「ねーねー、なにしてるの？」

あい「ひっ？！」

「なにこれ？なにつくってるの？」

「おなじほいくえん？」

あい「あ、あ…」

「きこえてないの？」

「ねーねー」

あい「あ…」

「なんていってるの？」

「このこなんかこわい！」

「かみもへんないろだし！」

「みんなもうあっちいこーよー、きょうはブランコであそぼ！」

「うん！」

「えー！すなばであそびたかったのにー！」

「だってへんなこいるんだもん！」

「もうすなあそびはいいじゃん！ブランコまできょうそうしよ！」

あい「あ、まって…」

あい「うう…」

あい「やっぱりおねえちゃんといっしょじゃないとさみしい……」

あい「おねえちゃん…」

「ねえ」

あい「ひっ！」

「これ」

あい「……？」

あい「あ…それ、あいのシャベル…」

「さっきあの子たちに蹴られてた」

あい「あ…」

「？」

あい「えぇっと…ありがとう」

「うん、だいじょうぶ」

「…なんでひとりなの？」

あい「え、ええっと…ええっと…」

「…？」

あい「む、むこうにおばーちゃんがいる…」

「…ほんとだ」

「やさしそうなひとだね」

あい「…！うん！すっごくやさしいよ！」　

あい「でもいそがしいし、あいといっしょにあそぶと、おばーちゃんつかれちゃうから…いつもひとひりであそんでるよ」

「そうなんだ」

あい「…あ、ごめんなさい、おっきいこえだしちゃった」

「ううん、だいじょうぶ」

「おばあちゃんのこと、すきなんだね」

あい「うん！おいしいごはんいっぱいつくってくれるんだ！」

あい「おばーちゃんのぬかずけ、すっごくおいしいんだよね！」

あい「あ、またおっきいこえだしちゃった…」

「おっきいこえだすの、はずかしいの？」

あい「うん…はずかしい」

あい「おっきいこえだすと、みんなにみられちゃう…」

あい「あ、あなたはなんでひとりなの？」

「ほいくえんだから」

あい「いま、おかあさんいるの？」

「あんまりかえってこない」

あい「おしごとなの？」

「うん」

あい「そうなんだ…………」

「似てる」

あい「へっ？」

「わたしとあなた、にてる」

「ひとりだから」

あい「うん…そうかも」

「あの…」

「わたしも、それ、いっしょにつくりたい」

あい「え、でも……」

あい「あたしといても、つまんない…」

「わたしがいっしょにいたい」

あい「え……？」

「おともだちになりたい」

あい「なんで…？」

「…わたしもひとりぼっちだから、あなたとおなじだとおもって」

「おなじところがあれば、なかよくなれるとおもって」

あい「あたしでいいの？」

「…わたしじゃだめ？」

あい「ちがうよ！ぜんぜんだめじゃない！」

あい「あ、あいもあなたとおともだちがいい！」

「うん、わたしも」

あい「えへへ…」

あい「あいのおともだち、これでふたりめ」

「もうひとりのおともだち、きょうはいないの？」

あい「うん…びょういんでずっとねてるんだー」

あい「だからこうやっておそとであそぶおともだちははじめてなの！」

あい「あい、とってもうれしい！」

「わたしも、おそとであそぶおともだちは、あんまりいない」

あい「なんで？」

「おそとあそびは…にがてだから、いつもはなかでせんせいとあそんでる」

あい「そうなんだ…」

あい「じゃ、じゃあきょうは…………ええっと…」

あい「ええっと…」

「だいじょうぶ、おちついて」

あい「う、うん」

あい「すぅー…はーー…」

あい「あ、あいとあなた、おともだちになれたから、おやまいっしょにつくりたい…」

あい「だめ…？」

「だめじゃない」

「わたしも、おなじきもち」

あい「いいの？！」

「うん」

あい「やったー！」

あい「はい！シャベルあげるね！」

「ありがとう」

あい「うん！じゃああたしはおみずくんでくるね！」

「うん、いってらっしゃい」

───
──

「うんしょ…」

あい「よいしょ…」

「ねえ」

あい「どうしたの？」

「なんでほかのひととあそばないの？」

あい「え？」

あい「そ、それは…」

あい「うーーーん…」

あい「あい、しらないひととおしゃべりするの、すっごくにがてなの」

あい「あんまりおしゃべり、とくいじゃないから…」

あい「あいといっしょにおしゃべりしても、つまらないのかな…っておもっちゃう」

「つまらなくないよ」

あい「え？」

「あなたとおしゃべりするの、とってもたのしい」

あい「そんなことないとおもう…」

あい「さっきのこたちにもきらわれちゃったし…」

「だいじょうぶ」

「『いっしょにあそぼ』っていうだけで、なかよくなれるとおもう」

「わたしもだれかとあそぶことはすくないけど…みんながあそぼって、いってくれるからわたしもたのしくあそべてる」

あい「それはおなじほいくえんのこだからじゃないの？」

あい「ずっといっしょにいると、しゃべりやすいきがするし…」

「たしかにそうかもしれないけど、やっぱり、ゆうきをだしてはなしかけるって、とってもだいじ」

「あなたをみたら、そうおもった」

あい「…じゃあわたしがしょうがっこうにいって、しらないひとにはなしかけても…」

「うん、きっとだいじょうぶ」

あい「ほんとうに？」

「わたしはゆうきがでないけど、あなたならできる」

あい「でもでも、あなたはあいにはなしかけてくれたし、ゆうきあるとおもう！」

「しらないこにはなしかけられて、あそんでくれるあなたのほうがやさしい」

あい「えへへ…ありがとう」

「ゆうきをだしてはなしかけてあげれば、みんなすきになってくれるとおもう」

あい「そっか…」

あい「あいのおうちね、いっぱいおきゃくさんがくるんだけど、そのひとたちともなかよくできる？」

「あなたなら、だいじょうぶ」

「はっきりとつたえたいことをいえば、だいじょうぶ」

あい「…うん、ありがとう」

あい「みんなとなかよくできるように、あい、がんばる！」

「みんなー！そろそろ保育園に帰る時間ですよー！」

あい「…あ」

あい「…あなた、ほいくえんのこなんだよね」

「うん」

「…わたし、ほいくえんのえんそくでここまできたの」

「もうあえないかも…」

あい「ううん、だいじょうぶ！」

あい「あなたのことはわすれないよ！」

あい「こんどあえたらぜったいはなしかけるからね！」

「うん、ありがとう」

「またね」

あい「またねーーー！」

あい「…あ、なまえききわすれちゃった」

あい「きれいなピンクのかみだったなあ…」

───
──

愛「ん～～っ！今日も学校楽しかったー！」

愛「久しぶりに今日はゆっくりしようかなー」

愛(…あれ？)

愛(あの髪色…もしかして！)

愛(そっか、あの子もここ来たんだ…)

愛(1人なのかな？なんかアタシに似てるかも…)

愛(てかなんか悲しそう？寂しそう？)

愛「どーしたのっ？」

愛(怯えてる…ちっちゃい時のアタシみたい)

愛(アタシのこと覚えてないのかな？まあ愛さんもそんな昔のことなんておぼえてないけどさ)

愛(キミ以外はね)

愛「怖くないよー？なんかキミ、元気なさそうだったからさー！」

「え…」

愛(…どうしよう)

愛(見た感じ知らない人に話しかけられて怖い、的な？)

愛(友達がいないのかな？)

愛(…あれ、その紙ってもしかして)

愛「お！ジョリポリの割引券じゃーん！ここって楽しいよねー！」

愛(やっぱり友達待たせてたのかな？変な心配しちゃった)

「お友達と行ってください」

愛(お友達と？)

愛(…………やっぱりそーゆーことね)

愛「じゃ、一緒に行こっか！」

「…え？」

愛(にひひ、もうキミとは既に友達なんだってば)

愛「ほら、れっつごー！」

おしまい

美里さん以外のきっかけもあったのかな？なんて思いました
読んでくれてありがとうございました

乙
最近は愛さんもりなりーも別カプをよく見るけど、なんやかやでりなあいに戻ってくるんだよね

乙
やさしい気持ちになれた