1: 2009/06/30(火) 23:22:53.94 ID:v1Jt46o9O
音楽室

唯「……」

律「唯ー?顔色悪いぞ?」

唯「何でもないよ…」

律「何だよそんなんで初ライブ大丈夫なのか?」

唯「平気だよ…」

紬「唯ちゃん具合悪そうだし機材は私が運ぶわ」

唯「……はぁ」

私の名前は平沢唯(15)
今日は桜高の文化祭当日
でも私にとってこの文化祭はもう何回目なのかわからなかった…

4: 2009/06/30(火) 23:26:01.32 ID:v1Jt46o9O
~回想~

唯「ただいまぁ~!」

憂「お姉ちゃんお帰り~文化祭どうだった?」

唯「うんもう大成功!澪ちゃんもボーカルすっごく頑張ってくれてさ~」

憂「よかったねお姉ちゃん!私も見に行きたかったなぁ」

唯「憂も来年は桜ヶ丘に入って見に来てよ~!」

憂「うん!頑張って合格して絶対見に行く!」

唯「えへへ~」


6: 2009/06/30(火) 23:28:36.85 ID:v1Jt46o9O
唯の部屋

唯「はぁ~今日は楽しかったなぁ」

唯「あ、もう11時だ~疲れたし今日は寝ちゃお~!」

コチコチコチコチコチ…

唯「うぅん…ふわふわ時間…ムニャムニャ」

コチコチコチコチコチ…

7: 2009/06/30(火) 23:34:15.70 ID:v1Jt46o9O
チュンチュン…

憂「お姉ちゃん起きて~」

唯「うぃ~後5分…ほんとに~」

憂「もう、今日は文化祭でライブやるんでしょ?それに朝一の当番って…」

唯「えっ」ガバッ

憂「え?」

唯「あれ?文化祭昨日…」

憂「もう、お姉ちゃん寝呆けないで」


8: 2009/06/30(火) 23:37:32.04 ID:v1Jt46o9O
唯「あれ…夢だった‥?」

憂「お姉ちゃん?」

唯「け、携帯…」パカッ

唯「9月18日…?」

唯「そんな…」

憂「お姉ちゃんどうしたの?」


9: 2009/06/30(火) 23:40:17.41 ID:v1Jt46o9O
唯「て、テレビテレビ!」パチ

大塚さん「9月18日金曜日朝の…」

唯「全部夢だったの…?」

憂「お姉ちゃん遅れちゃうよ!」
唯「う、ういー!」

10: 2009/06/30(火) 23:45:10.17 ID:v1Jt46o9O
学校
1-3

女生徒1「唯おそーい!」

女生徒2「朝一は仕込みもあるんだから~」    

唯「はぁ…はぁ…ご、ごめんね皆…」

唯「夢だったんだ…」

唯「リアルな夢だったなぁ…」

女生徒3「そろそろ店あけるよー」

女生徒1「おっけー!」


11: 2009/06/30(火) 23:49:18.52 ID:v1Jt46o9O
女生徒3「あ、ホットプレート3台までらしいからよろしくね」

女生徒4「唯ちゃん声ガラガラだね~」

女生徒2「大丈夫なの?今日のライブ」

唯「あ、うん私コーラスだから~」

女生徒2「ボーカル誰なの?」

唯「澪ちゃんだよ~」

友達「あ、ねぇねぇ唯!これ着てみてよ」

唯「え?」


12: 2009/06/30(火) 23:54:30.27 ID:v1Jt46o9O
友達→女生徒1

女生徒1「あはっ似合う似合う!これもかぶって」

唯「はい、おまちどう!」

女生徒1「あはははすごい似合う~」

唯「へへへへ…」

唯「何から何まで同じだよ…」

女生徒2「あ、いらっしゃいませー!」


14: 2009/07/01(水) 00:02:12.68 ID:uxfnFD0XO
唯「はいお嬢ちゃん、ありがとね~!」

澪「ゆいー!」

唯「あ、澪ちゃん」

唯「練習…?」

澪「うん、目一杯練習しておこうよ」

唯「あ、えーっと…」

ヴン
女生徒2「あーまたブレイカー落ちた…」

唯「もうちょっとしたら行けると思うから」

澪「なんか大変そうだな…」


15: 2009/07/01(水) 00:08:26.03 ID:uxfnFD0XO
ジュージュー
唯「そろそろ和ちゃんが来る頃…」

和「唯」

唯「う、うわっ!ほんとに来た!」

和「その声大丈夫なの?」

唯「だ、大丈夫だよ~」

和「そう、ならもう練習に行っていいわよ」

唯「あ、うん…」

女生徒1「唯!いっといでよ!」

女生徒4「頑張って」

唯「あ、ありがとう‥」

16: 2009/07/01(水) 00:10:03.92 ID:uxfnFD0XO
音楽室前

唯「澪ちゃん…練習してる‥」

唯「今のとこ全部同じだなぁ…」

唯「正夢っていうのかなぁ…?」

律「唯?何やってんだ?」

唯「あ、しーっしーっ!」

紬「?」


17: 2009/07/01(水) 00:13:12.91 ID:uxfnFD0XO
音楽室

律「またせたなー!澪ー!」

紬「一人にしてごめんなさい」

唯「私達も練習するよ~」

澪「お、おそいぞっ」

唯「……」

さわ子「みんなー衣装を作ってきたわよ!」


19: 2009/07/01(水) 00:15:39.40 ID:uxfnFD0XO
さわ子「んじゃ!本番頑張ってね~!」バタン

澪「あは…あは…あははは…」

律「やれやれ…んじゃ唯とむぎは機材頼むぜ」

唯「うんー」

紬「はいー」

律「んで澪は~」


20: 2009/07/01(水) 00:17:29.28 ID:uxfnFD0XO
唯「ふー…ふー…お、重い…この重さ夢とそっくり…」

紬「しゃらんらしゃらんら~」

唯「……」

音楽室

唯「はこびおわったー」

律「ごっくろーさん!」

紬「お茶入ったわよ~」

唯「ね、ねぇりっちゃん」

律「んー?」

唯「りっちゃんと澪ちゃんってさ…幼なじみなんだよね?」

律「そうだぞー」

唯「じゃあさ…こんなエピソードない?」

22: 2009/07/01(水) 00:22:10.07 ID:uxfnFD0XO
律「え?何で知ってんだ唯?」

紬「まぁ、唯ちゃんすごいわね」

唯「実はさ…昨日夢を見てね…その内容が」

律「へーそんな事あるもんなんだなぁ」

紬「すごいわね」

律「でも澪がパンツ丸出しって笑えるなプククク」

紬「見てみたい気も…」ゴクリ

唯「まーさすがにこれは無いよね~アハハ…」

澪「私が何だって?」

23: 2009/07/01(水) 00:25:30.14 ID:uxfnFD0XO
律「お、澪!実は唯がさ~」



澪「ば、ばか!!」

唯「えへへ~でも気を付けてね澪ちゃん」

紬「うふふ」

律「お、でも落ち着いてきたんじゃないか?」

澪「いつまでも緊張してられないからな」

紬「はい、どうぞ」

澪「……」カチャカチャカチャカチャカチャ

律紬「めちゃめちゃ緊張してるし」

唯「……」


24: 2009/07/01(水) 00:28:40.76 ID:uxfnFD0XO
律「唯?」

唯「……」

律「おーい?」

唯「え!?あ、ごめん何?」

律「唯まで緊張してんのか?」

唯「あ、いや…」

澪「……」ガクガクガク

律(しゃーねぇなぁ…)ポリポリ 

律「あ、そうだ!MC考えとかなきゃー!」


25: 2009/07/01(水) 00:32:25.72 ID:uxfnFD0XO
律「どらむぅ!容姿端麗頭脳明晰!幸せ運ぶ軽音部のアイドル田井中ぁ~」
バコンっ

澪「自分だけ持ち上げすぎだろ!」

律「ってー…」

紬「ふふふふ」

澪「ふ…ふふ…あははは」

律「へへっ」

唯「……」ボーッ

律(唯…?)


26: 2009/07/01(水) 00:34:57.93 ID:uxfnFD0XO
舞台裏

澪「りつぅ…やっぱりこんな格好で出なきゃいけない…?」

律「プッよく似合ってますわよ澪ちゅわん」

律「な、唯?」

唯「え?あ、うんすっごくかわいいよ!」

澪「もぉ!」

律「…なぁ唯、ちょっと」

唯「え?」


29: 2009/07/01(水) 00:39:13.42 ID:uxfnFD0XO
律「大丈夫か?唯らしくないけど緊張してるのか?」

唯「ご、ごめん大丈夫だよ」

律「もしかして夢のことを気にしてるのか?」

唯「……」

律「まだ同じなのか?」

唯「うん…」

律「ふぅむ…まぁ悪い事は起こってないんだろ?」

唯「うん」

律「なら心配すんなよ!たまたまだって」

唯「りっちゃん…ありがとう」

律「へへっ」


31: 2009/07/01(水) 00:46:06.08 ID:uxfnFD0XO
『続きまして軽音楽部によるバンド演奏です』

和(頑張って…唯)

唯「えーっと…」デロロン

ヴゥーン

「なにあれ~?」「かわいいー」「何組の子?」

さわ子「私GJ!」

澪(だ、だめだ…)ガクガクガク

澪(ううっ…)

唯「……」ボーッ

律「ワンツースリーフォーワンツスリー!」

ジャララララランジャララララ

32: 2009/07/01(水) 00:49:55.29 ID:uxfnFD0XO
澪「    」

律(あれ?)

紬(み、澪ちゃん?)

唯(あれ?あ…)

律「み、澪!歌歌!っていうか…」

澪「   」バタッ

紬「澪ちゃん!!」

唯「し、しまった…」    

和「舞台閉じて~!」

ざわざわ…ざわざわ…
「ちょっとなにあれー?」「だっさー」「きゃはははは」

さわ子「あれまぁ…」


34: 2009/07/01(水) 00:55:08.35 ID:uxfnFD0XO
舞台裏

律「澪!しっかりしろ!」

紬「澪ちゃん!」

和「保健室に!」

唯「……」

唯「私があそこで澪ちゃんに声かけなかったせいだ…」

35: 2009/07/01(水) 00:57:40.92 ID:uxfnFD0XO
保健室

澪「う…ん‥」

律「澪!大丈夫か!?」

紬「澪ちゃん!」

澪「あ…れ‥私……はっ!」

澪「ぶ、文化祭は!?ライブは!?」

律「終わったよ」

澪「そ、そんな…」

36: 2009/07/01(水) 01:00:32.91 ID:uxfnFD0XO
唯「澪ちゃん…気にしないで…私のせいなの」

澪「うわぁぁぁぁぁぁぁ!皆ごめん…ごめん…私…私…」

紬「澪ちゃん、仕方ないわよ」

律「そうだ澪、気にすんな」

澪「ううっ…ごめんなさい…ごめんなさい…」

唯「……」


37: 2009/07/01(水) 01:04:14.32 ID:uxfnFD0XO
さわ子「それじゃ澪ちゃんは私が送っていくから」

律「ありがとさわちゃん」

紬「澪ちゃん今日の事引きずらなければいいけど…」

唯「ごめん…私のせいだ…」

律「どういう意味だよ?」

唯「夢だと私が…」

律「ばーかっ!そんなの関係ねーよ」

紬「うん、そんな夢にとらわれたらダメよ唯ちゃん」

律「まっこれでその夢はただの夢だったんだし気にすんなよ唯!」

紬「また明日ね」

唯「うん…」

律「じゃーなぁ!」

唯「はぁ…」


38: 2009/07/01(水) 01:09:11.64 ID:uxfnFD0XO
唯「ただいま~…」

憂「お姉ちゃんお帰り~文化祭どうだった?」

唯「うんそれが…」

憂「そっかぁ…でも仕方ないよね」

唯「澪ちゃん繊細だから心配で…」

憂「大丈夫だよお姉ちゃん!これからいくらでも出来るよ!」

唯「う、うんそうだよね」

唯「今日はもう寝るね」

憂「うん、お姉ちゃんおやすみ」

唯「おやすみ憂~」

40: 2009/07/01(水) 01:15:43.31 ID:uxfnFD0XO
唯の部屋

コチコチコチコチコチ

唯「はぁ…まさか結局失敗しちゃうとはなぁ…」

唯「澪ちゃん…大丈夫かな…」

唯「……」ウトウト

コチコチコチコチコチ

唯「……」スースースー

コチコチコチコチコチ…

41: 2009/07/01(水) 01:19:37.03 ID:uxfnFD0XO
チュンチュン…

唯「うぅん…」

唯「6時…か…昨日早く寝たからなぁ」

憂「あ、お姉ちゃんおはよ~」

唯「おはよ~」

憂「今日はいつもより早いんでしょ?お弁当もう作ってあるからね」

唯「うん?いや今日は何にもないよ?」

憂「え?今日は文化祭でしょ?」

唯「え……」


42: 2009/07/01(水) 01:24:02.70 ID:uxfnFD0XO
ピッ
『9月18日!今日の占いカウントダーウン!』

唯「あ…あ…」

憂「お姉ちゃん?」

唯「ねぇ憂…」

唯「私昨日…文化祭のライブ失敗したって言ったよね…?」

憂「え?」

唯「私昨日何時に帰った!?」

憂「き、昨日は文化祭の準備って言っていつもより遅く…」

唯「‥‥」

唯「あ゙ーあ゙ー…全然声治ってない…」

憂「大丈夫お姉ちゃん?体調悪いなら‥」

唯「いや…もう行くね私」

憂「無理しないでねお姉ちゃん」

45: 2009/07/01(水) 01:31:48.85 ID:uxfnFD0XO
学校
1-3

唯「はぁ…はぁ…」

女生徒2「おはよう唯」

女生徒1「早いね~」

唯「ね、ねぇゆっこちゃん…」

女生徒2「んー?」

唯「い、いや何でもない…」

女生徒4「唯ちゃん声ガラガラだね~」

女生徒2「大丈夫なの?今日のライブ」

唯「……」


46: 2009/07/01(水) 01:36:49.47 ID:uxfnFD0XO
唯「……」
ピッピッピップルルルルルガチャ

律『もしもし唯?早いなーどうした?』

唯「ね、ねぇりっちゃん…昨日何してた?」

律『は?いや帰った後はちょっと練習しただけだけど』

唯「澪ちゃんは…」

律『唯まだ声なおんないなぁやっぱりこのまま澪にやっともらわないとだな』

唯「うん…」

律『お、んじゃ私も当番あるしそろそろ出るよ。また学校でな』

唯「わかった…」
プツ

唯「……」


49: 2009/07/01(水) 01:44:22.18 ID:uxfnFD0XO
女生徒2「唯ーこっち手伝って」

女生徒1「ねぇ唯ちゃんこれ着てみてよ~」

唯「う、うん…」


女生徒3「そろそろ店あけるよー」

51: 2009/07/01(水) 01:48:15.67 ID:uxfnFD0XO
女生徒2「ありがとうございました~」

澪「唯ー!」

唯「あ…ね、ねぇ澪ちゃん」

澪「今日本番だろ?目一杯練習しておこうよ」

唯「ごめん…朝一はクラスの当番に…」

隣の女生徒「ちょっとぉ!ホットプレートは3台までよ!」

澪「なんか大変そうだな…」

唯「……」


53: 2009/07/01(水) 01:51:51.59 ID:uxfnFD0XO
和「唯、今日本番でしょ?」

唯「和ちゃん…」

和「もういっていいわよ」

女生徒1「唯!いっといでよ!」

女生徒4「頑張って」

唯「みんなありがとう…」トボトボ

和「なんか元気ないわね」


54: 2009/07/01(水) 01:54:10.03 ID:uxfnFD0XO
廊下

唯「はぁ…どうなってんのかなぁ‥」

唯「あ、そうだ…」

唯「ねぇりっちゃん…」

律「おー唯ぃ!」

唯「ねぇ…私一昨日から…」

律「あはっごっつぁんです!って言ってみて!」

唯「…ごっつぁんです」


56: 2009/07/01(水) 01:59:55.88 ID:uxfnFD0XO
音楽室前

唯「どうしよう…とりあえずライブ成功させようかな‥」

ガラガラ

澪「…!」

澪「ゆ、唯…」

唯「あ…」

澪「お、おそいぞっ」

唯「ごめんね、頑張ろうね今日こそ」

澪「え?う、うん」

57: 2009/07/01(水) 02:05:28.50 ID:uxfnFD0XO
律「2人共待たせたなぁ!」

紬「ごめんなさい遅くなって」

唯(そうだよ‥ライブ成功させよう!)

唯(これはチャンスなんだ)

唯「よーっし!円陣くも~!」

澪「えぇ!?」

律「お、いいな!」

紬「ほら澪ちゃんもっ」

澪「う、うん…」

律唯澪紬「けいおんー!ふぁいっ!おー!」

ガラガラ
さわ子「おっ気合い入ってるわねー!衣装作ってきたわよー!」


60: 2009/07/01(水) 02:14:46.22 ID:uxfnFD0XO
澪「りつぅ…やっぱりこんな格好で出なきゃいけない?」
律「プクククよく似合ってますわよ澪ちゅわん」
唯「うん、すっごくかわいいよ!」
澪「もおーっ!」

『続きまして軽音楽部によるバンド演奏です』

和(頑張って唯…)

「なにあれー?」「かわいいー」「何組の子?」

さわ子「私GJ!」

澪(……)ガクガクガク
澪(だめだっ…)

唯「澪ちゃん!」

澪「!?」

唯「みんな知ってるから!」
唯「澪ちゃんが頑張って練習してたの」
唯「知ってるから!」
律「そうだぞ澪」
紬「澪ちゃん」

澪「……!」

61: 2009/07/01(水) 02:20:31.89 ID:uxfnFD0XO
ジャジャンジャーン!

唯(よかった…)

澪「みんな…ありがとぉー!」

律(これで澪も恥ずかしがりを克服出来そうだな…)

澪「フフッ……」ズルッ
ビーンドシンっ 

律「澪!?」
紬「澪ちゃん!?」
唯「あ、忘れてた…」

澪「あたたたた…」

「しましま~」パシャッ


澪「い…い…いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


62: 2009/07/01(水) 02:22:46.32 ID:uxfnFD0XO
音楽室

律「あっはははははは」

紬「澪ちゃん元気だして」

澪「ぱんつ…ぱんつ…」

唯「澪ちゃん大丈夫だよー」

律「じゃあみんなお疲れ!」

律「クラスの方の後片付けとかもあるし今日はここで解散な」

紬「うんまた明日ね」

唯「……」

澪「ぱ、ぱんつ…」

唯「ね、ねぇみんな…」


63: 2009/07/01(水) 02:25:15.61 ID:uxfnFD0XO
律「ん?」

唯「今日のライブ…みんな絶対忘れないよね?」

紬「もちろんよ!一生の思い出よ」

律「あったりまえだろーなぁ澪!」

澪「忘れたい…」

唯「また…明日ね…絶対明日会おうね!」

律「お、おう…」

唯「じゃあね…」

紬「どうしたのかしら唯ちゃん…なんか遠くにいっちゃうみたい…」

65: 2009/07/01(水) 02:30:56.56 ID:uxfnFD0XO
唯「ただいま~」

憂「お姉ちゃんお帰り~文化祭どうだった?」

唯「うん成功だったよ~」

憂「よかったねお姉ちゃん!私も見に行きたかったなぁ」

唯「ねぇ憂…」

憂「なーに?」

唯「朝まで一緒にいてくれない?」

憂「え?」


67: 2009/07/01(水) 02:34:37.58 ID:uxfnFD0XO
唯「一緒に…朝まで私の隣にいて…」

憂「い、いいけど…どうしたのお姉ちゃん?」

唯「1人になるの怖い…」

憂「お姉ちゃん…」

憂「うん!朝までずっと隣にいるよ」

唯「ありがとう憂…」


68: 2009/07/01(水) 02:38:31.26 ID:uxfnFD0XO
唯の部屋

コチコチコチコチコチ

憂「お姉ちゃん寝ないの?」

唯「うん…寝るの怖い…」

憂「…ねぇ何かあったの?悩み事?」

唯「……実はね…」


69: 2009/07/01(水) 02:41:40.65 ID:uxfnFD0XO
コチコチコチコチコチ

憂「……」

唯「信じて…くれないよね‥」

憂「え?いや…」

唯「信じてくれなくてもいいの…」ギュッ

憂「お姉ちゃん…」

唯「朝まで…こうさせて…」

憂「信じるよ私」

憂「私今の話絶対明日も覚えてるからお姉ちゃん」

憂「だから安心して」

唯「憂ぃ‥」


72: 2009/07/01(水) 02:46:55.52 ID:uxfnFD0XO
コチコチコチコチコチ

唯「……」

憂「……」

唯「ねぇ憂…起きてる?」

憂「うん、起きてるよお姉ちゃん」

唯「忘れちゃやだよ…」

憂「絶対忘れないよ」

コチコチコチコチコチ

唯(もうすぐ日付が変わる…)

コチコチコチコチコチ

73: 2009/07/01(水) 02:51:08.51 ID:uxfnFD0XO
コチコチコチコチコチ

唯「憂…」

憂「なーにお姉ちゃん?」

唯「私の話覚えてるよね…?」

憂「うん、大丈夫だよお姉ちゃん」

唯「ありがとう…ありがとう憂…」

憂「お姉ちゃん…」

唯「うん?」

憂「明日も文化祭頑張ってね…」
唯「え…?」

コチコチコチコチコチ…カチッ

81: 2009/07/01(水) 03:02:32.25 ID:uxfnFD0XO
チュンチュン…

唯「……うぅん」

唯「あ‥さ…?」

唯「…!」

唯「う、うぃ!?どこ!?」

ドタドタドタ

唯「憂!」

憂「お姉ちゃんおはよう」

唯「ね、ねぇ…昨日の私の話…」

憂「うん、覚えてるよ」


82: 2009/07/01(水) 03:06:34.91 ID:uxfnFD0XO
唯「そうだっ…テ、テレビテレビ…」

大塚さん「9月18日金曜日朝の…」

唯「………」

憂「ねぇ、お姉ちゃん」

唯「ひっ!う、うい…」


86: 2009/07/01(水) 03:09:58.26 ID:uxfnFD0XO
唯「ねぇ…何で!?何でなの!?」

憂「お姉ちゃん、気付いちゃったんだね」

唯「え…?」

憂「気付かない方が幸せだったよね」

唯「どういう意味…?」


89: 2009/07/01(水) 03:14:23.15 ID:uxfnFD0XO
憂「私達は…ううんきっと世界中の人達がみんな毎日同じ事を繰り返してるんだよ」

憂「みんな気付かないだけで」

憂「毎日毎日」

唯「そ…そんな…」

唯「うそ…だよ‥」

憂「でも私はかまわないよ、毎日お姉ちゃんといられるもん…永遠にお姉ちゃんと…」


94: 2009/07/01(水) 03:21:02.05 ID:uxfnFD0XO
唯「…わ…私はいやだよ!!!毎日が…今日の繰り返しなんて!!」

唯「はぁ…はぁ…」

憂「お姉ちゃん…」

唯「ねぇ憂…何とか…何か方法はないの!?」

憂「お姉ちゃん…私がこれに気付いてから今日を迎えるのが何回目か知ってる?」

唯「え…?」

憂「15000くらいまでは数えれたんだけど…もう…わかんないよ」

唯「い、いちまんごせ…?」


100: 2009/07/01(水) 03:26:08.06 ID:uxfnFD0XO
唯「……ほ、本気で言ってるの…?」

憂「……」

唯「憂は…平気なの…?」

憂「平気だよ…でもお姉ちゃんが…これから耐えられるのか心配で…」

唯「……」

唯「じょ、冗談じゃないよ…こんなの…」


105: 2009/07/01(水) 03:31:17.24 ID:uxfnFD0XO
それから私は為す術もなく何度も9月18日を繰り返した
私には…10回を数えるのがやっとだった…

~回想終わり~

>>1に戻る

108: 2009/07/01(水) 03:34:12.23 ID:uxfnFD0XO
で、今こんな感じ…

唯「運び終わったぁ」

律「ごくろうさん!」

紬「お茶入ったわよ」

唯「ねぇりっちゃん」

律「ん?」

唯「りっちゃんはさ…毎日文化祭やってるような気分になるときない?」

律「はぁ?」

紬「毎日文化祭なんて楽しそうね」

唯「私ね…毎日今日を繰り返してるの」

この話も何回したのかな‥

律「あっはははははは」


112: 2009/07/01(水) 03:37:44.25 ID:uxfnFD0XO
紬「それって無限ループっていうのかしら?」

澪「機材運ぶのおわったぁ?」

唯「……」

唯「今日の晩御飯はなにかなぁ…」

もう私が心を開けるのは憂だけになっていた

憂「お姉ちゃんお帰り」

唯「うぃぃあいたかったよ~」ギュウウウ

憂「私もだよお姉ちゃん」

憂との会話だけが…時の流れを感じさせてくれた…


117: 2009/07/01(水) 03:44:43.40 ID:uxfnFD0XO
唯「ねぇ憂~、来年は桜高に来て軽音部に入ってね」

憂「うん!一緒に文化祭でライブしようね」

唯「楽しみだな~」

憂「ねぇお姉ちゃん」

唯「うん?」

憂「明日はどこか遊びに行かない?」

唯「うんいいよ!」

120: 2009/07/01(水) 03:50:26.86 ID:uxfnFD0XO
私達はそれから2人であちこち出かけた

憂「今日はどこまでいこっか?」

唯「この道ずっーと行ったらどこに着くかな~?」

憂「いってみよお姉ちゃん!」






123: 2009/07/01(水) 03:53:34.60 ID:uxfnFD0XO
チュンチュン…

憂「お姉ちゃんおはよう」

唯「うい~」

大塚さん「9月18日金曜日朝の」
憂「今日は学校いく?」

唯「うーん今日はいいやぁ」

憂「じゃあ今日はうちでゆっくりしよっか」

唯「うん!」

私はこんな毎日も悪くない気がしていた…憂がいてくれれば…私は…辛くなかった


133: 2009/07/01(水) 04:04:43.37 ID:uxfnFD0XO
唯宅

憂「でね」

唯「あはは~」

律「おい唯!」ドンドン
紬「唯ちゃん!」
澪「唯!」

唯「あ、みんなだ~」
ガチャ

唯「いらっしゃ~い!」


137: 2009/07/01(水) 04:07:38.24 ID:uxfnFD0XO
律「なんで学校来ないんだよ唯!電話も出ないし…」

唯「また明日にでも出来るよ~それよりりっちゃん達もあそんでいかない?」

憂「皆さん、お茶どうぞ」

律「ゆい…?」

澪「何のつもりだよ…」

紬「ううっ…」タタッ

律「おいむぎ!」

澪「見損なったぞ唯…」

唯「また明日ね~」

律「唯…」

憂「これも何回目だろうねお姉ちゃん」

唯「えへへへ」


147: 2009/07/01(水) 04:20:25.85 ID:uxfnFD0XO
大塚「9月18日金曜日朝の…」

唯「ふぁぁぁ」

憂「お姉ちゃんおはよう」

唯「おはよ~今日は久しぶりに学校いこっかな~」

憂「じゃあ私も行こうかな。純ちゃんにも長く会ってないし」

唯「じゃあまた夜ね!憂」

憂「うん、お姉ちゃん」


153: 2009/07/01(水) 04:25:20.90 ID:uxfnFD0XO
学校
1-3

唯「みんな~久しぶり~!」

女生徒2「唯」

女生徒1「早いね~」

唯「うん!みんなに久しぶりに会いたくて~」

女生徒2「……?」


155: 2009/07/01(水) 04:28:37.14 ID:uxfnFD0XO
澪「唯!」

唯「あ、澪ちゃんはい焼きそば!私のおごりだよ~」

澪「そうじゃなくて…」

澪「今日本番だろ?練習…」

唯「うん!待ってて、後でいくから」

唯「頑張ろうね~」

澪「唯…」

165: 2009/07/01(水) 04:39:15.46 ID:uxfnFD0XO
澪視点
何かおかしい…何となくそんな気がした

澪「はぁ…今日が本番か…」

澪「でも何だろう…唯に会うのが久しぶりな気もする…」

澪「変な感覚…」

澪「唯!」

唯「あ、澪ちゃんはい焼きそば!私のおごりだよ~」

澪「そうじゃなくて…」

澪「今日本番だろ?練習…」

唯「うん!待ってて、後でいくから」

唯「頑張ろうね~」

澪「唯…(あれ…この光景も…)」

170: 2009/07/01(水) 04:44:03.41 ID:uxfnFD0XO
律視点

今日は唯きてるかなー?何故かそんな事を考えて登校している私がいた

律「いらっしゃいませ~」

律「ありがとうございました~」
唯「りっちゃーん!」

律「おお唯、声なおんないなぁ」

唯「ごっつぁんです!なんちゃって」律「ごっつぁんです!って言ってみて」

律「え?」
唯「あはは」

172: 2009/07/01(水) 04:47:32.19 ID:uxfnFD0XO
紬視点

このアンプ運ぶの何回目かしら…ふとそんな事が頭をよぎった

紬「な、なに考えてるのかしら私…デジャヴなんてよくある事よね」

唯「ふぅふぅおもーい」

紬「唯ちゃんのこの姿…どこか懐かしい…?」

唯「おーもーいー」

紬「しゃ、しゃらんらしゃらんら~」

180: 2009/07/01(水) 05:00:36.50 ID:uxfnFD0XO
唯「運び終わったぁ」

律「ごくろうさん」

紬「お茶入ったわよ」

律「……」 

紬「……」

唯「やっぱり久しぶりに会うと楽しいね~」

律「ひ、久しぶり?」

紬「な、なに言ってるのよ唯ちゃん昨日も学校で練習したじゃない」

ガチャ
澪「機材運ぶの終わったぁ?」  

185: 2009/07/01(水) 05:06:07.42 ID:uxfnFD0XO
澪「うっ…(またこの光景…)」

唯「澪ちゃん~」

澪「なに?」

唯「舞台で転ばないように気を付けてね!」

澪「はぁ…?」

律「はははっ笑えるなそれ~」

紬「見てみたいかも…」ゴクリ



187: 2009/07/01(水) 05:10:07.87 ID:uxfnFD0XO
さわ子視点

この衣装をもっていくの何回目かしら?なんて事をふと考えた私…年かしら…

ガチャ

さわ子「みんなー!衣装作ってきたわよー!」

唯「あ、さわちゃん先生久しぶり~!」

さわ子「あら、今日はちゃんと唯ちゃんいるのね」

律「…は?」

さわ子「え?あら…私何を言って…」

澪「……」

紬「……」


190: 2009/07/01(水) 05:18:49.82 ID:uxfnFD0XO
舞台裏

澪「……」

律「澪、似合ってるぜ~」

澪「そう…」

唯「澪ちゃん!転ばないようにね!」

澪「わ、わかってるってば…」

『続きまして、軽音楽部によるバンド演奏です』

「なにあれー?」「かわいいー」「何組の子?」

さわ子「まただわ…」


195: 2009/07/01(水) 05:23:20.98 ID:uxfnFD0XO
澪「……」

唯「澪ちゃん!みんな知ってるから」

唯「澪ちゃんが頑張って練習してたの…」

澪「うん…大丈夫だよ唯‥」

唯「え?」

律「今日は来てくれてありがとうな唯」

唯「え?え?」

紬「ありがとう唯ちゃん…私も何故かそんな気分なの」

唯「み、みんな…」

律「ワンツースリーフォーワンツースリー!」


205: 2009/07/01(水) 05:30:52.67 ID:uxfnFD0XO
澪「ふわふわ時間…」
唯「ぶわ゙ぶわ゙時間」
ジャラランラーン

澪「みんな…ありがとぉ!」

律「なんか久しぶりだな…この一言しか出てこないや…」

紬「うん…」

唯「みんな…私ね…あ、澪ちゃん」

澪「おっと…」

唯「ほっ」

215: 2009/07/01(水) 05:40:42.39 ID:uxfnFD0XO
律「いやー大成功だったな!」

唯「そだね…」

澪「今までで一番気持ち良く終われた気分だな…」

紬「うん、何だか不思議な気持ち…」

唯「あのさ…もしかしてみんな…」

さわ子「みんなよくやったわね」

律「あ、さわちゃんいいとこに!」

217: 2009/07/01(水) 05:42:20.59 ID:uxfnFD0XO
律「これで記念撮影おねがいします!」

澪「うん、私もほしい…」

澪「今日という日の証拠がほしい‥」

唯「み、澪ちゃん…」

紬「……」

さわ子「……いいわよ」

さわ子「はい、笑ってみんな」

唯「…えへ」
澪「え、えっと…」
紬「ほら澪ちゃんも笑って」
律「あ、待ってスティック!」

パシャ

223: 2009/07/01(水) 05:50:13.32 ID:uxfnFD0XO
律「じゃあな」

澪「うん…」

紬「また明日…」

唯「……」

さわ子「なに悲しくなってるのよ」

律「なんでかなぁ…」

紬「今の皆には…もう会えない気がするの…」

澪「や…やめてよむぎ!!」

唯「……」

唯「また、会えるよみんな…!りっちゃんその写真ちゃんと私達の分も配らないとだよ!」

律「そだな…!」

澪「うん」

紬「また明日会いましょう」

唯「みんなまたね!」

さわ子「じゃあね」

226: 2009/07/01(水) 05:56:06.91 ID:uxfnFD0XO
唯帰路

唯「……」

唯「うっ…ぐすっ…ひぐっ…」

唯「戻りたい…ちゃんと毎日が来る日常に…」

唯「うっ…やっぱり戻りたいよ私…ひっく…みんなに会いたい…」
唯「ズルズルズル…うっ…うっ…」

228: 2009/07/01(水) 05:58:59.41 ID:uxfnFD0XO
唯宅

唯「ただいま…」

唯(涙…拭いとかなきゃ…憂に心配かけたくない…)

唯「あれ…憂‥?」

唯「まだなのかな…?」

コチコチコチコチコチ

唯「……」

231: 2009/07/01(水) 06:02:31.00 ID:uxfnFD0XO
コチコチコチコチコチ

唯「憂…おそいな…」

唯「電話してみよ…」

『おかけになった電話番号は電波の届かない…』

唯「え‥」

唯「ど、どうしたんだろ…」


236: 2009/07/01(水) 06:07:35.08 ID:uxfnFD0XO
唯「…まぁでも明日になれば‥戻ってくるよね…」

唯「もう今夜はカップラーメンでいいや…」

唯「ズルズル」

トゥルルルルルトゥルルルルル

唯「ん?家電なんてめずらしいな~」

唯「はいもしもし平沢です」


244: 2009/07/01(水) 06:19:15.47 ID:uxfnFD0XO
律宅

律「あー何で寝るのがこええんだよ…どーしちまったんだ私…」

スタスタスタ…

律「あ、明日がもし…」

スタスタスタ…

律「ん…?澪?」

ギギッ…

澪「う、うわっ!!」

澪「超能力者か…お前は…」

律「わかるよ澪の足音は」

律「んでなに?」

澪「あ、あのさ…今晩…と、泊めて…」

律「何だよ急に?」

澪「う、うるさい!寝るの怖いんだよ‥」

律「……」

249: 2009/07/01(水) 06:24:51.84 ID:uxfnFD0XO
紬邸

紬「さ、斎藤」

斎藤「はいお嬢様」

紬「すぐに…お部屋にお願い…」

斎藤「かしこまりました」

斎藤「何の御用でしょう?」

紬「あの…今晩隣で寝てほしいの…」

斎藤「……?私は構いませんが…」

紬「ありがとう…朝までお願い…」

斎藤「かしこまりました。失礼します」

紬「……」

斎藤「お嬢様が幼少の頃を思い出しますなぁ」

紬「そうね…」


257: 2009/07/01(水) 06:33:33.77 ID:uxfnFD0XO
さわ子宅

さわ子「はぁ」

さわ子「寝るのが憂鬱なんて初めてよ…」

さわ子「朝まで飲もうかしら…」

ピーポーピーポ

さわ子「?事故かしら…」

262: 2009/07/01(水) 06:40:09.80 ID:uxfnFD0XO
『平沢憂さんのお宅ですか?』

唯「はい…そうですけど‥」ドクンドクン…

『大変申し上げにくいのですが…憂さんが交通事故に遇われまして』

唯「は…?」

『○○病院に搬送されましたがまもなく氏亡が確認されました』

唯「   」

『お悔やみ申し上げます…身元確認のためご親族の方に…』

『あの…もしもし?』

ガチャン

269: 2009/07/01(水) 06:43:52.40 ID:uxfnFD0XO
唯「う…うそ…う…憂が…」

唯「はっ!そ、そうだ…」

唯「そうだよ…!明日になれば…また今日が来れば憂は戻ってくるじゃん!」

唯「ははっ…なーんだ‥」

唯「びっくりしたぁ…」

唯「あははは~」


274: 2009/07/01(水) 06:49:42.78 ID:uxfnFD0XO
コチコチコチコチコチ…

唯「早く…早く…」

唯「初めてだよ…ループを期待するなんてさぁ…」

唯「えへへへ‥」

唯「永遠にループする~」

唯「なーんて…」

唯「よかったぁ…憂…よかったぁ…」

唯「あと3分…」

コチコチコチコチコチ…

唯「あと1分…」

唯「あと…」


282: 2009/07/01(水) 06:59:10.29 ID:uxfnFD0XO
律宅

コチコチコチコチコチ

律「なぁ澪…起きてるか?」
澪「ん…?」
律「もしさ…」
澪「うん…」

コチコチコチコチコチ

律「もし今日がまた来てもさ…」澪「……」
律「あはは…何言ってんだろな私」
澪「わかるよ」
律「澪…」

コチコチコチコチコチ

澪「来てもなにさ…」
律「私達…ずっと仲良く…」
澪「うん…」

288: 2009/07/01(水) 07:05:36.49 ID:uxfnFD0XO
紬邸

コチコチコチコチコチ

紬「斎藤…起きてる…?」
斎藤「はいお嬢様」
紬「斎藤は何でこの家に来たの?」
斎藤「何で…と申されますと‥」
コチコチコチコチコチ

紬「ちゃんと覚えてる?昔の事から昨日の事…」
斎藤「ええ。お嬢様が幼少の頃から今に至るまで全て覚えていますとも」

コチコチコチコチコチ

紬「…ねぇ‥」
斎藤「はいお嬢様」
紬「今日した話…一緒に寝た事…忘れてはダメよ…」
斎藤「ええ、勿論ですとも。一生涯」

292: 2009/07/01(水) 07:08:11.45 ID:uxfnFD0XO
さわ子宅

コチコチコチコチコチ

さわ子「ぶわぁぁぁぁ!ひっく…ふぅ…」

さわ子「ぼらぁぁぁぁぁぁ!」

さわ子「あぁーループなんかしてたまるかぁー!」

さわ子「ぅおー!」
バタンッ

298: 2009/07/01(水) 07:13:42.70 ID:uxfnFD0XO
唯宅
チュンチュンチュンチュン…

唯「……はっ」

唯「う、うい?」

唯「……」

唯「憂ー!?」

唯「えっ…え……」

ガチャ
唯「憂!」
ガチャ
唯「どこ!?」
ガチャ
唯「ねぇ!」
ガチャ
唯「憂!」

唯「はぁ…はぁ…」


312: 2009/07/01(水) 07:23:32.88 ID:uxfnFD0XO
唯「ははは…じょ…冗談きついよ憂…」
ガタッピッ

おづらさん「9月19日土曜日のニュース…え~」

唯「ぁ…あ…あ…」

唯「な…んで‥?」

唯「うい…ねぇ…ういはどうなるの…?」

唯「ねぇ…憂‥」

318: 2009/07/01(水) 07:30:12.33 ID:uxfnFD0XO
律宅

律「ふぃー!」
律「あれ…?み、澪?」
律「おい澪!?」
律「ん?書き置き…」

澪『帰るぞ!なんで律んちになんて泊まったんだろ…絶対誰にも言うなよ!』

律「……」

弟「ねぇちゃんー母ちゃんがいい加減起きろって」

律「お、おい!今日何日何時で何曜日!?」

弟「は、はぁ?19日土曜日だけど」

律「そ、そっか…そうだよな!」

弟「へんなの…」

326: 2009/07/01(水) 07:37:25.18 ID:uxfnFD0XO
紬邸

紬「斎藤!」

斎藤「はっ…お、お嬢様…おはようございます‥」

紬「いつまで寝てるの!」

斎藤「も、申し訳ありませんお嬢様…」

斎藤(げ、元気なお嬢様に戻っておられる…)

紬「斎藤」

斎藤「は、はい」

紬「これからもよろしくお願いしますね」

斎藤「…!勿論ですお嬢様」


333: 2009/07/01(水) 07:43:42.40 ID:uxfnFD0XO
さわ子宅

さわ子「あ゙ぁ~頭いてぇ…」

さわ子「今日も出勤なのに…」

さわ子「何してたんだろ私…」

さわ子「ループとか言っちゃって…私もまだまだ若いわね…」

ピッ

さわ子「だるいけどシャワー浴びてこないとね…」

キャスター『続いて次のニュースです。昨夜18日午後9時頃、大型のダンプに…』


344: 2009/07/01(水) 07:58:38.52 ID:uxfnFD0XO
9月19日土曜日某所

キョン「ったく…夏休みに続いて今度は文化祭かよ」

古泉「おや、他人事のように言いますね」

キョン「なぁ長門結局俺たちは何回北高の文化祭を繰り返したんだ?」

長門「正確には15968回」

キョン「つくづくはた迷惑な奴だぜ…」

古泉「今回は僕達が認知する前に終わってしまい少し残念でしたね」

キョン「どうせならそのまま何も知らずに終わりたかったよ俺は」

キョン「しかしあいつは文化祭で何をやり残してたんだ?」

古泉「さぁ、僕にはわかりません」

長門「……」


おしまい

354: 2009/07/01(水) 08:03:06.43 ID:uxfnFD0XO
唯達がループに気付けたのは京アニというハルヒに近しい存在だからでした…


423: 2009/07/01(水) 17:27:03.66 ID:+AnGreBGO
憂が氏んだ…

さっきはあれほど『繰り返してほしくない』と思っていた金曜日に『またきてほしい』と唯はおもった。



―――その時だった。


『また金曜日をくりかえしたいのか?』


唯(なにこれ?頭の中に直接語りかけてくる…)


431: 2009/07/01(水) 18:09:34.76 ID:+AnGreBGO
唯「気のせいだよね…」

唯(きっと私、憂が氏んで疲れてるんだ…)



『どうした?平沢唯』

『また、金曜日を繰り返したいんじゃなかったのか?…』

唯「!?」

433: 2009/07/01(水) 18:17:59.83 ID:+AnGreBGO
唯「あなた誰なの!?というか、また繰り返すって…?」

唯「ねぇ!答えてよ!」


『わたしは…そうだなセカイとでも言っておこうか』
セカイ『お前が望むなら、また金曜日を繰り返させてやろう…』

唯「ねぇ!憂は!?」

唯「もしまた繰り返す世界にもどったら、憂は…憂は生き返るの?」

437: 2009/07/01(水) 18:29:12.27 ID:+AnGreBGO
セカイ『そうだな、また9月18日金曜日の朝に世界を戻すことができる。もちろん平沢憂も"生き返る"』

セカイ『ただし…』

セカイ『お前の記憶はリセットされない』

唯「私の記憶がリセットされないって?」

セカイ『つまり、お前は毎日がくりかえされると知りながら、同じ日を生き続けるのだ』

441: 2009/07/01(水) 18:42:17.21 ID:+AnGreBGO
唯「…っ」

セカイ『さらには、お前は9月18日どおりの生活をする必要がある。』

セカイ『まわりに気づかれて、お前と同じ苦しみを与えたくないだろ』

セカイ『まぁ、じっくり考えるんだな…。』



それから数日が過ぎた。
正しくは、数日が過ぎたように平沢唯には感じられた。
それほど唯は悩んだ。


唯「わたし、憂が生き返るなら…同じ日でもいい」

唯「一緒に…憂と一緒に生きるじかんがほしい」


443: 2009/07/01(水) 18:50:16.22 ID:+AnGreBGO
セカイ『わかった。だが、本当にいいんだな?』

唯はただうなずいた。

セカイ『お前の親しい人間の未来を潰すことになるが…』

覚悟は決まっていた。

唯「お願いします…」

セカイ『では、目をとじるがよい』


―――りっちゃん、澪ちゃん、ムギちゃん、さわちゃん、和ちゃん、みんなごめんね…

452: 2009/07/01(水) 19:59:07.97 ID:+AnGreBGO
チュン チュン…


唯「う…朝かぁ」

唯は気がつくと自宅のベッドに寝ていた。

唯「夢だったのかな…?」
すると、ずっと聞きたかった声が聞こえた…。

憂「お姉ちゃん、起きて~」


唯「(憂よかった…生き返って)」


唯はいまにも涙を流して、憂に抱きつきたい気分だったが、必氏で自分の気持ちをこらえた。
憂にここがくりかえされる世界だということを悟られないためだ。

唯「(憂にこんなつらい思いをさせるわけにはいかないもんね)」

唯「(それにしても、あの声はなんだったんだろう…)」

455: 2009/07/01(水) 20:46:20.53 ID:+AnGreBGO
唯「うぃ~、おはよう」

憂「おはよう、お姉ちゃん」

憂「今日文化祭でライブやるんでしょ!頑張ってねぇ~!」

唯「うん、絶対成功させるよ~」

唯「じゃあ行ってくるね~。」


こんな普通の会話でさえ唯とっては、とてもうれしかった。


456: 2009/07/01(水) 20:58:52.81 ID:+AnGreBGO
学校
1-3

唯「おはよう」

女生徒2「おはよう唯」

女生徒1「おはよう」


女生徒4「唯ちゃん声ガラガラだね~」

女生徒2「大丈夫なの?今日のライブ」

唯「あ、うん私コーラスだから~」

女生徒2「ボーカル誰なの?」

唯「澪ちゃんだよ~」

友達「あ、ねぇねぇ唯!これ着てみてよ」

唯「(やっぱり、くりかえされる世界に戻ってきたんだ…。)」



457: 2009/07/01(水) 21:15:56.27 ID:+AnGreBGO
その後、和がきて教室を抜け出し



音楽室

律「またせたなー!澪ー!」

紬「一人にしてごめんなさい」

唯「私達も練習するよ~」

澪「お、おそいぞっ」


さわ子「みんなー衣装を作ってきたわよ!」


唯「(りっちゃんも澪ちゃんもムギちゃんもさわちゃんもいつもどおりだ)」

唯「(でもよかった、みんなはこの世界がくりかえされることに気付いてないみたい)」

その後ライブは無事成功におわり(澪は転んだ)唯は帰宅した。


459: 2009/07/01(水) 21:24:08.38 ID:+AnGreBGO
唯「ただいまぁ~!」

憂「お姉ちゃんお帰り~文化祭どうだった?」

唯「うんもう大成功!澪ちゃんもボーカルすっごく頑張ってくれてさ~」

憂「よかったねお姉ちゃん!私も見に行きたかったなぁ」

唯「憂も来年は桜ヶ丘に入って見に来てよ~!」

憂「うん!頑張って合格して絶対見に行く!」

唯「えへへ~」



唯の部屋


唯「(はぁ…。なんか疲れたなぁ)」

唯「(でも、憂のためだもんがんばらないと)」

唯「(私は憂といられるだけで幸せなんだ…。ほとんど同じ内容しか話さなくとも…)」


唯は眠った。
「どうか明日が9月19日土曜日で、憂と幸せな日常を過ごせますように」とわずかな希望をこめながら。

460: 2009/07/01(水) 21:34:11.88 ID:+AnGreBGO
しかし、その希望は届かなかった。
翌日もその翌日も同じ9月18が繰り返された。




そして、30回ほど9月18日が繰り返されたころ…


平沢家



唯「おはよう、憂」

憂「お姉ちゃん…」

憂「お姉ちゃん、もうがまんしなくていいんだよ…。」

464: 2009/07/01(水) 21:54:03.17 ID:+AnGreBGO
唯「…」

憂「お姉ちゃん、もうがまんしないで!」

唯「な、なんのこと?」

唯はだれにもきづかれないように最大の努力をしてきた。
自分以外の人にはこんな日々をおくってほしくなかったからだ。
だが、くりかえされる世界の中で唯の神経の衰弱は妹の前では隠せなかった。

いや、正しくは…

憂「この世界が、9月18日が繰り返されてること、お姉ちゃんも気がついてたんでしょ!?」

唯は耳を疑った。憂はたしかに『お姉ちゃんも』と言ったのだ。

もしかして憂はずっと前から気付いていたのだろうか。

唯「憂、きっと夢だよくりかえされる世界なんて」

唯「ほら、正夢っていうじゃん、ははは…」ガシッ!

憂は唯を抱きしめ

憂「もう私、つらそうなお姉ちゃん見てられない!」

憂「どうして?どうして世界がくりかえされること隠すの?」

唯はもう涙をがまんできなくなっていた。

466: 2009/07/01(水) 22:02:42.38 ID:+AnGreBGO
唯「ううっ…辛かった…」
唯「この世界には私しか生きていないような気がして…」

唯「ううっ…ううっ…」

涙が止まらない。

憂「お姉ちゃん…。私も私も生きてる気がしなかったよぅ…」

なかなか、泣かない憂も泣き続けていた。

何時間泣いたのだろう。

この日初めて唯は学校を休んだ。

467: 2009/07/01(水) 22:12:39.21 ID:+AnGreBGO
その夜
平沢家


憂の作る夕食は、いつもより数段美味しく感じられた。


久しぶりに憂と一緒にお風呂に入った。


風呂

唯「ねぇ、うぃ~」

唯「憂はいつから気がついてたの~?」


唯は気軽にこの質問をした。

憂「えっとね~。15000日くらいまえかな~?」

唯「えっ!?」

472: 2009/07/01(水) 22:19:13.58 ID:+AnGreBGO
おかしい、おかしい。
何かがおかしい。


あれ私がセカイと会話してから、1ヶ月くらいしかたってないはず。あれ?

憂は続けて話した。

憂「でもね」

憂「でもね。お姉ちゃん」
憂「明日でこの毎日もおわるよ」

憂「いや、今度こそ終わらせる」

憂「お姉ちゃん、今日はありがとう」

憂「楽しかったよ…」

476: 2009/07/01(水) 22:25:46.75 ID:+AnGreBGO
唯は直感的に悟った。

これじゃくりかえされる。
この世界のおわりが。

憂が氏ぬことで…



唯「まって憂!」

唯「私から離れないで!」
唯「私の話を聞いて!」

唯「あなたセカイを知ってるの?」


478: 2009/07/01(水) 22:38:04.41 ID:+AnGreBGO
憂「!?」

憂「お姉ちゃん、なんでそれを…」

唯「なんで、なんで記憶があるの?」

憂「え?何いってるの、お姉ちゃん」

憂「この世界は繰り返されたままじゃない」

憂「とても前から」



唯はセカイの言っていたことを思い出した。

セカイ「平沢憂を『生き返らせる』ことはできる。」

481: 2009/07/01(水) 22:52:21.95 ID:+AnGreBGO
そうか、憂は生き返ったんだ。
氏んだ記憶は残したまま。
くりかえされる世界の中で。



唯「憂、氏んでこの世界を終わらせるつもりだね」

静寂がはしった。

憂「お姉ちゃん、なんでそれを…」

憂「お姉ちゃんこそなんで記憶があるの?」

憂「私が氏んだ」

唯「それはね…」

唯は世界が終わったこと、セカイにあったこと、憂を生き返らせたこと、これまでのことを話した。

しばらくして

憂は突然泣き出した。

そして私(唯)に言った。

お姉ちゃん、余計なことしないでよ。

494: 2009/07/02(木) 00:09:44.09 ID:VEdLVyKbO
そういいはなって憂は風呂をあとにした。

唯も憂をひとりにさせてはいけないと思い、あとを追うように風呂をあとにした。

部屋にこもってしまった憂。


唯は憂の部屋の前で語りかけた。

唯「憂、聞いてね」

唯「私ね、考えて、考えて憂を生き返らせてもらったんだ」

唯「くりかえされる世界でもいい」

唯「未来がない世界でもいい」

唯「憂と一緒なら…」といおうとした直後、

憂「お姉ちゃんは未来に居きるべきなのっ!」

憂が珍しくどなった。

未来という言葉に反応したようだった。

495: 2009/07/02(木) 00:15:17.59 ID:VEdLVyKbO
唯は続けた。

唯「それに、この世界を変える方法だって二人なら見つかるかもしれないよ」

憂「お姉ちゃん」

憂「この世界を変える方法はね私が氏ぬか…」

憂「私が氏ぬしかないの」
言葉を言い含んだあとに言い直したようだった。


498: 2009/07/02(木) 00:21:51.79 ID:VEdLVyKbO
唯「(憂さっきから様子がおかしいな…)」

唯「(どうしたんだろう?)」

唯「それにね、憂が氏ぬなんて、わたし悲しいよ」

憂はさっきより激しい声でこういった。

「悲しいのはこっちだよ!」

その声はふるえていた。
泣いているようだった。

501: 2009/07/02(木) 00:34:16.49 ID:VEdLVyKbO
うっ…ううっ

憂の嗚咽が聞こえる。

やだよお姉ちゃん、お姉ちゃん

そう何度も繰り返していた。

唯「………」

唯「憂、わたしを部屋のなかに入れて」

唯「ほら、憂、泣いてるでしょ…」

唯「ちいさいとき、どっちかが泣いてたらギュってしたよね…」


しばらくたった。

ガチヤ…

502: 2009/07/02(木) 00:36:51.23 ID:VEdLVyKbO
憂の部屋のドアが開いた。


憂「お姉ちゃん、入っていいよ。」

憂「全部話してあげる」

憂「この世界について」

憂「ただし約束して」

憂「お姉ちゃんが私の前からいなくならないことを…」

どういう意味だろう…。

507: 2009/07/02(木) 00:47:35.10 ID:VEdLVyKbO
憂「この世界はね…この世界は」

憂「私が作ったの」

憂「というより作ってもらったの、今日が繰り返されるようにって」

そんなはずはない、と唯は思ったが…

唯「私に消えないでって言ったよね」

唯「あれってどういう意味?」

憂「………」

憂はしばらく涙ぐんで黙っていたが、

憂「お姉ちゃんはね、今日本当は氏んでいるのよ。」


514: 2009/07/02(木) 01:10:20.91 ID:VEdLVyKbO
唯は耳を疑ったが、こんなときに憂が冗談を言うはずもなかった。


唯「もっと詳しく教えて」
憂「わかった、今から話すのは本当の9月18日…



あの日、わたしは元気にお姉ちゃんを送りだした


お姉ちゃんは初ライブでたのしそうで、家を出る前の笑顔をわたしもみてるだけで幸せになった。

わたしもうかれてて天気予報を見逃してた。

でも、それがわたしが見たお姉ちゃんの最後の笑顔だった。

お姉ちゃん家に帰る途中、車にひかれて氏んじゃったの。

6時ごろかな…、急な雨でね、人のあまりとおらない道だから、車の速度もはやくて、発見も遅くて、雨だったから視界も悪くて…


ううっ…雨だとしってたらあんな道とおらないように言っておいたのに

今日がもう一度くればいいって思った。

そんなときにね、あの声が聞こえたの…。

517: 2009/07/02(木) 01:25:05.12 ID:VEdLVyKbO
セカイの声が…

そうして世界は繰り返された。

ただね、繰り返された毎日はとてもつらかった、みんな人形みたいで…。

そんな毎日の繰り返しのなか、お姉ちゃんが「一緒に寝ようって…。」繰り返された世界に気づいたみたいだった。

でもね、お姉ちゃんは次の日「毎日がくりかえされるなんていや」といったの。
未来を望んだの

私は気付いた。

この世界は作るべきではなかった。

だからね私はお姉ちゃんのかわりにはねられてみた

世界が終わることを信じて…。

お姉ちゃんに未来をあげたくて…

520: 2009/07/02(木) 01:34:15.10 ID:VEdLVyKbO
でもね、世界は繰り返された。

そしてお姉ちゃんは記憶を失っていたの。
私はこの世界を望んでしまった、そして自らの手で壊そうとした罰を受けたんだと思った。


そうしていまこのときに至った。

憂は長いはなしをおえた。
やっとの想いで、泣きながらはなしていた。

唯「そうか、憂が氏んだけど世界が繰り返されたのは私が望んだからで」

唯「私が記憶を失ってたのは、毎日世界が繰り返されていることを憂に気づかせないようにしてたからか…」

525: 2009/07/02(木) 01:39:41.29 ID:VEdLVyKbO
唯「ねぇ、憂」

唯「今日は一緒に寝ようか」

憂「うん」

憂は泣きつかれたのか、すぐ眠りについた。

唯は考えていた。

憂に、軽音部のみんなに、何をしてあげられるのかを…。



533: 2009/07/02(木) 01:53:33.02 ID:VEdLVyKbO
翌朝

唯「う…朝か」

唯「憂、間違っても氏ぬなんて考えないでね」

憂「わかってる…」

いつもの憂からは想像できないだだっ子のような返答だった。

唯「今日は学校に行こうと思うんだ」

唯「それでね…憂も学校終わったら、うちの学校の体育館にきてくれないかな」
憂「わかった、すぐ行くね」


憂と唯はそれぞれ学校へ向かった。

534: 2009/07/02(木) 02:03:27.13 ID:VEdLVyKbO
クラスについた唯は、文化祭の準備をしながら、係の仕事をしながら、ぞんぶんに話をした。
友達と普段あまり話さないような子とも。


そのうち和がやってきた。
和「唯、文化祭の準備そのへんでいいわよ~」

唯「わかった、軽音部のほう行ってくるね」

唯「それと文化祭終わったら体育館きてくれないかな?」

和「まぁ、なんだか知らないけど、生徒会の仕事終わったら行くね」

唯「うん、わかった」

539: 2009/07/02(木) 02:24:39.96 ID:VEdLVyKbO
音楽室

機材を運んだあと、ループする世界のなかで、何度食べたかわからない紬が持ってきたお菓子を唯はしっかりとあじわった。

唯「みんなライブ頑張ろうね」

律「お!やる気だなぁ!」
澪「そうだな、頑張ろう、アハハ…」

唯「澪ちゃん自分に自信をもって、緊張しないで、上手いんだから」

紬「唯ちゃんが澪ちゃんをなだめるなんてね~w」

一同「あはは…」

こんな他愛もない会話、唯はしっかり心に刻んだ。


体育館、舞台袖


『続いては軽音部のみなさんの演奏です。』

540: 2009/07/02(木) 02:26:22.52 ID:VEdLVyKbO
ジャーン!!


こえはだめだったけど、ライブは無事に終わった(澪はころんだ)。


唯「ねぇ、みんな」

律紬澪「ん?」

唯「放課後6時頃にここで演奏もう一度付き合ってくれない?」

唯「どうしても演奏を聞かせたい人がいるの」



543: 2009/07/02(木) 02:32:29.05 ID:VEdLVyKbO
憂「あれ?ここでいいのかな?」

和「あ、憂ちゃん」

憂「和さんもよばれてたんですね」

和「そうそう唯に」

舞台上のカーテンが幕を開けた

軽音部のメンバーがたっていた

そして演奏が始まった



547: 2009/07/02(木) 02:43:47.06 ID:VEdLVyKbO
唯「今日はお越しいただいてありがとうございます!!」

唯「今日はわたしめがお世話になった方々への感謝ライブです。」

憂「(お姉ちゃん、何する気なんだろう?)」


いきまーす!ふわふわタイム!


演奏が始まると、澪が律が紬が演奏している感覚を失うような錯覚におちいっていた。

頭の中に声が直接流れ込んでくる…。

551: 2009/07/02(木) 03:04:28.16 ID:VEdLVyKbO
唯『みんなごめんね。』

澪律紬「(この声は唯?)」
唯『わけあって、わたしはこれが最後のライブです』
唯『りっちゃん、わたしに真っ先にはなしかけてくれたよね。わたしの馬鹿な遊びにも付き合ってくれて本当に楽しかった。ありがとう』

唯『澪ちゃん。私にギターを詳しく教えてくれたよね。勉強も。わたしがわかるまで優しく教えてくれて。本当にありがとう。もっと自分に自信をもってね。』
唯『ムギちゃん、いつもお菓子もらっちゃって、ギターも無理して値下げしてもらってなんて感謝していいやら、ムギちゃんにはいつも癒されました』

唯『軽音部のみんなのおかげで、わたしのゴロゴロばっかりで、中身のない人生に音楽という華をそえることができました』

555: 2009/07/02(木) 03:20:33.32 ID:VEdLVyKbO
唯『和ちゃん。和ちゃんには本当に幼稚園のときから、お母さんのように、お姉ちゃんのように色々教えてくれて、いまでも一番の親友だよ。ありがとう。』


和、律、紬、澪は唯がいなくなることをこころで感じた。涙は溢れてくるけど、顔は不思議と笑顔になった。



唯『憂…ごめんね』

憂「やだぁ、やだお姉ちゃん消えちゃやだよう」

和「憂ちゃん。えんそうはっ…えんそうは黙って聴くものよ…」

唯『憂…ういには一番お世話になったね。』

憂「ぅぅ…」

唯『姉らしいことはひとつもしてやれなかったかな…』

唯『憂…わたしはもういなくなるの』

唯『私はね、憂をうらんでなんて全然ないよ…』

唯『ただね、昔から憂は気負いすぎるところがあって心配なんだ』

唯『たまにはわたしみたいにゴロゴロすることもわすれないでね。』

唯『さて姉として最後にしてやれることなんだけど、それは憂の未来を守ることなんだ』

562: 2009/07/02(木) 03:29:12.21 ID:VEdLVyKbO
唯『だから憂もいきれなかった私の分まで人生楽しんでよ!』

憂「わかったよお姉ちゃん、わ゛だしっ強くいきる」
憂「でも辛くなったら…」
唯『大丈夫私は憂の心の中にいるよ。』

憂「ありがとうお姉ちゃん。そしてバイバイ」

唯『よかったそのことばが聞きたかった』



『私は短い人生でもみんなといれて幸せだったよ…』


演奏が終わった。

時計のはりは18時

唯の姿はきえていた。

565: 2009/07/02(木) 03:39:46.11 ID:VEdLVyKbO
チュン、チュン

憂「あれここは」

平沢母「よかった憂まで氏なれたらわたしっ」

(そうか、お姉ちゃんはいないんだ)

憂「お姉ちゃん交通事故だよね」

平沢母「えぇ」

憂「あのね…長い長い夢を見ていたんだ…」

憂「お姉ちゃんがね…」

私はさっきあったことを長い長い時間をかけて話した。
話すとこころが洗われていくようだった…。

澪さんも律さんも紬さんも和さんも同じ夢を見たらしい


そしてそれぞれポケットのなかにはあのときのライブの写真が入っていた。

そこには唯の姿もあった。


577: 2009/07/02(木) 04:02:46.27 ID:VEdLVyKbO
憂「あの世界はお姉ちゃんからの最後のプレゼント」

憂「私が生きるために必要な自分自身が生まれ変わる時間だったんだ」

憂「だから私にはあんなにたくさんの時間が必要だった」

憂「だから、わたしいろいろ始めてみるよ」

憂「一歩でも明日にすすみたいから」



おわり









580: 2009/07/02(木) 04:05:04.51 ID:VEdLVyKbO
ここまで付き合ってくれてありがとうございます。
最後のほうぐたぐたになってしまいました。
すいません。



ちなみに唯は自分の氏を受け入れるために必要な時間です。


613: 2009/07/02(木) 10:08:47.82 ID:VEdLVyKbO
唯にとってのセカイは、妹と生に執着する自分自身


憂にとってのセカイは姉の氏を受け入れない自分自身

執着という負の心がうんだ世界だったので、憂と唯が話す時間は与えられましたが、幸せとよべる世界ではなかった。



ということで勘弁してください。

引用元: 唯「永遠にループする~」