2: 2011/04/15(金) 21:29:39.14 ID:HrMeI5ec0
超短編です
3: 2011/04/15(金) 21:31:42.65 ID:HrMeI5ec0
律「なぁ、屋上行ってみようぜ!」
一番はじめに提案したのはりっちゃんだった。
それはある日のお昼休み。
唯「あっ、それいいかも!」
澪「屋上は立ち入り禁止だろ?そもそも行ってどうするんだ」
律「知らないのか澪?昼休みに屋上で飯を食べるのは我々高校生のステータスだ!
これ無くして青春は語れないぞ!」
澪「いやだから、立ち入り禁止…」
唯「はい!じゃあ多数決で決めよう!屋上に行ってみたい人!」
すかさず唯ちゃんとりっちゃんが手を挙げる。
なんだか楽しそう。
紬「私も行ってみたいで~す」
澪ちゃんの視線を感じつつ、私はりっちゃんに賛成した。
律「どうだ澪!3対1だ!」
澪ちゃんは呆れたように笑った。
しょうがないな…という言葉とは裏腹に、嫌な素振りは見せない。
私たちはお弁当を持って、教室を出た。
一番はじめに提案したのはりっちゃんだった。
それはある日のお昼休み。
唯「あっ、それいいかも!」
澪「屋上は立ち入り禁止だろ?そもそも行ってどうするんだ」
律「知らないのか澪?昼休みに屋上で飯を食べるのは我々高校生のステータスだ!
これ無くして青春は語れないぞ!」
澪「いやだから、立ち入り禁止…」
唯「はい!じゃあ多数決で決めよう!屋上に行ってみたい人!」
すかさず唯ちゃんとりっちゃんが手を挙げる。
なんだか楽しそう。
紬「私も行ってみたいで~す」
澪ちゃんの視線を感じつつ、私はりっちゃんに賛成した。
律「どうだ澪!3対1だ!」
澪ちゃんは呆れたように笑った。
しょうがないな…という言葉とは裏腹に、嫌な素振りは見せない。
私たちはお弁当を持って、教室を出た。
5: 2011/04/15(金) 21:36:19.19 ID:HrMeI5ec0
昼休みの喧騒が徐々に遠のき、人気のない埃っぽい階段を上っていく。
途中に使われていない椅子や机が無造作に置かれていた。
唯「なんだかひんやりしてるね」
見上げると、階段を登り切った所に屋上への扉があった。
その小窓からはまぶしい光が漏れている。
律「お、開いてるじゃん」
軋んだ音を鳴らせて扉が開く。
その先には無機質なコンクリートの床が広がっていた。
唯「おお~!屋上だよりっちゃん!」
律「うひゃぁ、結構高いぞここ」
澪「お、おい、あんまり大声だすなよ…先生に見つかるぞ」
律「澪も来てみろよ。絶景だぞー」
澪「そ そうか…?」
澪ちゃんは屋上の端へ行くと、小さく悲鳴をあげてしゃがみこんでしまった。
澪「わ、私高いところは苦手なんだよ…」
怖がりだな~澪は、とりっちゃんは言う。
唯ちゃんは遠くまで見える街並みに、ただ感嘆の声をあげていた。
途中に使われていない椅子や机が無造作に置かれていた。
唯「なんだかひんやりしてるね」
見上げると、階段を登り切った所に屋上への扉があった。
その小窓からはまぶしい光が漏れている。
律「お、開いてるじゃん」
軋んだ音を鳴らせて扉が開く。
その先には無機質なコンクリートの床が広がっていた。
唯「おお~!屋上だよりっちゃん!」
律「うひゃぁ、結構高いぞここ」
澪「お、おい、あんまり大声だすなよ…先生に見つかるぞ」
律「澪も来てみろよ。絶景だぞー」
澪「そ そうか…?」
澪ちゃんは屋上の端へ行くと、小さく悲鳴をあげてしゃがみこんでしまった。
澪「わ、私高いところは苦手なんだよ…」
怖がりだな~澪は、とりっちゃんは言う。
唯ちゃんは遠くまで見える街並みに、ただ感嘆の声をあげていた。
8: 2011/04/15(金) 21:40:37.98 ID:HrMeI5ec0
紬「…気持ちいい」
穏やかな春風が心地よく、見上げれば視界の全てが澄み渡った青空だ。
私は深呼吸した。
暖かい日の光を浴び、春の空気を肌で感じる。
澪「…あったかくて気持ちいいな。たまにはこういうのも、いいかも」
律「だろー?さ、飯にしようぜー」
りっちゃんはそう言うと地べたに座った。
唯「そこに座っちゃうの~?汚くないかな?」
律「んん?全然平気だって!」
りっちゃんがみんなに座るように促す。
私はその隣に腰を下ろした。
紬「なんだか新鮮ね。学校なのに、遠足に来たみたい」
唯ちゃんと澪ちゃんも私に続いて横に座る。
唯「じゃあさっそくお昼食べよ!お腹すいちゃった」
いつの間にか唯ちゃんはお弁当のふたを開け、食べる準備をしていた。
穏やかな春風が心地よく、見上げれば視界の全てが澄み渡った青空だ。
私は深呼吸した。
暖かい日の光を浴び、春の空気を肌で感じる。
澪「…あったかくて気持ちいいな。たまにはこういうのも、いいかも」
律「だろー?さ、飯にしようぜー」
りっちゃんはそう言うと地べたに座った。
唯「そこに座っちゃうの~?汚くないかな?」
律「んん?全然平気だって!」
りっちゃんがみんなに座るように促す。
私はその隣に腰を下ろした。
紬「なんだか新鮮ね。学校なのに、遠足に来たみたい」
唯ちゃんと澪ちゃんも私に続いて横に座る。
唯「じゃあさっそくお昼食べよ!お腹すいちゃった」
いつの間にか唯ちゃんはお弁当のふたを開け、食べる準備をしていた。
10: 2011/04/15(金) 21:44:27.96 ID:HrMeI5ec0
律「全く、唯は相変わらずだな」
唯ちゃんが食べ始めるのを見て、私たちもお弁当を取り出し
膝の上にちょこんと乗せる。
紬「いただきます」
いつもと変わらない、お昼休みのおしゃべり。
りっちゃんがふざけて、唯ちゃんがそれに乗っかる。
二人の面白可笑しいやり取りに、私も澪ちゃんも笑う。
時々、澪ちゃんがりっちゃんにつっこむ。
それを見て、唯ちゃんも笑う。
ひらけた屋上の世界は、私たち4人だけのものだった。
どこまでも続くように見えるこの景色…
この4人ならどこへだって行ける。
そんな全能感を、心の奥底で感じていた。
唯ちゃんが食べ始めるのを見て、私たちもお弁当を取り出し
膝の上にちょこんと乗せる。
紬「いただきます」
いつもと変わらない、お昼休みのおしゃべり。
りっちゃんがふざけて、唯ちゃんがそれに乗っかる。
二人の面白可笑しいやり取りに、私も澪ちゃんも笑う。
時々、澪ちゃんがりっちゃんにつっこむ。
それを見て、唯ちゃんも笑う。
ひらけた屋上の世界は、私たち4人だけのものだった。
どこまでも続くように見えるこの景色…
この4人ならどこへだって行ける。
そんな全能感を、心の奥底で感じていた。
12: 2011/04/15(金) 21:49:09.73 ID:HrMeI5ec0
唯ちゃんたちの会話を聞きながら、私は青く透明な空を仰いだ。
気ままに漂う雲、包み込むような太陽の温もり…
過去も未来もなく、ただここに居る私たちを静かに祝福している、
そんな昼下がりの午後
――この幸せが、いつまでも続けばいいのに。
気ままに漂う雲、包み込むような太陽の温もり…
過去も未来もなく、ただここに居る私たちを静かに祝福している、
そんな昼下がりの午後
――この幸せが、いつまでも続けばいいのに。
14: 2011/04/15(金) 21:57:15.96 ID:HrMeI5ec0
唯ちゃんたちの会話が途切れた。
見ると、みんな同じように空を見上げていた。
律「…いい天気だな」
澪「ああ…」
唯「……」
永遠に感じていたいこの瞬間も、ゆるやかに流れる時の前には儚く消える。
どんなに記憶に刻んでも、いつかは色褪せる想い出になってしまうなら
私は何よりも大切にしたい。
この日、この時、この場所を…わたしの大切な人たちとともに。
今にも落ちてきそうな空の下で
私たちは幸せと寄り添っていた
見ると、みんな同じように空を見上げていた。
律「…いい天気だな」
澪「ああ…」
唯「……」
永遠に感じていたいこの瞬間も、ゆるやかに流れる時の前には儚く消える。
どんなに記憶に刻んでも、いつかは色褪せる想い出になってしまうなら
私は何よりも大切にしたい。
この日、この時、この場所を…わたしの大切な人たちとともに。
今にも落ちてきそうな空の下で
私たちは幸せと寄り添っていた
15: 2011/04/15(金) 22:00:48.19 ID:HrMeI5ec0
お
わ
り
18: 2011/04/15(金) 22:04:54.36 ID:2rjIMCPp0
おつ
19: 2011/04/15(金) 22:05:17.22 ID:BYJ0o0fPO
乙
引用元: 紬「今にも落ちてきそうな空の下で」
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