1: 2016/12/17(土) 15:12:10.28 ID:yFtP4m26.net
海未「みんなのハート撃ち抜くぞ♡」

海未「ラブアロー…」

海未ママ「海未さん、あなた宛にお手紙が届きましたよ」ガラッ

海未ママ「…何してるんですか?」

海未「お母様?!部屋へ入る時はノックをしてからといつもあれほど…!」アセアセ

3: 2016/12/17(土) 15:15:25.35 ID:yFtP4m26.net
海未ママ「しましたよ何度も…あなたが気付かないので」

海未「と、ところで!手紙とは…?」

海未ママ「白い封筒に『海未へ』とだけ書いてあったんです。届け元も書いていないのですが」

海未「ありがとうございます。拝見しますので、お渡しください」

海未ママ(海未さんも恋文を受け取る年頃になったのね)シミジミ

5: 2016/12/17(土) 15:19:25.15 ID:yFtP4m26.net
海未「どなたでしょうか…知り合いならメールを送れば済む話なのに」ビリッ

園田 海未 様

明日、にこ ちゃんが しにます


海未「?!」

海未「なんですかこれは!にこが氏ぬなんて失礼な…」

海未「しかも書いてあるのはこれだけ…いったい何の意図で…」

海未「許せません!こんなイタズラ!」

6: 2016/12/17(土) 15:23:23.85 ID:yFtP4m26.net
翌日

海未(結局あの手紙が気になってしまって一睡もできませんでした…)

海未(ただのイタズラでしょうが、一応にこを見守っておきましょう)

海未「私はμ'sのメンバーを護る武士です!」ビシッ

海未(おや…にこがどこかへ行くみたいです。待ち合わせでしょうか?)

希(海未ちゃん…コソコソ何してるんやろ)

7: 2016/12/17(土) 15:27:06.36 ID:yFtP4m26.net
にこ「どういうこと?!」

ことり「ごめんなさい…私、にこちゃんと少し距離を置きたいの」

にこ「なんでよ!私はことりが好き、ことりは私を好きだったんじゃないの?!」

ことり「とにかく…ごめん!」バッ

にこ「あっ…」

海未(とんだ修羅場に出くわしてしまったようです)

9: 2016/12/17(土) 15:29:36.53 ID:yFtP4m26.net
にこ「…」

にこ「ことり…」

にこ「ずっと…私のこと好きじゃなくなってたの…?」ポロポロ

海未(どうしましょう…色恋沙汰、しかも両方知り合いだとは…)

海未「…」

海未(ええい!女は度胸です!)

海未「にこ」

にこ「?!海未!いつから…」

海未「すみません…全部聞いてしまいました」

10: 2016/12/17(土) 15:34:02.15 ID:yFtP4m26.net
にこ「情けないわよね…ことりにフラれちゃったの」

海未「いえ…私でよければ話を聞きます」

にこ「上手くいってると思ってたんだけど…私の勘違いだったみたい」

海未「そんなはずはありません!」

海未「ことりはいつも、私と穂乃果ににこのことを話していました!ことりがにこを嫌いになるはず…」

にこ「あはは…励ましてくれてありがと」ニコッ

海未(うぅ…こんな時、自分の無力さを痛感します)

にこ「私、ことりを追いかけて…ちゃんとケジメをつけてくるわ」

13: 2016/12/17(土) 15:36:47.03 ID:yFtP4m26.net
明日 にこ ちゃんが しにます

海未「!」

海未「にこ!」ガシッ

にこ「な、なに…?」

海未「私も一緒に行きます」

にこ「いや、いいわよ。これは私とことりの問題だし…」

海未「一緒に行きます」

海未(ここでにこを1人で行かせてはいけない)

海未(何故か私の勘がそう告げているのです)

にこ「…」

にこ「仕方ないわね…あんたの頑固さは穂乃果顔負けだもん」

にこ「ちゃんとにこをフォローしてよ?」

海未「はい!」

14: 2016/12/17(土) 15:41:04.77 ID:yFtP4m26.net
にこ「私、ずっとことりのことを見てたのよ」

にこ「μ'sのみんなに秘密で付き合ってたのは申し訳ないけど…」

海未「ことりは学校でも家でもにこの話ばかりしてます」

海未「私と穂乃果はとっくに気付いてました」

にこ「え…マジ…?」

海未「そんなことりがにこに別れを告げるのはおかしいです。何か理由があるはず」

海未「私は色恋に疎いので、ことりの気持ちは推測できませんけれど…」

にこ「頼りになるんだかならないんだか…まぁ、ちょっとは気が楽になったわ」

海未「その意気です。ことりはあなたの笑顔が一番好きなんですよ」

15: 2016/12/17(土) 15:43:58.54 ID:yFtP4m26.net
にこ「多分ことりはこの辺にいるはずなのよ」

海未「ここはアキバの中心じゃないですか…」

にこ「ほら、あの子…メイドのバイトで自分を見つけられたって言ってたでしょ?あの子の居場所、落ち着けるのはここしかないわ」

海未「ことりのことをよく知ってますね」

にこ「ま、まぁ…恋人だもん!」

17: 2016/12/17(土) 15:46:51.76 ID:yFtP4m26.net
海未「!さすがにこです!あそこにしょんぼりしていることりがいます!」

にこ「早速行くわよ!」

海未「はい!」

ことり「…はぁ」

ことり「にこちゃん…」トボトボ

にこ「ことり!」

ことり「!?」

ことり「KOTORI?what?ダレデスカァ?」

海未「同じ手は通じません!」ガシッ

ことり「あっ…」

ことり「なんで海未ちゃんまで…?」

19: 2016/12/17(土) 15:50:46.79 ID:yFtP4m26.net
にこ「ことり、ちゃんと私と向き合ってほしいの!」

にこ「納得できる理由があるなら…私はすんなりあんたと別れるわ!」

ことり「…」

海未「ことり、にこはあなたと正面から話しているのです。あなたもにこに話すべきです」

ことり「…」

にこ「ことり!」

ことり「ごめんなさい…私、にこちゃんの恋人に相応しくないから…私じゃダメだから…」

海未「ことり、あなたまさか…」

海未「クラスのみんなから言われたことを気にして…」

にこ「…海未、その話全部教えなさい」

海未「ことりは…」

ことり「海未ちゃん!」

海未「ことりはいじめられているんです」

20: 2016/12/17(土) 15:54:55.48 ID:yFtP4m26.net

ことり「にこちゃんと恋人同士になれるなんて、まるで夢みたい♪」

ブーッ ブーッ

ことり「あれ…?メールだ…知らないアドレスから…」

矢澤先輩に相応しくない
ブス鳥はチュンチュン言ってろ

ことり「酷い…誰がこんな…」



モブ「南さんってにこにーと付き合ってんの?」

ことり「う、うん!そうだよ!」

モブ「マジ?ウケるw」

モブ「お前みたいなチーズケーキ脳があの人に見合うわけないだろw」

ことり「そんなことない!」

モブ「うっせぇ!早く別れろバカ!」ドンッ

ことり「…っ!」

22: 2016/12/17(土) 16:00:22.24 ID:yFtP4m26.net
海未「私と穂乃果がみんなにいじめをやめるよう言いました」

海未「それで表立ったいじめはなくなったのですが、より陰湿な嫌がらせが始まり…」

ことり「海未ちゃん…なんで言うの…」

にこ「ことり、あんたそんなこと…」

海未「にこを巻き込みたくなかったんですよね?」

ことり「…」コクン

にこ「バカ!恋人なのよ!ことりはにこが護るわ!」

ことり「ごめん…私…自分なんかじゃにこちゃんに釣り合わないって…思って…」

にこ「ことり…あんた本当にダメね」ギュッ

ことり「えっ…」

にこ「私がいなきゃ、あんたはダメになっちゃうのよ。大丈夫よ…私はずっと側にいる」

ことり「ありがと…う…にこちゃん」ポロポロ

海未(これにて一件落着です!)

26: 2016/12/17(土) 16:14:32.18 ID:yFtP4m26.net
にこ「♡」

ことり「♡」

海未「仲直りできてよかったです。これからもお幸せに…応援してます」

海未「では私はこれで…」

海未「帰りにアイドルショップでアイドルの可愛い仕草を研究してきます」

海未「また明日、学校で」

28: 2016/12/17(土) 16:16:44.97 ID:yFtP4m26.net
海未「…」

海未「…」

海未「…」

にこ ちゃん がしにます

にこ ちゃん が しにます

にこちゃん が しにます

海未「なんですかこの胸騒ぎは…ことりとにこは仲直りしたからこれでいいはずなのに」

海未「念のため…念のためにもう一度にこのところに…」

29: 2016/12/17(土) 16:20:20.99 ID:yFtP4m26.net
海未「2人はあの後すぐ解散したみたいですね」

海未「にこ…こんな人気の無い河川敷を通って帰るなんて危険ですよ」

海未(あれ…何故私はにこがこの河川敷にいるのを知ってたんでしょうか…)

海未「…え?」

海未「にこが…誰かと口論している?」

真姫「にこちゃん、ことりと別れて!」

海未(真姫…?)

31: 2016/12/17(土) 16:25:42.35 ID:yFtP4m26.net
海未(はぁ…今日二度目の修羅場ですか)

にこ「なんであんたにそんなこと言われなきゃならないのよ!」ドンッ

真姫「私の想いも知らないで!分からず屋!」ドンッ

海未(口論どころではありません…殴り合いになってもおかしくない)

海未(止めなくては!)

にこ「痛った~!さすがの私も怒るわよ!」ドンッ

真姫「あっ…」グラッ

海未「真姫!」ガシッ

真姫「え?え?なんで海未が…?」キョトン

にこ「ご、ごめん!やり過ぎたわ…」

海未「危ないですよ2人とも!転んで怪我をしたらどうするんですか!ちゃんと冷静に話し合うべきです!」

真姫「ごめんなさい…」

にこ「悪かったわ…」

海未「私が仲裁しますから…それにもう暗くなりますし、私の家で話しましょう」

33: 2016/12/17(土) 16:30:46.37 ID:yFtP4m26.net
園田家

海未ママ「海未さん、メールは読みました」

海未ママ「道場をお使いなさい」

海未「はい。ありがとうございます」

にこ「…」

真姫「…」

海未ママ「あと、これを…」スッ

海未「これは…!!」

海未ママ「園田家の家宝にして秘伝の名刀『園田一閃』です。これを託します」

海未「お母様…!」

海未ママ「あなたが正しいと思うことに従いなさい」

海未「はい!」ペコッ

真姫(え?これってただの話し合いよね?)

にこ(なんで日本刀受け取ってんのよこの子…)

34: 2016/12/17(土) 16:34:09.88 ID:yFtP4m26.net
海未「ではまず、互いに礼!」

にこ「…」ペコッ

真姫「…」ペコッ

海未「それでは僭越ながら私がこの話し合いを進めさせていただきます」

海未「まず真姫の言い分を教えてください」

真姫「私はにこちゃんにことりと別れてほしいの…」

にこ「はぁ?!意味不明なんですけど?」

海未「にこ、とにかく真姫の話を聞きましょう」

真姫「今日ずっと2人を見ていて…にこちゃんはことりに振り回されてるって思ったから…にこちゃんが可哀想で…」

にこ「…」

35: 2016/12/17(土) 16:38:27.99 ID:yFtP4m26.net
2時間後

海未「では結論が出ました」

海未「にこはことりを恋人として大切にする」

海未「真姫はにこへの想いを諦めず、正々堂々ことりと競い合うこと」

海未「異論はありませんね?」

にこ「うん」

真姫「えぇ」

真姫(日本刀持ってるのに逆らえるわけないじゃない…)

海未「メンバー同士の衝突も時には必要です!しかし、健全な関係の維持が重要なのです!」

にこ(もう帰っていいかしら…)

37: 2016/12/17(土) 16:41:22.80 ID:yFtP4m26.net
海未「ふぅ…今日は疲れました」

海未「しかし、あの手紙を読まなければことりとにこの関係も、真姫との関係も取り返しがつかなくなっていたでしょう…」

海未「にこが氏ぬなんて冗談は許せませんが、結果的には上手くいったと言えます」

海未ママ「海未さん」コンコン

海未「お母様、なんですか?」

海未ママ「また手紙ですよ」

海未「…?!」

38: 2016/12/17(土) 16:44:39.64 ID:yFtP4m26.net
希 首を突っ込み過ぎてはいけない
スピリチュアル


海未「…」

海未「…は?」

40: 2016/12/17(土) 16:47:59.75 ID:yFtP4m26.net
海未「なんですかこれは…」

海未「『希』…とは、あの希ですよね」

海未「『首を突っ込み過ぎてはいけない』?」

海未「今回は日付も書かれていないし、氏ぬとも書いてないです」

海未「『スピリチュアル』というのが気になりますが、そもそも杞憂かもしれません」

海未「もう寝ましょう」スヤァ

42: 2016/12/17(土) 17:26:08.02 ID:yFtP4m26.net
絵里「でね、昨日の晩もラブライブ!板を見たらおもしろい話が…」

にこ「意外ね~絵里がネットにハマるなんて」

凛「面白そう!凛にも教えてほしいにゃ!」

絵里「いいわよ。でも、書き込む時には名前欄に本名を入れないようにね」

真姫「まさかとは思うけど、本名を書いたの?」

絵里「なななんのことかしらぁ?!」

海未(結局放課後になってしまいました…希は)チラッ

希「スピリチュアルやね!」

海未(いつも通りのようですが…)

43: 2016/12/17(土) 17:30:48.55 ID:yFtP4m26.net
凛「ワン!ツー!ワン!ツー!」パンパン

希「…」クラッ

穂乃果「希ちゃん!大丈夫?!」

希「う、うん…平気よ」

絵里「顔色が悪いわ。少し休んだ方がいいんじゃない?」

希「あはは…ほな、お言葉に甘えて…」

海未「希を保健室のベッドに連れて行きます」

希「え…大丈夫だよ」

海未「無理は禁物です。ほら、掴まってください」

希「うん…」

44: 2016/12/17(土) 17:33:31.62 ID:yFtP4m26.net
希「ごめんな~」ヨロヨロ

海未「希、何かあったのですか?」

希「え…?」

海未「あなたらしくないです。体調を崩すなんて…」

希「なんでもないんよ…なんでも…」

海未「…」

首を突っ込み過ぎてはいけない

海未(詮索しない方がいいということでしょうか)

海未(しかし、メンバーが悩んでいるのに放ってはおけません!)

45: 2016/12/17(土) 17:37:08.53 ID:yFtP4m26.net
海未「教えてください。他言はしません」

希「…」

希「実は…最近悪い夢ばっかり見るんよ」

海未「夢…ですか?」

希「うん…」

希「にこっちが氏んじゃって…他のみんなもどんどん氏んでいく夢…」

希「みんなが追い詰められて離れ離れになっちゃう夢…」

希「その夢のせいで、よく眠れてなくて」

海未「あの…」

海未「その夢で最初に亡くなるのは…にこだったんですか?」

希「夢の話よ…スルーしてくれても」

海未「いいえ」

海未「詳しく知りたいんです」

46: 2016/12/17(土) 17:40:50.89 ID:yFtP4m26.net
希「にこっちと真姫ちゃんがことりちゃんのことでケンカになっちゃって…」

希「事故やけどにこっちは頭を打って亡くなるんよ」

希「そこから誰が犯人か…みんなが疑心暗鬼になっていって…」

希「そのうち得体の知れない不安や恐怖が襲ってきて…」

海未「疲れているのに話してもらってすみません」

海未「もう大丈夫です。さぁ、ゆっくり寝てください」

希「うん…ええ夢やといいんやけど…」スヤァ

海未「…」

47: 2016/12/17(土) 17:43:45.26 ID:yFtP4m26.net
海未(確かに希は『最初ににこが氏ぬ』と言いました)

あしたにこちゃんがしにます

海未(あの手紙は希が…?いえ、そんな回りくどいことをする必要はないはず)

海未(それに昨日のにこと真姫の口論は3人だけで秘密にしています)

海未(どうして希がそれを知って…)

海未(希の見た悪夢が…)

海未(ただの夢ではないような…)

48: 2016/12/17(土) 17:48:17.75 ID:yFtP4m26.net
海未「ん…」ムクッ

希「あ~やっと起きたね」

海未「え?え?私は…」

希「ウチの横でぐっすりやったよ。海未ちゃんも疲れてたんだね」

海未「恥ずかしいです…」

希「みんなには先に帰ってもらったし、ウチらも帰ろっか」

海未「えぇ…そうですね」

52: 2016/12/17(土) 23:13:23.70 ID:yFtP4m26.net
海未「あの夢の話なのですが…」

希「えー…せっかく忘れてたのに~」

海未「すみません…」

希「ふふ…ちょっとからかってみただけだよ」

希「…ありがとね」

海未「えっ…」

希「海未ちゃんに話せて、気が楽になったよ。やっぱし誰かに助けてもらえて嬉しいんよ」

海未「私でよければ話は聞きます。相談してください」

希「なんや今日の海未ちゃんはいつもより頼もしくてかっこいい感じ」

海未「そうでしょうか?」

希「じゃ、家こっちやしまた明日ね」

海未「はい。ではまた明日」

53: 2016/12/17(土) 23:17:14.27 ID:yFtP4m26.net
海未「…」

海未「…」

海未(毎日の日課である家での修練…今日はまったく身が入りません)

海未(ダメです…雑念は払わなければ…)

海未(昨日と同じ…また胸騒ぎがします)

海未(『首を突っ込み過ぎてはいけない』とはどういう意味なんでしょうか…にこの件もあるので、ただのイタズラと断定ができません)

海未「希…本当に大丈夫ですか?」

54: 2016/12/17(土) 23:20:21.00 ID:yFtP4m26.net
希「はーい」ガチャ

希「珍しいね。あなたが家を訪ねるって…」

希「ん?海未ちゃんに送ってもらってちゃんと帰って来たよ」

希「…」

希「お茶にする?それともコーヒー?」

希「ねぇ…」

希「なんでそんな眼で…ウチを見るの…」

希「その眼…あの夢と同じ…」

55: 2016/12/17(土) 23:23:54.94 ID:yFtP4m26.net
海未「希…」

プルルルル

「おかけになった電話は、電波の届かない場所にあるか、電源が…」

海未「もう23時近いというのに…電話に出れない事情があるんでしょうか」

海未「そうです…これは不良の深夜徘徊ではなく、希の無事を確認するのにやむを得ずです」ソローッ

海未「無事でいてください!希!」ダッ

56: 2016/12/17(土) 23:27:51.52 ID:yFtP4m26.net
海未「確か希の部屋はここのはず…」

海未「明かりはついていたからいるんですよね?」

ピンポーン

「ああああ!!!!」ガッシャーン

海未「?!」

海未「希の声…!」

海未「希!そこにいるんですか!開けてください!海未です!」

ガチャガチャ

海未(くっ…チェーンがかかって…それに…)

海未(扉の隙間に…粘着テープが!)

海未「希!今行きますから!落ち着いてください!」ガチャガチャ

「いやぁぁ!!来ないで!!来ないでぇ!!」

57: 2016/12/17(土) 23:33:06.80 ID:yFtP4m26.net
海未(はっ…!そういえば…)



絵里「にこ…また居留守を使うつもりね」

海未「どうするのですか?鍵は開いていますが、チェーンがかけられていますし…」

絵里「ロシアのおばあさまに教わったことがあるの。この紐をこうして使うと…」

カチャン!

海未「チェーンが外れた?!」

絵里「私のことは賢い可愛いエリーチカと呼んでくれていいわよ?」

にこ「あんた…それ普通に犯罪だから」

絵里「」



海未(これです!!)

58: 2016/12/17(土) 23:35:20.33 ID:yFtP4m26.net
海未「希!」バーン

希「あ…あ…」

海未「希!何があったのですか?!誰かに襲われたんですか?!犯人は…!」

希「ごめんなさいごめんなさい」

希「私が悪いんです…全部…全部私のせいで…」

海未「希…」

59: 2016/12/17(土) 23:38:26.39 ID:yFtP4m26.net
海未「落ち着きましたか?」

希「うん…」

海未「今日は朝まで一緒にいます。疲れたでしょう…あなたは私が護りますから休んでください」

希「…」

海未(部屋は荒らされた感じはない…)

海未(それに、ドアも窓も閉まっていました)

海未(しかし、キッチンにあった2つのカップ…)

海未(誰かが…ここにいたんでしょうか…)

74: 2016/12/19(月) 15:33:14.72 ID:vfhYWV8K.net
希「へ…?海未ちゃんの家に…?」

海未「そうです。両親も希なら歓迎すると言ってくれました。しばらく、私の家に居候してください」

希「でも…」

海未「あなたを1人にはできません。目の届くの範囲にいてくれた方が安心できます」

希「そっか…じゃあお言葉に甘えようかな」

海未「その代わり、朝6時から修練に付き合っていただきます」

希「えーっ…ウチ、朝苦手なんやけど」

海未「ダメです。健全な精神を作るには、まず健全な生活態度からです」

希「うぅ…」

海未「さぁ、荷物をまとめてください♪」

75: 2016/12/19(月) 15:37:23.96 ID:vfhYWV8K.net
海未「どうですか?我が家は」

希「なんかお寺に修行に来たみたいやったよ」

海未「しかし、身体を動かしてお腹いっぱいご飯を食べるのは幸せでしょう」

希「うん!そこは海未ちゃんの言う通りやね」

海未「希は私の部屋の隣に布団が敷いてあるのでそこで休んでください」

海未「私は道場の後片付けをしたら寝ますから」

希「は~い。じゃあおやすみなさい」

海未(よかった…希も少し元気が出ているようです)

海未「さて、私も早く終わらせて布団に入りましょう!」

76: 2016/12/19(月) 15:42:06.28 ID:vfhYWV8K.net
にっ…に…にー!

「穂…果…飛び…」

「凛ちゃ…殺…」

海未「んむむ…」

海未(これは…私の夢なんでしょうか…)

海未(みんなが離れ離れになって…こんな夢、嫌です!!)

「あなたがにこを頃したのね」

海未「うぁう?!」ガバッ

海未「夢…」ハァハァ

海未「すごい汗です…着替えた方がいいかも…」ムクッ

海未「…ん?」

海未「机の上に封筒が…寝る前には無かったはずですが…」パラッ

ことり を 守って
見えないものが 一番恐い

海未「また手紙…ですか」

海未「どうやってこの部屋に手紙を…」

77: 2016/12/19(月) 15:47:12.97 ID:vfhYWV8K.net
海未「希、おはようございます」

希「んぁ…海未ちゃんおはよー」

海未「昨日の夜、私の部屋に来ましたか?」

希「え?ごめん、疲れたしすぐ寝ちゃったんやけど…」

海未「そうですか…」

海未(やはりあの手紙…希が置いたわけではないようですね)

穂乃果「海未ちゃん!おっはよー!」

希「朝から元気やね」

穂乃果「あれれ?なんで希ちゃんが?」

海未「希はしばらく私の家に泊まってもらうことにしたんです」

穂乃果「いいな~合宿みたいで楽しそう!」

希「朝6時からお稽古があるけど?」

穂乃果「えーっ!もっと寝てたいよ!」

海未「朝からたるんでいるようですね」ゴゴゴ

穂乃果「やば…あ!ことりちゃんだ!おーい!」タタッ

78: 2016/12/19(月) 15:53:49.08 ID:vfhYWV8K.net
海未(なんでしょうか…)

海未(毎朝ここに集まって、みんなで練習しているのに…)

海未(今日は空気が違う…)

ことり「にこちゃん、なんだか真姫ちゃんと近くないかな?」ニコッ

にこ「うぇ?!そんなことない!気のせいよ!」

真姫「そうよ!なんで私がにこちゃんなんかにくっつかなきゃいけないのよ!」

にこ「ちょっと!それどういう意味?!」

ことり「とっても仲良しだね~」ゴゴゴ

にこ「なんかフォローしなさい!ことりは怒るとすごいんだから!」

希「おや~朝から痴話喧嘩?」

にこ「火に油を注がないでよ!」

ことり「にこちゃ~ん…?」ゴゴゴ

海未(やはりみんないつも通りです)

79: 2016/12/19(月) 15:58:37.92 ID:vfhYWV8K.net
絵里「…っ…た…」ブツブツ

海未「…絵里?」

絵里「み…し…」ブツブツ

海未(どうしたんでしょうか…目が虚で独り言を…)

海未「大丈夫ですか?」

絵里「…あ」

絵里「海未…えぇ!大丈夫よ!今日もこの通り元気いっぱいよ!」

海未「…」

海未「本当にあなたは絵里ですか?いつもとまるで別人みたいに…」

絵里「そんなこと…ないわよ…」

海未「しかし…」

凛「その言い方やめなよ」

凛「絵里ちゃんが困ってる」

海未「えっ…」

82: 2016/12/19(月) 19:19:12.78 ID:vfhYWV8K.net
海未「しかし…絵里の様子は変です!」

凛「体調が悪い日なんて誰にでもあるよ。そうやって言われるのは傷つくんだから」

海未「わ、私はμ'sのみんなを…」

凛「いつもいつも偉そうに!そんなんだからみんなあなたから距離を置くんだよ!」バンッ

真姫「なに…?」

穂乃果「どうしたの?」

凛「自分だけが特別だと思わないで。馬鹿にするのも大概にしてよ」

花陽「凛ちゃん…?」

海未「納得いきません…凛もどうしたと言うんですか…」

凛「まだ言うの」

83: 2016/12/19(月) 19:24:43.54 ID:vfhYWV8K.net
絵里「凛、いいのよ…私も悪かったわ。これ見よがしに元気のないようにして…」

凛「絵里ちゃん、こんな人に気を使うことない」

真姫「海未、あなた何したの…」

海未「私はただ…」

穂乃果「今日は朝練はここまで!続きはまた放課後にね!」

にこ「そうね…海未は頭冷やしときなさい」

海未「み、みんなまで…」

希「海未ちゃん、今は旗色が悪い」コソッ

ことり「それじゃあ、学校に行こう」

海未「…」

84: 2016/12/19(月) 19:29:46.63 ID:vfhYWV8K.net
ツリ目「ほんとにこちゃんはおバカね」

米「で、でも!いいところもあるよ!」

鳥「そうだよ~にこちゃんって2人きりの時は…」

ツインテ「ことり!それ以上はストップ!」

海未(あれ…?)

海未(私はこの人達と…仲間…なんですよね)

海未(頭が…少し痛い…)

金髪「海未、行くわよ?」

海未「え…あ、はい…」

猫「…」

85: 2016/12/19(月) 20:04:04.32 ID:vfhYWV8K.net
海未「あの…ことり…」

ことり「海未ちゃん、朝のことだけど」

海未「はい…まさか凛があんなに激昂するとは」

ことり「メンバー同士でギクシャクするの、ことりは嫌だな」

海未「私も軽率でした。みんなの気持ちも考えず…」

ことり「うん!海未ちゃんは大人だね!」

ことり「そんな海未ちゃんが大好き♪」

海未(ことり…気を遣ってもらってすみません)

海未(昨日の手紙…『ことりを守って』とは…)

海未(考え過ぎ…ですよね)

86: 2016/12/19(月) 20:50:28.73 ID:vfhYWV8K.net
凛「お昼休みに呼び出すなんて、海未ちゃんも大胆にゃ」

海未「凛…今朝はすみませんでした。無神経に仲間を傷付けてしまって…」

凛「うんうん!わかればいいにゃ!」

海未「ところで…」

海未「あなたこそ、いつもの凛とは言えなかったと思います」

凛「んにゃ?」

海未「私はそれを問いただすためにあなたを呼んだのです」

凛「あはは…凛だって、怒る時は怒るよ~」

海未「その目の下のくま…もしかして、悪い夢のせいで眠れていないのでは?」

凛「へぇ…海未ちゃんもなんだ」

海未「やはりそうなのですか」

87: 2016/12/19(月) 21:00:01.70 ID:vfhYWV8K.net
海未「最近みんなの様子がおかしいと思っていました。きっと、全員同じように悪夢で疲れているのだと思います」

凛「…」

海未「私はμ'sのみんなが離れ離れになるのは嫌です。だからこの悪夢を終わらせたい!」

凛「凛はね…」

凛「凛は、かよちんに殺されるんだ」

海未「…どういうことですか?」

凛「最初はただの夢だと思った。けど、同じ夢をずっと見てると…それがこれから起こることなんだって確信できたの」

海未「そんなはずは!花陽が凛を殺めるなんて!」

凛「あり得ないよね…凛も最初はそうだったよ」

海未「氏なせはしません!あなたも…μ'sの誰も…!」

凛「…嬉しいにゃ」

凛「その気持ち、忘れないでね」

88: 2016/12/19(月) 21:06:12.70 ID:vfhYWV8K.net
海未(あれから5日…恐ろしいほど平穏に過ぎてしまいました)

海未(みんなも表面上はいつも通りですが、ふとした時に今の状況を壊しかねないような危うい言動を見せます)

海未(今の私達は…)

見えないものが一番恐い

海未(あの手紙が今のμ'sを言い当てているような気がします)

海未(私達は…お互いの氏を無意識に刷り込まれていってる…)

海未「考えれば考えるほどわかりません」

海未「希!この鬱屈とした気分を晴らすために山へ登りますよ!」

希「うぅ~…まだ朝の5時だよぉ…」

89: 2016/12/19(月) 21:19:48.97 ID:vfhYWV8K.net
希「…」カタカタ

オカルト体験inラブライブ!★874

名無しで叶える物語(スピリチュアル)

最近友達が氏ぬ夢ばっかり見る
辛いやん…

名無しで叶える物語(饅頭)

まーた構ってスピリチュアルか

名無しで叶える物語(ツンドラ)

友達に対してストレスが溜まってるんじゃない?それか前世の記憶とか…

希「前世の記憶…」

希「そんな夢みたいなことあるわけないやん。夢の話やけど」カタカタ

海未「希!いつまで起きているつもりですか!」

希「えっ…まだ22時やん」

海未「明日も朝から修練です!早く寝てください!」ピシャッ

希「海未ちゃんがお母さんより口うるさい…」

90: 2016/12/19(月) 21:28:24.61 ID:vfhYWV8K.net
海未「ようやく希も寝たようですね」

海未「さて、私は次の曲の詞でも書きますか」

海未「少しでもいつも通りにしなくては…」

コツン
コツン

海未「…?」

海未「外から音が…?」ガラッ

にこ「やっと出た」

海未「にこ…?何故こんな夜中に私の家にいるのですか?」

にこ「時間がないのよ。なりふり構ってられないわ」

海未「…どういうことですか?」

91: 2016/12/19(月) 21:31:42.06 ID:vfhYWV8K.net
にこ「これよ…」パサッ

海未「『週間文冬』…?この週刊誌がどうしたのです」

にこ「いいから読みなさい」

海未「201X年 発行…?来年ではないですか」ペラッ

海未「へぇ…あの芸能人が不倫するのですね」

にこ「そこじゃないわよ!付箋が付けてあるとこ読みなさい!」

92: 2016/12/19(月) 21:40:57.49 ID:vfhYWV8K.net
音ノ木坂女子高生連続不審氏事件

去年、全国を震撼させた事件から1年が過ぎた。本誌は独自取材により、この事件の闇の真相へと迫る

海未「…」

事件は秋葉原付近の河川敷で当時人気急上昇中であったスクールアイドルグループのメンバー Y(18)が遺体で発見された事から始まる。

Y(18)の遺体には争った形跡があったが、警察は捜査の末に足を滑らせ頭を強く打ったことが氏因となったとして事故処分とした。

世間を震撼させたのはその後である。
Y(18)と同じスクールアイドルグループのメンバー T(18)が自宅にて自殺未遂したのだ。

それだけではない。その数日後にはやはり同じグループのメンバーであるS(17)とM(17)が自分達の通う学校の屋上から投身自殺。M(17)の母親はその学校の理事長であった。

93: 2016/12/19(月) 21:45:56.71 ID:vfhYWV8K.net
さらにその後、グループのリーダー K(17)も自殺。メンバー2人も火災で命を落とした。

9人のメンバーのうち6人が短期間の間に不審な氏を遂げたが、いずれの氏も事故であったという。

本誌はこのグループの元メンバー A(当時18)に取材を申し込んだが、彼女は何も語らなかった。
腕には痛々しい自傷の跡が刻まれていた。

94: 2016/12/19(月) 21:54:17.26 ID:vfhYWV8K.net
海未「これは…私達のことなのですか」

にこ「そうよ」

海未「ここに書いてあることが、私達みんなが見ている悪夢の正体…」

海未「何故にこがまだ起きていない事件のことが書かれた未来の本を…?」

にこ「それは多分説明してもあんたは信じないと思うし、今はそれより大切なことがあるの」

にこ「明後日、ことりがこの本に書いてあるように学校の屋上から飛び降りるわ」

海未「…!」

にこ「あんたにはそれを止めてほしいの。その本にはあんたも一緒に氏んじゃうって書いてあるけど、私が氏ぬのを止めたあんたなら…大丈夫」

海未「あの手紙を出したのは…にこだったのですね」

にこ「悪かったわ…回りくどい真似をして」

海未「あなたは一体…」

にこ「今の私に出来るのは…こうして誰かにお願いすることだけ」

にこ「海未…頼んだわよ」

海未「にこ…」

95: 2016/12/19(月) 21:56:43.61 ID:vfhYWV8K.net
海未「…」

海未「…」

海未「あれ…?どうして私はこんな夜中に庭に…」

海未「涙…?泣いていた…?」

海未「!」ハッ

海未「明後日…ことり…氏ぬのを止めないと」

海未「覚えているのはそれだけですが…とても…大切なことなだったはず」

98: 2016/12/19(月) 22:34:52.33 ID:vfhYWV8K.net
希「海未ちゃ~ん、学校は?」

海未「今日は休みます。やらなければいけないことがあるので…」

希「そっか、ほな行ってくるよ」

海未「…」

海未(明日は私の人生で最も大切な日)

海未(ことりの命…必ず守ります!)

海未(その為にも、今日は精神統一です!)

99: 2016/12/19(月) 22:39:37.26 ID:vfhYWV8K.net
ことり「…はぁ」

にこ「どうしたの?ため息なんて吐いて」

ことり「う~ん…最近イヤな夢ばっかりで」

にこ「らしくないわね。ことりってもっとふわふわしてんのかと思ってた」

ことり「もう!真面目に話したのに!」

にこ「ごめんごめん。でも、困ってるなら私もなにか力になるわよ」

ことり「うん…ありがと」

にこ「恋人なんだから当たり前にこ☆」

ことり「…そうだね」

101: 2016/12/19(月) 22:42:46.90 ID:vfhYWV8K.net
ことり「はぁ…どうしよう…」

ことり「こんなこと続くの…耐えられないよ」

ことり「あ…」フラッ

ことり「…」

103: 2016/12/19(月) 23:16:29.01 ID:vfhYWV8K.net
海未「369、370、371…」フンッフンッ

希「海未ちゃんおはよ…もしかして昨日の晩からずっと…?」

海未「はい!希の買ってきてくれたレッド◯ルを飲んだら、疲れも吹き飛びました!」

希「そ、そっか…」

海未「さぁ、シャワーを浴びてきますから希も学校へ行く準備をしてください!」

希「ほ~い」

海未(なんでしょうかこの全能感…)

海未(今の私に不可能はありません!待っていなさいことり!!)




ことり「!?」ゾクッ

104: 2016/12/19(月) 23:18:37.85 ID:vfhYWV8K.net
海未「おはようございます!」バンッ

穂乃果「おはよう海未ちゃん!なんていうか…その…」

ことり「朝から元気だね」

海未「はい!清々しい朝です!」

穂乃果「どうしちゃったんだろ…?」コソッ

ことり「さぁ…」コソッ

106: 2016/12/19(月) 23:22:00.67 ID:vfhYWV8K.net
海未「…」

海未「…」

海未「…」

海未「えっと…何故私は保健室で寝ているのでしょうか?」

ことり「やっと起きたね~」

海未「ことり…状況がわかりません。どうして私は…」

ことり「昼前に突然倒れちゃうからビックリしたよ。放課後まで起きないし…」

海未(しまった…レッド◯ルを過信してしまいました…)

ことり「もう先生たちも帰っちゃうから、私たちも帰ろう?」

海未「はい…」シュン

107: 2016/12/19(月) 23:25:12.26 ID:vfhYWV8K.net
海未「!」ハッ

海未「ダメです!ことりをこのまま帰らせるわけには…」

ことり「えっ…」

海未「ことり、最近何か悩み事はないですか?」

ことり「う~ん…特にないかな」

海未「嘘、ですよね」

ことり「…」

ことり「実は…ちょこっとだけ…」

海未「μ'sのみんなが氏ぬ夢を見るのではないですか?」

ことり「なんで知ってるの?!」

海未「やはり…あなたもでしたか」

108: 2016/12/19(月) 23:28:19.43 ID:vfhYWV8K.net
ことり「何回も何回も…みんなが氏んじゃうんだ」

ことり「私、そのせいで毎晩寝たくなくなって…」

ことり「私も夢の通りに氏ななきゃ…って…」

海未「ことり」

海未「所詮夢です。氏んではいけません」

ことり「わかってるよ!そんなこと!」

海未「落ち着いてください」

ことり「みんなが氏ぬのなんて嫌だよ!」

ことり「そんなの…当たり前だよ!」ダッ

海未「ことり!待ちなさい!」

109: 2016/12/19(月) 23:34:42.20 ID:vfhYWV8K.net
海未「…やはり、ここでしたか」

ことり「この場所…みんなの思い出の場所…とっても大切な場所だもん」

海未「しかし、フェンスの上に座るのはいけませんよ。落ちたらどうするんですか」

ことり「この方が…なんだか生きてるって感じがするの」

海未(あんな所に脚立が…業者さんが忘れて帰ったんでしょうか)

ことり「海未ちゃん…私…」

海未「隣に行ってもいいですか?」

ことり「…うん」

110: 2016/12/19(月) 23:39:39.51 ID:vfhYWV8K.net
海未「流石にこの高さは…恐いです」

ことり「海未ちゃんにも恐いものってあるんだ」

海未「当たり前です。人間なんですから」

ことり「そっか…そうだよね」

ことり「私はこうやってここに座ってても…恐いなんて感じないよ」

ことり「むしろ、ここから落ちたら楽になれるかもって思う」

海未「何を言っているんですか」

海未「あなたがいなくなれば…みんなが悲しみます。理事長も…にこだって」

ことり「わかってるよ。でもここまでしないと生きてるって実感が湧かなくて…」

海未「ことり…」ギュッ

ことり「あはは…海未ちゃん、くっついたら危ないよ~」

ことり「なんだか昔、木登りして落ちた時みたい」

海未「離しませんよ…あなたがどこに行こうと…」

ことり「ありがとう…」

111: 2016/12/19(月) 23:41:53.74 ID:vfhYWV8K.net
海未「さぁ、早く帰りましょう。鍵をかけられたら困ります」

ことり「うん。そうだね」

海未「気をつけてくださいよ」

ことり「わかってる…あ」ユラッ

ことり「ひゃあぁ?!」ガクンッ

海未「ことり?!」ガシッ

ことり「や…落ち…」

海未「大丈夫です!絶対に離しません!」

113: 2016/12/19(月) 23:46:54.90 ID:vfhYWV8K.net
ことり「ぅ…手が…」

海未(ただでさえ安定しない柵の上…このままでは…!)

ことり「海未ちゃん…もう離して…」

海未「嫌です!絶対に嫌です!あなたが氏ぬのは嫌なんです!」

ことり「ごめん…私のせいで…」

海未(うぅ…もう手が…)グググ

ことり「海未ちゃ…ん…もういいから…」

海未「私はあなたを守ります…っ!何があっても!」グググ

ことり「気持ちだけで…嬉しいよ…」

海未「ことり!あなたを1人にはしません!」

ことり「…」スッ

海未(自分から手を…?!)

ことり「さよなら…海未ちゃん」

114: 2016/12/19(月) 23:49:09.82 ID:vfhYWV8K.net
海未「!!」バッ

ことり「?!」

海未「ことり!!」ギュッ

ことり「なんで…私と一緒に落ちちゃう…」

海未「いいんです…あなたと一緒…なら」

ことり「ごめん…ありがとう…」

116: 2016/12/19(月) 23:52:23.26 ID:vfhYWV8K.net
海未(私はみんなの氏の運命を止められませんでした)

海未(あの夢は…きっと私達にいつか起こる現実だったのですね)

海未(残ったみんなのことが気がかりですが…後は頼みます…穂乃果…)

海未(ことり…救ってあげられず…ごめんなさい)

グシャッ

117: 2016/12/19(月) 23:58:15.65 ID:vfhYWV8K.net
穂乃果へ

あなたがこの手紙を読んでいるということは、私はその手紙を回収できなかったのだと思います。
つまり、ことりを助けられなかったのです。

最近、μ'sのみんなが不可解にも同じ悪夢に苦しんでいます。
私の推測では、みんなはこの夢を繰り返し見ることで、自らの命を危険に曝す行動を取るようになります。

止める方法は全くわかりません。
でも、心の中の自分自身の想いを大切にしてください。
それがこの悪夢に打ち勝つ唯一の方法ではないかと思います。

最後に、μ'sのみんなを守ってください。
またみんなで、笑顔になれるように

海未

119: 2016/12/20(火) 00:03:56.35 ID:yoTSCMKb.net
穂乃果「これが海未ちゃんが私に送った最後のメッセージだよ」

にこ「最後までみんなのことを想ってたのね」

凛「海未ちゃん…」

花陽「やっぱり私達…同じ夢を見てるんだ…」

希「みんな…海未ちゃんの意志、絶対にこの悪夢に勝とう!」

真姫「そうね。海未が命懸けで伝えてくれたメッセージ…生き残るのよ」

絵里「海未…」




123: 2016/12/20(火) 00:09:14.81 ID:WAE3ZqrE.net
バッドエンドか…

引用元: 海未「音ノ木坂女子高生連続不審死事件…?」