4: 2011/01/16(日) 00:27:04.22 ID:pCw9gv1/0
一瞬で私達は理解した。
何故かと言われればそれは説明が出来ないのだが、とにかく私達は理解した。
唯「い、今の……」
みんなも同じ顔をしていた。
唐突に理解したそれを、私たちは本質的に理解出来ていないからである。
律「は……ははは……」
梓「先輩達も……今の、聞こえましたか……?」
いや、聞こえたというのは正確間違いである。
ただ、私たちは理解したのだ。
私達は、闘わされる。
それも、新たに力を与えられて。
何故かと言われればそれは説明が出来ないのだが、とにかく私達は理解した。
唯「い、今の……」
みんなも同じ顔をしていた。
唐突に理解したそれを、私たちは本質的に理解出来ていないからである。
律「は……ははは……」
梓「先輩達も……今の、聞こえましたか……?」
いや、聞こえたというのは正確間違いである。
ただ、私たちは理解したのだ。
私達は、闘わされる。
それも、新たに力を与えられて。
5: 2011/01/16(日) 00:30:17.12 ID:pCw9gv1/0
あまり広くない音楽室の中に、私達8人が立ちすくむ。
私、律っちゃん、澪ちゃん、ムギちゃん、あずにゃん。
そして、憂と純ちゃん、和ちゃんだ。
思えばその日の私達は何かおかしかった。
朝の8時、何かを意図することなく、私達は音楽室に集まった。
集合の予定などではなく、ただ、無意識に呼び寄せられたと言う方が正しいかもしれない。
そして全員が集まった瞬間、唐突に、私達は理解したのだ。
唯「憂……ムギちゃん……あずにゃん」
私の他の3人の名前を呼んだ。
それが、私が理解した、チーム。
律「こっちは、澪、和、純だな」
律ちゃんがウキウキとした顔持ちでコチラを見る。
そう、私達は今から、4対4で闘わなければならない。
6: 2011/01/16(日) 00:33:49.06 ID:pCw9gv1/0
澪「い、嫌だ!みんなと闘うなんて……!」
律「澪は怖がりだなー!お前も知ってるだろ?
これはただの闘い。気絶させれば勝ちだし、最後はみんな元通りだってさ!」
梓「そ、そんなの本当かどうかわからないじゃないですか!!」
和「でも、理解はしてるんでしょ?私達に拒否権はない。
ただ、敵を倒さなきゃいけない。ってことは」
梓「そ、そりゃあ……理解はしてますけど!」
みんなが言っていることは正しい。
これはただ、私達が戦って勝敗を付けるだけの勝負。
合計5回、気絶させれば勝利となり、試合終了後は全部元通りになるらしい。
憂「純ちゃん……!」
突然、憂が純ちゃんに抱きついた。
7: 2011/01/16(日) 00:38:31.70 ID:pCw9gv1/0
憂「純ちゃん……私達二人、能力無しだけど……頑張ろうね!」
純「うん……っていうか、私としてはそれはバラしたくない事実だったんだけどね……」
律「ん……憂と純は能力貰ってないのか?」
憂「はい…そうみたいです。私と純は能力無しらしいです。
律さんはどんな能力を手に入れたんですか?」
律「ちっちっち。それは秘密だよー。
ほれほれ憂ちゃん、君はさっさとチームに戻りな」
憂は『引っかかりませんでしたね』と言わんような小笑いで、私達の所へ走ってくる。
紬「確か9時ちょうどが試合開始時間だったわねー。ここを離れて作戦会議しましょう!」
ムギちゃんまで目がキラキラしている。
こうなったムギちゃんはどうしても止まらない。
私達4人は、急いで音楽室を出て行った。
8: 2011/01/16(日) 00:41:06.07 ID:pCw9gv1/0
梓「それにしても、本当に誰もいなくなってるんですね……」
音楽室を出た廊下にも、もちろんどの教室にも、人っこ一人いない。
ゲームの会場は学校内。そしてそこには、プレイヤー以外は誰もいないらしい。
私達は音楽室から離れた教室に入り、さっそく作戦会議に取りかかった。
唯「あずにゃん!あずにゃんは何の能力を貰ったの?」
梓「私は…言うなら『千里眼』って所でしょうか…」
梓「まだ使ったことはないですけど、どうやら他人の視界を得ることが出来るらしいです。
たとえば……」
そう言ってあずにゃんは、ぐっ、と目を見開いた。
梓「今唯先輩の視界に入ってみました。私の顔を見てるのが分かります…」
唯「おおおおおーー!!!それすごいねー!
こっちとしては視界に入られたのが分からないから、相手の動向を探るのにぴったりだね!」
9: 2011/01/16(日) 00:45:34.42 ID:pCw9gv1/0
梓「レベル2に関しては、全然分かりません…」
この能力にはそれぞれ、レベルというものがある。
最初の段階では全員がレベル1だが、一回気絶をするたびに、その能力は一つレベルが上がるのだ。
合計5回の気絶。誰が気絶させられるかも、勝負の肝となってくる。
梓「ムギ先輩の能力はなんですか?」
ムギ「私はね~…うふふ」
『こんな能力なのよ~』
突然、頭の中に声が響いた。
紬『私の能力はね、テレパシーなの!
学校内なら、誰とでも会話出来るわよ~』
どうやら、ムギちゃんの声を学校中のだれにでも聞かせることが出来るらしい。
それに加えて、相手方の声もムギちゃんには届くらしい。
あずにゃんの様に、相手の会話を盗んだりすることは出来ないようだ。
この能力にはそれぞれ、レベルというものがある。
最初の段階では全員がレベル1だが、一回気絶をするたびに、その能力は一つレベルが上がるのだ。
合計5回の気絶。誰が気絶させられるかも、勝負の肝となってくる。
梓「ムギ先輩の能力はなんですか?」
ムギ「私はね~…うふふ」
『こんな能力なのよ~』
突然、頭の中に声が響いた。
紬『私の能力はね、テレパシーなの!
学校内なら、誰とでも会話出来るわよ~』
どうやら、ムギちゃんの声を学校中のだれにでも聞かせることが出来るらしい。
それに加えて、相手方の声もムギちゃんには届くらしい。
あずにゃんの様に、相手の会話を盗んだりすることは出来ないようだ。
11: 2011/01/16(日) 00:51:39.10 ID:pCw9gv1/0
唯「それで憂は能力無しだから…攻撃関係の能力は、私だけかぁ」
相手を気絶させなければならない以上、攻撃系の能力は必須である。
もちろん素手でもいいが、かよわい私に誰かを気絶させることなんで出来ない。
梓「一度倒した敵はレベルが上がって甦ることを考えると…
能力がない憂が狙われるでしょうね」
紬「そうねぇ~…頑張ってね、憂ちゃん!」
憂「え、あ…はい」
梓「それで、唯先輩の能力はなんなんですか?
これでショボい能力だったら笑えませんよ」
あずにゃん含め、三人が私をじっと見る。
私は胸を張って、自慢げに答えた。
唯「手に握った物を、何でも破壊する能力だよ!」フンス
梓「え?」
憂「え?」
紬「あらあらうふふ」
13: 2011/01/16(日) 00:56:33.84 ID:pCw9gv1/0
梓「ちょ、ちょっと!そんな危険な能力も混じってるんですか!この勝負!」
あずにゃんが立ち上がり、身振り手振りで何やら興奮している。
梓「私かっこつけて『言うなら千里眼ですね』なんて言っちゃいましたよ!
しょっぼ!私の能力しょっぼ!!」
紬『落ち着いて~、梓ちゃん』
梓「いやいやこの距離でわざわざテレパシー使わなくていいですから!」
紬『あらあらうふふ』
梓「……ッ!…はぁ…」
あずにゃんが落ち着いたところで、私達はようやく本格的な作戦会議に入る。
攻撃的能力が私にしかない以上、私が前線としての作戦が話し合われた。
17: 2011/01/16(日) 01:02:41.20 ID:pCw9gv1/0
───午前9時
試合開始の時刻になる。
私達は4人、3-2の教室で待機をしていた。
紬「それじゃあ梓ちゃん、始めて」
梓「はい…」
あずにゃんが、ぐっと目を開く。
そして、すらすらとその目に映る状況を口にし始めた。
梓「律さん…ピアノが見えます。澪さん…純の姿が見えます。視界が震えているので、まだ怖がっていると思います。
和さんが…一人廊下に出ています。」
あずにゃんの千里眼で、相手の全員の状況を知ることが出来た。
向こうは和ちゃんを除く三人が音楽室で待機していて、和ちゃんだけが特攻しているようだ。
憂「向こうにも梓ちゃん見たいな能力を持っている人がいるかも知れないから…
私達もまだ迂闊に動かない方がいいみたいだね」
紬『ねぇねぇ、私の能力で、和ちゃんに話しかけてもいい?』
梓「わざわざ能力バラすようなことしないでください!」
18: 2011/01/16(日) 01:07:35.41 ID:pCw9gv1/0
しばらく時間がたったように感じる。
ふと時計を見ると、時間は9時10分を示していた。
唯「動かないと暇だよぉー」
梓「焦らないでください。向こうも動いていない、今は我慢の時間です…」
紬『向こうの能力が分からないわねぇ…』
あずにゃんは疲れたのか、ふぅ、と大きく息を吐いた。
やはり能力を使いすぎると、疲れるのだろう。
唯(…私も能力を使いたい!)
ふと、そんなことを考える。
私の能力自体は理解しているのだが、いかんせん実際に見てみなければ分からないこともある。
唯「あ、あのぉ~…」
梓「あ、向こうの人達、ティータイム始めちゃいました」
唯「!!」
19: 2011/01/16(日) 01:11:21.99 ID:pCw9gv1/0
私にとって、その一言は、戦争を始めるには十分な動機だった。
唯「あずにゃん!もう私行っていいよね!
合計4回までは大丈夫なんでしょ!しかも気絶するたびに強くなるんでしょ!
ねぇ、行かせて!お願い、私を行かせて!!」
梓「い、イかせてなんて連呼しないでください!///」
唯「さっき話した作戦もあるじゃん!いいでしょ!いいでしょ!
お願いだからぁ…私を行かせて…」
梓「い、い、いいですよ…唯先輩を…
い、い、い、い、い、い、イかせてあげますよ…//////」
唯「やったぁ!それじゃ、行ってきまーす!」
憂「あ、お姉ちゃん!気をつけてねー!!」
憂の一言にブイサインを返し、私は教室を出る。
目指すは音楽室、私のティータイム!
唯「あずにゃん!もう私行っていいよね!
合計4回までは大丈夫なんでしょ!しかも気絶するたびに強くなるんでしょ!
ねぇ、行かせて!お願い、私を行かせて!!」
梓「い、イかせてなんて連呼しないでください!///」
唯「さっき話した作戦もあるじゃん!いいでしょ!いいでしょ!
お願いだからぁ…私を行かせて…」
梓「い、い、いいですよ…唯先輩を…
い、い、い、い、い、い、イかせてあげますよ…//////」
唯「やったぁ!それじゃ、行ってきまーす!」
憂「あ、お姉ちゃん!気をつけてねー!!」
憂の一言にブイサインを返し、私は教室を出る。
目指すは音楽室、私のティータイム!
20: 2011/01/16(日) 01:17:23.93 ID:pCw9gv1/0
音楽室までの道のりは静かで、本当に人っこ一人いない。
そして、音楽室へと続く階段の手前まで、私はたどり着いた。
紬『音楽室の外側に和ちゃん。中は三人の状態は変わらないわ。
和ちゃんは今は階段がわを見てるから…もう少し待ってね』
唯「了解です!ムギ司令官!」
紬『司令官だなんて…あらあらうふふ…』
待っていろ、悪党律ちゃん軍団。
私のティータイムを返してもらうべく、ただちに特攻させていただくぞ。
紬『唯ちゃん、和ちゃんが眼鏡をふきふきし始めたわ!
今がチャンスよ!!』
唯「サー!!!!」
私は、一気に階段を駆け上がる。
そして、音楽室へと続く階段の手前まで、私はたどり着いた。
紬『音楽室の外側に和ちゃん。中は三人の状態は変わらないわ。
和ちゃんは今は階段がわを見てるから…もう少し待ってね』
唯「了解です!ムギ司令官!」
紬『司令官だなんて…あらあらうふふ…』
待っていろ、悪党律ちゃん軍団。
私のティータイムを返してもらうべく、ただちに特攻させていただくぞ。
紬『唯ちゃん、和ちゃんが眼鏡をふきふきし始めたわ!
今がチャンスよ!!』
唯「サー!!!!」
私は、一気に階段を駆け上がる。
21: 2011/01/16(日) 01:19:41.53 ID:pCw9gv1/0
唯「壊れろっ!」
階段を半分以上登ったところで、叫びながら手を突き出す。
メガネを掛けていなかったせいで反応が遅れた和ちゃんが、あわててその身をよけた。
私の手が、和ちゃんのスカートの裾を少しだけ掴む。
私が力を込めたその瞬間、握っていたその部分が、びりびりのぐしゃぐしゃに破れた。
和「唯ね!一人で特攻かしら?」
唯「私はティータイムを奪いに来た使徒!ヒラサワユイだよ!」
音楽室の中から声が聞こえる。
多数で来られたら面倒。
その前に私は和ちゃんに右手を突き出した。
唯「くらえ和ちゃん!!」
──その瞬間だった。
階段を半分以上登ったところで、叫びながら手を突き出す。
メガネを掛けていなかったせいで反応が遅れた和ちゃんが、あわててその身をよけた。
私の手が、和ちゃんのスカートの裾を少しだけ掴む。
私が力を込めたその瞬間、握っていたその部分が、びりびりのぐしゃぐしゃに破れた。
和「唯ね!一人で特攻かしら?」
唯「私はティータイムを奪いに来た使徒!ヒラサワユイだよ!」
音楽室の中から声が聞こえる。
多数で来られたら面倒。
その前に私は和ちゃんに右手を突き出した。
唯「くらえ和ちゃん!!」
──その瞬間だった。
23: 2011/01/16(日) 01:24:05.86 ID:pCw9gv1/0
律「ほい、一丁あがりーっと」
ドスンッ、という鈍い音とともに、私の体が地面に押しつけられる。
正確には、私の上に突如現れた律ちゃんによって、私は押し潰された。
唯「り、律っちゃん!重いよぅ…」
律「何だとこのやろー!おらおらおら!」
唯「ひえー!降参!降参だよー!」
上に乗られたまま横腹をくすぐられる。
逃げたいが、律ちゃんによって逃げ場を失われた私は逃げることが出来ない。
和「さっきからこの子、手をやたら出してきたから、一応縛っておくわね」
胸元のリボンをほどき、私の両手を縛りつける和ちゃん。
あまりの手際の良さに、ドキドキを隠せずにはいられない。
律「さーて、唯チームの能力、全部洗いざらい話してもらおうかなぁ…」コチョコチョコチョ
唯「ふひ、ふひゃっ!や、やめてwwwww」
25: 2011/01/16(日) 01:29:19.19 ID:pCw9gv1/0
律「早く吐けよー!!」
唯「は、吐かない!吐かないからぁっぁぁ!!」
紬『あらあらうふふ』
数分間に及ぶ拷問を堪え切った頃、律ちゃんは諦めたのか、ついにその手を止めた。
律「駄目だこいつ…おい、和。仕方ないけど、あれやろう」
和「ええっ、あれをやるの…?」
あ、あれとは一体なんなのでしょう…。
それと、私の信頼出来る仲間達は、どうして助けに来ないのでしょう。
和「はぁ…仕方ないわね、唯。
私の『校長先生の朝のあいさつが一生頭に流れ続ける能力』を使わせていただくわ」
唯「!!!!!!」
27: 2011/01/16(日) 01:34:11.34 ID:pCw9gv1/0
───・・・・・
─・・・・
・・・
梓「…それで、私達の能力を洗いざらい話した挙句、
一番強い能力だからってことが理由で見逃してもらって、
こうしてノコノコと帰ってきた訳ですか」
唯「てへへ…面目ないね…」
梓「てへへじゃないですよ!コッチには一つも情報を持って帰らないで、
相手に全情報与えて帰ってきただけじゃないですか!」
憂「やめて梓ちゃん!お姉ちゃんをいじめないで!」
梓「でも、憂!」
憂「お姉ちゃんの行動は無駄なんかじゃない…
いや、私が無駄にしないから…!!」
紬『あらあらうふふ』
唯「私は無駄足なんかじゃないよ!和ちゃんの能力だって見破ったんだから!」
28: 2011/01/16(日) 01:36:30.64 ID:pCw9gv1/0
梓「それはどう考えても嘘です…」
紬「まあ実際、私達の方が大分不利になったわねぇ…」
憂「…大丈夫です。お姉ちゃんの努力は私が無駄にはしませんから…」
梓(本当にこの子は…姉のためならすごいこと考えそうだから怖いな…)
29: 2011/01/16(日) 01:40:04.47 ID:pCw9gv1/0
──音楽室
律「ってことで、相手の能力は全部把握した」
和「唯用の対策考えておいてよかったわね。見事に引っかかってくれたわ」
律「和に嘘つかれたら、唯なら100%引っかかるだろうしなwww」
澪「それにしても…唯の能力、結構怖くないか…?」
純「握ったものを破壊…ですか。触れたものを破壊、じゃないだけマシですね」
律「まぁ、それを見越して見逃したんだけどな」
和「どっちみち、後は千里眼とテレパシーだけ。唯にさえ気をつけておけば、
一撃で気絶する心配はないわ」
律「さてと…視界がバレてる以上、下手に動きたくない訳だが…」
純「あまりに動かないと、向こうは対策を立てる時間がありますし…」
和「ここはとりあえず、攻め、ね」
澪「う、うぅ…」
48: 2011/01/16(日) 15:14:21.88 ID:pCw9gv1/0
律「んじゃ、行きますか」
和「さっきと同じで、私が先頭でいいかしら?」
律「そうだな…和が先頭。そこから少し離れて私。
純は澪が守ってくれ」
澪「う、うん…」
純「頑張ります」
和「それじゃ、3-2に向かって行くわよ」
50: 2011/01/16(日) 15:20:35.39 ID:pCw9gv1/0
──3-2
和「…さすがに、ここには誰にも居ないわね…」
律「唯が吐いたアジトにいたままじゃ、さすがにあいつらも馬鹿だろ。
千里眼があるならなおさらだ」
澪「い、いきなり攻撃とかされないかな…」
純「千里眼がある以上なんとも言えませんが…
自分の周りだけ気にしておけば大丈夫です。相手に飛び道具はありません」
和「相手が武器に出来そうな物…」
和は一通り教室を見回し、完全に敵がいないことを確認して、歩き始める。
相手が丸腰のまま動いているとは考えにくい。
何か武器となるものを手に入れたと考えた方が良いだろう、と踏んでの行動だ。
和「…」
和が何気なく掃除箱の前に、立った瞬間だった。
ガンッッッ
和「痛っっ……!!」
51: 2011/01/16(日) 15:24:35.98 ID:pCw9gv1/0
突然、掃除箱が勢いよく開いたのだ。
その中には、ニヤリと笑う、平沢唯。
和「唯っ…!」
咄嗟に逃げようとするも、掃除箱にメガネをずらされた和は、
相手を正確に認識することが出来ない。
律「やばいっ!和!とりあえずコッチに来い!」
唯は思い切り右手を伸ばし、和を今に掴まんとする。
その瞬間、後方で叫んでいた律の姿が消えた。
律「くらえっ!!」
律の姿が消えたと分かった次の瞬間には、律の姿は現れていた。
しかし、その場所は元の場所ではなく、唯の腕の上。
唯「──っ!!」
突如として唯の腕に律の全体重が掛かる。
唯の腕はがくんと下を向き、それにつられて唯は思い切り体制を崩す。
しかしそれは、律とて同じ事であった。
53: 2011/01/16(日) 15:28:54.47 ID:pCw9gv1/0
梓「今ですっ!行きますよ!!」
梓の叫び声とともに、教室の扉が勢いよく開いた。
隣の教室にて待機していた梓と紬が、掃除箱のホウキを手に突撃してきたのだ。
律「ちっ!純、澪!!とりあえずお前達は逃げろっっ!!」
能力のない純が気絶させられるのが最悪のパターンだ。
そう考えた律は、すぐさま純と澪に避難命令を出す。
律(自分達が気絶する前に、あいつらに逃げる時間を稼ぐべきだ!)
梓「──」
紬「──」
梓とムギは、会話をすることはおろか、アイコンタクトを取ることもしない。
二人は同時に、和の方へと駆け出した。
律(結構やっかいだな、テレパシーってのも…!!)
54: 2011/01/16(日) 15:35:15.52 ID:pCw9gv1/0
律の心情としては、今すぐにでも和の方へと助けに行きたい。
しかし、この自分のすぐ真下にいる人間から、目を離す訳にはいかなかったのだ。
唯「うぅ~…重いよ~…」
律(私が唯からどいたら、唯がフリーになる…。
だけど、どかなかったら和が二人を相手にすることになる…!
和の能力ならいけるかもしれないが…)
今となっては、純と澪を逃がしたのは失敗だったかもしれない。
しかし、逃げなければ、純が狙われたのは確実で…。
律(って、『もしも』の話ばっかりしてても仕方ないだろっ!)
律(唯を気絶させるか?だけどレベル2になったら、もうどうしようもないんじゃ…)
律が脳内にて葛藤を繰り返している時、後方から和の声が発せられた。
和「大丈夫よ、律。こっちは大丈夫」
55: 2011/01/16(日) 15:39:28.79 ID:pCw9gv1/0
梓と紬は、和に一切の攻撃を与えられずにいた。
いや、正確には、攻撃は当たっているのだが、一切ダメージを与えられずにいるのだ。
梓がホウキをふりかぶり、思い切り振りおろす。
そのホウキを、和は右手で軽く止めた。
梓「どんな腕力してるんですかっ!この学校の生徒会長は…!」
和「失礼ね。腕力は平均的女子高生並みよ」
どれだけ思い切りホウキをふりおろそうが、
和の右手に触れた瞬間、ふっ、と力が入らなくなる。
紬『──衝撃の吸収ってところかしら?和ちゃん』
梓「ムギ先輩!声に出して言わないと伝わらないです!!」
紬「あらあらうふふ…衝撃の吸収ってところかしら?和ちゃん?」
和「──さすがね」
57: 2011/01/16(日) 15:43:30.79 ID:pCw9gv1/0
和の能力は、『衝撃吸収』
和の右掌に触れた衝撃は、大小を問わずに無効とされる。
梓「衝撃吸収ですか…打撃は効かないってことですね…」
和「まぁ、私が追いつく限りって条件だけどね…」
梓と紬にも、疲れが見え始めていた。
しかし、二人の手は攻撃をやめることがない。
即席のチームワークでは綺麗にコンビネーションを決めることは難しく、
中々和にダメージを与えることはないのだが、それでも、二人は一切の攻撃を辞めない。
律(なんだこいつら…まるで最初からダメージを与える気はないみたいな…)
律(私達をここに留めているのが目的のような…)
律(でも、残りは憂だけ…純はともかく、澪がいるなら、まだなんとかなるか…?)
和の右掌に触れた衝撃は、大小を問わずに無効とされる。
梓「衝撃吸収ですか…打撃は効かないってことですね…」
和「まぁ、私が追いつく限りって条件だけどね…」
梓と紬にも、疲れが見え始めていた。
しかし、二人の手は攻撃をやめることがない。
即席のチームワークでは綺麗にコンビネーションを決めることは難しく、
中々和にダメージを与えることはないのだが、それでも、二人は一切の攻撃を辞めない。
律(なんだこいつら…まるで最初からダメージを与える気はないみたいな…)
律(私達をここに留めているのが目的のような…)
律(でも、残りは憂だけ…純はともかく、澪がいるなら、まだなんとかなるか…?)
58: 2011/01/16(日) 15:46:23.30 ID:pCw9gv1/0
時は少し戻る。
純と澪が教室を飛び出し、駆け出し始めた頃であった。
憂「……あっ!!」
隣の教室に、憂の姿があった。
攻撃に参加はさせないが、出来るだけ近くに置いておきたかった故だろう。
純(私と憂は無能力…!コッチには澪先輩がいるし、ここは勝負だ…!!)
純「澪先輩!あそこの憂、倒しましょう!」
澪「え、ええぇぇぇ!」
純「大丈夫です。私が憂を捕まえるんで、その後、澪先輩が能力を使ってください!」
澪「う、うん…無茶はしちゃ駄目だぞ!」
やっぱり澪先輩は優しいなぁ。
そんな事を考えながら、純は教室のドアを思い切り開いた。
入り口に澪を待機させて、純は憂へと走りだす。
純と澪が教室を飛び出し、駆け出し始めた頃であった。
憂「……あっ!!」
隣の教室に、憂の姿があった。
攻撃に参加はさせないが、出来るだけ近くに置いておきたかった故だろう。
純(私と憂は無能力…!コッチには澪先輩がいるし、ここは勝負だ…!!)
純「澪先輩!あそこの憂、倒しましょう!」
澪「え、ええぇぇぇ!」
純「大丈夫です。私が憂を捕まえるんで、その後、澪先輩が能力を使ってください!」
澪「う、うん…無茶はしちゃ駄目だぞ!」
やっぱり澪先輩は優しいなぁ。
そんな事を考えながら、純は教室のドアを思い切り開いた。
入り口に澪を待機させて、純は憂へと走りだす。
59: 2011/01/16(日) 15:50:46.40 ID:pCw9gv1/0
純「能力無し同士なら…!私だって!」
机を避けながら、純は憂へと近づく。
憂は焦っているのか、おろおろしながら動くことをしない。
純(捕まえさえすれば──っ!あとは澪先輩の能力でっ!!)
憂の目の前にまで行き、憂に思い切り抱きつく。
そして、能力を使わせるために、澪の名前を呼んだ。
純「澪先輩っ!早くコッチにきてください!!」
澪「あ、ああ!」
澪が走って純の元へ行く。
純が拘束する憂の目の前に来たところで、澪は自分の右手を突き出した。
澪「ごめんな…憂ちゃん。少しきついだろうけど、我慢してくれ」
そう言って澪は、憂の顔へ右手を触れさせた。
62: 2011/01/16(日) 15:56:16.03 ID:pCw9gv1/0
憂「え、な、なにこれっ!」
憂が暴れて逃げ出そうとするが、それを純は許さない。
澪の右手は、相変わらず憂の顔に触れ続けていた。
憂「なにこれっ…暑い…?いや、熱いよぉ!!」
澪「もう少し我慢してくれ…。
1秒に10度ずつ、触れたものの温度を自由に操れる能力だから…。
しばらくしたら、あまりの温度変化に、気を失うはずだから…」
この勝負中は、能力によって氏ぬことはない。
氏傷を負ったとしても、気絶して、起き上がるころには全回復する。ということを、全員は理解していた。
憂「熱いよぉ!!熱いよぉ!!澪ちゃん!!」
澪「今何秒くらいかな…もう少し我慢してくれ…」
憂が暴れて逃げ出そうとするが、それを純は許さない。
澪の右手は、相変わらず憂の顔に触れ続けていた。
憂「なにこれっ…暑い…?いや、熱いよぉ!!」
澪「もう少し我慢してくれ…。
1秒に10度ずつ、触れたものの温度を自由に操れる能力だから…。
しばらくしたら、あまりの温度変化に、気を失うはずだから…」
この勝負中は、能力によって氏ぬことはない。
氏傷を負ったとしても、気絶して、起き上がるころには全回復する。ということを、全員は理解していた。
憂「熱いよぉ!!熱いよぉ!!澪ちゃん!!」
澪「今何秒くらいかな…もう少し我慢してくれ…」
68: 2011/01/16(日) 16:04:25.62 ID:pCw9gv1/0
──3-2
和「あなた達も…強情ね…!!!」
梓「和先輩こそ…早く…諦めてくださいよっっ!」
紬「ふう…ふぅ…」
こちらの教室では、いまだに状況は変わっていなかった。
二人に疲れは見えるが、何の執念なのか、攻撃は辞めることはない。
律(…考えろっ。考えろっ…時間を稼いで何になる…)
律「おっと」
唯「くそぉ~…」
律が気を抜くと、そのすきをついて唯が右手を出してくる。
律が集中して考えようにも、その隙すら唯は許してくれない。
律(くそっ、なんだ!なんなんだ!!)
律が唯の腕を押さえなおそうとした、その時だった。
72: 2011/01/16(日) 16:07:50.34 ID:pCw9gv1/0
ドンッッ──
和「ッッッッッッッ─────」
激しい音と同時に、和が頭から倒れていく。
その右手は──ボロボロに崩れていた。
憂「ごめんねぇ、和ちゃん…でも回復するから大丈夫だよ!」
突然現れた憂。
その手には、和の元右手の残骸が握られていた。
梓「遅いですよ…先輩…はぁ…」
紬「お疲れ様、唯ちゃん。それで、ちゃんと……」
憂「うん、澪ちゃんと純ちゃんは気絶させて来たよ。
あ、それと澪ちゃんの能力も分かっちゃいました!」
そう言いながら、髪のゴムを外していく憂。
その姿は、一瞬にして、唯へと変化した。
唯「それにしても、誰も気づかないんだもん…少しショックだよ…」
梓「まぁいいじゃないですか。三人も気絶させたんだし」
73: 2011/01/16(日) 16:10:51.00 ID:pCw9gv1/0
唯「そうだよね!」フンス
梓「さて…後一人、どうしますか?」
律「……そーゆーことかいっ!」
律はあわてて腕を振り上げる。
その拳を、唯…ならぬ、憂へと振り下ろす。
唯「動かないで、律っちゃん」
背後から、唯の声。
唯「一発殴るだけじゃ、たぶん気絶まではさせられないよ。
もし憂を殴るようなことがあるなら、私も容赦しないから」
律「……」
ぴたりと腕を止める律。
律「……あーはいはい!今回は逃げさせてもらいますよーっだ!」
75: 2011/01/16(日) 16:15:07.88 ID:pCw9gv1/0
次の瞬間には、律の姿は消えていた。
廊下の方から、走りだす音が聞こえたが、四人はそれを追うことはしない。
梓「とりあえず…一安心ですか」
紬「気絶した相手は拘束してはいけないし、起きた直後を狙うのも駄目だったわね」
憂「お姉ちゃん大丈夫!?怪我とかしてない!?」
唯「大丈夫だよ~憂~」
唯「澪ちゃんの能力は触れたものの温度を変える能力。
1秒に10度ずつらしいけど、レベル2になるとちょっと分からないね」
唯「途中で私が呼び方間違えちゃって…てへへ。
バレたから、とりあえず純ちゃんに攻撃して、
澪ちゃんには手を突き出しただけで気絶しちゃったw」
憂「そっかぁ…律さんは瞬間移動で間違いなさそうだし、
和さんは衝撃吸収…。
それと、純ちゃんのことも気絶させたんだよね?」
76: 2011/01/16(日) 16:17:25.90 ID:pCw9gv1/0
梓「でも、純は能力無しだから、レベル2とか無いハズだよね…?」
憂「ああ…そのことなんだけどね…」
憂「純ちゃんはこれから、能力を使ってくると思うよ」
梓「!!」
唯「なんと!」
紬『あらあらうふふ』
憂「だから、向こうはレベル2が三人と、瞬間移動が一人。
今まで以上に厳しい戦いになると思うんだ…」
77: 2011/01/16(日) 16:18:14.77 ID:pCw9gv1/0
梓「ちょ、ちょっと待って!
レベル2が三人って事は…純は元々能力者だったって言うの?」
憂「あ、そうだよ。使い方を知らなかっただけで…」
唯「純ちゃんって馬鹿だったんだね!!」
憂「い、いや、そういうことじゃなくてね…」
憂「私の能力で…」
唯「 (゚Д゚)」
梓「 (゚Д゚)」
紬『(゚Д゚)』
レベル2が三人って事は…純は元々能力者だったって言うの?」
憂「あ、そうだよ。使い方を知らなかっただけで…」
唯「純ちゃんって馬鹿だったんだね!!」
憂「い、いや、そういうことじゃなくてね…」
憂「私の能力で…」
唯「 (゚Д゚)」
梓「 (゚Д゚)」
紬『(゚Д゚)』
79: 2011/01/16(日) 16:22:33.22 ID:pCw9gv1/0
とりあえずここらで一旦休憩しますです。
まさかの保守、支援ありがとうございました。
スレが残ってるなんて思ってなかったんだよ!
呼称については本当に申し訳ないです・・・。。
梓→基本的に先輩付け
憂→基本的にさん付け
純→さん付け
という感じでよろしいでしょうか?
まさかの保守、支援ありがとうございました。
スレが残ってるなんて思ってなかったんだよ!
呼称については本当に申し訳ないです・・・。。
梓→基本的に先輩付け
憂→基本的にさん付け
純→さん付け
という感じでよろしいでしょうか?
90: 2011/01/16(日) 17:25:54.72 ID:pCw9gv1/0
憂「私の能力は、『記憶操作』。
抱きついた相手の直前の三分間の記憶を操作することが出来るの」
唯「記憶の操作…?」
憂「三分間以内のその人の記憶を、好きなようにいじれるの。
ほら、私、能力を得てすぐに純ちゃんに抱きついたでしょ?」
梓「確かに…」
憂「『私と憂は無能力者』っていう具合に記憶を改ざんしたの。
でも…一度気絶すると全回復するらしいし、その記憶の改ざんも
たぶん無かったことにされると思う…」
紬「純ちゃんの能力は分からないの?」
憂「はい…。大まかな記憶の改ざんは出来ますけど、相手の記憶を見ることはできないので…」
唯「じゃあ、純ちゃんには今後特に注意だね。能力が分からないし」
抱きついた相手の直前の三分間の記憶を操作することが出来るの」
唯「記憶の操作…?」
憂「三分間以内のその人の記憶を、好きなようにいじれるの。
ほら、私、能力を得てすぐに純ちゃんに抱きついたでしょ?」
梓「確かに…」
憂「『私と憂は無能力者』っていう具合に記憶を改ざんしたの。
でも…一度気絶すると全回復するらしいし、その記憶の改ざんも
たぶん無かったことにされると思う…」
紬「純ちゃんの能力は分からないの?」
憂「はい…。大まかな記憶の改ざんは出来ますけど、相手の記憶を見ることはできないので…」
唯「じゃあ、純ちゃんには今後特に注意だね。能力が分からないし」
91: 2011/01/16(日) 17:28:04.14 ID:pCw9gv1/0
憂「レベル2の人たちも危険視しとかないとね」
唯「こっちは基本的に私しか攻撃できないし…
相手がレベル2なら、迂闊には近づけないね…」
梓「唯先輩を一回気絶させてみますか?今の内に」
憂「…」ギラッ
梓「じょ、冗談です…」
紬「でも確かに、私達のレベル2も気になるわね~」
梓(ムギ先輩のレベルが上がっても…)
憂「そろそろ気絶組が起き上がるころです。
一回場所を変えて、もう一回作戦会議をしましょう」
唯「了解なのです!憂隊員!」
92: 2011/01/16(日) 17:30:13.80 ID:pCw9gv1/0
───……・・・
─…・・・
・・・
──音楽室
律「っと、言うわけで…」
和「私達三人が気絶、向こうはまだ一人もいない、って訳ね…」
澪「こ、こ、こ、怖かったんだから仕方ないだろっっ!!」
律「純はまだ気絶してるしな…とりあえず、音楽室で待機だ」
澪「攻めてこないかな…?」
律「大丈夫だ。向こうの攻撃系は唯一人。
打撃技は和に任せるとして、後は俺の澪でやれる」
澪「そ、そんな私じゃ…」
律「……いや、お前のレベル2、相当エグいぞ…」
澪「う、うるさい!!」
和(私のレベル2…使い方によっては、これ最強じゃない)
93: 2011/01/16(日) 17:32:48.41 ID:pCw9gv1/0
──3年3組
梓「全員音楽室にいますね…純の視界がないので、おそらくまだ気絶しています」
唯「攻めよう!」
憂「待ってお姉ちゃん。さっきの時点で負けてたんだし、
レベル2が増えた今じゃまた負けるだけだよ」
唯「ぶすーっ」
憂(ふてくされてるお姉ちゃんも可愛い!)
梓「でも、あまりに動かないのも…。
やっぱり、純の能力が一番のキーになるのかな…」
唯「暇だよ~~。ムギちゃん~~」
紬『あらあらうふふ』
94: 2011/01/16(日) 17:34:30.97 ID:pCw9gv1/0
唯「見て!ムギちゃん!私の能力!」バキバキッ
おもむろにイスを持ちあげ、一瞬にして破壊する唯。
紬『あらあらうふごゴゴォォッッ!』
唯「あ……」
唯の手から弾け飛んだイスの破片が紬の頭部に直撃。
そしてそのまま、紬は地面へと倒れ込んだ。
紬「……」
梓「……」
憂「……」
唯「き……気絶してる……」
122: 2011/01/16(日) 22:59:55.03 ID:pCw9gv1/0
梓「何やってるんですか!唯先輩!」
憂「お、お姉ちゃん…」
唯「ご、ごめん…」
梓「…とりあえず、向こうにも動きはないみたい」
憂「…こっちも、とりあえずは紬さんが起きるまでは行動しない方がいいね」
唯「うぅ…」
憂「お、お姉ちゃん…」
唯「ご、ごめん…」
梓「…とりあえず、向こうにも動きはないみたい」
憂「…こっちも、とりあえずは紬さんが起きるまでは行動しない方がいいね」
唯「うぅ…」
124: 2011/01/16(日) 23:04:08.80 ID:pCw9gv1/0
梓「…! 純が起きたみたいです」
憂「…こっちはまだ起きてないのに…」
唯「うぅ…ムギちゃん起きてよぉ~」
梓「…純が何か話してるみたいです…やっぱり、能力を思い出したみたいです」
憂「どんな能力を使うか分かる?」
梓「私の能力がばれてる以上、さすがにおおっぴらにはしないと思う…」
唯「せ、攻めてきたらどうしよう…」
憂「…こっちはまだ起きてないのに…」
唯「うぅ…ムギちゃん起きてよぉ~」
梓「…純が何か話してるみたいです…やっぱり、能力を思い出したみたいです」
憂「どんな能力を使うか分かる?」
梓「私の能力がばれてる以上、さすがにおおっぴらにはしないと思う…」
唯「せ、攻めてきたらどうしよう…」
126: 2011/01/16(日) 23:07:58.22 ID:pCw9gv1/0
梓「純の能力次第だけど、攻めてくる可能性もありますね…
補助系の能力でも嫌だし、攻撃系でも厳しくなりますけど…」
憂「相手が動き出したら、とりあえずこの場所を変えよう。
向こうが攻撃系が二人以上いるんだから、出来るだけ広い場所に移動するべきだよ」
唯「ムギちゃんはどうするの…?」
憂「移動となったら、紬さんは置いていくしかないかな…。
気絶中の人は拘束できないし、起きた直後を狙うことも出来ないから大丈夫。
それに紬さんならいつでも連絡取れるしね」
梓(冷静な分析ではあるけど…)
憂「とりあえず、全員レベル2には気をつけてね。
どの程度能力が進化してるかは分からないけど…」
128: 2011/01/16(日) 23:14:47.17 ID:pCw9gv1/0
梓「向こうが…動き出したよ」
梓「澪先輩が先頭で…その後ろに純。
それと…律先輩と和先輩のペアが、別の方向に行き始めた」
唯「二つに分けてきたんだね…」
憂(二つに分けたってことは、やっぱり個々の能力が大分上がったってことなんだ…)
梓「どうする?憂。私達もばらばらになった方がいいかな」
憂「こっちは…攻撃系がお姉ちゃんだけ。私も攻撃出来ないことはないけど…
紬さんが起きてない以上、三人で固まった方がいいかな」
紬「…う、うーん…」
唯「ムギちゃん!!」
紬「あら、私…」
梓「澪先輩が先頭で…その後ろに純。
それと…律先輩と和先輩のペアが、別の方向に行き始めた」
唯「二つに分けてきたんだね…」
憂(二つに分けたってことは、やっぱり個々の能力が大分上がったってことなんだ…)
梓「どうする?憂。私達もばらばらになった方がいいかな」
憂「こっちは…攻撃系がお姉ちゃんだけ。私も攻撃出来ないことはないけど…
紬さんが起きてない以上、三人で固まった方がいいかな」
紬「…う、うーん…」
唯「ムギちゃん!!」
紬「あら、私…」
129: 2011/01/16(日) 23:17:48.92 ID:pCw9gv1/0
梓「大丈夫ですか、ムギ先輩」
紬「!!!!!!」ガバッ
唯「ど、どうしたのムギちゃん!!」
紬「わ、私…レベル2になってるわ!!」
梓「そ、そういえばレベルが上がるんでしたね!一体どんな進化をしたんですか!?」
憂(この能力の進化の度合いを見て…相手側の進化も分かる!)
紬「えっと…すごいわよ!!」
紬『会議通話が可能になったわ!!!』
梓『(゚Д゚)』
唯『(゚Д゚)』
憂『(゚Д゚)』
紬「!!!!!!」ガバッ
唯「ど、どうしたのムギちゃん!!」
紬「わ、私…レベル2になってるわ!!」
梓「そ、そういえばレベルが上がるんでしたね!一体どんな進化をしたんですか!?」
憂(この能力の進化の度合いを見て…相手側の進化も分かる!)
紬「えっと…すごいわよ!!」
紬『会議通話が可能になったわ!!!』
梓『(゚Д゚)』
唯『(゚Д゚)』
憂『(゚Д゚)』
131: 2011/01/16(日) 23:22:49.35 ID:pCw9gv1/0
紬『10人まで同時に会話可能よ!すごいわぁ~』
梓「い、いや!えぇ!?本当にそれだけですか!?」
紬『そうよぉ~。せっかくだし、このテレパシーで話しましょう』
憂『…レベルが上がるって、結構…あれなんですね』
唯『がっかりだよ!』
梓『って!そんな事言ってるうちに、どんどん近付いてきてるし!』
憂『…とりあえず、四人で大きい部屋に逃げよう。
出来れば武器も調達出来そうな…理科室なんかでいいかな』
唯『了解であります!それでは出発であります!』
紬『ごぉーごぉー!うふふ!』
梓「い、いや!えぇ!?本当にそれだけですか!?」
紬『そうよぉ~。せっかくだし、このテレパシーで話しましょう』
憂『…レベルが上がるって、結構…あれなんですね』
唯『がっかりだよ!』
梓『って!そんな事言ってるうちに、どんどん近付いてきてるし!』
憂『…とりあえず、四人で大きい部屋に逃げよう。
出来れば武器も調達出来そうな…理科室なんかでいいかな』
唯『了解であります!それでは出発であります!』
紬『ごぉーごぉー!うふふ!』
132: 2011/01/16(日) 23:29:05.45 ID:pCw9gv1/0
──理科室
梓『とりあえず…今のところ、純、澪先輩ペアが近いです』
憂『温度操作と…能力不明か』
唯『でも、澪ちゃんが先頭のところを見ると…
純ちゃんは、補助系の能力なのかもね』
紬『テレパシーで聞いてみようかしら?』
梓『無駄なことはやめてください…』
憂『でも、私達の位置を把握していない感じを見ると、千里眼みたいなタイプじゃないみたいですね。
今までのパターンから考えて、攻撃系は様々な縛りがあるみたいだし…』
唯『縛り?』ドキドキ
憂『お姉ちゃんは「手に握れる物」。澪さんは「手で触れたもの」
私は「抱きついた相手」、和さんも、「右手の衝撃」だったし…』
憂『もし純ちゃんが攻撃系だとしても、距離を置けば大丈夫かな』
梓『とりあえず…今のところ、純、澪先輩ペアが近いです』
憂『温度操作と…能力不明か』
唯『でも、澪ちゃんが先頭のところを見ると…
純ちゃんは、補助系の能力なのかもね』
紬『テレパシーで聞いてみようかしら?』
梓『無駄なことはやめてください…』
憂『でも、私達の位置を把握していない感じを見ると、千里眼みたいなタイプじゃないみたいですね。
今までのパターンから考えて、攻撃系は様々な縛りがあるみたいだし…』
唯『縛り?』ドキドキ
憂『お姉ちゃんは「手に握れる物」。澪さんは「手で触れたもの」
私は「抱きついた相手」、和さんも、「右手の衝撃」だったし…』
憂『もし純ちゃんが攻撃系だとしても、距離を置けば大丈夫かな』
133: 2011/01/16(日) 23:34:29.54 ID:pCw9gv1/0
梓『…大分近づいてきました』
紬『ここにいるっていうのがバレてない以上…隠れて奇襲するのが一番ね』
憂『そうですね…。向こうは、私の能力を把握していない上に、能力があるかさえ分かってない状況。
そう考えると…』
憂『紬さんが、まず入り口近くの戸棚に隠れてください。その隣にお姉ちゃん。
お姉ちゃんは澪さんに攻撃をして』
憂『私は少し離れた所から純ちゃんの相手をするね。
攻撃っていうより、澪さんと距離を置かせるようにするから』
憂『梓ちゃんは、そこのアルコールを持って隠れてて。
もし、お姉ちゃんや紬さんが危なくなったら、そのアルコールを澪さんにぶっかけて』
梓『それで、温度操作を迂闊にしなくなればラッキー…って感じだね』
紬『了解したわ!』
唯『早速隠れよう!』
紬『ここにいるっていうのがバレてない以上…隠れて奇襲するのが一番ね』
憂『そうですね…。向こうは、私の能力を把握していない上に、能力があるかさえ分かってない状況。
そう考えると…』
憂『紬さんが、まず入り口近くの戸棚に隠れてください。その隣にお姉ちゃん。
お姉ちゃんは澪さんに攻撃をして』
憂『私は少し離れた所から純ちゃんの相手をするね。
攻撃っていうより、澪さんと距離を置かせるようにするから』
憂『梓ちゃんは、そこのアルコールを持って隠れてて。
もし、お姉ちゃんや紬さんが危なくなったら、そのアルコールを澪さんにぶっかけて』
梓『それで、温度操作を迂闊にしなくなればラッキー…って感じだね』
紬『了解したわ!』
唯『早速隠れよう!』
136: 2011/01/16(日) 23:38:57.94 ID:pCw9gv1/0
唯(ムギちゃんの進化の度合いから見て…澪ちゃんの能力は、
一秒につき20度とかくらいの進化かな…)
そんな事を考えながら私は棚の中へと隠れる。
それにしても、こんなことを瞬時に考えられる憂はやっぱり天才だ。
梓『来ました…もうすぐ理科室に入ってきます』
ぐっ、と身を縮めた。
私の仕事は、澪ちゃんを倒すこと。
紬『私がおとりになるから、唯ちゃんお願いね』
唯『まっかせて!』フンス
ガラガラッ
一秒につき20度とかくらいの進化かな…)
そんな事を考えながら私は棚の中へと隠れる。
それにしても、こんなことを瞬時に考えられる憂はやっぱり天才だ。
梓『来ました…もうすぐ理科室に入ってきます』
ぐっ、と身を縮めた。
私の仕事は、澪ちゃんを倒すこと。
紬『私がおとりになるから、唯ちゃんお願いね』
唯『まっかせて!』フンス
ガラガラッ
137: 2011/01/16(日) 23:44:32.23 ID:pCw9gv1/0
理科室のドアが開く音。
二人分の足音が、教室内に響く。
純「……隠れるところはいっぱいありますね」
澪「そ、そうだな…気をつけよう」
二人が、少し奥へと進んでいく。
そして、私達の隠れる戸棚の前へと、差し掛かった。
紬「澪ちゃん、かくごー!」
ムギちゃんが、思い切り戸棚を飛び出す。
その声に驚いた顔をした澪ちゃんは、あわてて右手をその方向へ突き出す。
唯「それは残像だぁぁぁぁ!!」
そう叫びながら、今度は私が戸棚から飛び出す。
ナイスタイミング!
澪ちゃんの手は完全にムギちゃんに向いていて、
さらに、その手を私は握れる位置にいる。
唯「壊れろっ!!」
私が、その手を握る。
二人分の足音が、教室内に響く。
純「……隠れるところはいっぱいありますね」
澪「そ、そうだな…気をつけよう」
二人が、少し奥へと進んでいく。
そして、私達の隠れる戸棚の前へと、差し掛かった。
紬「澪ちゃん、かくごー!」
ムギちゃんが、思い切り戸棚を飛び出す。
その声に驚いた顔をした澪ちゃんは、あわてて右手をその方向へ突き出す。
唯「それは残像だぁぁぁぁ!!」
そう叫びながら、今度は私が戸棚から飛び出す。
ナイスタイミング!
澪ちゃんの手は完全にムギちゃんに向いていて、
さらに、その手を私は握れる位置にいる。
唯「壊れろっ!!」
私が、その手を握る。
138: 2011/01/16(日) 23:48:39.20 ID:pCw9gv1/0
唯「───えっ?」
私の体が上手く動かない。視界がおかしい。
ふと、私の目の前に、一つの手のひら。
澪「ご、ごめんな唯!!」
澪ちゃんの謝る声。
澪ちゃんの突き出された右手。
地面に仰向けに転がっている、私。
唯「え、え───っ?」
澪ちゃんの手が、私に触れた。
139: 2011/01/17(月) 00:00:54.55 ID:pCw9gv1/0
紬「え、え?」
唯と同じように地面に仰向けに転がっている紬。
紬も唯と同じように、現在の状況を理解出来ずにいた。
紬(私の後に飛び出してきた唯ちゃんが、突然私の横に転がっていて…
え?私はいつ転がったんだっけ?え?
っていうか…)
澪「お、おえ…」
どろどろに溶けた、元・唯を見て、澪を吐き気を催した。
紬もまた、理解できない状態のまま、その異様な匂いに吐き気を覚える。
紬「う…」
純「澪さん、お願いします。大丈夫です、ちゃんと全部元通りになりますから」
澪「う、うん…。ごめんな、ムギ…」
澪の手が、紬に触れる。
次の瞬間、紬の体もまた、唯のようにどろどろに溶け始めた。
140: 2011/01/17(月) 00:02:01.06 ID:ZjlsfBf30
唯と同じように地面に仰向けに転がっている紬。
紬も唯と同じように、現在の状況を理解出来ずにいた。
紬(私の後に飛び出してきた唯ちゃんが、突然私の横に転がっていて…
え?私はいつ転がったんだっけ?え?
っていうか…)
澪「お、おえ…」
どろどろに溶けた、元・唯を見て、澪を吐き気を催した。
紬もまた、理解できない状態のまま、その異様な匂いに吐き気を覚える。
紬「う…」
純「澪先輩、お願いします。大丈夫です、ちゃんと全部元通りになりますから」
澪「う、うん…。ごめんな、ムギ…」
澪の手が、紬に触れる。
次の瞬間、紬の体もまた、唯のようにどろどろに溶け始めた。
紬も唯と同じように、現在の状況を理解出来ずにいた。
紬(私の後に飛び出してきた唯ちゃんが、突然私の横に転がっていて…
え?私はいつ転がったんだっけ?え?
っていうか…)
澪「お、おえ…」
どろどろに溶けた、元・唯を見て、澪を吐き気を催した。
紬もまた、理解できない状態のまま、その異様な匂いに吐き気を覚える。
紬「う…」
純「澪先輩、お願いします。大丈夫です、ちゃんと全部元通りになりますから」
澪「う、うん…。ごめんな、ムギ…」
澪の手が、紬に触れる。
次の瞬間、紬の体もまた、唯のようにどろどろに溶け始めた。
145: 2011/01/17(月) 00:06:13.15 ID:ZjlsfBf30
純「…お疲れ様です。」
澪「うえ~……ぐすっ、ぐすん…」
純「大丈夫ですよ、ほら…唯先輩の方は、もう体が元に戻ってますし」
澪の背中をさすりながら、純は優しく声を掛けた。
見ると、確かに唯の体はどろどろではなく、既に元の形を取り戻していた。
純「さて……律先輩の読みだと、この部屋にまだいるはずです」
澪「ぐすっ…」
純「憂が怖いけど…動かないところを見ると、距離を置けば大丈夫そうですね」
147: 2011/01/17(月) 00:09:57.28 ID:ZjlsfBf30
梓(ちょっ……今のなに……?)
奥の方の戸棚に隠れていた梓は、ただ震えるだけだった。
千里眼によって覗いていたその行動は、あまりにも意味が分からなかった。
梓(唯先輩の視界が、急に変わった。一瞬で、地面に寝かされていた。
ムギ先輩も、急に仰向けにされていた。
そして、そして…)
梓(澪先輩が触れた瞬間、溶けた…)
あまりにも理不尽である、と梓は心の中で叫んだ。
うちの沢庵は会議通話になっただけなのに、向こうは瞬間温度操作ですかと。
テレパシーが無くなっていることをいいことに、梓は叫び続けた。
梓(それにしても…急に仰向けになったのはなんで…?)
一瞬、瞬間移動のことを考えた。
しかし、その能力を持つ律は違う教室におり、
同じ能力を持つものが二人いるとも考えづらい。
梓(テレパシーがないから…憂とも連絡が取れないし…)
148: 2011/01/17(月) 00:15:17.30 ID:ZjlsfBf30
純「…落ち着きましたか?」
紬の体も元に戻った当たりで、純が澪に声を掛ける。
澪はようやく涙を止め、一度大きく深呼吸をした。
澪「…ああ」
純「たぶん、この部屋にはまだ二人がいるはずです…
相手サイドは、別行動をするメリットがありませんから…」
純「憂は出来るだけ距離を取りましょう。梓は見つけたら倒しちゃっていいです」
梓(純の人でなし!)
二人の足音が近づいてくる。
それはもう、自分の棚の、すぐ前まで──
梓(溶かされたくない溶かされたくない溶かされたくない──っ!!)
ガチャンッ。
戸棚が、開かれる。
150: 2011/01/17(月) 00:21:20.18 ID:ZjlsfBf30
梓「にゃ、にゃああ!!!」
扉が開かれたと同時に、梓は手に持つアルコールをぶち負けた。
それは澪の顔面へと直撃し、その視力を一時的に失わせる。
澪「うわああっ!!」
梓「に、逃げよう!憂!」
憂「梓ちゃん!」
憂も戸棚から飛び出してくる。
澪は自分の顔を必氏に顔を押さえて、純はただ、二人の行動に慌てるばかり。
純「くそっ……こ、ここは通さないんだからっ!」
扉の前に両手を広げて立ちはだかる純。
その直前で、憂は自分の右手を純に突き出した。
純「───っっ!くそっ!」
憂の能力が分からない以上、迂闊に触ることはできない。
純はあわてて横に跳び、その憂の右手を回避した。
151: 2011/01/17(月) 00:25:56.24 ID:ZjlsfBf30
二人はそのまま理科室を飛び出し、廊下を走る。
憂に手を引いてもらいながら、梓は千里眼を使った。
梓「まだ澪先輩の目は見えてないみたい…!
純も…追ってきてる様子はないよ…」
その発言を聞いて、二人はようやく足を止めた。
ずいぶんと走ったのだろう、二人は肩で息をしながら、膝に手を立てた。
梓「ひ…卑怯だよ…あんな能力…」
憂「純ちゃんのこと…?」
梓「澪先輩!!手に触れたものの温度を無制限にあげちゃってたよ!!」
梓は思い切り叫んだ。
しかし、梓の想像とは逆に、憂は言葉を返す。
憂「私は…純ちゃんの方が卑怯だと思うよ…」
憂「純ちゃんの能力…たぶんだけど…時間操作でしょ?」
憂に手を引いてもらいながら、梓は千里眼を使った。
梓「まだ澪先輩の目は見えてないみたい…!
純も…追ってきてる様子はないよ…」
その発言を聞いて、二人はようやく足を止めた。
ずいぶんと走ったのだろう、二人は肩で息をしながら、膝に手を立てた。
梓「ひ…卑怯だよ…あんな能力…」
憂「純ちゃんのこと…?」
梓「澪先輩!!手に触れたものの温度を無制限にあげちゃってたよ!!」
梓は思い切り叫んだ。
しかし、梓の想像とは逆に、憂は言葉を返す。
憂「私は…純ちゃんの方が卑怯だと思うよ…」
憂「純ちゃんの能力…たぶんだけど…時間操作でしょ?」
153: 2011/01/17(月) 00:28:35.93 ID:ZjlsfBf30
憂「隙間から見てたけど、お姉ちゃん達は一瞬にして体勢が変わってた…」
憂「瞬間移動じゃないなら、時間を止めてたとしか考えられないよ…」
梓「……なるほど……」
憂「純ちゃんもレベル2だよね?
たぶん、レベル1が時間を止めるだけとか、そういう感じで、
レベル2が、その中で自分は動けるとか、そういう奴なんじゃないかな…」
梓「そ、それって最強じゃん!」
憂「全部想像だけどね…。でも、これが本当なら、かなりやっかいな能力だよ…」
律「ほんと、あいつだけ卑怯だよな…」
梓「ほんと、卑怯ですよ…」
憂「え?」
梓「え?」
律「てへ」
憂「瞬間移動じゃないなら、時間を止めてたとしか考えられないよ…」
梓「……なるほど……」
憂「純ちゃんもレベル2だよね?
たぶん、レベル1が時間を止めるだけとか、そういう感じで、
レベル2が、その中で自分は動けるとか、そういう奴なんじゃないかな…」
梓「そ、それって最強じゃん!」
憂「全部想像だけどね…。でも、これが本当なら、かなりやっかいな能力だよ…」
律「ほんと、あいつだけ卑怯だよな…」
梓「ほんと、卑怯ですよ…」
憂「え?」
梓「え?」
律「てへ」
156: 2011/01/17(月) 00:34:37.86 ID:ZjlsfBf30
梓「に、逃げろっ!!」
瞬間移動で現れた律が、二人に向かってホウキを振り下ろす。
梓が逃げようとした、その瞬間。
憂は思い切り律に抱きついた。
憂「……律先輩、殺されたくなかった、土下座してください」
突然、憂が律を見下す。
目が、憂の目が、完全に、見下しの目となっていた。
律「ひっ……ご、ご、ご、ごめんなさいっっ……!!」
憂「土下座、ですよ?」
憂の発言に、瞬時に土下座をする律。
その体は震え、今にも泣き出しそうな顔である。
梓(一体、3分間、どんな記憶にしたんだろ…)
憂「私の能力は、気絶じゃなくて、頃すことしかできないんです…。
もう知ってますよね?
氏にたくなかったら…早く、頭を地面に打ち付けて、気絶してください」
瞬間移動で現れた律が、二人に向かってホウキを振り下ろす。
梓が逃げようとした、その瞬間。
憂は思い切り律に抱きついた。
憂「……律先輩、殺されたくなかった、土下座してください」
突然、憂が律を見下す。
目が、憂の目が、完全に、見下しの目となっていた。
律「ひっ……ご、ご、ご、ごめんなさいっっ……!!」
憂「土下座、ですよ?」
憂の発言に、瞬時に土下座をする律。
その体は震え、今にも泣き出しそうな顔である。
梓(一体、3分間、どんな記憶にしたんだろ…)
憂「私の能力は、気絶じゃなくて、頃すことしかできないんです…。
もう知ってますよね?
氏にたくなかったら…早く、頭を地面に打ち付けて、気絶してください」
160: 2011/01/17(月) 00:40:57.26 ID:ZjlsfBf30
律「へ…」
憂「早く。氏にたいんですか?」
律「い、いや…っ!」
そういうと、律はあわてて地面に頭を打ち始める。
憂は、目をそらすこと無く、それを見つめ続ける。
和「律っ!!」
少し離れた所から、和が現れた。
どうやら、律の後を追いかけて、ようやく到着したらしい。
律「え?和?え…え…?」
しまった、というような顔をする憂。
困惑する律を見た和は、その位置から叫び続ける。
和「こっちに瞬間移動して!」
律「で、できないよぉ…!能力封じされてるよ…!」
憂「早く。氏にたいんですか?」
律「い、いや…っ!」
そういうと、律はあわてて地面に頭を打ち始める。
憂は、目をそらすこと無く、それを見つめ続ける。
和「律っ!!」
少し離れた所から、和が現れた。
どうやら、律の後を追いかけて、ようやく到着したらしい。
律「え?和?え…え…?」
しまった、というような顔をする憂。
困惑する律を見た和は、その位置から叫び続ける。
和「こっちに瞬間移動して!」
律「で、できないよぉ…!能力封じされてるよ…!」
163: 2011/01/17(月) 00:43:43.58 ID:ZjlsfBf30
和「大丈夫。私を信じて!!」
そうはさせるか、と、憂はあわてて律に抱きつこうとする。
しかし、その直前。
律の姿はその場から消え、和の元へと再び現れる。
憂「ッ!」
梓「う、憂!逃げよう!」
怯えたままの律。
しかし、その隣にいる和は、一切怯むことはない。
自分の両手を、胸の前で思い切り合わせる。
そうはさせるか、と、憂はあわてて律に抱きつこうとする。
しかし、その直前。
律の姿はその場から消え、和の元へと再び現れる。
憂「ッ!」
梓「う、憂!逃げよう!」
怯えたままの律。
しかし、その隣にいる和は、一切怯むことはない。
自分の両手を、胸の前で思い切り合わせる。
164: 2011/01/17(月) 00:47:42.50 ID:ZjlsfBf30
和(私の右手の能力は、『衝撃吸収』。今生まれた衝撃を吸収する…)
和(そして、私のレベル2は…『吸収した衝撃を1.5倍にして左手から発射する』!)
和の手が、がくがくと震え始める。
それを思い切り押しつけ、和は両手を合わせ続けた。
和(左手から発射された衝撃は右手に吸収され、その1.5倍となって左手から発射。
それを、ほぼ無間隔で行い続ければ……!)
元の衝撃の、1.5乗の1.5乗の1.5乗の1.5乗の…
無限と行われたその『衝撃』が、和の掌へと吸収され、発射される。
ここは一直線に続く廊下。
憂と梓が逃げている姿は見えるが、その道は一直線。
和(強さは…能力じゃなくて…)
和「頭で決まるもんよっ!!!」
叫び、そして、左手を前に突き出す。
和(そして、私のレベル2は…『吸収した衝撃を1.5倍にして左手から発射する』!)
和の手が、がくがくと震え始める。
それを思い切り押しつけ、和は両手を合わせ続けた。
和(左手から発射された衝撃は右手に吸収され、その1.5倍となって左手から発射。
それを、ほぼ無間隔で行い続ければ……!)
元の衝撃の、1.5乗の1.5乗の1.5乗の1.5乗の…
無限と行われたその『衝撃』が、和の掌へと吸収され、発射される。
ここは一直線に続く廊下。
憂と梓が逃げている姿は見えるが、その道は一直線。
和(強さは…能力じゃなくて…)
和「頭で決まるもんよっ!!!」
叫び、そして、左手を前に突き出す。
166: 2011/01/17(月) 00:49:19.93 ID:ZjlsfBf30
和(私の右手の能力は、『衝撃吸収』。今生まれた衝撃を吸収する…)
和(そして、私のレベル2は…『吸収した衝撃を1.5倍にして左手から発射する』!)
和の手が、がくがくと震え始める。
それを思い切り押しつけ、和は両手を合わせ続けた。
和(左手から発射された衝撃は右手に吸収され、その1.5倍となって左手から発射。
それを、ほぼ無間隔で行い続ければ……!)
元の衝撃の、1.5倍の1.5倍の1.5倍の1.5倍の…
無限と行われたその『衝撃』が、和の掌へと吸収され、発射される。
ここは一直線に続く廊下。
憂と梓が逃げている姿は見えるが、その道は一直線。
和(強さは…能力じゃなくて…)
和「頭で決まるもんよっ!!!」
叫び、そして、左手を前に突き出す。
和(そして、私のレベル2は…『吸収した衝撃を1.5倍にして左手から発射する』!)
和の手が、がくがくと震え始める。
それを思い切り押しつけ、和は両手を合わせ続けた。
和(左手から発射された衝撃は右手に吸収され、その1.5倍となって左手から発射。
それを、ほぼ無間隔で行い続ければ……!)
元の衝撃の、1.5倍の1.5倍の1.5倍の1.5倍の…
無限と行われたその『衝撃』が、和の掌へと吸収され、発射される。
ここは一直線に続く廊下。
憂と梓が逃げている姿は見えるが、その道は一直線。
和(強さは…能力じゃなくて…)
和「頭で決まるもんよっ!!!」
叫び、そして、左手を前に突き出す。
174: 2011/01/17(月) 00:54:23.90 ID:ZjlsfBf30
廊下に面する窓のガラスが、次々と割れていく。
和の左手から発射された衝撃が、勢いよく梓達に迫る。
憂「───ッ!」
振り返った憂が動くには、もはや遅すぎた。
その衝撃は、二人の体を目掛けて、一直線に飛んでくる。
梓「憂っ!」
梓が憂を押し倒し、その上に覆いかぶさる。
千里眼でいち早く攻撃に気付いた梓は、現在の合計気絶数を考え、
瞬時にこの行動に出た。
飛んできた衝撃は梓に直撃し、下に丸まっている憂もろとも、
二人は弾き飛ばされた。
和の左手から発射された衝撃が、勢いよく梓達に迫る。
憂「───ッ!」
振り返った憂が動くには、もはや遅すぎた。
その衝撃は、二人の体を目掛けて、一直線に飛んでくる。
梓「憂っ!」
梓が憂を押し倒し、その上に覆いかぶさる。
千里眼でいち早く攻撃に気付いた梓は、現在の合計気絶数を考え、
瞬時にこの行動に出た。
飛んできた衝撃は梓に直撃し、下に丸まっている憂もろとも、
二人は弾き飛ばされた。
176: 2011/01/17(月) 00:57:06.25 ID:ZjlsfBf30
憂「……っ!梓ちゃん?梓ちゃん!?」
飛ばされた衝撃で気を失いそうになるも、意識を保つことが出来た憂は、
すぐに起き上がる。
体が傷だらけになっている上に、ぴくりとも動かない梓。
憂「…ッ!」
後ろから、和が近づいてくるのが見える。
怯えている律が瞬間移動出来ないのが幸いだ。
憂(私達のチームは…これで気絶が4人目…!)
もう、あとは無い。
「ごめんね」と、一言残した憂は、その場を走りだした。
飛ばされた衝撃で気を失いそうになるも、意識を保つことが出来た憂は、
すぐに起き上がる。
体が傷だらけになっている上に、ぴくりとも動かない梓。
憂「…ッ!」
後ろから、和が近づいてくるのが見える。
怯えている律が瞬間移動出来ないのが幸いだ。
憂(私達のチームは…これで気絶が4人目…!)
もう、あとは無い。
「ごめんね」と、一言残した憂は、その場を走りだした。
180: 2011/01/17(月) 01:03:01.48 ID:ZjlsfBf30
──……・・・
─・・・
・・・
それから最初に起きたのは唯だった。
すぐさま紬が起き、テレパシーを使って憂と連絡を取る。
なんとか逃げ切っていた憂は、二人と合流することが出来た。
唯「うわー…ごめんねー憂ー」
憂「しょうがないよ、お姉ちゃん。それより体は大丈夫?」
唯「大丈夫だよ!もうピンピンだよ!」
紬「これで私達はもう後がないわね…とりあえずは梓ちゃんの復活を待ちましょう」
憂「はい…。そういえば、お姉ちゃんはレベル2に。
紬さんは、レベル3になったんですよね?」
唯「そうだよー!これで唯さんは最強になったのです!」フンス
紬「私もよー。うふふ。唯一のレベル3なんてすごいでしょ~」
憂(ほんと、なんで唯一のレベル3がこの人なんだろう…)
─・・・
・・・
それから最初に起きたのは唯だった。
すぐさま紬が起き、テレパシーを使って憂と連絡を取る。
なんとか逃げ切っていた憂は、二人と合流することが出来た。
唯「うわー…ごめんねー憂ー」
憂「しょうがないよ、お姉ちゃん。それより体は大丈夫?」
唯「大丈夫だよ!もうピンピンだよ!」
紬「これで私達はもう後がないわね…とりあえずは梓ちゃんの復活を待ちましょう」
憂「はい…。そういえば、お姉ちゃんはレベル2に。
紬さんは、レベル3になったんですよね?」
唯「そうだよー!これで唯さんは最強になったのです!」フンス
紬「私もよー。うふふ。唯一のレベル3なんてすごいでしょ~」
憂(ほんと、なんで唯一のレベル3がこの人なんだろう…)
184: 2011/01/17(月) 01:09:18.55 ID:ZjlsfBf30
──音楽室
律「いやー。これで相手は3回気絶か」
和「そうね…唯にムギに、梓ちゃん…」
純「唯先輩のレベル2は…やっぱり『触れたものを壊す』っていう感じでしょうか」
澪「まぁ、私達のレベルの上がり具合からみたら、そうだろうな…」
和「レベルが1つあがるだけで大きく変わるものね…」
律「ムギのレベル2は…なんだろう」
純「テレパシーのボリュームを自由に変えれるとか」
律「あー…確かにうるさそうだなぁ。澪とかだと気絶しそう」
澪「す、するわけないだろ!」
律「いやー。これで相手は3回気絶か」
和「そうね…唯にムギに、梓ちゃん…」
純「唯先輩のレベル2は…やっぱり『触れたものを壊す』っていう感じでしょうか」
澪「まぁ、私達のレベルの上がり具合からみたら、そうだろうな…」
和「レベルが1つあがるだけで大きく変わるものね…」
律「ムギのレベル2は…なんだろう」
純「テレパシーのボリュームを自由に変えれるとか」
律「あー…確かにうるさそうだなぁ。澪とかだと気絶しそう」
澪「す、するわけないだろ!」
186: 2011/01/17(月) 01:11:09.75 ID:ZjlsfBf30
和「でも、私達のレベルの上がり具合からして、そんな小さな変化じゃないでしょ」
律「そうだな…もっと恐ろしいものを考えておかないと…」
純「レベル2は恐ろしいですからね…」
律「私もレベル2になりたいな…」
澪「駄目だ」
律「澪のけちー」
和「梓ちゃんのも…中々想像がつかないわね」
純「千里眼…確かに、なかなか分かりませんね…」
律「よし…作戦会議だ…」
196: 2011/01/17(月) 01:33:43.68 ID:ZjlsfBf30
和「結局、憂の能力は『夢を見させる』か『記憶操作』でよさそうね」
律「ああ。少なくとも私は、能力が完全に封じられて、あんなことやこんなことされて、
和が殺されるっていう場面を見た…」ブルブル
澪「うぅ…」
純「記憶操作なら、私が能力を忘れていた理由も分かりますね。
発動条件は…触れるですか?」
律「いや、触れるだけなら、最初私が唯に扮装した憂にのしかかっていた時、能力をかけれたはずだ。
だから…うーん…」
純「記憶操作されてるから、よく覚えていませんね…。
とりあえず、近づきすぎには気をつけましょう」
澪「はぁ…誰にも近づきたくないよ」
律「いや、明らかにお前に一番近づきたくないぞ。みんな」
澪「律!」
律「ああ。少なくとも私は、能力が完全に封じられて、あんなことやこんなことされて、
和が殺されるっていう場面を見た…」ブルブル
澪「うぅ…」
純「記憶操作なら、私が能力を忘れていた理由も分かりますね。
発動条件は…触れるですか?」
律「いや、触れるだけなら、最初私が唯に扮装した憂にのしかかっていた時、能力をかけれたはずだ。
だから…うーん…」
純「記憶操作されてるから、よく覚えていませんね…。
とりあえず、近づきすぎには気をつけましょう」
澪「はぁ…誰にも近づきたくないよ」
律「いや、明らかにお前に一番近づきたくないぞ。みんな」
澪「律!」
197: 2011/01/17(月) 01:38:21.13 ID:ZjlsfBf30
──1年1組
梓「ご迷惑おかしましたです…」
憂「ううん、梓ちゃんのおかげで、私達はなんとか生き延びたよ!」
紬「梓ちゃんさすがだわぁ」
唯「あずにゃんのおかげだよ~」スリスリ
梓「や、やめてください!///」
憂「さて…全員そろった事だし、作戦会議しましょうか…」
梓「…そうだね。私もレベル2になったことだし…」
紬「私はレベル3よ~」
憂「……」
梓「ご迷惑おかしましたです…」
憂「ううん、梓ちゃんのおかげで、私達はなんとか生き延びたよ!」
紬「梓ちゃんさすがだわぁ」
唯「あずにゃんのおかげだよ~」スリスリ
梓「や、やめてください!///」
憂「さて…全員そろった事だし、作戦会議しましょうか…」
梓「…そうだね。私もレベル2になったことだし…」
紬「私はレベル3よ~」
憂「……」
200: 2011/01/17(月) 01:43:10.66 ID:ZjlsfBf30
───……・・・
──・・・
・・・
憂「…と、こんな感じでどうかな…?」
梓「うん…今の段階では、それが一番いいかな」
唯「憂は天才だね!」
紬「天才だわぁ~」
憂「それじゃ…きっと、これが最後の作戦です…」
唯「うん…!」
梓「絶対に勝ってやるです!」
紬「それじゃみんな~」
唯梓憂紬「いくぞー!」
──・・・
・・・
憂「…と、こんな感じでどうかな…?」
梓「うん…今の段階では、それが一番いいかな」
唯「憂は天才だね!」
紬「天才だわぁ~」
憂「それじゃ…きっと、これが最後の作戦です…」
唯「うん…!」
梓「絶対に勝ってやるです!」
紬「それじゃみんな~」
唯梓憂紬「いくぞー!」
201: 2011/01/17(月) 01:46:33.16 ID:ZjlsfBf30
──音楽室手前、階段
唯『到着したであります!』
憂『お疲れ様、お姉ちゃん。これからはこっちの指示をしっかり聞いてね』
梓『今はまだ…全員中にいます。全員が奥の方で固まっています』
紬『会議通話便利ね~』
唯『それじゃ、ゆっくり、階段を上るよ』
憂『うん、出来るだけバレないようにね』
唯『任せて!』
唯『到着したであります!』
憂『お疲れ様、お姉ちゃん。これからはこっちの指示をしっかり聞いてね』
梓『今はまだ…全員中にいます。全員が奥の方で固まっています』
紬『会議通話便利ね~』
唯『それじゃ、ゆっくり、階段を上るよ』
憂『うん、出来るだけバレないようにね』
唯『任せて!』
203: 2011/01/17(月) 01:49:45.48 ID:ZjlsfBf30
唯『音楽室前到着!』
梓『全員中で作戦会議なようなことをしています…』
憂『お姉ちゃん、ちゃんと作戦は覚えてる?』
唯『覚えてるよ!』
紬『最初の一発が肝心よ~』
唯『うん…』
憂『それじゃあ、突入まで…5、4』
憂『3…』
憂『2…』
憂『1…』
唯「突入ッッ!!」
梓『全員中で作戦会議なようなことをしています…』
憂『お姉ちゃん、ちゃんと作戦は覚えてる?』
唯『覚えてるよ!』
紬『最初の一発が肝心よ~』
唯『うん…』
憂『それじゃあ、突入まで…5、4』
憂『3…』
憂『2…』
憂『1…』
唯「突入ッッ!!」
205: 2011/01/17(月) 01:53:51.45 ID:ZjlsfBf30
唯「使徒襲来!ヒラサワユイです!」
唯は扉を開け、叫ぶ。
中にいた四人は唯の奇襲に驚くが、すぐさま攻撃の体勢に入ろうとした。
憂『梓ちゃん!タイミングしっかりね!』
梓『うん…!』
律「相手は唯一人か!?」
梓『唯先輩!3秒前です!』
澪「知るかっ!」
梓『2!』
純「澪先輩!手を前に突き出しておいてください!」
梓『1!』
唯は扉を開け、叫ぶ。
中にいた四人は唯の奇襲に驚くが、すぐさま攻撃の体勢に入ろうとした。
憂『梓ちゃん!タイミングしっかりね!』
梓『うん…!』
律「相手は唯一人か!?」
梓『唯先輩!3秒前です!』
澪「知るかっ!」
梓『2!』
純「澪先輩!手を前に突き出しておいてください!」
梓『1!』
206: 2011/01/17(月) 01:57:12.34 ID:ZjlsfBf30
梓『0!!』
梓のカウントが0になるのと同時、唯は地面に向けて手を突き出した。
瞬間、純が思い切り念を込める。
そのタイミングは、まるで、先読みをしたかのように、同時であった。
──……・・・
─…・・・
・・・
梓のカウントが0になるのと同時、唯は地面に向けて手を突き出した。
瞬間、純が思い切り念を込める。
そのタイミングは、まるで、先読みをしたかのように、同時であった。
──……・・・
─…・・・
・・・
207: 2011/01/17(月) 02:02:38.92 ID:ZjlsfBf30
───唯チーム、作戦会議時
唯「私のレベル2は、手に触れたものを破壊する!だよ」
唯「範囲や威力はある程度いじれるみたい。
とにかく触れさえすれば気絶は確実だね」
梓「私のレベル2は、『対象の未来の視点を読む』です。
今までの千里眼に加えて、望めば、その相手の数秒後の未来まで見ることが出来ます」
憂「……純ちゃんの能力は、時間を止める。っていう仮説だけどね…」
憂「きっとあれは、連発出来る物じゃない。
連発出来るなら、私達が理科室から出る前に時間を止めるはず」
憂「それと、時間が止まっている間は、敵味方関係なく、他の全員は動けないはず。
澪さんが時間が動き出してから能力を使ったから…」
憂「時間が止まった中で、動けるのは純ちゃんだけ…。それなら…」
・・・
─…・・・
──……・・・
209: 2011/01/17(月) 02:07:12.59 ID:ZjlsfBf30
ビキビキビキッ!
唯の手が地面にふれた瞬間。
音楽室の床は、瞬く間に粉々に砕け散った。
床はなくなる。
行き場を失った足は、そのまま重力に従った地面に落ちるのみである。
唯「」
しかし、唯達の体が、その場を動くことはない。
純によって止められた時間。
唯や律、澪、和に、止められた時間を動くことは許されない。
純「くそっっっっ!!!」
ただ一人、重力に従って落ちていく少女。
止められた時を移動することが出来る、純。
彼女だけが、止められた時間、無くなった床の下へと落ち進んでいく。
唯の手が地面にふれた瞬間。
音楽室の床は、瞬く間に粉々に砕け散った。
床はなくなる。
行き場を失った足は、そのまま重力に従った地面に落ちるのみである。
唯「」
しかし、唯達の体が、その場を動くことはない。
純によって止められた時間。
唯や律、澪、和に、止められた時間を動くことは許されない。
純「くそっっっっ!!!」
ただ一人、重力に従って落ちていく少女。
止められた時を移動することが出来る、純。
彼女だけが、止められた時間、無くなった床の下へと落ち進んでいく。
211: 2011/01/17(月) 02:09:00.37 ID:ZjlsfBf30
音楽室の下、ただ一人、先に到着した純。
純(私が止めれる時間の限界は…5秒!)
そして、その時が、来る。
純(私が止めれる時間の限界は…5秒!)
そして、その時が、来る。
214: 2011/01/17(月) 02:10:47.77 ID:ZjlsfBf30
ドドドドドドド!
純の上から、床、床の破片が落ちてくる。
その大小は様々。
音楽室の奥に位置していた彼女に、もう、逃げ場はない。
純「う、うわあああああああああああああ!!!」
純の上から、床、床の破片が落ちてくる。
その大小は様々。
音楽室の奥に位置していた彼女に、もう、逃げ場はない。
純「う、うわあああああああああああああ!!!」
216: 2011/01/17(月) 02:14:14.01 ID:ZjlsfBf30
唯「やっほーーーーーーーーい!」
唯は落下していた。
自分が壊した床と一緒に、一つ下の階へと勢いよく落下する。
澪「う、うわぁぁぁぁ!」
律「…くそっ!」
和「これにはさすがにびっくりね」
全員が下の階へと落下し、なんとか体勢を整える。
破片の下で気絶している純を見た律は、その状況を遅れて理解した。
唯「あっとひっとりー!」
唯は落下していた。
自分が壊した床と一緒に、一つ下の階へと勢いよく落下する。
澪「う、うわぁぁぁぁ!」
律「…くそっ!」
和「これにはさすがにびっくりね」
全員が下の階へと落下し、なんとか体勢を整える。
破片の下で気絶している純を見た律は、その状況を遅れて理解した。
唯「あっとひっとりー!」
218: 2011/01/17(月) 02:17:30.21 ID:ZjlsfBf30
これで、律チームの気絶数は4。
残された気絶は、もうない。
律「くそ…っ!」
唯「分かってると思うけど、私の能力は触れただけで壊せちゃうからね!」
和(触れただけって…厄介にも程があるわよ!)
唯がジリジリと近寄ってくる。
足場の悪いそこでは、走ることはできないようだ。
和「……律、澪!逃げて!」
律「いや、ここは三人で撃退するべきじゃ──」
和「向こうはまだ3回しか気絶してないのよ?
こっちは触れられただけでゲームオーバー!
私が遠距離で時間稼ぐから、早く逃げて!!」
残された気絶は、もうない。
律「くそ…っ!」
唯「分かってると思うけど、私の能力は触れただけで壊せちゃうからね!」
和(触れただけって…厄介にも程があるわよ!)
唯がジリジリと近寄ってくる。
足場の悪いそこでは、走ることはできないようだ。
和「……律、澪!逃げて!」
律「いや、ここは三人で撃退するべきじゃ──」
和「向こうはまだ3回しか気絶してないのよ?
こっちは触れられただけでゲームオーバー!
私が遠距離で時間稼ぐから、早く逃げて!!」
219: 2011/01/17(月) 02:20:02.79 ID:ZjlsfBf30
律「──ッ!気絶すんなよ!和!」
和「馬鹿にしないで頂戴!」
律「澪、逃げるぞ!」
澪の手を引き、なんとか走りだす律。
唯「いかせないよ!」
それを止めようとする唯に向って、軽い衝撃波。
和「今のは溜める時間が無かったけど…
次は大きいの当てるわよ、唯!」
唯「えへへ……面白いね、和ちゃん!」
和「馬鹿にしないで頂戴!」
律「澪、逃げるぞ!」
澪の手を引き、なんとか走りだす律。
唯「いかせないよ!」
それを止めようとする唯に向って、軽い衝撃波。
和「今のは溜める時間が無かったけど…
次は大きいの当てるわよ、唯!」
唯「えへへ……面白いね、和ちゃん!」
223: 2011/01/17(月) 02:24:21.10 ID:ZjlsfBf30
本当は、両チームとももう後がない。
それを理解している唯は、攻撃より先に、防御のことを考える。
作戦が成功するためには、自分が生き残ることが大切だ。
和「これはどう!」
和は両手を合わせ、それから左手を唯の方向より少し下に向ける。
衝撃波が飛び、その反動で、唯の方向へと床の破片が飛び散った。
唯「効かないよー!」
唯は顔の近くに来た破片を、両手で触れていく。
次の瞬間には、手のひらサイズまであった破片は、
一瞬にして砂のごとく粉々になった。
和「……」
いつの間にか、律と澪は消えていた。
この部屋から逃げ出すことに成功したようである。
それを理解している唯は、攻撃より先に、防御のことを考える。
作戦が成功するためには、自分が生き残ることが大切だ。
和「これはどう!」
和は両手を合わせ、それから左手を唯の方向より少し下に向ける。
衝撃波が飛び、その反動で、唯の方向へと床の破片が飛び散った。
唯「効かないよー!」
唯は顔の近くに来た破片を、両手で触れていく。
次の瞬間には、手のひらサイズまであった破片は、
一瞬にして砂のごとく粉々になった。
和「……」
いつの間にか、律と澪は消えていた。
この部屋から逃げ出すことに成功したようである。
224: 2011/01/17(月) 02:26:30.90 ID:ZjlsfBf30
和「それじゃ…大きいの行くしかないみたいね…」
そう言って、和は自分の胸の前で手を合わせた。
衝撃の増幅。
憂に聞かされたそれを見た唯は、少し身ぶるいをする。
唯「……でもね、和ちゃん」
唯「私たちは、負けないよっ!」
そう言って、駆け出す唯。
目指すは和。
相手が衝撃を出す前に、自分の右手を出せば勝ちだ。
そう言って、和は自分の胸の前で手を合わせた。
衝撃の増幅。
憂に聞かされたそれを見た唯は、少し身ぶるいをする。
唯「……でもね、和ちゃん」
唯「私たちは、負けないよっ!」
そう言って、駆け出す唯。
目指すは和。
相手が衝撃を出す前に、自分の右手を出せば勝ちだ。
225: 2011/01/17(月) 02:27:49.63 ID:ZjlsfBf30
和(残念だけど…唯!)
和(私の衝撃は、ほぼ無間隔で増幅できるの)
和(だから…あなたがコッチに届く前に…)
和(私の衝撃が溜まる方が……早いッッッ!!!)
和(私の衝撃は、ほぼ無間隔で増幅できるの)
和(だから…あなたがコッチに届く前に…)
和(私の衝撃が溜まる方が……早いッッッ!!!)
230: 2011/01/17(月) 02:40:32.93 ID:ZjlsfBf30
和「私は最近ねぇ、律ちゃん×澪ちゃんがいいと思ってるのよぉ。
王道だって思うかもしれないけど、やっぱりそれが一番よぉ。
恥ずかしがる澪ちゃんに、りっちゃんがどんどんアタックしたりするの!
それで赤面する澪ちゃんに、りっちゃんはもう歯止めが利かないって感じね!
でも、しばらくしたら澪ちゃんが反撃を始めるの!そこでりっちゃんは焦るんだけど、
反撃を始めた澪ちゃんの前にはりっちゃんは無力!
一気に形勢が逆転して、今度はりっちゃんが赤面!羞恥!興奮!
あぁ~堪らないわぁ~!妄想が止まらないわぁ~!
あ!でも今日思ったんだけど、唯ちゃん×憂ちゃんも堪らないわねぇ~!
だらしないお姉ちゃん…でもそんなお姉ちゃんが大好きな妹!
このシチュエーションだけで何杯もご飯が食べられるわぁ~!
憂ちゃんはいつも狙ってるんだけど、中々手が出せないのよね!ね!
でも、ある日我慢できなくなって…お姉ちゃんを襲っちゃうの!
最初は訳が分からず攻められる唯ちゃんなんだけど、憂ちゃんの調教の甲斐あって、
すっごくえOちな女の子になっちゃうのよね!ね!
それで、今度は憂ちゃんが攻められて…恥ずかしくてたまんなくて、泣きながら
お姉ちゃんに抱きつくのよね~。でも、唯ちゃんは本当はSの気があって、
そんな泣き顔の憂ちゃんに発情しちゃうの!あぁ~~、堪らないわぁ~!!」
232: 2011/01/17(月) 02:42:57.94 ID:ZjlsfBf30
和(え、え、え、え???)
息が苦しくなる。
発言が止まらない、止められない。
息が苦しい。
意識がぼーっとしてくる。
酸素が、明らかに足りなくなる。
和(い、意識だけは保たなきゃ…!)
消えかけそうな意識の中、和はそれだけを考える。
気絶しちゃだめだ、気絶しちゃだめだ、気絶しちゃだめだ。
唯「和ちゃん~…そんな事、思っても口にしちゃダメだよ!」
自分の目の前に、唯。
あぁ、そういえば、唯がいたっけ──。
息が苦しくなる。
発言が止まらない、止められない。
息が苦しい。
意識がぼーっとしてくる。
酸素が、明らかに足りなくなる。
和(い、意識だけは保たなきゃ…!)
消えかけそうな意識の中、和はそれだけを考える。
気絶しちゃだめだ、気絶しちゃだめだ、気絶しちゃだめだ。
唯「和ちゃん~…そんな事、思っても口にしちゃダメだよ!」
自分の目の前に、唯。
あぁ、そういえば、唯がいたっけ──。
235: 2011/01/17(月) 02:45:07.21 ID:ZjlsfBf30
──……・・・
─…・・・
・・・
紬「私のレベル3は……テレパシーの強制音読!」
梓「うっわ。相変わらずしょぼそうな能力ですね…」
紬「むすー!これは私がテレパシーしたことを、その人に無理やり音読させる能力よ!」
憂「……いや、梓ちゃん…」
憂「これ、やっぱり、レベル3は最強だよ……」
・・・
─…・・・
──……・・・
237: 2011/01/17(月) 02:46:47.52 ID:ZjlsfBf30
唯「これでゲームセットだよ、和ちゃん!」
和の口は、いまだに止まることはない。
和の両手の衝撃は、右手に吸収されたまま、だらりとぶらさがっている。
梓『やっちゃってください!』
憂『お姉ちゃん!』
紬『でもねぇ、やっぱり王道で唯梓もいいわねぇ!
あぁ、妄想が止まらないわぁ!止まらないわぁ!』
唯の右手が、和の顔に触れる。
唯「壊れろっ!」
和の口は、いまだに止まることはない。
和の両手の衝撃は、右手に吸収されたまま、だらりとぶらさがっている。
梓『やっちゃってください!』
憂『お姉ちゃん!』
紬『でもねぇ、やっぱり王道で唯梓もいいわねぇ!
あぁ、妄想が止まらないわぁ!止まらないわぁ!』
唯の右手が、和の顔に触れる。
唯「壊れろっ!」
246: 2011/01/17(月) 02:57:26.67 ID:ZjlsfBf30
──……・・・
─…・・・
・・・
唯「あれ?」
澪「……なんで私達、音楽室にいるんだ?」
律「まだ8時だし…なんでこんな早くにここに来てるんだろ」
和「何か用事でもあったかしら…?」
紬「なんだかすっきりしたわぁ…」
梓「…用事ないなら、授業に行きます?」
純「なんで私まで音楽室にいるんだーー!」
─…・・・
・・・
唯「あれ?」
澪「……なんで私達、音楽室にいるんだ?」
律「まだ8時だし…なんでこんな早くにここに来てるんだろ」
和「何か用事でもあったかしら…?」
紬「なんだかすっきりしたわぁ…」
梓「…用事ないなら、授業に行きます?」
純「なんで私まで音楽室にいるんだーー!」
248: 2011/01/17(月) 02:59:32.55 ID:ZjlsfBf30
唯「はーあ、それじゃ教室にいこっかー」
律「そーだなー」
澪「今日はちゃんと宿題やってきたのか?律」
律「きーこーえーまーせーんー」
澪「律っ!」
紬「あらあらうふふ」
・・・
─…・・・
──……・・・
おわり
律「そーだなー」
澪「今日はちゃんと宿題やってきたのか?律」
律「きーこーえーまーせーんー」
澪「律っ!」
紬「あらあらうふふ」
・・・
─…・・・
──……・・・
おわり
253: 2011/01/17(月) 03:02:06.77 ID:ZjlsfBf30
終わりです。
たくさんの支援、保守ありがとうございました!
こんな時間まで付き合ってくれてありがとう!
たくさんの支援、保守ありがとうございました!
こんな時間まで付き合ってくれてありがとう!
260: 2011/01/17(月) 03:12:15.46 ID:1W99zgRF0
乙。
しかし最後の最後で窒息しそうになったり顔面破砕したり、和ちゃんいいとこ無いなwwww
しかし最後の最後で窒息しそうになったり顔面破砕したり、和ちゃんいいとこ無いなwwww
引用元: 唯「壊れろっ!」
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