1: 2013/07/14(日) 22:33:57.05 ID:d/zrxWz00
平塚「なぁ、比企谷。私が授業でだした課題はなんだったかな」

八幡「『高校生活を振り返って』というテーマの作文ですが」

平塚「そうだな。では何なんだこのふざけた文章は」ペラッ

《天 の 道 を 往 き 総 て を 司 る》

2: 2013/07/14(日) 22:37:59.63 ID:d/zrxWz00
八幡「高校生活、いや、自分の人生を完璧に表した言葉です」

平塚「真面目に書け」ヒュッ

八幡「いや、完璧に振り返っていますよ」サッ

八幡「おばあちゃんが言っていた『世界は自分を中心に回っている。』」

八幡「『そう思った方が楽しい。』と」

平塚「お師匠様はこうも言っていたぞ『自分に溺れる者はいずれ闇に落ちる。』とな」

八幡「そうですね、平塚先生を見ているとよくわかります」

八幡「だって先生は独身と言う闇に既に落ちている」クスッ

平塚「・・・今、私を笑ったか? わ、笑え、笑えよ!」プルプル

八幡「HAHAHAHAHA!」

平塚「わ、笑うなぁ!!」ブンッ!

八幡「おっと」ヒョイ

5: 2013/07/14(日) 22:41:26.87 ID:d/zrxWz00
平塚「わ、私はな、グスッ、お、怒っているわけじゃないんだ、本当だぞ!」

八幡「すみませんでした。訂正します。だから泣き止んでください」

平塚「本当か!?」パァァ

八幡「えぇ、先生は素晴らしい女性です、いつか素敵な人が見つかりますよ」

平塚「えっ・・・、あ、あの・・・うんなんでもない」シュン

平塚「と、ところで君は部活はやっていなかったよな」

八幡「はい」

平塚「・・・友達とかはいるか?」

八幡「・・・おばあちゃんが言っていた」

八幡「『友情とは友の心が青くさいと書く』と」

平塚「つまり、いないということだな?」

八幡「端的にいえば・・・」

平塚「じゃ、じゃあ彼女とかは!?」

八幡「今は、いないですけど」

平塚「そ、そうか!? それは良かった!」

7: 2013/07/14(日) 22:45:03.09 ID:d/zrxWz00
平塚「そ、そうか!? それは良かった!」

平塚「わ、私にもチャンスはある・・・そういうことだよな」ボソボソ

八幡「先生?」

平塚「ひゃうっ!? な、なんだね!?」

八幡「レポートは後日書き直します」

平塚「あ、ああ」

八幡「ですので、これで失礼します」

平塚「ま、待て!?」

八幡「・・・まだ何か?」

平塚「ご、ゴホン、君が心ない言葉や態度で私の心を傷つけたのは確かだ」

八幡「はい」

平塚「なので、君には奉仕活動を命じる」

8: 2013/07/14(日) 22:48:29.04 ID:d/zrxWz00
平塚「着いたぞ」ガチャ

八幡「・・・ほぉ」

雪乃「平塚先生。入るときはノックをとお願いしていたはずですが」

平塚「固いことをいうな」

雪乃「そこの彼は・・・」

八幡「俺か、俺は・・・」

雪乃「自己紹介はいいわ、あなたは有名人よ、悪い意味で」

平塚「知っているのなら話は早い、彼は入部希望者だ」

八幡「は?」

平塚「知ってのとおりこいつはかなりの変わり者だ」

平塚「こいつの孤独体質の更生が私の依頼だ」

雪乃・八幡「お断りします」

八幡「俺は常に完璧、更生の必要などありません」

雪乃「こちらとしても、この下心に満ちたこの男といると身の危険を感じます」

平塚「ふむ・・・とすれば、君たちは負けを認めるのだな」

10: 2013/07/14(日) 22:52:13.39 ID:d/zrxWz00
雪乃「・・・それは、どういう意味ですか?」

平塚「まず雪乃、君は彼の更生を『全力をもってして』できないと判断した」

雪乃「なっ・・・」

平塚「そして八幡、お前は彼女に自分の完璧を認めされることができなかった」

八幡「・・・なに?」

平塚「これは敗北としかいいようがない、残念だよ」

雪乃・八幡「やります!!」

平塚(ちょろい)ニヤニヤ

12: 2013/07/14(日) 22:55:48.15 ID:d/zrxWz00
八幡「ところで、この部は何を行う部なんだ」

雪乃「・・・そうねではゲームをしましょう」

八幡「ゲーム?」

雪乃「この部が何部か当てるゲームよ」

八幡「ヒントは?」

雪乃「なしよ、そのぐらい答えて見なさい『天の道を往く男』さん」

八幡「・・・」

雪乃「降参する?」

八幡「奉仕部」

雪乃「そう、降参・・・えっ・・・」

八幡「あの人が考えそうなことだ、だいたいわかる」

八幡「ノブレスオブリージュ、理念はこれだろうな」

雪乃「せ、正解よ・・・」

八幡「フッ・・・今回は俺の勝ちだな」

雪乃「くっ・・・」

14: 2013/07/14(日) 22:59:29.35 ID:d/zrxWz00
平塚「面白いことになっているじゃないか」ガラッ

雪乃「先生、ノックを」

平塚「悪い悪い、しかし、仲が良さそうでなによりだ」

雪乃・八幡「どこがですか」

平塚「結構結構、ではどうだ、これから君たちに勝負してもらおう」

八幡「勝負?」

16: 2013/07/14(日) 23:03:29.24 ID:d/zrxWz00
平塚「そうだ、これから君たちの下に悩める子羊を導く」

平塚「それを君たちなりに救って見たまえ」

平塚「そう、人間はみな、戦わなければ生き残れない!!」

雪乃「先生、年甲斐もなくみっともないです」

平塚「と、とにかく勝負だ、勝負」

平塚「うむ、では勝った方が負けた方に何でも命令できるというのはどうだろう」

雪乃「なっ・・・」

平塚「逃げるのか?」

雪乃「・・・少しばかり癪ですが、また、その安い挑発乗ってあげます」

八幡「まぁ、勝つのは俺だがな」

平塚「ふっ、微笑ましいな」(・・・戦え・・・戦え)

17: 2013/07/14(日) 23:07:40.86 ID:d/zrxWz00
コンコン

雪乃「どうぞ」

由比ヶ浜「し、失礼しまーす」

由比ヶ浜「って、なんでヒッキーがここにいるし!?」

八幡「・・・なんでと言われても、俺はここの部員だ」

由比ヶ浜「ど、どういうこと、なんで私にだまってたの!?」

八幡「・・・由比ヶ浜に言う必要がどこにある?」

由比ヶ浜「えっ、だって私とヒッキーは・・・」

八幡「クラスメイト・・・それ以上でもそれ以下でもない」

由比ヶ浜「い、いやそれは・・・」ジワ

八幡「違うのか?」

由比ヶ浜「も、もう、ヒッキーのバカ、アホ、アンポンタン!!」ポカポカ

雪乃「仲が良さそうね、お知り合い?」

由比ヶ浜「えっ・・・仲がいい・・・///」

八幡「ああ、こいつとは」

19: 2013/07/14(日) 23:11:20.42 ID:d/zrxWz00
~~回想~~

由比ヶ浜『あっ、ダメ、サブレッ!?』

(迫り来る車)

由比ヶ浜『いやぁぁあああ!!』

(風を切り、疾走する音)

由比ヶ浜『えっ・・・』

(LORD OF THE SPEEDが流れる音)

(車が走り去る音)

20: 2013/07/14(日) 23:15:55.73 ID:d/zrxWz00
八幡『ふぅ・・・』

由比ヶ浜『サ、サブレ!』

由比ヶ浜『あ、ありがとうございます! なんてお礼をしたらいいか・・・』

(天に向かって指を指す八幡)

八幡『おばあちゃんが言っていた』

由比ヶ浜『お、おばあちゃん?』

八幡『一つの命を救うのは、無限の未来を救うこと』

八幡『だから、お礼はこの無限の未来で十分だ』サブレナデナデ

由比ヶ浜『えっと、その・・・』(・・・変な人)

八幡『ほら・・・』

由比ヶ浜『わっ、とっとっと!』

八幡『もう手放すなよ、大切なものを』

由比ヶ浜『え、あ、はい』

22: 2013/07/14(日) 23:21:45.83 ID:d/zrxWz00
~~回想終了~~

八幡「まぁ、こんな感じだ」

雪乃「だいたい、わかったわ」

由比ヶ浜「そ、そんなことより、ここってお願いを叶えてくれるとこなんだよね」

八幡「お願いは他人に叶えてもらうものじゃない、自分で叶えるものだ」

由比ヶ浜「ヒ、ヒッキーには聞いてないし!」

雪乃「まぁ、比企谷君の言うことも一理あるわ、ボランティアとは本来方法論を与える者」

雪乃「結果のみを与えるものではないわ。けれど、相談ぐらいは聞いてあげるものよ」

雪乃「話してみて」

由比ヶ浜「あのあの、あのね、クッキーを・・・」チラチラ

八幡「・・・・・・」

雪乃「比企谷くん」アゴクイッ

八幡「・・・・・・」

雪乃「私は野菜生活100いちごヨーグルトミックスで」

23: 2013/07/14(日) 23:24:17.94 ID:d/zrxWz00
~天の道を往きパシられる~

八幡「で、話は終わったか?」

雪乃「だいたいわかったわ」

雪乃「由比ヶ浜さんは手作りクッキーを食べて欲しい人がいるそうよ」

八幡「ほう」

由比ヶ浜「ク、クッキーとかあたしらしくないかな・・・ヒッキー?」

八幡「・・・いや、料理をする者に貴賎はない」

八幡「そうと決まれば善は急げだ、早速家庭科室へ行くとしよう」

24: 2013/07/14(日) 23:27:47.44 ID:d/zrxWz00
~~家庭科室~~

由比ヶ浜「あ、あのさ、ヒッキー・・・」

八幡「どうした?」

由比ヶ浜「ヒッキーは、家庭的な女の子ってどう思う・・・?」

八幡「嫌いじゃないが」

由比ヶ浜「!」

由比ヶ浜「そ、そっか・・・よーし!」

由比ヶ浜「頑張るぞ~、止めてみな!!」

(10分後)

27: 2013/07/14(日) 23:33:07.36 ID:d/zrxWz00
雪乃「荒れたわね・・・」

八幡「ブレイブだな」バリバリ

由比ヶ浜「ヒ、ヒッキー、いいよ、無理して食べなくても!」

八幡「おばあちゃんが言っていた」ボリボリ

八幡「『男がやってはいけないことが二つある。』」ムシャムシャ

八幡「『食物を粗末にすること」』ゴックン

八幡「『そして女の子を泣かせることだ』」プットティラ~ノヒッサ~ツ

由比ヶ浜「あ、味のほうは、や、やっぱり?」

八幡「まずい、はっきり言って豚の餌だな」

28: 2013/07/14(日) 23:36:18.63 ID:d/zrxWz00
由比ヶ浜「」ガーン!

八幡「まぁ、それは置いといて、今度は俺が作ろう」

由比ヶ浜「・・・へっ?」

雪乃「意外ね、あなたに料理が作れるなんて」

八幡「まぁ見ていろ、本物を見せてやろう」

(30分後)

29: 2013/07/14(日) 23:38:58.70 ID:d/zrxWz00
由比ヶ浜「う、ウンまああ~いっ! おいしい、今まで食べた中で一番!」

雪乃「・・・くやしいけれど、本当においしいわ」

八幡「おばあちゃんが言っていた」

八幡「『料理とは粋なもの、さりげなく気が利いていなければならない』と」

八幡「由比ヶ浜、お前の料理はさりげなくではなく大胆すぎる」

八幡「一度、初心に帰ってレシピ通りにつくってみろ」

由比ヶ浜「う、うん」

30: 2013/07/14(日) 23:41:46.61 ID:d/zrxWz00
(さらに30分後)

由比ヶ浜「う、うまくいかない」

雪乃「・・・どう、教えれば伝わるのかしら?」

由比ヶ浜「ご、ごめん、今度は二人に手伝ってもらっているのに・・・」

由比ヶ浜「や、やっぱり才能ないんだよ・・・あたし・・・」

八幡「ふむ・・・」ヒョイパク

31: 2013/07/14(日) 23:44:41.72 ID:d/zrxWz00
八幡「確かに、美味くはない」

由比ヶ浜「う、うん・・・」

八幡「だが、食べれなくはない、なぜそれで納得できない?」

由比ヶ浜「だ、だってさっきヒッキーが作ったの食べてるし」

由比ヶ浜「あれに比べたら、形は悪いし、時々ジャリってするし」

由比ヶ浜「あれが本物ならこれは偽物だよ」

32: 2013/07/14(日) 23:47:21.20 ID:d/zrxWz00
八幡「わかってるじゃないか」

由比ヶ浜「え・・・」

八幡「おばあちゃんがいっていた」

八幡「『本物を知るものは偽物にはだまされない』」

八幡「本物を知る以上、お前は偽物では満足しない」

八幡「そして、今のように足りない部分を理解する。それを受け入れるには辛いだろう」

35: 2013/07/14(日) 23:51:20.99 ID:d/zrxWz00
八幡「だが、受け入れることは誇りだ」

八幡「新しい誇りには、新しい痛みが伴うだろう」

八幡「その痛みを超えて、立ち上がってみせろ」

由比ヶ浜「???」

37: 2013/07/14(日) 23:56:19.01 ID:d/zrxWz00
雪乃「皆まで言わなくていいわ」

雪乃「一言でいえば、目標があったほうが対比しやすくわかりやすい」

雪乃「ただ、自分のダメな部分も丸見えで、くじけてしまうかもしれない」

雪乃「でも、そのダメな部分を受け入れなくては次へは進めない」

雪乃「そういうことでしょう。あなたのいうことはいつもでかすぎるわ」

八幡「そういうことだ、由比ヶ浜」

由比ヶ浜「な、なるほどなー」

八幡「後日作ってこい、いつでも食べてやる」

由比ヶ浜「う、うん」

38: 2013/07/14(日) 23:58:28.26 ID:d/zrxWz00
~~後日~~

由比ヶ浜「ど、どうかな」

八幡「まだまだだな」プットティラ~ノヒッサ~ツ

由比ヶ浜「そ、そっか、うん、また頑張るよ、あたし!」

八幡「いつでもこい」

八幡(美味しい物を食べるのは楽しい)

八幡(だが、一番楽しいのはそれを待っている間だ)

八幡「いつまでも待っているさ」

39: 2013/07/15(月) 00:00:42.77 ID:C5anTm230
とりあえず、終わりです

ありがとうございました。

40: 2013/07/15(月) 00:03:06.43 ID:o1EA+vbX0
おつ

41: 2013/07/15(月) 00:03:55.52 ID:MKT0V2Nf0
えー相模ぶっとばさんのか

引用元: 八幡「天道総司でニューゲーム」