1: ◆Vysj.4B9aySt 2018/08/26(日) 11:42:38.70 ID:eeAjl94DO
――児童福祉施設みたいなの

イヴ「みんなー、今日もアイドルのおねーさん達が来ましたよー!」

ワーイ

クラリス「では一緒にお歌を唄いましょうね」

ハーイ

ライラ「それが終わったらご飯でございます。今日はカレーと聞いていますよ」

ワーイ、カレーダー





♪~

ヴォロロロロ

キキー

拓海「おっ、クラリスさん達やってるな」

涼「なぁ、拓海。本当に着いて来てよかったのか?」

夏樹「アタシ達じゃ子ども達を怖がらせたりしない……か?」

里奈「だいじょーぶ!そのタメでもあるぽよ」

涼、夏樹「?」



2: 2018/08/26(日) 11:47:59.89 ID:eeAjl94DO
――調理室

コトコト

拓海「ん……温ったまってきたな」

里奈「味見、味見♪」

涼「ほらっ、あまり取ってくなよ」

里奈「りょーかいっ」ウキウキ

ズズッ

夏樹「どうだ?伊勢海老カレーってヤツは」

里奈「うわ~~」

ジタバタゴロゴロ

拓海「おいおい、そんなにかよ」

里奈「だって、だって~」ジタバタ

涼「ん……どれどれ」ズズッ

夏樹「気になるな」ズズッ





ライラさんが来るまでみんなで悶絶していました

3: 2018/08/26(日) 11:53:27.15 ID:eeAjl94DO
クラリスさんの誕生日ですが、ちょっと暗いお話付きでいきます



カレーのくだりは

【モバマス】ありす「いちごカレーパスタをどうぞ」柚「イチゴ……キライ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1534975887/

より、伊勢海老がまるごと一匹入ったカレーその他になります

というわけで、独自の設定がありますので、よろしくお願いいたします

4: 2018/08/26(日) 12:02:50.37 ID:eeAjl94DO
――お昼

クラリス「では手を合わせて食材とそれを手掛けた人に感謝を」

イヴ「では」

イタダキマース

カチャカチャ

ライラ「うわー」

ジタバタ

クラリス「おやおや、ライラさんまであまりのおいしさに悶絶しましたか」

イヴ「ドバイではシーフードはなかったわけじゃないですよね?」

アーッ、ワタシノエビー

ヘヘーン、オレノモノダー

クラリス「こらこら、いけませんよ。ちゃんと返してあげなさい」

フーンダ、ワルイコダカライウコトハ

ガシッ

拓海(ライブ衣装)「悪い子がどうしたって?」ゴゴゴ

涼(パンクスタイル)「そうだな。本当に悪いってことを教えないとな」ゴゴゴ

里奈(ギャルモード)「地獄と冥界、どっちがいいぽよ?」ゴゴゴ



……

ウワーン、ゴメンナサーイ

夏樹(ヘビメタスタイル)「なぁ、ちょっとやり過ぎたか?」

ライラ「子どもを怖がらせた罪は、ライラさんたちが受けますので」

クラリス「そのままでお願いします」

夏樹「あ、あぁ……」

5: 2018/08/26(日) 12:08:41.50 ID:eeAjl94DO
ゴチソーサマデシター

ジャアオネエチャンタチアリガトーゴザイマシター



涼「……いつもああいうのをやってるんか?」

クラリス「そうですね……月に4回ぐらいは」

拓海「かーっ、週一かよ。さらに教会やボランティアに、アイドルのレッスンもあんのによ」

里奈「マジ、スゴイぽよ」

イヴ「それでもPさんの……」

スッ

クラリス「しーっ。それはP様との……」

イヴ「あ、そうでしたね。ごめんなさい」

夏樹「P?あぁ、モバPさんか。あの殺人的スケジュールをこなすのはたしかにな」

拓海「ひょっとして衣装がいつもあんなんなのは、欲求不満か何かか?」

チガイネー

ワハハー



ライラ「……」

6: 2018/08/26(日) 12:27:20.86 ID:eeAjl94DO
――数日後

モバP(以下P)「それじゃあ、今日のライブは頼んだぞ!」

オー

P「それと、ちょっとヤボ用で少し遅れて合流するから、それぞれのPの指示にしたがって進めてくれ」

夏樹「なんだよPさんは重役出勤かよ」

P「そんなとこだ。総火演が行けなかったぐらいなんだ、勘弁してくれよ」スマン

亜季「あれは残念でありますな」シューン

P「あぁ、74式と20りゅうがいなくなって」

亜季「その代わりに16MCVと」

ちひろ「プロデューサーさん?」

P「おっと……あとクラリスさんは今日が誕生日だから、残れるヤツは残れって誕生会に参加してやってくれ」

オメデトー

クラリス「ありがとうございます。これもすべては神の御加護です」

P「それじゃあ……」

カタッ

「おっと忘れるところだった」

つ【荷物】



涼(タバコ?)

(それと洋酒……ワインとかじゃないバーボンか?)

拓海(アイツはいったいどこへ……)

7: 2018/08/26(日) 12:54:23.40 ID:eeAjl94DO
ガヤガヤ

涼「ちょっと気にならないか?」

夏樹「Pさんの秘密か!」

拓海「面白そうだな、ウチラは出番は後だし着いてくか」

里奈「マジマジ?やめたほーがいいぽよ」

亜季「そうでありますよ。個人の」



クラリス「……P様のすべてを知る覚悟。それは並大抵のものではありませんよ」

ライラ「ライラさんは……なるべくなら知らない方がいいと思うのです」

イヴ「人の過去ですからね……」

四人「……」

8: 2018/08/26(日) 13:00:20.45 ID:eeAjl94DO
バタン

P「そんなに知りたいなら、教えないわけにもいかんがな」

みんな「P(さん、様)!?」



P「俺がクラリスさんをアイドルの道へ誘ったのは、いわえる聖歌隊のそれを見かけたからってのは知ってるな」

拓海「あ、あぁ」

夏樹「そこでクラリスさんの唄を……待てよ」

涼「つまり、本来Pさんは教会に……何か用事があったのか?」

P「……御名答。教会に用事といえば大抵は贖罪や寄付の話だ。だが、他にもある」

里奈「え、えっと……」

クラリス「……もう一つは」

9: 2018/08/26(日) 13:03:33.57 ID:eeAjl94DO
――クラリスさんの教会裏



ライラ「ここは……何度来ても……雰囲気が違うでございます」

イヴ「日本には珍しい土葬式ですからね」

涼「ここは……」





P「そう、墓地さ」



「そして俺は……」

コツコツ

「これに用事があってな」

11: 2018/08/26(日) 18:04:06.92 ID:eeAjl94DO
拓海「……すまん。興味本位で」

P「気にするな。ちなみに、これは俺の親父の墓だ」

「ちなみにガルフウォー、つまり湾岸戦争で戦氏してる」

里奈「え?でもPって、日本人じゃん」

涼「どうして海外墓地に?」



P「きっちり言うと……お前達、アメリカに占領中の沖縄でいろいろ起こった問題って知ってるか?」

拓海「あちゃー、歴史なんてわからんぜ」

涼「んー、たしか米軍に暴行されて子供ができるとかか?」

P「少し近いな。答だけ言えば、俺の曾祖父は法律上はアメリカ人。血縁上は日本人だ」

夏樹「……どういうことだ?」



P「俺の祖父は戦争中に父親……俺からすれば曾祖父を失った。で、戦後に祖父の母親はアメリカ人と結婚。そのまま自動的に国籍はアメリカ人になったわけだ」

「で、当時徴兵制度があったわけで、そのままアメリカ軍に入り本土に移住しちまったわけだ」

拓海「ふ、複雑だな……」

里奈「めんどくさいぽよ」

12: 2018/08/26(日) 18:14:01.25 ID:eeAjl94DO
P「で、俺は親父の戦氏……当時在日米軍だったもんで、こっちにいたのを機会に俺は日本に国籍を変更したのさ」

亜季「そうでありましたか……道理でそちらの知識が抱負と」

P「……まぁそれはそれだ。今ではお前達のプロデュースをさせてもらって充実した毎日を送っているからな」

拓海「本当にすまない。とりあえず線香の一つでも」

夏樹「おいおい、いくらPが日本人でも」

涼「親父さんはアメリカ軍の人だぜ。線香が通じるか……」

P「ははっ、親父はな」

キュッ

トクトクトク

「バーボンが好きだったらしいんでな。で、少し残して……」クイッ

「父子の酒盛りってわけだ」

クラリス「皆様……そろそろ」

涼「あ、あぁ……本当にすまなかったな」

里奈「お父さんとゆっくりしているぽよ」

亜季「とりあえず会場でお待ちしておりますね」

ライラ「ライラさんも一緒にいくのですよ」

イヴ「あ、なら私も~」



P「おう、気をつけていけよ。酒が抜けたらすぐにタクシー拾って追い掛けるからな!」

13: 2018/08/26(日) 18:22:37.96 ID:eeAjl94DO
バタバタ



クラリス「……皆様、行かれました」

P「ん……」

シュボッ

「ふぅー……あいつらの前で煙草を吸うわけにはいかんからな」

クラリス「私はいいのですか?」

P「あぁ。クラリスも、もういいんだぞ。俺の近くにいると煙草の匂いが移っちまうぞ」

クラリス「……はい」







P「……」

「じゃあな。また来るからな」

14: 2018/08/26(日) 18:34:54.00 ID:eeAjl94DO
――クラリスさんの誕生会終了後

クラリス「ふぅ……お腹いっぱいです」

「……主よ。大罪である暴食を行った罪のお赦しを」



コンコン

P「呼ばれたみたいだったけど、何かあったか?」

クラリス「あ、あの。その……P様からまだ……その」

P「ははっ、プレゼントですね。秋物ですが上下と小物入れを」

クラリス「そうではなく……」



トサッ

P「っと……七ツの大罪ってご存知ですか?」

グッ

クラリス「P様のあのような御姿を見て、母性本能が刺激されたといいましたら?」

シュルシュル

P「その時点で傲慢に強欲に憤怒はわかりましたが……」

ググッ

クラリス「ふふふ」





「嫉妬に怯えず、色欲に溺れ怠情に過ごす日々もよろしいかと」

15: 2018/08/26(日) 18:38:10.75 ID:eeAjl94DO
ガチャ

クラリス「おはようございます」ツヤツヤ

ライラ「おはようでございます」

イヴ「昨日は楽しかったですね」

ライラ「そういえば、あれからPからは何か頂いたのですか?」



クラリス「ふふふっ」



「とっても深い所に愛情を頂きました」オナカサスサス



(o・▽・o)&(●・▽・●)おわりだよー

16: 2018/08/26(日) 18:40:50.63 ID:eeAjl94DO
はい、ありがとうございました。

当初、父親ではなく戦友で、実はPが頃してその過去をクラリスさんに贖罪してもらってた……だった予定だったはず

なのに、ただのクラリスさんエンドにしてしまいました。ごめんなさい

17: 2018/08/26(日) 18:53:14.23 ID:eeAjl94DO
おまけ

海軍経理学校「海軍研究調理献立集」より伊勢海老カレーの作り方

材料、四人分

伊勢海老4尾、玉葱225g、塩胡椒適量、生姜一欠け、小麦粉80g、カレー粉40~80g、バター40g、りんご1個、牛乳72cc、米麦飯適量

①、生姜と玉葱をみじん切りにし、バターを溶かした鍋に入れてキツネ色になるまで炒め、カレー粉を加え静かにとろ火で煎り、小麦粉を加えてさらに炒ったあと、湯(800~1000cc)を入れてよく混ぜ合わせて塩を加え煮立てる

②、海老の頭を剥ぎ取って切らずに①の中に入れて煮込み、海老の味がよくカレーの中についた時に頭を引き出して、りんごをすりおろして煮る

③、海老肉を賽の目に切ったものを加え煮て、牛乳を入れる

④、皿にご飯を盛って、その脇に掛けて食卓に提供する

引用元: 【モバマス】クラリス「神はすべてを赦すであろう」