1: 2013/12/24(火) 20:14:03.85 ID:OnyQMSZ4o
―――事務所


しん  しん

  しん  しん……


李衣菜「…………」

P「…………」


李衣菜「プロデューサー」

P「なんだ、李衣菜」


しん  しん

  しん  しん……


李衣菜「雪、止みませんね」

P「あぁ、止まないなぁ」


2: 2013/12/24(火) 20:16:30.45 ID:OnyQMSZ4o
李衣菜「…………はぁ」

P「どした」

李衣菜「ため息出るくらい、外真っ白だなって」

P「ああ……うん、分かるよ」



李衣菜「…………」

P「…………」



李衣菜「今外に出たら、足あと一番乗りですかね」

P「だと思う。けど、凍えたいなら俺は止めないからな」

李衣菜「ごめんなさい」

3: 2013/12/24(火) 20:20:36.77 ID:OnyQMSZ4o
しん  しん

  しん  しん……


P「ごめんな」

李衣菜「え?」

P「仕事、遅くまで。こんなに降るとは思わなかったよ」

李衣菜「ああ、いえ……気にしないでください」

P「こうなると分かってたら、時間ギリギリまで予定組まなかったんだけどな……」

李衣菜「でも、楽しかったですよ。クリスマスイベント」

P「そうか? ……それなら、よかった」

李衣菜「はい」

4: 2013/12/24(火) 20:22:57.72 ID:OnyQMSZ4o
P「…………」

李衣菜「…………」



李衣菜「……電車、とうとう動きませんでしたね」

P「だな……数年に一度、あるかないかの大雪だそうだ」

李衣菜「でしょうね……止むどころか、ますます勢い強くなりそう」

P「寒くないか?」

李衣菜「はい。…………えへへ」


ぎゅっ


5: 2013/12/24(火) 20:24:05.23 ID:OnyQMSZ4o
P「あったかいな、李衣菜の手」

李衣菜「プロデューサーのは冷たいから……あっためてあげますね」

P「ん、頼んだ」

李衣菜「ふふ、頼まれました」


しん  しん

  しん  しん……

6: 2013/12/24(火) 20:26:14.02 ID:OnyQMSZ4o
P「……そういや」

李衣菜「はい?」

P「親御さんには連絡したか? 事務所に泊まるって」

李衣菜「ええ、大丈夫ですよ」

李衣菜「プロデューサーも一緒だって言ったら、それなら安心、って」

P「……俺って信用されてる?」

李衣菜「されてますね。……私も信頼してますよ?」


P「……さんきゅ」

李衣菜「ふふ」

8: 2013/12/24(火) 20:28:47.74 ID:OnyQMSZ4o
しん  しん

  しん  しん……


李衣菜「…………」

P「…………」


きゅぅ……くるるるる……


李衣菜「…………」

P「…………」






P「……なんか買いに行くか?」

李衣菜「あうぅ……!」

9: 2013/12/24(火) 20:30:39.34 ID:OnyQMSZ4o
P「ま、夜ふかしすると腹減るもんな」

李衣菜「ちょ、ちょっと油断しただけです……平気ですっ」

P「ホントか?」

李衣菜「は、はい。とっくにてっぺん過ぎてますし、せっかくあったまったのに……」

P「それもそうか。……手、あったかくなってきたぞ」

李衣菜「ん、よかったです……へへ」

10: 2013/12/24(火) 20:32:45.41 ID:OnyQMSZ4o
しん  しん

  しん  しん……


李衣菜「…………」

P「…………」


李衣菜「……プロデューサー」

P「ん?」

李衣菜「成り行きでこうして……ふたりきりのクリスマスですけど」

P「うん」



李衣菜「……私と一緒で、よかったですか?」



11: 2013/12/24(火) 20:35:09.60 ID:OnyQMSZ4o
P「…………」

李衣菜「…………」


P「俺は」

李衣菜「……はい」



P「李衣菜と一緒で嬉しいよ」

李衣菜「……!」

12: 2013/12/24(火) 20:37:22.75 ID:OnyQMSZ4o
P「李衣菜は……こんな男と一緒で嬉しいか?」


李衣菜「…………」


P「……李衣菜?」



李衣菜「――へへ。最高ですっ」



13: 2013/12/24(火) 20:39:03.19 ID:OnyQMSZ4o
しん  しん

  しん  しん……


李衣菜「……っくしゅ!」


P「! 寒いか?」

李衣菜「い、いえ……」

P「暖房、温度上げるか? あ、毛布もっと持ってくるか――」


李衣菜「あ、あの!」

P「っと、なんだ?」

李衣菜「えと……その」


李衣菜「……そっち、行っても……いいですか?」

14: 2013/12/24(火) 20:41:11.73 ID:OnyQMSZ4o
P「…………」

李衣菜「…………」

P「……こっち?」

李衣菜「はい」

P「……俺?」

李衣菜「……そうです」

P「…………」

李衣菜「…………」

P「…………」

李衣菜「…………」






P「…………ほら、入れ」

李衣菜「……♪」

15: 2013/12/24(火) 20:44:01.91 ID:OnyQMSZ4o
しん  しん

  しん  しん……


李衣菜「……あったかいですね」

P「ん」

李衣菜「えへへ、ちょっとドキドキしますけど」

P「……ん」

李衣菜「プロデューサーも、ドキドキしてます?」



P「……してるよ」

李衣菜「……えへ♪」

16: 2013/12/24(火) 20:46:11.49 ID:OnyQMSZ4o
P「…………」

李衣菜「…………」

P「…………」


なで


李衣菜「ん。へへへ……」

P「…………ふふ」


なでなで……


17: 2013/12/24(火) 20:47:58.11 ID:OnyQMSZ4o
しん  しん

  しん  しん……


李衣菜「なんだかんだ、もう朝近いですね」

P「だな。眠気は?」

李衣菜「全然です」

P「困ったな。昼間絶対眠くなるぞ」

李衣菜「お昼寝しましょう。なりふり構わず惰眠を貪るんです」

P「お、それがいい」

李衣菜「ロックですね」

P「うん、ロックだ」

18: 2013/12/24(火) 20:50:09.69 ID:OnyQMSZ4o
しん  しん

  しん  しん……


李衣菜「綺麗ですね、雪」

P「ああ」

李衣菜「外、明るくなってきましたね」

P「キラキラ、雪が光ってるな」


李衣菜「…………」

P「…………」

19: 2013/12/24(火) 20:52:16.47 ID:OnyQMSZ4o
しん  しん

  しん  しん……


P「…………」

李衣菜「…………」


もぞもぞ


李衣菜「…………ん」

P「もっとくっつくか?」

李衣菜「……えへへ」

20: 2013/12/24(火) 20:55:19.65 ID:OnyQMSZ4o
もぞもぞ

もぞもぞ


ぎゅ


P「よしよし」


なでなで


李衣菜「……ふふ♪」


ぎゅう……


21: 2013/12/24(火) 20:57:18.37 ID:OnyQMSZ4o
しん  しん

  しん  しん……


P「…………」

李衣菜「…………」



李衣菜「……プロデューサー」

P「どした、李衣菜」



22: 2013/12/24(火) 21:00:12.59 ID:OnyQMSZ4o





李衣菜「――すき」





23: 2013/12/24(火) 21:02:18.04 ID:OnyQMSZ4o
P「…………」


李衣菜「大好き、です」

P「…………」


ぎゅぅ……


李衣菜「……ぁぅ……」


しん  しん

  しん  しん

しん  しん

  しん  しん……


―――

――




24: 2013/12/24(火) 21:04:10.71 ID:OnyQMSZ4o
―――


李衣菜「朝ですね!」

P「朝だな」

李衣菜「お腹空きました!」

P「俺も空いたなぁ」

李衣菜「ファミレス行きましょう、ファミレス!」

P「俺カルボナーラな」

李衣菜「重っ!?」

25: 2013/12/24(火) 21:06:39.08 ID:OnyQMSZ4o
P「なぁに、いけるいける」

李衣菜「私知りませんよ、想像しただけでもう……」

P「ロックだろ?」

李衣菜「!!」

P「嘘だ、絶対真似するなよ」

李衣菜「し、しし、しししましませんよ!!?」

P「動揺し過ぎだ……」

26: 2013/12/24(火) 21:08:51.97 ID:OnyQMSZ4o
しん  しん

  しん  しん……


さく  さく


李衣菜「うわわ、足が埋まっちゃう……」


ざく  ざく


P「…………」


李衣菜「プロデューサー、気をつけましょうね――うわったったった!」

李衣菜「っと、せーっふ!」

P「…………」

27: 2013/12/24(火) 21:11:52.86 ID:OnyQMSZ4o
李衣菜「……? どうしたんですか、事務所出てからずっとだんまりですけど」


P「――李衣菜」


李衣菜「あ、はいはい。なんですか?」

P「危ないぞ、ちゃんと前見て」

李衣菜「わ、分かってますって……」


P「……そのまま、歩きながら聞いてくれ」

李衣菜「へっ? は、はい」

28: 2013/12/24(火) 21:14:43.97 ID:OnyQMSZ4o
さく  さく


李衣菜「…………」


ざく  ざく


P「…………李衣菜」



P「俺は、李衣菜を必ず……頂点まで連れて行くから」

李衣菜「!」

29: 2013/12/24(火) 21:17:13.77 ID:OnyQMSZ4o
しん  しん


P「今は、ダメだ」

李衣菜「はい。……分かってます」


ざく  ざく


P「絶対、連れて行くから」

李衣菜「はい」


さく  さく


P「今度は……俺から言わせてくれ」

李衣菜「…………」

30: 2013/12/24(火) 21:19:24.31 ID:OnyQMSZ4o
P「だから、李衣菜――」

李衣菜「任せてください」

P「え?」

李衣菜「プロデューサー。私……どんなに険しくても、どんなに苦しくても――」


さくっ


李衣菜「全速力で、駆け上がってみせますよっ!」



おわり

31: 2013/12/24(火) 21:20:34.90 ID:OnyQMSZ4o
というお話だったのさ
もうだりーながいればそれでいいや

32: 2013/12/24(火) 21:34:11.14 ID:E3SGwTZWo
だりーな!だりーなきた!(代理遅刻)

引用元: モバP「雪と聖夜とロックな少女」