2: 2014/12/15(月) 18:12:26.47 ID:9QO9XnPb0
-事務所-


キィ・・・ガチャ


P「おーい、明かりついてるけど、誰かいるのか?」キョロキョロ


P「うおっ!芳乃!」


芳乃「ほー、そなた、こんな遅くまでご苦労でしてー」


P「遅いって言ったら、芳乃も……」


芳乃「わたくしはそなたを待っていたのでしてー。」


芳乃「日が暮れるといえどもー、待つのがわたくしの成すことー」


P「そうか、それで、何か用事か?」



芳乃「話ありましてー、直接言うのがよいでしょー」

3: 2014/12/15(月) 18:13:27.01 ID:9QO9XnPb0
芳乃「わたくし、アイドルを止めさせて欲しいのですー」



P「! そんな急に!」


P「どうしたんだ芳乃、仕事で何か嫌なことが…」


芳乃「いえー。アイドルはキラキラパシャパシャ。わたくしの新たな扉だったのでしてー」


芳乃「それとは、ねじれの位置の現象なのでしてー」



P「別の理由があるってことか?」




芳乃「わたくしは人柱なのでしてー」

4: 2014/12/15(月) 18:14:24.47 ID:9QO9XnPb0
  
P「!?」


P「…は?!…芳乃が、人柱?」


芳乃「冗談ではないのでしてー」


芳乃「そなたがわたくしを求めたのも―、やはり大きな輪のなかー」


芳乃「たどり着く結末は変わりようがないのでしてー」


P「待ってくれ芳乃!」


P「人柱?を信じるとして、何処のための?誰が決めた!?」


5: 2014/12/15(月) 18:18:36.68 ID:9QO9XnPb0


芳乃「……そう、焦ることはよくな…」


P「答えてくれ!」


芳乃「わたくしの家の山がありましてー、土地の安寧ー」


芳乃「魂の安静ー」


芳乃「清らかなるものの思慕ー」


芳乃「そのためー。世界が決めたことでしてー、」


芳乃「それはわたくしとそなたを超越する理ー」


芳乃「であるからしてー、わたくしは地面奥底に沈みましょうー」

6: 2014/12/15(月) 18:20:15.52 ID:9QO9XnPb0

P「……」



P「行かせないぞ」


P「そんなのおかしいじゃないか!なんで芳乃が氏ぬんだ!」


芳乃「氏ぬのではありませんー、御霊となりてーみなを守るのですー」


P「同じだ!」

7: 2014/12/15(月) 18:21:25.47 ID:9QO9XnPb0
芳乃「……」


芳乃「わたくしが沈まなくてはー、世界が壊れるのでしてー…」


芳乃「だから…」


P「誰が言ったんだ?」


芳乃「’声’が言ったのでしてー。大いなる魂が」


P(それは、ただの洗脳なんじゃないのか)


8: 2014/12/15(月) 18:24:48.35 ID:9QO9XnPb0

芳乃「止めてくださるそなたの好意をー、断るのが一番つらいー」


P「…」





P「…なんだよ、なんで…」


芳乃「………」

9: 2014/12/15(月) 18:26:26.82 ID:9QO9XnPb0

芳乃「……わたくし、」


芳乃「わたくしはー、社から出ようにも出られぬ身でしたー」


芳乃「しかしある時ー、出られてー、歩いてー」


P「・・・」


芳乃「そなたに会ったのです―」



芳乃「わたくしー、輪から出られたのだとー、こ、こころ、うれしく…っ」



芳乃「……けれど、そ、れも輪の、なかー」グスッ



芳乃「わたくしは人柱になるのにふさわしくー、そうなるために、アイドルになる定めー」

10: 2014/12/15(月) 18:27:55.43 ID:9QO9XnPb0



芳乃「みなに愛されー、みなから崇拝されるー」



芳乃「―――まさしく人柱でございましょう」


11: 2014/12/15(月) 18:29:19.39 ID:9QO9XnPb0


P「……」


P「お前には心がある。16歳で、思い出もある」



芳乃「それはー、この体に、16年と言う歳月が重なったに過ぎずー」


P「芳、」


芳乃「わたくしを止めたいなら、他の依り代用意してみませー!」

12: 2014/12/15(月) 18:31:42.21 ID:9QO9XnPb0


芳乃「……はぁっ、はぁっ、っ…」


芳野「はぁ…、……




芳乃「わたくしは、そなたの笑顔が好きなのでしてー」


P「っ…」


芳乃「依田芳乃は、この世界と、この世界に生きるそなたを、守りたいー」

13: 2014/12/15(月) 18:32:57.04 ID:9QO9XnPb0

芳乃「……やっぱり、」


芳乃「そなたと居るときはー声は聞こえないのでして―」



芳乃「でも、……一人で待っているときは、ごうごうと、聞こえてくるのですー」


芳乃「法螺貝より大きな音なのですー」



P「だったら……」

14: 2014/12/15(月) 18:34:14.25 ID:9QO9XnPb0


P「歌え!!」


芳乃「えっ、」キョトン


P「お前はまだトップアイドルになってないだろう、」


P「満員になったコンサートホールの声援を知らないだろう!」


P「ファンの声援は、法螺貝より、声より、大きいんだ!」


芳乃「そん、そんなことー」


P「ある!!」


15: 2014/12/15(月) 18:35:48.79 ID:9QO9XnPb0
P「そんな泣き顔で笑ったところで、ファンに愛されない!」


P「まだまだ、崇拝なんて、されてない」


芳乃「…わたくしは、まだー…?」


P「ああ。だから、俺と一緒にトップアイドルになって信仰を集めるまで、人柱は我慢だ」


芳乃「我慢ー」

16: 2014/12/15(月) 18:36:40.97 ID:9QO9XnPb0

P「人柱になることが、世界のためで、覆せないって言うんなら…」


P「トップアイドルになって、そうしたら、俺も一緒に、人柱になってやる」


P「それじゃあ駄目か?」



芳乃「そなた、まで…世界のためにー…?」


P「プロデューサーとアイドルは、一心同体だ」



芳乃「ふふ、っ、プロデューサーっ、」


P「うん」

17: 2014/12/15(月) 18:37:21.63 ID:9QO9XnPb0

芳乃「プロデューサー…」


芳乃「プロデューサー、一緒に世界を、夢を、叶えてみませー」


P「ああ」

18: 2014/12/15(月) 18:39:12.47 ID:9QO9XnPb0



・・

・・・


依田芳乃 16歳。


夢、トップアイドルになって、人柱になること。



おわり











人柱まで求められるとか、よしのんPハードル高杉ィ!!


19: 2014/12/15(月) 18:43:41.55 ID:9QO9XnPb0
よしのんの口調で文を書けるかなーっていう
挑戦だったはずなのに、いつの間にかオットコマエPのSSになっていたのでしてぇ…

途中 」 が抜けてスミマセン!

見ていただいてありがとうございました。

20: 2014/12/15(月) 18:58:56.52 ID:1Rm4+5MDO
おつ

引用元: 【モバマス】 モバP「・・・は?!・・・芳乃が、人柱?」