味しそうです…」

麻子「でも何で急に……しかも私達だけ」

杏「いつも頑張ってる西住ちゃん達に私からの贈り物だよー」

杏「ああーいけなーい!ごめーん! 生徒会の用事があったんだー!」

杏「下準備は出来てるから後は楽しんでねー!じゃー!」

スタター!

みほ「あっ!会長……!」

麻子「行ってしまったな……何だったんだ」



河嶋「会長との約束があるから席を外す。後は好きに食べればいい」

スタター!

優花里「河嶋殿!」

沙織「3人で鍋つつこうと言ったと思ったら帰っちゃうなんて…」



柚子「ごめんね、急に用事が入っちゃって……。早く終われば帰ってくるけど、気にせず食べちゃってね」

スタター!

華「小山先輩……! いいのでしょうか1人でこんなに食べて…?」

145: 2015/12/30(水) 23:07:26.886 ID:7d6O7JLwd.net
杏「よし、準備完了!」

河嶋「うまく行くでしょうか?」

杏「今出来上がっているグループ同士で固めて、まずはどんな具合になってるのか見よう」

柚子「不仲の原因がわかるかもしれませんね」

河嶋「まさか彼女達も壁一枚で隣り合ってるとは夢にも思うまい」

柚子「あっ、それぞれ思い思いに食事を始めました」

杏「しばらく別室モニターで監視だ」

151: 2015/12/30(水) 23:17:55.271 ID:7d6O7JLwd.net

ーーーーー
ーーー



みほ「美味しい~!」

麻子「いいな……やはり他人を気にせずに食べられるというのは」

みほ「うん……! 食事くらい気負わずに過ごしたいもんね」

麻子「全くだ」

みほ「シメは雑炊にする? 麺にする?」

麻子「やはり雑炊かな」



優花里「はい、こちら鍋用の菜箸ですよ」

沙織「ありがと! えーと、はいゆかりん、チュルチュルだよ」

優花里「ちゅ、チュルチュル? マロニーですよ武部殿~」

沙織「えー? チュルチュルって言わない?」クッチャクッチャ

優花里「あっははは! 知らないですー!」



華「次はマシュマロを入れてみましょう……うん、最高です!」

華「いいものですね、1人闇鍋。電気消してないので食材丸見えですけど」

華「おつゆの味付けにフルーツ牛乳もアリですね」

156: 2015/12/30(水) 23:22:35.649 ID:7d6O7JLwd.net
河嶋「数十分見てるがそれぞれ大なり小なり問題を抱えてますね……」

杏「うーん、先週の食事会でお互いの特徴がぶつかり合ったのかもね」

柚子「でも……どうやって解決すればいいんでしょうか」

河嶋「確かに……、それぞれ完全にグループごとに楽しんでいますし、また前みたいに戻るのは……」

杏「いや、そうかな……? そう単純でもないみたいだよー」

柚子「へっ?」

杏「ほらほらモニター見てみ」

163: 2015/12/30(水) 23:40:08.942 ID:7d6O7JLwd.net
みほ「麻子さん、マロニー入れよっか」

麻子「ん? チュルチュルのことか?」

みほ「えー? チュルチュルって言うの? ちょっと面白いね」

麻子「普通じゃないのか? 沙織だってチュルチュルって……、いやいない奴のこと言っても……」

麻子「あ、いやすまん、名前を出して、その……」

みほ「謝ることはないよ全然……」

麻子「そ、そうだな……」

みほ「……」

みほ「私も……ほら、このハンカチ、ずっと持ってたでしょ?」

みほ「優花里さんってこの前みたいな綺麗好きな割に、口元汚れやすくてね」

みほ「よく拭いてあげてるんだけど、今日も癖で……」

麻子「そうか……」

164: 2015/12/30(水) 23:43:26.813 ID:7d6O7JLwd.net
麻子「……いま2人とも思ってることを当てようか?」

みほ「え?」

麻子「私もそうだが……、鍋に入れずに余分に食材置いているのは……」

みほ麻子「「華(五十鈴)さん用に取り置き」」

みほ「ふふっ」

麻子「ははっ」



河嶋「おお……」

柚子「これは……」

杏「私たちの余計な御世話はいらないかもね」

166: 2015/12/30(水) 23:50:39.790 ID:7d6O7JLwd.net
優花里「どうぞ、西住殿……あっ、す、すみません」

沙織「やっぱり……ゆかりんも?」

優花里「へ?」

沙織「見て、私の取り皿、春菊いっぱいでしょ?」

優花里「確かに……好きなのですか春菊?」

沙織「好き、というより麻子は春菊嫌いでね。何となく麻子の為に食べてあげないとって思ってたら……」

沙織「こんなに盛り盛りになっちゃった、ふふ」

優花里「あはは!」

優花里「それでは2人とも補充の食材に手を付けないのはやはり五十鈴殿ようですよね?」

沙織「ご名答! 考えることは同じだね」

優花里「ですねぇ」

168: 2015/12/30(水) 23:53:33.980 ID:7d6O7JLwd.net
華「…………」

華「美味しい……美味しいのですが……」

華「何か足りませんね……味や食材というよりも……」

華「隣にいる人……が」

華「1人で何も気にせず食べるのもいいのですが」

華「他の人の分も考えて食べるいつもの料理のが美味しいのは、やはり……」

170: 2015/12/31(木) 00:00:58.418 ID:yEwTyiYfd.net
みほ「思ったんだけどさ……他人を気づかわずに自分の好きなように食べるのも楽しいけど」

麻子「そういう楽しさってのは独りよがりだよな」


優花里「今まで自分の考えが否定されて怒ったりしてましたが」

沙織「そもそも許そうとしなかったよね私たち」


華「結局自分の思いを押し通しただけ……」


みほ「友達といえども誰かと食べるなら」

麻子「自分以外の誰かのことを思って食べるのが」


優花里「美味しい食事の秘訣ですよね」

沙織「それが出来るなら相手も」


華「自分のことを思ってくれるのだから……」

.

171: 2015/12/31(木) 00:04:44.140 ID:yEwTyiYfd.net
杏「きたね! そろそろだよ、かーしま、小山! 配置!」

小山「はい!」ダッ

河嶋「了解です!!」ダッ

杏「えーっとマイクマイク……」

小山「重そう……大丈夫かな」

河嶋「ちゃんとした壁ではないから持ち上がる」

174: 2015/12/31(木) 00:09:48.173 ID:yEwTyiYfd.net
みほ「皆でまた食べに行きたいね…」

麻子「でもあんなことがあった手前……」


優花里「どうすれば……」

沙織「皆会ってくれる分からないし……」


華「許してくれるかも……」


杏『安心せよー! 諸君らの願いを聞きたもうー!』

5人「!?」


みほ「な、何!?」

麻子「会長…?」


優花里「なんで天井のスピーカーから…」

沙織「ていうか今の…」


華「願いとは……?」

175: 2015/12/31(木) 00:13:31.806 ID:yEwTyiYfd.net
杏『今だ! おーぷんざどあー!!』

河嶋「ふんっ!」

柚子「えいっ!」

ガコーーン!

みほ「壁がっ!?」

麻子「取れた…」

優花里「これ横に長い部屋だったんですね…」

沙織「あ……」

華「み、皆さん……」

河嶋「退散!」スタタ-

柚子「思ったより軽いんだねこの壁」スタタ-

杏「あとはごゆっくり!」スタタ-

177: 2015/12/31(木) 00:20:42.116 ID:yEwTyiYfd.net
みほ「真横にいたなんて…」

優花里「皆さんも鍋を囲んでいるということは…」

麻子「生徒会の計らいか」

華「皆さんもでしたか……」

沙織「…………」

沙織「……あ、あのっ! 皆ちょっと聞いて!」

沙織「私、あれから色々あって、それで……」

沙織「今日、ゆかりんと2人でお鍋つついて……やっと気づいたんだけど……その……」

優花里「待ってください、ここは私から……!」

みほ「い、いやちょっと私も謝りたいことが…」

麻子「それなら私だって……」

179: 2015/12/31(木) 00:26:47.251 ID:yEwTyiYfd.net
華「皆さん、一度落ち着いてください、このままでは収拾がつきません」

華「でも、一つ分かったことがあります……」

4人「へっ?」

華「どうやら…………我々の考えてることは同じようですね」

4人「…………!」

華「ならば、同時にいいませんか?」

みほ「……うん」

麻子「確かにな」

沙織「…そうだね」

優花里「…了解です」

180: 2015/12/31(木) 00:29:53.604 ID:yEwTyiYfd.net
「今までのことはごめんなさい」


「もっと皆のことを考えて、楽しい食事にしたいです」


「だから、もし良ければ」





「これから皆でお鍋を食べませんか……?」




.

185: 2015/12/31(木) 00:38:05.647 ID:yEwTyiYfd.net
ーーーーー
ーーー



優花里「どうぞ、西住殿冷泉殿! こちら唐揚げです!」

みほ「ありがと優花里さん!」

沙織「私たちの分はレモンかけちゃってね」

優花里「了解です!」

みほ「えーと、焼き鳥は人数分お願いします」

店員「かしこまりました!」

華「はむはむ……刺激的では無いですかありのままの味もいいですね」

麻子「つゆは飲み切ってから補充するか」ゴクッ

沙織「おっとっと、気をつけなきゃ……。美人は口元も美人に……っと」モグモグ

189: 2015/12/31(木) 00:45:03.634 ID:yEwTyiYfd.net
みほ「自分たちで言うのも何だけど……私達すごく成長したね」

優花里「はい! やはりあれが転機になりましたね!」

麻子「あれからまだ慣れなくて失敗することもあったが」

沙織「お互いのこと思っていたらそういうことも減ったよね」

華「私たちの友情の賜物ですね」

みほ「友情……何だかこそばゆいけど、素敵だね!」

優花里「こんな楽しいお食事できるなんて幸せです~!」

沙織「もしもまた誰かの悪癖が出ちゃったらどうする?」

麻子「私たちの仲だしまた容赦なく指摘しよう」

華「まあ、私達はもう相手を思いやることを学んだのでそんな懸念はないですけどね」

みほ「そうだね!」




エリカ「あれっ、大洗女子じゃない」ヒョコッ




みほ「……えっ」

192: 2015/12/31(木) 00:52:51.967 ID:yEwTyiYfd.net
エリカ「まさか同じ店だったなんてね」

まほ「奇遇だな」

みほ「エリカさん……お姉ちゃん……」

エリカ「ちょうどいいわ、机引っ付けましょう」

ドガガガガッ

まほ「ま、待てエリカ。まだみほ達にも店にも了承は……」

沙織「わ、私達は大丈夫ですよ」

優花里「え、ええ、多い方が賑やかでいいです」

みほ「……」

エリカ「いい心がけね……ねぇ、あなた!」

華「私ですか……?」

エリカ「そこ上座でしょ。隊長に譲りなさいよ」

華「……えっ」

まほ「い、いいんだ、私は。こっちの席でも……」

エリカ「よくありませんよ、上下関係ってものが……!」

195: 2015/12/31(木) 01:02:09.670 ID:yEwTyiYfd.net
まほ「いいと言っている」

エリカ「……隊長に感謝するのね。あら唐揚げじゃない!」

エリカ「貰うわよ」

レモンプシュー!

みほ「……」

優花里「あぁっ……!」

エリカ「うん、やっぱり唐揚げにはレモンね!」クッチャクッチャクッチャ

沙織「うわ……」

エリカ「こっちはあんこう鍋ね、一口もらうわ」パク-

エリカ「なにこれ味うっすいわね、店員さん塩!」

エリカ「塩味が足りないのよ塩味が」パッパッパ

麻子「……」

華「これは……」

エリカ「ふぅー、このコーラは誰の? まあいいわ」ゴクゴクゴク

エリカ「ぷはーっ!」ゲ-ップ!

199: 2015/12/31(木) 01:09:36.358 ID:yEwTyiYfd.net
みほ「……お姉ちゃん。まだエリカさんのこれ直ってなかったんだね」

まほ「その……すまない。どう指摘してあげればいいのか未だに分からなくて…」

まほ「もうエリカと一緒に食べに行くのは私ぐらいしかいなくて……、なんというか……」

みほ「大丈夫……安心してお姉ちゃん」

まほ「……どういう意味だ?」

みほ「今までの私だったらダメだったかもしれないけど」

みほ「ここにいる私達は一皮むけたあんこうチームだからね」

203: 2015/12/31(木) 01:19:43.141 ID:yEwTyiYfd.net
エリカ「く、歯に引っかかって……」シ-シ-

みほ「あんこうチーム、目標エリカさん! パンツァーフォー!」

4人「はい!」

ガシガシィ!

エリカ「ちょっ、な、なに!? 急に脇を固めて……!?」

優花里「逸見殿! はっきり言ってありえませんよ!! 勝手に唐揚げにレモンかけるなんて!」

エリカ「はあ!? なに言ってんの、唐揚げとレモンは至高の組み合わせで……」

沙織「エリカさん! クチャクチャ音鳴らして食べるなんて汚いし不細工になっちゃいますよ!」

エリカ「え、ちょ…」

麻子「人の物を勝手に飲み食いはどうかと思う」

華「ゲップや爪で歯を掃除するのも優雅とはいえませんね、下品です」

エリカ「ま、待ってよちょっと……」

208: 2015/12/31(木) 01:28:16.028 ID:yEwTyiYfd.net
みほ「エリカさん」ニコッ

エリカ「あ、あんた! なんなのよこいつらは!」

みほ「黒森峰にいる時から思ってましたが、エリカさんとお食事に行くのは氏ぬほど恥ずかしかったです」

エリカ「…………え」

みほ「でも、怒ったりはしません。エリカさんは他人に迷惑かけたくてしてる訳ではないと分かっています。ただ、なにも知らないだけです」

みほ「だからこれから私が一から教えます! その前の私達のように!」

エリカ「な、何を言って……」

みほ「しっかりお互い分かり合いましょう!」

優花里「分かり合いましょう逸見殿!」

沙織「分かり合おうね!」

麻子「分かり合う……? 分かり合う」

華「分かり合い合いです!」

エリカ「め、目が怖いんだけど……よ、寄らないで……」

210: 2015/12/31(木) 01:38:58.691 ID:yEwTyiYfH.net
エリカ「た、隊長助けてください……」

まほ「エリカ……」

まほ「私も……たまには黒森峰の皆で食べに行きたいんだ」

エリカ「え? そ、そうですね、何故か最近一緒に来てくれなく……」

まほ「主にエリカが原因でな」

エリカ「え」

まほ「だから……分かり合えるように祈ってる」

エリカ「ま、待ってください隊長……!」

みほ「こっちですエリカさん、分かり合いましょう!」

優花里「とりあえずどうします?」

沙織「エリカさんがやったのを全部目の前で演じるってのは?」

麻子「なるほど実演か」

華「客観的に見れるわけですね」

みほ「じゃあそれぞれ自分の得意の分野を……」

エリカ「な、なんか怖い……誰か助け……!!」

まほ「みほ……強くなったな……仲間とともに……!」




ひぃーーーー!!



おしまい

213: 2015/12/31(木) 01:42:05.551 ID:yEwTyiYfd.net
おわりー
唐揚げレモンは許せない、他は全部友達にやられた
もう何も記念がないけどとにかく記念

215: 2015/12/31(木) 01:42:55.951 ID:yEwTyiYfd.net
あとエリカさんごめんね
実際の彼女達は皆礼儀正しくて可愛らしい食べ方だよ

222: 2015/12/31(木) 01:55:46.086 ID:CuLbKolT0.net

エリカの汚れキャラにワロタ

223: 2015/12/31(木) 01:57:57.772 ID:IOM5aUCi0.net
おつゆリターンは一番きついな

引用元: 優花里「唐揚げにレモンかけておきました!」みほ「えっ…」