1: 2013/04/09(火) 23:41:45.82 ID:eryhGJbK0
女「目に入れても痛くない可愛がりっていうけど、実際にやったら大惨事だよね」

男「突然なにを」

友「そうだな! あの有名な印籠だって冷静に考えれば『いや、目には入らねえよ』ってなるよな!」

女「おっ、さすがだね友くん。すぐに趣旨を理解したみたい」

男「あの」

友「喉から手が出るほどほしいっていうけど、直訳すれば『人間やめます』だよな」

女「確かに! どんなお化けだよって感じだね」

男「……お前らはいったい、それで何をしようっての?」

女「決まってるじゃん」

男「?」

友「慣用句を実際に、そのまんま実行してみて、どんなすごいことになるかどうか試すんだよ!」

男「えっ」

女「まずはこれだ! >>3

3: 2013/04/09(火) 23:43:00.42 ID:Is+Pa++q0
目が飛び出る

5: 2013/04/09(火) 23:48:01.43 ID:eryhGJbK0
女「目が飛び出る!」

友「おう、『目が飛び出るほど高い』とか、ものすごい驚きを表すのに使う言葉だな。ただ、あまりポジティブな使われ方じゃない場合が多い」

女「しかし、今日、この場でいう『目が飛び出る』は一味違うよ! さあ男ちゃん、目を飛び出して!」

男「無茶をいうな」

女「人間がんばれば不可能なんてない!」

男「あるわ!」

女「むっ……強情な……。仕方ないね、友くん!」

友「おうっ!」ガシッ

男「なっ! ちょ、友! 何をする!」

女「さあ、目を飛び出させてもらおうかな」ニタァ

男「や、やめろォ~~~~~!!!!!」

7: 2013/04/09(火) 23:52:31.97 ID:eryhGJbK0

――
―――

女「思ったほど飛び出なかったね」

友「うむ。思いっきりまぶたを開けさせて見ても、飛び出るというほどじゃなかったな」

男「」

女「……さっきから男ちゃんの反応が氏んでる」

男「……これは何の罰ゲームだよ……」ゼェゼェ

友「さあなあ、宇宙的意思を感じるな」

女「ま、まあ気を取り直していこうよ! さあ、次は>>9!」

男「え、これで終わりじゃ……」

9: 2013/04/09(火) 23:54:03.27 ID:Is+Pa++q0
石の上にも三年

14: 2013/04/10(水) 00:01:52.86 ID:rU/CHZP60

――

女「――あれから、今日で三年目、だね」

友「ああ。あいつ、今ごろどうしてるかなあ」

女「男ちゃん……」

友「ほら、さっさと会いにいこうぜ」

女「……ああ、ドキドキしてきちゃった」

友「ん~? そのドキドキは、果たしてどんなドキドキかな?」

女「も、もうっ! 友くんったら、からかわないでよ!」

友「へへっ、わりいわりい。さっ、会いにいこうぜ、あいつによ!」

女「……うんっ!」

15: 2013/04/10(水) 00:04:35.65 ID:hDsoQHln0
友「――男っ!」

女「男ちゃんっ!」

男「――――――――――」 パァァァァァァァァ

女「すごい……後光が見えるよ。やっぱり男ちゃん、すごいや」

男「……おや、友に、女でしたか。おひさしぶりですね」

女「男ちゃん、すっかり悟りの道の上級者だね」

男「ええ。かつての私は俗世に浸かり、勉学に終われ、身なりを必要以上に気にし……愚かでした」

男「しかし、今となっては、それすらも遠い過去のようです……ふふふ、貴女方の顔を見ると、思い出すようですよ」

女「男ちゃん……今日で、三年だよ」

友「さあ、石の上から、降りるときだぜ」

男「……ええ」ニコッ

トンッ……

16: 2013/04/10(水) 00:10:22.27 ID:hDsoQHln0
―――
――


女「――っていうのはどう?」

男「ヤだよ! 氏んでもヤだよ!」

友「学校で石の上に三年も座ってたら、二宮金次郎像の代わりになれるよな」

女「あっ、それ面白いかもね! 『二宮男像』。怠惰さの象徴なの」

男「俺に怠惰な要素などない!」

友「でも実際、石の上に三年って、『冷たい石の上にだって三年も座っていれば温かくなる』っていう意味だよな」

女「そうだね」

友「ぶっちゃけ、三年もいらんよな。石の上なんて、10分も座ってれば温かくなるだろ」

女「それもそうだね。うちのトイレって便座が温かくなったりしないタイプなんだけど、最初はヒヤッとしてもすぐに温かくなるもん」

男(……なんか『わかる』って思ってしまったのがものすごく癪だ)

友「というわけで男には石の上に十分座って貰おう」

17: 2013/04/10(水) 00:14:21.87 ID:hDsoQHln0
男「え」

女「ちょうど技術の授業で使った石版があるよ」

友「そうだな、じゃあそこに10分座って貰って実行としよう」

~10分後~

男「……なあ、今の10分間は俺やお前たちの人生においてなんらかのメリットを得られるものだったのか?」

女「うーん、率直に感想を言うとなかったね」

男「だよなあ!」

友「まあまあ、これから実りある時間にしていこうじゃないか。次のお題は……>>20かな?」

20: 2013/04/10(水) 00:20:37.84 ID:ise8Myqx0
仏の顔も三度まで

21: 2013/04/10(水) 00:25:25.46 ID:hDsoQHln0

――
―――

女「こんにちは、男ちゃん」

男「おや、女ですか。いったいどうしたというのですか?」パァァァァァァァ

女「さすが、今日も後光がまぶしいね。仏門の道を究めただけあるよ!」

男「ふふふ、ありがとうございます」パァァァァァァァ

友「実はな、今日はお前を一流の仏として見込んで、少し頼みがあってきたんだが……」

男「おや? わたくしなどを頼ってくださるとはうれしい限りですが、しかし私にできることなど、」

友「ヨイシャアッ!」ジュンッ

 ベチャアッ!

男「……………………」 ベトベト

女「男ちゃんの顔が見事にパイまみれ!」

友「さあ、どう出る!?」

23: 2013/04/10(水) 00:28:57.43 ID:hDsoQHln0
男「……ふ、ふふ。まったく、二人は相変わらずお茶目なものですね」ニコッ

友(耐えた!)

女(さすが仏! 石の上に三年座り続けた男!)

男「しかし、あまり突然すぎて驚いてしまいました。お茶目はかまいませんが、できるなら事前に、」フキフキ

友「ドッセェエェェエエイ!」ビュンッ

 ベチャッ!

男「………………」ベトベト

女「再びパイまみれ! しかも今度はチョコレートパイ!」

友「しかし仏だから、ここでキレずにあと1回……」

男「………………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴg

25: 2013/04/10(水) 00:30:53.77 ID:7wNVRFaD0
仏の顔も三度までは間違いで
本当は仏の顔も三度らしい
つまり3アウトチェンジ

26: 2013/04/10(水) 00:32:23.13 ID:hDsoQHln0
男「……おいたが、過ぎましたね。女、友……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

友「ヤバい! 仏はいうほど寛容じゃなかった!」

女「仏門を極めた男ちゃんがキレたりしたら……ッ!」

男「不浄の輩よ……永劫の輪廻を今ここに与える……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



  男「    天     滅    」

27: 2013/04/10(水) 00:33:23.22 ID:hDsoQHln0
no title

28: 2013/04/10(水) 00:34:40.68 ID:JU0Fir050
~終~

29: 2013/04/10(水) 00:35:37.77 ID:JVpMgdhd0
なんかワロタ

30: 2013/04/10(水) 00:39:05.37 ID:hDsoQHln0
―――
――


女「――という計画のためにも、やっぱりまずは、男ちゃんに石の上で三年過ごして貰うということで……」

男「いや学校滅んでるから。いやイメージを見るに、たぶん学校どころか町ひとつ滅んでるからな」

友「しかし参ったな、仏と言われるものが今この場で得られなければ実行できないぞ」

女「なんとか、別の方法で、お題を処理しないと次に進めないよ」

男「あ、そういうルールなんだ」

友「……おっ! そうだ、男。今から俺がお前を何回か罵倒する」

男「は?」

女「どういうこと? 友くん」

友「つまりだな、そのたびに男に「うっせえ、ホットケよ」とでも言って貰うんだよ」

男「小学生のダジャレかよ」

女「なるほど! で、男ちゃんが思わず「ほっとけ」以外のことを言ってしまったときの回数を記録するわけだね」

男「もうなんでもアリかよ……」

31: 2013/04/10(水) 00:45:44.89 ID:hDsoQHln0
友「じゃあいくぞ。このモヤシ男!」

男「……ほっとけ」

友「クールぶりやがって!」

男「ぐ……ほ、ほっとけ」

友「素人童Oが!」

男「ちょまっ! てめえ何てきとうなこと言ってやがるっ!?」

女「え?」

男「なんでもねえよ! というか大嘘だ! こら友!」

友「ん? あ、ひょっとして普通の娘とも……」

男「ちげえよ素人が余計なんだよ! ――ってああああッ、俺は何を……!」

女「? いまいちよくわかんないけど、仏の顔は3回目でアウトだったね」

友「だな。>>25の通りとなった」

男「だぁーっ! くそっ、このお題は終わりだ終わりっ! 次は>>35な!」

35: 2013/04/10(水) 00:52:52.98 ID:cIIm9Zwa0
血も涙もない

38: 2013/04/10(水) 00:57:54.36 ID:hDsoQHln0
女「血も涙もない、ね。ものすごく非情なことの喩えだね!」

友「血も、涙すらも通っていない。そんな存在は人間じゃないから、ようするに『この人でなし!』というのと同じ意味だな」

女「悪鬼羅刹、悪魔みたいな奴だ、みたいな意味なんだろうね」

男「……今の俺にはお前たちが何よりも悪魔だよ!」

友「さーて、それじゃあ男にはカラッカラッに干乾びて貰うとしよう」

男「え」

女「実はちょうどここにスーパー銭湯の割引券が」

男「え」

40: 2013/04/10(水) 01:02:31.54 ID:hDsoQHln0
~サウナ~

友「……ようっ、男。そろそろ干乾びてきたか?」

男「………………え?」ダラァー

友「なに、ボーっとしてんだよっ! 干乾びてきたか、って」

男「……………………ああ、ああ」ダラァー

友「なに? もう少し頑張る? よしよし、サウナ通い五年の俺が見張っててやるから、しっかり頑張れよ!」

~20分後~

女「男ちゃんが茹でダコになって出てきた」ホカホカ

友「はっはっは、こいつ代謝がいいなあ。ちょっと羨ましいぜ」ホカホカ

男「」ホカホカ

41: 2013/04/10(水) 01:08:21.69 ID:hDsoQHln0
男「」ゴクッゴクッゴクッゴクッ

女「すごい飲みっぷり……」

男「――――プハァッ! い、生き返った……」

友「風呂上りの清涼飲料水はたまらんよな!」

女「私はフルーツ牛乳派だなあ。お風呂のあとに飲むと、甘みがからだ中に染み渡っていく感覚がすっごく幸せなの!」

男「……というか、だな」

友「はい」

男「無理に決まってんだろっ! 血も出るよ涙もでるよ! にんげんだもの!」

友「オーケイわかった。お前のいうことはもっともだ」

男「だったらなにを、」

友「そこで、だ。ちょうどそこで献血を呼びかけている。血を少し失っておいて、それでひとまず達成としようじゃないか」

男「……それ、非情でもなんでもないな」

女「むしろ社会に大貢献だね!」

42: 2013/04/10(水) 01:14:19.34 ID:hDsoQHln0
~献血後~

男「……女、おまえ注射が苦手とか言ってなかったっけ」

女「う、うん……まあでも、一人だけしないっていうのもアレだし、ねえ?」

友「つか、お礼に貰ったこのおにぎりうめぇ! うーむ、やっぱり善行は積むもんだな!」ムシャムシャ

男「確かにな……妙にうまく感じるのは、それだけからだが求めているってことなんだろうな」ムシャムシャ

女「いい笑顔で、おいしそうに食べるねえ。ふふっ、この分じゃ、涙が出る機会はなさそうってことでいいかな?」

友「おっ、女ちゃん、詩人~!」

女「やだなあもう! 友くんったら!」

男「……いや、いい風にまとめようとしても誤魔化されんからな」

女「あらやだ」

友「んじゃ、次は>>45ってところだな」

45: 2013/04/10(水) 01:29:13.03 ID:VFRTRkZ50
終わりよければ全てよし

46: 2013/04/10(水) 01:35:13.18 ID:hDsoQHln0
女「終わりよければ全て良し」

男「……終われという天の声のように感じるぞ」

友「俺も同意だ」

女「お後がよろしいようで、とでも言いたくなるね!」

男「いやもう、全然サゲになってないけどな……」

女「ああっ、ひどいなあー、男ちゃんは。せっかくいいオチをつけたと思ったのに……」

友「ま、それでも、もう夕方だしな。いい時間だし、今日はこれで終わりだな」

女「そうだね。友くんも途中まで道一緒だよね。帰ろうか」

友「いや、俺は……そうだな、もうちょっとここでゆっくりしていくわ。お前ら、先帰れ」

男「? どうしてだ?」

友「なーに、俺も馬に蹴られて氏ぬつもりはないってことよ………………ん?」

47: 2013/04/10(水) 01:37:59.81 ID:hDsoQHln0
馬「ヒヒィ――ン!」 パカラッパカラッ

女「え、う、馬ァ!?」

馬「ブルルッ!」 パカラッパカラッ

男「! 友、あぶねえっ!」


―――
――



ナームミョーホーレンゲーキョー…… ポク ポク…

女「……もう、一回忌なんだね」

男「……ああ。いまだに、実感わかねえな」

友『』

チーン

48: 2013/04/10(水) 01:42:18.31 ID:hDsoQHln0
男「……すまん、線香、上げておいてくれ」

女「うん……今日が入門の日なんだものね。友くんも、許してくれるよ」

男「そう願うよ……俺は、僧になる。いつか、あいつの言っていた通り、仏門をきわめて……」

男「……俺のこの手で、あいつのために経を上げる。立派な僧になって、立派な袈裟を着て、さ……」

女「……ふふ、禿頭の男ちゃんも、格好いいよ」

男「よせよ……それじゃあ、いってくる」



男「帰ってくるのは、三年後だ」

 おわれ

49: 2013/04/10(水) 01:43:36.21 ID:VFRTRkZ50
終わり良くないじゃねーか

50: 2013/04/10(水) 01:51:16.84 ID:z47hLloE0
友ェ...

51: 2013/04/10(水) 01:52:57.81 ID:G7w5ESx10
ちゃんと終われよ

引用元: 女「慣用句を額面どおりに受け取ろう」男「は?」