2: 2022/06/09(木) 21:32:44.74 ID:sUua0Jqy.net
すみれ「かのん かのん かーのーん!」

かのん「ん?なに すみれちゃん」

すみれ「あのさー かのんに聞きたいことあったんだけど」

かのん「なに?」

4: 2022/06/09(木) 21:37:19.34 ID:nd9pqWto.net
かのん「…え?」

とある昼下がりの部室で、急にすみれちゃんからこんな事を言われた。

かのん「えっと…私もすみれちゃんの事、好きだよ?」

すみれ「はぁ…なんか、想像通りって感じね」

かのん「え?」

不意に、すみれちゃんが立ち上がって。私の方に来たかと思うと…

すみれ「かのん」ズイッ

5: 2022/06/09(木) 21:37:47.92 ID:nd9pqWto.net
かのん「ひぃっ!す、すみれちゃん…なに?」

すみれ「覚悟してなさいよ」ビシッ

それだけ言って、すみれちゃんはまた席に戻った。

かのん(…え?どういうこと?)

もうこちらを見向きもせず、スマホを弄ってるすみれちゃんの頬が微かに赤いのは…何の意味があるのか。
それを私が知るのは、もう少し後の話。

9: 2022/06/09(木) 21:40:05.82 ID:nd9pqWto.net
翌朝―――

かのん「じゃ、行ってきま~す」

すみれ「おはよ、かのん」

かのん「あ…すみれちゃん」

すみれ「どうしたの、早く学校行きましょ」

かのん「う、うん」

かのん(すみれちゃんがお迎えだなんて、初めてだよね…?)

10: 2022/06/09(木) 21:45:02.04 ID:nd9pqWto.net
すみれ「ほら、早く」ムギュ

かのん「すっ、すみれちゃん!?」

すみれ「?どうしたの」

かのん「どうしたもこうしたも、腕を組まなくても…」

すみれ「別にいいじゃない」

かのん「えぇ…///」

かのん(周りの視線が…恥ずかしい…)

11: 2022/06/09(木) 21:50:00.71 ID:nd9pqWto.net
すみれ「~♪」スタスタ

かのん「あの、すみれちゃん?」

すみれ「なにかしら?」

かのん「すみれちゃんは…気にならない?周りの視線とか…」

すみれ「私はかのんの事しか気にしてないもの。かのんも…周りの視線なんか気にしないで、私の事だけ見てなさい」

かのん「うっ、うん…」

かのん(なんかドキドキしてきた…恥ずかしい、だけだよね…?)

13: 2022/06/09(木) 21:53:02.84 ID:nd9pqWto.net
かのん「…あ、ちぃちゃん達だ」スタスタ

千砂都「あ、かのんちゃん!うぃー…っす?」

可可「かのん…と、どうしてグソクムシが一緒に?」ジトーッ

すみれ「いいじゃない。私とかのんが一緒にいようが、貴女達に関係ないでしょ?」

恋「あのぉ…お二人はどうして、腕を組まれてるのですか?」

かのん「そっ、それは…」

すみれ「かのんに、私の事好きになってもらいたいからよ」

3人「…はあっ!?」

14: 2022/06/09(木) 21:57:38.44 ID:nd9pqWto.net
かのん「だ、だって。私、もうすみれちゃんの事好きなんだけど…」アハハ

すみれ「はぁ…かのんはこんな調子だから。わかってくれるわよね?」

恋「そ、それって!すみれさんとかのんさんで禁断の…!?///」

すみれ「あんた達には悪いけど、私はかのんと二人でいたいから…かのん、走るわよっ!」ダッ

かのん「えっ!?ちょ、ちょっとすみれちゃ~ん!!」

可可「あ!待ちやがれデス!」

千砂都「恋ちゃん、取り敢えず追うよっ!」

恋「えっ。は、はい!」

15: 2022/06/09(木) 22:01:10.08 ID:nd9pqWto.net
かのん「はっ…はあっ…あの、すみれちゃん。なんで」

すみれ「…かのんに。かのんに、私だけ見ててほしいからよ」

かのん「っ…」ドキッ

すみれ「ふふっ、今ドキッとしたでしょ。なら今日の作戦は成功ね♪」ギュ~ッ

かのん「す、すみれちゃん!腕キツイって!」

かのん(それに、どことは言えないけど当たってる!そ、そうだよ!このドキドキは、走って疲れたのと、そういうドキドキだって!だから…)

かのん「すみれちゃん!学校、ついたからここまでっ!!」パッ

すみれ「…ちぇ。残念」

16: 2022/06/09(木) 22:05:31.34 ID:nd9pqWto.net
かのん「ほら、教室でちぃちゃん達待ってよ?」

すみれ「…ねぇ、かのん」

かのん「?」

すみれ「その…迷惑、じゃなかった?」

かのん「えっ?」

すみれ「さっきまでの事。もし、本当にイヤだったら…」

かのん「ぜ、全然!迷惑はしてなかったよ!」

すみれ「そう?だったら…明日からも、していい?」

かのん「そっ、それは…」

すみれ「…」ジィーッ

17: 2022/06/09(木) 22:06:14.11 ID:nd9pqWto.net
かのん(顔近いって~!うぅ…すみれちゃんのお顔、綺麗だなぁ)

って、こんな状況で何考えてるの!でも、こんな顔で見つめられちゃ…

かのん「い、いいよっ」プイッ

断れなかった…

すみれ「ほんと?嬉しいっ」ニコッ

かっ、可愛い~!じゃなくって!!

すみれ「言質は取らせてもらったからね、かのん」

かのん「はぁ~い…」

可可「ぜえっ、はぁっ…追いつき、マシタ…パタリ」

千砂都「ふぅ…にしても、まさかすみれちゃんがかのんちゃんを、ねぇ…」

19: 2022/06/09(木) 22:10:40.86 ID:nd9pqWto.net
あくる日―――

すみれ「かのん、明日はお弁当いらないからね」

かのん「え?」

恋「えぇっと…すみれさん、明日は朝から一日練習ですよ?」

すみれ「えぇ。知ってるわよ?私がかのんのお弁当作ってくるから」

かのん「えっ!?そ、そんなぁ!すみれちゃんに悪いよぉ…」

すみれ「私がしたいからやるのよ。悪いだなんて思わないで」

かのん「でっ、でもぉ…」

20: 2022/06/09(木) 22:11:16.35 ID:nd9pqWto.net
すみれ「…もし、悪いって思っちゃうなら。明日のお弁当、美味しく食べて。それをお詫びとして受け取ってあげるわ」

かのん「うっ、うん…」

千砂都「成る程。次は胃袋を掴む作戦か」

可可「…千砂都はよいのデスか?すみれに好き勝手させておいて」

千砂都「まぁ、私はすみれちゃんだったら安心かな」

可可「いったい千砂都は何目線なんデスか」

21: 2022/06/09(木) 22:14:10.95 ID:nd9pqWto.net
次の日―――

千砂都「よぉ~し、じゃあ一旦お昼休憩にしよっか!」

一同「はぁ~い」

すみれ「かのんっ。約束のお弁当」スッ

かのん「あ、ありがとう…」

すみれ「ほら、一緒に食べましょ」

かのん「うん。開けていい?」

すみれ「もちろん」ニコッ

22: 2022/06/09(木) 22:15:18.96 ID:nd9pqWto.net
かのん「よいしょっと…うわぁ!どれも美味しそう!あ、ハンバーグ!」

すみれ「好きだって言ってたでしょ」

かのん「うん!覚えててくれたんだね~、えへへ」ニコニコ

すみれ「ほら、食べて食べて」

かのん「うんっ。いただきま~す!あむっ…」

すみれ「それで…味はどう?」ドキドキ

かのん「美味しいっ!毎日食べたいぐらい美味しいよ!!」

すみれ「まっ、毎日…///そっ、そうよね!この私にかかれば当然よ!!」ポッポス

23: 2022/06/09(木) 22:16:22.49 ID:nd9pqWto.net
かのん「ん~、本当に美味しい…他のオカズも全部美味しいなぁ」パクパク

すみれ「ね、かのん」

かのん「むぐむぐ、なぁに?」

すみれ「はいっ、あ~ん」

かのん「んぐっ、けほっ、けほっ!」

すみれ「かのん!?大丈夫!?」ビクッ

かのん「だ、大丈夫!ビックリしちゃっただけだから…ど、どうしたの急に」

すみれ「かのんがとっても美味しそうに食べるから…私の分も食べてほしいなって」

24: 2022/06/09(木) 22:17:14.95 ID:nd9pqWto.net
かのん「でも、すみれちゃんも食べたいんじゃ…」

すみれ「それよりもかのんが美味しそうに食べてる方が見ていたいわ」

かのん「うっ、うん…」ドキドキ

すみれ「それじゃ、あ~ん」

かのん「あ~、むっ…」

すみれ「美味し?」

かのん「うん、美味ひ…」モグモグ

25: 2022/06/09(木) 22:18:26.04 ID:nd9pqWto.net
すみれ「…さっきのと、どっちのが美味しい?」

かのん「むぐっ…」

すみれ「…」ジィーッ

かのん「い、今の…モグモグ…」

すみれ「なんで?」

かのん「す…すみれちゃんに、食べさせて貰ったからです…///」

すみれ「ふふっ、ならよかったわ」ニコッ

26: 2022/06/09(木) 22:19:15.33 ID:nd9pqWto.net
千砂都「…あんなの、誘導尋問じゃん」

可可「というか、かのん。すみれにプロポーズまがいの事を…」

恋「うぅ、見てるこっちまで恥ずかしくなってきてしまいますね…///」

可可「ふん!千砂都が許してるから多めに見てますが、可可はまだすみれの事認めてませんからね!」

千砂都「可可ちゃんも大概何目線なのさ?」

27: 2022/06/09(木) 22:26:20.90 ID:nd9pqWto.net
またあくる日―――

かのん「すみれちゃーん、まだ帰らないの?」

すみれ「ん…ちょっと埃が気になるから…もう少し掃除してから帰るわ」

可可「小姑デスね」

千砂都「こら、可可ちゃん」テシッ

可可「アイヤッ」

恋「ふふ、素敵な心構えだと思います」

かのん「じゃあ、先帰ってるからね~」フリフリ

28: 2022/06/09(木) 22:26:46.54 ID:nd9pqWto.net
すみれ「~~♪」パタパタ

すみれ「ロッカーの中も…まぁ、全員分やりましょっか」ガチャリ

すみれ「あ…」

すみれ(かのんってば、タオル忘れてるわ。後で届けてあげなくちゃ)

すみれ「…」ゴクリ

すみれ「…ごめんなさいね、かのん」

タオルに鼻を当てて、思いきり息を吸い込んだら。

すみれ「…好きな人の匂いって、こんな感じなのね」

制汗剤の匂いに混じって、爽やかな香りが。全身を突き抜けて、胸をきゅうって締め付けていく。

29: 2022/06/09(木) 22:27:16.69 ID:nd9pqWto.net
すみれ「かのん…好きよ…」スンスン

かのん「やばーいっ!!タオル忘れて…た…」バタンッ

すみれ「あ…」サアァッ

かのん「すみれ…ちゃん?なにやって…」

すみれ「…ロッ、ロッカー!!」バッ

かのん「ん!?」

すみれ「ロッカー、掃除してたらかのんのタオル見つけたから!急いで渡しに行こうと思ってたの!!」アタフタ

30: 2022/06/09(木) 22:27:57.42 ID:nd9pqWto.net
かのん「え?あ、そう…なんだ!」

すみれ「はいっ、かのん!いやー、おっちょこちょいも程々にしなさいよ!」

かのん「う、うん。ありがと…お掃除、頑張ってね?」

バタリ…

すみれ「…」

すみれ「…はぁ」ヘナヘナ

すみれ(いっそコロして…うぅ…)グスン

31: 2022/06/09(木) 22:29:31.41 ID:nd9pqWto.net
かのん「…」ドキドキ

かのん(さっき、タオルの匂い嗅がれてたよね…どうしよう!?変な匂いでもしてたのかな!?)スンスン

かのん「別に、普通の…あ」

かのん(いつも使ってる制汗剤じゃない匂いがする…もしかして、すみれちゃんの)スンスン

かのん「…いい匂い///」ボソッ

かのん(ってぇ!何さ、いい匂いって!?変態みたいじゃんか!)

かのん(うぅ、最近すみれちゃんにドキドキさせられっぱなしだよぉ…)

52: 2022/06/10(金) 20:59:30.55 ID:/ujhCzJ2.net
数日後―――
すみれ「おはよ、かのん」

かのん「あ、すみれちゃん…うん、おはよう」ドキドキ

すみれ「今日も一緒に行きましょうね」ムギュ

かのん「うん…」

かのん(数日経てば、すみれちゃんとの登校にも慣れるかなって思ってたけど…むしろ、初日よりドキドキしてる気がする///なんでだろう…)

すみれ「あれ…あんた、傘は?」

かのん「え?今日雨降るの?」

すみれ「天気予報ぐらい見ておきなさいよ…取ってくる?」

かのん「う~んと…いいや、今から取りに行くの面倒くさいし」

すみれ「ずぼらったらずぼらね」クスクス

53: 2022/06/10(金) 21:00:23.59 ID:/ujhCzJ2.net
かのん「それに…」

かのん(ずっと、すみれちゃんと一緒にいたいし)

すみれ「ん、なあに?」

かのん「…あ…なんでも、ないっ」プイッ

すみれ「…?」

かのん(あれ、今私何考えて…)

すみれ「…まぁ、いいわ。帰りは私の傘に入って行きなさい。送ってあげる」

かのん「う、うん」

54: 2022/06/10(金) 21:00:58.20 ID:/ujhCzJ2.net
すみれ「ふふっ、かのんと帰りも一緒なんて嬉しいわ」ニコッ

かのん「…!」ドクンッ

すみれ「ふふっ、かのんってば顔赤い。いよいよ私の作戦も効いてきたかしら?」

かのん「さ、作戦って…?」

すみれ「わからないの?かのんの事をメロメロにさせる作戦」

かのん「っ!メ、メロメロって…」

55: 2022/06/10(金) 21:01:31.40 ID:/ujhCzJ2.net
すみれ「前のかのんなんて、どうせ告白したってわかってくれなさそうだったから。いっその事、かのんから私に告白したいって思わせたかったのよ。ふふ、どう?この私に告白したくて、いてもたってもいられないんじゃない?」

かのん「それは…まだ、わかんない///」プイッ

すみれ「…まぁいいわ。もうじき、わかると思うから♪」ギュッ

かのん「っ…///」ドキドキ

かのん(わかん、ないよ…だって、すみれちゃんとはずっと友達でいたいって思ってた。でも、このドキドキは…友達へのドキドキじゃない。そもそも、友達にドキドキなんてしないもん。私は、いったいどうすればいいの?)

かのん(…わかっちゃって、いいのかな)

56: 2022/06/10(金) 21:08:41.12 ID:/ujhCzJ2.net
―――――
ザアァァァ…

かのん「雨、降ってきちゃった」

すみれ「予報通りね。さ、かのん。帰りましょ」

かのん「うん…」

ピチャ、ピチャ

かのん「雨が降ってると、あの日の事を思い出すね」

すみれ「えぇ。あの日、かのんがスカウトしてくれたから。私はリエラの一員としてステージに立ててるんだもの。感謝したってしきれないわ」

かのん「…ちゃんと、覚えててくれてるんだね」

すみれ「もちろん、私がかのんを好きになったキッカケだもの」ニコッ

57: 2022/06/10(金) 21:09:12.25 ID:/ujhCzJ2.net
かのん「そ、そうなんだ…///」プイッ

すみれ「ふふっ、かのんってばまた私にドキドキしてるでしょ」

かのん「別に、してないっ…」スタスタ

すみれ「…あぁ、ちょっと」グイッ

かのん「うわっ。ど、どうしたの、すみれちゃん」

すみれ「傘からはみ出たら濡れちゃうでしょ、もう」

かのん「…ありがと」ドキドキ

かのん(これも作戦、なのかな…全部、私がすみれちゃんを好きになるように)

58: 2022/06/10(金) 21:09:38.46 ID:/ujhCzJ2.net
ザパァァァァァァァァン!

すみれ「あ…かのん…」

かのん「…今、何が」ビショビショ

すみれ「…車が水溜りの上を」

かのん「すみれちゃんが濡れなくてよかった…へっくしょい!!」ビショビショ

すみれ「あぁ、もう…どうしましょう…私の家が近いから、寄ってく?」

かのん「お願いします…ずびび…」

59: 2022/06/10(金) 22:01:00.49 ID:/ujhCzJ2.net
―――――
かのん「ふぅ…すみれちゃん、シャワーと着替えありがとう」

すみれ「ん。なんか温かいもの持ってくるわ。リクエストある?」

かのん「えぇっと…じゃあ、カフェオレで」

すみれ「はーい。えぇと、コーヒーあったかしら…」トテトテ

かのん「…」キョロキョロ

かのん(すみれちゃんのお部屋、整理整頓が行き届いてて綺麗だなぁ)

かのん(着替え、いい匂い…いつもすみれちゃんと腕組んでるときより、ずっと距離が近いような感じがする…)スンスン

かのん(…って、ダメダメ!こんなんじゃ、また私変態みたいじゃん!)ドキドキ

60: 2022/06/10(金) 22:05:33.14 ID:/ujhCzJ2.net
かのん「…あ」

かのん(あの時の名刺、机に飾ってある…)

『かのんに、私の事好きになってもらいたいから』
『かのんに、私だけ見ててほしい』
『この私に告白したくて、いてもたってもいられないんじゃない?』

かのん(すみれちゃん、本当に私の事が好きなんだ…)

ドクンッドクンッ

かのん(あ、また…なんで、すみれちゃんの事考えたら、私もドキドキしちゃうの…?)

62: 2022/06/10(金) 22:10:58.12 ID:/ujhCzJ2.net
すみれ「おまたせ。インスタントしかなかったけど大丈夫?」

かのん「あ、うん。ありがと…ごくっ…ぷはぁ、温まる~」

すみれ「あんたもインスタントとか飲むのね。家がカフェだし、てっきりそういうのイヤかと思ったわ」

かのん「珍しいフレーバーとかがあると買っちゃうんだ。お母さんが怒っちゃうから、こっそりだけどね」

すみれ「ふふっ、なんだか可愛い」クスクス

かのん「ごくごく…すみれちゃんは何飲んでるの?」

すみれ「抹茶ラテ。抹茶好きだし、結構飲むのよね」

かのん「へぇ~」

63: 2022/06/10(金) 22:15:38.59 ID:/ujhCzJ2.net
すみれ「…一口飲む?」

かのん「えっ、いいの?じゃあ…すみれちゃんも、こっちと交換で」

すみれ「えぇ」

かのん「どれどれ…うわぁ、こっちも美味しい…けど、ちょっと甘過ぎるかも…?」

すみれ「それ、甘さ控えめの筈よ」

かのん「えっ」

64: 2022/06/10(金) 22:16:04.37 ID:/ujhCzJ2.net
すみれ「ふふっ、そんなに嬉しかったのかしら…私との間接キス?」

かのん「はっ、ち、違う!そんなつもりじゃない!!ほら、すみれちゃん!抹茶ラテ返す!」プイッ

すみれ「ん、ありがと。カフェオレもとっても甘かったわ」

かのん「むぅ…うん?」

かのん(このカフェオレ、結構苦めだよね?)

すみれ「…///」ズズッ

66: 2022/06/10(金) 22:17:06.22 ID:/ujhCzJ2.net
>>64 訂正

すみれ「ふふっ、そんなに嬉しかったのかしら…私との間接キス♡」

かのん「はっ、ち、違う!そんなつもりじゃない!!ほら、すみれちゃん!抹茶ラテ返す!」プイッ

すみれ「ん、ありがと。カフェオレもとっても甘かったわ」

かのん「むぅ…うん?」

かのん(このカフェオレ、結構苦めだよね?)

すみれ「…///」ズズッ

67: 2022/06/10(金) 22:20:06.13 ID:/ujhCzJ2.net
かのん「ぷはぁ、美味しかった。すみれちゃん、ありがと」

すみれ「どういたしまして…このあと、どうしましょっか。もしよかったら」

かのん「あ、えっと…さっき、ありあに連絡したから。傘と服持って、迎えに来てくれるって」

すみれ「…そうなのね。なら、よかったわ」

かのん「…?」

すみれ「それじゃあ、妹さんが来るまでお喋りでもしてましょっか」

69: 2022/06/10(金) 22:25:12.83 ID:/ujhCzJ2.net
かのん「うん…えっと…」

かのん(き、気まずい。前までは普通に話せてた筈なのに、なんで…)ドキドキ

かのん「こっ…この名刺。今でも飾ってくれてるんだね」

すみれ「えぇ、大切な思い出だもの」

かのん「センターが欲しいなら奪いに来てよって私が言ってさ、まさか本当に奪われちゃうなんて」

すみれ「ふふっ、この私の実力を持ってすれば当然の結果。あぐらかいてたら、来年のステージだってごっそり私が掻っ攫っちゃうんだから。かのんのハートみたいに、ね」ニコッ

かのん「…っ!」ドクンッ

かのん(あ…なんで…こんなに、すみれちゃんにドキドキするのか…)

かのん(私、もうとっくにすみれちゃんを…)

71: 2022/06/10(金) 22:30:04.34 ID:/ujhCzJ2.net
すみれ「…かのん?顔、赤いけど。どこか具合悪かったりする?」

かのん「はっ、なんでもないっ!」プイッ

かのん(いつもならからかってくるのに…そっか、さっき思いっきり水浴びちゃったから。心配してくれるんだ…嬉しい…)ドキドキ

かのん(ど、どうしよう。すみれちゃんを好きってわかったら、急に顔が見れなくなっちゃったよ~!)

すみれ「ねぇ…かのん?」

かのん「な、なぁに、かな?」

72: 2022/06/10(金) 22:35:01.10 ID:/ujhCzJ2.net
すみれ「…私と話すの、イヤだったりする?」

かのん「えっ…」

すみれ「だって。最近私が話しかけてもずっとそっぽ向いてるし、どこか上の空みたいだから…」

かのん「あ…」

すみれ「ご、ごめんなさい。照れ隠しかも、なんて都合のいい解釈よね。最近の私、調子に乗っちゃってたかしら」

かのん「ち、ちが…」

すみれ「もしかして、今までの事もずっと迷惑だったんじゃ…だったら私、私…」

73: 2022/06/10(金) 22:40:05.56 ID:/ujhCzJ2.net
かのん「っ、そんな事言わないでよっ!!」ダキッ

気づいたら、身体が動いていた。

すみれ「へ…か、かのん!?きゅ、急にどうして…///」

私は、抱きついた勢いのまますみれちゃんを押し倒すような形で、ベッドにダイブしていた。

かのん「…迷惑だなんて、思うわけ無いじゃん。そんなこと、言わないでよ…!」

74: 2022/06/10(金) 22:42:07.61 ID:/ujhCzJ2.net
かのん「こんなに…こんなに好きにさせたのは、すみれちゃんのくせに!!!」

75: 2022/06/10(金) 22:45:54.60 ID:/ujhCzJ2.net
すみれ「…!!」

かのん「大成功だよ、すみれちゃんの作戦!もうすみれちゃんの顔を見るだけでドキドキしちゃうぐらい、すみれちゃんに恋しちゃってるんだよ!」

すみれ「あ…かのん…私、急に不安になっちゃって…」ポロポロ

かのん「じゃあ、私が謝る。好きな人を不安にさせちゃうなんて、しちゃいけなかった」ギュッ

すみれ「かのん…かのんっ、好き…!」ギュッ

かのん「私もすみれちゃんの事、好きだよ…すみれちゃん、言ったよね。『私がかのんを好きって言ったら…あんたはどうする?』って。私は…すみれちゃんの、恋人になりたい。すみれちゃんと、お付き合いしたい」

すみれ「ええっ…いいわよ。ふふ、この私と付き合えるだなんて光栄に思いなさい」グスン

かのん「うん、いつもの…私の好きな、すみれちゃんだ」ギュッ

77: 2022/06/10(金) 23:00:02.23 ID:/ujhCzJ2.net
―――――
かのすみ「………」ギュッ

かのん「…雨、止んでるね」

すみれ「えぇ…何から何まで、あの日みたい」

かのん「ありあ、もうすぐ来ちゃうかな…もう少しだけ、来ないでほしいな」

すみれ「奇遇ね…私も」

かのん「ねぇ、すみれちゃん」

すみれ「なぁに、かのん?」

78: 2022/06/10(金) 23:01:49.55 ID:/ujhCzJ2.net
かのん「私達、恋人同士になったわけだけど…何かしたい事ある?」

すみれ「そうね…かのんに、もっと好きって言って欲しいわ」

かのん「ふふ、そんな簡単な事でいいの?好きだよ、すみれちゃん。大好きったら大好き」ギュッ

すみれ「私の口癖盗らないで、もう…私も好き、かのん」ギュッ

かのん「すみれちゃん…」

かのん(すみれちゃんのお顔、本当に綺麗…)

79: 2022/06/10(金) 23:02:26.83 ID:/ujhCzJ2.net
かのん「…キス、したい」ボソッ

すみれ「ふふっ…かのんってば、急に欲しがりさんね」

かのん「あれ、私声に出てた!?」

すみれ「えぇ。かのんさえよければ、私はいつでも…」

すみれちゃんが、そっと目を閉じる。私も、その顔に吸い寄せられるように…

コンコン

すみれ妹「お姉ちゃーん?」

かのすみ「…!!!」シュバッ

80: 2022/06/10(金) 23:03:07.76 ID:/ujhCzJ2.net
すみれ「は、入っていいわよ」

すみれ妹「お姉ちゃんのお友達、お迎えが来たって」

ありあ「こんばんはー…あ、お姉ちゃん。はいこれ、着替え」

かのん「あっ…ありが、と」

ありあ「ん?どうかしたの?」

かのん「なっ、なんでもない!急いで着替えるから、外で待ってて」

ありあ「う、うん…じゃあ、待ってるからね」

81: 2022/06/10(金) 23:04:06.48 ID:/ujhCzJ2.net
かのん「はぁ…タイミング悪過ぎだよ~」

すみれ「そう、ね…じゃあ、私も外で待ってるから」

かのん「待って。すみれちゃんだったら…見てていいよ?」

すみれ「っ…ダメったらダメ」

かのん「なんで。いつも見てるじゃん」

すみれ「あんたの妹さんも来てるのに…耐えられそうにないから」

かのん「…すみれちゃんのえOち」

すみれ「先に着替え見せるだなんて言ったのはあんたでしょ!?」

かのん「そういうのは…また今度ね」

すみれ「えっ…えぇ///」

82: 2022/06/10(金) 23:05:11.48 ID:/ujhCzJ2.net
―――――
ありあ「それじゃあ、お姉ちゃんの事ありがとうございました」ペコリ

かのん「お邪魔しました」

すみれ「ん。また明日学校でね」フリフリ

かのん「…」スタスタ

ありあ「お姉ちゃん?なんか浮かない顔してるけど」

かのん「…ごめん、ありあ。荷物持ってて!」ダッ

ありあ「は!?忘れ物でもしたの!?」

かのん「そんなところー!」

83: 2022/06/10(金) 23:06:13.47 ID:/ujhCzJ2.net
すみれ「…はぁ」

かのん「…ちゃーん!すみれちゃーん!!」タッタッタッ

すみれ「え…かのん!?あんた、どうかして」

かのん「…」ガシッ

すみれ「へ…か、かのん!?」

かのん「…んむっ」チュ

すみれ「…~~~!?」ボンッ

かのん「ぷは…明日からも、家で待ってるからね」

84: 2022/06/10(金) 23:07:02.80 ID:/ujhCzJ2.net
すみれ「え、えぇ…」

かのん「それじゃあ、ばいばい!///」タッ

すみれ「…」ヘナヘナ

すみれ「はぁ…もう、なんなのよったらなんなのよぉ…」

すみれ「作戦、大成功かぁ…」

すみれ「…ふふふっ///」

85: 2022/06/10(金) 23:07:34.65 ID:/ujhCzJ2.net
おしまい
ありがとうございました。

87: 2022/06/10(金) 23:32:00.50 ID:mjxaB77N.net
甘すぎて砂糖吐いた
かのすみは最高だな

88: 2022/06/10(金) 23:44:42.44 ID:pSyDJH4I.net
かのすみありがとうね!

引用元: すみれ「私がかのんを好きって言ったら…あんたはどうする?」