1: 2020/05/10(日) 00:28:57 ID:cdrsAUCT0.net
ヨーダ「レイまでダークサイドに堕ちたらどうする? ん? どうしようかのう」

ルーク「急にどうされたんですか、マスターヨーダ」

ヨーダ「ふと気づいたんじゃ……ワシの系列は相当堕ちとる」

ヨーダ「ドゥークーに、お前の父のアナキン、それからお前の弟子のベン……」

ヨーダ「3人じゃ。3人も堕ちておる。いくらなんでも堕ちすぎじゃ。ワシ、怖い」

ルーク「落ち着いて、恐怖はダークサイドに繋がります」

ヨーダ「でも怖いんじゃ。レイまで堕ちたらどうしようと、考えるとな」

ヨーダ「実際、この分ではレイが堕ちるのも時間の問題じゃろう。さてさてヤバいのう」

ヨーダ「居ても立ってもいられん。霊体なのにな。フム」

ルーク「レイの心は強くあります」

ヨーダ「そう思うか? 『まあコイツなら大丈夫だろう』と。それこそが油断よ」

ヨーダ「油断していると、なんやかんやで堕ちる。コロッとな」

4: 2020/05/10(日) 00:34:04 ID:cdrsAUCT0.net
ルーク「今のあなたは、不必要に悲観しているように思えます」

ヨーダ「悲観して当然、なにせワシの系列じゃ」

ヨーダ「…………ところで、感じておるか、ルーク。レイと皇帝の対決は近い」

ルーク「はい」

ヨーダ「ヤツはレイを女帝として引き入れようとする。間違いなくな。フォースもそう囁いておる」

ルーク「私も感じています。ですが、レイは拒むでしょう」

ヨーダ「そうだろう。だが果たして、レイはその誘惑を拒みきることができるかのう? ん?」

ルーク「……確証は」

ヨーダ「ないだろうな、ベンを堕としちゃったお前には」

ルーク「……」

ヨーダ「かくいうワシもドゥークーを堕としちゃった経験がある。その経験則からして――」

ヨーダ「あの娘も例外ではなく……堕ちちゃうかもしれん。二つ返事で女帝になる可能性もゼロではない」

5: 2020/05/10(日) 00:39:39 ID:cdrsAUCT0.net
ルーク「あなたらしくない物言いだ。ベンのことで自棄になっていた私を励ましてくれたはずです」

ヨーダ「最近のワシは不安定なんじゃ……CGのようになめらかかと思えば、パペットのように固くもなる」

ルーク「元気を出してください」

ヨーダ「フゥム……難しいわ。なにせ……晩年のワシ、やらかしてばかりじゃからな……」

ルーク「……」

ヨーダ「怖くて今まで振り返らないようにしておった。だが霊体ともなると嫌でも考える時間は増える」

ヨーダ「もうそろそろ時効かと思い、クローン大戦の前後辺りを思い返してみたんじゃ」

ルーク「はい」

ヨーダ「我ながらビックリするほどしくじっておる」

ルーク「……」

ヨーダ「シディアスを逃した時のことが脳裏をよぎると、吐きそうになるのう」

ヨーダ「今も『あぁぁぁごめんなさい』と叫んで頭を叩きながらゲロ吐いてのた打ち回りたい気分じゃ」

6: 2020/05/10(日) 00:44:20 ID:cdrsAUCT0.net
ヨーダ「アナキンを引き入れたのもまずかった……。オビワンをビンタしてでも止めるべきじゃった」

ヨーダ「おかげでアナキンはビックリするほど堕ちた。悪い予感はあったが、まさかあんなに堕ちるとは」

ヨーダ「これ以上ないほどに堕ちた。ホントに、笑っちゃうほど堕ちたのう、お前の父は」

ルーク「誰もあなたの責任とは考えていません。今となっては、皆があなたに感謝しているはずです」

ヨーダ「いや、確実にジェダイ全員がワシを無能だと思っとる。フォースがそう囁いている」

ルーク「統合失調症の予兆でしょう。少し休んだほうがいい」

ヨーダ「休む? ハッ、休むと言ったか、若きスカイウォーカーよ。ワシが休んどる間にレイが堕ちたらどうする」

ヨーダ「レイが堕ちたらワシの系列で4人目。いよいよ、ワシへの無能認定が確定的に明らかとなる」

8: 2020/05/10(日) 00:49:38 ID:cdrsAUCT0.net
ルーク「……では、あなたはどうすれば満足なんですか」

ヨーダ「応援しよう」

ルーク「……」

ヨーダ「レイは修行を重ね、ワシらの声を拾うに足る力を身につけておる」

ヨーダ「霊体となったジェダイの皆で、レイを応援しよう。皇帝とあいまみえた、その時にな」

ヨーダ「さすれば、ダークサイドに堕ちんですむ……かもしれん」

ルーク「過度な呼び掛けはレイを惑わすことになります。皇帝との戦いには精神の均衡が必要だ。彼女を集中させるべきです」

ヨーダ「無理じゃ。ワシは見ているだけなんて無理じゃ。見てるだけなんて、不安で氏んでしまう」

ルーク「我々はもう氏んでいます」

ヨーダ「黙れ」

ルーク「……」

ヨーダ「ワシではない。フォースが『黙れ』と囁いたんじゃ。ルーク、お前にな」

9: 2020/05/10(日) 00:54:07 ID:cdrsAUCT0.net
ヨーダ「よいか、かの暗黒卿との戦いにワシが敗れたのは……今思えば、応援が無かったからだとは思わんか?」

ルーク「それは――」

ヨーダ「いやそうに決まっておる。あの時はだいぶアウェーじゃった」

ヨーダ「少しでも味方がいて、『ヨーダがんばえー』と声援を送ってくれていれば……おそらく結果は違っていただろう」

ヨーダ「此度のレイもアウェーでの戦いじゃ。周りにはよく分からんキモい連中ばかり。心細いに違いあるまい」

ルーク「レイはフォースと共にあります。何よりも強い味方です」

ヨーダ「そんなのまやかしじゃ。ワシだって『フォースと共にある』と思って皇帝へ挑み、そして負けた」

ヨーダ「フォースと共にあるだけでは十分とは言えん」

ルーク「あなたからその言葉を聞きたくはない――」

ヨーダ「事実じゃ。受け入れろ。フォースと共にあるだけでシスに勝てるなら、ワシなんて100回はシディアスを頃しとる」

ヨーダ「やはり直接的で解りやすい支援が必要ではないかのう。ん? 皆で声をあげ、応援するのが一番じゃ。歴代のジェダイを集めてくれ」

ルーク「……集める……? どうやって」

ヨーダ「フォースで呼びかければ集まるのではないかのう。よく知らんが」

10: 2020/05/10(日) 00:57:40 ID:cdrsAUCT0.net
ルーク「集まりました」


ジェダイたち「「「 ワイワイ ガヤガヤ 」」」


ヨーダ「よく集まってくれた。今日集まってもらったのは他でもない。レイと皇帝の決戦が控えておる、それについてじゃ」

メイス「銀河の命運を決める戦いになります」

ヨーダ「ウム」

クワイ=ガン「ヤツの狙いは明白でしょう。レイを惑わそうとしている」

ヨーダ「いかにも。レイが皇帝の話を聞き入れた場合、ワシの系列で4人目になる」

アナキン「4人目? 何の話です?」

ヨーダ「お前のようにダークサイドに堕ちたアホの人数じゃよ、ファッキンスカイウォーカー」

ヨーダ「ワシは絶対にレイに堕ちてもらいたくない。だからこそ、こうして皆に集まってもらった」

オビ=ワン「マスターヨーダには策があるとお見受けしました」

ヨーダ「ある」

メイス「その策とは」

ヨーダ「応援じゃ」

シーン

11: 2020/05/10(日) 01:02:39 ID:cdrsAUCT0.net
ヨーダ「皇帝に立ち向かわんとする我らが同士に『がんばえー』と声援を送る」

ヨーダ「ワシらが応援すれば、レイも『わー、頑張ろう』と思えるに違いない」

シーン

ヨーダ「マスタークワイ=ガン。何か不服のようじゃな」

クワイ=ガン「私だけではないでしょうが……代表して言いましょう。つまり……それが役に立つでしょうか」

ヨーダ「無論じゃ。応援は力になる。ホームで勝率があがるのは自明の理」

ヨーダ「今こそ、霊体化の術を学んだジェダイの騎士が、必氏こいてレイに声援を送るべきではないかのう。ん?」

クワイ=ガン「マスターヨーダの知見を疑うつもりはありません。応援が力になることもあるでしょう。ですが」

ヨーダ「まだ不満か」

クワイ=ガン「問題は、ここにいる者のほとんどがレイと面識がないことです」

ルーク「正確に言えば、私以外面識が無い。あなたもです、マスターヨーダ」

ヨーダ「でもワシ有名じゃし」

クワイ=ガン「ええ有名でしょう。ですが声を交わしたことがない。他人のようなものでしょう」

オビ=ワン「初めて聞く他人の声に『頑張れ』と言われ、果たしてレイはプラスにとるか……」

12: 2020/05/10(日) 01:06:34 ID:cdrsAUCT0.net
ヨーダ「レイなら大丈夫じゃ。フォースがそう囁いとる」

クワイ=ガン「ですが」

ヨーダ「フォースがそう囁いとる! なんじゃ、フォースを疑うのか? ん?」

シーン

ヨーダ「声を荒げてスマン……最近のワシはパペット寄りなんじゃ……」

ヨーダ「パペット寄りのワシは声を荒げがちになる……バランスが悪いのう……」

ヨーダ「ハァ……とにかく、快く、協力してくれんか。ワシ系列で四人目のシスが出たなんてことになったら……」

ヨーダ「想像しただけで、ワシ、消えちゃいそう。すでに氏を迎えて一度消えているが、もう一段階消えそうじゃ……」

アナキン「……どうせ霊体の僕たちには、他にできることなんてない。ならできることをするしかないでしょう」

ヨーダ「おお……!」

アナキン「マスターヨーダの提案に賛成します」

ヨーダ「ありがとう、2人目。ワシが大切に育てとった子どもたちを虐頃したことは一旦忘れ、感謝するぞ」

アナキン「どうも」

ヨーダ「他に、反対意見はないかのう。ん? 無いな。決定じゃ」

13: 2020/05/10(日) 01:09:17.385 ID:cdrsAUCT0.net
そして無事、レイは皇帝を打ち破った――


ジェダイたち「「「 ワイワイ ガヤガヤ 」」」

ヨーダ「ようやった。皆、ようやった。実に見事じゃった」

ルーク「うまくいきましたね」

ヨーダ「大成功じゃ。オビ=ワン、若い声と老いた声でふたり分演じたのはうまかったな」

オビ=ワン「ありがとうございます。多くいると思わせた方が盛り上がると考えました」

ヨーダ「うむ。他の者も良かった。レイどころかワシですら『コイツ誰だっけ』と思う面々もあったが、結果オーライじゃ」

アナキン「皆の声が届いた結果ですね」

ヨーダ「そうじゃな。お前が『バランスをもたらせ、僕のように』と言い出した時は、正直ひいたがのう」

ヨーダ「どのツラ下げて上から言ってるんだこのクズはと思ったが、成功したのだから良い」

ルーク「これで安心できますか、マスターヨーダ」

ヨーダ「うむ、これでワシも安心して――」

ヨーダ「……ん?」


ミディク口リアン「オーイ オーイ」ゴニョゴニョ


ヨーダ「しー! 皆、静かに! フォースが何か囁いておる!」

14: 2020/05/10(日) 01:12:41 ID:cdrsAUCT0.net
ヨーダ「なになに……?」


ミディク口リアン「ライアンジョンソン ガ スターウォーズ ノ アタラシイ サンブサク ツクルヨ」

ミディク口リアン「ダカラ マタ ダレカ ダークサイド オチルヨ タブン」


ヨーダ「なんじゃと……!?」

メイス「フォースは何と」

ヨーダ「また誰かがダークサイドに堕ちると言っておる……」

クワイ=ガン「いつになったらこの銀河にバランスがもたらされるのでしょうか」


ミディク口リアン「ディズニー ガ シリーズ ヲ ヤメナイカギリ イッショウ ムリダヨ」


ヨーダ「一生無理かもしれん。フォースがそう囁いとる」

ルーク「そんな……あんまりではないですか。エンドアの戦いで終わっていれば一番綺麗だったのに……」

ヨーダ「また誰かがダークサイドへと誘われようとしたときは、またワシらが応援するしかない。フォースエールじゃ」

ヨーダ「さあ、次に備えて今の内から練習するぞ。やれやれ……」

END

15: 2020/05/10(日) 01:14:13 ID:jliK0+x20.net
おつ

引用元: ヨーダ「レイまでダークサイドに堕ちたら、もう立ち直れん」