1: 2016/06/14(火) 00:49:39.64 ID:dIRaRJCxo
皐月「生命繊維から解き放たれた今、流子もまた旅立ちの時」

皐月「この鬼龍院皐月。悲しくなど無い」ウルッ

蟇郡「おのれ纏……」ギリッ

蟇郡「皐月様を泣かせるなど言語道断!姉妹の風上にも置けぬ愚行ぅぅ!!」

皐月「泣いてなどいない」ウルッ

蟇郡「泣かせていないなど言語道断!姉妹たるもの感動を共有して然るべきぃぃ!!」

犬牟田「どっちなんだよ」

蟇郡「おのれ纒ぃ……」ギリッ



2: 2016/06/14(火) 00:50:46.71 ID:dIRaRJCxo
皐月「悪いのは姉妹離れできぬこの私だ。寂しくなど無い」ウルッ

蟇郡「いいえ皐月様!姉妹とは即ち家族であると言うことに他なりませぬ!」

蟇郡「離れる必要など無いのです!この蟇郡苛!全ては皐月様の幸せのために!」

蟇郡「いざぁぁぁ纏ぃぃぃ!!!皐月様の御膳へ引きずってでもぉぉ!!!」ドスンドスン

犬牟田「……良いのか猿投山?蛇崩?手柄を独り占めさせちゃって」

猿投山「ああ……なんか今、光になれそうな気が……」

乃音「まぁ~寂しくて涙目の皐月ちゃん可愛い~」ボタボタ

皐月「寂しくなどない」ウルッ

乃音「あ゛ぁ~~きゃ~わ~い~いぃ~~。犬君も撮影しなさ゛い゛!!!」ハァハァ

犬牟田「……平和ボケだぁね」●REC

3: 2016/06/14(火) 00:51:28.19 ID:dIRaRJCxo

――
―――

流子「マコー? どこだマコー?」

マコ「ここだよーりゅーこちゃーん!ここにいるよー!」

流子「あ?」クルッ

蟇郡「久しぶりだな纒流子」

マコ「人質だよー!マコ、久々の仕事が人質だよー!助けてー」

流子「あっ、てめっ!皐月の手下のゴリラ!」

蟇郡「ゴリラではない。蟇郡苛だ」

流子「似たよーなもんだろ」

マコ「ゴリゴーリゴリ?」

蟇郡「蟇郡苛だ。人質らしく大人しくしていろ満艦飾」

マコ「はーい!なんだかよくわからないけど人質はまかせてよー!」

4: 2016/06/14(火) 00:52:21.04 ID:dIRaRJCxo
流子「いいからマコを離せ。争う気はねぇがそっちがその気なら容赦しねぇからな」

蟇郡「無論、俺とて争うつもりはない」

流子「じゃあなんで……」ギリッ

蟇郡「時に纏、貴様は皐月様と最近どうなんだ?」

流子「はぁ? 皐月は関係ねぇだろ?」

マコ「あ!流子ちゃん!また皐月様のこと呼び捨てにしてるー!」

マコ「ダメだよ流子ちゃん! ちゃんとお姉ちゃんはお姉ちゃんって呼ばなきゃダメ!」

5: 2016/06/14(火) 00:54:07.02 ID:dIRaRJCxo
流子「な、なんでだよ。呼び捨てで呼ぶ家だってあるだろ!」

マコ「駄目だよ流子ちゃん!流子ちゃんがちゃんとお姉ちゃんって言う妹になるまで私、人質やめないから!」

流子「はぁ!?」

蟇郡「流石は満艦飾だ。何も話さずともこちらの意図を汲み、話を急速に進展させるとは……」

マコ「え?」

蟇郡「お、おう……」

流子「マコが何か考えてるわけ無いだろ」

蟇郡「す、すまん……」

6: 2016/06/14(火) 00:55:28.17 ID:dIRaRJCxo
マコ「あ、そうだ先輩先輩。そもそも何で私は人質に?」ゴニョゴニョ

蟇郡「うむ。訳あって皐月様と纏を会わせたいのだが……」ゴニョゴニョ

マコ「なるほどー。わかりましたー!」ゴニョゴニョ

流子「おい!そこ!いちゃいちゃすんな!」

蟇郡「いちゃいちゃなどしておらん!!」クワッ

流子「あーはいはい。ごちそうさん」

蟇郡「いちゃいちゃなどしておらんからな!!」クワッ

流子「はいはい」

7: 2016/06/14(火) 00:56:38.88 ID:dIRaRJCxo
流子「ったく……」ヤレヤレ

流子「おーいマコ。さっさと人質なんかやめて戻ってこーい」

マコ「あ、りゅーこちゃーん! 私、皐月様のとこに行かなきゃだからりゅーこちゃんも来てねー!」ピュー

蟇郡「んなっ!?」

流子「人質だろ!? 逃げたぞ!? 良いのかそんなんで!?」

蟇郡「……」

蟇郡「う、うむ……まぁ良しとしよう……」

流子「良いのか!?」

8: 2016/06/14(火) 00:57:39.99 ID:dIRaRJCxo
流子「人質って言ったからには何かの取引だと思ったがよ」

流子「……はぁ。なんだかよくわからねぇな」

流子「……とりあえずマコは返して貰うからな!」

蟇郡「う、うむ。 皐月様のところまで案内しよう」

流子「気が利くじゃねぇか。 さっさと案内して貰おうか」キッ

蟇郡(満艦飾のことになると流石にアタリが強いな。いかん気分が高揚してきた)

蟇郡「纏、満艦飾に手荒なことをしてすまなかったな」

流子「……全くだっての!」

蟇郡「ふぅ……こっちだ。ついてこい」

―――
――

9: 2016/06/14(火) 00:59:05.17 ID:dIRaRJCxo
蟇郡「皐月様ぁぁぁぁ!!!纏を連れて参りましたぁぁぁ!!!」

流子「よ、よう」

皐月「流子か……よく来たな」キリッ

流子「お、お前んとこにマコが来てると思うんだが……」

皐月「なに? 満艦飾が?」

流子「え? 来てないのか?」

蟇郡「そういえば……」

蟇郡「皐月様がどこに居られるのか満艦飾は知らぬのでは……?」

流子「はぁ!?」

10: 2016/06/14(火) 00:59:59.59 ID:dIRaRJCxo
蟇郡「この蟇郡苛!!不覚ッッ!!!」

蟇郡「皐月様!!満艦飾の捜索をこの蟇郡めにご命じください!!!」

皐月「……蟇郡。もう好きにして良いのだぞ」

皐月「私に仕える必要も、お前を縛る鎖ももう無いのだ。 私をお前を縛る鎖にしてくれるなよ?」

蟇郡「皐月様ッ……!! この蟇郡苛!己の意思で満艦飾を捜索して参ります!」

皐月「うむ。車には気を付けてな」

蟇郡「ありがたきお言葉ぁぁぁ!!!」ピュー

流子「行っちまった……。 忙しい奴だなな……」

11: 2016/06/14(火) 01:01:02.97 ID:dIRaRJCxo
流子「……」

皐月「……」

流子「……今日は他の奴等はいないんだな」

皐月「先ほどまでいたのだがな。気を利かせて席を外してくれたよ」

流子「へ、へぇ……」

皐月「せっかく来たんだ。茶でも飲んでいくと良い」

流子「き、今日は用事が……」

皐月「そうか……」ウルッ

流子「無かったんだった! お茶が飲みたくて仕方ねぇや!」

皐月「そうか……!」キリッ

皐月「揃! 揃! 紅茶を煎れてくれないか!」

流子(くっそ可愛いんだけど)

13: 2016/06/14(火) 01:02:36.11 ID:dIRaRJCxo
皐月「揃の紅茶は本当に美味しいだろう?」

流子「なんつーか……上品な気がするな?」

皐月「ふふっ。流子はそれで良い」クスッ

流子「あ!馬鹿にしたな! どうせあたしゃー舌の肥えてない娘ですよ!」

皐月「なら肥えてない舌にこれはどうかな?」

流子「なんだこれ? 固い豆腐か?」

皐月「スコーンだ」

流子「へぇ……なんだかよくわからんけど洒落たもん置いてんだな」

皐月「蟇郡が流子を連れてくると言ったんでな」

皐月「私が焼いてみたんだ」

14: 2016/06/14(火) 01:03:40.52 ID:dIRaRJCxo
流子「そりゃすげぇな」

流子「……食べて良いのか?」

皐月「もちろん」

流子「どれどれ……」モグモグ

流子「!」

流子「こりゃうめぇ!」モグモグ

皐月「それは良かった」

流子「これが食えりゃあ舌も肥えるってもんだぜ!」

皐月「ふふっ。それは良かった」

15: 2016/06/14(火) 01:04:21.92 ID:dIRaRJCxo
―――
――


流子「いやー食った食った」

皐月「お粗末様」

流子「……あ! もしかして皐月のぶんも食っちまったか?」

皐月「私のぶんは気にしなくて良いさ」

皐月「可愛い妹に食べて貰いたくて作ったんだ」

皐月「妹のために……」チラッ

流子「ぅ……」

流子「あ、ありがとな。……皐月」

16: 2016/06/14(火) 01:05:07.26 ID:dIRaRJCxo
皐月「……皐月、か」ウルッ

流子「あ! いや、その……なんだ……」

流子「……」

流子「あー! こっぱずかしいからあんまり言いたくないんだけどな!」

皐月「言いたくないのか……」ウルッ

流子「言いたい!凄く言いたいんだけど……恥ずかしいだろ!?」

皐月「私は流子にとって恥ずべき姉であったのか……」ウルッ

流子「ちがう!ちがうって!」

流子「あー……。照れちまうから二人っきりの時しか言わないからな!」

流子「よく聞いておけよ!」

皐月「わかった。……そう言うことならその前に……」

17: 2016/06/14(火) 01:06:09.59 ID:dIRaRJCxo
―――
――


蟇郡「満艦飾ぅぅ!!!!どこだぁぁぁぁ!!!」

マコ「あ!先輩!ここだよー!ここにいるよー!」

蟇郡「む!なんだ皆揃い踏みではないか!」

犬牟田「静かに蟇郡!今、良いところなんだ」

乃音「皐月様がついに……!」ハァハァ

蟇郡「き、貴様等……!隠し撮りとは卑劣な!」

犬牟田「人聞きが悪いなぁ。これは防犯用だよ防犯用。たまたま映っちゃってるだけさ」

乃音「そ゛う゛よ゛!」ハァハァ

18: 2016/06/14(火) 01:06:47.40 ID:dIRaRJCxo
マコ「流子ちゃん言えるかなぁ」ワクワク

蟇郡「満艦飾まで……!」

犬牟田「!」

犬牟田「キター!纏が言うぞ!録画ぁぁぁぁ!!!」カタカタカタカタ

蟇郡「なにぃ!?」

乃音「なんだかんだ見てるじゃないのよ」

マコ「蟇郡先輩も気になってるんだねー」

蟇郡「ぐ、ぐっ……!」

流子『よく聞いておけよ!』

一同「「「「「……!」」」」」ゴクリ

19: 2016/06/14(火) 01:07:49.13 ID:dIRaRJCxo
皐月『わかった。……そう言うことならその前に……』

犬牟田「!?」

犬牟田「ば、馬鹿な!? 皐月様が偽装を施したカメラに向かって来ている!?」

蟇郡「やはり防犯用じゃなかったようだな」

流子『な、なにやってんだよ?』

皐月『いや……気にするな……』プツン

犬牟田「ああああああああ!!!!電源切られたぁぁぁぁぁ!!!!」

乃音「非常電源は!?な゛い゛の゛!?」

犬牟田「無い!!!!」

蟇郡「遠隔操作は無いのか!?」

犬牟田「無い!!!!」

猿投山「俺が光になればいけそうか!?」

犬牟田「いたのか猿投山」

マコ「あー!映像戻りましたよー!」

一同「「「「なにぃ!?」」」」

20: 2016/06/14(火) 01:08:39.80 ID:dIRaRJCxo
流子『はぁ……はぁ……言ってやったぜ……』

皐月『……四天王の皆』

皐月『私のために奔走してくれたこと、感謝する』

皐月『……ありがとう』

流子『な、なにボソボソ言ってんだよ……』

皐月『ふっ……なんでもないさ』

蟇郡「皐月様……!肝心な所は見逃したがそんなことはどうでも良いぃ!!!」

乃音「私たち生徒会四天王は……!」

犬牟田「ずっと皐月様についていきます……!」

猿投山「皐月様を照らし続ける、光になれぇぇぇ!!!!!!!!!」

マコ「良かったね流子ちゃん!」

マコ「肝心な所は見れなかったけど、姉妹なんだから二人っきりの秘密があっても良いよね!」

21: 2016/06/14(火) 01:09:39.71 ID:dIRaRJCxo
―――
――


流子「な、なにやってんだよ?」

皐月「いや……気にするな……」プツン

流子「?」

皐月「もう大丈夫だ」

流子「そ、そうか……その、なんだ……」





流子「スコーン美味かったよ。 ありがと……姉さん」テレテレ

皐月「ふふっ。どう致しまして……流子」


終わり

22: 2016/06/14(火) 01:13:15.67 ID:dIRaRJCxo
なんとなく平和なキルラキルが書きたくなったんです
依頼だしてきます

23: 2016/06/14(火) 01:17:02.17 ID:wcKuYPlFo
懐かしいと思ってしまった

24: 2016/06/14(火) 01:19:19.80 ID:1lY7vNnSO



引用元: 皐月「流子があまり姉さんと言ってくれない」