1: 2022/06/05(日) 21:37:06.89 ID:VO/SF8Vt.net
図書室

果南「そんな事言わないでさぁ、私暇なんだよね」

花丸「マルは暇じゃない」

果南「私は暇なの~ねぇどっか遊び行こーよ~」ツンツン

花丸「やめて、鬱陶しい」

果南「構ってくれるまでやめな~い、マルのほっぺ柔らかいねぇ、うりうり」プニプニ

花丸「……はぁ、好きにすれば?」

花丸「……」ペラ…ペラ…

果南「むむ、意外と手強いねマル」

3: 2022/06/05(日) 21:41:23.27 ID:VO/SF8Vt.net
果南「うふふ~」モゾモゾ…シュル…キュッ

花丸「─何してるの……?」

果南「じゃーん、マルの髪を私とお揃いにしてみたよ。ポニーテール似合ってる~」

花丸「そう、ありがと」ペラ…ペラ…

果南「反応薄いな~せっかくお揃いにしてあげたのに」

果南「ま、いいや。このままにしとくよ」

花丸「はいはい」

果南「こうして見ると姉妹みたいだよねぇ」

花丸「こんな絡んでくるお姉さんはイヤだけどね」

果南「おぉうマルってば辛口~」

4: 2022/06/05(日) 21:46:01.40 ID:VO/SF8Vt.net
果南「こうやって……こうして……出来た」スッスッスッ

果南「ていっ」トンッ パタパタパタン

花丸「……なにやってるの?」

果南「ん?本でドミノ」

花丸「本で遊ばない、本は読む物」

果南「いや~私本を読むと眠くなるんだよね~」

花丸「そりゃいい、早く本を読んで眠れば静かになる」

果南「おいおい、それじゃマルに構ってもらえないでしょ」

花丸「別に、構うつもりもないから」

果南「ダーメ、構ってよぉ~」スリスリ

花丸「しつこい……」ペラ…ペラ…

6: 2022/06/05(日) 21:49:02.11 ID:VO/SF8Vt.net
果南「なんか面白い本ないかなぁ~」

果南「─わぁ、スイーツの本だ」

果南「へぇ~色々なお菓子がある」ペラペラ

果南「ほら見なよマル~このお饅頭おいしそうじゃない?」スッ

花丸「!?─ごくり……そ、そうだね」

果南「なんかお腹空いてきたね~」

花丸「う……」グゥ~

果南「─これから一緒に食べに行っちゃう?」ニヤニヤ

花丸「そうやって食べ物で釣ろうとしても……ダメだもん」

果南「くそ~あとちょっとだったのになぁ」

8: 2022/06/05(日) 21:53:18.88 ID:VO/SF8Vt.net
果南「ところで、さっきからなんの本を読んでるの?」

花丸「果南ちゃんに言ってもわからないよ」ペラ…ペラ…

果南「なに決めつけてんのさ、もしかしたらわかるかもしれないでしょ。言ってみ~ほらほら」

花丸「……森鴎外の舞姫」

果南「もり……おーがい……???誰それ日本の首相?」

花丸「ほらわかってない、言うだけ無駄だよ」

果南「そりゃ知らないんだからわからないのは当たり前じゃん?」

花丸「……はぁ、じゃあ最初から聞かないで」

9: 2022/06/05(日) 21:56:40.15 ID:VO/SF8Vt.net
果南「私もなにか本読んでみようかな~おすすめってある?」

花丸「そこに絵本があるからどうぞ」

果南「絵本って、バカにし過ぎでしょ。私もマルみたいな本を読みたいんだよ」

果南「よーし、これにしよ」スッ

果南「……」ペラ…ペラ…

果南「……ん~?」

果南「ねぇマル、これ外国の本?文字が全然読めないんだけど」

花丸「それ、本が逆さになってるよ」

果南「あ、本当だぁ。どうりで読めない訳だ、あはは」

花丸「……はぁ」

11: 2022/06/05(日) 21:59:14.70 ID:VO/SF8Vt.net
果南「今度はちゃんと読むぞ~」

果南「……」ペラ…ペラ…

果南「…………」ペラ……ペラ……

果南「……………ふぁ~」ペ……ラ……

果南「んん……」クシクシ

果南「……………くかー」コテン

花丸「─やれやれ、やっと静かになった。これで読書に集中出来る」

花丸「……」ペラ…ペラ…

果南「うぇへへ……マルぅ……」

果南「早く遊びに行こ……むにゃむにゃ」

花丸「……もう少し待って」

13: 2022/06/05(日) 22:02:41.30 ID:VO/SF8Vt.net
花丸「─ふぅ……」パタリ

花丸「おまたせ、読み終わったよ」

果南「くかーくかー」

花丸「果南ちゃん、起きて」ユサユサ

果南「すぴーすぴー」

花丸「む……せっかく声をかけてるのに」

花丸「……えい」ツン

果南「ん……ふぁ」

花丸「果南ちゃんのほっぺも、柔らかい」

花丸「ふふふ、さっきのお返し。早く起きて」ムニムニ

花丸「いや、起きなくてもいいかな……ほっぺ触るの気持ちいい」ムニムニ

14: 2022/06/05(日) 22:05:43.19 ID:VO/SF8Vt.net
果南「─んん~」パチッ

花丸「あ……」サッ

果南「あれ……私いつの間にか眠っちゃってたんだ、─ふぁ~」

花丸「やっと起きた、本読み終わったよ」

果南「お、本当?待ちくたびれたよ~」

果南「それじゃ帰ろっか」

花丸「マル、お饅頭食べたい」

花丸「お?マルからおねだりなんてどうしたの?今まで冷たかったのに」

花丸「お腹空いたの、果南ちゃんがスイーツの本なんて見せるから……」

果南「そかそか、わかった。お饅頭買いに行こ」

花丸「……うん♪」

15: 2022/06/05(日) 22:08:50.27 ID:VO/SF8Vt.net
帰り道

果南「そう言えばなーんかほっぺに違和感あるんだけど」サスサス

果南「私が寝てる間ほっぺ触ったりしなかった?」

花丸「……さぁ?マルは触ってないよ」

果南「ふーん、触り心地はどうだった?」

花丸「もちもちして気持ちよかった」

花丸「─あ////」

果南「やっぱり触ってたんじゃないかぁ~」ニヤニヤ

花丸「うぅっ……うるさい////」ビニョーン

果南「ひょっほ……マル、やめれ……」

花丸「ふふん、これでおあいこだもんね」

17: 2022/06/05(日) 22:11:16.61 ID:VO/SF8Vt.net
和菓子屋

果南「あ、これあの本に載ってたお饅頭じゃない?」

花丸「本当だ、間違いないよ」

果南「よし、これ買おう。すいませーん」

果南「このお饅頭ふたつ─」

花丸「5つください」

果南「おいおい、そんなに私食べられないよ」

花丸「マルが食べるからいいの」

果南「はは、そういう事か。ちゃっかりしてるよもう」

花丸「果南ちゃんから誘ったんだからこのくらい当然だよね?」

果南「わかったわかった、マルには敵わないなぁ」

18: 2022/06/05(日) 22:14:47.23 ID:VO/SF8Vt.net
おばさん「はいどうぞ、お嬢ちゃんお姉ちゃんとお揃いの髪型で可愛いわねぇ。よく似合ってるわよ」

花丸「え?─あ……そう言えばポニーテールのままだった」

果南「でしょ~仲良しだもんね?」パチッ

花丸「……お饅頭買ってもらうし、そういう事にしといてあげる」

果南「この通りちょっと生意気なのが玉に瑕でして~」

花丸「余計な事言わないで、先に帰っちゃうよ」スタスタ

果南「ああん、待ってよマル~」

おばさん「うふふっ、また来てね~」

19: 2022/06/05(日) 22:18:17.87 ID:VO/SF8Vt.net
果南「置いてかないでよ~」

花丸「置いてく訳ないじゃん、お饅頭持ってるの果南ちゃんだし」

果南「そうだぞ~お饅頭は私が握ってるのだ」

花丸「早くちょうだい」

果南「まぁまぁ。歩きながら食べるのもあれだし、海岸に行こーよ」

花丸「えぇ……?なんでわざわざそんな所まで」

果南「私が行きたいから、マルの行きたい所に行ったんだから今度は私の番だよ」

花丸「む……わかった」

花丸「そもそもマルの読書が終わるまで待っててくれたしね、付き合うよ」

果南「お?ちょっとデレた?」

花丸「勘違いしないで、果南ちゃんの為じゃない。お饅頭を食べる為だよ」

果南「うふふ、それでもいいよ。嬉しい」ニコッ

20: 2022/06/05(日) 22:22:20.44 ID:VO/SF8Vt.net
海岸

果南「あぁ~波の音が癒やされる~」

花丸「果南ちゃんは本当に海が好きだね」

果南「うん、1日1回は海に来ないとね~」

花丸「うぅっ……でも夕方だからちょっと寒い」ブルッ

果南「おっと、体を冷やしちゃいけないね。ほらおいで、一緒にハグしよ♡」グイッ

花丸「ひゃあっ!?」

花丸「な、なにするのさ……////」

果南「こうしてくっつけば暖かいでしょ?」ムギュ~

花丸「……まぁ、ね////でも苦しい……」

22: 2022/06/05(日) 22:25:50.93 ID:VO/SF8Vt.net
花丸「ねぇ、早くお饅頭食べたい」

果南「はいはい、今出すよ」ガサッ

花丸「えへへ、お饅頭……♪」

果南「ほい、あーん」スッ

花丸「……なに?ひとりで食べられるけど」

果南「せっかくだから食べさせてあげる」

花丸「いいよ、子供じゃないんだから」

果南「私から見たら年下の後輩だよ、ほら」ズボッ

花丸「んむっ……!?むぐむぐ……」

果南「どぉ?おいしい?」

花丸「あむあむ……いきなり口に突っ込む?信じられないよ」

花丸「─でも……お饅頭はおいしいな♪」

23: 2022/06/05(日) 22:28:47.75 ID:VO/SF8Vt.net
果南「私も食べ~よ、あーん」

花丸「待って」ヒョイッ

果南「あ、こら。なにするの」

花丸「マルだけやられてばかりは癪だから」

果南「へぇ、マルが食べさせてくれるの?それじゃ改めて……あーん」

花丸「はい、マルの手まで食べないでね」スッ

果南「─あむあむ……う~ん、意外とさっぱりした甘さだねぇ、おいしい」

果南「マルに食べさせてもらったからまた格別だな」

花丸「お饅頭がおいしいだけでしょ?マルは関係ないよ……////」

果南「そんな事ない、マルと2人で食べるからおいしいんだよ」ニコッ

花丸「2人で……」

花丸「……もう1つ、食べる?」

果南「およ?あとはマルの分じゃないの?」

花丸「果南ちゃんにもあげる、独り占めするのも悪いし」

果南「そっか、じゃあ半分こしよ♪」

24: 2022/06/05(日) 22:31:55.48 ID:VO/SF8Vt.net
果南「あ~お饅頭おいしかったね」

花丸「うん、おいしかったね」

花丸「─くちゅん!!うぅ……」

果南「大丈夫?風邪を引くと大変だ、そろそろ帰ろっか。送ってくよ」

花丸「いいよ、果南ちゃん帰り遅くなっちゃう」

果南「そんなの気にしなくていいって、誘った以上帰りも最後まで責任を持って送って行かないと」

花丸「……わかった」

果南「今日はありがとね、マルと一緒に過ごせて楽しかったよ」

花丸「そう……よかったね」

花丸「……」

25: 2022/06/05(日) 22:34:51.84 ID:VO/SF8Vt.net
花丸「─ねぇ、果南ちゃん」

果南「ん?なぁに?」

花丸「マルが本を読んでる間果南ちゃんの事全然構わなかったけど……」

花丸「それでも……本当に楽しかった?」

果南「そう?なんだかんだ反応してくれたから嬉しかったけど」

花丸「悪気はないの、冷たくしてるつもりもないんだけど」

花丸「……マル、本を読んでる間は集中したいから」

花丸「だから、構って欲しい時は本を読んでない時にして……欲しいな」

果南「マル……」

果南「─うん、わかった。マルが読書してる時は邪魔しないね」

花丸「ん……よろしく」

26: 2022/06/05(日) 22:38:31.64 ID:VO/SF8Vt.net
その後

花丸「……」ペラ…ペラ…

果南「うふふ~♪」ニコニコ

花丸「……はぁ」パタリ

果南「お?読書終わった?」

花丸「確かに絡んだりはしてないけど……そうやってじーっと見つめられると気が散る」

果南「そう?あははごめんねぇ」

花丸「まったく……」

花丸「─今日はもう本を読む気分じゃなくなった、構ってあげるからどうぞ」

果南「よーし、それじゃ今日は一緒に天体観測に行こ。今夜は星がキレイに見えるぞ~」

花丸「天体観測、か……いいよ、付き合ってあげる」

果南「そーこなくちゃ!!イェーイ♪」ハグゥ

花丸「苦しいってば……もう」

花丸「─えへへ////」

27: 2022/06/05(日) 22:39:19.19 ID:VO/SF8Vt.net
終わりです、最後まで読んでいただきありがとうございました

29: 2022/06/05(日) 22:43:40.52 ID:U9Akc5gI.net
これが…光のかなまる…!

31: 2022/06/05(日) 23:14:53.15 ID:hxNnc4p8.net
||*´︶ `*||ɔ)ʅʅ

32: 2022/06/06(月) 00:16:12 ID:OVPk7S8p.net
おつ!闇のかなまるはまかせんしゃい

35: 2022/06/06(月) 02:07:21.51 ID:paoqxR55.net
この空気感好き。

引用元: 果南「ねぇねぇマル構ってよぉ~」花丸「今読書中」