1: 2016/12/24(土) 23:15:17.59 ID:WB5PWTFw.net
前回までのハッピーエンド主義者真姫は

【ラブライブ】真姫「ただのハッピーエンド主義者よ」

真姫「ここが新しい世界ね...今度の物語は人魚姫ね...」

真姫「私は色んな世界を回って自分勝手なことをしている人間なの」

希「エリチの為なら、亜里沙ちゃんの為なら!うちは....怖くない!」

絵里「希....どこに行ってたのよ!!」

希「エリチ....大好きでした、この世界の誰よりも....」

絵里「これは命令よ、私の隣りにずっといなさい、私は貴方とこれからを共に歩んでいきたい」

希「.......はい....」ポロポロ

真姫「全く、本当に面倒な人達なんだから.....」


真姫「さて...次の世界にはどんな貴方達が待ってるのかしらね」

2: 2016/12/24(土) 23:22:28.52 ID:WB5PWTFw.net
真姫「今度は何の世界なのかしら」

真姫「今回はスタート地点がいつもとは違うわね....」

真姫「というかこの服は何?白衣みたいなかんじだけど...いや、これはエプロン?」

真姫「この世界の私はなんなのかしら?多分仕事着よね?これ.....」

真姫「....この格好で外を歩くのは恥ずかしいよね、ちょっと...あと、この世界は暑いわね...夏かしら」



穂乃果「あー!!いたーー!!」

真姫「!?」

4: 2016/12/24(土) 23:28:01.55 ID:WB5PWTFw.net
穂乃果「いないと思ったらこんなところでサボって!」

真姫「.....え?私?」

穂乃果「そうだよ!ほら!お店に戻るよ!!」グイグイ

真姫「ちょ、ちょっと引っ張んないでよー!」



真姫「で.....ここは?」

穂乃果「穗むらだよ!真姫ちゃんのバイト先でしょ!」

真姫「そうよね.....」

真姫(この世界では和菓子屋のバイトなのね私)

6: 2016/12/24(土) 23:37:23.77 ID:WB5PWTFw.net
真姫「あの....ちょっと、いいですか?」

穂乃果「どうしたの?真姫ちゃん?いきなり敬語なんか使って?」

穂乃果「あ!バイト代のアップはしないからね!」

真姫「そうじゃなくて!このお店見た感じ、貴方しかいないけど...他の人達は?」

穂乃果「え」

真姫「な、なんか変な事言った私?」

穂乃果「もしかして...真姫ちゃん記憶喪失?」

真姫「......はぁ」

真姫(説明しないとだめそうね...信じてくれるかしら?)

8: 2016/12/24(土) 23:44:39.15 ID:WB5PWTFw.net
穂乃果「違う世界の人間!?」

真姫「驚き過ぎよ...というか信じてるの?」


穂乃果「ううん、全然」

真姫「じゃあ、さっきの反応はなんだったのよ!」

穂乃果「いや、だって...いきなりそんなこと言われても...」

真姫「....まぁ、そうよね....」

穂乃果「なんかそれを証明できるものがあれば信じられるけど...」

真姫「そんな物はさすがに.......あ、一応あるか」ごそごそ

10: 2016/12/24(土) 23:54:06.74 ID:WB5PWTFw.net
真姫「これ、前の世界での写真なんだけど....」

穂乃果「!?」

真姫「ど、どうしたのよ....」

穂乃果「これ、絵里ちゃんと希ちゃん.....だよね?」

真姫「そうだけど....」


穂乃果「信じるよ」

真姫「え?」

穂乃果「こんないい笑顔の二人....穂乃果は見たことないもん...」

穂乃果「真姫ちゃん...その話、詳しく話してよ」

11: 2016/12/25(日) 00:01:12.98 ID:ZTeT+C08.net
穂乃果「そっか....色んな世界でハッピーエンドを目指してるんだね」

真姫「そうよ、前の世界は人魚姫だったわ...この世界はまだ確認ができてないけど」

穂乃果「うーん、なんとなくだけどわかるかもよ」

真姫「え?」

穂乃果「今日は7月1日だよ」

真姫「......そういうことね....」

穂乃果「そう、だからうちも忙しいんだけどね」

13: 2016/12/25(日) 00:10:57.19 ID:ZTeT+C08.net
真姫「この世界は織姫と彦星の世界ね」

穂乃果「もうすぐ七夕だからね」

真姫「じゃあ、早速、織姫達を探しに行かないと」サッ

穂乃果「だめ」グッ

真姫「ぐえっ...ってなにすんのよ!」

穂乃果「これはこれ、それはそれ、真姫ちゃんは今はこのお店のバイトさんなんだから仕事しないと」

真姫「じゃあ、バイトやめるわ」

穂乃果「拒否します」

真姫「えぇ~.......」

14: 2016/12/25(日) 00:22:16.54 ID:ZTeT+C08.net
真姫「もう夕方になっちゃった.....というか疲れた....」

穂乃果「お疲れ様...はい、お茶だよ」

真姫「もう!私にはやらなくちゃいけないことがあるのに!」

穂乃果「だって、真姫ちゃんはうちのバイトさんじゃん」

真姫「だから辞めるって!」

穂乃果「..........」

真姫「何よ?いきなり黙って」

穂乃果「真姫ちゃんは私のことはどうでもいいの?」

真姫「は?」

15: 2016/12/25(日) 00:31:42.97 ID:ZTeT+C08.net
穂乃果「穂乃果、今!このお店を一人でやってるんだよ!」

真姫「一人?」

穂乃果「うん....ちょっと色々あってね」

真姫「そう..なの?...」

穂乃果「そりゃ...真姫ちゃんには使命があるから仕方ないとは思うけど...穂乃果だって助けてほしいよ...」

真姫「穂乃果........」

穂乃果「ごめんね、真姫ちゃん無理言って...ちょっと最近、疲れちゃってて」

真姫「.........」

16: 2016/12/25(日) 00:39:28.90 ID:ZTeT+C08.net
真姫「手伝うわよ」

穂乃果「え?」

真姫「だから、可能な限りは手伝うから...全く、穂乃果は世話がやけるんだから」

穂乃果「真姫ちゃん......」ぱぁ



雪穂「お姉ちゃん!!配達を全部、私に任せてどっかにいっちゃうなんてひどいよ!!」ガラッ

穂乃果「あ」

真姫「..........」

穂乃果「あははは......」

17: 2016/12/25(日) 00:46:06.55 ID:ZTeT+C08.net
真姫「全く穂乃果に騙されるところだったわ」


穂乃果「騙すなんて人聞きの悪い...忙しくて大変なのは本当だもん!」

雪穂「すいません、今お父さんとお母さんが療養中で.....真姫さんにも無理言って手伝ってもらって本当にすいません」

真姫「いいのよ、気にしなくて」

真姫(療養中?まさか、また重い病気じゃないでしょうね)

雪穂「でも来週には無事退院できるんで、それまでの辛抱です」

真姫(よかった、そんなには重くはなさそうね)

19: 2016/12/25(日) 00:55:56.50 ID:ZTeT+C08.net
真姫「さて、私はそろそろ帰るわ」

穂乃果「え?」

真姫「私、なんか変な事言ったかしら?」

雪穂「...真姫さん....やっぱり、辞めちゃうんですか?」

真姫「え?」


穂乃果「ちょっとこっち来て真姫ちゃん」ぐいぐい

真姫「え?ちょ、だから引っ張らないで!!」

20: 2016/12/25(日) 00:56:39.84 ID:ZTeT+C08.net
真姫「え?私、ここに住み込みで働いてるの!?」

穂乃果「そうだよ、だからここは真姫ちゃん家でもあるの!」

真姫「.....成程」

真姫(寝泊まりできる場所が確保できただけでもラッキーなのかしら?)


穂乃果「2階に真姫ちゃんの部屋があるからそこを使ってね」

真姫「えぇ、わかったわ.....」

穂乃果「もうすぐ夕飯だから....適当になったら下に降りてきてね!」

22: 2016/12/25(日) 01:08:11.14 ID:ZTeT+C08.net
真姫「............」

真姫(前々から思ってたけど...この世界に無理矢理、私という存在を入れるからよくわかんないことになるのよね)

真姫(この世界には私という存在は元々いなかったはずなのに、この世界に着いた途端に私が以前からいることになっている)

真姫(こっちとしてはやりやすいけど....不思議よね)

真姫(考えても仕方ないわね、私はやることをやるだけよ)


真姫「にしても....殺風景な部屋ね....物がなにもない」

真姫「まぁ、元々ここにいた訳じゃないからこんなもんよね...」

23: 2016/12/25(日) 01:19:25.93 ID:ZTeT+C08.net
穂乃果「真姫ちゃーん!!ご飯できたよー」


真姫「穂乃果って...料理できたのね」

穂乃果「失礼な!穂乃果だって料理くらいできるよ!」

雪穂「そりゃ、私も手伝ったからね」

真姫「やっぱりね」

穂乃果「む!穂乃果だって料理できるもん!」


真姫「はいはい、怒らないの」なでなで

穂乃果「もー!子供扱いしないでよ!」

25: 2016/12/25(日) 01:25:11.01 ID:ZTeT+C08.net
真姫「腹ごなしにちょっと散歩してくるわ」


穂乃果「穂乃果もいくー」

雪穂「お姉ちゃんは明日の仕込みの準備」

穂乃果「えー?雪穂やってよ」

雪穂「そう言って昨日もやらなかったよね?今日はやってもらうからね」

穂乃果「そんなぁ......」


真姫「じゃあ、少し出てくるわね」

26: 2016/12/25(日) 01:31:34.30 ID:ZTeT+C08.net
真姫「街は七夕モードね....短冊ねぇ...」

真姫「短冊に全世界がハッピーになりますように書けば叶うかしら....」

真姫「神頼みはだめよね....自分で努力しないと....」

真姫「あ、でも前の世界では神様に結局お世話になってしまったわね」

真姫「......さて、織姫と彦星を探さないと」



ことり「海未ちゃん~♪」ぎゅっ

海未「こ、ことり!人通りが多いところでそんなにくっつかないでください!」

ことり「えぇーだめ~?」

海未「うぅ....だめじゃ....ないです...」


真姫「あぁ、多分あれだわ」

35: 2016/12/25(日) 23:50:49.15 ID:ZTeT+C08.net
海未「それよりことり、服作りの製作は進んでいるのですか?」

ことり「納期に間に合えばー大丈夫、大丈夫ー」

海未「ちゃんと、間に合うならいいんですが....」

ことり「今は海未ちゃんと一緒にいる時間のが一番大事なのです♪」

海未「ことり.......」

真姫「............」


真姫(......なんか見ていてイライラしてきたわ、なんか)

37: 2016/12/26(月) 00:11:40.29 ID:Nwsp4yXQ.net
真姫「..........」ジー


海未「ん?」

ことり「どうしたの?海未ちゃん?」

海未「いえ、あそこの方がずっとこちらを見てる気がしたもので」

ことり「あそこの人?」チラッ


真姫「...........」


ことり「本当だ.....で、誰?あの人?」

海未「さぁ?」

38: 2016/12/26(月) 00:29:42.00 ID:Nwsp4yXQ.net
ことり「....海未ちゃんの知り合いじゃないの?」

海未「いえ....覚えがないですね」

ことり「本当に?」

海未「はい、あれだけ容姿が整ってる方なら覚えているはずです」

ことり「むー....ことりよりも?」

海未「いえ、ことりの方がかわいいですよ」

ことり「海未ちゃん♪」ぱぁっ


真姫(なんかまたいちゃつき始めたんだけど...というか話しかけづらっ!)

40: 2016/12/26(月) 01:05:14.06 ID:Nwsp4yXQ.net
海未「それで私達になんか用ですか?」

真姫「いえ、つい目付いたので...すいません」

海未「目に付いた?」ギロッ

真姫「!........」

真姫(海未怖っ!まぁ、たしかに知らない人からじろじろ見られたらそうなるわね)


真姫「いや、その....華になるカップルがいるなぁって思って...」

真姫「わ、私!写真を撮るのが趣味なのよ」あせあせ

真姫(ちょっと苦しい言い訳かしら.....)

41: 2016/12/26(月) 01:13:21.17 ID:Nwsp4yXQ.net
海未「そ、そうでしょうか?」てれてれ

真姫(....案外、チョロイわね....)


ことり「海未ちゃん、絵になるからね」

海未「いえ、ことりの方が絵になります」

ことり「いや、海未ちゃんの方が」

海未「いえ、ことりの方が」

真姫(......面倒くさっ!)

52: 2016/12/28(水) 00:24:23.92 ID:nWMCThp5.net
真姫「はぁ....疲れた」ガララ


穂乃果「あ、真姫ちゃんお帰りー、お風呂沸いてるよ」

真姫「ありがと、穂乃果」

穂乃果「なんかあったの?」

真姫「....これよ」パサッ

穂乃果「これは....写真?」

真姫「まさか、こんなに撮らされるとはね.....」

53: 2016/12/28(水) 00:35:21.46 ID:nWMCThp5.net
穂乃果「すっごい、たくさん撮ったんだね」

真姫「料金を請求したいくらいよ」

穂乃果「しかも海未ちゃんとことりちゃんだ」

真姫「あ、やっぱり知り合い?」

穂乃果「うん、昔からお友達だよ」

真姫「そう.......」

真姫(三人が幼馴染か....なんか懐かしいわね)

穂乃果「?」

54: 2016/12/28(水) 00:42:29.34 ID:nWMCThp5.net
真姫「今日はもう遅いから、寝るわね」

穂乃果「わかったよ!」

真姫「....いや、わかったなら私の部屋から出ていきなさいよ」

穂乃果「真姫ちゃんは穂乃果を散歩に連れてってくれなかった罰として穂乃果と一緒に寝なくちゃいけないのです」


真姫「....は?」

穂乃果「わぁ!お泊りみたいだね!」

真姫「いや...貴方、自分の家でしょ、ここ」

穂乃果「さぁ!明日も早いから寝るよ!真姫ちゃん!」

真姫「話を聞きなさいよ!」

55: 2016/12/28(水) 00:48:23.04 ID:nWMCThp5.net
ことり「~♪これ、よく撮れてるな~」にこにこ


理事長「ことり?」

ことり「あ!見てお母さん、これ」

理事長「.....よく、撮れてるんじゃない?」

ことり「そうだよね!この海未ちゃんかわいいよね!」

理事長「そうね」

ことり「あの人の撮り方もあるかもしれないけど、モデルが海未ちゃんだからってのもあるよねー」

理事長「.........」

56: 2016/12/28(水) 00:56:01.58 ID:nWMCThp5.net
理事長「それよりことり、お願いしてた服は順調?」

ことり「多分、大丈夫ー」

理事長「多分って.....」

ことり「それより聞いて!お母さん!」

理事長「な、何?」

ことり「今日はね、海未ちゃんがね!」

理事長「........」

理事長(また始まってしまったわ...今日は何時間なのかしら)

57: 2016/12/28(水) 01:15:00.54 ID:nWMCThp5.net
海未「ふぅ.......」

海未「最近、日々の鍛錬をおろそかにしてしまっている気がします」

海未「原因は.....やはり....」チラッ


海未「いえ、自分がまだまだ未熟だからそうなってしまうのです」

海未「しかし.....」チラッ

海未「..........」


海未「やはり、ことりはかわいいですね」

58: 2016/12/28(水) 01:21:29.35 ID:nWMCThp5.net
海未「ふむ、あの方にまた会ったらお礼をしないといけないですね」

海未「それにしても.....」


海未「この写真のことりはかわいいですね....」

海未「しかし、最近私を含めてことりも気がたるんでしまっている気がします」

海未「気を付けないといけませんね....」


海未「ふふふ......」

59: 2016/12/28(水) 01:36:12.44 ID:nWMCThp5.net
真姫「朝ね.....というか起きるの早いのね、朝」

穂乃果「これでもまぁ、和菓子屋だから」

雪穂「それじゃあ、朝の仕込みを始めましょう」



真姫「さて...これからどう転がっていくのかしら」

穂乃果「転がる?」

真姫「気にしなくていいわ、穂乃果にはどうせわからないんだから」

穂乃果「むっ....真姫ちゃん、穂乃果になんか冷たくない?」


真姫「えぇ、穂乃果が寝相が悪くて心も体もすっかり冷えたわ」

穂乃果「おぉ!!なんかうまいね!」

真姫「いや、別にうまくはないから」

雪穂「二人共漫才してないで、仕事してください!」

60: 2016/12/28(水) 01:42:34.42 ID:nWMCThp5.net
真姫「なんで私が配達を.....」

真姫「私、色んな世界で配達することが多くないかしら」

真姫「さて、ここね....」


真姫「道場っていうからもしかしてと思ったけど」

真姫「園田って、海未よね....多分」

真姫「....疲れそう」


真姫「えっと、穂むらですが、お届けにあがりました!」

61: 2016/12/28(水) 01:56:52.93 ID:nWMCThp5.net
海未「はい」ガラッ

真姫(やっぱり、ここは海未の道場みたいね)


海未「あ、昨日の」

真姫「どうも、和菓子をお届けにあがりました」

海未「穂乃果のお店の方だったんですね、どうぞあがってください」

真姫「はい...お邪魔します」

海未「...........」

62: 2016/12/28(水) 02:00:49.19 ID:nWMCThp5.net
海未「やはり、穂むらのほむまんは美味しいですね」もぐもぐ


真姫「...........」もぐもぐ

真姫(なんで私は海未と和菓子を食べてるの?)


海未「あ、お茶をどうぞ」

真姫「あ、ありがとうございます」

海未「.........」そわそわ

真姫「これをいただいたら帰りますね、配達の途中なので」

海未「そ、そうですか....」そわそわ

真姫(海未はなんでこんなにそわそわしてるのかしら?)

68: 2016/12/28(水) 20:10:42.75 ID:nWMCThp5.net
海未「あの.....」

真姫「はい?」

海未「実はお願いがありまして....」

真姫「お願い...ですか?」

海未「この間みたいにまた写真を撮っていただけないでしょうか...」

真姫「.........」

真姫(...私、カメラマンじゃないんだけど.....)

69: 2016/12/28(水) 20:22:16.38 ID:nWMCThp5.net
真姫「私、カメラはただの趣味で...そんなにうまくはないですよ」

海未「いえ、そんなことはないです!」

海未「私自身は写真には詳しくはないですが、今まで見てきた写真の中でこの間の写真がとっても惹かれるものがあったんです」

真姫「..........」

海未「もちろん被写体のことりが素晴らしいというのもありますが」

真姫(さらっとのろけるのね.....)


海未「今度の七夕のお祭りで撮影をお願いしたいんです」

真姫「...お金取っていい?」

海未「....お饅頭食べましたよね?」にこ

真姫「え」

70: 2016/12/28(水) 20:30:08.79 ID:nWMCThp5.net
穂乃果「真姫ちゃん遅ーい!配達に何時間かかってるの!」


真姫「疲れたわ.....」

穂乃果「おーい、真姫ちゃん?」

真姫「七夕の日、仕事休むから」

穂乃果「え?」

真姫「予定というか依頼が入ったのよ」

穂乃果「依頼?」

真姫「饅頭怖い」

71: 2016/12/28(水) 20:41:37.31 ID:nWMCThp5.net
ことり「ごめんなさい!」

理事長「.....だから何度も言ったじゃない、締め切りは大丈夫なの?って」

ことり「期限が今日までだっただなんて....勘違いするなんて....」

理事長「.........」

ことり「どうしよう....」

理事長「はぁ...向こうには私から話しておくから、次は気をつけなさいよ?」

ことり「はい.....」

理事長「..........」

72: 2016/12/28(水) 20:50:34.83 ID:nWMCThp5.net
理事長「はぁ.....」

理事長(ことりの才能は我が子ながら、素晴らしいと思うわ)

理事長(園田さんとの交際もその才能をひろげる為に許しているところもあるのよね....)

理事長(でも、その交際によって現状、仕事の遅れやミスも増えてきているのも事実....)

理事長(このままだと、ことりがだめになってしまう?さすがにそれは、大袈裟かしら?)


理事長「本人達の仲を裂くようだから、この話は断ろうと思ってたけど....」

理事長「海外留学のご案内、今回の件のあるし断りづらいわね....」

73: 2016/12/28(水) 20:56:54.76 ID:nWMCThp5.net
ことり「はぁ.....」

海未「どうしたんですか?ことり」

ことり「ちょっと、仕事でね...」

海未「そうですか....無理はしないでくださいね」

ことり「うん.....」


海未「今度の七夕祭りなんですが、この間の方に写真撮影をお願いをしました」

ことり「この間の人?」

海未「あの赤髪の人ですよ」

ことり「あの人、またいたの?」

海未「どうやら穂乃果の家のバイトさんみたいです」

ことり「へぇ~そうだったんだ」

74: 2016/12/28(水) 21:05:50.77 ID:nWMCThp5.net
海未「ことりの浴衣姿楽しみにしておきますね」

ことり「もう...海未ちゃんってば...」


海未「さて、そろそろ道場に戻らなくては」

ことり「頑張ってね、海未ちゃん」

海未「はい、ことりもお仕事頑張ってくださいね」

ことり「.....うん」

海未「?どうかしましたか?」

ことり「ううん!なんでもない!またね!」

海未「はい?」

75: 2016/12/28(水) 21:17:22.13 ID:nWMCThp5.net
海未「すっかり暗くなってしまいましたね、ことりと一緒にいると時間が過ぎるのが早いです」

海未「幸せな時間はあっという間なんですね」

海未「..........」スタスタ

海未「おや、あれは....」



穂乃果「だからどれー?」

真姫「だからあそこよ、あれ」

穂乃果「えーっと....あれかな?」

真姫「そうよ」

穂乃果「やっと見つけられたよ....」

雪穂「も~、お姉ちゃん見つけるの遅すぎ」

穂乃果「えーだって、わかりづらいんだもん」


海未「...あの3人は河原でなにをしてるんでしょう?」

76: 2016/12/28(水) 21:24:22.36 ID:nWMCThp5.net
真姫「あれがデネブとアルタイルとベガよ」

雪穂「夏の大三角ですよね」

真姫「そうよ、星ではかなり有名な星達ね」

穂乃果「へぇ~」

雪穂「...もしかしてお姉ちゃん知らないの?」

穂乃果「うん、でも綺麗だね!」

雪穂「お姉ちゃん.....」

真姫「ま、穂乃果らしいわね」


海未「どうやら、星を見ているようですね」

77: 2016/12/28(水) 21:31:55.00 ID:nWMCThp5.net
真姫「ちなみにベガと言われている、こと座は七夕で有名な織姫なのよ」

穂乃果「へぇ~じゃあ!彦星様は?」

真姫「彦星はアルタイル、わし座のことよ」

雪穂「お姉ちゃんなんにも知らないんだね.....」

穂乃果「む!じゃあ雪穂は知ってたの?」

雪穂「まぁ、一応は.....」

真姫「じゃあ、雪穂ちゃんベネブは何座かしら?」

雪穂「たしか、はくちょう座ですよね」

真姫「正解よ」

雪穂「ふふ」

穂乃果「むー.....」

78: 2016/12/28(水) 21:37:43.92 ID:nWMCThp5.net
真姫「ちなみにデネブは七夕のお話だと、七夕にカワサギになって天の川に橋を渡してくれたりもするのよね」

真姫「正確に言うと、天の川を渡す橋がとある七夕の時にね、川が増水して渡れなくなってしまったの」

真姫「いつも二人を見ていたデネブはその時にカワサギになって翼を広げて橋を渡してくれたの」

穂乃果「いいお話だね!」

真姫「そうね、だからどんなことがあっても二人は必ず七夕に会えるようになったのよね」



真姫「だから夏の大三角を見ると、本当にデネブが天の川に翼を広げているのがよくわかるわ」

雪穂「ロマンチックですね」

穂乃果「うんうん!」


海未「たしかに....はっ!つい聞き入ってしまいました」

海未「早く帰らないと!」スタスタ

81: 2016/12/29(木) 00:56:28.90 ID:Hw5Apfvo.net
ことり「留学?....海外に?」

理事長「えぇ、強制はしないけど、行けば確実に今より貴方は何段階もレベルアップできるわ」

ことり「でもそんなにいきなり言われても....」

理事長「この間の納期の遅延の件覚えてる?」

ことり「う、うん....」

理事長「その件でね、ことりが今の環境に甘えているんじゃないかって言われちゃってね...」

ことり「........」

理事長「私もそれには言い返せなくてね、とりあえず考えるって形で話は一旦終わったのだけど」

理事長「どうする?」

ことり「.........」

82: 2016/12/29(木) 01:07:58.14 ID:Hw5Apfvo.net
理事長「もちろん断っても大丈夫よ、ただ仕事は減っちゃうかもしれないけど.....」

ことり「え!なんで!?」

理事長「最近の貴方が、納期を守らなかったりギリギリだったり...だらけてるって評判が立っちゃってるのよ」

ことり「そんな......」

理事長「だからこの機会に海外に行って修行をしてきたらって話なのよ、悪い話ではないと思うわ」

ことり「.........」

理事長「これはそのチケットよ、出発は7日予定よ」

理事長「まだ何日かあるから、ゆっくり考えなさい」

ことり「...........」

84: 2016/12/29(木) 01:17:28.88 ID:Hw5Apfvo.net
理事長「さて...明日、園田さんにも一応話はしておこうかしら」

理事長「園田さんには恨みはないけど、これはことりのこれからの将来がかかってる」

理事長「...........」

理事長「親って本当に嫌なものね.....」

85: 2016/12/29(木) 01:20:01.04 ID:Hw5Apfvo.net
ソーリー訂正
>>77

真姫「ちなみにベガと言われている、こと座は七夕で有名な織姫なのよ」

穂乃果「へぇ~じゃあ!彦星様は?」

真姫「彦星はアルタイル、わし座のことよ」

雪穂「お姉ちゃんなんにも知らないんだね.....」

穂乃果「む!じゃあ雪穂は知ってたの?」

雪穂「まぁ、一応は.....」

真姫「じゃあ、雪穂ちゃんデネブは何座かしら?」

雪穂「たしか、はくちょう座ですよね」

真姫「正解よ」

雪穂「ふふ」

穂乃果「むー.....」

86: 2016/12/29(木) 01:25:30.92 ID:Hw5Apfvo.net
理事長「いきなり呼び出してごめんなさいね」

海未「いえ、大丈夫です」

海未「それでお話とはなんでしょうか?」

理事長「実はことりに海外留学の話があがってるのよ」

海未「え!留学ですか!?」

理事長「えぇ、話は聞いてない?」

海未「はい.....」

87: 2016/12/29(木) 01:35:06.02 ID:Hw5Apfvo.net
理事長「単刀直入に言うわ、ことりは貴方と付き合ってから生活がルーズになった」

海未「!?」


理事長「もちろん、それ以上に幸せそうな顔もたくさん見せるようになったわ」

理事長「それにはちゃんと感謝してるのよ?」

海未「はい.....」

理事長「でも、仕事の納期を守らなくなったりするのはいかがなものかと思うのよ」

海未「.........」

理事長「それで業界にことりが納期を守らないって評判も回ってるくらいなのよ」

理事長「だから園田さんに選んでほしいの」

88: 2016/12/29(木) 01:45:20.39 ID:Hw5Apfvo.net
海未「選ぶ?」

理事長「ことりの小さい頃からの夢は世界一のデザイナーになること、でもそれはもう昔の話かもしれない」

理事長「今は貴方と一緒にいることのが一番の夢なのかもしれない」

理事長「だから貴方にも選んでほしいの」

海未「それはことりが決めることで、私が口出しする権利は.....」

理事長「留学の出発は7日、今日を入れて4日後...時間はそんなにもうないわ」

理事長「ことりは優柔不断でね....背中を押してほしいのよ」

海未「...........」

89: 2016/12/29(木) 01:53:26.39 ID:Hw5Apfvo.net
海未「..........」とぼとぼ


海未(浮かれすぎていたんですかね.....たしかにそうかもしれません)

海未(ことりの小さい頃からの夢....)

海未(ことりの夢を犠牲にしてまで、私がことりと一緒にいる意味はあるんでしょうか....)

海未(留学のチャンスは今しかないかもしれません....それにこのまま日本で続けるのは大変かもしれません....)

海未(夢を諦めて私と一緒にいてくださいなんて......)


海未「そんなの言える訳ないじゃないですか......」

90: 2016/12/29(木) 01:57:38.33 ID:Hw5Apfvo.net
穂乃果「むー....なんで曇ってんの!?」

真姫「....一雨降りそうね」

穂乃果「昨日のおさらいをしたかったのに!」

雪穂「七夕には晴れてほしいなぁ....」


真姫「............」

真姫(さて、こっちもそろそろ動きがあるころかしら)

91: 2016/12/29(木) 02:02:12.36 ID:Hw5Apfvo.net
そこまで面白くはないのに時間がかかって申し訳ない
おやすみなさい

95: 2016/12/29(木) 23:57:45.65 ID:Hw5Apfvo.net
ことり「お話って何?海未ちゃん」

海未「.........」

ことり「海未ちゃん?」


海未「留学の話は本当なんですか?」

ことり「え!....なんで海未ちゃんがそれを....」

海未「やっぱり、本当だったんですね....」

ことり「うん....」

海未「そうですか....」

ことり「でもね.....」

海未「行ってください」

ことり「え?」

97: 2016/12/30(金) 00:09:07.17 ID:gKWEHfV9.net
ことり「海未ちゃん?....今なんて....」

海未「ことり、留学すべきです」

ことり「え.....な、なんで?」

海未「何でと言われましても....」


ことり「海未ちゃんは....ことりと一緒にいたくないの....?」

海未「そうは言ってません、ですが、ことりの才能は素晴らしい物です」

海未「それをここでくすぶらせるのはもったいないと思ったんです」

海未「それに永遠の別れでもないんですから、また会えます」


ことり「...海未ちゃんはそれでいいの?.....ことりは...ことりは...」

海未「..........」

98: 2016/12/30(金) 00:24:25.50 ID:gKWEHfV9.net
海未「私はことりの作る服が好きです」

海未「それを全世界の人達に知ってほしいんです」

海未「だから、私には気にせず行ってください...私は日本でことりを応援してますから」

ことり「.............」


海未「頑張ってください!ことり!応援してます!」

ことり「......ばか......」

海未「え?」

ことり「海未ちゃんの馬鹿っ!!!」パシンッ

99: 2016/12/30(金) 00:35:30.94 ID:gKWEHfV9.net
海未「ほっぺが痛いです.....」ひりひり

海未「ですが、これでよかったんです....そうこれで....」

海未「............」

海未「ことり....世界で一番愛してます....」

海未「私はいつまでも待ってますからね」

海未「..........」

100: 2016/12/30(金) 00:49:27.01 ID:gKWEHfV9.net
ことり「海未ちゃんの馬鹿っ!」

ことり「なんで、なんでことりは留学しろなんて言うの?....」

ことり「ことりは海未ちゃんと一緒にいられたらそれだけで幸せなのに....」


ことり「...違う、海未ちゃんは悪くない」

ことり「悪いのは全部ことり....ことりがお仕事をちゃんとしなかったからなのに.....」

ことり「海未ちゃん...ごめんなさい」ぽろぽろ

ことり「そんなだらしないことりじゃ、海未ちゃんとは釣り合わないもんね....」

ことり「うわぁぁぁぁん!!海未ちゃーん!」ポロポロ

101: 2016/12/30(金) 01:01:12.22 ID:gKWEHfV9.net
真姫「はぁ...今日もまた配達....」

真姫「私、ちゃんと仕事してるわねー.....さすが私...」

真姫「って!私の本来の仕事はこれじゃないし!」



真姫「今日も海未のとこに配達なのね....」

真姫「まぁ、対象者を観察できるからよしとしましょう....」

真姫「穂むらですが、お品物をお届けにあがりました!」

102: 2016/12/30(金) 01:11:44.79 ID:gKWEHfV9.net
真姫「........」

海未「.........」

真姫(海未の様子がどこかおかしい?....)


真姫「じゃあ、これ置いて行くわね」

海未「はい.....」

真姫「........」

真姫(心ここに在らずってかんじね.....)

103: 2016/12/30(金) 01:24:44.20 ID:gKWEHfV9.net
真姫「ただいまー、配達から戻ったわ」ガララ

ことり「あ」

真姫「あ」

穂乃果「.........」


穂乃果「ことりちゃん、留学するんだって....だからその前にうちの和菓子を食べておきたいって....」

真姫「そう.....」

ことり「.........」

真姫(そういうことだったのね....)

104: 2016/12/30(金) 01:38:29.27 ID:gKWEHfV9.net
穂乃果「ことりちゃん、元気なかったね」

真姫「そうね....」

穂乃果「海未ちゃん、留学を止めなかったのかな?」

真姫「さぁね?どうかしら」

穂乃果「二人共あんなに幸せそうだったのに....なんで」

真姫「なんでかしらね」


穂乃果「真姫ちゃん興味なさすぎだよ!!冷たいよ!」

真姫「いや、二人が決めたことに私が口出しするのは野暮でしょ」

穂乃果「そうだけど....」

真姫「..........」

105: 2016/12/30(金) 01:58:17.57 ID:gKWEHfV9.net
真姫「.........」スタスタ

穂乃果「あれ?真姫ちゃんどっか行くの?」

真姫「ちょっと夜風に当たってくるわ」

穂乃果「そう、気をつけてね」

真姫「えぇ.....行ってくるわ」

穂乃果「.......」

106: 2016/12/30(金) 02:04:37.41 ID:gKWEHfV9.net
真姫「はぁ、今日も曇りね....こっちは星が見たいのに」

真姫「まぁ、この世界の織姫と彦星も曇り模様....なんてね」

真姫「穂乃果達には面倒はかけたくないからあんな態度をとってしまったけど....まぁ、大丈夫よね...」

真姫「はぁ...........」


真姫「さて、デネブに私はなれるのかしらね....」


穂乃果「なれるよ」

真姫「!?」

穂乃果「やっぱりここにいたんだね」

真姫「......穂乃果」

112: 2016/12/31(土) 00:40:25.58 ID:2RNtDEYJ.net
真姫「つけられてたのね....」

穂乃果「うん、ごめんね?」

真姫「いいわよ、別に...気にしないから」

穂乃果「.........」



穂乃果「ねぇ、真姫ちゃんは穂乃果と会った時に言ってたよね?」

真姫「え?」

穂乃果「色んな世界でハッピーエンドを目指してるって」

真姫「えぇ」

穂乃果「できるよ、真姫ちゃんなら....だって今までそうしてきたんだから」

真姫「........」

113: 2016/12/31(土) 00:49:13.43 ID:2RNtDEYJ.net
穂乃果「穂乃果からもお願いするよ」

真姫「お願い?」

穂乃果「あの二人は穂乃果の幼馴染で大切な二人だから」

真姫「........」

穂乃果「真姫ちゃんお願い!!ハッピーエンドにしてよ!」

真姫「穂乃果......」

穂乃果「真姫ちゃん!!」

真姫「.........」

114: 2016/12/31(土) 00:59:41.66 ID:2RNtDEYJ.net
真姫「私はただのハッピーエンド主義者よ....穂乃果」

穂乃果「..........」


穂乃果「うーん....」

真姫「...何よ」

穂乃果「なんかその主義者ってなんか堅いなーって思って」

真姫「堅いって....別にそんなのどうでもいいでしょ」

穂乃果「よくない!」

真姫「えぇ~.....」

115: 2016/12/31(土) 01:09:45.23 ID:2RNtDEYJ.net
穂乃果「そうだねー....うーん....」

真姫「いや、そこはこだわんなくてもよくない?」

穂乃果「こだわるよ!」

真姫「そう、変なとこにはこだわるのね...」

穂乃果「........!そうだ!」


穂乃果「皆を幸せにするハッピーメーカーなんてどうかな?」

真姫「ハッピーメーカー?」

穂乃果「うん!」

116: 2016/12/31(土) 01:20:35.42 ID:2RNtDEYJ.net
穂乃果「今日から真姫ちゃんは皆を幸せにするハッピーメーカーだよ!」


真姫「...なんか胡散臭くない?私がそんなの名乗ったりしたら」

穂乃果「そんなことないよ!」

真姫「........」

穂乃果「真姫ちゃんがなんと言おうと、これから真姫ちゃんはハッピーメーカーだよ!」

真姫「ふふ...なにそれ...意味わかんない」

穂乃果「あ!真姫ちゃんやっと笑ってくれた!」


真姫「....本当にお節介なんだから、穂乃果は.....」

127: 2017/01/02(月) 00:31:58.52 ID:E7eSq0MF.net
穂乃果「ことりちゃん、本当にいいの?」

ことり「うん....自分を反省すべきいい機会だと思うの」

穂乃果「でも.....」

ことり「ごめんね、穂乃果ちゃん」

穂乃果「ことりちゃん.....」

ことり「明日に出発するの、お祭りに一緒にいけなくてごめんね?」

穂乃果「.............」

128: 2017/01/02(月) 00:42:00.78 ID:E7eSq0MF.net
穂乃果「海未ちゃんは?....海未ちゃんはなんて言ったの?」

ことり「........」


ことり「留学すべきだって....このままだと才能がもったいないって」

穂乃果「そんな.....嘘だよ!」

穂乃果「だって!だって!あんなに二人共幸せそうだったのに!」

穂乃果「きっと、海未ちゃんは嘘をついてんだよ!きっとそうだよ!」


ことり「穂乃果ちゃん!!」

穂乃果「!?」

ことり「ごめんね?これは二人で決めたことだから」

穂乃果「........」

129: 2017/01/02(月) 00:52:19.98 ID:E7eSq0MF.net
真姫「で?帰ってきたと.....」

穂乃果「うん....」

真姫「こっちは面会謝絶よ、ろくに話も聞いてくれないわ」



真姫『和菓子をお届けにあがりましたー』

海未『今日は頼んだ覚えはないんですが』

真姫『例の撮影の件で相談に来たのよ』

海未『............』

真姫『それで何時に出るの?』

海未『帰ってください....』

真姫『え?』

海未『撮影は急用の為、中止です!!』

130: 2017/01/02(月) 01:00:53.00 ID:E7eSq0MF.net
真姫「二人共、素直じゃないというか...めんどくさいわね」

穂乃果「真姫ちゃんがそれを言う?」

真姫「....どういう意味よ」

穂乃果「別に~」

真姫「.......」



真姫「ことりの出発は明日.....時間がもうないわ」

穂乃果「どうしよう、真姫ちゃん....」

真姫「....どうにかするわよ」

真姫「なんたって私は二人のデネブなんだから...それに明日は」

穂乃果「明日は?」


真姫「願いを叶えるにはもってこいの日なんだから」

131: 2017/01/02(月) 01:01:18.11 ID:E7eSq0MF.net
おやすみなさい

135: 2017/01/03(火) 00:23:48.96 ID:RezBfx/S.net
理事長「忘れ物はない?」

ことり「うん、大丈夫」

理事長「....私が言うのもあれだけど、本当にいいの?」

ことり「うん....」

理事長「.........」

ことり「じゃあ、行ってきます」

理事長「行ってらっしゃい、気を付けてね」

ことり「うん」

136: 2017/01/03(火) 00:41:47.38 ID:RezBfx/S.net
海未「..........」ブンブンッ!

海未「ふぅ........」

海未「今頃....ことりは.....」

海未「..........」


真姫「全く、素直になればいいのに」

海未「!?」

真姫「.........」

海未「貴方は....何の用ですか」

137: 2017/01/03(火) 00:51:51.20 ID:RezBfx/S.net
海未「勝手に道場に入ってこないでください」

真姫「ちょっと、用事があってね」

海未「....今日は配達を頼んだ覚えはないですよ」

真姫「今日は和菓子じゃないものを届けにきたのよ」

海未「....はい?」


真姫「貴方に勝手なハッピーエンドを届けにきたのよ」

138: 2017/01/03(火) 01:01:12.48 ID:RezBfx/S.net
海未「ハッピーエンド?貴方は一体何を言ってるんですか?」

真姫「今日は何の日?」

海未「はい?」

真姫「今日は何の日?」

海未「....七夕ですか?」

真姫「そうよ、だから貴方の願い事を叶えてあげようかと思ってね」

海未「.........」


真姫「今日の私は海未とことり....いえ、アルタイルとベガを繋ぐデネブってところかしら」

139: 2017/01/03(火) 01:12:09.99 ID:RezBfx/S.net
海未「私は短冊に願いを書いた覚えはありませんが」

真姫「はぁ....素直になりなさいよ」

真姫「ことりと離れ離れになるのが嫌なんでしょ?辛いんでしょ?」

海未「...そんなことを言った覚えはありません」

真姫「顔にそう書いてあるわよ、穂乃果も心配してるわ」

真姫「だから....」


海未「しつこいですよ!!いい加減にしないとここから無理矢理追い出しますよ!」

真姫「.........」

144: 2017/01/04(水) 00:23:09.49 ID:XaNeiqoo.net
海未「さぁ、早く出て行ってください」

真姫「はいはい、わかりましたよ」スタスタ


真姫「....それにしても、ことりも冷たいわよね」クルッ

海未「....は?」


真姫「だって、よく考えたら恋人より自分の夢を優先したってことでしょ?」

真姫「やっぱり結局人間は他人より自分がかわいいものなのよ、ことりもそうだったのよ」

海未「貴方に.....貴方にことりの何がわかるんですか!!」

145: 2017/01/04(水) 00:31:47.84 ID:XaNeiqoo.net
真姫「だって実際そうでしょ?」

海未「ことりは....ことりはそんな人間じゃないです!」


真姫「ふ~ん....でも貴方を置いて海外に行くのは事実よね?」

海未「それは....それは!私がそう言ったからです!」

真姫「じゃあ...言われたら『はい、わかりました』って簡単に従う自分の意志がない人間なのね」

海未「っ!このっ.......」グッ

真姫「.....何?図星を突かれたら暴力?」

海未「...貴方に、貴方に何がわかるって言うんですか!」

146: 2017/01/04(水) 00:45:43.46 ID:XaNeiqoo.net
海未「私と付き合って、私のせいでことりの未来を....夢を無くしてしまいそうになったんです」

海未「私が浮かれすぎていました....このままだと自分だけではなくことりまで駄目にしてしまう」

海未「だから.....」


真姫「だから海外留学の話を勧めたと....」

海未「これに行けばことりの夢を失わなわずに済むんです....」

真姫「ことりはそれでいいっていったの?」

海未「ビンタされましたよ....思いっきり」

真姫「それって、ことりは貴方と.....だったら....」


海未「私だって....私だって!!本当に一緒にいたいですよ!」

147: 2017/01/04(水) 01:03:10.89 ID:XaNeiqoo.net
真姫「なら、ことりにそう言いなさいよ、思いは声に出さなきゃ、本人言わなきゃ伝わらないわよ」

海未「自分が許せないんです....こんな自分がことりのそばにいるのはふさわしくないんです」

真姫「それは....ことりが決めることなんじゃないの?それはただの独りよがりの考えじゃないの?」

海未「.....そうかもしれませんね」

真姫「今の貴方はただ自分に自信がないだけ、本当に好きなら何があっても隣にいるべきだと思うわ」

真姫「失ってから後悔しても遅いわよ、今ならまだ間に合うかもしれないわ」

真姫「ちゃんとことりに気持ちを伝えてから決めてもいいんじゃないの?」

海未「そうかもしれませんね.....私が馬鹿だったかもしれませんね」


真姫「全く本当に貴方達は素直じゃないんだから.....面倒な人達ね」

真姫「さて...織姫様、ことりを迎えに行くわよ」

148: 2017/01/04(水) 01:07:39.66 ID:XaNeiqoo.net
真姫「空港....タクシーで行くしかないわね」

海未「今、電話で呼びます」


理事長「待ちなさい」


真姫「貴方は.....」

海未「..........」

理事長「どこにいくつもりなの?」

真姫「どこって....空港だけど」

理事長「貴方には聞いてないわ、園田さん、私は貴方に聞いてるのよ」

海未「..........」

149: 2017/01/04(水) 01:19:05.12 ID:XaNeiqoo.net
理事長「今更、ことりを止めようとしてるのかしら?」

海未「止める...そうできたらいいですね」


理事長「勝手ね....たしかに留学の話した私が言えたことじゃないかもしれないけど、貴方にその資格があるのかしら?」

海未「っ.........」

理事長「そんな人をことりの親としてここを通す訳にはいかないわね」

海未「決意したんです....結果がどうなろうと思いを伝えたくなったんです」

海未「お願いします、そこを通してください」

理事長「........」

150: 2017/01/04(水) 01:30:39.68 ID:XaNeiqoo.net
海未「お願いします!!」

真姫「海未......」

理事長「..........」



真姫「....人はね、誰だって間違いを犯すものよ....でもそれに気づいて間違いを正すこともできる!」

真姫「海未だって、独りよがりな思いで間違いを起こした...けどそれに気づいて正そうとしている」

真姫「それが成長ってものなんじゃないの?」


理事長「..........」

真姫「.......」

海未「なんでそこまで私を.....貴方は一体何者なんですか?」


真姫「ただのハッピーメーカーよ」

152: 2017/01/04(水) 01:34:29.64 ID:XaNeiqoo.net
おやすみなさい

160: 2017/01/05(木) 20:26:41.93 ID:w92mh5zq.net
理事長「行きなさい」

海未「え?」

真姫「........」

理事長「ことりが乗る飛行機の出発まで、もうあんまり時間がないわね....」チラッ

海未「え?え?」

真姫「どうやら、お願いは聞き届けられたようね」

理事長「車を出すわ、乗っていきなさい」

真姫「ほら、親御さんの許可も出たんだから行くわよ」

海未「......はい!!」

161: 2017/01/05(木) 20:39:59.96 ID:w92mh5zq.net
ことり「.........」

ことり(今日は七夕だったのに....結局、お願い事もできなかったなぁ...)

ことり(海未ちゃん.....一緒にお祭り行きたかったな)

ことり(他にも海とか山とかたくさん思い出作りしたかったな....)


ことり「そろそろ時間だ.....」スッ

ことり(海未ちゃんと仲直りしたかったな...)

ことり(このまま喧嘩してお別れなんて.....)

ことり「.....嫌だよ」

162: 2017/01/05(木) 20:48:45.92 ID:w92mh5zq.net
ことり(素直に行きたくないって言えばよかった....意地なんか張っちゃって)

ことり(そうすれば、こんなことにはならなかったのかな?)

ことり「海未ちゃん......」



海未「ことり!!」

ことり「え?」

真姫「ちょっと...足、速すぎよ..はぁはぁ....」


ことり「海未...ちゃん?」

海未「........」

164: 2017/01/05(木) 21:05:27.89 ID:w92mh5zq.net
海未「ことり、行かないでください!」

海未「自分勝手だと思いますが、やっぱりことりと離れたくないんです!」

海未「誰がなんと言おうとずっと一緒にいたいんです!!」

海未「だから行かないでください!ことり!!」


ことり「海未ちゃん.........」

真姫「..........」

ことり「私も....もちろんずっと一緒にいたいよ!」

ことり「喧嘩とかもして色々あったけど、私も海未ちゃんとずっと一緒にいたい!」

165: 2017/01/05(木) 21:14:52.84 ID:w92mh5zq.net
海未「...いいんですか?夢より私を選んでしまって」

ことり「夢も大事だけど、今は海未ちゃんといるこの瞬間のが大事だから」

海未「ことり....」

ことり「海未ちゃん.....」


真姫「...とりあえず一件落着ってところかしら」

理事長「そうね」

真姫「いいんですか?留学を直前でキャンセルですよ、また問題になりますよ?」

理事長「娘が選んだ道なら、文句はないわ....それに子供の面倒を見るのは親の役目でしょ?」

真姫「...いい親に恵まれたものね」

理事長「そうかしら?さぁ、帰りましょうか」

真姫「そうですね....」

166: 2017/01/05(木) 21:30:10.12 ID:w92mh5zq.net
穂乃果「はぁ!」パンッ


穂乃果「やったぁ!たくさん獲れたー!」

ことり「穂乃果ちゃんすごい.....」

海未「相変わらずの腕ですね」

穂乃果「えへへ~」

雪穂「お店の人泣いてたよ、お姉ちゃん」

真姫「どんな人にも、なにかしらの才能ってあるものなのね」

穂乃果「むっ!真姫ちゃん、ちょっと失礼じゃない?」

真姫「ふふ....」

167: 2017/01/05(木) 21:55:13.44 ID:w92mh5zq.net
真姫「にしても...皆、浴衣似合ってるわよ」

海未「そうですか?」

穂乃果「真姫ちゃんも着ればよかったのに~」

真姫「私は撮影係だからいいの」パシャ



\ドーン/


穂乃果「あ、花火だ!」

海未「もうそんな時間ですか....」

ことり「ねぇ、いつものとこに行こうよ」

真姫「いつものとこ?」

穂乃果「ふふふー真姫ちゃんきっと驚くよ~」

真姫「?」

168: 2017/01/05(木) 22:00:18.28 ID:w92mh5zq.net
真姫「こんな隠れスポットがあったのね」

穂乃果「うん!昔から皆でここで花火を見てるんだ!」

真姫「そう.....」


ことり「海未ちゃん!花火、綺麗だね」

海未「はい、まぁ...ことりには敵わないですが」

ことり「海未ちゃんったら.....」テレテレ

海未「ふふふ」


真姫「見ていてうざったいけど、あっちも元通りってかんじね」

穂乃果「あはは....」

真姫「........」

真姫(さて、そろそろ次の世界に行かないといけない時間ね)

169: 2017/01/05(木) 22:06:09.68 ID:w92mh5zq.net
ことり「ねぇ、海未ちゃん」

海未「なんですか?」

ことり「ずっと一緒だよ」

海未「.....はい!喜んで!」


穂乃果「あれ?真姫ちゃんは?」キョロキョロ

雪穂「さぁ?お手洗いかな?」


真姫「......」スタスタ

真姫「星が綺麗ね...ちゃんと晴れたわね...」

真姫「アルタイルとベガ...デネブは責務を果たしましたよ....なんてね」

170: 2017/01/05(木) 22:17:15.71 ID:w92mh5zq.net
穂乃果「真姫ちゃん!!」

真姫「穂乃果....どうしたのよ?」

穂乃果「もうお別れなの?」


真姫「.....たまに鋭いのよね、穂乃果は」

穂乃果「やっぱり....」

真姫「私のこの世界でやることは終わった、だからここにいる理由もないわ」

穂乃果「そんな.....行かないでよ!」

真姫「ダメよ、次の世界でもハッピーエンドにしなくちゃいけないのよ」

穂乃果「そうだよね...ごめん、ワガママ言って...」

真姫「....頼んだわよ、二人のこと」

171: 2017/01/05(木) 22:34:15.33 ID:w92mh5zq.net
穂乃果「え?」

真姫「せっかく、私がハッピーエンドにしたんだから...見守ってあげてよね、二人を」

穂乃果「真姫ちゃんって....本当に自分勝手だね」

真姫「そうよ、だから旅を続けるわ」

穂乃果「わかった....穂乃果に任せて!!」

真姫「ありがとう、あとこれを....」スッ

穂乃果「これは.....」

真姫「あのバカップルの写真、頼まれてた分よ」

真姫「じゃあね、穂乃果」

172: 2017/01/05(木) 22:39:20.90 ID:w92mh5zq.net
海未「穂乃果、どこに行ってたんですか?」

穂乃果「ちょっとトイレに」

雪穂「黙っていなくならないでよ、皆が心配するでしょ?」

穂乃果「えへへ、ごめんごめん」


ことり「穂乃果ちゃん、何持ってるの?」

穂乃果「えっと、真姫ちゃんに頼んでた写真だよ」

海未「真姫?....その人は穂乃果の知り合いの人ですか?」


穂乃果「え?」

ことり「ことりも知らない、雪穂ちゃん知ってる?」

雪穂「いえ、私も知らないです」

穂乃果「......そっか.....」

173: 2017/01/05(木) 22:45:36.66 ID:w92mh5zq.net
雪穂「お姉ちゃん~お姉ちゃんは短冊になんて書いたの?」

穂乃果「うん?秘密だよ~」

雪穂「えー珍しい、お姉ちゃんが秘密なんて」

穂乃果「たまにはいいじゃん」


雪穂「で?さっきから何してんの?」

穂乃果「星を見てるの」

雪穂「星?お姉ちゃんが!?」

穂乃果「雪穂、驚きすぎだよ....あれが夏の大三角かな....ね?真姫ちゃん」


短冊『真姫ちゃんがハッピーになりますように』

174: 2017/01/05(木) 22:53:14.46 ID:w92mh5zq.net
真姫「今回もなんとかハッピーエンドにはできたのかしら....」

真姫「穂乃果の記憶が消えないのには驚いたけど....穂乃果なら大丈夫よね?」

真姫「次の世界はどんな世界なのかしらね....それにしてもハッピーメーカーねぇ....」

真姫「やっぱりなんか胡散臭いわね....こんなことを言ったらまた怒られそうね」

真姫「まぁ、とりあえず」



真姫「ハッピーエンドね」

175: 2017/01/05(木) 22:53:58.17 ID:w92mh5zq.net
長々とお付き合いありがとうございました
これでおしまいです

176: 2017/01/05(木) 23:03:50.31 ID:c6whTyZz.net

面白かった

177: 2017/01/05(木) 23:03:57.58 ID:AV1pVVWL.net

引用元: 真姫「ただのハッピーメーカーよ」