1: 2013/01/22(火) 16:16:18 ID:jrKykb2k

15: 2013/01/25(金) 23:57:34 ID:E2QtR.Uo
…朝 通学中…

シンジ「最近、使徒こないね」

アスカ「そうね」

マリ「良いんじゃニャ~い? 平和でさ」

綾波「………」

カヲル「君は何か、思うところがあるのかい?」

綾波「無いわ」

シンジ「綾波は相変わらずだね…」

アスカ「そりゃそうよ。一緒に生活したからって、何かが劇的に変わるわけじゃないし」

綾波「そうね」

アスカ「アンタに同意されてもぜんっぜんうれしくないわ…」

シンジ(アスカ、目が笑ってるよ…)

カヲル(いつものツンデレだね…)

マリ(今日も今日とて姫は通常運転だニャ)

2: 2013/01/22(火) 16:21:38 ID:jrKykb2k
新世紀エヴァンゲリオンのパイロット5人(シンジ、アスカ、綾波、マリ、カヲル)が
ミサトさんと同じマンションに引っ越しをし、日々を過ごすというほのぼの系SSを投下しています

テンプレ

1.新世紀エヴァンゲリオンと名のつくコンテンツ(アニメ、映画、漫画、ゲーム等)に
 登場するキャラクターを主体にしたSS
 ※名無しキャラ(生徒、教師、おっちゃん、おばちゃん等)も可、ただしあくまで名無しで

2.ほのぼの系の内容であること(過度な性描写や残虐な描写はNG ○ex等の描写はもちろんダメ)

3.回を重ねるにつれて当然キャラクターの特性(ツンデレ、臭いフェチ等)が追加されて行くことに
 なると思いますが、キャラ崩壊はほどほどに
 あくまで読む側の持っているキャラのイメージを崩さない範囲で

4.半角カタカナは『トコトコ』とか『スピー』など動作を表す擬音程度に抑える
 思考は()、セリフは「」で

5.特定のカップルを成立させない(シンジ×アスカ、シンジ×レイ等) アンチがわく原因になるので。
 本編で成立しているカップル(加持×ミサト、ゲンドウ×ユイ等)は可

6.職人さんは大歓迎。書く際はトリ(名前欄に#******←*はテキトーにタイピングして)を必ず付けること
 ネットネームでも可とするが、+トリをつけるように(成り済まし対策)

7.基本sage進行

14: 2013/01/25(金) 23:20:58 ID:E2QtR.Uo
ネタ投下する前に注意点

カヲル君についてはかなり脚色つーか、キャラ崩壊しています。
この1スレ目のSSではアスカはカヲルのことをホ〇+カヲルで"ホ〇ル"と
呼ぶぐらいです

ほのぼのというよりは半ばギャグ的な要素が強いですので、そういったものを
受け付けない方は、読まないほうがよいかもしれません…

16: 2013/01/26(土) 00:01:12 ID:87wXu5QU
マリ「でもこう平和だと、なんかボケちゃうよね」

カヲル「"平和ボケ"かい?」

マリ「そうそうそれそれ」

シンジ「僕は、今が普通であって、使徒が来る日常が普通じゃないと思うけど…(汗)」

カヲル「巨大ロボットに乗って化け物と戦うなんて、セカンドインパクト前の世界ではSF映画だけの話だったらしいね。月でいろいろ話聞いたけど」

アスカ「そういやあんたの乗るMark6って、いつ完成するのよ? パイロットがこっちに入り浸ってていいわけ?」

カヲル「時が来れば帰るさ」

シンジ「それはそれで、なんかさびしくなるな」

カヲル「シンジ君…」

シンジ「ほら、今ウチはミサトさんを含めても男は僕とカヲル君しかいないからさ。男手って何かと重宝されてるし」

アスカ「買い物の荷物持ちしたり」

カヲル「天井の蛍光灯の交換をしたり」

綾波「お弁当作ったり」

マリ「家計簿付けて今月どう乗り切るか考えたり」

シンジ(…最後二つは、普通母親とか奥さんがやることだよね?)

17: 2013/01/26(土) 00:02:11 ID:87wXu5QU
カヲル「シンジ君、心配しなくとも僕はいつも君のことを思っているさ」ニコ

シンジ「あ、ありがとう…(3歩下がる)」

カヲル「それで、なぜ今3歩下がったの?」

アスカ「アンタ馬鹿ぁ? それだけ警戒してるのよ!」

マリ「往来のあるところだから控えてるんだろうけど、家じゃすごいもんね」

カヲル「…家じゃバスタオル巻いた方が露出が少ないくらいの格好をしている君達に言われたくないよ」

アスカ「風呂上がりにそんな厚着できるかっつーの!」

シンジ「せめてTシャツくらい着てほしいな。目のやり場に困るし…」

マリ「えー、わんこ君は私の裸見たくないの?」

シンジ(そんなこと言えないよ…(涙))

アスカ「コネメガネ、アンタその発言じゃ露出狂みたいじゃないの!」

綾波「露出狂?」

シンジ「僕に聞かないで」

カヲル「露出狂とは」

アスカ「アンタも教えなくていい!」

18: 2013/01/26(土) 00:03:17 ID:87wXu5QU
…教室 授業中…
アスカ(まったく…、いつまで私はツッコミ役やればいいのよ、もう…)

アスカ(バカシンジとエコヒイキはともかく)

アスカ(あのホ〇ルとコネメガネはどこまでが本気かわかったもんじゃないし…)

アスカ(毎日毎日絡まれて、ツッコんで、たまんないわよ…)

アスカ「ハァ…」


マリ(姫がため息ついてる)

マリ("あの日"か?)

マリ(…いや、日数的には…)

マリ(まぁ、この話題は女の子の中でも割と鬼門だし)

マリ(そういう話は振らないでおこっと…)

先生「式波、真希波、お前達キチンと授業聞いてるのか!!」

アスカ「え?」

マリ「え?」

19: 2013/01/26(土) 00:04:12 ID:87wXu5QU
…廊下…

アスカ(怒)

マリ「」

アスカ(怒)

マリ「…いやはや、廊下に立たせるなんて今でもあるんだね~」

アスカ(怒)

マリ「私も立たされたの初めてだけど…」

アスカ「静かにしなさいよ。また怒られるわよ(怒)」

マリ「…はい(たった今姫に怒られたじゃん…)」

アスカ(怒)

マリ(こりゅ本気で怒ってる…。しばらくはそっとしとこ…)

アスカ(怒)

20: 2013/01/26(土) 00:05:28 ID:87wXu5QU
…休み時間…

シンジ「三時限目に廊下に立たされて以降機嫌悪いね、アスカ」

綾波「弐号機の人、眉間にしわ寄せてる」

シンジ「…綾波、本人の前ではそんなこと言わないでね…(汗)」

綾波「わかった」

カヲル「しょうがないよ。彼女はプライドの塊だからね」

カヲル「しかも大学卒業しているのに、今更中学で廊下に立たされるなんてことさせられたら」

カヲル「プライド傷つくのは当然さ…」

マリ「私は新鮮だったけどね」

シンジ「…廊下に立たされたくもないけど、それを新鮮と感じるのもどうかと(汗)」


アスカ(怒)

21: 2013/01/26(土) 00:06:54 ID:87wXu5QU
綾波「弐号機の人、どうやったら元に戻るの?」

カヲル「おもちゃじゃないんだから、そんなに簡単には戻らないさ」

シンジ「…僕は時間が解決してくれるに一票」

マリ「私はワンコ君を生贄に差し出して元通りにするに一票」

カヲル「僕もシンジ君に頑張ってもらうに一票」

綾波「…わからないので任せる」

マリ「決まりだね♪」

シンジ(…結局、いつもどおりじゃないか…)

22: 2013/01/26(土) 00:08:14 ID:87wXu5QU
…放課後 帰宅中…
アスカ(怒)

シンジ「…アスカ」

アスカ「何?(怒)」

シンジ「今日は災難だったね…」

アスカ「まったくよ! このあたしが廊下に立たされるなんて!!(怒)」

アスカ「普通天地がひっくりかえってもそんなこと起こらないわ!!(怒)」

シンジ「アスカは優秀だからね…」

アスカ「そうよ! あたしは大学卒業してるのよ!?(怒」

アスカ「今更日本の中学校なんて必要ないのよ!!(怒」

シンジ「ミサトさんに言われなかったら、行かなかったでしょ?」

アスカ「あたりまえじゃない! あんなところ(怒」

シンジ「でも委員長と知り合えたからよかったじゃん」

アスカ「…まぁ、ヒカリは友達だからね(」

シンジ「そういえば、お昼は委員長と一緒だったみたいだけど、委員長って何食べてたの?」

アスカ「自作の弁当を持ってきてたわ。中身は…」

23: 2013/01/26(土) 00:09:47 ID:87wXu5QU
マリ「…ウワ…」

カヲル「みるみる機嫌が良くなってる…」

綾波「眉間のしわ、消えた」

マリ(なんだかんだ言って姫の扱い心得てるなぁ…)


アスカ「あんたさ」

シンジ「何?」

アスカ「コネメガネとホ〇ルのこと、アンタはどう思う?」

シンジ「どうって?」

アスカ「だから、うっとーしいとか、うるさいとか」

シンジ「僕はそんな風には思わないけど…」

アスカ「…あっそ。アンタは良いわね~、神経図太くて」

シンジ「そういうわけじゃないけど…」

アスカ「じゃあどういうワケよ?」

シンジ「僕達だけだったら、きっとアスカはもっとストレスためてるよ」

アスカ「ハァ? 何でよ?」

24: 2013/01/26(土) 00:11:33 ID:87wXu5QU
シンジ「だって、僕と綾波はほとんど話さないじゃないか」

シンジ「家にいてもずっと静かでいるよりも、少しくらいうるさすぎる方がいいんじゃないかな?」

アスカ「アンタね、毎回ツッコミ役させられる身にもなりなさいよ」

シンジ「アスカは元気なのが取り柄だし、良いんじゃない? その方がアスカらしいよ」

アスカ「その言い方じゃあたしはそれ以外に取り柄が無いみたいじゃないのー!!(怒)」


綾波「もどった」

カヲル「ミッション失敗か」

マリ「何やってんのー!」

25: 2013/01/26(土) 00:12:34 ID:87wXu5QU
シンジ「そ、そうは言うけどさ」

アスカ「何よ、あたしは頭のてっぺんから足の先まで完璧じゃないの!!(怒)」

シンジ「いや、アスカが完ぺきなのはわかったから」

アスカ「じゃあなによ! いったいあたしの何が不満なのよ!!(怒)」

シンジ「マリさんとカヲル君は、アスカと話してて楽しいんだよ!」

アスカ「………へ? なんで?」

シンジ「楽しくなかったら、そもそも話しかけないよ」

アスカ「」ポカーン

26: 2013/01/26(土) 00:13:54 ID:87wXu5QU
シンジ「アスカ?」

アスカ「な、何でもないわよ!」

アスカ(…あいつら、あたしと話してて楽しいんだ…(喜))


綾波「またしわが無くなった」

カヲル「と言うか大逆転だね」

マリ「結局、本音を言った方が解決への近道だったみたいだにゃ…」

27: 2013/01/26(土) 00:15:37 ID:87wXu5QU
…帰宅…

アスカ「今日の晩御飯はハンバーグよ! 良いわね!?」

シンジ「良いけど…」

アスカ「あたしのはサイズ1,5倍よ!!」

シンジ「わかったよ」

アスカ「あと」

シンジ「まだ何かあるの?」


マリ「姫とわんこ君は今日も今日とて平常運転」

カヲル「変わらない日常はいいね…(窓から見える夕焼けを見つつ)」

綾波「平和?」

カヲル「平和だね」

マリ「平和だにゃ」

28: 2013/01/26(土) 00:20:17 ID:87wXu5QU
幻の43話? 完

ま、一話あたりこんな感じでリレーなりしてもらえれば…

49: 2013/01/30(水) 00:08:35 ID:1CPX3Kbw

ミサト「………?あら?シンちゃんは?」

アスカ「あんのバカシンジ!まだ起きてないの!!?」

カヲル「僕のシンジ君を馬鹿呼ばわりしな」

マリ「はい、朝からホ〇は疲れるから黙っててにゃー」

カヲル「僕はホ〇じゃなくてゲ」

レイ「碇君を起こす…?」

アスカ「そりゃそろそろ起こさないと弁当がないわよ?」

マリ「自分で作る気はないニャ…なんて他力本願…」ヒソヒソ

カヲル「君だって無いだろう?」ヒソヒソ

アスカ「そこ!聞こえてるわよ!!」

ミサト「いいから早く起こしに行って!!」

52: 2013/01/30(水) 00:19:24 ID:1CPX3Kbw
~シンジの部屋の前~

アスカ「シンジ!!もう起きないと遅れるわよ!」コンコン
……シーン……
マリ「……?ワンコ君反応すらしないニャ?」

カヲル「これは…事件の香りがす」

レイ「」ガチャ(部屋のドア開ける)

アスカ「あ…あんた、意外と大胆ね…」

マリ「恐れいったニャ」

カヲル「それよりさっきから僕の台詞が途中で終わっ」

レイ「碇君、起きて」

マリ「学校遅れるニャ~♪」

アスカ「バカシンジ!!さっさと起きて弁当作りなさいよ!」

カヲル「やっぱり途中で終わってる…」

シンジ「………ゴホゴホ……」

全員「!?!?」

53: 2013/01/30(水) 00:25:20 ID:1CPX3Kbw
シンジ「…み…みんな…ゴメン……ゴホッ……多分今日風邪ひ」

マリ「ワンコ君大丈夫!?」ガバッ

アスカ「ちょっ…あんた何してんの!!」

シンジ「ご…ゴメン…あの…重い……ゴホッゲホッ!!」

マリ「ありゃ、残念。」

カヲル「シンジ君大丈夫かい?僕が看病しようか?つきっきりで」

レイ「私…も碇君の看病する」

54: 2013/01/30(水) 00:45:09 ID:1CPX3Kbw
シンジ「そんな…悪いよ…ゴホッゲホっ」

マリ「いいから♪私も看病するニャ、姫は?」ニヤニヤ

アスカ「え?私?私は…その…えと…」チラッ

シンジ「みんな…僕は大丈夫だから、ゲホっゴホッゴホゴホゴホッ!!!」

アスカ「し…しょーがないから看病してあげるわ!!仕方なくね!仕方なく!!」

マリ「へぇ~…仕方なくか~…」

アスカ「そ…そうよ!!看病するのがこんなメンバーじゃシンジが可哀想だし」

カヲル「こんなメンバーって…」(汗)

アスカ「それに!私はエリートだから一日くらい休んだってどうってことないから!その!看病してあげるわ!!」

マリ「相変わらずのツンデレっぷり」

アスカ「うるさい!!///」カァァ

ミサト「ちょ~っち待った!」

55: 2013/01/30(水) 00:51:15 ID:1CPX3Kbw
カヲル「何ですか?ミサトさん」

ミサト「あんた達は学校に行きなさい、私がシンちゃんを看病するから」

アスカ「な、何でミサトが!!」

ミサト「保護者だからよ」ドヤァ

アスカ「ぐぬぬ…」

マリ「でも、大丈夫ですか?ミサトさん?」

レイ「一人じゃ大変」

ミサト「シンちゃん一人ぐらいなら大丈夫よ」

マリ「いや、そういう意味じゃなくて」

ミサト「?どういう事?」

カヲル「」ピーンッ!

56: 2013/01/30(水) 01:04:23 ID:1CPX3Kbw
カヲル「看病する、ということは今日一日ほとんどシンジ君の隣にいますよね?」

ミサト「まあ、そうね」

マリ「そんなとき可愛い寝顔のシンジ君に欲情しないかニャ?」シンジ「!?」

ミサト「ま、まっさか~…相手は子供よ?」

カヲル「でもねミサトさん」マリ「こんな可愛い顔したシンジ君が」

カヲル「ベッドでスースー寝息を立てて」マリ「可愛い寝顔で寝てる」

ミサト「う…(汗)」

カヲル「しかもシンジ君は」マリ「風邪で身動きが取れない」

ミサト「うぅ…(汗)」

カヲル・マリ「さあミサトさん、もう一度言います」

カヲル・マリ「本当に大丈夫ですか?」

ミサト「うわあああああああああああ!!!!」

シンジ「う…うるさいです、ミサトさん…ゴホゴホ…」

ミサト「あ、ゴメン…なさい……」

57: 2013/01/30(水) 01:11:10 ID:1CPX3Kbw
ミサト「…………みんな?」

レイ「はい」

ミサト「私仕事行ってくるから…シンちゃんの看病お願い…」

マリ「はー~い」ニヤリ
カヲル「」ニヤリ
アスカ「」ニヤリ
レイ「」ニヤリ

シンジ(嫌な予感しかしない…)

62: 2013/01/31(木) 00:03:43 ID:PkeeESA2
ミサト「じゃ、行ってくるわ……今日はちょっち帰るの遅くなるから私の晩御飯はいらないわよ~」

レイ「行ってらっしゃい」

ミサト「ふふ、レイも変わったわね。良い方にね。行って来ま~す!」

全員「行ってらっしゃ~い!!」



カヲル「さて」

マリ「邪魔者も居なくなったし」

アスカ「始めますか!」

レイ「ええ…」

シンジ「え?何を?」(嫌な予感が…)ゾクッ

63: 2013/01/31(木) 00:12:42 ID:PkeeESA2
アスカ「あんたバカァ?風邪引いてるんでしょ?」

シンジ「う…うん…多分…」ズズッ(鼻水)

カヲル「風邪といえばさ」キラッ

マリ「あれしかないニャ!」ビシィィ

レイ「ええ、あれね」コクリ

シンジ「………もしかして…」ズズッ


アスカ「おかゆよ!!」ドンッ
カヲル「お粥さ!!」ドンッ
マリ「オカユだにゃ!!」ドンッ
レイ「おかゆ…!!」ドンッ

シンジ(お粥か……なら問題ないかな?)

64: 2013/01/31(木) 00:33:32 ID:PkeeESA2
マリ「なんか今もしかして、ものすごく失礼なこと考えなかったかニャ?」

シンジ「え?い…いや?ぜ…全然…?」ギクッ

カヲル「考えてたね…その反応は…」ヤレヤレ

マリ「相変わらず分かりやすいニャ…」ヤレヤレ

レイ「何考えてたの?」

シンジ「え?…えっ…と…いや、あっ!何も考えてないよ!!」

アスカ「どうせお粥なら失敗作でも食べれるから安心、とか考えてたんでしょうよ」フンッ

シンジ「そ…そんなことないよ!!ッゴホッ」ゲホゴホ…

65: 2013/01/31(木) 00:43:20 ID:PkeeESA2
マリ「さあさあ病人は寝て寝て」

カヲル「僕がキミのためにお粥を作ってみせる!そしてシンジ君を虜にしてみせ」

レイ「碇君のために早く作りましょう」

アスカ「ナイスタイミング!」

カヲル「僕の渾身のセリフが…」orz

マリ「まあドンマイ、ホ〇」

カヲル「僕はホ〇じゃな」

シンジ「耳が痛くなってきた…」ゴホゴホ…

アスカ「ほらほら、シンジもあー言ってるし!早くキッチン行くわよ!!」トタトタ

レイ「凄いやる気…」トタトタ

マリ「惚れた男のためだからだニャ」ニヤニヤ
アスカ「うっさい!!///」

シンジ(みんな廊下に行ったのにまだうるさい…)

66: 2013/01/31(木) 00:54:52 ID:PkeeESA2
~キッチン(台所)~

マリ「それにしても…」

カヲル「オカユひとつに…」

アスカ「四人で作るのは…」

レイ「さすがに多いわ…」


全員「どうしよう?」

レイ「くじ引きが良いと思うわ…」

全員「おおー…」

マリ「じゃ、くじ引きで!二人まで絞るにゃ」

カヲル「赤い箸を取った人がオカユ担当だね」


全員「セー~っの!」

71: 2013/02/02(土) 11:33:38 ID:vTPfGuYY
アスカ「アタシだ……」(よっしゃぁぁぁぁぁ!!)二ヘラ

レイ「私も…」(碇君のためにオカユを……やった)

マリ「ちぇっ…外れか~…」

カヲル「まあ運次第だし、仕方ないよ」

アスカ「まあこの天才エリートのアスカ様に任せればオカユなんて簡単よ!!」二ヘラ

マリ「姫、凄く喜んでるニャ」ニヤニヤ

アスカ「え…いや!べべ別に!!くじで当たったから仕方なく作るのよ!」アセアセ

レイ「じゃあ私が全部作るわ。」

アスカ「ダメに決まってんでしょ!!!」(怒)

マリ「分かりやすっ」コソコソ

カヲル「相変わらずのツンデレっぷり」ヒソヒソ

アスカ「コソコソ話すな!!」

レイ「………あなたたちは今から何するの?」

マリ・カヲル「!!」
アスカ「?」

72: 2013/02/02(土) 11:54:37 ID:vTPfGuYY
マリ「そりゃ…」

カヲル「もちろん…」

マリ・カヲル「」ピーンッ!(閃いた!)

アスカ「何すんのよ!」

マリ「病気で寝込んでるワンコ君の部屋に」ニヤニヤ

カヲル「看病しに行くのさ」ニヤニヤ

アスカ「んなっ!」

レイ「ダメだわ。碇君が危ない」

アスカ「そうよ!バカシンジが危ないからダメよ!」

マリ「じゃあオカユ担当変わってほしいニャ」ニヤニヤ
カヲル「そういうこと。」ニヤニヤ

アスカ「う…」
レイ「……」

73: 2013/02/02(土) 12:07:43 ID:vTPfGuYY
レイ「……ホ〇の人」

カヲル「僕はホ〇じゃなくてゲイだけど何?」

アスカ「いちいち鬱陶しいわね…」ヒソヒソ
マリ「激しく同意」ヒソヒソ
カヲル「聞こえてるんですけど」

レイ「あなたと交代」

カヲル「へえ、意外。」

マリ「姫は?」

アスカ「アタシは……」

レイ「大丈夫、あなたは変わらなくていい。私がこの人を止めれるから」

マリ「ありゃりゃ…」

アスカ「でも……ホ〇ルとなんか作りたくないし、コネメガネ!交代よ」

マリ「ワンコ君に会いたいだけなんじゃないかニャ?」

アスカ「うるさい!ちがうわよ!!」

料理担当:マリ・カヲル
看病担当:アスカ・レイ

79: 2013/02/03(日) 00:16:38 ID:x50t1emk

カヲル「さてと」

マリ「んじゃ始めますかニャ」

カヲル「その前に質問いいかい?」

マリ「何だニャ?」


カヲル「君は料理できるのかい?」

マリ「全く。そういう君は?」

カヲル「全然」


マリ・カヲル「あちゃー…」

80: 2013/02/03(日) 00:28:52 ID:x50t1emk
~シンジの部屋~
シンジ「うまくいってるかな~…オカユ作り…」ズズッ

シンジ「ん?ちょっとまてよ…あのメンバーで料理ができるのって…ゴホゴホ」


シンジ「いない!!!!」ガーン

ガチャッ
アスカ「失礼ね!アタシが本気だせば料理なんて余裕よ!」

レイ「おはよう、碇君」

シンジ「!?!?な…なんで二人がここに?」

アスカ「あんたの看病よ」

シンジ「!!!!ってことは料理は残りの二人に任せっゴホッゲホ」

アスカ「急に大声だすからそうなるのよそうよ、マリとホ〇ルよ」


シンジ(不安すぎる!!!)

81: 2013/02/03(日) 00:39:44 ID:x50t1emk
マリ「まあオカユだし、大きな失敗はニャい…と思うけど」

カヲル「そうだね。それにシンジ君のために全身全霊をかけて作って、そして虜に」

マリ「ホ〇発言は要らないニャ」


カヲル「………ハハッ気を取り直して、」

マリ「オカユ完成させるぞーーー」

カヲル「オーーーー!」


マリ「ホ〇君、意外とノリ良いニャ」

カヲル「今更かい?」

マリ「それもそうか」

カヲル「」orz

82: 2013/02/03(日) 00:49:52 ID:x50t1emk
レイ「」チョコン

アスカ「あ、あんた何してんの!!」

シンジ「あわわわ…」(これは嫌な予感が)

レイ「碇君の看病」

アスカ「あんた看病が何か知ってんの!?」

レイ「…病人を…治す?」

アスカ「じゃあ何でバカシンジの隣に座る必要があんのよ!」

レイ「そばに人がいた方がいいと思ったから」

アスカ「そんなことならアタシも仕方なくそばに座ってあげるわ!感謝しなさいバカシンジ!」

シンジ「う…うん…ありが」

レイ「そこまで言うならどこかへ行けばいいと思う」

アスカ「んなにをぉぉ!?」

ギャーギャーワーワー

シンジ(やっぱりこうなった……オカユは大丈夫かな…不安…)

83: 2013/02/03(日) 01:02:24 ID:x50t1emk
マリ「こんなもん?」ジャバー

カヲル「それぐらいかな」ジャバー

マリ「これはこんなもん?」ジャバー

カヲル「聞く前に入れちゃ意味ないけど」エバー

マリ「あ、そうだ!体に良さそうな物入れてもいいかニャ?」

カヲル「好きにすればいいさ。常識の範囲でね」

マリ「ホ〇君に常識を言われるなんて心外だニャー」ミドリイロノナニカヲドパァ

カヲル「っちょおおおおおおおい!!!」

マリ「うわっ何!?」

カヲル「いま何入れた…?」


マリ「あ…青汁だけど?」
カヲル(……シンジ君ゴメン…頑張って食べてくれ…)orz

84: 2013/02/03(日) 01:17:52 ID:x50t1emk
レイ「…………」ピトッ

アスカ「…………」ピトッ

シンジ「…………///」

【シンジの場合】
シンジ(何だ!この状況!!!)ガーンッ

シンジ(何で看病しに来た二人が揃って僕の横で寝てるんだよ!!)

シンジ(どう扱えば良いんだァ!!)

【アスカの場合】
アスカ(やばいやばいやばいやばいやばい)

アスカ(なんか流れでくっついちゃった!!エコヒイキも…いやコイツは本気で寝てるか…)

アスカ(と、とにかく…)

【まとめた場合】
アスカ・シンジ(どうしよう…)

【レイの場合】
レイ(碇君の横、ポカポカする…)

85: 2013/02/03(日) 01:25:33 ID:x50t1emk
オカユであるはずのもの「ゴプッゴポッ」

カヲル「さぁ~~てと」(もうどうにでもなぁれ)

マリ「これ持って上がるか」

カヲル「!そうだ!静かに行こう、何か面白い物が見れる気がする」ニヤリ

マリ「私も丁度そう考えてたとこニャ」ニヤリ

カヲル「ソー~っと」そろりそろり

マリ「ソー~っと」そろぉりそろぉり

カヲル「猫みたい」そろりそろり

マリ「ホ〇君こそだニャ」そろぉりそろぉり

89: 2013/02/04(月) 00:22:43 ID:6mbTcLnI
~シンジの部屋の前~

カヲル「ついに来てしまったよ」ヒソヒソ

マリ「ふふふ…何が見れるかニャ~?」ヒソヒソ

カヲル「その扉を開けば全てわかることさ」ヒソヒソ

マリ「そういえばホ〇君って料理出来ニャかったんだ…意外と。」ヒソヒソ

カヲル「途中までは完璧だったよ。誰かさんが青汁を入れるまでは」ヒソヒソ

マリ「確かにあの後から急に私に任せっきりだったニャ~」ヒソヒソ

カヲル「料理なんてただの知識なのに、ってまあそんなことはどうでもいい」ヒソヒソ

マリ「ん、じゃあ開けるニャ」ヒソヒソ

カヲル「どーーんと行こう」ヒソヒソ

マリ「OK」

90: 2013/02/04(月) 00:29:04 ID:6mbTcLnI
~シンジの部屋~

シンジ(どうしよう…気まずい…)

アスカ(オカユまだかしら!おっそい!!)

シンジ(ん?待てよ…)

アスカ(今もしあいつらが部屋に来たら…)

シンジ(散々!!)

アスカ(いじられること!!)

レイ「間違い無い」

シンジ・アスカ「うぎゃあ!!!」


マリ・カヲル「どおおおおおおおーーーーーんっっっ!!!」

シンジ・アスカ「ぎゃあうああああ!!!」

レイ(騒がしい…)

91: 2013/02/04(月) 00:44:21 ID:6mbTcLnI
マリ・カヲル「おやおやおや?」ニヤニヤ

アスカ「ここここれは!!!ちがうわよ!!その……」

シンジ「不可抗力だよ!!」

アスカ「そう!!それよ!!」

レイ「私は自分から行っ」

アスカ「エコヒイキ黙ってて!!」

レイ「あなたに命令される筋合いは無いわ」

アスカ「筋合いなんて言葉どこで覚えたのよ!!」

レイ「葛g」アスカ「大体分かったからもういい!!」

マリ「私も混ぜてニャ~~~~ーーーーー!!!」どーーん(シンジに乗っかる)

アスカ「ぎゃっ!急にバカシンジに乗っかんな!!コネメガネ!」

レイ「私も混ぜて」どんっ(シンジに乗っかる)
シンジ(綾波まで乗っかってきた!!さすがに二人は重い)

アスカ「~~~!!!アタシだって!!」ドォッ(シンジに乗っかる)
シンジ(やばい…もう無理…はっ)

カヲル「ハアハァシンジ君…」ウットリ(シンジに乗っかる)
シンジ(がっっ…やっぱり……)

92: 2013/02/04(月) 00:49:41 ID:6mbTcLnI
ギャーギャーワーワーギャーギャーワーワー

ギャーギャーワーワーニヤニヤギャーギャーワーワー


シンジ「ぷはぁっ!…やっと抜け出せた……ん?」ドロドロシタナニカ

シンジ「ああ!これがオカユか……」

シンジ「…………?オカユか?」(なんか青いけど…)

シンジ「まあカヲル君は料理はある程度はできそうだし、大丈夫かな」



シンジ「パク」

93: 2013/02/04(月) 00:53:59 ID:6mbTcLnI


シンジ「みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!」

全員「!?!?」



シンジ「」バタ


カヲル「シンジ君!?」

アスカ「シンジ!!?」

マリ「ワンコ君!?」

レイ「碇君!?」

全員「どうしたの!?」

94: 2013/02/04(月) 00:59:55 ID:6mbTcLnI
カヲル「一体何が………あ」

アスカ「どうしてシンジが………あ」

レイ「碇君?……………あ」

マリ「ニャ」

シンジ「」チーン

ドロドロシタナニカ「よう!」

全員「こ・れ・だ・!!!」

95: 2013/02/04(月) 01:06:49 ID:6mbTcLnI
後日、僕が聞いた話によると
結局あの後は罪のなすりつけあいが始まり、
言い合いをして
取っ組み合いの喧嘩をしたらしい
部屋がおかしなことになってた

あちなみに、僕の風邪ならなおったよ。僕のはね。あのオカユが意外と良かったのかもしれない
みんなは?って?
そりゃ、風邪の菌の充満した僕の部屋で暴れたんだからね…

96: 2013/02/04(月) 01:13:46 ID:6mbTcLnI
アスカ「バガシンヂィー…ティッシュ~…」

シンジ「はいはい。」アスカ「あいがと」ズズッ

カヲル「お腹が空いたよ、シンジくnゴホゴホ」

シンジ「はい、これ僕の特製オカユ」カヲル「わざわざゴメンね」ゴホゴホッ

マリ「喉が乾いだぁ~」

シンジ「はいはい。これね」マリ「サンキューだニャ」

レイ「おでこのタオルが熱くなってきた」

シンジ「はいはい。変えるね」レイ「ありがとう」

97: 2013/02/04(月) 01:19:30 ID:6mbTcLnI

ミサト「シンちゃん、頑張ってるわ~…」ぷシュッ

シンジ「お酒飲むぐらいなら手伝って下さい!」

ミサト「面倒だから却下」ゴクゴクッ




シンジ「……結局僕は風邪ひいても休めないわけだね…」ハァー

「シンジー」
シンジ「はーい」



107: 2013/02/06(水) 16:47:34 ID:pQdRw9OA

学校にて

ガヤガヤ……



ケンスケ「…………」 ジー

トウジ「なんや? ケンスケ?」

トウジ「センセの顔をじっと見て?」

ケンスケ「ああ、トウジ」

トウジ「……! ま、まさか!」

ケンスケ「?」

トウジ「あのホ〇野郎に感化されたんとちゃうやろな!?」

ケンスケ「ぶっ! そんなわけ無いだろ!?」

トウジ「せやったら、なんやねん?」

108: 2013/02/06(水) 16:48:54 ID:pQdRw9OA

ケンスケ「いやぁ……何となく、なんだけど」

トウジ「おう」

ケンスケ「最近、碇の体つきが良くなっている様な気がして……」

トウジ「お、お前、やっぱり!」

ケンスケ「だから違うって!」

―――――――――――

トウジ「なるほど、たくましく、ちゅーか」

トウジ「鍛えられとる気がするっちゅう意味か」

ケンスケ「そういう事」

トウジ「本人に聞いたらええやん?」

ケンスケ「真っ先に聞いたんだけどね」

ケンスケ「特に鍛えているわけでも、トレーニングをしている訳でも無いってさ」

109: 2013/02/06(水) 16:49:45 ID:pQdRw9OA

トウジ「ふうん……」

トウジ「センセの性格からして、隠す訳もないやろうしなぁ」

ケンスケ「うん。 まあ僕の気のせいかもしれないしね」

トウジ「…………」

トウジ「よっしゃ!」

ケンスケ「トウジ?」

トウジ「いっちょ試してみるわ!」

ケンスケ「え? 試す?」

トウジ「まあ見とけって」

トウジ「おーい、碇ー」

ケンスケ(何をする気だろう?)

110: 2013/02/06(水) 16:50:30 ID:pQdRw9OA

シンジ「なに? トウジ」

トウジ「突然すまんがなぁ、腕相撲せえへんか?」

シンジ「腕相撲? どうして?」

トウジ「ホンマに意味なんかあらへんて。 思いつきや、思いつき♪」

シンジ「まあ……いいけど」

トウジ「うっし! 勝つでぇ~!」

シンジ「?」

     スッ…

トウジ「ええか? いち、にの、さん! で、始めるで?」

シンジ「うん、わかった」

トウジ「よし……いち、にの、……さん!」

111: 2013/02/06(水) 16:51:43 ID:pQdRw9OA

     ダンッ!

ケンスケ「……え!?」

トウジ「…………」

シンジ「どうしたの? トウジ?」

シンジ「手加減してくれたの?」

トウジ「!? ……あ~、ま、まあな……」

シンジ「じゃあ、もう一回する?」

トウジ「お、おうっ! 今度は本気出す!」

ケンスケ「…………」

トウジ「よ、よし……いち、にの、……さん!」


―――――――――――


112: 2013/02/06(水) 16:52:55 ID:pQdRw9OA

放課後



ケンスケ「…………」

トウジ「…………」

トウジ「いったい何なんや? あの怪力……」

ケンスケ「……まさか、こんな結果になるとはね」

トウジ「センセの身に、何が起こっとるんや……」

ケンスケ「…………」

ケンスケ「まさか……」

トウジ「? まさかって何や? 心当たりでもあるんか?」

ケンスケ「もしかしたら……NERVに何かされているのかも」

トウジ「!?」

113: 2013/02/06(水) 16:53:52 ID:pQdRw9OA

トウジ「何かってなんや?」

ケンスケ「……想像だけど」

ケンスケ「ああやって、強い身体にしておけば」

ケンスケ「いざという時、パイロットの生存につながると考えたんじゃないかな?」

トウジ「けど……本人は何もしとらんて……」

ケンスケ「薬物……とか?」

トウジ「……!?」

ケンスケ「…………」

トウジ「…………」

トウジ「は……はは、は」

トウジ「無い無い、無いわ。 だいいち、現場責任者のミサトさんが許さへんやろ?」

ケンスケ「それは、そうなんだけどね……」

114: 2013/02/06(水) 16:54:52 ID:pQdRw9OA

トウジ「…………」

ケンスケ「…………」

トウジ「……うし!」

ケンスケ「トウジ?」

トウジ「ワシは決めたで!」

トウジ「うまい具合に明日は休日や!」

トウジ「多少強引でも、センセの家に泊まり込んで、それとなく様子を見ようやないか!」

ケンスケ「え!? これから!?」

トウジ「思いついたら、即、実行がワシや!」

トウジ「おーい! 碇ー!」

ケンスケ「……いくら何でも、そんなに上手くいくわけが」

115: 2013/02/06(水) 16:56:01 ID:pQdRw9OA

シンジ「ミサトさん、いいって」

ケンスケ「上手くいった!?」

トウジ「さっすがセンセの上司、ミサトさんや! 話が解る!」

アスカ「ちょっと! あたしは反対よ!」

アスカ「何する気か知らないけど、勝手に人のテリトリーに入って来ないでよね!」

ケンスケ「間違っても式波の部屋には入らないよ……」

トウジ「正確には入りとうない」

アスカ「何ですって!?」

シンジ「まあまあ、アスカ。 寝るのは僕の部屋だから」

シンジ「許してあげてよ」

アスカ「……ふん。 ハンバーグで手を打つわ」

シンジ「わかった」 クスッ

116: 2013/02/06(水) 16:56:49 ID:pQdRw9OA

シンジ「綾波も迷惑?」

綾波「……」(首を)フルフル

シンジ「そう……晩御飯、何かリクエストある?」

綾波「……味噌汁があって肉がなければ、いい」

シンジ「わかった」 ニコ

綾波(……ポカポカする) ///

シンジ「マリさんは? カヲルくんは?」

マリ「問題ないにゃー」

カヲル「もちろん構わないよ」

カヲル「僕もシンジくんといっs」

アスカ「はい、ホ〇ルはもう黙ってなさい」

117: 2013/02/06(水) 16:57:32 ID:pQdRw9OA

下校

ワイノ ワイノ



マリ「ひゃー。 こうやって揃って帰ると、結構な団体さんねー」

カヲル「少々、騒がしいけどね」

トウジ「なんやとう!?」

ケンスケ「トウジ……怒ったら自分で自分が騒がしいと、認めてる様なものだよ」

アスカ「これだから、バカは嫌なの」

シンジ「アスカ……そんな言い方じゃ火に油を注いでる」

綾波「…………」

シンジ「綾波も苦手? こいういうの……」

綾波「……」(首を)フルフル

118: 2013/02/06(水) 16:58:21 ID:pQdRw9OA

マリ「じゃ、ワンコくん。 頑張ってね~」

アスカ「寄り道しないで早く帰るのよ、バカシンジ」

カヲル「ゆっくりでいいからね、シンジくん」

綾波「碇くん、待ってる……」

シンジ「うん、待ってて」

ケンスケ「へ?」

トウジ「なんや? 何で別れるんや?」

シンジ「これから買い出しなんだ」

ケンスケ「は?」

トウジ「ちょい待ちぃや! 誰も手伝わへんのか!?」

119: 2013/02/06(水) 16:59:27 ID:pQdRw9OA

アスカ「はあ? 何であたしが、そんな事手伝わなきゃならないのよ? あんたバカァ?」

マリ「私は手伝おうとしたんだよー?」

カヲル「僕もだけど……なぜか断られてね」

綾波「…………」

綾波「手伝い……いる?」

シンジ「ううん、大丈夫だから、綾波」 ニコ

トウジ「…………」

ケンスケ「…………」

トウジ「……まあ、なんでか解らへんけど」

トウジ「ワシはセンセを手伝う」

ケンスケ「うん、僕も」

ケンスケ「これからお世話になるし」

シンジ「二人とも、そんなに気を使わないでよ」

120: 2013/02/06(水) 17:00:27 ID:pQdRw9OA

アスカ「いいじゃない。 本人がやりたいって言うんだし」

アスカ「こき使ってやれば?」

マリ「きっとあれだよ。 一宿一飯のお礼ってやつ」

マリ「素直に受け取っておきなよ、ワンコくん」

カヲル「まさしく」

カヲル「美しい日本の文化だね、シンジくん」

綾波「…………」

綾波「やっぱり、私も手伝」

シンジ「大丈夫だから、綾波」 ニコ


―――――――――――


ケンスケ「けど……碇」

121: 2013/02/06(水) 17:01:32 ID:pQdRw9OA

シンジ「うん?」

ケンスケ「こう言っちゃなんだけど……」

ケンスケ「式波以外は『手伝おう』という意思は、あるみたいじゃないか?」

シンジ「うん」

ケンスケ「どうして申し出を断るんだ?」

トウジ「せやで。 せっかく差し出してくれた手を、はねのけたらアカン」

シンジ「…………」

ケンスケ「……碇?」

シンジ「…………」

シンジ「こ、ここだけの、話、なんだけど……」

トウジ「おう、なんや?」

122: 2013/02/06(水) 17:02:41 ID:pQdRw9OA

シンジ「前に一度、手伝ってもらって……その」

シンジ「ろくな買い出しが出来なかったから……」

ケンスケ「…………」

トウジ「……まあ……何となく解るわ」

シンジ「アスカは、終始あんな調子で、落ち着きがなくて目が離せないし……」

シンジ「余計なものをカゴに入れるし……」

ケンスケ(……子供か)

シンジ「マリさんとカヲルくんは、何故か解らないけど」

シンジ「体の一部分を僕に押し付けて買い物を邪魔するし……」

トウジ(真希波っちゅーオンナはともかく……あのホ〇野郎は、嫌な汗が出るな……)

シンジ「綾波は、根本的な筋力が足りなくて、荷物をほとんど持てないんだ……」

123: 2013/02/06(水) 17:04:11 ID:pQdRw9OA

ケンスケ「……要するに」

トウジ「連れてっても、役に立たん、ちゅーこっちゃな……」

シンジ「ははは……」

ケンスケ「そういえば、ミサトさんは?」

ケンスケ「あの人なら買い出しくらい出来そうじゃない?」

シンジ「うん……最初は、そうだったんだ」

トウジ「最初は?」

シンジ「担当でそうなっていたんだけど……仕事の折り合いとか、いろいろあって」

シンジ「どうしても不規則になっちゃうんだ」

ケンスケ「ああ~なるほど」

トウジ「それでセンセがやる事になった、ちゅー訳か……」

シンジ「うん。 なんて言うか、流れで?っていう感じ」

124: 2013/02/06(水) 17:04:56 ID:pQdRw9OA

ケンスケ「さて、着いたね。 スーパーに」

トウジ「おっしゃ! ここはワシらが、ひと肌でもふた肌でも脱ぐでぇ!」

シンジ「ありがとう、トウジ、ケンスケ」

ケンスケ「少しくらい多めに買ってもいいぜ? 碇」

トウジ「おう! 荷物持ちは、まかしとき!」

シンジ「そう? ……じゃあ、ちょっとだけお言葉に甘えようかな」 クスッ


―――――――――――


ケンスケ「」

トウジ「」

125: 2013/02/06(水) 17:06:35 ID:pQdRw9OA

     ドサッ

シンジ「じゃあ、この荷物、お願いできるかな?」

トウジ「ちょ、ちょちょちょ、ちょい待ち!」

シンジ「え? やっぱり……嫌になった?」

ケンスケ「い、いや、そうじゃない……けど」

シンジ「けど?」

トウジ「センセの荷物、お米だけでも20キロやないか!?」

ケンスケ「その両手の荷物を合わせたら、30キロは超えるんじゃないの!?」

シンジ「まあ、確かにちょっと重いけど」

シンジ「いつもこんな感じだよ?」

ケンスケ「」

トウジ「」

126: 2013/02/06(水) 17:07:50 ID:pQdRw9OA

ケンスケ「うぐ……ぐ……」

トウジ「ふぬ……ぬ……」

シンジ「~♪」

ケンスケ(……信じられない)

トウジ(あんな荷物しょって、何で鼻歌が出るんや……)

ケンスケ(僕たちの荷物……)

トウジ(せいぜい、あっても10キロくらいやろな……)

シンジ「……あ。 ちょっと歩くペース、早いかな?」

ケンスケ「い、いや。 気にしないでくれ、碇……」

トウジ「そ、そうや! 全然、早い事なんて、あらへんで!」

シンジ「そう? 今日はありがとう、二人とも。 とっても助かるよ」

127: 2013/02/06(水) 17:08:41 ID:pQdRw9OA

ケンスケ「ははは……これくらい、大した事ないよ」

トウジ「そ、そうやで~センセ~」

     ハハハ……

ケンスケ(……ともあれ)

トウジ(ワシらの疑問は……解けたな)

ケンスケ(ごくごく自然に)

トウジ(鍛えられたっちゅー事かぁ……)

シンジ「~♪」



     おしまい

135: 2013/02/07(木) 19:31:46 ID:ZLvCe.Zo

     カン カン カン…

ケンスケ「はあ、はあ、はあ……」

トウジ「ぜえ、ぜえ、ぜえ……」

シンジ「ふう……ふうっ、と……」

ケンスケ「ど、どうして、こ、このマンション……」

トウジ「エ、エレベーターが、な、無いんや……」

シンジ「それは僕も聞きたいよ……」

     ガチャ

シンジ「ただいまー」

アスカ「遅い! 遅い遅い遅い! 遅いわよ! バカシンジ!」

シンジ「ごめん、アスカ」

136: 2013/02/07(木) 19:32:49 ID:ZLvCe.Zo

アスカ「このあたしが! お腹空かせて待ってたんだから、早く夕御飯作りなさい!」

ケンスケ・トウジ「…………」

トウジ(か、階段登った疲労がなければ……)

トウジ(なんか言い返してやるのに……)

ケンスケ(ごめん……碇。 もう元気が、無い……)

シンジ「うん、すぐ取り掛かるよ、アスカ」 ニコ

アスカ「……ふん」 ///

     トテ トテ トテ

綾波「碇くん」

シンジ「ん? 綾波、どうしたの?」

137: 2013/02/07(木) 19:33:26 ID:ZLvCe.Zo

綾波「ご飯、炊いておいた」

シンジ「ああ、そうなんだ……ありがとう、綾波」

シンジ「とっても助かるよ」 ニコ

綾波「……ううん。 大した事、無い」 ///

シンジ「用意が出来たら、呼びに行くから」

綾波「うん……じゃ」 ///

ケンスケ・トウジ「…………」

ケンスケ(……なんだろう)

トウジ(う、羨ましくなんて、あらへんぞ!)

138: 2013/02/07(木) 19:34:45 ID:ZLvCe.Zo

     スタ スタ スタ…

カヲル「やあ、シンジくん。 お帰り」

シンジ「ただいま、カヲルくん」

カヲル「お風呂の掃除は、しておいたから」

カヲル「いつでも汗を流せるよ?」

シンジ「ありがとう、カヲルくん……でも」

シンジ「先にご飯を作らないといけないから、入浴は後かな」

カヲル「それもそうだね」

シンジ「良かったら……トウジとケンスケを、僕の部屋に案内してあげてくれないかな?」

カヲル「ふふ……シンジくんの頼みじゃ、断れないね」

カヲル「わかった、任せてよ」

シンジ「じゃ、お願いするね。 トウジ、ケンスケ、とりあえず僕の部屋でくつろいでてよ」

トウジ「おう、わかったで」

ケンスケ「お世話になります」

139: 2013/02/07(木) 19:37:15 ID:ZLvCe.Zo

     テク テク テク…

マリ「おー、来たんだね」

     ※ マリは、キャミに短パン

ケンスケ・トウジ「!!」 ///

マリ「? どうかしたかにゃ?」

ケンスケ「い、いや……」 ///

トウジ「な、なんもあらへん……」 ///

マリ「そう? あートイレ、トイレ~」

     トテ トテ トテ

ケンスケ「…………」

トウジ「…………」

140: 2013/02/07(木) 19:38:44 ID:ZLvCe.Zo

ケンスケ「えと……渚、くん」

カヲル「なんだい?」

トウジ「あいつ……真希波は、いつもあんな格好でウロチョロしとんのか?」

カヲル「うん」

カヲル「実を言えば、ファーストと、セカンドも、普段はあんな感じ」

トウジ「な、なんやてぇ!?」

ケンスケ(碇……いつもあんな、あられもない姿の女の子を拝んでいるのか……!) ///

トウジ(ブ、ブラの肩紐、見えとったぞ……!?) ///

カヲル「ま、僕には何んの刺激にもならないけどね」

141: 2013/02/07(木) 19:39:30 ID:ZLvCe.Zo

カヲル「じゃ、ごゆっくり」

ケンスケ「ありがとう」

トウジ「すまんのう」

カヲル「ご飯が出来たら呼ぶからね」

―――――――――――

ケンスケ「…………」

トウジ「…………」

ケンスケ「……なんて言うか」

トウジ「……おう」

ケンスケ「どっと……疲れたね」

トウジ「せやな……」

142: 2013/02/07(木) 19:40:29 ID:ZLvCe.Zo

ケンスケ「…………」

ケンスケ「……トウジ」

トウジ「おう?」

ケンスケ「家探し……する?」

トウジ「そんな気力、無いわ……」

トウジ「それに……」

ケンスケ「それに?」

トウジ「探しても無い気がする」

ケンスケ「ああー……確かに」

ケンスケ・トウジ「…………」

ケンスケ・トウジ(オカズが……これだけ近くをうろついてたらなぁ……) ネタニハコマラン……

143: 2013/02/07(木) 19:41:21 ID:ZLvCe.Zo

     コン コン ……ガチャ

綾波「…………」

ケンスケ「……綾波?」

トウジ「どうした? なんか用か?」

綾波「……御飯」

綾波「出来たって、碇くんが……」

ケンスケ「ああ、そうなんだ。 ありがとう、綾波」

トウジ「おう、すまんのう。 すぐ行くわ」

綾波「……じゃ」

     テク テク テク…

トウジ「……相変わらず無愛想やなぁ」

144: 2013/02/07(木) 19:42:29 ID:ZLvCe.Zo

リビング



シンジ「やあ、二人ともお待たせ!」

トウジ「おおおおおおおおおおっ!?」

ケンスケ「こ、これ、全部、碇が一人で作ったの!?」

シンジ「うん、そうだけど?」

トウジ「こ、事も無げに言いよった!」

ケンスケ「改めて、碇がすごいって思うよ……」

シンジ「? さ、そんな事より座って」

シンジ「早く食べよう?」

トウジ「お、おう」

ケンスケ「わかった、碇」

145: 2013/02/07(木) 19:43:49 ID:ZLvCe.Zo

     イタダキマース

トウジ「んまい!」

トウジ「ホンマにセンセの作る料理は、絶品やで!」

アスカ「当然よ」

アスカ「紛いなりにも、このあたしの舌を満足させているんですもの!」 フフン♪

トウジ「……何で式波が偉そうやねん」

シンジ「どうかな? ケンスケ?」

ケンスケ「うん、すっごく美味しいよ! 碇!」

シンジ「良かった」 ニコ

綾波「…………」

シンジ「ご飯の炊き具合はどうかな?」

綾波「……!」

146: 2013/02/07(木) 19:46:08 ID:ZLvCe.Zo

ケンスケ「うん、硬すぎず、柔らかすぎず」

ケンスケ「ちょうどいい感じで美味しい」 ニコ

シンジ「だって、綾波」 ニコ

綾波「あ……ありがとう」 ///

綾波(これは……何?) ///

綾波(私……カメラの人に、ポカポカしてる?) ///

綾波(…………) ///

綾波(ううん、碇くんと同じじゃない) ///

綾波(でも……) ///

綾波(嫌な気持ちじゃない) ///

綾波(これは……嬉しい?という気持ち?) ///

147: 2013/02/07(木) 19:47:04 ID:ZLvCe.Zo

ケンスケ「……何か、考え込んでるみたいだけど?」

シンジ「大丈夫だよ。 きっと、喜んでると思う」 クスッ

マリ「きゃほー! 今日もワンコくんのご飯が美味しいにゃー!」

カヲル「全くだね」

カヲル「僕にとっては、シンジくんが作ってくれる、というそれだけで」

カヲル「最高の料理だよ……」 フッ…

シンジ「あ、ありがとう、カヲルくん」

     ターダイマー

シンジ「あ、ミサトさんだ」

アスカ「おかえりー、ミサト」

148: 2013/02/07(木) 19:48:15 ID:ZLvCe.Zo

ミサト「おっ! ちょうどご飯だったのね」

ミサト「いい時に帰ってきたわ♪」

シンジ「はい、ミサトさん。 いつものビールです」

ミサト「んー! 今日もシンジくん、気が利いてるぅ~」

ミサト「じゃ、ちょっち着替えてくるね!」

ケンスケ「…………」

トウジ「…………」

マリ「ん? 二人とも、どうかしたかにゃ?」

ケンスケ「いや……別になんでもないよ」

トウジ「ワシもや」

マリ「そう? ……まあ、いいけど」

アスカ「何でもないなら、言いなさいよ」

149: 2013/02/07(木) 19:49:13 ID:ZLvCe.Zo

カヲル「その通りだね」

カヲル「それに、隠し事は良くないよ?」

ケンスケ「隠し事って訳じゃないんだけど……」

トウジ「なんちゅうか……」

綾波「?」

ケンスケ「一言で言うなら……」

トウジ「オカンみたいやなぁ……って思うたんや」

シンジ「ああ……確かにミサトさん……」

トウジ「ちゃう……そうやない」

シンジ「へ?」

150: 2013/02/07(木) 19:50:37 ID:ZLvCe.Zo

ケンスケ「碇が、だよ……」

トウジ「センセが、オカンみたいや、言うとるねん」

     シーン……

アスカ「…………」

アスカ「…………っぷ」

アスカ「アハハハハハハッ!!」

シンジ「ア、アスカ!?」

マリ「ハハハッ! そーだねー!」

マリ「確かにワンコくん、おかーさんだにゃー!」

シンジ「ちょ、ちょっと待ってよ!」

シンジ「じゃあミサトさんは……!」

トウジ「オトンやな」

     ドッ! アハハハハハハッ!

151: 2013/02/07(木) 19:51:51 ID:ZLvCe.Zo

アスカ「く、苦しい~!!」

綾波「??」

カヲル「やれやれだね」

ミサト「おっ? なんか賑やかね~どうしたの?」

マリ「おとーさんがきたにゃー」

ミサト「は?」

アスカ「や、止めて、コネメガネ~!!」

     アハハハハハハ……

―――――――――――

シンジ「全く……酷いよ二人とも」

152: 2013/02/07(木) 19:52:46 ID:ZLvCe.Zo

トウジ「すまん……コケにするつもり、なかったんやけど」

ケンスケ「素直にそう思っちゃって……」

シンジ「……余計に酷いよ」

     コン コン

マリ「ワンコくん、お風呂空いたにゃー」

シンジ「あ、うん。 わかった」

マリ「早く行きなよ~」

     テク テク テク…

シンジ「どうする? 二人も入るかい?」

トウジ「……せやな。 せっかくやし、ワシはセンセの後に入るわ」

ケンスケ「じゃあ、僕はトウジの後で」

シンジ「わかった。 じゃ、先に行くね」

153: 2013/02/07(木) 19:53:35 ID:ZLvCe.Zo


―――――――――――


シンジ「トウジ、お待たせ。 どうぞ」

トウジ「おう、じゃ入らせてもらうで~」

シンジ「バスルームまで案内するよ」

トウジ「すまんのう、センセ」


―――――――――――


トウジ「じゃ、行ってくるわ」

シンジ「うん、ごゆっくり」

154: 2013/02/07(木) 19:54:49 ID:ZLvCe.Zo

トウジ「~♪」 ヌギ ヌギ

トウジ「……?」 ヌ…

トウジ「あれ? 洗濯カゴが二つある?」

トウジ(まあ、ワシは着替えが無いから、入れる必要はないけど……)

トウジ(なんで、二つも……)

トウジ「はっ!」

トウジ(そ、そうや! こ、この家には、美少女が3人+美女が一人おる!)

トウジ(と、という事はっ!!)

トウジ(このどちらかが、女子用の洗濯カゴっちゅう訳や!) ///

トウジ(…………) ///ゴクッ…

トウジ(アカン!) ///

トウジ(ワシは……ワシは! なんちゅう事を考えとるんじゃぁあああああ!) ///

トウジ(せえへん! ワシは、そんな事、せえへんぞぉぉっ!!) ///

155: 2013/02/07(木) 19:55:59 ID:ZLvCe.Zo


―――――――――――


トウジ「……ただいま」 ズーン…

シンジ「おかえり……って、どうしたの?」

トウジ「な、何でもあらへん……」 ズーン…

シンジ「???」

ケンスケ「じゃあ、次は僕だね」

シンジ「案内するよ」


―――――――――――


156: 2013/02/07(木) 19:57:15 ID:ZLvCe.Zo

ケンスケ「…………」 ズーン…

トウジ「…………」 ズーン…

シンジ「ど、どうしたの? 二人とも?」

シンジ「何だか元気が無いけど……」

ケンスケ「いや……何でもないよ……碇」

トウジ「センセ……ほっといてくれ……」

シンジ(お風呂で何があったんだろう……?)

シンジ「えと……そうだ! アイスでも食べるかい?」

トウジ「……せやな、もらおうかな」

ケンスケ「……僕もいいかい?」

シンジ「もちろん! じゃ、ちょっと待ってて」

     スタ スタ スタ…

ケンスケ・トウジ「…………」

157: 2013/02/07(木) 19:58:58 ID:ZLvCe.Zo

トウジ「……のう、ケンスケ」

ケンスケ「……うん」

トウジ「見たか?」

ケンスケ「……見てない」

トウジ「即答したら嘘って解る」

ケンスケ「……トウジも見たのか」

トウジ「…………」

トウジ「ただの布切れ、やのになぁ……」

トウジ「何であないに興奮してまうんや……」

ケンスケ「僕は……人様の家の風呂場で、なんて事をしてしまったんだ……」

トウジ「ワシも罪悪感でイッパイや……」

ケンスケ・トウジ「はあ……」

158: 2013/02/07(木) 20:00:31 ID:ZLvCe.Zo

台所

(冷蔵庫) ガサゴソ ガサゴソ



シンジ「……あれ? おかしいな」

アスカ「何してるのよ、バカシンジ」 シャグッ ムシャムシャ

シンジ「アイスを探して……って!」

シンジ「それだよ、僕が探してたのは……」

アスカ「そうなの?」 シャグッ ムシャムシャ

シンジ「そうなの? じゃないよ……まったく」

シンジ「一度に3個も食べたら、お腹壊すよ? アスカ」

アスカ「このあたしが、そんなに意地汚いわけ無いでしょ! ケンカ売る気!?」

シンジ「ケンカは売らないけど、じゃあ誰が……って」

159: 2013/02/07(木) 20:01:54 ID:ZLvCe.Zo

マリ「にゃははー……ごめん、ワンコくん」 シャグッ ムシャムシャ

カヲル「風呂上がりのアイスは至高だよ……罪深い程にね」 シャグッ ムシャムシャ

シンジ「…………」

シンジ「もう、いいや……ちょっと出かけて買ってくる……」 ハア…

綾波「碇くん」

シンジ「ん?」

綾波「私も一緒に行っていい?」

シンジ「綾波が?」

綾波「迷惑?」

シンジ「ううん……そんな事はないけど」

シンジ「欲しい物があるのなら、ついでに買ってくるよ?」

160: 2013/02/07(木) 20:02:56 ID:ZLvCe.Zo

綾波「いいの」

綾波「自分の……『気分』で決めたいから」

シンジ「綾波……わかった。 それじゃ一緒に行こう」

綾波「うん」 ///

アスカ「…………」 イライラ

マリ「姫も一緒に行けばー?」

アスカ「はあ!? 何であたしが!?」

カヲル「やせ我慢は、心にも体にも良くないよ?」

アスカ「だから何も我慢なんて、してないって! ホ〇ル!」

マリ(姫はホント、からかいがいが、あるにゃ♪)


―――――――――――


161: 2013/02/07(木) 20:04:22 ID:ZLvCe.Zo

ケンスケ「…………」

トウジ「…………」

ケンスケ「碇、遅いね?」

トウジ「ほんまやな……どないしたんや?」

     コン コン

マリ「やほー、クラスメイトの諸君」

ケンスケ「!?」

トウジ「ま、真希波!?」

マリ「ぬふふ……ワンコくんは、アイスを買いに出かけたのだ!」

ケンスケ「え!?」

トウジ「センセ……無いなら無いで、ええのに……」

162: 2013/02/07(木) 20:05:34 ID:ZLvCe.Zo

マリ「まあそんな訳で」

マリ「トランプでもして、暇を潰さない?」

トウジ「ほお? 意外に気が利くやんか、真希波」

マリ「意外は余計だにゃー」

ケンスケ「でも、面白そうだね。 やろうよ、トウジ」

トウジ「おう! もちろんや!」

マリ「じゃ、リビングに来て。 みんなも誘うにゃ♪」

トウジ「みんなて……式波やホ〇ルも居るんかいな」

マリ「姫はすぐに顔に出るから、いいカモだよん」

ケンスケ「式波をカモに出来ても、後が怖いなぁ……」


―――――――――――


163: 2013/02/07(木) 20:27:24 ID:ZLvCe.Zo

外の道



     テク テク テク…

シンジ「…………」

綾波「…………」

シンジ「…………」

綾波「…………」

シンジ「…………」

綾波「…………」

シンジ「……そういえば」

綾波「?」

シンジ「綾波は、何を買うつもりなの? 気分で決める、とか言ってたけど……」

164: 2013/02/07(木) 20:28:29 ID:ZLvCe.Zo

綾波「飲み物」

綾波「冷えていれば、同じかもしれない」

綾波「けど」

綾波「緑茶かストレートティーかは、甲乙つけがたい」

シンジ「へえ……」

シンジ(綾波は、水だけで満足してたと思ってたけど)

シンジ(自分の『好み』が出来たのかな……)

綾波「……それから」

シンジ「ん?」

綾波「あれをやってみたい」

シンジ「あれ? あれって何?」

165: 2013/02/07(木) 20:29:27 ID:ZLvCe.Zo

綾波「…………」

綾波「……どう言えばいいのか、解らない」

シンジ「……? ”やる”って事は、何かの行動なの?」

綾波「…………」 コクッ

シンジ「ひょっとして……誰かの真似?」

綾波「…………」 コクッ

綾波「よく見るのは、葛城三佐」

綾波「時々、弐号機の人と、メガネの人」

シンジ「ミサトさんに、アスカとマリさん……?」

綾波「それから、たまに碇くん」

シンジ「僕も? ……わからないな」

166: 2013/02/07(木) 20:30:21 ID:ZLvCe.Zo

シンジ「ちょっと、やって見せてくれる?」

綾波「え?」

シンジ「まあ、練習のつもりで」

綾波「…………」 ///

綾波「え、えと……こんな感じ……」 ///スッ…

シンジ(……コップ?を口に運んで……飲み干して……)

綾波「……ふ、フはぁ~」 ///

シンジ「…………」

綾波「こ、これをやってみたい」 ///

シンジ「…………ふ」

シンジ「アハハハハハハ!」

綾波「!?」

167: 2013/02/07(木) 20:31:21 ID:ZLvCe.Zo

シンジ「く、ふふふっ……ご、ごめん、綾波」

綾波「…………」

シンジ「本当にごめん、綾波。 それは、別段、恥ずかしい事でも何でもないから」

綾波「……本当?」

シンジ「もちろん」

綾波「…………」

綾波「……でも、碇くんは笑った」

シンジ「だからごめんって」

シンジ「それに、ミサトさんも アスカも マリさんも 僕も」

シンジ「普通にやってるだろ?」

綾波「うん」

168: 2013/02/07(木) 20:32:16 ID:ZLvCe.Zo

シンジ「僕がつい笑っちゃったのは……」

シンジ「綾波が『可愛い』って思ったから」 ニコ

綾波「!?」 ///ドキッ

綾波(この気持ちは、何!?) ///

シンジ「? どうしたの? 綾波?」

綾波「な、何でも無い……」 ///

綾波(……だめ) ///

綾波(碇くんの顔が……見れない……) ///

綾波(どうして……? 胸だけじゃない) ///

綾波(私の顔も、ポカポカしてる……) ///

シンジ「?」

169: 2013/02/07(木) 20:32:50 ID:ZLvCe.Zo

     イラッシャイマセー

シンジ「さて……どんなアイスを買うかな?」

シンジ「これとこれと……これはアスカが気に入ってたっけ」

綾波「…………」 ///

シンジ「綾波は、どんな飲み物を買うか、決まった?」

綾波「!? ……う、うん」 ///

綾波「…………」 ///

綾波「……私も」 ///

綾波「冷たいアイスにする」 ///

シンジ「そう? じゃ、買って帰ろうか」

綾波「うん」 ///

170: 2013/02/07(木) 20:37:40 ID:ZLvCe.Zo

リビング



トウジ「だれじゃあ! ハートの9、止めてんのわぁ!」

アスカ「知らないわよ」

マリ「私じゃないにょー」

カヲル「それを探るのも、楽しみの一つじゃないかな?」

ケンスケ「ジョーカーは、誰が持ってるの?」

マリ「それは私~」


ミサト「7並べかぁ~。 懐かしいわね~」 グビグビ

ミサト「ぷはぁー!」

171: 2013/02/07(木) 20:39:09 ID:ZLvCe.Zo

トウジ「だー! もうパスがないっ! 首吊ったぁ!」

アスカ「はい、ジャージ殺せたァ」 ニヤニヤ

トウジ「おどれかぁ! 式波ぃ!」

アスカ「うっさいわねぇ。 氏人は喋らないの」

マリ「ほーい、クラブの5、持ってる人~。 大人しく出したまえ~」

ケンスケ「ちぇ~」

カヲル「ジョーカーは、どうするんだい?」

ケンスケ「このまま封じるよ」

アスカ「えー! ダイヤの9、引き出したかったのにぃ!」

     タダイマー

ケンスケ「お? 碇達、帰ってきた」

172: 2013/02/07(木) 20:39:59 ID:ZLvCe.Zo

シンジ「あれ? トウジ? って言うか、みんなリビングに居るんだ」

綾波「? 何をしているの?」

トウジ「おう、7並べや」

綾波「7ならべ?」

ケンスケ「トランプのゲームだよ」

綾波「トランプ??」

アスカ「毎度の事だけど……そこから教えないとダメなのね……」

―――――――――――

マリ「よし、ここはファーストの事を考えて」

マリ「神経衰弱をしよう!」

綾波「ごめんなさい、メガネの人」

173: 2013/02/07(木) 20:41:11 ID:ZLvCe.Zo

ケンスケ「いやいや、気にする事は無いよ」

ケンスケ「誰にだって初めてはある」

ケンスケ「それが、遅いか、早いか、の差があるだけさ」

アスカ「へえ、モブキャラのくせに、いい事言うじゃない」

ケンスケ「モブキャラ言うなぁ!!」

マリ「はいはい、始めるよー」

カヲル「じゃ、さっきの7並べで勝った、セカンドから時計回りに行こう」

アスカ「ちょっと! どうしてあたしからなのよ!?」

シンジ「いいじゃない、アスカ。 少しハンデをくれても」

アスカ「…………」

アスカ「ふん……それもそうね」

トウジ(センセは、式波の操縦が上手いなぁ)

174: 2013/02/07(木) 20:42:16 ID:ZLvCe.Zo

シンジ「7……と5か。 残念」

シンジ「はい、綾波の番だよ」

綾波「うん、碇くん」

     スッ スッ パッ

トウジ「お、それを取られたか」

     スッ スッ パッ

アスカ「あーもう、それ覚えてたのに……」

     スッ スッ パッ

ケンスケ「あ……11、そんな所にあったんだ」

     スッ スッ パッ

マリ「ほえ~……ファーストは凄い記憶力にゃー」

     スッ スッ パッ……

175: 2013/02/07(木) 20:43:19 ID:ZLvCe.Zo

シンジ「…………」 チョロ

ケンスケ「…………」 ヘロ

アスカ「…………」 チョビ

トウジ「…………」 カラッ

マリ「…………」 ペラ

カヲル「…………」 スカ


綾波「…………」 ドッサリ


ミサト(すごいわね……レイ)

ミサト(さっきまでの盛り上がりが、嘘みたい……)

176: 2013/02/07(木) 20:44:13 ID:ZLvCe.Zo

綾波「ごめんなさい」

綾波「こういう時、どんな顔をすればいいのか、わからないの」

ケンスケ「いや……」

シンジ「気にしなくてもいいよ……」

トウジ「ワシらも……」

アスカ「どういう顔をしたらいいか」

マリ「わかんないにゃ……」

カヲル「だね」


ミサト(ここは、助け舟を出しますか……)

ミサト「トランプかぁ。 子供の頃はババ抜きとかやったなぁー(棒)」

177: 2013/02/07(木) 20:45:28 ID:ZLvCe.Zo

トウジ「せや! ババ抜き! あれなら超初心者でも出来る!」

トウジ「さっすが、ミサトさんやで!」

ミサト「いやいや♪」

アスカ「伊達に年食ってないわね」

ミサト「アスカー。 お小遣い、減らされたいのー」

アスカ「経験による、素晴らしい考察ね!」

ミサト「よろしい」 グビグビ

綾波「ババ抜き……」

シンジ「大丈夫、ホントに簡単なルールだから」

綾波「うん」

178: 2013/02/07(木) 20:46:40 ID:ZLvCe.Zo


―――――――――――


ケンスケ「よし! 一抜け!」

シンジ「二抜けかな」 クスッ

綾波「えと……三抜け」

マリ「ふい~四抜けだにゃ~」

カヲル「何とか、五抜けだね」 フウ…


トウジ「くそぉ……なんでや」

アスカ「……これで五回連続、あんたとあたしが残ったわね」


一同(二人とも、顔に出すぎ)

179: 2013/02/07(木) 20:47:38 ID:ZLvCe.Zo

アスカ「さあ……早く選びなさいよ」

トウジ「わかっとるわ……こっちじゃ!」

アスカ「ざ~んねんでした!」

トウジ「くっ……! ほな今度は、お前や、式波!」

アスカ「……」 ムー…

アスカ「こっち!」

トウジ「ハズレじゃあ!」


ケンスケ(で……これが長引くんだよね)

カヲル(最初は面白かったけど……)

マリ(そろそろ、飽きてきたにゃ……)

180: 2013/02/07(木) 20:48:35 ID:ZLvCe.Zo

シンジ「そうだ、ケンスケ」

ケンスケ「ん?」

シンジ「うっかり忘れてたけど……買ってきたアイス、食べる?」

ケンスケ「ああ、そういえば……じゃあ、もらおうかな?」

シンジ「わかった」

シンジ「トウジは?」

トウジ「後にしてくれ!」

ケンスケ「ほっとけよ、碇」

シンジ「そうだね」 クスッ


―――――――――――


181: 2013/02/07(木) 20:49:50 ID:ZLvCe.Zo

ミサト「はーい、みんなー。 もう遅い時間よー」

ミサト「明日は休日だけど、不規則な生活態度は良くないわ」

ミサト「そろそろ寝なさい」

     ハーイ

―――――――――――

シンジ「二人とも、ちょっと狭いけど……布団、こんな感じでいいかな?」

トウジ「もちろんやで、文句なんて言わへん」

ケンスケ「突然訪ねたのは、こっちだしね」

シンジ「少し驚いたけど、今日は楽しかった」

シンジ「じゃ、電気消すね?」

トウジ「おう」

ケンスケ「いいよ」

182: 2013/02/07(木) 20:50:41 ID:ZLvCe.Zo

     パチン……

シンジ「…………」

ケンスケ「…………」

トウジ「…………」

トウジ「それにしても、センセは凄いなぁ……」

シンジ「ん?」

トウジ「買い出しに料理……何よりも、それに文句を言わへんとこ」

シンジ「まあ……気がついたらやってたって、感じなんだけどね」

ケンスケ「それでもすごいよ、碇」

トウジ「せやで。 センセは、もっと自信を持ってええで」

シンジ「嬉しいけど、ちょっとくすぐったい……」 ///

     ハハハ……

183: 2013/02/07(木) 20:51:25 ID:ZLvCe.Zo

アスカ「…………」

     コン コン

アスカ「!?」

アスカ「……誰?」

綾波「私……弐号機の人」

アスカ「エコヒイキ? ……何の用?」

綾波「…………」

綾波「一緒に」

綾波「眠りにつきたい」

アスカ「は?」

184: 2013/02/07(木) 20:52:33 ID:ZLvCe.Zo

アスカ「…………」

綾波「…………」

アスカ「理由を聞いてもいい?」

綾波「…………」

綾波「今日は……みんなといろいろした」

アスカ「うん」

綾波「でも」

綾波「一人になったら、静かだった」

アスカ「当たり前じゃない」

綾波「…………」

綾波「それが……どうしてか、嫌な気持ちになる」

アスカ「……!」

綾波「それが理由」

185: 2013/02/07(木) 20:53:43 ID:ZLvCe.Zo

アスカ「…………」

     ガチャ

綾波「……!」

アスカ「いいわ。 入って」

綾波「弐号機の人……」

マリ「にゃっほー……って、おりょ?」

マリ「珍しいわねぇ、ファーストが居るじゃありませんか」

アスカ「どっから湧いてくんのよ、コネメガネ」

綾波「メガネの人」

マリ「まあまあ、いいじゃない」

マリ「今日だけは一人で寝るの、寂しいしさ」

186: 2013/02/07(木) 20:55:03 ID:ZLvCe.Zo

綾波「! ……寂しい」

マリ「ファーストもそうなんでしょ? ね、姫~一緒に寝ようよ~」

アスカ「あ~もう、わかったから、猫なで声出さないで」

―――――――――――

マリ「じゃ、お休み~」

綾波「お休みなさい」

アスカ「お休みー」

     …………

綾波(…………)

綾波(寝息が聞こえる)

綾波(…………)

綾波(これは、弐号機の人の? メガネの人の?)

綾波(どうしてか……安心する)

187: 2013/02/07(木) 20:56:59 ID:ZLvCe.Zo

綾波(…………)

綾波(以前は、感じる事のなかった気持ち……)

綾波(それは、とても不安で、凍りつく様な静寂)

綾波(それが……寂しい?)

綾波(…………)

綾波(弐号機の人……)

綾波(ありがとう)

綾波(…………)

―――――――――――

カヲル(シンジくん……僕も寂しいのに) クスン… ←やんわりと断られた



     おしまい

189: 2013/02/07(木) 21:00:12 ID:ZLvCe.Zo
何か、考えてたよりも、かなり長くなってしまった……。
お付き合い、ありがとうございました。

195: 2013/02/08(金) 21:02:37 ID:WXiUrlyM
…葛城宅 リビング…

ミサト「…みんなに話しておくことがあります」

シンジ「珍しいですね、リビングに全員集めるなんて」

綾波「」コクコク

マリ「さてさて、一体どんな話やら?」

カヲル「さぁ?」

アスカ「………」

ミサト「北米から輸送されてきたエヴァ三号機の起動実験が今度の週末、松代で行われることになりました」

ミサト「パイロットは、アスカ」

シンジ・綾波・マリ・カヲル「!?」

アスカ「…フン、当然よね」

196: 2013/02/08(金) 21:03:26 ID:WXiUrlyM
シンジ「三号機って…、確か同型の四号機は北米で爆発事故を起こしたって」

マリ「そんな危ないに姫乗せて大丈夫なの?」

ミサト「四号機はまた特殊な機体よ、厳密にいえば三号機は二号機に近いわ」

ミサト「もちろん、リツコと技術班が総出で機体の解析を行っています」

ミサト「万が一があっても困るので」

アスカ「ま、あたしが乗るんだから、キッチシガッチシやってもらわないとね」

カヲル「そういう君は不安を感じないのかい?」

アスカ「だってあたし以外にパイロット候補いないじゃない」

アスカ「バカシンジとエコヒイキには機体がある」

アスカ「ホ〇ルも一緒、月にだけど」

アスカ「コネメガネは機体ない、けど実戦経験はあたしの方が上だし」

綾波「でも二号機の人には」

アスカ「今二号機は凍結中、つまりあたしは今機体が空くのを待ってる状態なのよ」

ミサト「そういうわけだから、今度の週末は私とアスカは家を開けます」

シンジ「…わかりました」

197: 2013/02/08(金) 21:05:06 ID:WXiUrlyM
アスカ「何よ、乗らないあんたが不安になってんの?」

シンジ「そ、そりゃそうだよ」

マリ「リョウジから聞いたけど、北米から押しつけられた"曰く付き"の品でしょ?」

マリ「あやしさムンムンじゃん」

カヲル「君に好意を抱くかどうかは別にして、同じパイロットとしては心配するよ」

アスカ「…ったく、アンタ達てほんっと愚図ね」

綾波「愚図?」

マリ「要は使えないやつねってこと」

アスカ「このあたしが乗るのよ? このあ・た・し・が!!」

アスカ「万が一どころか、兆が一だって起こり得ないわよ」

シンジ「だけど」

アスカ「あーもう!! アンタ達はあたしの華麗な帰宅を待ってりゃいいの!!」

アスカ「月曜には戻るんだから、そんときはご飯、奮発しなさいよ!?」

シンジ「う、うん…」

198: 2013/02/08(金) 21:05:47 ID:WXiUrlyM
マリ(…ま、何も起こらないとは思うけどね)

カヲル(ただ胸騒ぎがおさまらないね、取り越し苦労だといいけど…)

綾波(二号機の人…)

シンジ(アスカ、大丈夫かな…?)

199: 2013/02/08(金) 21:06:56 ID:WXiUrlyM
…週末…

アスカ「んじゃ行ってくるわ」

マリ「いってらっしゃ~い」

綾波「いってらっしゃい」

カヲル「もう帰ってこなくてもい」

ガシ(カヲルの頭にアイアンクロー)

アスカ「今なんて?」ニギニギ

カヲル「お早い御帰宅をお待ちしております、お嬢様」

アスカ「よろしい」パッ

シンジ「気をつけてね」

アスカ「ハイハイ」

シンジ「あ、アスカ!」

アスカ「何よ? まだなんかあるの?」

200: 2013/02/08(金) 21:08:29 ID:WXiUrlyM
シンジ「帰宅した時のご飯、何が良い?」

アスカ「…ハンバーグ」

シンジ「また?」

アスカ「あたしが主役でしょ! 文句ある!?」

シンジ「…無いよ」

アスカ「もう、ホンっトに心配症ね…」

ミサト「しょうがないわよ、みんなアスカのこと大好きだもん」

アスカ「フン! 人気者はつらいわね(喜)」

マリ(姫は平常運転)

アスカ「コネメガネ、今余計なこと考えたでしょ!?」

マリ「うを!? なぜばれた!?」

アスカ「アンタねぇ~!(怒)」

ミサト「はいはいはい! 仲がいいのはいいけど時間押してるんだら、行くわよ!」

201: 2013/02/08(金) 21:09:55 ID:WXiUrlyM
アスカ・ミサト出発後

マリ「行っちゃったね」

シンジ「そうだね」

カヲル「しかし、彼女がいないとこうも部屋の中が静かになるものかと…」

シーン

綾波「…そうね」

マリ「なんだかんだで姫からかってからの話とかって多かったもんね、今まで」

カヲル「彼女がいないと、シンジ君を襲うガーディアンがいなくて逆に燃えないよ」

シンジ(そのまま完全に鎮火してほしい…)

202: 2013/02/08(金) 21:10:21 ID:WXiUrlyM
カヲル「…いや待てよ、ここでいっそシンジ君を寝取ってしまえば…」

綾波「寝取るって何?」

マリ「寝取るって言うのは」

シンジ「マリさん答えなくていいです! 内容知りたくありません!!」

マリ「え~」

シンジ「悪寒がします」

マリ「ちぇ、つまんないの」ブーブー

シーン

マリ(ウワ話が盛り上がんねー)

203: 2013/02/08(金) 21:11:26 ID:WXiUrlyM
…松代(アスカ プラグスーツ着替え&電話中)…

アスカ「みんな心配してたわね」

ミサト『そうね』

アスカ「まったくさ、たかがテストでなんであんななのよ」

アスカ「あきれてものが言えないわ」

ミサト『それだけあなたが、みんなに必要とされてるってことよ。この間も言ったけど』

アスカ「有能な人間のところには、やっぱり迷える子羊が来るわけね」

ミサト『そうかもしれないわね』

アスカ「でもさ、あたしも案外迷える子羊かもしれないわ」

204: 2013/02/08(金) 21:12:04 ID:WXiUrlyM
ミサト『あら、普段自信満々なアスカらしくない発言ね?』

アスカ「だって、ここのところずっと5人で行動してたんだもん」

アスカ「たった2,3日とはいえ、なんか周りがスースーするのよね…」

アスカ「バカシンジ達がいないってだけで」

ミサト『さみしい?』

アスカ「かもね? よくわかんない」

ミサト『だったら、とっとと終わらせて帰りましょう? 我が家へ』

アスカ「当然! このあたしがやるんだから、予定ガンガン繰り上げるわよ!」

205: 2013/02/08(金) 21:12:51 ID:WXiUrlyM
…葛城宅 4人で昼食…

シンジ「」モグモグ

綾波「」モクモク

マリ「」パクパク

カヲル「」モシャモシャ


マリ(うちらって姫がいないだけでこんなに空気変わるんだ…)

マリ(いつもはもっと明るい空気なのに…)

マリ(息苦しいったらありゃしない…)

206: 2013/02/08(金) 21:13:39 ID:WXiUrlyM
シンジ「…もう起動実験始まりましたかね?」

カヲル「タイムテーブル見てないから、わからないよ」

シンジ「だよね…」

綾波「心配?」

シンジ「…正直少し」

綾波「碇君」

シンジ「何?」

綾波「二号機の人の代わりに私が行っていたら、心配、する?」

シンジ「そりゃするよ。マリさんが行ったって、カヲル君が行ったって心配するよ」

綾波「そう」

シンジ「別に、アスカだから、綾波だからって特別な心配はしない」

シンジ「友達としては、心配だよ」

綾波「そう」

207: 2013/02/08(金) 21:14:15 ID:WXiUrlyM
マリ「わんこ君やさしいにゃ~」

カヲル「そこがシンジ君のいいところさ♪」

綾波「知ってる」

シンジ・マリ・カヲル「え?」

綾波「碇君といるとポカポカする」

綾波「その原因は、たぶん碇君が優しい人だから」

綾波「二号機の人とは違うけど、優しい人だから」

シンジ(綾波って、こんなこと言うようになったんだ…)

マリ(変化が著しいニャ。この間の姫と私との川の字寝といい…)

カヲル(変わるきっかけは、どこにでも転がっているってことか…)

208: 2013/02/08(金) 21:15:01 ID:WXiUrlyM
トゥルルルル! ガチャ(固定電話 受話器取る)

シンジ「はい、葛城です」

シンジ「え」

綾波「?」

マリ「?」

カヲル「?」

シンジ「松代で事故…!?」

綾波「!」ガタッ

マリ「!」ガタッ

カヲル「!」ガタッ

209: 2013/02/08(金) 21:15:59 ID:WXiUrlyM
シンジ「わかりました! すぐNERVへ行きます! みんなここにいますし!」

ガチャ(受話器置く)

綾波「碇君」

マリ「何があったの!?」

シンジ「松代で爆発があったみたい! パイロットはすぐNERVへ集合だって!!」

カヲル("彼"の仕業だな、こりゃ…。まったく、嫌な予感ほど良く当たる…)

210: 2013/02/08(金) 21:17:00 ID:WXiUrlyM
…エヴァ初号機エントリープラグ内…

シンジ「戦闘配備って…、松代のミサトさん達は大丈夫なんですか?」

青葉『問題無い、すでに救助は始まっている』

シンジ「でも、作戦部長のミサトさんがいないのにどうやって戦えばいいのか…」

日向『指揮系統に支障はないよ、今は碇指令が直接指揮を執ってる』

シンジ「父さんが?」

シンジ(父さんが直接指揮を…?)

シンジ(…ミサトさん達大丈夫かな…?)

シンジ(アスカ…)

211: 2013/02/08(金) 21:18:20 ID:WXiUrlyM
…エヴァパイロット用待機室…

綾波「」

マリ「」

カヲル「」

マリ「…ねぇ」

カヲル「なんだい?」

マリ「ホ〇君は、現状をどう見る?」

212: 2013/02/08(金) 21:19:00 ID:WXiUrlyM
カヲル「松代の実験施設で爆発事故が発生した」

カヲル「加えて使徒の接近を確認」

カヲル「この二つの事象が、関係していない事を裏付ける材料の方が少ないよ」

マリ「だよねぇ…」

綾波「松代で事故が発生した要因は」

カヲル「おそらく使徒が絡んでいるに違いない」

マリ「ただ気になるのはあそこには三号機があった」

綾波「使徒の形態は不明。物理的な何かであれば、おそらく迎撃は可能」

カヲル「ただ迎撃された様子はない。そういった情報もNERVには入ってきていないみたいだし」

213: 2013/02/08(金) 21:19:59 ID:WXiUrlyM
綾波「三号機の起動に時間がかかった?」

マリ「姫が乗ってるんだから、そんなヘマをするはず無いよ」

カヲル「仮に時間がかかったとしても、エヴァ起動後に追いかければいい。使徒の目的はあくまで地下のリリスだし」

カヲル「それにうちはプロばかりだよ? 無理にでも起動して迎撃したはずだ」

マリ「…ってなると一番考えられるのは…」

綾波「…三号機が?」

カヲル「使徒に汚染された場合、だね。…最悪なパターンだけど」

214: 2013/02/08(金) 21:20:54 ID:WXiUrlyM
マリ「………」イライラ

カヲル「…さっきからなんの通信も入ってこないね」

綾波「」

マリ「………じれったいなぁ…」イライラ

カヲル「状況が芳しくないのは明らかだね。これは」

綾波「心配?」

マリ「あたりまえじゃん!!」

綾波「私も」

カヲル「僕も一緒さ」

マリ・綾波・カヲル「………」

215: 2013/02/08(金) 21:21:42 ID:WXiUrlyM
マリ「…この部屋ってロックかかって無かったよね?」チラ

カヲル「万が一何かあっても良いように、ね」チラ

ポチッ プシュ(ボタンひとつでドアオープン)

綾波「開いた」

マリ「第一発令所に行くにゃ!」

カヲル「ここは行くべきだね」

綾波「二号機の人のこと、碇君のこと、心配だから」

マリ「満場一致! 行くべし!!」

216: 2013/02/08(金) 21:22:39 ID:WXiUrlyM
…同時刻 エヴァ初号機…

シンジ「これが、これが使徒ですか!?」

ゲンドウ『そうだ。あれが敵だ』


ズシン… 

ズシン…

ズシン…

エヴァ三号機「………」ギロ

シンジ「エヴァじゃないですか!?」

217: 2013/02/08(金) 21:23:26 ID:WXiUrlyM
ゲンドウ『違う、それは使徒だ。我々の敵だ』

シンジ「そ、そんなこと言ったって…。 ! あれは?」

シンジ(エントリープラグ…、まだ機体内に残ってる!?)

シンジ(ってことはまだ中に乗ってるんだ)

シンジ(パイロットは)

シンジ「アスカ!?」

エヴァ三号機「」(姿勢を低くして四つん這いになる)

シンジ「アスカ! アスカなんだろ!? 返事をしてよ!!」

エヴァ三号機「…グ」

シンジ「アスカっ!!」

エヴァ三号機「グォオォォォォォオォォッ!」(頸部ジョイント破損、ジャンプ⇒初号機へのひざ蹴り)

シンジ「う、ああぁぁぁっ!?!?」(ひざ蹴りヒットで転倒、三号機に馬乗りにされる)

エヴァ三号機「オオォォォオオォォォ」(初号機の首を絞める)

シンジ「グァハァッ…!!」(首に絞められる跡)

218: 2013/02/08(金) 22:05:36 ID:4KGoGt/o
…第一発令所…
マヤ「頸部に損傷! 浸食されています!!」

冬月「いかん、神経接続はカットしろ!」

ゲンドウ「まて」

冬月「しかし碇、それではパイロットがもたんぞ!?」

ゲンドウ「シンジ、なぜ戦わない?」

シンジ『で、できないよ! 人頃しなんてできないよ!!』

ゲンドウ「お前が氏ぬぞ」

シンジ『良いよ! アスカを頃すよりはいい!!』

ゲンドウ(…肝心な時に役に立たんとは…)

219: 2013/02/08(金) 22:08:24 ID:4KGoGt/o
ゲンドウ「構わん、初号機の制御をダミーシステムに移行しろ」

マヤ「し、しかし! ダミーシステムはまだ問題も多く」

マヤ「赤城博士の指示もなく…」

ゲンドウ「今のパイロットよりは役に立つ」

ゲンドウ「やれ!」

???「ちょぉぉぉっとまったぁっ!!」

マヤ「!?」

青葉「!?」

日向「!?」

冬月「!?」

ゲンドウ「」ギロ

マリ「ったく! 何の情報も入ってこないからこっちから来てみれば!」

220: 2013/02/08(金) 22:09:37 ID:4KGoGt/o
カヲル「またとんでもない状況になってるね」

綾波「二号機の人…! 碇君…!」

ゲンドウ「おまえたち、なぜここにいる?」

マリ「いちゃ悪い?」

カヲル「シンジ君とセカンドを心配する気持ちは、誰にも負けないつもりですよ」

綾波「碇指令…零号機で出ます」

マヤ「む、無理よ! 零号機はまだ修理中で」

綾波「でもここで手を拱いているわけにはいきません」

ゲンドウ「伊吹二尉、何をしている? さっさと初号機の制御をダミーシステムに切り替えろ」

221: 2013/02/08(金) 22:12:00 ID:4KGoGt/o
マリ「ダミーシステム?」

カヲル「三号機と一緒に届いた北米からの厳封直送品だったね」

マリ「そんなもんに2人の救出を任せろってーの? できるわけないでしょ!!」

ゲンドウ「子供は黙っていろ」

マリ「うるさい!」

マヤ(碇指令に向かってなんて台詞を…)ヒィィ…

青葉(営巣行きになっても知らないぞ…)

日向(子供特有の恐いもの知らずって奴か?)

223: 2013/02/08(金) 22:13:42 ID:4KGoGt/o
マリ「ゲンドウ君はそれでもいいかもしれないけど、あたしらはそれじゃいけないの!!」

マリ「わんこ君が使い物にならないからって、機械に任せるわけ!?」

マリ「ゲンドウ君が口下手なのはいつものことだけど」

マリ「そんな方法で三号機止めて、万一姫に何かあったらどうするつもりよ!?」

カヲル「温厚な僕でも、さすがに看過できませんね」

ゲンドウ「子供の駄々に付き合っている暇はない」

綾波「碇指令、二号機の人に何かあったら、私、怒ります」

冬月(レイが怒りを覚えただと? 今までにない反応だな…)

224: 2013/02/08(金) 22:15:33 ID:4KGoGt/o
ゲンドウ「では貴様らは、この状況をどう打破する?」

ゲンドウ「初号機パイロットは使徒との戦いを放棄しており使い物にならん」

ゲンドウ「動かせる機体は初号機のみ」

ゲンドウ「感情論では人類は救えんのだぞ」

マリ「…ゲンドウ君、どんな強くても、どんなに偉くても、人の心はそれだけじゃ動かせないって知ってる?」

カヲル「僕たちは、シンジ君をその気にさせて、セカンドを助け出す万々歳な魔法の言葉を知ってますよ」

ゲンドウ「そんな不確かな方法で」

マリ「確かにゲンドウ君には無理だね」

カヲル「けど僕らなら」

綾波「現状を打破できます」

ゲンドウ「………」

冬月「………碇」

ゲンドウ「………わかった、やってみろ。ただし、一回きりだ」

225: 2013/02/08(金) 22:16:37 ID:4KGoGt/o
マリ「よっしゃ! 一回あれば十分!!」

カヲル「すいません、通信機貸してください」

綾波「お願い」

マヤ「え、ええ…」つ通信機

マヤ(魔法の言葉って?)

青葉(そんなのあるのか?)

日向(想像もつかないけど)

マリ「わんこ君聞こえる!? 聞こえたら返事して!」

226: 2013/02/08(金) 22:17:45 ID:4KGoGt/o
…初号機エントリープラグ内…

マリ『わんこ君聞こえる!? 聞こえたら返事して!』

シンジ「ま、マリさん?」グググッ…

カヲル『ちなみに僕達もいるよ』

綾波『碇君』

シンジ「さ、三人ともどうしたの?」

マリ『良いから聞いて』

カヲル『三号機にはすでにエントリープラグの強制射出シグナルが送られている』

綾波『その時点で、エヴァとのシンクロはカットされてる』

マリ『だから、三号機をブッ叩いたところで、姫は痛くもかゆくもないよ!!』

シンジ「け、ど…」

227: 2013/02/08(金) 22:18:59 ID:4KGoGt/o
マリ『わんこ君はなにをためらってるの!? 姫に手を挙げること? 姫を頃すこと?』

シンジ「そ、その両方…、アスカに手を挙げるなんて、僕には』

マリ『じゃあわんこ君は、姫に人頃しをさせることはいいの!?』

シンジ「アスカに、人頃しを…させる?」

カヲル『そう、このまま君が抵抗しなければ君は氏ぬ』

綾波『二号機の人が乗ったエヴァに碇君はやられる』

マリ『それって、姫がわんこ君を頃すってことだよ?』

マリ『それわかってる!?!?』

シンジ(アスカが僕を頃す…? 僕は、アスカに人頃しを強要しているの…?)

228: 2013/02/08(金) 22:20:28 ID:4KGoGt/o
カヲル『彼女でなくても、普通の人間ならばそれはあまりにも重い十字架だ』

綾波『二号機の人、きっととてもつらい、胸が苦しい』

マリ『そんなとんでもない物を、わんこ君は姫に背負わせていいと思ってるの!?!?」

シンジ(………そんなこと)


…第一発令所…

マヤ「浸食さらに進行! このままでは後30秒で危険域に到達します!」

冬月「間に合うか…?」

ゲンドウ「………」

229: 2013/02/08(金) 22:22:07 ID:4KGoGt/o
マリ『二号機は凍結中、零号機は修理中で出せない』

マリ『今姫を助けられるのは、そこにいるわんこ君だけなんだよ!!』

シンジ(…そんなこと)

カヲル『確かにセカンドが浸食されている可能性はある』

カヲル『けどそれをどうにかしようにも、生きていなくちゃ始まらない』

マヤ『い、生きてさえれば技術部の総力を挙げて彼女を復活させます!!』

シンジ(そんなこと)

230: 2013/02/08(金) 22:23:07 ID:4KGoGt/o
マリ『おっし、技術部の協力も取り付けた!』

カヲル『お願いだシンジ君、戦ってくれ』

綾波『戦って』

マリ『姫を助けろ!! お願い! 助けてよ!!』

シンジ(そんなこと言われたら…!)




初号機「」…ギラーン!

231: 2013/02/08(金) 22:24:49 ID:4KGoGt/o
マヤ「…え? 初号機のシンクロ率が急上昇! 70…,80…,90%を突破!?」

冬月「一体、何が起こっている…」

シンジ『う、う、うぁあぁぁぁぁ!!!』

初号機『ウガァァァァァァ!!』(頸部ジョイント破損、雄叫び、三号機の腹を蹴って引きはがす)

ゲンドウ「………」

ゲンドウ(ユイ…、お前も無用な殺生はしたくないと言うのか…?)

シンジ『アスカ、ごめん!!』

初号機「」ギロ!

三号機「オォォォ…」ヨロヨロ

シンジ『でも、今、助ける!!!』

初号機『ウガァァァァァァァァァァァ!!!』

232: 2013/02/08(金) 22:25:43 ID:4KGoGt/o





















アスカ「」パチ

アスカ「………」

アスカ「………あれ?」

233: 2013/02/08(金) 22:26:44 ID:4KGoGt/o
アスカ「ここは…?」

キョロキョロ(周囲を見る。体はベッドの上、右腕に点滴、左側に窓のある部屋で横になっている)

アスカ「あたし… 確か松代で三号機の起動実験してて…」

アスカ「急にプラグ内が赤に染まって…」

アスカ「それからすぐ今度は青く染まって…」

アスカ「それから…」

アスカ「………」

アスカ「………」

アスカ「………」

アスカ「…なんか、記憶が飛んでるわね…」

234: 2013/02/08(金) 22:28:15 ID:4KGoGt/o
リツコ「…検査の結果は白、体の浸食後も消えてるわ」

ミサト「とりあえずは、問題無いってことね」

リツコ「とりあえずは、ね。まだ精神汚染の可能性は捨てきれないけど」

ミサト「そっか…」

リツコ「………こんなこと言うとなんだけど」

ミサト「ん?」

リツコ「生きてるだけでも奇跡よ、今回の彼女の場合」

ミサト「でしょうね…」

リツコ「当面エヴァへの搭乗は不可、シンクロテストも止めておいた方が無難だと思うわ」

ミサト「今のアスカに、搭乗する機体は無いわ」

リツコ「そうね」

235: 2013/02/08(金) 22:29:38 ID:4KGoGt/o
ミサト「………」

リツコ「ほっとした? 彼女が生きてて」

ミサト「大人の都合で乗ってもらってるのよ? それで彼らが氏ぬなんてこと、あっちゃいけない事よ」

リツコ「ホント、申し訳ないわよね…」

マヤ「先輩! アスカの意識が戻ったそうです!」

リツコ「すぐ行くわ」

236: 2013/02/08(金) 22:31:03 ID:4KGoGt/o
…NERV本部 医療エリア通路…

シンジ「アスカの意識が戻ったんですか!?」

日向「今葛城さん達がいろいろ調べをを進めてるからもうすこしま」

マリ「待てん!!」

カヲル「止めても聞きませんよ」

綾波「二号機の人の無事、確認したい」

青葉「だからもうすこしま」

シンジ・綾波・マリ・カヲル「待てません!!」

日向・青葉「」

ミサト「そんなに急がなくても」

リツコ「ちゃんと会わせるわよ」

シンジ・綾波・マリ・カヲル「!!」

237: 2013/02/08(金) 22:31:57 ID:4KGoGt/o
…アスカ病室…

シンジ「アスカ!!」

綾波「二号機の人」

マリ「ひ~め~!」

カヲル「セカンド」

アスカ「………」

アスカ「…何よあんたら、そんな泣きそうな顔をして…」

238: 2013/02/08(金) 22:33:04 ID:4KGoGt/o
マリ「痛いところ無い? 五体満足?」

シンジ「大丈夫なの?」

アスカ「…まぁ、とりあえずは五体満足で、生きてるわよ」

カヲル「三途の川を渡らずに済んだみたいで何より…」

綾波「二号機の人、生きてる?」

アスカ「断じて幽霊じゃないわよ。足あるでよ、ほら」チラ

シンジ・綾波・マリ・カヲル「…よかったぁぁぁぁぁ」ヘナヘナ~

239: 2013/02/08(金) 22:34:34 ID:4KGoGt/o
マリ「もう、植物状態にでもなったらどうしようかと…」

アスカ「あたしはそんなにヤワじゃないわよ」

シンジ「アスカ、今日が何日か聞いた」

アスカ「聞いたわ。あれから1カ月もたってるなんてね」

カヲル「大変だったんだよ? キミの救出」

綾波「碇君が頑張った」

アスカ「それも聞いた」

マリ「んじゃさ、わんこ君に言うことあるんじゃないの?」

アスカ「…なんで?」

シンジ「へ?」

アスカ「バカシンジは私の奴隷でしょ? 奴隷に命令以外で言うことって、あるの?」

シンジ・綾波・マリ・カヲル「」

マリ「…は、ハハハハ! これは間違いなく姫だわwww」

カヲル「今の台詞を聞いて僕も確信したwww」

240: 2013/02/08(金) 22:35:29 ID:4KGoGt/o
ハハハハハ…!

シンジ「………」

アスカ「何よ、不満?」

シンジ「別に。…ただ」

アスカ「ただ?」

シンジ「アスカが帰ってきたんだって、実感できた」

アスカ「何よそれ?」

シンジ「いいよ、僕の事はほっといて」

アスカ「あっそ…」

241: 2013/02/08(金) 22:36:24 ID:4KGoGt/o
綾波「二号機の人」

アスカ「ん? 今度はエコヒイキ?」

綾波「おかえりなさい」

アスカ「!」

アスカ「………」

アスカ「………」

アスカ「………」

アスカ「………た、ただいま」///

242: 2013/02/08(金) 22:38:17 ID:4KGoGt/o
…同日午後11時 アスカ病室…

アスカ「………」

アスカ「………」

アスカ「………」

アスカ「………寝れん」

アスカ(1カ月も寝てたら当然か…)

アスカ(使徒に取り込まれて、バカシンジに助け出されたんだ…)

アスカ(………)

アスカ(…静かね…)

アスカ(孤独に離れてたはずなのに…こんなになってみると、さみしいものね)

アスカ(…そっか。あたしにもさみしいって思う心、あったんだ)

243: 2013/02/08(金) 22:41:16 ID:4KGoGt/o
アスカ(バカシンジ達といて、しあわせだったんだ)

アスカ(離れて気づくって、私もまだまだってことね…)

アスカ(………)

アスカ(………バカシンジ)

アスカ(………助けてくれて、ありがとう)

アスカ(今は面と向かって言えないから、そのうち、ね)

アスカ(………)

アスカ(………)

アスカ(………)

アスカ(やっぱなんか癪だわ、言うのやーめた)

アスカ(………)ネガエリ

アスカ「…ん?」

マリ「」

アスカ「」

マリ「ヤッホー」

244: 2013/02/08(金) 22:49:16 ID:4KGoGt/o
アスカ「…いよいよあたしもアッチ側に行くのか…」

アスカ「しかもお迎えがコネメガネ顔って何なのよ…せめてバカシンジにしなさいよ…」

マリ「おおっと、姫爆弾発言」

アスカ「そうかそうか、これは夢か。早く起きなきゃなー」(反対方向に寝返り)

マリ「夢じゃないぞー。現実だぞー。現実を見ろー。」

アスカ「…いっそ夢ならよかった」(マリの方向へ寝返り)

マリ「…姫の意地悪」

アスカ「忍び込んだアンタが悪い」

マリ「"くのいちのマリ"って呼んでにゃ」

アスカ「絶対にイヤ」

245: 2013/02/08(金) 22:55:34 ID:4KGoGt/o
アスカ「つかアンタ、こんな時間にこんな場所で何してるのよ?」

マリ「姫が目を覚ましたのはいいけど、今度は暇を持て余してるんじゃないかと思って」

マリ「こんなものを持ってきたニャ」つラジオ

アスカ「ラジオって… しかもまた型の古い奴を…」

マリ「わんこ君のウォークマンと比べたらまだ新しいよ」

アスカ「そういう問題じゃない」

マリ「ほらほらそう言わずに聞きなって」つイヤホン

アスカ「はいはい」

マリ「んで、もう片っぽは私が」

アスカ「アンタも聞くの?」

マリ「ついでにベッドに同衾させて♪」

アスカ「ったく…、ほら」(ベッドのスペースを空ける)

マリ「ドモドモ♪」

246: 2013/02/08(金) 22:57:28 ID:4KGoGt/o
…ラジオ…

ラジオDJ『さて本日最後のメールはラジオネーム"わんことエコヒイキとホ〇とコネメガネ"さんからだ!』

ラジオDJ『"今日、昏睡状態だった友達の姫がようやく目を覚ましました!』

ラジオDJ『生きててくれてありがとぉぉぉぉ!! しばらくはリハビリだろうけど、』

ラジオDJ『また一緒に暮らせる日を待ってるよ~!!"だってさ』

ラジオDJ『昏睡状態からの復活だって? 姫ちゃんってことは女の子かな? すっごいタフだねぇ!』

ラジオDJ『そんな"わんことエコヒイキとホ〇とコネメガネ"さんからのリクエストナンバーを今日のEDにしよう!』

ラジオDJ『"Hearts Grow"で"かさなる影"』
デイリーモーション動画より転載↓
http://www.dailymotion.com/video/x60unf_opening-yyyyy-pv_music" >http://www.dailymotion.com/video/x60unf_opening-yyyyy-pv_music

247: 2013/02/08(金) 23:02:07 ID:4KGoGt/o
アスカ「………」

マリ「変なラジオネームだね~」

アスカ「コネメガネ。アンタ、この為に?」

マリ「この為? この為ってどの為?」

アスカ「あんなへんてこなペンネーム名乗る奴なんているわけないでしょ!」

マリ「世の中変人って結構いるんだよ~」

アスカ「あくまでシラを切る気ね…」

マリ「なんのことやらさっぱり~」ヒ~ラヒラ

アスカ「………」

マリ「………」

アスカ「………ト」ボソ

マリ「ん? なんか言ったかニャ?」

アスカ「何にも」

マリ「そっか」

248: 2013/02/08(金) 23:04:06 ID:4KGoGt/o
マリ(実はばっちり聞こえたんだよね、"アリガト"って)

マリ(ま、これ以上は詮索しない方が無難だね)

マリ(わんこ君が姫のありがとうを聞けるのはいつになるやら…)



259: 2013/02/11(月) 15:24:02 ID:.GNyK2Mc

     コン コン ガチャ

マリ「ワンコくん」

シンジ「はい? 何ですか、マリさん?」

マリ「昨日の現国のテストで間違えた所、ちょっと教えて欲しんだけど」

シンジ「いいですよ。 どの問題ですか?」

マリ「ここー」

シンジ「ふむふむ……」

マリ「んふふ」

シンジ「ああ、これは……」

―――――――――――

シンジ「――って感じです」

マリ「ほうほう……なるほど~」

マリ「日本語の言い回しは、難しいにゃ~」

260: 2013/02/11(月) 15:25:10 ID:.GNyK2Mc

シンジ「そうですね」 クスッ

マリ「ありがとう、ワンコくん。 助かったよ」

シンジ「どういたしまして」

マリ「じゃあ、また解らない所が……ん?」

シンジ「……?」

マリ「ワンコくん、これ……」 カララ……

マリ「何だかレトロ……と言うか、個性的なオモチャね?」

シンジ「ああ、それは……マージャンマシン1号って言うんです」

マリ「マージャン?」

シンジ「えと……ほら、こういうジャラジャラやって……て解らないか」

マリ「うん。 わからないにゃ」

261: 2013/02/11(月) 15:28:55 ID:.GNyK2Mc

シンジ「マリさんが、まだ居なかった頃」

シンジ「特務機関の人同士で交流会がありまして」

マリ「ふむふむ」

シンジ「その時に主催者が、面白い条件を出したんです」

マリ「面白い条件?」

シンジ「条件、というか、景品かな?」

マリ「ほうほう」

シンジ「その交流会で麻雀っていう、ボードゲーム勝負をして」

シンジ「優勝者のお願いを聞いてくれるって事だったんだ」

マリ「へー!」

マリ(……そんな話、初耳)

マリ(リョウジ……私に隠してた?)

262: 2013/02/11(月) 15:30:44 ID:.GNyK2Mc

マリ「で? ワンコくんも、それに参加したの?」

シンジ「うん」

シンジ「その時に”ノーチラス”っていう特務機関の男の子と仲良くなって」

シンジ「その男の子……名前をジャン、って言うんだけど」

シンジ「記念にもらったロボットなんだ」

マリ「ふーん」

マリ(”ノーチラス”? マルドゥック機関でも聞かない組織名ね……?)

マリ「他には、どんな特務機関が参加してたの?」

シンジ「うーん……機関の名前は聞かなかったけど」

シンジ「”トップ”チームっていう人達が代表で来てたよ」

263: 2013/02/11(月) 15:31:50 ID:.GNyK2Mc

マリ「そうなんだ」

マリ(これまた聞かない名前ね~)

マリ「ちなみにNERVは、ワンコくんを含めて誰が参加したの?」

シンジ「ええと、僕と綾波、アスカにミサトさん……」

マリ「ふむふむ」

シンジ「それから、加持さんにリツコさん……そうだ」

シンジ「父さんに、何故かトウジも来てた」

マリ「へえ!?」

マリ(……どういう事? 部外者のジャージくんまで?)

マリ(っていうか、やっぱりリョウジの奴……私に黙ってたのね)

シンジ「まあそんな感じだけど?」

マリ「うん、ありがと、ワンコくん♪」

264: 2013/02/11(月) 15:32:38 ID:.GNyK2Mc

マリ「…………」

マリ(さて、どうしよう?)

マリ(ふーむ)

―――――――――――

マリ「姫ー」

アスカ「何? コネメガネ」

マリ「ワンコくんに聞いたんだけど……随分前に、麻雀大会があったんだって?」

アスカ「……!」

マリ「姫?」

アスカ「悪いけど」

アスカ「その話はしないでくれる?」

マリ「え? どうして?」

265: 2013/02/11(月) 15:33:27 ID:.GNyK2Mc

マリ「……けんもほろろに追い出されてしまった」

マリ「一体どうして???」

マリ「あ、ファースト」

綾波「? メガネの人」

マリ「ちょっと聞きたいだけどさ~」

―――――――――――

綾波「ごめんなさい。 それには答えられないの」

マリ「は? どうして? ワンコくんは、答えてくれたのに?」

綾波「碇司令の命令」

マリ「!?」

綾波「じゃ……」

マリ「…………」

266: 2013/02/11(月) 15:34:16 ID:.GNyK2Mc

マリ(こりゃ、本格的に謎めいてきたね~)

マリ(まさかゲンドウくんが、口止めしているとは……)

マリ(…………)

マリ(ともかく、味方が欲しい所だけど……)

マリ(この分じゃ、ミサトも リョウジも)

マリ(期待できそうもないにゃ……)

マリ(となると……)

―――――――――――

カヲル「……なるほど」

カヲル「それで僕の所に来た、と」

マリ「この際、ホ〇ルで我慢するにゃ」

267: 2013/02/11(月) 15:35:15 ID:.GNyK2Mc

カヲル「それが人に(いや違うけど……)物を頼む態度かい?」

カヲル「……まあ、気になるから手伝うけどね」

マリ「助かるにゃ♪」

カヲル「それで? どうすればいいのかな?」

マリ「とりあえず、あたしはこれからNERVに行って、出来るだけ聞き込みしてみるつもり」

マリ「ホ〇ルもそうして欲しいにゃ」

カヲル「いいけど、今の話を聞いた限りじゃ……あまり期待できそうにないね」

マリ「まあ、そうだとしても、もう一つアテがあるから」

カヲル「ふうん?」

マリ「じゃ、さっそく行ってみよう!」

268: 2013/02/11(月) 15:36:03 ID:.GNyK2Mc


―――――――――――


マリ「どうだったかにゃ?」

カヲル「ダメだね……ほとんど収穫なし」

カヲル「大抵の人は、そんな大会があった事すら、知らないみたいだ」

マリ「こっちも同じね~」

マリ「指令所のオペレーターの人にも聞いてみたんだけど」

マリ「くだんのメンバーが揃って休んだ日があったのは」

マリ「確かって事しかわからなかったわ~」

カヲル「そうかい」

カヲル「それで? 君のとっておきは?」

マリ「それは明日ね~」

カヲル「?」

269: 2013/02/11(月) 15:36:41 ID:.GNyK2Mc

学校



マリ「おはよー」

ヒカリ「あ、真希波さん。 おはよう」

ヒカリ「あのう……アスカは?」

マリ「ふふ、安心して。 もうすぐ来るから」

ヒカリ「そう、良かった」

マリ「一ヶ月以上、話してなかったもんね~」

アスカ「! ヒカリ!」

ヒカリ「アスカ!」

     ガバッ!

270: 2013/02/11(月) 15:37:52 ID:.GNyK2Mc

ヒカリ「良かった……! 元気になって……!」 グスッ…

アスカ「ヒカリ……心配かけちゃったね」

ヒカリ「何度かお見舞いしてたから、大丈夫なのは解っていたけど」

ヒカリ「やっぱり、学校に来れる様になったら、復活したって思える」

アスカ「ふふふ。 実は、もう少し通院して、リハビリしないといけないんだけどね」

     アハハハ……

カヲル「美しい友情だね」 ニコ

マリ「うん。 姫……本当に嬉しそうにゃ」 クスッ

マリ「……ところで、委員長」

ヒカリ「え?」

マリ「ジャージくんは、どこに居るかにゃ?」

271: 2013/02/11(月) 15:38:43 ID:.GNyK2Mc


―――――――――――


トウジ「なんや? ワシに用って?」

マリ「うん、ちょっと古い話しなんだけど……」

トウジ「おう」

マリ「君が参加した、麻雀大会について聞きたいの」

トウジ「……おま」

トウジ「ああ……センセか」

カヲル「……もしかして、君も口止めされているのかい?」

トウジ「まあ……そんなトコ……かいなぁ」

マリ「そこを何とか教えて欲しいにゃ~」

トウジ「う、う~ん」

272: 2013/02/11(月) 15:39:36 ID:.GNyK2Mc

マリ「教えてくれたら、あたしの生下着、あげるから!」

トウジ「!! い、いるか! そんなもん!」 ///

マリ「え~? この前、泊まりに来た時、あたしの下着、盗ろうとしてたのに~?」

トウジ「なっ!? そ、それはワシやない!!」 ///

マリ「……は? 『それは』? 『ワシやない』?」

トウジ「」 オワタ

―――――――――――

カヲル「やれやれ……僕には理解できないよ」

マリ「まあそれは、聞かなかった事にしてあげる」

マリ「 そ の か わ り  解ってるわよね? ジャージくん?」

トウジ「……はい」

273: 2013/02/11(月) 15:40:43 ID:.GNyK2Mc

トウジ「どっから話せばええかな……」

マリ「最初から最後までよ」

カヲル「出来れば、詳細にね」

トウジ「う……そ、それじゃあ、まず」

トウジ「ええと……なんて言ったっけ? マーボウ?機関って所から連絡があって」

マリ「……もしかしてマルドゥック機関?」

トウジ「そう、それや」

トウジ「ともかく内密に、その麻雀大会に参加してくれって、頼まれたんや」

マリ「ふむふむ」

カヲル(……ゼーレの老人は無関係か?)

274: 2013/02/11(月) 15:41:35 ID:.GNyK2Mc

トウジ「で、訳、分からんかったけど、センセ達も参加するみたいやし」

トウジ「面白そうやから、やってみよ、って思うたんや」

マリ「場所はどこだったの?」

トウジ「目隠しされて連れて行かれたから、それはわからへん」

カヲル「まあ、そうするだろうね」

トウジ「で、麻雀大会が始まった」

マリ「ふむふむ」

トウジ「まあ……普通、麻雀なんて子供はルール解らへんけど」

トウジ「いろいろレクチャー受けて、出来る様になったんや」

カヲル「君も知らなかったのかい?」

トウジ「ゲームでやった事あるくらいやったな」

275: 2013/02/11(月) 15:42:34 ID:.GNyK2Mc

マリ「ワンコくんも?」

トウジ「センセや式波、綾波は、まったく知らんみたいやったわ」

カヲル「……結構、難しいルールなのかい?」

トウジ「せやな……役を覚えたりせなあかんし」

マリ「ふーん」

トウジ「……ところが」

トウジ「あろうことか、なんとなんと、ド素人の」

トウジ「センセが優勝してまうんや……」

マリ「へ~」

カヲル「さすがシンジくん。 持ってるね」

276: 2013/02/11(月) 15:45:59 ID:.GNyK2Mc

マリ「で? ワンコくんは、どんなお願いしたのかにゃ?」

トウジ「…………」

トウジ「問題はそれなんや……」

カヲル・マリ「……え?」

トウジ「ワシは、センセの『お願い』の内容を詳しくは知らん」

マリ「うん」

トウジ「せやけど、なんでか」

トウジ「”トップ”チームの”コーチ”と呼ばれてたオッサンの」

トウジ「地獄のしごきを受ける事になったんや……」

カヲル「……は?」

277: 2013/02/11(月) 15:47:01 ID:.GNyK2Mc

トウジ「最初はな……ミサトさんや、リツコさんの」

トウジ「きわどいレオタード姿を拝めて喜んでたんやけど」

マリ「さいてー」

トウジ「ワシも男なんじゃ!」 ///

カヲル「どうしてそんな姿に?」

トウジ「ああ、”トップ”チームの……ワシらで言う、体操服みたいなもんらしくって……」

トウジ「女子は全員その格好にさせられたんや」

カヲル「何だか解らないけど、強制させるのは良くないね」

マリ「で? どうなったの?」

トウジ「酷い有様やで……」

カヲル「酷い?」

278: 2013/02/11(月) 15:47:52 ID:.GNyK2Mc

トウジ「まず、校庭20週、走らされ」

トウジ「基礎トレーニングの筋トレ……腹筋やら、懸垂やら」

トウジ「もう、いろいろやらされてん……」

カヲル・マリ「…………」

トウジ「最初にオカシなったんは、あの司令官のオッサンやったな」

マリ「ゲンドウくん?」

トウジ「校庭18週目でゲロって倒れよった」

カヲル「最初の脱落者か……」

トウジ「いや」

カヲル「え?」

279: 2013/02/11(月) 15:49:05 ID:.GNyK2Mc

トウジ「それがあの”コーチ”のオッサン、脱落を認めへんかってな……」

トウジ「少し休憩させて、すべてのノルマを達成するまで続けたんや」

マリ「うわぁ~……」

トウジ「結局、司令官のオッサンは、3日かけて終わったらしい」

カヲル「……らしい?」

トウジ「ワシは初日で終われたから、後の話は、全部センセから聞いたんや」

マリ「ふーん……」

トウジ「あんまり詳しく聞かへんかったけど、リツコさんは泣きながらやってたとか」

トウジ「ミサトさんは、逆に笑いながらやってはったらしい」

カヲル「……喜んでたワケじゃないんだろうね……たぶん」

マリ「……そんな目に合わされたら、早く忘れたいだろうにゃ~……」

280: 2013/02/11(月) 15:50:16 ID:.GNyK2Mc

トウジ「とまあ、ワシが知ってる事は、これくらいやな」

マリ「ふむふむ。 サンキューにゃ、ジャージくん」

カヲル「助かったよ」

トウジ「ワシが漏らした事は、内緒にしといてくれよ……」

―――――――――――

マリ「……結局」

マリ「突き止めてみれば、くだらない内容だったにゃ」

カヲル「まあね」

カヲル「しかし……主催者は、いったい誰なんだろう? どんな目的が?」

マリ「それは分からずじまいだにゃ」

カヲル「気になる所、ではあるね」

281: 2013/02/11(月) 15:51:13 ID:.GNyK2Mc

マリ「ダメ元でミサトにでも聞いてみるかにゃ?」

カヲル「…………」

カヲル「止めておこう。 ヤブヘビになりそうな気がする」

マリ「…………」

マリ(……確かに、知りたい所ではあるけど)

マリ(これが原因で、みんなと別れる事になったら……)

マリ(…………)

マリ(……それは嫌かな?) クスッ

カヲル「……」 クス

282: 2013/02/11(月) 15:52:30 ID:.GNyK2Mc

マリ「それじゃ……ホ〇ル」

カヲル「うん」

マリ「学生らしく、授業を真面目に受けますか?」

カヲル「そうだね、それがいい」 ニコ

     テク テク テク…



     おしまい

287: 2013/02/13(水) 21:33:33 ID:7b70MWaQ

午後 14:30 頃

学校



アスカ「さーて、終わった終わった!」

シンジ「そうだね、アスカ」 クスッ

シンジ「今日はどうするの? 一緒に帰る?」

アスカ「ううん……今日は、ヒカリに付き添ってもらうわ」

シンジ「あ、そっか。 病院のリハビリがあったっけ」

アスカ「そうよ、バカシンジ」

アスカ「じゃ、行こっか? ヒカリ!」

ヒカリ「うん!」

     スタ スタ スタ

288: 2013/02/13(水) 21:34:15 ID:7b70MWaQ

シンジ「ふふっ、もう必要無さそうだけどね」

シンジ「じゃあ、綾波は?」

綾波「ごめんなさい」

綾波「今日は、寄る所があるの」

シンジ「そうなの?」

綾波「ごめんなさい、碇くん……」

シンジ「ううん、そんな事無いよ」

シンジ「僕も一緒に行こうか?」

綾波「すぐ済む用事だから」

シンジ「そっか、わかった」

綾波「じゃ……」

     テク テク テク

289: 2013/02/13(水) 21:34:59 ID:7b70MWaQ

トウジ「なんや、珍しく振られまくっとるやないか、センセ」

シンジ「トウジ」

ケンスケ「僕たち、これからゲーセンに寄ろうと思っているんだけど」

ケンスケ「碇もどう?」

シンジ「そうだな……」

シンジ「カヲルくんもどう?」

カヲル「いいね。 付き合うよ」

カヲル「君はどうするんだい?」

290: 2013/02/13(水) 21:35:46 ID:7b70MWaQ

マリ「んー? 今日はパスするにゃ」

シンジ「そっか」

シンジ「じゃ、行こうか、みんな」

トウジ「ふふふ……今日は負けへんでー!」

ケンスケ「トウジ、それ負けフラグだよ……」

トウジ「なんやとう!?」

     アハハハ……

マリ「…………」

マリ「さて、私は、久しぶりにニャンコちゃん達と、戯れるにゃ♪」

291: 2013/02/13(水) 21:36:43 ID:7b70MWaQ

午後 14:35 頃

NERV 指令所



日向「ウ、ウーンッッ……」 セノビー…

マヤ「お疲れ様、日向くん、青葉くん」

マヤ「コーヒーを入れてきたわ」

青葉「お、ありがとう。 助かるよ」

マヤ「先輩も一息、入れてはどうですか?」

リツコ「そうね、いただこうかしら」 クス

マヤ「はい、どうぞ」 クス

ミサト「私の分もある?」

マヤ「もちろんありますよ」

292: 2013/02/13(水) 21:37:17 ID:7b70MWaQ

冬月「…………」

ゲンドウ「…………」

冬月「…………」

ゲンドウ「…………」

冬月「…………」

ゲンドウ「…………」

冬月「…………」

ゲンドウ「…………」

冬月「…………」

ゲンドウ「…………」

冬月「…………」

ゲンドウ「…………」 zzz

293: 2013/02/13(水) 21:38:04 ID:7b70MWaQ

午後 14:40 頃

本屋



店員「お待たせしました、綾波様」

店員「こちらがご注文いただきました」

店員「トランプゲーム大全集になります」

店員「お間違い、ございませんでしょうか?」

綾波「はい」

店員「それでは、代金1280円になります」

綾波「はい」 スッ

店員「ありがとうございました」

294: 2013/02/13(水) 21:38:52 ID:7b70MWaQ

綾波(…………)

綾波(……トランプ)

綾波(もっと、みんなと、いろんなゲームをしてみたい)

綾波(…………)

綾波(そして)

綾波(いつか)

綾波(碇くんと、碇司令とも一緒に)

綾波(…………)

綾波(そうしたら、きっと)

綾波(もっと、ポカポカする……)

295: 2013/02/13(水) 21:39:37 ID:7b70MWaQ

病院



アスカ「さぁーて! ちゃっちゃっと終わらせるんだから!」

ヒカリ「アスカ、無理は禁物よ」

アスカ「だって……いちいちここに来るのが、面倒くさいんだもの」

ヒカリ「気持ちは分かるけど、焦ったら余計に長引くかもよ?」

アスカ「はいはい、わかってますぅー」

ヒカリ「ふふふ」

296: 2013/02/13(水) 21:40:20 ID:7b70MWaQ

午後 14:45 頃

空き地



マリ「にゃっほー! ニャンコちゃん、元気してた?」


三毛猫「……」
トラネコ「……」
白猫「……」
黒猫「……」
カギしっぽ猫「……」


マリ「……ん? なんか、みんな緊張してる?」

マリ「どうしたの? みんな~?」 ナデナデ

297: 2013/02/13(水) 21:41:17 ID:7b70MWaQ


三毛猫「……ニャ?」(……感じてる?)
トラネコ「ニャ」(もちろん)
白猫「……ニャ~ゴ」(……この微妙なチリチリ感)
黒猫「……ニャオ」(……不気味でござる)
カギしっぽ猫「……オニャァ」(……今日は珍しくピンクか)


マリ「……どうしよう、全くかまってくれないにゃ……」

マリ「ニャンコちゃん達~」

298: 2013/02/13(水) 21:42:12 ID:7b70MWaQ

午後 14:46



三毛猫「!!」
トラネコ「!!」
白猫「!!」
黒猫「!!」
カギしっぽ猫「!!」


マリ「へ?」

299: 2013/02/13(水) 21:43:07 ID:7b70MWaQ


三毛猫「フギャギャァッ!」 ジタバタ ジタバタ
トラネコ「ギャニャァッ!」 バヒュン!
白猫「ニャギャ!」 アワテフタメキ
黒猫「フ――!」 カカッテコンカイ!
カギしっぽ猫「……」 カチン(硬直)


マリ「み、みんな、どうし」

マリ「!! ちょ!? こ、こら!」 ///

マリ「私のスカートの中に入ってこな……やんっ!」 ///

300: 2013/02/13(水) 21:43:54 ID:7b70MWaQ


     …………

     ……ぉぉぉぉっ

     ォォォォドドドドドドド

     ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド




     ドドドォォォォォ―――――――――――ンッ!!!!!!



マリ「!?!?!??!」

マリ「キャ―――――――――――!?」

301: 2013/02/13(水) 21:45:09 ID:7b70MWaQ



午後 14:46 頃

関東沖を震源とする

海底プレート型地震発生





地震の規模 M 9 クラス――



309: 2013/02/15(金) 21:30:56 ID:y28ZY4l.



―――――――――――


NERV 指令所



     ワー キャー ワー キャー

ミサト「各員、持ち場に戻って被害チェック!」

ミサト「状況を知らせて!」

青葉「現在、非常用電源に切り替わっています!」

青葉「しかし、7つあるバックアップの内、稼働してるのは2つだけです!」

ミサト「何ですって!?」

310: 2013/02/15(金) 21:31:56 ID:y28ZY4l.

青葉「主電源の発電施設の状況、不明!」

ミサト「エヴァの状況は!?」

マヤ「エヴァ3体の状況……確認できません! モニターが機能不全を起こしています!」

ミサト「カメラが一つも動いていないの!?」

マヤ「わかりません! 状況不明!」

ミサト「リツコ! マギは!?」

リツコ「今、確認したわ。 無事よ、ミサト」

ミサト「ようやくいいニュースが聞けたわね!」

311: 2013/02/15(金) 21:32:55 ID:y28ZY4l.

日向「! 気象庁より通達!」

日向「今回の地震は、関東沖、小笠原諸島周辺で起こった」

日向「大規模な広範囲、連動地震だそうです!」

日向「M 9 クラス !」

一同「!!」

ミサト「M 9 ……ですって!?」

リツコ「落ち着きなさい、ミサト」

リツコ「使徒の攻撃でない分、良かったと考えるべきよ」

ミサト「……私は、そんな気になれない」

312: 2013/02/15(金) 21:33:59 ID:y28ZY4l.

冬月「碇……」

ゲンドウ「ああ……分かっている」

     スクッ…

ゲンドウ「これより、NERVは非常時体制に入る」

ゲンドウ「まず」

ゲンドウ「エヴァ・パイロットの安否確認と、身柄の確保を最優先事項とする」

ミサト「! はっ!」

ゲンドウ「各員は、現状の状況確認と復旧を急げ」

ゲンドウ「そして何よりもエヴァ3体の出撃準備を整える様に」

ミサト「了解しました! 碇司令!」

313: 2013/02/15(金) 21:34:56 ID:y28ZY4l.

ミサト「各諜報員にシンジくん達の身柄の確認を! 最優先でNERVに連れて来させて!」

マヤ「分かりました!」

ミサト「セントラルドグマ、及び、ジオフロント・地上施設の被害状況を上げて!」

日向「了解です!」

ミサト「主電源の状況は!? 出来るだけ復旧を急がせて!」

青葉「発電所施設内で事故が発生した模様! 詳細を確認中!」

     ビー! ビー! ビー!

ミサト「今度は何!?」

314: 2013/02/15(金) 21:36:08 ID:y28ZY4l.

日向「気象庁より、津波警報が発令されました!」

日向「関東沿岸地域……高さ……10m以上です!!」

ミサト「! 何ですって!?」

ゲンドウ「……到達予想時刻は?」

日向「後……約30分です!」


ミサト「リツコ!」

リツコ「何? ミサト」

ミサト「津波……さすがにここまで来ないわよね?」

リツコ「ここの海抜の高さを知っててそれを言ってるの?」

ミサト「へいへい。 聞いた私が馬鹿でした」

リツコ「当面の心配は、この期に乗じて使徒が攻めて来ないか、でしょう?」

ミサト「わかってるわよ。 使徒がこの地震を起こした、なんて事を考えたりもしたしね」

リツコ「いくら何でも……と思いたい所だけど」

ミサト「私達の常識が通じない連中だからね……」

315: 2013/02/15(金) 21:37:05 ID:y28ZY4l.

ゲーセン



ケンスケ「はあ、はあ、はあ……」

トウジ「……も、もの凄い、揺れやった、なぁ……」

カヲル「…………」

シンジ「……カヲルくん?」

カヲル「ん? ……いや、何でもないよ、シンジくん」

カヲル「それよりも、これは緊急事態だ」

カヲル「僕達、NERVに向かうべきじゃないかな?」

シンジ「! ……そうだね。 その通りだよ、カヲルくん」

黒服「……こちら、N-238。 パイロット、碇シンジ、渚カヲルの無事を確認」

黒服「これよりNERV本部へ移送します」

316: 2013/02/15(金) 21:38:01 ID:y28ZY4l.

カヲル「……どうやら、お迎えも来てくれたみたいだ」

シンジ「……みたいだね」

カヲル(…………)

カヲル(……これは、使徒のやった事じゃない)

カヲル(という事は、ゼーレのシナリオ外の出来事、か……)

カヲル(…………)

カヲル(この惑星(ほし)は、リリンに対して何を考え、何を思うのか……)


シンジ(…………)

シンジ(みんな……無事なんだろうか?)

シンジ(綾波……アスカ……マリさん……ミサトさん……)

シンジ(…………)

317: 2013/02/15(金) 21:38:56 ID:y28ZY4l.


―――――――――――


アスカ「…………」

アスカ「……う」

アスカ「……うう、ん」

アスカ「…………」

アスカ(あれ……あたし……何、してたっけ……?)

アスカ(…………)

アスカ「!!」

アスカ「そうだ! 確か、病院で――」

アスカ「……!」

アスカ「ヒカリ!」

アスカ「ヒカリは!?」

318: 2013/02/15(金) 21:39:47 ID:y28ZY4l.

アスカ「…………」

アスカ(……落ち着きなさい、アスカ)

アスカ(とにかく、自分の状況を確認するのよ)

アスカ(…………) サッ ササッ スッ…

アスカ(……うん、とりあえず、あたしの体に異常はない)

アスカ(それにしても……どうして真っ暗なの?)

アスカ(…………)

アスカ(地震による、停電、かな……?)

アスカ(窓のない部屋だったからなぁ)

アスカ(…………)

319: 2013/02/15(金) 21:40:45 ID:y28ZY4l.

アスカ(そうだ!)

アスカ(携帯電話の液晶ライト!) ゴソゴソ…

アスカ(よく、暗闇で役に立ったって聞くものね)

     パッ

アスカ「よし、点い……」

アスカ「」



     キャアアァァァァッ!!!



―――――――――――



320: 2013/02/15(金) 21:41:31 ID:y28ZY4l.

大通り付近



綾波「…………」

綾波「……う」

綾波「!」

黒服「……気がつきましたか?」

綾波「…………」 コクッ

黒服「歩けますか?」

綾波「…………」 コクッ

黒服「では、すみませんが、歩いてください」

綾波「…………」 コクッ

     スタッ

321: 2013/02/15(金) 21:42:18 ID:y28ZY4l.

綾波「…………」

黒服「こちら、S-665。 パイロット、綾波レイは意識を回復」

黒服「外傷は見受けられない。 繰り返す、外傷は見受けられない……」

綾波「…………」

綾波「……?」

綾波「…………」

綾波「……あ」

黒服「? ……どうかしましたか?」

綾波「……何でもありません」

黒服「?」

綾波(……本)

綾波(無くなってる……)

322: 2013/02/15(金) 21:43:15 ID:y28ZY4l.

空き地



マリ「痛たた……」

マリ「すっごい地震だったにゃ……」

マリ「…………」

マリ「……そっか、ニャンコ達は、これを感じてたのかぁ」

マリ「っと……今は、NERVに戻る事を考えないと」

マリ「…………」 キョロ キョロ

マリ「…………」 キョロ キョロ

マリ「…………?」

マリ「あれ? 諜報員の人」

マリ「来ないにゃ……」

323: 2013/02/15(金) 21:43:54 ID:y28ZY4l.

     テク テク テク

マリ「……うあちゃー」

マリ「あの揺れだもんね……」

マリ「…………」

マリ(でもまさか)

マリ(諜報員の氏体を、こんなに見る事になるなんて……)

マリ(…………)

マリ(私のケータイは通じないし)

マリ(諜報員の無線機は暗号コードを入れないと返信出来ないし……)

マリ(歩いて戻るしかないにゃー)

324: 2013/02/15(金) 21:45:13 ID:y28ZY4l.

NERV 指令所



マヤ「シンジくん、渚カヲルくん、レイの安否、確認取れました!」

マヤ「三人とも怪我ひとつなく、あと少しでここに到着する見込みです!」

ミサト「そう! とりあえず、吉報ね!」

ミサト「他の2人は?」

マヤ「待ってください……」

マヤ「……!」

マヤ「諜報員から連絡! 式波・アスカ・ラングレーは……」

マヤ「崩れた病院の建物内に居る模様です! 安否不明!」

ミサト「な……!」

325: 2013/02/15(金) 21:46:47 ID:y28ZY4l.

マヤ「葛城三佐……」

ミサト「……ごめんなさい、指示を続けるわ」

ミサト「パイロットの安否確認は引き続き続行して」

マヤ「了解です!」

ミサト「地上施設とジオフロントの被害状況は!?」

日向「電力不足の為、特殊装甲板は機能が麻痺状態です!」

日向「地上施設は、兵装ビルでいくつか稼働出来ない物がある模様!」

日向「被害範囲は、南区に多い様ですが……詳細不明!」

日向「ジオフロントは、比較的被害が少ない様です!」

ミサト「引き続き調査を! 必要なら、ダメージコントロール・チームを……」

ミサト「いえ! 待って……!」

ミサト「エヴァは、どうなってるの!?」

326: 2013/02/15(金) 21:47:50 ID:y28ZY4l.

青葉「作業員が確認しています。 3体とも無事です!」

ミサト「出撃は!? 可能なの!?」

青葉「電力が乏しい為、現在、手動で出撃準備を行っている、との事です!」

ミサト「主電源は!?」

青葉「残念ながら、発電施設の早急的な復旧は難しい、との事です!」

ミサト「……く!」

ミサト「…………」

ミサト「碇司令!」

ゲンドウ「うむ」

ミサト「日本政府に緊急打診を進言します!」

ミサト「仮設発電施設……いえ、電源車でも構いません」

ミサト「とにかく、発電用の何かを優先的にこちらへ回してもらえるよう手配を!」

327: 2013/02/15(金) 21:48:43 ID:y28ZY4l.

ゲンドウ「わかった、葛城三佐」

ゲンドウ「だが」

ゲンドウ「今の状況では、期待は出来無い」

ゲンドウ「来ない物、として、考えておけ」

ミサト「……わかっています」

ゲンドウ「うむ。 冬月、しばらくここを頼む」

冬月「わかった、碇」

ミサト「次!」

     タッ タッ タッ

リツコ「ミサト!」

ミサト「! リツコ?」

328: 2013/02/15(金) 21:50:18 ID:y28ZY4l.

リツコ「悪いニュースよ」

リツコ「非常用発電機が3つも壊れているわ」

ミサト「何ですって!?」

リツコ「今、原因を調べてみたら……さっきの地震で出来た亀裂から」

リツコ「大量の水が吹き出して、それが非常用の発電機をダメにしたのよ」

ミサト「水!? どこから……ってまさか!?」

リツコ「おそらく、第三芦ノ湖……もしくは、地下水脈に穴があいたのね」

ミサト「くっ……!」

リツコ「余震も続いてるから……亀裂が大きくなって一気に吹き出す可能性もあるわ」

ミサト「電力が無いから特殊装甲板で対応できないのね……」

リツコ「あくまで最悪のケース……様々な不幸が重なった場合」

リツコ「ジオフロント自体が水没するかもしれない」

ミサト「…………」

329: 2013/02/15(金) 21:51:01 ID:y28ZY4l.

病院



ヒカリ「…………」

ヒカリ「……う」

ヒカリ「ううん……」

アスカ「! ヒカリ……!」

アスカ「気がついた?」

ヒカリ「ここは……? うっ!」

アスカ「あ、動かないで、ヒカリ……」

アスカ「左腕……たぶん、折れてる」

ヒカリ「…………そう」

330: 2013/02/15(金) 21:51:59 ID:y28ZY4l.

ヒカリ「……いったい、何があったの?」

アスカ「地震よ」

ヒカリ「真っ暗なのは、どうして?」

アスカ「停電……だと思うけど」

アスカ「病院の建物が崩れちゃってるから……そのせい、かも」

ヒカリ「……!?」

ヒカリ「崩れた!?」

アスカ「そう」

ヒカリ「…………」

ヒカリ「……私達、生き埋め……って事?」

アスカ「……そうね」

ヒカリ「…………」

331: 2013/02/15(金) 21:52:51 ID:y28ZY4l.

アスカ「でも大丈夫よ、ヒカリ」

ヒカリ「え……?」

アスカ「なんたって」

アスカ「この、エヴァンゲリオン・パイロット、式波・アスカ・ラングレー様が居るんですもの!」

アスカ「絶対、最優先事項で、NERVが救出に来るはずだから!」 フフン♪

アスカ「幸運だったわね!」 ニコ!

ヒカリ「…………」

ヒカリ「ふふ……そっか、そうだよね」 クスッ

アスカ「そうよ? だから、痛いだろうけど……安心して休んでいなさい、ヒカリ」

ヒカリ「うん……」

アスカ「ふふっ」

332: 2013/02/15(金) 21:54:09 ID:y28ZY4l.

アスカ「…………」

アスカ(…………)

アスカ(……早く……早く、助けに来て)

アスカ(電気が切れてたのは……幸運だったのかも)

アスカ(暗闇は、不安を掻き立てられる……)

アスカ(けど、そのおかげで……)

アスカ(…………)

アスカ(ヒカリは、血だまりの氏体(病院の医師)を見ずに済んでいるのだから)

アスカ(…………)

アスカ(バカシンジィ……ミサトォ……エコヒイキに コネメガネ……後、ついでにホ〇ル……)

アスカ(何してんのよぉ……)

アスカ(諜報員も肝心な時に、役に立たないし……携帯は通じないし……)

アスカ(怖い……怖いよぉ……)

334: 2013/02/15(金) 21:56:43 ID:y28ZY4l.

NERV 本部



シンジ「え? 今すぐ、エヴァに!?」

ミサト『そう』

ミサト『詳しくは、乗ってから伝えるわ』

シンジ「……わかりました」

ミサト『シンジくんは、初号機』

ミサト『レイは、零号機』

ミサト『カヲルくんは、弐号機に乗って!』

綾波「了解です」

カヲル「わかりました」

335: 2013/02/15(金) 21:57:39 ID:y28ZY4l.

NERV 指令所



ミサト「リフトの準備はいい!?」

日向「何とか行けます!」

青葉「システムチェック、オールグリーン!」

マヤ「ジオフロントからの人員避難、始まりました!」

ミサト「完了までの時間は?」

マヤ「このペースだと……最低2時間は……」

ミサト「亀裂の場所の特定は!?」

リツコ「今、マギにデータを入力中よ! 急かしても変わらないわ!」

ミサト(くっ……!)

336: 2013/02/15(金) 21:59:34 ID:y28ZY4l.

エントリープラグ内



     ※注 3人とも制服のままです。

シンジ「ミサトさん、初号機に搭乗、終わりました」

ミサト『わかったわ、すぐに射出するわね』

レイ「え?」

カヲル「作戦の説明は?」

ミサト『とにかく時間が無いの』

ミサト『詳しい説明は、現地に着いてから行うわ』

3人「……了解」

ミサト『エヴァンゲリオン、発進!』

337: 2013/02/15(金) 22:00:29 ID:y28ZY4l.

ジオフロント



シンジ「リフトオフ」

綾波「……葛城三佐、作戦の説明を」

カヲル「お願いします」

ミサト『まず、そこから西側に急いで向かって!』

ミサト『そして出来うる限り、西側に近い場所のアンビリカルケーブルに接続し直して!』

綾波「零号機、了解」

カヲル「弐号機、了解」

シンジ「……初号機、了解です」

ミサト『…………』

ミサト『……みんな、作業しながらでいいわ。 聞いて』

338: 2013/02/15(金) 22:05:00 ID:y28ZY4l.

ミサト『さっきの地震、もしかしたら知っているかもしれないけど』

ミサト『小笠原諸島周辺が震源の巨大地震だったの。 津波警報も発令されてる』

3人「…………」

ミサト『リツコに大急ぎでマギに予測してもらっているけど……』

ミサト『この地震のせいで、水源に亀裂が生じ、最悪の場合』

ミサト『吹き出した水でジオフロント全体が、水没する可能性のある事がわかったの』

3人「……!」

ミサト『もし』

ミサト『そうなった場合、セントラルドグマへの被害はどれくらいになるか、わからないわ』

3人「…………」

ミサト『今現在、電力不足で特殊装甲板の機能が停止しているの』

ミサト『それが復旧するまでの辛抱よ』

339: 2013/02/15(金) 22:06:42 ID:y28ZY4l.

綾波「零号機、アンビリカルケーブル、再接続終了」

綾波「作戦ポイントを指示してください」

ミサト『レイ……日向くん、ポイントの座標を』

綾波「……座標ポイント受信」

綾波「これより指定座標に向かいます」



カヲル「……弐号機、アンビリカルケーブル、再接続終了」

カヲル「おっと……座標ポイント受信」

カヲル「……ところで、この作戦」

カヲル「もしかして、亀裂の穴をATフィールドで塞ぐつもりなのかい?」

ミサト『正解よ』

340: 2013/02/15(金) 22:07:29 ID:y28ZY4l.

カヲル「やれやれ……穴、と言っても」

カヲル「これだけの広範囲をエヴァ3体のATフィールドでカバー出来るのかな?」

ミサト『期待してるわ』

カヲル「まったく……弐号機、指定座標へ向かいます」



シンジ「初号機、アンビリカルケーブル、再接続終了」

シンジ「指定座標へ向かいます」

ミサト『頼んだわよ、シンジくん』

シンジ「…………」

341: 2013/02/15(金) 22:08:14 ID:y28ZY4l.

シンジ「ミサトさん」

ミサト『何?』

シンジ「……他の……パイロットの安否は、わかっていますか?」

ミサト『……!』

シンジ「…………」

ミサト『…………』

ミサト『……シンジくん』

シンジ「はい」

ミサト『あなたを信頼して……正直に答えるわ』

ミサト『マリは……全く掴めていない』

ミサト『アスカは……崩れた病院内に居る』

シンジ「!!」

342: 2013/02/15(金) 22:09:07 ID:y28ZY4l.

綾波(弐号機の人……!)

カヲル「……シンジくん」

ミサト『でも』

ミサト『今現在も諜報員を始めとして、みんな懸命の救出作業と、安否確認を行っているわ』

シンジ「…………」

ミサト『安心して、とは言えない。 けど……』

シンジ「ミサトさん」

343: 2013/02/15(金) 22:09:58 ID:y28ZY4l.

ミサト『!? な、何?』

シンジ「正直を言えば……今すぐにでも、アスカの元に駆け付けたいです」

ミサト『…………』

シンジ「でも」

シンジ「きっと……アスカは……」

シンジ「そんな僕を、『何やってんのよ! バカシンジ!』って」

シンジ「殴ると思います」 クスッ

ミサト『シンジくん……!』

シンジ「だから……僕は、今の自分が出来る事を」

シンジ「僕にしか出来ない事を――」

シンジ「全力でやります!」

344: 2013/02/15(金) 22:11:08 ID:y28ZY4l.

綾波「碇くん……」

カヲル「シンジくん……」

ミサト『何よ何よ? シンちゃん』

ミサト『ちょっと抱きしめたくなる事、言ってくれるじゃない!』

シンジ「か、からかうのは、よしてください、ミサトさん……」 ///

カヲル「僕は、本気で抱きしめてあげたいかな?」 クス

綾波「……碇くんは今、抱きしめられたい?」

綾波「なら、私も」

シンジ「ミサトさん!」 ///

ミサト『ほほほ、良かったじゃない、シンジくん♪ モテモテで♪』

ミサト『さ、冗談はここまでよ。 もうすぐマギが答えを出す……気を引き締めなさい!』

3人「はい!」

345: 2013/02/15(金) 22:12:13 ID:y28ZY4l.

     テク テク テク

マリ「はあはあ……」

マリ「こんなに歩いたの、久方振りにゃ~……」

マリ「…………」 ウーム…

     グラ グラ

マリ「ってまた余震ー!?」

マリ「…………」

マリ「……ふー」

マリ「地震って……本当に怖い……」

マリ「ちょーほーいんさーん、早く見つけてくれにゃー」

     テク テク テク…

346: 2013/02/15(金) 22:13:17 ID:y28ZY4l.

病院



ヒカリ「う……ぐ……」

アスカ「ヒカリ……痛むの?」

ヒカリ「……うん。 骨折って……こんなに痛いのね……」

アスカ「…………」

アスカ(……ヒカリの折れた左腕……だいぶ腫れてきた)

アスカ(…………)

ヒカリ「…………」

ヒカリ「ねえ、アスカ」

アスカ「ん? 何?」

347: 2013/02/15(金) 22:14:10 ID:y28ZY4l.

ヒカリ「何か……話してくれないかな?」

アスカ「話してって……何を?」

ヒカリ「何でもいいよ……」

ヒカリ「エヴァの事でも、家族の事でも、碇くんの事でも……」

ヒカリ「何かで……気を紛らわせて欲しいの」

アスカ「……!」

アスカ「そ、そう……わかったわ。 じゃあ……」

アスカ「そうね! バカシンジの事でいっか!」

ヒカリ「うん……聞かせて……」

アスカ「バカシンジは、ね……」

348: 2013/02/15(金) 22:14:53 ID:y28ZY4l.

アスカ「なんて言うか……そう!」

アスカ「頼りない奴! それが第一印象だったわ!」

ヒカリ「うん」

アスカ「最初は、名前で呼んでやらなかった」

アスカ「親が司令官だから、選ばれただけ」

アスカ「そう思って、『ナナヒカリ』って呼んでたのよ♪」

ヒカリ「…………」

ヒカリ「今は……違うんだね?」

アスカ「…………」

アスカ「……そうね」

アスカ「いつもおどおどして、謝ってばかりで、主張しないで逃げてばかり……」

アスカ「だけど」

ヒカリ「うん……」

349: 2013/02/15(金) 22:15:37 ID:y28ZY4l.

アスカ「いざっていう時は……ちょっとだけ、カッコよくて」

アスカ「あたしのミスは……いつもシンジがカバーしてくれてたの」

ヒカリ「…………」

アスカ「あたしは――」

アスカ「そんなシンジの事を……いつの間にか……」

ヒカリ「…………」

アスカ「って、何、言わせるのよ、ヒカリ」 ///

ヒカリ「…………」

アスカ「ヒカリ……?」

アスカ「ヒカリ!」 バッ!

350: 2013/02/15(金) 22:16:17 ID:y28ZY4l.

アスカ「!!」

アスカ(いけないっ! 揺すっちゃダメ!)

アスカ(落ち着くのよ、アスカ!)

アスカ(…………) スーハー スーハー

アスカ(よし!)

アスカ(…………)

アスカ(……うん、呼吸は安定してる)

アスカ(脈は……?)

アスカ(…………)

アスカ(少し早い? ……ううん、そんな事は無いわね)

アスカ(大丈夫……たぶん、痛みで気を失ったんだわ)

アスカ(…………)

351: 2013/02/15(金) 22:16:58 ID:y28ZY4l.

アスカ「…………」

アスカ「ヒカリ……」

アスカ「お願いだから」

アスカ「あたしを一人にしないで……」

アスカ「お願い……!」 グスッ…

アスカ「…………」

アスカ「…………」


シンジ「大丈夫だよ、アスカ」


アスカ(……そんな事ない)

352: 2013/02/15(金) 22:17:28 ID:y28ZY4l.


シンジ「すごいや、アスカ!」


アスカ(……すごくなんか、ない)

アスカ(あたしは……すごくなんか……)

アスカ(…………)

アスカ(ヒカリ……)

アスカ(…………)

アスカ(…………)

アスカ(……ちょうど、立場が逆になっちゃったね)

アスカ(…………)

アスカ(ヒカリも……こんな気持ちだったんだ)

アスカ(…………)

353: 2013/02/15(金) 22:18:12 ID:y28ZY4l.

アスカ(そして)

アスカ(シンジ達にも……こんな気持ちにさせてた……のかな)

アスカ(あたしは……)

アスカ(…………)

アスカ(会いたい)

アスカ(……みんなに)

アスカ(会いたいよ……)

357: 2013/02/16(土) 10:04:26 ID:r.zfGkf.

NERV 指令所



     シュイン(扉の開閉音)

冬月「碇……戻ったか」

ゲンドウ「報告」

冬月「現在、エヴァ3体による亀裂からの水噴出防止作戦を遂行中」

冬月「非常用発電施設はすぐの復旧をあきらめ、人員の避難を優先」

冬月「ジオフロント、及び、セントラルドグマの損害は軽微だが……」

冬月「発電施設はダメージが酷く、復旧に時間がかかるそうだ」

ゲンドウ「パイロットは? 全員の安否確認は取れたのか?」

冬月「式波・アスカ・ラングレーは居場所を掴めたが安否は不明」

冬月「真希波・マリ・イラストリアスは行方すらわかっていない」

ゲンドウ「そうか……」

358: 2013/02/16(土) 10:05:25 ID:r.zfGkf.

ゲンドウ「葛城三佐」

ミサト「はっ!」

ゲンドウ「日本国政府に打診した結果」

ゲンドウ「とてつもない物を、送ってくれる事を約束してくれた」

ミサト「……とてつもない物?」

ゲンドウ「これがそのデータだ。 受け入れ態勢を整えておけ」 スッ

ミサト「……?」 ピッ ピッ…

ミサト「!!」

ミサト「こ、これは……!?」

ゲンドウ「…………」

359: 2013/02/16(土) 10:06:29 ID:r.zfGkf.

ミサト「た……確かに、『発電施設』としては、申し分ありませんが……」

ミサト「厄介者を押し付けられた……と言う方が正しいかも……」

ゲンドウ「葛城三佐」

ミサト「! も、申し訳ありません!」

ミサト「すぐに受け入れ態勢を整えます!」

ゲンドウ「うむ」

ゲンドウ「よろしく頼む」

ミサト「はっ!」

ミサト「リツコー!」

ミサト「大至急、これ何とかして~!!」

ゲンドウ「…………」

冬月「…………」

冬月「…………ふ」

360: 2013/02/16(土) 10:07:13 ID:r.zfGkf.


―――――――――――


NERV 本部



マリ「……ふい~。 や、やっと着いたぁ……」

マリ「とりあえず、シャワーを浴びたいけど」

マリ「報告が先だよにゃ~……」

     ピッ ポッ パッ

マリ「…………」

マリ「あ、つながった」

マリ「もしもし~?」

361: 2013/02/16(土) 10:07:59 ID:r.zfGkf.

ミサト『みんな! 朗報よ!』

ミサト『マリが、ついさっき、NERVに自力で辿り着いたわ!』

シンジ「!」

綾波「メガネの人……!」

カヲル「ふふ、良かったね、シンジくん」

シンジ「うん、カヲルくん!」

シンジ「怪我とかは、大丈夫ですか?」

ミサト『ピンピンしてるわよ』

シンジ「安心しました」 ホッ

カヲル「……ところで」

カヲル「亀裂の場所の特定は、いつなのかな?」

ミサト『……マギに聞いて欲しいわ』

3人「…………」

362: 2013/02/16(土) 10:08:37 ID:r.zfGkf.

病院



アスカ「……ヒカリ」

ヒカリ「…………」

アスカ「…………」

     ……ぅん  ……ぅん

アスカ「!」

アスカ「……何? 余震?」

     ……ズシン ……ズシン

アスカ「……!」

363: 2013/02/16(土) 10:09:29 ID:r.zfGkf.

アスカ「違う、これは……」

アスカ「足音だわ!」

アスカ「……まったく、バカシンジのくせに」

アスカ「こんなにあたしを待たせるなんて……覚悟しなさいよ!」

     ガゴッ! ゴゴンッ ゴッ!

アスカ(…………)

アスカ(慎重に……取り除いてよ……)

アスカ(…………)

     ゴゴン… ゴガッ! ゴウン…

アスカ「! 崩れた天井が……って、眩しいっ!」

364: 2013/02/16(土) 10:10:20 ID:r.zfGkf.

諜報員「! いたぞ! 式波・アスカ・ラングレーだ!」

アスカ「NERVの諜報員……いつもは鬱陶しいけど」

アスカ「今日ばかりは、ありがたいわ」

諜報員「……こちら、R-442。 式波・アスカ・ラングレーの身柄を確保」

諜報員「怪我はない模様。 ただちに、本部へ移送します」

諜報員「また、友人の洞木ヒカリは、負傷している」

諜報員「こちらの移送の人員を要請する」

アスカ「…………」

アスカ「!?」

アスカ「え……!? なにこれ!?」

アスカ「ガレキを取り除いたのは……エヴァじゃない!?」

365: 2013/02/16(土) 10:11:27 ID:r.zfGkf.

NERV 指令所



リツコ「待たせたわね、ミサト」

ミサト「! 待ってたわよ、リツコ!」

リツコ「大変だったんだから……建設当時の地図やら設計図やらを、いちいち取り出して」

ミサト「苦労話は後で聞くから! 詳しい座標を入力して!」

リツコ「はいはい」 ピッ ピッ ピッ…

ミサト「シンジくん! レイ! カヲルくん!」

ミサト「今、それぞれに送った座標ポイントにATフィールドを展開して!」

ミサト「万が一、亀裂が広がって水が溢れても」

ミサト「そこで止めれば、電力復旧で何とかなる!」

366: 2013/02/16(土) 10:12:17 ID:r.zfGkf.

綾波「零号機、了解」

綾波「碇くん、ホ〇の人」

シンジ「うん、わかってる!」

カヲル「了解……だけど」

カヲル「ファースト、この場でその呼び方は、止めてくれないかな?」



3人「ATフィールド、展開!」



ミサト(みんな、頼んだわよ……!)

367: 2013/02/16(土) 10:13:13 ID:r.zfGkf.

ミサト「さあ、ここからは時間との戦い!」

ミサト「主電源の復旧状況は!?」

青葉「現在、懸命の努力をしていますが……」

青葉「どうやっても復旧は、明日以降だそうです!」

ミサト「くっ……!」

ミサト「ジオフロントの避難状況は!?」

日向「急がせていますが……ようやく30%というところです!」

ミサト「…………」

368: 2013/02/16(土) 10:14:04 ID:r.zfGkf.

ミサト(どうする? このままじゃジリ貧だわ)

ミサト(今なら、エヴァのATフィールドのおかげで)

ミサト(いくつかの非常用発電機の修理を安全にできる)

ミサト(でも……どのくらいかかるか、これから調べなくちゃならないし)

ミサト(仮に復旧できたとしても特殊装甲板を動かす電力を得られるかどうか……)

369: 2013/02/16(土) 10:14:49 ID:r.zfGkf.

マヤ「……!」

マヤ「葛城三佐! 吉報です!」

ミサト「!」

マヤ「先ほど、式波・アスカ・ラングレーを」

マヤ「五体満足で救出したそうです!」

     オオッ――!

ミサト「アスカ……良かった」

ミサト「本当に……」

370: 2013/02/16(土) 10:15:41 ID:r.zfGkf.

マヤ「ただ……」

ミサト「え?」

マヤ「彼女に付き添っていた友人の、洞木ヒカリ、という女の子が」

マヤ「命に別状ありませんが、左腕を骨折する重傷を負ったそうです」

ミサト「……そう」

ミサト「素直に喜べないわね」

マヤ「でも、それはともかく、シンジくん達に伝えましょう」

ミサト「もちろんよ」

リツコ「ミサト、例のものが到着したわ」

ミサト「! どれくらいで作業が終わる?」

リツコ「何とも言えないわ……でも」

リツコ「できるだけ急ぐから」

ミサト「頼んだわよ!」

371: 2013/02/16(土) 10:16:32 ID:r.zfGkf.

NERV 医療室



マリ「姫ー!」

アスカ「! ……コネメガネ」

マリ「良かったにゃ~無事で~」

アスカ「…………」

マリ「……? どうかしたかにゃ?」

アスカ「…………」

アスカ「ヒカリが……怪我をしたの」

マリ「! ……そう、委員長が……」

372: 2013/02/16(土) 10:17:34 ID:r.zfGkf.

アスカ「あたしのせいだわ……」

アスカ「あたしのリハビリに付き合わせてしまったから……」

アスカ「ヒカリは……!」

マリ「…………」

マリ「それを言うなら」

マリ「私は、大勢の人を頃してきたわ」

アスカ「!?」

マリ「……地震の後ね」

マリ「いつもなら、すぐ来るはずの諜報員が来ないから」

マリ「おかしいなーって思って歩いてみたら……」

373: 2013/02/16(土) 10:18:35 ID:r.zfGkf.

マリ「土砂崩れに巻き込まれていたのを見つけたの」

アスカ「!!」

マリ「…………」

マリ「よくもまあ、私一人にこんな人数を……と思いつつも」

マリ「大きな岩に押しつぶされている何人かを見て……」

マリ「私を見張る、なんて事をしなければ」

マリ「こうならなかったのに……って考えてしまった」

アスカ「…………」

マリ「でもね」

マリ「私が悲しみに暮れて、何も出来なくなったら」

マリ「彼らは何の為に氏んだか、わからなくなる」

マリ「偽善的かもしれないけど、そう気持ちを切り替えて」

マリ「私は、NERVを目指せたの」

374: 2013/02/16(土) 10:19:16 ID:r.zfGkf.

アスカ「…………」

マリ「もちろん、委員長が姫の付き添いを買って出たのとは」

マリ「意味合いが違うだろうけど……」

マリ「言いたい事は、わかってもらえたかな?」

アスカ「……ふん」

アスカ「わかっているわよ、そんな事くらい」

マリ「……それから、さ」

     ギュ

アスカ「!? 何よ、コネメガネ! いきなり抱きついて……」

マリ「…………」

マリ「ずっと……恐ろしかった」

アスカ「……!」

375: 2013/02/16(土) 10:20:23 ID:r.zfGkf.

マリ「一人ぼっちでテクテク歩いて……あちこち崩れてる建物があって」

マリ「ワンコくん達は、大丈夫かなって、時々考えてたわ」

アスカ「…………」

マリ「だから」

マリ「こうやって、姫とまた会えて」

マリ「すっごく嬉しい」

アスカ「コネメガネ……」

アスカ「…………」

アスカ「うん……あたしも嬉しい」

     ギュ

アスカ「あんたにまた会えて、嬉しいよ……!」

376: 2013/02/16(土) 10:21:45 ID:r.zfGkf.


―――――――――――


アスカ「バカシンジは今、エヴァに乗ってるの?」

マリ「そうだにゃ」

マリ「ミサトが言うには、ちょっとカッコイイ事、言ったそうだよ?」

アスカ「ふうん」

マリ「今すぐにでも姫を助けに行きたいけど、そうしたら姫は怒るだろうから」

マリ「今は自分の出来る事をやるんだ!ってね」

アスカ「! そ、そうなの……」 ///

マリ「ぬふふ~」

アスカ(……言えない) ///

アスカ(実はバカシンジに助けて欲しかった、なんて) ///

アスカ(言えるわけがない……) ///

377: 2013/02/16(土) 10:22:33 ID:r.zfGkf.

NERV 指令所



マヤ「……たった今、ジオフロントから通常人員の避難を」

マヤ「完了したと、報告がありました!」

ミサト「……そう」

ミサト「…………」

ミサト(それにしても……)

ミサト(沿岸部各地の津波映像……!)

     キャー タスケテー ワアアアッ……

     ゴオォォォォォッ!!!

マヤ「うっ……こんな……こんな事って……」

378: 2013/02/16(土) 10:23:31 ID:r.zfGkf.

ミサト「…………」

ミサト「リツコからの連絡は?」

青葉「……まだです」

ミサト「…………」

ミサト(……シンジくん達、こんなに長時間エヴァに乗せて)

ミサト(しかもATフィールドを展開させ続けて、大丈夫なのかしら……?)

ミサト(…………)

ミサト(無理をさせてる事は、間違いないわよね……)

青葉「…………」

日向(……そろそろ2時間になるな)

ゲンドウ「…………」

冬月「…………」

379: 2013/02/16(土) 10:24:09 ID:r.zfGkf.

エントリープラグ内



カヲル「…………」

シンジ「くっ……はあ、はあ……」

綾波「く……う……う……」

カヲル(…………)

カヲル(電力復旧は、まだなのか……?)

カヲル(僕はともかく……シンジくんやファーストは)

カヲル(そろそろ限界が近い)

カヲル(…………)

380: 2013/02/16(土) 10:25:29 ID:r.zfGkf.

NERV 指令所



リツコ「ミサト」

ミサト「リツコ!」

ミサト「アレを何とか出来たの!?」

リツコ「ええ」

ミサト「さすがリツコねっ!」

リツコ「話は後。 急ごしらえのぶっつけ本番だから」

リツコ「状況はそれほど楽観できないわ」

ミサト「わかってる」

381: 2013/02/16(土) 10:26:26 ID:r.zfGkf.

リツコ「青葉くん、これより緊急電力供給を行います」

リツコ「A-15~E-27回線までをモニタリングして」

リツコ「おそらく、ここに一番負荷がかかると思うから」

青葉「了解です! 負荷回避回線を確保してみます」

リツコ「頼んだわよ」

リツコ「マヤ、A、BとEブロックの避難は済んでる?」

マヤ「はい! 既に完了しています!」

リツコ「今言ったブロックの隔壁を閉鎖して」

マヤ「了解! A、B、及びEブロックの隔壁を閉鎖します!」

382: 2013/02/16(土) 10:27:13 ID:r.zfGkf.

リツコ「日向くん、戦自研へ連絡」

リツコ「こちらの受け入れ態勢、完了」

リツコ「出力、50%での電力供給を開始してと伝えて」

ミサト「!?」

ミサト「いきなり50%!?」

リツコ「時間がないのよ。 パイロットの事もあるし……のんびり構えていられないわ」

リツコ「始めて」

日向「了解!」

383: 2013/02/16(土) 10:28:37 ID:r.zfGkf.

青葉「!」

青葉「B-6、7回線で異常な加熱を感知!」

青葉「回避回線へ緊急接続!」

青葉「!?」

青葉「C-8、12、16……異常加熱回線、多数発生!」

リツコ「落ち着いて! E回線でなければ、そうそう酷くならないわ!」

青葉「了解! 回避回線へ緊急接続、続けます!」

マヤ「! 電力の回復を確認!」

ミサト「! 特殊装甲板の機能は!? 回復した!?」

マヤ「まだです!」

384: 2013/02/16(土) 10:29:37 ID:r.zfGkf.

リツコ「日向くん、戦自研へ出力を70%まで上げるよう要請を」

ミサト「リ、リツコ! ほ、本当に大丈夫なの!?」

リツコ「安心して。 始末書は私も書くから」

ミサト「リツコー!!」

日向「戦自研へ通達!」

マヤ「電力、さらに回復!」

マヤ「! 特殊装甲板、機能を回復しました!」

ミサト「よっしゃあ!」

ミサト「特殊装甲板、20層目のH、Lを緊急作動!」

青葉「了解! 特殊装甲板、緊急作動、開始します!」

385: 2013/02/16(土) 10:30:53 ID:r.zfGkf.

リツコ「モニターを! 非常用電源室のものを見せて!」

マヤ「はい!」

リツコ「…………」

ミサト「…………」

リツコ「…………」

ミサト「…………」

リツコ「……!」

ミサト「水が……止まったわ!」

リツコ「ふう……何とかなったわね」

ミサト「各パイロットに連絡!」

ミサト「作戦、終了。 直ちに帰投せよ!」

ミサト「みんな、お疲れ様!」

386: 2013/02/16(土) 10:31:38 ID:r.zfGkf.


―――――――――――


シンジ「…………ふう」

綾波「…………」

カヲル「…………」

ミサト「みんな、ご苦労さま」

ミサト「……かなり無理をさせたわね、ごめんなさい」

シンジ「いえ……」

綾波「…………」

カヲル「……それはいいけど、少し休みたいかな?」

ミサト「そうね、そうして頂戴」

     パッ

387: 2013/02/16(土) 10:32:31 ID:r.zfGkf.

シンジ「あ……? 明るくなった?」

綾波「主電源……ようやく復旧できたんですね」

ミサト「ううん……それがねー、ちょっち違うんだなぁー」

カヲル「と言うと?」

ミサト「覚えてるかな? 日本重化学工業共同体のポンコツロボット」

シンジ「……それってアレですか?」

シンジ「ミサトさんが中に入って暴走を止めた……」

綾波「確か……ジェットアローン」

ミサト「そう! ……って言うか、よく覚えてたわね」

カヲル(……以前のシナリオのアレか)

388: 2013/02/16(土) 10:34:21 ID:r.zfGkf.

ミサト「まあ、”使徒”とは戦えないっていう落第点は、つけられていたんだけど」

ミサト「その後も作ってしまったこのポンコツを、なんとか有効活用できないか?」

ミサト「と、共同体と戦自研は模索してたの」

シンジ「はあ……」

ミサト「で、浮かんだのが、『災害救助特化型』へのプラン変更」

ミサト「ま、簡単に言えば、大規模災害や事故への対応へ路線変更したって事ね」

綾波「……それと、ここの電源の復旧と何の関係が?」

ミサト「もの凄くわかりやすく言えば、『歩く発電機』になってもらったのよ」

カヲル「ああ……そういう事」

ミサト「大変だったんだから」

ミサト「単純につなげばいいって物じゃなく、プラグ一つとっても互換性がなくて……」

リツコ「ご講釈、もっともだけど……それを全部、私に丸投げしたのは」

リツコ「どこの誰かしら?」

389: 2013/02/16(土) 10:35:43 ID:r.zfGkf.

ミサト「ちゃんと感謝してるわよ、リツコ」

リツコ「そう? ならいいけど」

リツコ「それよりもシンジくん達を、早く休ませてあげなさい」

ミサト「おっと、そうだった」

ミサト「シンジくん達の代わりは、マリがやるから、安心して休んでて」

ミサト「もっとも、緊急事態が起こったら叩き起こすけど……」

シンジ「そうならない事を祈って休みます」



???「バカシンジ!」



シンジ「!」

390: 2013/02/16(土) 10:36:43 ID:r.zfGkf.

シンジ「アスカ!」

綾波「弐号機の人」

カヲル「セカンド……元気そうだね」

マリ「ちなみに私もいるにゃ~」

シンジ「マリさん……二人とも無事で良かっ」

     ガバッ! ギュ

綾波「!!」

カヲル「…………」

マリ「おおー」

シンジ「ア、アスカ?」 ///

     バッ!

アスカ「はいっ! おしまい!」

391: 2013/02/16(土) 10:37:48 ID:r.zfGkf.

シンジ「……へ?」

シンジ「おしまいって……?」

アスカ「あんたに対する、ご褒美よ」

シンジ「……は?」

アスカ「あんた、あたしの救助より任務を優先させたんだってね?」

シンジ「ご、ごめん……」

アスカ「別に謝る事じゃないわ」

アスカ「むしろそっちの方が正しい」

シンジ「…………」

アスカ「あんたは、その場の感情に流されず、正しい判断をした。 だから」

アスカ「褒めてあげるわ」

392: 2013/02/16(土) 10:38:41 ID:r.zfGkf.

シンジ「アスカ……」

綾波「……それは解ったけど、弐号機の人」

綾波「それのご褒美が、どうして碇くんに抱きつく事なの?」

アスカ「才色兼備にして、とびきりの美少女である、このあたしに抱きつかれるのは」

アスカ「最高のご褒美でしょ?」 フフン♪

綾波「…………」

マリ「じゃあ」

     ガバッ!

綾波「」

マリ「私もワンコくんにご褒美あげちゃう~♪」

シンジ「マ、マリさん!」 ///

393: 2013/02/16(土) 10:39:40 ID:r.zfGkf.

カヲル「やれやれ、それじゃあ僕も」

アスカ「ホ〇ルはいい加減、自重しなさい」

シンジ「マ、マリさん、もう、いいですから……」 ///

マリ「えー? 久しぶりのワンコくんのいー匂いなのにー?」 ポヨン

アスカ「あ、あんたも自重するの!」 ///

アスカ(これみよがしに脂肪の塊を強調しちゃてー!! バカシンジもデレデレすんな!) ///

綾波「…………」

     ガバッ!

アスカ「んなっ!?」

カヲル「ほほう……」

マリ「あらら~?」

394: 2013/02/16(土) 10:40:39 ID:r.zfGkf.

シンジ「あ、綾波?」 ///

綾波「……私じゃ、ご褒美にならない?」

シンジ「! そ、そんな事は!」 ///

綾波「そう」

綾波「良かった……」 ///

シンジ(どうしたらいいんだよー!) ///

マリ「おやおやー? ワンコくん、困りながらも満更じゃなさそうにゃ」

カヲル「僕ならもっと気持ちよく」

マリ「はいはい、ホ〇ルはもう黙るにゃ」

アスカ「……う~」 ムカムカ

395: 2013/02/16(土) 10:41:38 ID:r.zfGkf.

アスカ「ほら! もういいでしょ!? エコヒイキ!」

綾波「もう少し」

アスカ「あ、あんた達、いいかげんにしなさい!」

マリ「元々、姫が始めた事だにゃ」

カヲル「その通りだね」

     ワー ワー ギャー ギャー

リツコ「…………」

リツコ「……すごい進歩ね」

ミサト「? 何が?」

リツコ「レイよ。 あの子が自己主張をしているわ」

ミサト「うん……言われてみればそうね」

396: 2013/02/16(土) 10:43:12 ID:r.zfGkf.

ミサト「近くにいると、なかなか気がつけないけど」

ミサト「レイに限らず、みんな少しずつ成長してるわ」

ミサト「たぶん、いい方向にね」 ニコ

リツコ「そう」

ミサト「リツコも家に来てみる?」

リツコ「気が向いたら、ね」

ミサト「楽しみに待ってるわ」 フフ

ミサト「ほらほらみんなー、まだ終わったわけじゃないのよー?」


リツコ「…………」

リツコ(……変わったのは)

リツコ(子供達だけじゃ無いみたいね) クスッ

397: 2013/02/16(土) 10:44:14 ID:r.zfGkf.



     その日は……ううん、それから何日か、家に戻ることが出来ず

     NERVで待機する日々が続いた。

     心配されていた使徒の襲来もなく、NERVの基地機能は

     順調に回復していってる。



398: 2013/02/16(土) 10:46:10 ID:r.zfGkf.



     ……でも

     地震で、津波で、その二次災害で失われた命は、もう帰ってこない。

     あたしは、周りに……ヒカリや、親しい人にもそういう人は居なかったけど……

     犠牲になった人達に、心からの哀悼を捧げる。



399: 2013/02/16(土) 10:48:01 ID:r.zfGkf.

数日後

葛城宅



マリ「ふわぁ~……やっと、帰ってこられたぁ」

カヲル「懐かしの我が家だね」

綾波「……でも、地震のせいで、色んな物が散乱してる」

シンジ(言えない……僕が来たばかりのミサトさんの部屋みたいだ、なんて)

シンジ(言えない……)

ミサト「はいはい、みんなー」

ミサト「まずは、お片付けから始めるわよ~?」

アスカ「休めると思ったのに……」


―――――――――――


400: 2013/02/16(土) 10:49:03 ID:r.zfGkf.

アスカ「バカシンジー、こっちも手伝ってー」

シンジ「はいはい……今行くよ」

綾波「弐号機の人、私の手も空いてるけど?」

マリ「ごめんファーストー。 こっちを手伝って~」

綾波「わかったわ、メガネの人」

ミサト「うっ……! 炊飯ジャーの中身がえらい事にっ……!」

ミサト「カヲルくん、ちょっち手伝って!」

カヲル「はいは……うっ!」

アスカ「ちょっとミサト! 窓を開けてからにしてよ!」


―――――――――――


401: 2013/02/16(土) 10:49:52 ID:r.zfGkf.

カヲル「……ふう、まいった」

シンジ「お疲れ様、カヲルくん」

シンジ「これ、良かったら飲んでよ」

カヲル「サイダーか……ありがとう、シンジくん」

     ゴク ゴク ゴク…

カヲル「ふーっ……生き返るね」

シンジ「喜んでくれたらなら、こっちも嬉しい」 ニコ

カヲル「他のみんなは?」

シンジ「みんなもこれを飲んで一休みしてる」

カヲル「そうかい」 クスッ

402: 2013/02/16(土) 10:50:32 ID:r.zfGkf.

シンジ「…………」

カヲル「…………」

カヲル「シンジくん、何を見ているんだい?」

シンジ「うん、アレ……ジェットアローン」

カヲル「ああ、あのロボットか……ここからでも見えるんだね」

シンジ「……ジェットアローン、どんな気持ちなんだろう?」

カヲル「気持ち? あれはただの遠隔操作ロボットだろう?」

シンジ「それはわかってるけど……もし、人間みたいに心があったら」

シンジ「どんな気持ちなのかなって……」

カヲル「…………」

403: 2013/02/16(土) 10:51:23 ID:r.zfGkf.

カヲル「僕が、彼の立場だったら――」

カヲル「……人を恨むかもしれない」

シンジ「え?」

カヲル「勝手に自分を作って、勝手に自分を”無能”と評価して」

カヲル「それなのに、また勝手に自分を使おうとする……」

カヲル「なんて身勝手な生き物なんだろう……と」

シンジ「…………」

シンジ「……そうだね」

シンジ「そうかもしれない」

カヲル「シンジ君は、どう思うんだい?」

シンジ「…………」

404: 2013/02/16(土) 10:52:11 ID:r.zfGkf.

シンジ「僕がジェットアローンの立場なら……」

シンジ「嬉しいって思う」

カヲル「……どうして?」

シンジ「確かに……勝手に作っておいて、酷い扱いだったけど」

シンジ「こうやって、みんなの役にたてた自分が」

シンジ「作ってくれた人の気持ちに答えられた自分が」

シンジ「誇らしいって、思えるから……」

カヲル「! シンジくん……」

シンジ「それにね、羨ましくもあるんだ」

カヲル「ジェットアローンが、かい?」

シンジ「うん」

405: 2013/02/16(土) 10:53:17 ID:r.zfGkf.

シンジ「ああやって災害救助できるのが、ね」

カヲル「…………」

シンジ「僕は、いつも疑問に思ってた」

シンジ「使徒の氏骸とか、壊れた建物の除去とか」

シンジ「エヴァでやれば、もっと効率的なんじゃないのかな?って」

カヲル「…………」

シンジ「ある日、父さんに言ってみたんだ。 その事を」

シンジ「事も無げに『それはエヴァの仕事ではない』ってね」

シンジ「その時は……ただ腹が立ったけど」

シンジ「今回の事で、何となく意味が分かった」

カヲル「…………」

406: 2013/02/16(土) 10:54:11 ID:r.zfGkf.

シンジ「震災初日……仕方なかった、とは言え」

シンジ「僕達は、エヴァを使った」

シンジ「結果、僕たちパイロットは疲れてしまった……」

カヲル「…………」

シンジ「マリさんやアスカが居てくれたけど……もし」

シンジ「あの時に使徒が攻めて来たら……どうなっていたんだろう?」

カヲル「…………」

シンジ「…………」

シンジ「やっと……気がつけた」

シンジ「僕たち、パイロットとエヴァは」

407: 2013/02/16(土) 10:55:04 ID:r.zfGkf.



シンジ「使徒と戦う為に『存在』するんだって……」



カヲル「シンジくん……」

シンジ「ううん……この言い方じゃ良くないね」

シンジ「人には、それぞれで『出来る役割がある』って事に気がついた」

シンジ「――って感じかな?」

カヲル「…………」

カヲル「うん……そうだね。 そうかもしれないね」

シンジ「それに、さ」

カヲル「ん?」

シンジ「ジェットアローンは、これからのエヴァの事も教えてくれた」

カヲル「これからの……エヴァ?」

408: 2013/02/16(土) 10:55:58 ID:r.zfGkf.

シンジ「そうだよ」

シンジ「使徒を全部やっつけた後」

シンジ「エヴァも災害救助や事故処理に使えばいいんだよ」

カヲル「……!」

シンジ「どうして、こんな簡単な事に気がつかなかったのかな……」

シンジ「エヴァは、本当の意味で、人の役に立てる様になれる」

シンジ「こんなに嬉しい事はないよ」 ニコ

カヲル「そう……だね」

シンジ「? カヲルくん?」

カヲル「ん? ううん、何でもない」

409: 2013/02/16(土) 10:56:32 ID:r.zfGkf.

カヲル「さて……そろそろ片付けの続きをするかな?」

シンジ「それもそうだね」 クスッ



カヲル(…………)

カヲル(シンジくん)

カヲル(君はどうして、そんなに優しくなれるんだい?)

カヲル(信じられないよ……)

カヲル(…………)

カヲル(ううん、そうじゃない)

カヲル(僕は……羨ましいんだ)

カヲル(そんな風に思える、君の事が……)

カヲル(…………)

410: 2013/02/16(土) 10:57:28 ID:r.zfGkf.

さらに数日後

学校



トウジ「いよいよ今日か~」

ケンスケ「寂しくなるなぁ……」

アスカ「しょうがないでしょ? もう役割は終わったんだから」

ケンスケ「戦自研は、いつの間にあんなものを開発してたんだ……」

ケンスケ「もっと見ていたかった……」

ヒカリ「あ、動き出したわよ!」

     ゴゴゴ……ンッ!

411: 2013/02/16(土) 10:58:13 ID:r.zfGkf.

ケンスケ「さようならー! ジェットアローン!」

ケンスケ「ありがとうー!」

アスカ「止めなさいよ、恥ずかしい……」

シンジ「そんな事無いよ、アスカ」

シンジ「見てごらん?」

412: 2013/02/16(土) 10:59:20 ID:r.zfGkf.



     いち早く災害救助に駆けつけてくれたジェットアローンは

     第三新東京市・市民の心の支えになっていた。

     手を振ったり、大声を上げて礼を言うのも、ケンスケだけじゃなかった。



413: 2013/02/16(土) 11:00:11 ID:r.zfGkf.

シンジ「それに、ミサトさんから聞いたけど」

シンジ「アスカもジェットアローンに助けられたんだろ?」

アスカ「うっ」

シンジ「ひと言でもいいから、お礼を言ってあげなよ」

シンジ「きっと……喜ぶと思うから」

アスカ「何言ってんのよ。 相手はただのロボット」

綾波「ありがとう、ジェットアローン」

マリ「ありがとーにゃー!」

カヲル「助かったよ、ジェットアローン」

シンジ「ありがとう! ジェットアローン!」

アスカ「…………」

414: 2013/02/16(土) 11:00:44 ID:r.zfGkf.

アスカ「わかったわよ……言えばいいんでしょ、言えば」

アスカ「ありがとう、ジェットアローン」

アスカ「……これで満足?」

シンジ「うん! ありがとう、アスカ」

アスカ「……ふん」 ///

415: 2013/02/16(土) 11:01:42 ID:r.zfGkf.



     日本を襲った未曾有の大災害。

     後に第二次関東大震災と呼称される、それの被害はとてつもなく

     復興は、まだまだこれからだった。

     けど

     そんな中でも、僕たちは、いろんな人達に支えられている

     僕たちの後ろには、ジェットアローンや

     名前も知らないたくさんの人達がいてくれる――

     それがわかって、何よりも嬉しかった。



416: 2013/02/16(土) 11:02:57 ID:r.zfGkf.



     ミサトさんに聞いたけど、ジェットアローンは、このままの足で

     日本各地をまわり、復興を手伝うのだそうだ。



     僕はただ、その背中が見えなくなるまで

     心の中で、ジェットアローンにお礼を言い続けていた。

     ありがとう、ジェットアローン。


     おしまい

436: 2013/02/20(水) 19:23:17 ID:n3I4SNBU
綾波(私はまったくないけれど)

綾波(最近、夜遅くに皆出かけることがある)


ある日 AM2:00

ミサト「…えぇ? 今からNERVに出て来いってーの?」

リツコ『こっちはずっと詰めっぱなしなのよ? 家に帰れるだけましだと思いなさい』

ミサト「んもぉぉぉ! こんな夜中に叩き起こさないでよね!!」

リツコ『叩き起こしてはいないわ。モーニングコールはしたけど』

ミサト「そんな頓知はいらないわよ!」


綾波(…管理責任者は大変)

437: 2013/02/20(水) 19:27:37 ID:n3I4SNBU
別の日 PM11:53

マリ「ぶちょーさん、今から夜の集会があるので行ってきます!」

ミサト「行ってらっしゃーい、あんまり遅くならないようにね」グビグビ

マリ「りょうかーい♪」

バタン(ドア閉)

シンジ「…ミサトさん」

ミサト「ん?」

シンジ「遅くならないようにって言いますけど、もう真夜中ですよ?」

ミサト「え~? って、もう日付が変わるじゃないの!? シンジ君! カヲル君! 連れ戻しく行くわよ!!」

シンジ「は、はい」

カヲル「そもそも集会ってなんの集会?」

ミサト「知らないわよ!!」

バタバタ(大急ぎで準備⇒マリ捜索開始)

438: 2013/02/20(水) 19:28:31 ID:n3I4SNBU
綾波(メガネの人の話では、たまに猫達が夜の集会をやっているとの事。…よくわからない)

439: 2013/02/20(水) 19:29:33 ID:n3I4SNBU
また別の日 PM11:24(みんな集まってDVD鑑賞)

アスカ「あーおもしろかった!」

カヲル「たまにこう言うテイストの物もいいね…」

シンジ(僕は完全にお茶くみ係だったなぁ…)

マリ「姫ってこういうアクションもの好きだよねー。ダイ・ハードとか」

アスカ「何よ、文句あるの?」

マリ「いやいや、私はどっちかっつーと昔の邦画の方がねぇ…って」

ミサト「たとえば?」グビグビ

マリ「"あっしの生まれは葛飾柴又"って名乗る奴、たぶん誰も知らないよ?」

ミサト「"それを言っちゃおしまいよ"」

マリ「お?」

ミサト「加持君見てたわよ? "男はつらいよ"」

440: 2013/02/20(水) 19:30:41 ID:n3I4SNBU
カヲル「…やれやれ、話が見えないね」

シンジ「僕らが生まれる前のやつでしょそれ…」

綾波「私も知らない」

マリ「昔の映画はすごいよ~、映像加工できない分それ以外の話や役者の演技で魅せるからねwww」

アスカ「あっそ…って」

シンジ「?」

アスカ「やっぱ! これ返却期限今日じゃん!!」

ミサト「後30分ね」(時計確認)

アスカ「ミサト車出して!! すぐ返しに行かなきゃ延滞料金が」

ミサト「自分で返しに行きなさい。これ見てまだ何か言える?」フリフリ(ビール缶を掲げつつ)

アスカ「あーもう! わぁかったわよ!!」

バタバタバタ……(着の身着のままレンタルショップへ)


綾波(この時、結局間に合わずに延滞料金を払うはめになったって、弐号機の人は言ってた)

441: 2013/02/20(水) 19:31:50 ID:n3I4SNBU
真夜中 AM1:21

綾波「……フゥ…」(ベッドで横になって読書中)

綾波(ジュール・ヴェルヌ作、海底二万海里)

綾波(潜水艦ノーチラス号が太平洋で漂流していた主人公達を助け、)

綾波(そのまま太平洋、インド洋、南極圏、そして大西洋を北上後、姿を消す)

綾波(学者である主人公は深海の神秘に驚き続ける中、最後にネモ船長の)

綾波(海中と言う切り離された世界で生きる人が見せた)

綾波("復讐"と言う人間しか持ちえない感情を見ることになったお話)

綾波(フランス語を翻訳しているのでやや表現がくどい)

綾波(…読み終わった)

カタ…(部屋の外で物音)

綾波「?」

442: 2013/02/20(水) 19:33:39 ID:n3I4SNBU
綾波「」ソー(静かに部屋のドアを開け、音源を確認)

シンジ「」(玄関から外へ)

綾波「…碇君?」

綾波「………」

綾波(メガネの人が外に出ることはたまにあるけど)

綾波「………」

綾波(他の人はみんな寝てる…)

綾波「………」

綾波レイの選択  シンジを追う  シンジを追わずに寝る

綾波「………」

綾波レイの選択  シンジを追う← シンジを追わずに寝る

綾波「…碇君が心配だから」(静かに玄関を出てシンジを追う)

443: 2013/02/20(水) 19:34:40 ID:n3I4SNBU
屋上

シンジ「…フゥ、さて…」

綾波(屋上でいすに座って? あれは…チェロ?)

シンジ「今日は月がきれいだなぁ…」(空を見つつ)

シンジ「…最近はぜんぜん弾いてなかったし、良いよね?」キョロキョロ(辺りに人がいないことを確認)

シンジ「誰かに見られるのも恥ずかしいし…」

シンジ「~♪」(演奏開始)

綾波(碇君、楽器の演奏できたんだ)

綾波(知らなかった)

444: 2013/02/20(水) 19:36:31 ID:n3I4SNBU
シンジ「~♪」(演奏中)

綾波(夜空の下、一人孤独に演奏するチェリスト)

綾波(私の知らない、碇君の一面)

綾波(普段みんなといる姿とは違う)

綾波(違う穏やかで)

綾波(違うやさしさで)

綾波(違う姿)

綾波「………」

綾波「」(足音を立てず、シンジの約3m後ろに座る)

綾波(今の姿は、まるで満月の夜に咲く月見草のように、儚い)

綾波(邪魔しちゃいけない)

綾波(けど、もっと見たい)

445: 2013/02/20(水) 19:37:58 ID:n3I4SNBU
AM1:56

シンジ「…フゥ…そろそろ帰るかな…」(演奏終了)

綾波「演奏は終わり?」

シンジ「え? うわぁっ!? あ、綾波!?」

綾波「ごめんなさい。玄関を開ける音、聞こえたから」

シンジ「そ、そうなんだ…」

綾波「知らなかった」

シンジ「な、何が…?」

綾波「碇君が楽器を演奏できること」

シンジ「す、少しね。」

綾波「上手」

シンジ「あ、ありがとう」テレテレ…

綾波「私、楽器演奏できないから」

446: 2013/02/20(水) 19:39:00 ID:n3I4SNBU
シンジ「チェロとかヴァイオリンは敷居が高いからね…」

綾波「そうなの?」

シンジ「いい音を出せるようになるには、それなりに練習が必要だよ」

綾波「碇君は練習をしたのね」

シンジ「僕なんてまだまだだよ…」

綾波「そう」

シンジ「うん。うまい人はもっとすごいよ」

綾波「そう」

シンジ「あ、あのさ綾波…」

綾波「何?」

シンジ「今日のことは、・・・みんなに内緒にしておいてくれないかな?」

447: 2013/02/20(水) 19:41:01 ID:n3I4SNBU
綾波「なぜ?」

シンジ「こっそり練習しているのがばれるの、いやだからさ」

綾波「わかった」

シンジ「ありがとう。助かるよ」

綾波「碇君」

シンジ「な、何?」

綾波「なぜ隠すの?」

シンジ「なぜって、…下手な姿って、見られたくないから」

綾波「最初から何かをうまくこなせる人って、いる?」

シンジ「ぼ、僕は無理かな? 要領悪いし」

綾波「弐号機の人もメガネの人も私も、料理は下手」

綾波「練習しないと、上手にならない」

綾波「上手くなるために練習していることを隠す必要、無いと思う」

448: 2013/02/20(水) 19:41:47 ID:n3I4SNBU
シンジ「ア、アスカとかさ、プライドが強いからそういう自分の弱みって見せたがらないよね?」

シンジ「それと一緒だよ」

綾波「…わかった。今日のことは誰にも言わない」

シンジ(よかった…。納得してくれた)

綾波「その代わり」

シンジ「え? な、なに?」

綾波「今ここで、もう一曲碇君の演奏を聞かせて」

シンジ「そ、それはかまわないけど…」

綾波「お願い」

449: 2013/02/20(水) 19:42:37 ID:n3I4SNBU
シンジ「じゃ、じゃあ曲目はパッヘルベルで"カノン"」

シンジ「弦楽四重奏のチェロパートだから、聞いててもあんまり楽しくないかもしれないけど」

綾波「かまわないわ」

シンジ「う、うん。じゃあはじめるね」シンケン
弦楽四重奏 パッヘルベル "カノン"(youtubeより)↓
http://www.youtube.com/watch?v=3Wn5IulkrMc" >http://www.youtube.com/watch?v=3Wn5IulkrMc


シンジ「」(演奏中)

綾波(月下のチェリストの独演会)

綾波(観客は私一人)

綾波(この演奏は私だけしか知らない)

綾波(これは碇君と私しか知らない)

綾波(碇君と私の"秘密")


綾波(…以前とは違う胸のぽかぽかを、私は感じた)

綾波(たまには、夜家を抜け出すのもいいかもしれない)

461: 2013/02/24(日) 10:34:42 ID:iO4haQiQ

葛城宅



     コン コン  ガチャ

アスカ「バカシンジー。 国語の宿題なんだけどー」

シンジ「アスカ」

アスカ「……ん?」

アスカ「ゲームやってたの?」

シンジ「うん。 ケンスケが貸してくれたんだ」

アスカ「……なにこれ? 随分と荒いCGのゲームね」

シンジ「そりゃそうだよ。 かなり古いゲームだから」 クスッ

アスカ「ふ~ん」

シンジ「で? 何が聞きたいの?」

462: 2013/02/24(日) 10:35:42 ID:iO4haQiQ


―――――――――――


シンジ「――って感じかな」

アスカ「日本語って……ホント、曖昧な表現が多いわねー」

アスカ「ついて行けないわ……」

シンジ「ハハハ……」

アスカ「…………」

シンジ「……? 何? アスカ?」

アスカ「ゲーム、続きしないの?」

シンジ「もちろんするけど……もしかして見るつもり?」

アスカ「悪い?」

シンジ「そんな事はないけど……」

463: 2013/02/24(日) 10:36:46 ID:iO4haQiQ

シンジ「これ、ホラー仕様で結構怖いよ?」

アスカ「こんなつたないCGの、しかもゲームが怖いわけ無いでしょ?」

アスカ「あたしをバカにする気?」

シンジ「い、いや、そんな事はないけど……」

アスカ「じゃあ別に構わないでしょ」

シンジ「う、うん」

アスカ「ちなみになんてゲームなの?」

シンジ「バ○オ ハ○ード」

アスカ「ああ……映画にもなってたわね」

シンジ「ゲームもシリーズ化されているけど、これはその第一作だよ」

464: 2013/02/24(日) 10:37:53 ID:iO4haQiQ

アスカ「あのヲタメガネ、なんでまた、こんな古いゲームを引っ張り出したのかしら?」

シンジ「ケンスケの好みで、この第一作目がシリーズの中で一番好きなんだって」

アスカ「ふーん」

     バンバンッ!  ああああー…… ううううー……

シンジ「よっ……ほっ……っと」

シンジ「ふう……この階は、何もないのかな……」

アスカ「…………」

     ババンッ! ああああー……!

シンジ「うわっ!? こんな所にゾンビがっ!」

シンジ「このっこのっ!」

アスカ「…………」

シンジ「ああ……ゲームオーバーかぁ」

465: 2013/02/24(日) 10:39:04 ID:iO4haQiQ

アスカ「ねえ、バカシンジ」

シンジ「ん?」

アスカ「あたしにも、やらせなさいよ」

シンジ「え? ……ああ、うん。 いいけど……」

シンジ「えと、やり方は……」

アスカ「いい。 後ろで見てて大体覚えたから」

シンジ「そ、そう?」

アスカ「それよか何か飲みたいわ。 サイダーか何か持ってきてよ」

シンジ「……えと、ここ僕の部屋」

アスカ「早く」

シンジ「……はい」

466: 2013/02/24(日) 10:40:15 ID:iO4haQiQ

シンジ「ほら、アスカ。 サイダー。 レモンを入れておい」

アスカ「ちょっとバカシンジ!」

シンジ「え?」

アスカ「何で銃が使えなくなるのよ!」

シンジ「ああ、それは弾切れじゃない?」

アスカ「何ですって!? ゲームのくせに、何でそんな所は律儀なのよ!」

シンジ「リアリティを出す為だと思うけど……」

アスカ「こんなクソCGで、リアリティなんて追求するなってぇの!!」

シンジ(ごめんなさい、カ○コン……)

アスカ「ああもう、イライラするっ!」 ピッ(ニューゲーム)

シンジ(だったら、やらなきゃいいのに……)

467: 2013/02/24(日) 10:41:16 ID:iO4haQiQ


―――――――――――


アスカ「ったく、ゾンビのくせに」

アスカ「このアスカ様に楯突くのは10年早いっての!」

シンジ(……随分氏んだけどね)

アスカ「さぁーて、探索をはじめるわよ♪」

シンジ「あ、あの……さ、アスカ」

アスカ「何よバカシンジ」

シンジ「いちいちゾンビを相手にしなくてもいいんだよ?」

アスカ「どうしてよ? 敵を殲滅させてからの方が、安心して探索できるじゃない」

シンジ「言いにくいんだけど……」

468: 2013/02/24(日) 10:42:29 ID:iO4haQiQ

シンジ「ゾンビは『一時的』に動けなくなっただけで……」

シンジ「時間が経てば、また動き出すんだ」

アスカ「はあ!?」

アスカ「何よそれ! そんな事は早く言いなさいよ!」

シンジ「言おうとしたら、アスカがいいって言ったじゃないか」

アスカ「! じゃ、じゃあ、どうしたらいいのよ!?」

シンジ「だから、たいした事のないゾンビは、放っておいて」

シンジ「エリアチェンジしたらいいんだよ」

シンジ「それでとりあえず、ゾンビは来なくなるから」

アスカ「どうして所々でゲームっぽいのよ!」

シンジ「僕に言われても……って言うか、ゲームだし」

469: 2013/02/24(日) 10:43:47 ID:iO4haQiQ


     バダンッ!! ガウウウッ!!


アスカ「ひえっ!?」

シンジ「あ~あ……」

アスカ「こ、このっ!」 パンパン!

アスカ「! た、弾がっ!」

     ギャアアアッ……!

     ゲームオーバー

アスカ「…………」

シンジ「…………」

470: 2013/02/24(日) 10:45:37 ID:iO4haQiQ

シンジ「しょ、しょうがないよ、アスカ」

シンジ「序盤で結構弾丸を使ってたし……」

アスカ「もういいっ! 寝る!」

シンジ「あっ……」

シンジ「…………」

シンジ「もう……勝手だなぁ」


―――――――――――


アスカ「ったく!」

アスカ「何なのよ! あの最後の犬!」

アスカ「ゾンビらしく、のろのろ動きなさいってぇの!」

アスカ「あーもう! さっさと寝よう!」

471: 2013/02/24(日) 10:46:28 ID:iO4haQiQ


―――――――――――


アスカ「――っすが、あたし!」

アスカ「ゾンビなんて、敵じゃないわ♪」

アスカ「さて、後はあの犬コロを始末して……」

     カタン……

アスカ「ん……?」

アスカ「何の音かしら? 廊下から聞こえてきたけど」

     ガチャ……キィ……

アスカ「あれ? 電気が消えてる……」

アスカ「ブレイカーでも落ちた?」

472: 2013/02/24(日) 10:47:41 ID:iO4haQiQ

アスカ「……あたしの部屋は、ちゃんとついてるわね」

アスカ「どういう事?」

     テク テク テク…

アスカ「おーい、バカシンジー」

アスカ「コネメガネー、エコヒイキー」

アスカ「ホ〇ルー、ミサトー?」

     シーン……

アスカ「…………」

アスカ「……ちょっと、冗談は、よしなさいよ……」

アスカ「どうして、誰も返事しないのよ……」

     カタン

アスカ「ひっ……!」

473: 2013/02/24(日) 10:48:45 ID:iO4haQiQ

アスカ「……!」

アスカ「あれは……?」


シンジ?「…………」


アスカ「なぁんだ……ちゃんと居るじゃない」

アスカ「ちょっと、バカシンジ! 呼んだんだから、すぐに返事しなさ」


シンジ?「ぁぁああぁぁぁあああぁっ……!」 グワァッ!


アスカ「!?!?!?!」


     キャアアアアアアアッ!!


474: 2013/02/24(日) 10:50:18 ID:iO4haQiQ

アスカ「はあっはあっはあっ!」

アスカ「何よ……何よ……! 何よ!」

アスカ「何なのよ!?」


マリ?「…………」

綾波?「…………」


アスカ「ひいっ!?」


マリ?「ああぁぁぁあぁあぁ……」

綾波?「ぁああっぁあぁぁあぁ……」


アスカ「いやあああっ!!」

     ダッ!

475: 2013/02/24(日) 10:51:48 ID:iO4haQiQ

アスカ(わけわかんないっ!)

アスカ(ともかく、外に出よう!)

     ガチャガチャ! ガチャ!

アスカ「!?」

アスカ「どうして!? 鍵は空いてるのに、開かないっ!」

     ぁああぁぁぁああっぁぁぁ……

アスカ「ひぎっ!?」


ミサト?「…………」

カヲル?「…………」


476: 2013/02/24(日) 10:53:14 ID:iO4haQiQ


ミサト?「ぁぁぁぁああぁあああっ……」

カヲル?「あぁぁぁぁぁあぁあああぁあっ……」


アスカ「こ、来ないでっ……!」

アスカ「や……いやぁ……」

アスカ「いやああああああああああっ!!」


     ガブウッ! ビシュッ……! ビチャ、グチャッ……!


477: 2013/02/24(日) 10:54:07 ID:iO4haQiQ


―――――――――――


アスカ「……っああ!!」 ガバッ!

アスカ「はあっはあっはあっ……!」

アスカ「はあっ……はあっ……」

アスカ「…………」

アスカ「……ゆ、夢……?」

478: 2013/02/24(日) 10:55:32 ID:iO4haQiQ

アスカ「…………」

アスカ「あ―――――――――――もう!!」

アスカ「全っっ………………っ部!!」

アスカ「あのクソゲーのせいだわ!!」

アスカ「まったくもう……」

アスカ「…………」

アスカ「……午前2時か」

     ぶるるっ

アスカ「…………」

アスカ(嘘でしょ……どうしてこのタイミングで)

アスカ(トイレに行きたくなるのよぉ……)

479: 2013/02/24(日) 10:56:37 ID:iO4haQiQ

     カチャ……キィ……

アスカ「うう……真っ暗……」

アスカ「ええと……廊下のスイッチは……」

アスカ「あった」

     パチン……

アスカ「……あれ?」

     パチン……パチン……パチン……

アスカ「…………」

アスカ(……どぉして点かないのよぉ)

     ※注 偶然にも電球の寿命が来ていたんです!

アスカ「ううううっ……ううっ……」 モジモジモジッ

アスカ(ヤ、ヤバイッ……もう限界っ) モジモジモジッ

480: 2013/02/24(日) 10:57:42 ID:iO4haQiQ

アスカ「……こ、怖くなんか、ないんだからっ」

アスカ「ほ、ほんの、10mくらいの道のりっ……じゃないっ……」

アスカ(い、行くのよ、アスカ!)

―――――――――――

マリ「――ふあっ」

マリ「むー……」

マリ「ありゃ……まだ真っ暗だにゃー」

マリ「…………」

マリ「……トイレに行こっと」

―――――――――――

マリ(おりょ?)

481: 2013/02/24(日) 10:59:22 ID:iO4haQiQ

マリ(姫……何してるのかにゃ?)

マリ(…………)

マリ(ぬふふ……ちょっと脅かしたくなる、シチュエーション♪)

     ※注 あくまで、尿意を我慢しています↓

アスカ「……んっ!……くっ………んんっ………」


マリ(抜き足……差し足……忍び足……っと)

マリ(ぬっふっふっ……) ソー……

マリ「……姫っ!」 ポンッ!

アスカ「ひぎっ!?」

482: 2013/02/24(日) 11:00:35 ID:iO4haQiQ
―――――――――――――――――――――――――――――――――




     ただ今、アスカは【 奇妙な冒険 】しております。

     しばらくお待ちください




―――――――――――――――――――――――――――――――――

483: 2013/02/24(日) 11:01:24 ID:iO4haQiQ
―――――――――――――――――――――――――――――――――




     ただ今、アスカは【 奇妙な冒険 】しております。

     しばらくお待ちください




―――――――――――――――――――――――――――――――――

484: 2013/02/24(日) 11:02:00 ID:iO4haQiQ
―――――――――――――――――――――――――――――――――




     ただ今、アスカは【 奇妙な冒険 】しております。

     しばらくお待ちください




―――――――――――――――――――――――――――――――――

485: 2013/02/24(日) 11:03:49 ID:iO4haQiQ

     テク テク…

綾波「……何しているの?」

マリ「あっ……ファースト。 いいところに来てくれたにゃ」

アスカ「ぐすっ……何が……ひっく……いいところよ……」

綾波(……どういう状況?)

マリ「んーとね、洗面所から雑巾……ううん、タオルでもいいにゃ」

マリ「とにかく、何か拭くものを持ってきて」

綾波「……わかった」

     テク テク…

―――――――――――

486: 2013/02/24(日) 11:05:02 ID:iO4haQiQ

アスカの部屋



マリ「……という訳でー」

マリ「全面的に私が悪かったにゃ」

マリ「ごめん、姫……」

アスカ「…………」 ズーン……

綾波「……どうして、そんなに我慢を?」

アスカ「…………」

綾波「弐号機の人?」

アスカ「うっさいわね……どうでもいいでしょ、そんな事……」

綾波「…………」

487: 2013/02/24(日) 11:06:08 ID:iO4haQiQ

マリ「んじゃ、姫。 明日……いや、もう今日か」

マリ「とにかく、朝一番で洗濯しておくから」

マリ「それで許して? ね?」

アスカ「ヤダ」

マリ「ええー」

アスカ「…………」

アスカ「……罰として、しばらく一緒に寝てくれたら」

アスカ「許してあげるわ」

マリ「はい~?」

綾波「…………」

488: 2013/02/24(日) 11:06:56 ID:iO4haQiQ

綾波「弐号機の人」

アスカ「……何よ」

綾波「もしかして……寂しい?」

アスカ「…………」

アスカ「……そうね。 そうかもしれない」

マリ(ええー!?)

綾波「…………」

綾波「なら」

綾波「私も一緒に寝る」

アスカ「!」

マリ「ファースト?」

489: 2013/02/24(日) 11:08:14 ID:iO4haQiQ

綾波「静かな静寂……」

綾波「時々、嫌でも一人なんだと思わされる」

綾波「それが、寂しい」

アスカ「エコヒイキ……」

綾波「寂しいは」

綾波「とても……嫌な気持ち」

綾波「弐号機の人に、そうであって欲しくない」

綾波「だから、一緒に寝る」

アスカ「…………」

マリ「…………」

490: 2013/02/24(日) 11:09:14 ID:iO4haQiQ

アスカ「ふん……」

アスカ「いいわ、エコヒイキ」

アスカ「一緒に寝て」

綾波「…………」 コクッ

マリ(おりょ? 姫、復活ー?)

アスカ「もちろん、コネメガネもね」

マリ「はいはい、わかったにゃ」

アスカ「あたしが目を覚ました時に居なかったら」

アスカ「許さないんだから」

マリ「ええー!? 私だけ、特別ルール~!?」

アスカ「つべこべ言わない! さあ、もう寝るわよ!」

491: 2013/02/24(日) 11:10:13 ID:iO4haQiQ

     パチン(消灯)……

マリ(……はあ)

マリ(どうしてこんな事に……)

     ギュ

マリ(……え!?)

綾波(弐号機の人、手を握ってきた……)

アスカ(…………) ///

マリ(…………)

綾波(…………)

492: 2013/02/24(日) 11:11:08 ID:iO4haQiQ

マリ(……姫、怖い夢でも見たのかにゃ?)

マリ(かわいい……♪)

綾波(…………)

綾波(……初めて)

綾波(手の温もりを感じながら、眠りにつく)

綾波(それは、息遣い以上の)

綾波(存在の確認……)

綾波(…………)

綾波(いままで、味わった事のない)

綾波(命の鼓動)

綾波(…………)

綾波(…………) zzz

493: 2013/02/24(日) 11:12:07 ID:iO4haQiQ

学校



ケンスケ「おはよう、碇」

シンジ「おはよう、ケンスケ」

ケンスケ「碇、どうだった? あのゲーム?」

アスカ「……」 ピクン

シンジ「うん、結構面白いね」

シンジ「単純なアクションだけじゃなく、謎解き要素もあるから」

シンジ「ホントに難しいけど、楽しいよ」

ケンスケ「へえー。 碇って、意外とホラーゲーム、大丈夫なんだな」

アスカ「……」 イラッ…

494: 2013/02/24(日) 11:13:09 ID:iO4haQiQ

ケンスケ「じゃあさ、これはどうかな?」

シンジ「シリーズの続編?」

ケンスケ「いや、別物なんだけど……」

ケンスケ「あまりにも怖くて、結構人を選ぶゲームなんだ」

シンジ「へえ~……サ○レン……か」

アスカ「……」 イライラ

ケンスケ「いや~僕もホラーゲームは、好きなんだけど」

ケンスケ「それでも相当の恐怖感が味わえ」

     スパコーンッ!

アスカ「うがああああああっ!!」

495: 2013/02/24(日) 11:14:18 ID:iO4haQiQ

シンジ「ア、アスカ!? いきなり新聞紙、丸めて何を!?」

シンジ「って、ケンスケ! 大丈夫!?」

ケンスケ「痛てっ! 痛てっ!」

ケンスケ「な、何するんだよ!? 式波!?」

アスカ「うがっ! うがっ! うがああああっ!」

シンジ「ア、アスカ――!!」



     教訓。 もうバ○オは、二度とやらない。

     そう思う、シンジだった……。




     おしまい

496: 2013/02/24(日) 11:20:18 ID:iO4haQiQ
というわけで、短いですが終了です。
ちなみに自分は、このSSに出てきた犬ゾンビが恐ろしくて
バ○オ ハ○ードはここまでしか知りません。

【 奇妙な冒険 】は【 ジョジョ 】にした方がわかりやすかったかなー
お粗末でした。

497: 2013/02/24(日) 21:21:37 ID:1eYQ6OUc
ああ~
奇妙な冒険ってジョジョ…ああ!!そういう意味か!!納得!

乙でした!!
アスカとマリとレイがどんどん仲良くなってくな~………良いね!

498: 2013/02/24(日) 22:43:26 ID:UuAs.3C6
>>496
oh… アスカかわいそうに…

乙です。ゲームネタは自分全然書けないんでそちらでお願いしますね
さすがにバイ○ハ○ードは知ってますけど

引用元: リツコ「ミサト、引っ越しして頂戴」 ミサト「え、2回目?」